JP4677860B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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本発明は、機関バルブのバルブ特性を変更する可変動弁機構を電動アクチェータにて駆動する内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1に示されるように、機関バルブの最大リフト量や作動角などといったバルブ特性を変更する可変動弁機構を、電動アクチェータによって駆動するようにした内燃機関の制御装置が知られている。
こうした装置にあっては、例えば機関停止要求に応じて機関バルブのバルブ特性が次回の機関始動に適したものとなるように、電動アクチェータを通じて可変動弁機構を駆動するものが存在する。このように従来おいては、イグニッションスイッチのオフ操作などの機関停止要求に応じた内燃機関の停止後に電動アクチェータの駆動が所定期間継続されたり、或いはこうした電動アクチェータの駆動がイグニッションスイッチのオン操作に応じて機関始動前から開始されたり、といったことが一般に行われている。
ところで、電動モータからなる電動アクチェータの制御方法として、例えば特許文献2に記載されたものが知られている。即ちこの制御方法にあっては、既にマイコン等の記憶手段に記憶させた電動アクチェータの絶対状態値(学習値)と、この学習値を基準としてそこからどれだけ電動アクチェータの状態が相対変化したかを表す相対変化値との双方を用いて電動アクチェータの状態を常時把握しつつ、同アクチェータをフィードバック制御するようにしている。
こうした制御方法を上述の内燃機関の制御装置に適用した場合、例えば、以下のような態様を採用することが可能である。即ち、機関停止要求に応じて電動アクチェータの駆動を停止したとき、そのときの機関バルブのバルブ特性を学習値として記憶しておく。そして、その後のイグニッションスイッチのオン操作に伴う電動アクチェータの駆動開始に際して、上記学習値を同アクチェータの駆動開始時点における機関バルブのバルブ特性として把握するとともに、その後はこの学習値を基準としてそこから機関バルブのバルブ特性がどれだけ変化したかを検出しつつ同アクチェータを駆動する。これにより可変動弁機構を通じた機関バルブのバルブ特性のフィードバック制御が可能となる。
特開2004−251216号公報 特開2004−76265号公報
しかしながら、機関停止後や機関始動前といった機関停止時には、内燃機関によって発電機が駆動されないことから同発電機からバッテリへの電力供給がなされない。そのため、こうした機関停止時に電動アクチェータが駆動される上述の態様にあっては、同アクチェータの駆動に伴うバッテリの負荷が大きくなる。
バッテリにおけるこのような電力負荷の増大はバッテリ自身の耐久性を低下させる要因になるとともに、該電力負荷の増大に伴い過度な電圧低下が生じると、記憶手段を構成するマイコンがリセットされて記憶データ即ち上記学習値が消失するといった懸念が生じる。この場合、その後の電動アクチェータの駆動開始時に、基準となる機関バルブのバルブ特性を把握することができず、上記バルブ特性の制御に支障を来すこととなる。
また、上記機関停止時には機関駆動音(燃焼音等)が発生しないことから電動アクチェータの駆動音が運転者等に認識され易く、違和感を与える懸念がある。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バッテリの負荷を軽減するとともに機関バルブのバルブ特性制御を好適に行うことができ、更に電動アクチェータの駆動音が運転者等に与える違和感を低減することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
先ず、請求項1に係る発明は、内燃機関によって駆動される発電機から電力が供給されるバッテリと、前記バッテリを電力源とし、機関バルブのバルブ特性を変更すべく可変動弁機構を駆動する電動アクチェータと、機関停止要求に応じて前記機関バルブのバルブ特性を所定の特性とすべく前記電動アクチェータを制御する制御手段と、機関回転速度が発電機の発電可能となる最低の回転速度よりも低いとき、内燃機関が停止状態にあるとみなす判断手段と、前記判断手段によって内燃機関が停止状態にあるとみなされるときに前記電動アクチェータの駆動を禁止する禁止手段と、前記禁止手段によって前記電動アクチェータの駆動が禁止されたとき、そのときの前記機関バルブのバルブ特性を学習値として記憶する記憶手段と、前記電動アクチェータの駆動開始に際して、前記学習値を前記電動アクチェータの駆動開始時点における前記機関バルブのバルブ特性として把握する把握手段とを備えることをその要旨とする。
同構成によれば、機関回転速度が発電機の発電可能となる最低の回転速度よりも低く、内燃機関が停止状態にあるとみなされるときには、電動アクチェータの駆動が禁止される。従って、発電機による発電がなされないときの電動アクチェータ駆動が禁止されることからその電力源であるバッテリの負荷が軽減され、同バッテリの耐久性が向上することとなる。
そして、こうしたバッテリ負荷の軽減により同バッテリの過度な電圧低下が抑制され、上述のような記憶データ(学習値)の消失が抑えられるようになり、その結果、機関バルブのバルブ特性制御、ひいては内燃機関の吸排気にかかる制御を良好に行うことができるようになる。
また、上記機関停止時においては機関駆動音が発生せず電動アクチェータの駆動音が認識され易い状況となるが、本発明では内燃機関が停止状態にあるとみなされるときの電動アクチェータの駆動が禁止されるため、その駆動音が運転者に与える違和感を低減することができる。
なお、ここでいう「機関バルブのバルブ特性」は、例えば、機関バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)や最大リフト量、作動角などを意味するものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記機関停止要求はイグニッションスイッチのオフ操作に基づくものであり、前記禁止手段は機関停止後における前記電動アクチェータの駆動を禁止するものであることをその要旨とする。
同構成によれば、イグニッションスイッチのオフ操作に応じて機関バルブのバルブ特性を所定の特性とすべく制御される電動アクチェータについて、その駆動が機関停止後において禁止されるようになる。これによれば、例えば、機関停止後におけるバッテリの過度な電圧低下が抑制され、上記学習値の消失が抑えられるようになる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記禁止手段はイグニッションスイッチのオン操作がなされてから該内燃機関が始動するまでの機関停止時における前記電動アクチェータの駆動を禁止することをその要旨とする。
同構成によれば、イグニッションスイッチがオン状態にあっても発電機による発電がなされない機関始動前には、電動アクチェータの駆動が禁止されるようになる。これによれば、例えば、機関始動前におけるバッテリの過度な電圧低下が抑制され、上記学習値の消失が抑えられるようになる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記機関停止要求に応じて、同要求がなされてから内燃機関が停止するまでの期間を所定期間だけ延長する遅延手段を備えることをその要旨とする。
同構成によれば、機関停止時期が上記所定期間分だけ遅延されるため、機関バルブのバルブ特性を所定の特性とすべく電動アクチェータを駆動する時間の確保が容易となる
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明において、当該内燃機関はバルブスプリングの弾性力に抗するカムシャフトのバルブ駆動力により前記機関バルブを開駆動するものであり、前記可変動弁機構は前記機関バルブの最大リフト量を変更するものであることをその要旨とする。
上記したように可変動弁機構のバルブ特性としては、例えば機関バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)のほか、最大リフト量や作動角などがある。
例えばクランクシャフトに対してカムシャフトを進角側或いは遅角側に回転させることでバルブタイミングを変更する可変動弁機構を採用する場合、機関バルブの開度を増大させている最中のカムを進角させる際にはバルブスプリングの弾性力がその抵抗力として働く。しかしこの場合、機関バルブの開度を減少させている最中のカムについては、これを進角させる側にバルブスプリングの弾性力が作用することから、カムシャフトに対応する気筒数が複数であれば、バルブタイミングを進角するにせよ遅角するにせよこうした力の相殺によって実質的には可変動弁機構の駆動力の増大が抑えられることとなる。
一方、機関バルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構を採用する場合には、同機構の駆動に際して上述のような力の相殺がなされず、例えば最大リフト量を増大させる際には、カムシャフトに対応する気筒数が多いほどたくさんのバルブスプリングの弾性力に抗して可変動弁機構を駆動せねばならず、特に大きな駆動力が必要となる。
従って、本請求項記載の構成によるように機関バルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構を採用する場合には、請求項1〜のいずれか一項に記載の発明による効果が特に有用なものとなる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図11を参照しつつ説明する。
図1は、内燃機関10の動弁系の構成を示すものであり、一つの気筒14における縦断面を表している。図2は内燃機関10における動弁系の周辺を示す平面図である。
本実施形態の内燃機関10は自動車の走行に用いられるものである。この内燃機関10は、シリンダブロック11、ピストン12及びシリンダブロック11上に取り付けられたシリンダヘッド13等を備えている。シリンダブロック11には、複数の気筒14、本実施形態では四つの気筒14が形成され、各気筒14には、ピストン12及びシリンダヘッド13にて区画された燃焼室15が形成されている。各気筒14には、それぞれ吸気側の機関バルブである吸気バルブ16と排気側の機関バルブである排気バルブ17とが二つずつ配置されている。吸気バルブ16は吸気ポート18を、排気バルブ17は排気ポート19を開閉する。
各気筒14の吸気ポート18は吸気マニホールド内に形成された吸気通路を介してサージタンクに接続され、エアクリーナを介してサージタンクから空気を各気筒14に供給している。上記各吸気通路には各気筒14の吸気ポート18に燃料を噴射するためのフューエルインジェクタがそれぞれ配置されている。なお、このように吸気バルブ16の上流側にて燃料噴射する内燃機関以外に、直接、各燃焼室15内に燃料を噴射する筒内噴射型内燃機関を用いることもできる。燃焼室15におけるこうした燃料と空気との混合気が点火プラグ20の点火により燃焼することでピストン12が往復動される。
吸気バルブ16及び排気バルブ17は、それぞれクランクシャフト(内燃機関10の出力軸)25によって回転駆動されるカムシャフトの回転を通じて開閉駆動される。これらバルブ16,17のうち吸気バルブ16は、吸気カムシャフト21の回転により開閉駆動されるとともに、可変動弁機構VLを通じてそのバルブ特性、ここでは最大リフト量及び作動角が変更されるようになっている。
可変動弁機構VLはコントロールシャフト37を軸線方向に変位させることにより、揺動部材30の入力部材32及び出力部材33,34の開き角度を変更してこれにより吸気バルブ16の最大リフト量及び作動角を変更するものである。
こうした吸気バルブ16のバルブ特性の変更は、電子制御装置60によりコントロールシャフト37の軸線方向の位置が調節されることにより行われる。電子制御装置60はCPU、ROM、RAM、EEPROM等を備えたデジタルマイクロコンピュータ(マイコン)と、各装置を駆動するための駆動回路とを主体として構成されている。
この電子制御装置60によるコントロールシャフト37の位置調節は、該シャフト37の一端側に設けられた電動アクチェータ50の駆動制御を通じて行われる。電動アクチェータ50は、電動モータ51、ギア部52及びボールねじ部53を備えている。電動モータ51は電子制御装置60の制御によりその回転軸の回転方向と回転角度とが調節される。電動モータ51にはその回転軸の回転角度を検出する回転角度センサ54が設けられている。
コントロールシャフト37の上記一端側の外周面にはボールねじ部53の雌ねじに螺合する雄ねじが形成されている。そして電動モータ51回転軸の回転がギア部52により減速されてボールねじ部53に伝達されると、これと螺合するコントロールシャフト37が軸線方向に変位する。このときコントロールシャフト37は、上記軸線方向の両方向のうち電動モータ51の回転軸の回転方向に応じた方向に変位するとともに、上記回転角度に応じた変位量分だけ変位する。
電子制御装置60は回転角度センサ54を通じて検出されるモータ回転軸の回転角度などに基づいて吸気バルブ16の実作動角を求め、この実作動角が、内燃機関10の運転状態に応じて設定される吸気バルブ16の目標作動角となるよう、電動モータ51即ち電動アクチェータ50を駆動する。こうした電動アクチェータ50の制御を通じて吸入空気量が制御される。
上記可変動弁機構VLを構成する揺動部材30は、各吸気バルブ16に対応して設けられたローラロッカアーム31と、吸気カムシャフト21に設けられた吸気カム21aとの間に配置されて、吸気カム21aからのバルブ駆動力を仲介してローラロッカアーム31に伝達することで吸気バルブ16を開閉駆動する。吸気バルブ16はこれを閉じる方向に作用するバルブスプリング22の弾性力に抗する吸気カムシャフト21のバルブ駆動力によって開駆動されることとなる。
ちなみにローラロッカアーム31はその一端がラッシュアジャスタ38を介してシリンダヘッド13に支持されている。即ちこのローラロッカアーム31は吸気バルブ16のバルブクリアランスを解消すべく設けられるものである。
揺動部材30は各気筒14毎に設けられており、図3及び図4に示されるように、図示中央に設けられた入力部材32、該入力部材32の一端側に設けられた第1出力部材33、該第1出力部材33とは反対側に設けられた第2出力部材34、及び各部材32,33,34内部に配置されたスライダギア35を備えている。
入力部材32のハウジング32a内部には軸線方向に延在する空間が形成されており、この空間の内周面には軸線方向に右ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン32bが形成されている。また、ハウジング32aの外周面からは平行な二つのアーム32c,32dが突出して形成されている。これらアーム32c,32dの先端には、ハウジング32aの軸線方向と平行なシャフト32eを有するローラ32fが回転可能に取り付けられている。
第1出力部材33のハウジング33a内部には軸線方向に延在する空間が形成されており、この空間の内周面には軸線方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン33bが形成されている。また、このハウジング33a内部の空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部33cにて一端が覆われている。また、ハウジング33aの外周面からは軸線方向に見て略三角形状のノーズ33dが突出して形成されている。このノーズ33dの一辺には凹状に湾曲するノーズ面33eが形成されている。
第2出力部材34のハウジング34a内部には軸線方向に延在する空間が形成されており、この空間の内周面には軸線方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン34bが形成されている。また、このハウジング34a内部の空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部34cにて一端が覆われている。また、ハウジング34aの外周面からは軸線方向に見て略三角形状のノーズ34dが突出して形成されている。このノーズ34dの一辺には凹状に湾曲するノーズ面34eが形成されている。
これら第1出力部材33及び第2出力部材34は、軸受部33c,34cを外側にして、入力部材32に対して両側から各端面を同軸上で接触させるように配置され、全体が、図4に示されるように内部空間を有する略円柱状となる。
入力部材32及び二つの出力部材33,34によって区画されるその内部空間には上述のスライダギア35が配置されている。スライダギア35は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジの螺旋状に形成された入力用ヘリカルスプライン35aが設けられている。この入力用ヘリカルスプライン35aの一端側には小径部35bを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第1出力用ヘリカルスプライン35cが設けられている。第1出力用ヘリカルスプライン35cと反対側には小径部35dを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第2出力用ヘリカルスプライン35eが設けられている。なお、これら出力用ヘリカルスプライン35c,35eは入力用ヘリカルスプライン35aに対して外径が小さく形成されている。
スライダギア35の内部には中心軸線方向に貫通孔35fが形成されている。そして図5に縦断面で示されるように、入力用ヘリカルスプライン35aの位置にて、貫通孔35fの内周面には環状の周溝35gが形成されている。この周溝35gには、一カ所にて径方向に延在するとともに外部に貫通するピン挿入孔35hが形成されている。
スライダギア35の貫通孔35fには円筒状のロッカシャフト36が挿通されている。スライダギア35はロッカシャフト36に対して周方向及び軸線方向に摺動可能な状態でこれに支持される。このロッカシャフト36は全気筒14の揺動部材30に対して共通の一本が設けられている。ロッカシャフト36はシリンダヘッド13に設けられた軸支部(図2参照)40によって、同シリンダヘッド13に対する相対変位が規制された状態で支持されている。
ロッカシャフト36には各揺動部材30に対応する位置に軸線方向に長く形成された長孔36aが貫通形成されている。また、ロッカシャフト36には、これに対して軸線方向に摺動可能な状態でコントロールシャフト37が貫通して挿入配置されている。そしてコントロールシャフト37の外周面においてロッカシャフト36の各長孔36aに対応する位置に形成された支持穴37bにはそれぞれコントロールピン37aの基端部が挿入されており、これにより該コントロールピン37aがコントロールシャフト37の径方向に突出するように支持されている。
そしてコントロールシャフト37がロッカシャフト36の内部に配置されている状態では、コントロールピン37aの先端は、ロッカシャフト36の長孔36aを貫通し、スライダギア35の周溝35gに挿入されている。
このような構成により、スライダギア35はコントロールシャフト37の変位(軸線方向への変位)に伴って軸線方向への変位が可能であり、コントロールシャフト37の位置制御により揺動部材30の内部におけるスライダギア35の位置を決定できる。スライダギア35は、コントロールピン37aによる周溝35gの係止を受けていることから、コントロールシャフト37との間で軸線方向への相対変位が規制される一方で、軸周りについてはコントロールピン37aの位置に関わらず揺動可能となっている。
スライダギア35における入力用ヘリカルスプライン35aは入力部材32内部のヘリカルスプライン32bに噛み合わされている。そして第1出力用ヘリカルスプライン35cは第1出力部材33内部のヘリカルスプライン33bに噛み合わされ、第2出力用ヘリカルスプライン35eは第2出力部材34内部のヘリカルスプライン34bに噛み合わされている。
揺動部材30は、各出力部材33,34の軸受部33c,34cとシリンダヘッド13の軸支部40との当接によってシリンダヘッド13上に軸線方向への変位が規制される状態で取り付けられている。このためコントロールシャフト37がスライダギア35を軸線方向に変位させても、入力部材32及び各出力部材33,34は軸線方向に殆ど変位しない。
従って、揺動部材30の内部においてスライダギア35の軸線方向の変位量即ちコントロールシャフト37の軸線方向の変位量を調節することで、各ヘリカルスプライン35a,32b,35c,33b,35e,34bの機能により、ロッカシャフト36の周方向における入力部材32及び各出力部材33,34の開き角度を変更できる。そしてこのことにより、入力部材32のローラ32fと出力部材33,34のノーズ33d,34dとの位置関係を変更することができる。
本実施形態では、入力部材32が吸気カム21aに押圧されてロッカシャフト36の周方向に揺動することでその揺動がスライダギア35を介して出力部材33,34に伝達され、これにより該出力部材33,34が上記周方向に揺動される。
なお、コントロールシャフト37はそれ自身に設けられた図示しない突起とシリンダヘッド13側に設けられた図示しないストッパとの当接によって、軸線方向への移動が規制されるようになっている。
図6は、こうした規制範囲内でコントロールシャフト37を最大限L側(図3,4の矢印)の位置にまで変位させた場合の揺動部材30の作動状態を示している。図6(a)が非カム押圧時(吸気カム21aのカムノーズが入力部材32を押圧していない時)、図6(b)がカム押圧時(上記カムノーズが入力部材32を押圧している時)である。この場合にはロッカシャフト36の周方向における入力部材32及び出力部材33,34の開き角度θが最小となり入力部材32のローラ32fと各出力部材33,34のノーズ33d,34dとの相対的位置関係が最も近い状態となる。このため図6(b)に示されるように吸気カム21aが最大限に入力部材32のローラ32fを押し下げても、ノーズ33d,34dのノーズ面33e,34eによるロッカローラ31aの押し下げ量は最小、ここでは押し下げ量は「0」となる。このため吸気バルブ16の作動角(開弁から閉弁までのクランク角幅)は「0」となり、最大リフト量も「0」となる。従って吸気バルブ16は閉じたままとなり、吸気ポート18から燃焼室15内に吸入される空気量即ち吸入空気量は「0」となる。
なお、本実施形態では、ロッカシャフト36の周方向における入力部材32及び出力部材33,34の開き角度θを、例えば同図に示すように、ロッカシャフト36の軸心とローラ32f回転中心とを結ぶ仮想直線と、ロッカシャフト36の軸心とノーズ33d,34d先端とを結ぶ仮想直線とのなす角度としている。
図7はコントロールシャフト37を上記規制範囲内で最大限H側(図3,4の矢印)の位置にまで変位させた場合の揺動部材30の作動状態を示している。図7(a)が非カム押圧時、図7(b)がカム押圧時である。この場合には上記開き角度θが最大となり入力部材32のローラ32fと各出力部材33,34のノーズ33d,34dとの相対的位置関係が最も遠い状態となる。このため図7(b)に示されるように吸気カム21aが最大限に入力部材32のローラ32fを押し下げた時には、ノーズ33d,34dのノーズ面33e,34eによるロッカローラ31aの押し下げ量は最大となり、吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量は最大値となる。従って図6の場合とは異なり、吸気バルブ16は吸気行程で最大に開き、吸入空気量も最大限の状態となる。
このように、コントロールシャフト37の軸線方向の変位操作に伴うスライダギア35の軸線方向の変位を通じて入力部材32及び出力部材33,34の開き角度θを変化させることにより、図6の状態と図7の状態との間で連続的に吸気バルブ16の最大リフト量及び作動角を変更することができる。こうした最大リフト量及び作動角の連続調節状態を図8のグラフに示す。同グラフは吸気バルブ16のリフト量(及び作動角)とクランク角との関係を示すものである。同図においてMINで示す状態が図6の場合に該当し、吸気行程となっても吸気バルブ16は開弁しない。図8においてMAXで示す状態が図7の場合に該当し、吸気行程では最大限の最大リフト量及び作動角とすることができる。
なお、本実施形態において電子制御装置60及び電動アクチェータ50はバッテリ70を電力源としており、同バッテリ70には、クランクシャフト25により駆動される発電機(オルタネータ)71から電力が供給されるようになっている。
電子制御装置60は、同装置60に接続されたイグニッションスイッチ(以下IGスイッチと称する)76のオフ操作など機関停止要求がなされた際の電動アクチェータ50の駆動終了時に、このときの吸気バルブ16の絶対実作動角(実作動角の絶対値)を学習値としてEEPROMに記憶する。
そして電子制御装置60は、IGスイッチ76のオン操作後、電動アクチェータ50の駆動開始時に上記学習値をEEPROMからRAMへと呼び出し、これを基準値として、その後どれだけ吸気バルブ16の作動角が増減したかを回転角度センサ54の検出値に基づき定期的に算出する。これにより、吸気バルブ16の絶対実作動角が継続的に電子制御装置60によって把握されるとともに、この絶対実作動角が機関運転状態に応じて設定される絶対目標作動角(目標作動角の絶対値)となるように電動アクチェータ50のフィードバック制御が行われ得るようになる。
このように、電子制御装置60は学習値として記憶した絶対実作動角を次の電動アクチェータ50の駆動開始時に駆動の開始点となる基準値として把握し、駆動開始後には回転角度センサ54の検出値から求められる実作動角の変化量を相対的な実作動角(相対実作動角)として把握する。そしてこれら基準値(上記絶対実作動角)と相対実作動角との合計値を定期的に算出することにより電子制御装置60は継続的に吸気バルブ16の絶対実作動角を把握する。
こうした点で電子制御装置60は、電動アクチェータ50の駆動が終了したとき、そのときの吸気バルブ16のバルブ特性を学習値として記憶する記憶手段、及び電動アクチェータ50の駆動開始に際して、上記学習値を電動アクチェータ50の駆動開始時点における吸気バルブ16のバルブ特性として把握する把握手段を構成するものといえる。
なお、仮に何らかの原因によって上記学習値が消失するなど、吸気バルブ16の絶対実作動角が不明になった場合には、電子制御装置60によって、コントロールシャフト37が上記規制範囲内で最大限L側あるいは最大限H側にまで変位するよう、即ち上記突起とストッパとが当接するまで電動アクチェータ50が駆動制御される。
例えば、この電動アクチェータ50の駆動制御においてコントロールシャフト37が最大限L側に変位させられたとすると、このときの吸気バルブ16の絶対実作動角が最小の「0」であるとして再設定される。
逆に、この電動アクチェータ50の駆動制御においてコントロールシャフト37が最大限H側に変位させられたとすると、このときの吸気バルブ16の絶対実作動角がその可変範囲の最大値であるとして再設定される。
このように本実施形態では、電動アクチェータ50や電子制御装置60に十分な電力を供給できる状況であれば、仮に吸気バルブ16の絶対実作動角が不明になった場合であっても、こうした電動アクチェータ50の駆動制御を一旦実行することによって、正確な絶対実作動角を再設定することができる。
ところで、本実施形態において電子制御装置60は、IGスイッチ76のオフ操作(機関停止要求)に応じて、吸気バルブ16の絶対実作動角が次回の機関始動に適したもの(以下、これを始動時最適作動角と称する)となるよう、電動アクチェータ50を駆動するようになっている。これにより内燃機関10の始動性向上等が図られることとなる。
ここで、仮にこうした電動アクチェータ50の駆動が内燃機関10の停止後(機関停止後)など機関停止時に行われるとすると、発電機71による発電のなされていない状況でバッテリ70から電動アクチェータ50に対して給電がなされることとなる。そのため、こうした機関停止時には、電動アクチェータ50の駆動に伴うバッテリ70の電力負荷が大きくなる。
バッテリ70におけるこのような電力負荷の増大はバッテリ70自身の耐久性を低下させる要因になるとともに、該電力負荷の増大に伴い過度な電圧低下が生じると、電子制御装置60において上記記憶手段を構成するマイコンがリセットされて記憶データ即ち上記学習値が消失するといった懸念が生じる。この場合、その後の電動アクチェータ50の駆動開始時に、基準となる吸気バルブ16のバルブ特性を把握することができず、上記バルブ特性の制御に支障を来すこととなる。
この場合、仮に電動アクチェータ50を駆動できるだけの電力がバッテリ70に残され、吸気バルブ16の絶対実作動角が不明になったときに行われる上述の電動アクチェータ50の駆動制御を実行することができたとしても、その実行に必要な時間だけ吸気バルブ16の絶対実作動角のフィードバック制御の開始が遅れる懸念がある。
以下では、こうしたバッテリ負荷の低減を図るべく電子制御装置60により実行される本実施形態の制御処理について図9及び図10を参照しつつ説明する。なお、これらの図に示される処理は、それぞれ一定の時間周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、図9のフローチャートを用いて、IGスイッチ76のオフ操作にかかる処理を説明する。
同フローチャートに示されるように、先ずIGスイッチ76のオフ操作(機関停止要求)がなされたか否か、即ちIGスイッチ76がオン状態からオフ状態に切り替えられたか否かが判定される(ステップS110)。このステップS110処理は判定結果がYES、即ちIGスイッチ76のオフ操作がなされたと判定されるまで繰り返し実行される。
そしてIGスイッチ76のオフ操作がなされたと判定された場合には、上述のように吸気バルブ16の絶対実作動角が上記始動時最適作動角となるよう電動アクチェータ50の駆動が開始されるとともに、「機関停止遅延制御」が実行される(ステップS120)。
この「機関停止遅延制御」は上記吸気バルブ16の絶対実作動角が上記始動時最適作動角となるよう実行される電動アクチェータ50の駆動制御について、その実行時間(電動アクチェータ50の駆動時間)を確保すべく、機関停止要求がなされてから内燃機関10が停止するまでの時間を所定時間だけ延長するものである。この機関停止遅延制御の終了に伴い機関回転速度Neが低下し始めることとなる。
そしてステップS130では、発電機71が発電可能となる最低の機関回転速度、換言すれば発電機71が発電可能となる機関回転速度範囲の最低値(以下、これを発電下限速度と称する)NeSを、機関回転速度Neが下回ったか否かが判定される。なお、この判定処理は、判定結果がYESとなるまで、即ち機関回転速度Neが発電下限速度NeS未満であると判定されるまで繰り返し実行される。
そして機関回転速度Neが発電下限速度NeS未満であると判定されると、発電機71が発電しない状況で上記電動アクチェータ50の駆動制御が実行されるとバッテリ70の電力負荷が増大する懸念があると判断されて、この電力負荷の増大を抑制すべく、電動アクチェータ50の駆動が禁止される(ステップS140)。この駆動の禁止はバッテリ70から電動アクチェータ50への給電が禁止されることにより行われる。
これにより、発電機71による発電がなされない状況での電動アクチェータ50への電力供給がなされなくなり、バッテリ70の電力負荷が好適に抑えられるようになる。
次に、吸気バルブ16の絶対実作動角を学習値としてEEPROMに記憶させる処理(学習処理)を実行するための準備的な処理として、上記学習処理についての実行条件が成立しているか否かの判定が行われる(ステップS150)。この実行条件としては、例えば、電子制御装置60によって把握されている吸気バルブ16の絶対実作動角が異常値となっていないこと、確実に電動モータ51が停止していること、などが挙げられる。上記ステップS150の判定処理は、判定結果がYESとなるまで、即ち上記実行条件が成立するまで繰り返し実行される。
そして上記実行条件が成立したと判定されると、吸気バルブ16の絶対実作動角が学習値としてEEPROMに記憶される(ステップS160)。電子制御装置60への給電が停止された状態であっても記憶された学習値はEEPROMに保持される。
次に、図10のフローチャートを用いて、IGスイッチ76のオン操作にかかる処理を説明する。
同フローチャートに示されるように、先ずIGスイッチ76のオン操作がなされたか否か、即ちIGスイッチ76がオフ状態からオン状態に切り替えられたか否かが判定される(ステップS210)。このステップS110処理は判定結果がYES、即ちIGスイッチ76のオン操作がなされたと判定されるまで繰り返し実行される。
そしてIGスイッチ76のオン操作がなされたと判定された場合には、機関回転速度Neが上記発電下限速度NeS以上となったか否かの判定がなされる(ステップS220)。なお、この判定処理は、判定結果がYESとなるまで、即ち機関回転速度Neが発電下限速度NeS以上であると判定されるまで繰り返し実行される。
機関回転速度Neが発電下限速度NeS以上であると判定されると、スタータモータの駆動によって内燃機関10の始動が完了するとともに、発電機71の発電即ち発電機71からバッテリ70への給電がなされているものと判断されて、電動アクチェータ50の駆動を開始するための準備処理としてステップS230が実行される。
ステップS230では、EEPROMからRAMへの上記学習値の読み出しが行われる。これにより、電動アクチェータ50の駆動開始に際して、上記学習値が電動アクチェータ50の駆動開始時点における吸気バルブ16の絶対実作動角として把握される。
そしてその後、ステップS240において電動アクチェータ50の駆動が許容される、即ち同アクチェータ50への通電が許容される。これにより、ステップS230においてEEPROMから読み出された学習値を基点とした吸気バルブ16の絶対実作動角のフィードバック制御が実行されることとなる。
ここでは、発電機71による発電が開始された状態で電動アクチェータ50の駆動が開始されるため、バッテリ70の電力負荷が好適に抑えられるようになる。
図11は、これらの制御処理が実行された際の制御態様例を示したものである。
同図によるように、時点t1においてIGスイッチ76のオン操作がなされた後、スタータモータの駆動によってバッテリ70の電圧が低下するものの、内燃機関10の始動が完了して発電機71の発電が開始されるまで即ち機関回転速度Neが発電下限速度NeSに至る時点t2までの期間には電動アクチェータ50の駆動が開始されない。従って、発電機71からバッテリ70への電力供給がなされていない状況でスタータモータと電動アクチェータ50との双方が駆動されるといったことが回避されている。
そして、時点t2から上記学習値の読み出し処理が開始され、電動アクチェータ50の駆動開始時点における吸気バルブ16の絶対実作動角が把握された後に、電動アクチェータ50の駆動が開始されている(時点t3)。これにより、吸気バルブ16の絶対実作動角のフィードバック制御が開始される。
時点t4においてIGスイッチ76のオフ操作がなされることで上述の機関停止遅延制御が開始され、これが時点t5まで実行されている。これにより、時点t4から時点t5までの期間に相当する分だけ機関停止(本実施形態では機関回転速度Neが発電下限速度NeSを下回ること)が遅延されることとなる。
IGスイッチ76のオフ操作をきっかけに吸気バルブ16の絶対実作動角を上記始動時最適作動角と一致させるべく電動アクチェータ50が駆動され、これによって吸気バルブ16の絶対実作動角は時点t5以前に上記始動時最適作動角に至っている。
そして、時点t5での機関停止遅延制御の終了に伴い機関回転速度Neが低下し、これが発電下限速度NeSを下回ることで、内燃機関10が停止したとみなされて電動アクチェータ50の駆動が禁止されている。これにより、発電機71からバッテリ70への電力供給がなされていない状況で電動アクチェータ50が駆動されるといったことが回避されている。
なお、本実施形態において電子制御装置60は、機関停止要求に応じて吸気バルブ16のバルブ特性(絶対実作動角)を所定の特性(始動時最適作動角)とすべく電動アクチェータ50を制御する制御手段を構成する。また電子制御装置60は機関回転速度Neが発電機71の発電可能となる最低の回転速度(発電下限速度NeS)よりも低いとき、内燃機関10が停止状態にあるとみなしたうえで(判断手段)、内燃機関10が停止状態にあるとき電動アクチェータ50の駆動を禁止する禁止手段を構成するものといえる。電子制御装置60は更に、機関停止要求に応じて、同要求がなされてから内燃機関10が停止するまでの期間を所定期間だけ延長する遅延手段を構成する。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
(1)電子制御装置60は、機関停止後における電動アクチェータ50の駆動を禁止する。これによれば、発電機71による発電がなされない機関停止後には電動アクチェータ50の駆動が禁止されるため、その電力源であるバッテリ70の負荷が軽減され、同バッテリ70の耐久性が向上することとなる。
そして、こうしたバッテリ負荷の軽減により同バッテリ70の過度な電圧低下が抑制され、上述のような学習値の消失が抑えられるようになり、その結果、吸気バルブ16のバルブ特性(絶対実作動角)制御、ひいては内燃機関10の吸気にかかる制御を良好に行うことができるようになる。
また、機関停止後においては機関駆動音が発生せず電動アクチェータ50の駆動音が認識され易い状況となるが、本実施形態ではこうした機関停止後の電動アクチェータ50の駆動が禁止されるため、その駆動音が運転者に与える違和感を低減することができる。
更に本実施形態では、IGスイッチ76のオン操作がなされてから内燃機関10が始動するまでの機関停止時における電動アクチェータ50の駆動が禁止されるようにもなっており、IGスイッチ76がオン状態にあっても発電機71による発電がなされない機関始動前には、電動アクチェータ50の駆動が禁止されることとなる。従って、電動アクチェータ50の電力源であるバッテリ70の負荷が軽減される等、上述同様の効果が更に機関始動前においても得られるようになる。
(2)電子制御装置60は、IGスイッチ76のオフ操作に応じて、同操作がなされてから内燃機関10が停止するまでの期間を所定期間だけ延長する機関停止遅延制御を実行する。これによれば、機関停止が遅延されることで、吸気バルブ16の絶対実作動角を始動時最適作動角とすべく電動アクチェータ50を駆動する時間の確保が容易となる。
(3)電子制御装置60は、機関回転速度Neが発電機71の発電可能となる最低の回転速度(発電下限速度)NeSよりも低いとき、内燃機関10が停止状態にあるとみなし、電動アクチェータ50の駆動を禁止する。これによれば、機関回転速度Neが「0」ではない状況であっても、発電機71による発電がなされていないときには電動アクチェータ50の駆動が禁止されるようになるため、バッテリ70の負荷低減がより確実になされ、同バッテリ70の耐久性がより向上するようになる。
(4)例えばクランクシャフト25に対して吸気カムシャフト21を進角側或いは遅角側に回転させることでバルブタイミングを変更する可変動弁機構を採用する場合、吸気バルブ16の開度を増大させている最中の吸気カム21aを進角させる際にはバルブスプリング22の弾性力がその抵抗力として働く。しかしこの場合、吸気バルブ16の開度を減少させている最中の吸気カム21aについては、逆にこれを進角させる側にバルブスプリング22の弾性力が作用する。従って、本実施形態のように吸気カムシャフト21に対応する気筒14の数が複数であれば、バルブタイミングを進角するにせよ遅角するにせよこうした力の相殺によって実質的には可変動弁機構の駆動力の増大が抑えられることとなる。
一方、本実施形態のように吸気バルブ16の最大リフト量を変更する可変動弁機構VLを採用する場合には、同機構VLの駆動に際して上述のような力の相殺がなされず、例えば最大リフト量を増大させる際には、気筒14の数が多いほどたくさんのバルブスプリング22の弾性力に抗して可変動弁機構VLを駆動せねばならない。従って、可変動弁機構VLの駆動に必要な力が特に大きくなる傾向がある。
こうしたことから、吸気バルブ16の最大リフト量を変更する可変動弁機構VLを採用する本実施形態にあっては、上述した(1)〜(3)の効果が特に有用なものとなる。
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば、以下の様態としてもよい。
・上記実施形態では、機関停止要求がなされると同時に、吸気バルブ16のバルブ特性を所定の特性とするための電動アクチェータ50の駆動が開始されたが、これに限らず、例えば、機関停止要求がなされた後、所定時間の経過を待って上記電動アクチェータ50の駆動が開始されるようにしてもよい。
・上記実施形態では、機関停止要求に応じて吸気バルブ16のバルブ特性を機関始動に適した所定のバルブ特性とすべく電動アクチェータ50を駆動したが、これに限らず、他のバルブ特性とすべく電動アクチェータ50を駆動するようにしてもよい。例えば、吸気バルブ16のバルブ特性を機関停止時(内燃機関10が停止状態にあるとき)における可変動弁機構VLの破損防止に適したバルブ特性とすべく電動アクチェータ50を駆動するようにしてもよい。
・上記実施形態では機関停止要求に応じて、同要求がなされてから内燃機関10が停止するまでの期間を所定期間だけ延長する「機関停止遅延制御」が実行されたが、この制御は必ずしも実行される必要はない。
・上記図10の「IGオン操作にかかる処理」においては、機関回転速度Neが発電下限速度NeS以上であることを条件に吸気バルブ16の絶対実作動角を把握するようにしたが、絶対実作動角を把握するに際してのこうした条件は必須ではない。例えば、IGスイッチ76のオン操作に応じて吸気バルブ16の絶対実作動角を把握した後、機関回転速度Neが発電下限速度NeS以上であるか否かを判定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、発電機71が発電可能な機関回転速度の最低値である発電下限速度NeSよりも機関回転速度Neが低いときこれを内燃機関10が停止状態にあるものとみなして電動アクチェータ50の駆動を禁止したが、これに限らない。例えば、機関回転速度Neが「0」となったときにこれを内燃機関10が停止状態にあるものとして電動アクチェータ50の駆動を禁止するようにしてもよい。
・上記実施形態では、機関停止後と機関始動前との双方において電動アクチェータ50の駆動が禁止されたが、いずれか一方のみが禁止されるようにしてもよい。例えば、これら双方のうち機関停止後における機関停止時のみ電動アクチェータ50の駆動が禁止されるようにした場合には、機関始動前における機関停止時(IGスイッチ76のオン操作がなされてから内燃機関10が始動するまでの機関停止時)における電動アクチェータ50駆動が許容されるようになる。また逆に、上記双方のうち機関始動前における機関停止時のみ電動アクチェータ50の駆動が禁止されるようにした場合には、機関停止後における機関停止時の電動アクチェータ50の駆動が許容されるようになる。
・上記実施形態では吸気バルブ16のバルブ特性を制御する制御装置において本発明を適用したが、これに限らず、排気バルブ17のバルブ特性を制御する制御装置において本発明を適用するようにしてもよい。
・上記実施形態では、機関バルブの最大リフト量や作動角を変更する可変動弁機構VLを採用したが、これに限らず、例えば機関バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)を変更する可変動弁機構を採用し、上記バルブタイミングを制御する制御装置において本発明を適用するようにしてもよい。
・上記機関停止要求としては、上記したIGスイッチ76のオフ操作に基づくものに限らず、例えばアイドルストップ車やハイブリッド車などのように、電子制御装置によってなされる機関停止要求が採用されてもよい。機関始動要求についても、内燃機関10のスタータモータの始動スイッチ操作に基づくものに限らず、例えば上述同様、アイドルストップ車やハイブリッド車などのように、電子制御装置によってなされる機関始動要求が採用されてもよい。
一実施形態の内燃機関の動弁系を示す縦断面図。 上記内燃機関における動弁系の周辺を示す平面図。 上記動弁系の揺動部材の斜視図。 上記揺動部材の水平破断斜視図。 上記揺動部材の水平及び垂直破断斜視図。 (a)、(b)は可変動弁機構の最大リフト量・作動角最小時の駆動説明図。 (a)、(b)は可変動弁機構の最大リフト量・作動角最大時の駆動説明図。 可変動弁機構による最大リフト量・作動角の変化を説明するための図。 IGスイッチのオフ操作にかかる制御処理のフローチャート。 IGスイッチのオン操作にかかる制御処理のフローチャート。 本実施形態の制御の一例を示すタイミングチャート。
符号の説明
10…内燃機関、14…気筒、16…吸気バルブ、17…排気バルブ、21…吸気カムシャフト、21a…吸気カム、22…バルブスプリング、30…揺動部材、36…ロッカシャフト、37…コントロールシャフト、50…電動アクチェータ、51…電動モータ、52…ギア部、53…ボールねじ部、54…回転角度センサ、60…電子制御装置、70…バッテリ、71…発電機、76…IGスイッチ、Ne…機関回転速度、NeS…発電下限速度、VL…可変動弁機構。

Claims (5)

  1. 内燃機関によって駆動される発電機から電力が供給されるバッテリと、
    前記バッテリを電力源とし、機関バルブのバルブ特性を変更すべく可変動弁機構を駆動する電動アクチェータと、
    機関停止要求に応じて前記機関バルブのバルブ特性を所定の特性とすべく前記電動アクチェータを制御する制御手段と、
    機関回転速度が発電機の発電可能となる最低の回転速度よりも低いとき、内燃機関が停止状態にあるとみなす判断手段と、
    前記判断手段によって内燃機関が停止状態にあるとみなされるときに前記電動アクチェータの駆動を禁止する禁止手段と、
    前記禁止手段によって前記電動アクチェータの駆動が禁止されたとき、そのときの前記機関バルブのバルブ特性を学習値として記憶する記憶手段と、
    前記電動アクチェータの駆動開始に際して、前記学習値を前記電動アクチェータの駆動開始時点における前記機関バルブのバルブ特性として把握する把握手段
    を備える
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    前記機関停止要求はイグニッションスイッチのオフ操作に基づくものであり、前記禁止手段は機関停止後における前記電動アクチェータの駆動を禁止するものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置において、
    前記禁止手段はイグニッションスイッチのオン操作がなされてから該内燃機関が始動するまでの機関停止時における前記電動アクチェータの駆動を禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記機関停止要求に応じて、同要求がなされてから内燃機関が停止するまでの期間を所定期間だけ延長する遅延手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置において、
    当該内燃機関はバルブスプリングの弾性力に抗するカムシャフトのバルブ駆動力により前記機関バルブを開駆動するものであり、前記可変動弁機構は前記機関バルブの最大リフト量を変更するものである
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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