JP4538037B2 - エンジンの可変バルブ装置 - Google Patents
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Description
上記可変バルブ装置は、制御軸の角度によってバルブリフト量及びバルブ作動角が連続的に変化する構成であり、前記制御軸の角度が目標角度に収束するように、制御軸を回転駆動するモータへの駆動電流をフィードバック制御するようにしている。
このため、上記一体化構造を採用するには、エンジン温度が高く、然も、制御軸の目標角が頻繁に変化して高い駆動電流の供給が要求されることがあっても、モータや駆動回路の温度が高くなることを抑止できる対策が必要になる。
また、請求項2記載の発明では、エンジンの温度が、前記モータに駆動電流を供給すると前記モータ又は該モータの駆動回路の温度が過剰上昇する可能性がある温度として設定された判定温度を超えたときに、エンジン運転状態に応じて設定される目標作動角が、エンジンの運転性を維持できる値として予め決められた固定の所定値でないときは、前記目標作動角を前記所定値に設定して強制的に該所定値となるように前記モータを駆動すると共に、前記所定値に設定された目標作動角に収束した後は、前記目標作動角を保持すべく、前記モータに対して保持電流を供給するようにした。
図1は、本発明にかかる可変バルブ装置を備えたエンジンのシステム構成図である。
エンジン1の吸気通路2には、吸入空気量Qを検出するエアフローメータ3が設けられ、その下流側には、吸入空気量Qを制御するスロットル弁4が設けられている。
また、吸気通路2下流の吸気ポート部に燃料噴射弁6が設けられ、前記燃料噴射弁6より噴射された燃料と、前記スロットル弁4から吸気バルブ7を介して吸入された空気との混合気は、燃焼室5内でピストン8により圧縮され、前記燃焼室5内部に設けられた点火プラグ9による火花点火によって着火される。
前記吸気バルブ7及び排気バルブ10は、クランク軸13を動力源として、各々吸気側カム軸14及び排気側カム軸15に設けられたカムの動作により開閉駆動される。吸気側には、前記吸気バルブ7のバルブリフト量及びバルブ作動角を連続的に可変制御する多節リンク状の機構で構成される可変バルブ機構(以下、VELという)16が設けられる。
尚、前記制御軸・モータを含む前記VEL16の構造については、後で詳細に説明する。また、前記モータとしては、例えばDCモータが用いられる。
そして、前記VEL目標角(目標バルブ作動角)を、前記VEL16のアクチュエータを駆動する駆動回路18に出力する。
VEL16の制御軸23は吸気側カム軸14と平行に配置され、両端は図示しないシリンダブロックに固定された軸受24により軸支される。
制御カム25は、前記制御軸23より外径の大きい略円筒形状をなし、前記制御軸23に軸心を所定量αだけ偏心させた状態で配設されている。
リンクロッド27は、略三日月形状をなし、一端が前記ロッカーアーム26の一端部にピン28を介して回動自由に連結されると共に、他端が吸気側カム軸14の軸心から偏心した位置にピン29を介して回動自由に連結される。
また、前記筒状部30bの軸心は前記吸気カム軸14の軸心Xと一致しているが、前記カム本体30aの軸心Yは、前記吸気カム軸14の軸心Xより所定量だけ偏心している。
吸気カム34は、雨滴形状をなし、基端部34aを貫通する軸孔34bに前記吸気側カム軸14が嵌挿して固定される一方、前記基端部から外径方向に突出する端部側に位置するカムノーズ部34cにピン孔34dが貫通して形成され、該ピン孔34dに前記ピン29を嵌挿させて、前記リンクロッド27に回動自由に連結されている。
また、制御軸23の一端には、VEL作動角センサ17が設けられており、制御軸23の角度を検出し、前記駆動回路18へ検出信号を出力する。
次にVEL16の作動原理を説明する。
この時、吸気カム34のカムノーズ部34cがリンクロッド27を介して上方へ持ち上げられる。
一方、図5(A),(B)は、最大リフト量制御を行う時のVELの開弁状態を表しており、リフト量を最大にすべくDCモータ36を駆動して、制御軸23に反時計周りの回転を与えると、制御カム25の肉厚部25aが下方に移動し、これに同期してロッカーアーム26も下方へ秒動する。
このため、吸気側カム軸14の回転によりバルブリフタ35に当接する吸気カム34のカム面34eはカムノーズ部34cの先端から基端部34aまでの間となり、バルブリフト量は図中L2に示す大きなリフト量に制御される。
ステップS1では、油温センサ71で検出されるエンジンの潤滑油温度(油温)を読み込む。
尚、前記油温はエンジンの温度を代表するパラメータであり、油温に代えて冷却水温度を読み込ませるようにすることができる。
油温が第1判定温度T1よりも高いときには、ステップS3へ進み、前記DCモータ36への通電を強制的に停止させる。
油温が第1判定温度T1よりも高い条件下で、DCモータ36に対する駆動電流の供給を行なうと、高い温度環境下で更に駆動回路18におけるパワートランジスタの発熱が加わり、駆動回路18(パワートランジスタ)の温度が過剰に高くなる可能性があると共に、一体的に設けられるDCモータ36の温度も過剰に上昇する惧れがある。
尚、DCモータ36への駆動電流の供給を停止させると、カムの反力によって最小リフト量状態になり、これにより、エンジンの運転性は低下するものの、DCモータ36駆動回路18の温度が過剰に上昇することが回避される。
ここで、T2<油温≦T1であるから、T1<油温であるときに比べて、温度環境としては比較的低いが、通常にDCモータ36に電流を供給すると、DCモータ36や駆動回路18の温度が過剰に高くなる可能性がある。そこで、ステップS5では、前記VEL目標角度を予め記憶された基準角度に固定する。
従って、基準角度に目標を切り換えたときに、駆動電流を供給して実際の制御軸の角度を目標に一致させるためのフィードバック制御が行なわれるが、その後は目標が変化せず、DCモータ36に低い保持電流を供給すれば良いので、エンジンの運転条件の変化に対してDCモータ36への駆動電流が抑制されることになる。
また、ステップS4で、油温が第2判定温度T2以下であると判別されたときには、ステップS6へ進む。
ステップS7では、前記駆動回路18に含まれるパワートランジスタの制御デューティ(ONデューティ)を、予め記憶される上限値(例えば70%)以下に制限する。
従って、目標角度の変化に対する応答性は低下するものの、そのときの運転条件に対応する目標角度(リフト量及びバルブ作動角)に制御することができる。
尚、ステップS7では、パワートランジスタのONデューティに制限を設ける代わりに、VEL目標角の変化速度を制限する構成とすることができる。
これにより、エンジン運転条件から要求される目標角度に対して実際の制御に用いる目標角度の変化が遅れることになり、目標角度の変化が遅いと相対的にフィードバック制御の応答遅れが小さくなって、フィードバック制御による駆動電流の振れ幅が抑制され、駆動電流の絶対値が低く抑制されることになる。
図7のフローチャートは、温度対策の参考例を示すものであり、ステップS11では、エンジンの潤滑油温度(又は冷却水温度)を読み込む。
油温(又は冷却水温度)が高い温度環境下で、低温時と同等のフィードバックゲインを設定すると、フィードバックにより駆動電流が高く制御される結果、パワートランジスタの発熱が大きくなってしまう。これに対し、フィードバックゲインを小さくすれば、同じ偏差に対して駆動電流の変化が小さく、応答性は低下するものの、駆動電流が低く抑制されることになる。
3…エアフローメータ
6…燃料噴射弁
7…吸気バルブ
13…クランク軸
14…吸気側カム軸
15…排気側カム軸
16…可変バルブ機構(VEL)
17…VEL角センサ
18…駆動回路
20…コントロールユニット(ECU)
21…クランク角センサ
36…DCモータ
71…油温センサ
Claims (2)
- 吸気バルブと排気バルブとの少なくとも一方のバルブ作動角を、モータを駆動源として連続的に変化させる構成であって、実際のバルブ作動角を目標作動角に収束させるべく、前記モータに供給する駆動電流を設定し、前記モータに駆動電流を供給するように構成されたエンジンの可変バルブ装置において、
エンジンの温度が、前記モータに駆動電流を供給すると前記モータ又は該モータの駆動回路の温度が過剰上昇する可能性がある温度として設定された判定温度を超えたときに、
エンジン運転状態に応じて設定される目標作動角が、エンジンの運転性を維持できる値として予め決められた固定の所定値でないときは、前記目標作動角を前記所定値に設定して強制的に該所定値となるように前記モータを駆動し、前記バルブ作動角を前記所定値に固定することを特徴とするエンジンの可変バルブ装置。 - 吸気バルブと排気バルブとの少なくとも一方のバルブ作動角を、モータを駆動源として連続的に変化させる構成であって、実際のバルブ作動角を目標作動角に収束させるべく、前記モータに供給する駆動電流を設定し、前記モータに駆動電流を供給するように構成されたエンジンの可変バルブ装置において、
エンジンの温度が、前記モータに駆動電流を供給すると前記モータ又は該モータの駆動回路の温度が過剰上昇する可能性がある温度として設定された判定温度を超えたときに、エンジン運転状態に応じて設定される目標作動角が、エンジンの運転性を維持できる値として予め決められた固定の所定値でないときは、前記目標作動角を前記所定値に設定して強制的に該所定値となるように前記モータを駆動すると共に、前記所定値に設定された目標作動角に収束した後は、前記目標作動角を保持すべく、前記モータに対して保持電流を供給することを特徴とするエンジンの可変バルブ装置。
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