JP2007046486A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸気弁等のバルブタイミングを調整する装置を有する内燃機関において、該調整装置の応答性を考慮しつつ、可及的に燃費を考慮したバルブタイミングの設定を行う。
【解決手段】内燃機関の運転状態が定常運転状態であるとき、該内燃機関の燃費が最適となるべき駆動弁の目標バルブタイミングが格納された燃費最適制御マップに基づいて、該駆動弁のバルブタイミングを制御し(S103)、内燃機関の運転状態が定常運転状態ではないとき、燃費最適制御マップにおける目標バルブタイミングの変動が所定範囲内に収まるべくスムージングが施された駆動弁の目標バルブタイミングが格納されたスムージング制御マップに基づいて、該駆動弁のバルブタイミングを制御する(S105)。
【選択図】 図2
【解決手段】内燃機関の運転状態が定常運転状態であるとき、該内燃機関の燃費が最適となるべき駆動弁の目標バルブタイミングが格納された燃費最適制御マップに基づいて、該駆動弁のバルブタイミングを制御し(S103)、内燃機関の運転状態が定常運転状態ではないとき、燃費最適制御マップにおける目標バルブタイミングの変動が所定範囲内に収まるべくスムージングが施された駆動弁の目標バルブタイミングが格納されたスムージング制御マップに基づいて、該駆動弁のバルブタイミングを制御する(S105)。
【選択図】 図2
Description
本発明は、内燃機関の吸気弁や排気弁等の駆動弁のバルブタイミングを制御するバルブタイミング制御装置に関する。
内燃機関の運転状態に応じて、吸気弁や排気弁のバルブタイミングやリフト量等の開閉特性を調整し、燃費の向上やエミッションの悪化防止を図る技術が知られている。この吸気弁等のバルブタイミングを調整する装置には油圧機構が広く利用されているため、油温度が低温となると該調整装置の応答性が低下し、その結果吸気弁等のバルブタイミングの調整を適正に行うことが困難となる。そこで、油温度が低温となるとき等、該調整装置の応答性が低下するときには、バルブタイミングのフィードバック制御においてフィードフォワード量をより大きく設定することで、その応答性の低下を補償する技術が公開されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、吸気弁等のバルブタイミングを調整する装置において、その応答性の低下から該調整装置の異常を検出する技術が公開されている(例えば、特許文献2を参照。)。そして、該調整装置の異常が検出されると、その検出結果に基づいて該調整装置の制御が補正されて、異常による悪影響を回避することが可能となる。
特開2004−293470号公報
特開平10−318002号公報
吸気弁等のバルブタイミングを調整する装置によってそのバルブタイミングを調整する場合、内燃機関の機関負荷や機関回転速度等の運転状態に基づいて、燃費の観点から最適なバルブタイミングに調整するのが理想である。しかし、該調整装置には油圧機構が利用されている等の理由で、該調整装置によるバルブタイミングの調整の応答性は必ずしも高くなく、内燃機関の運転状態に応じてバルブタイミングを最適なタイミングに調整することが困難な場合がある。
そこで、該調整装置の応答が可能な範囲で、バルブタイミングの調整を行う必要がある。従って、燃費を考慮すると理想的なバルブタイミングがあるにもかかわらず、該調整装置の応答性に対応し得るバルブタイミングとせざるを得ない。
本発明では、上記した問題に鑑み、吸気弁等のバルブタイミングを調整する装置を有する内燃機関において、該調整装置の応答性を考慮しつつ、可及的に燃費を考慮したバルブタイミングの設定を行う内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを目的とする。
本発明では、上記した問題を解決するために、内燃機関の運転状態における定常運転状態に着目した。定常運転状態とは、内燃機関の運転状態の変動が少ない状態であり、内燃機関の運転において、定常運転状態が占める割合も比較的大きい場合がある。この定常運転状態においては、吸気弁等のバルブタイミングを調整する装置に対しても高い応答性は実質的には要求されない。そこで、このような場合には、該調整装置によって調整されるバルブタイミングを、該調整装置の応答性を考慮したタイミングではなく内燃機関の燃費を考慮したタイミングに、積極的に切り替える。
詳細には、本発明は、内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、内燃機関の運転状態が定常運転状態か否かを判定する運転状態判定手段と、前記内燃機関の吸気弁もしくは排気弁のうち少なくとも何れかの駆動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置と、前記運転状態判定手段が、前記内燃機関の運転状態が定常運転状態と判定するとき、該内燃機関の燃費が最適となるべき前記駆動弁の目標バルブタイミングが格納された燃費最適制御マップに基づいて、前記バルブタイミング調整装置による該駆動弁のバルブタイミングを制御する定常運転時バルブタイミング制御手段と、前記運転状態判定手段が、前記内燃機関の運転状態が定常運転状態と判定しないとき、前記燃費最適制御マップにおける目標バルブタイミングの変動が所定範囲内に収まるべくスムージングが施された前記駆動弁の目標バルブタイミングが格納されたスムージング制御マップに基づいて、前記バルブタイミング調整装置による該駆動弁のバルブタイミングを制御する非定常運転時バルブタイミング制御手段と、を備える。
上記の内燃機関においては、バルブタイミング調整装置によって駆動弁のバルブタイミングの調整が行われることで、内燃機関の燃費の向上が図られる。しかし、このバルブタイミング調整装置には、上述したように応答性に限界があるため、内燃機関の運転状態に応じた、燃費の観点から最適なバルブタイミングを設定することは困難である。そこで、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング調整装置においては、内燃機関の定常運転状態に着目をし、定常運転時バルブタイミング制御手段と非定常運転時バルブタイミング制御手段の何れかによって、このバルブタイミング調整装置が制御される。
尚、内燃機関における定常運転状態とは、内燃機関の機関負荷や機関回転速度等の運転状態が一定状態か、もしくはその変動幅が非常に小さい状態を言う。換言すると、内燃機関が定常運転状態にあるときは、仮に、バルブタイミング調整装置によって駆動弁のバルブタイミングを燃費の観点から最適となるタイミングに調整しても、バルブタイミング調整装置に対して比較的高い応答性は要求されない。
そこで、内燃機関の運転状態が定常運転状態と運転状態判定手段に判定されると、定常運転時バルブタイミング制御手段によるバルブタイミング調整装置の制御が実行される。この制御の特徴点は、燃費最適制御マップに基づいてバルブタイミングが制御される点である。燃費最適制御マップは、内燃機関の運転状態にわたって、内燃機関の燃費が最適になる目標バルブタイミングが格納されている。例えば、内燃機関の運転状態が機関負荷と機関回転速度によって定義される場合、燃費最適制御マップは、とり得る機関負荷と機関回転速度に対応した二次元の制御マップとなる。
そして、内燃機関の運転状態は定常運転状態であるため、この燃費最適制御マップに基づいてバルブタイミング調整装置が制御されても、その応答性が問題となることはない。
次に、内燃機関の運転状態が定常運転状態ではないと運転状態判定手段に判定されると、上述した定常運転時バルブタイミング制御手段に代わって、非定常運転時バルブタイミング制御手段によるバルブタイミング調整装置の制御が実行される。これは、定常運転時バルブタイミング制御手段による制御では燃費最適制御マップに基づくことになるため、定常運転状態でないときは、バルブタイミング調整装置の応答性の問題が生じるからである。
そして、定常運転状態でないときに実行される非定常運転時バルブタイミング制御手段による制御の特徴点は、スムージング制御マップに基づいてバルブタイミングの制御が実行される点である。このスムージング制御マップは、バルブタイミング調整装置の応答性を考慮したものであり、上述の燃費最適制御マップに対してスムージングが施された制御
マップである。このスムージングとは、燃費最適制御マップに格納されている目標バルブタイミングの変動(例えば、上述の二次元の制御マップでは、機関負荷に対する目標バルブタイミングの変動もしくは機関回転速度に対する目標バルブタイミングの変動)が、バルブタイミング装置の応答性に対応する範囲に、即ち上記の所定範囲内に収まるように、その変動幅を制限することをいう。従って、スムージング制御マップには、燃費の観点からすると最適のバルブタイミングであっても、バルブタイミング調整装置の応答性の観点からすると困難であるバルブタイミングである場合は、このスムージングが施されたバルブタイミングが、目標バルブタイミングとして格納される。
マップである。このスムージングとは、燃費最適制御マップに格納されている目標バルブタイミングの変動(例えば、上述の二次元の制御マップでは、機関負荷に対する目標バルブタイミングの変動もしくは機関回転速度に対する目標バルブタイミングの変動)が、バルブタイミング装置の応答性に対応する範囲に、即ち上記の所定範囲内に収まるように、その変動幅を制限することをいう。従って、スムージング制御マップには、燃費の観点からすると最適のバルブタイミングであっても、バルブタイミング調整装置の応答性の観点からすると困難であるバルブタイミングである場合は、このスムージングが施されたバルブタイミングが、目標バルブタイミングとして格納される。
この結果、非定常運転時バルブタイミング制御手段による制御では、内燃機関の燃費は必ずしも最適とはならないが、内燃機関の運転状態の変化に応じて、バルブタイミング調整装置の適切な応答性が保たれる範囲で、バルブタイミングを制御することが可能となる。以上より、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置では、その応答性を考慮しつつ、可及的に燃費を考慮したバルブタイミングの設定を行うことが可能となる。
また、上記の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記定常運転時バルブタイミング制御手段による前記バルブタイミング調整装置の制御が行われているとき、前記燃費最適制御マップにおける目標バルブタイミングと該バルブタイミング調整装置による実際のバルブタイミングとの差が所定値を越えると、前記非定常運転時バルブタイミング制御手段による前記バルブタイミング調整装置の制御に切り替えられるようにしてもよい。
本来的には、定常運転時バルブタイミング制御手段によるバルブタイミング調整装置の制御が行われているときは、内燃機関の運転状態が定常運転状態にあるため、バルブタイミング調整装置の応答性にかかわらず、上記実際のバルブタイミングは、燃費最適制御マップにおける目標バルブタイミングとほぼ一致する。しかし、外乱等何らかの理由によって、実際のバルブタイミングと目標バルブタイミングとの間に差が生じた場合、燃費最適制御マップに対してバルブタイミング調整装置が十分に応答できなくなったことを意味する。
このような状態において、定常運転時バルブタイミング制御手段によるバルブタイミング調整装置の制御が継続されると、バルブタイミング調整装置の応答性を超えた目標バルブタイミングが設定されるため、実際のバルブタイミングと目標バルブタイミングとの間の差が解消せず、内燃機関の燃焼状態が運転状態に適応しない虞がある。そこで、このような場合には、内燃機関の運転状態が定常運転状態であっても、定常運転時バルブタイミング制御手段によるバルブタイミング調整装置の制御を中止し、非定常運転時バルブタイミング制御手段によるバルブタイミング調整装置の制御を行う。
また、上述までの内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記内燃機関の気筒内に供給される吸気量を制御する吸気量制御装置を、更に備える場合、前記定常運転時バルブタイミング制御手段による前記バルブタイミング調整装置の制御が行われているときの、前記吸気量制御装置により制御される吸気量は、前記非定常運転時バルブタイミング制御手段による該バルブタイミング調整装置の制御が行われているときの、該吸気量制御装置により制御される吸気量よりも少なく設定されるようにしてもよい。
吸気量制御装置は、内燃機関の気筒内に供給される吸気量を制御することで、内燃機関が発揮する機関出力を制御する。ここで、定常運転時バルブタイミング制御手段によるバルブタイミング調整装置の制御が行われているときは、燃費最適制御マップに基づくバルブタイミングの制御が行われているため、非定常運転時バルブタイミング制御手段によるバルブタイミング調整装置の制御が行われているときより、内燃機関の燃費が良くなり得
る。そこで、吸気量制御装置により制御される吸気量をより少なくすることで、内燃機関の燃費の向上を図ることが可能となる。
る。そこで、吸気量制御装置により制御される吸気量をより少なくすることで、内燃機関の燃費の向上を図ることが可能となる。
吸気弁等のバルブタイミングを調整する装置を有する内燃機関のバルブタイミング制御装置において、該調整装置の応答性を考慮しつつ、可及的に燃費を考慮したバルブタイミングの設定を行うことが可能となる。
ここで、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施例について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が適用される内燃機関1およびその制御系統の概略構成を表すブロック図である。内燃機関1は、ガソリン火花着火式内燃機関であって、吸気通路7内に燃料を噴射する燃料噴射弁9および点火栓3を備えている。そして、気筒2内において、ピストン4が往復運動を行う。また、内燃機関1には吸気通路7が燃焼室に接続され、同様に、排気通路8も燃焼室に接続される。
ここで、吸気通路7と燃焼室との間には吸気弁5が、排気通路8と燃焼室との間には排気弁6が設けられている。この吸気弁5および排気弁6は、カム駆動式の駆動弁であり、内燃機関1のクランクシャフト(図示せず)からの出力によって駆動される。そして、クランクシャフトと吸気弁5、排気弁6との間には、該クランクシャフトと各弁に当接するカムとの相対的な回転位相を調整する可変動弁機構であるVVT10が設けられている。このVVT10は、油圧機構によりクランクシャフトと各弁に当接するカムの位相を変更する。これにより、各弁のバルブタイミングが調整される。
また、吸気通路7の途中には吸気通路7における吸気量を制御する吸気絞り弁11が設けられている。
また、内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(以下、「ECU」という)20が併設されている。このECU20は、CPUの他、後述する各種の制御ルーチン及びマップを記憶するROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ここで、燃料噴射弁9、吸気絞り弁11は、ECU20からの制御信号によって開閉動作を行う。また、点火栓3は、ECU20からの制御信号によって気筒2内の混合気への点火を行う。更に、VVT10による吸気弁5および排気弁6のバルブタイミングの調整も、ECU20からの指令による。このバルブタイミングの調整については、後述する。
また、アクセル開度センサ12がECU20と電気的に接続されている。これにより、ECU20はアクセル開度センサ12からのアクセル開度信号に応じた、内燃機関1の機関負荷を算出する。更に、クランクポジションセンサ13がECU20と電気的に接続されている。これにより、ECU20は内燃機関1の出力軸の回転角に応じた信号を受け取って内燃機関1の機関回転速度等を算出する。
ここで、内燃機関1においては、その燃費やドライバビリティがより良好となるように、内燃機関1の運転状態に基づいて吸気弁5および排気弁6のバルブタイミングが制御される。そのバルブタイミングの制御について、図2に基づいて、以下に詳細に説明する。図2に示すバルブタイミング制御は、ECU20によって一定のサイクルで繰り返し実行されるルーチンである。
S101では、内燃機関1の運転状態が検出される。具体的には、アクセル開度センサ12からの検出信号により内燃機関1の機関負荷が、クランクポジションセンサ13からの検出信号により内燃機関1の機関回転速度が、運転状態を表すパラメータとして検出される。尚、機関負荷および機関回転速度が内燃機関1の運転状態として検出される理由は、内燃機関1の燃費を考慮するうえで、これらのパラメータが吸気弁5および排気弁6のバルブタイミングと関連性が高いからである。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
S102では、内燃機関1の運転状態が定常運転状態であるか否かが判定される。本実施例においては、定常運転状態を、内燃機関1の機関負荷と機関回転速度の時間変化が微小である状態と定義する。内燃機関1が定常運転状態にあると、気筒2内での燃料の燃焼状態も安定し、吸気弁5および排気弁6のバルブタイミングも一定のタイミングに維持され得る。内燃機関1の運転状態が定常運転状態であると判定されるとS103へ進み、内燃機関1の運転状態が定常運転状態でない、即ち非定常運転状態であると判定されるとS105へ進む。
S103では、内燃機関1が定常運転状態にある条件下で、ECU20内に格納されている燃費最適制御マップに基づいて、VVT10を介して吸気弁5および排気弁6のバルブタイミングの制御が行われる。一方で、S105では、内燃機関1が非定常運転状態にある条件下で、ECU20内に格納されているスムージング制御マップに基づいて、VVT10を介して吸気弁5および排気弁6のバルブタイミングの制御が行われる。
以下に、上述の燃費最適制御マップとスムージング制御マップについて、図3に基づいて説明する。燃費最適制御マップとスムージング制御マップは、所定の目的に対応して作成された、吸気弁5と排気弁6の目標バルブタイミングが格納されたマップである。ECU20が何れかの制御マップにアクセスし、その時点の内燃機関1の運転状態に適した吸気弁5等の目標バルブタイミングを得る。その後、得られた目標バルブタイミングに従ってVVT10にECU20が指令を出すことで、吸気弁5と排気弁6のバルブタイミングが調整される。
燃費最適制御マップとスムージング制御マップは、図3(a)に示すように、内燃機関1の機関回転速度と機関負荷をパラメータとする、吸気弁5等のバルブタイミング(図中θで表される)を格納している。ここで、燃費最適制御マップには、内燃機関1の燃費がそれぞれの運転状態において最適となるように決定された吸気弁5等のバルブタイミングが、目標バルブタイミングとして格納されている。従って、図3(b)の線L1に示すように、目標バルブタイミングの値が機関負荷の変動に伴い大きく変動する。これは、内燃機関1の燃費を決定するに当たり、吸気弁5等のバルブタイミングに起因する気筒2内への残留燃焼ガス量や、機関負荷や機関回転速度に関連する吸気量等が、バルブタイミングに大きな影響力を有するためである。尚、図3(b)では、内燃機関1の機関回転速度をある値に固定したときの目標バルブタイミングの変動を示しているが、内燃機関1の機関負荷をある値に固定したときの、機関回転速度に対する目標バルブタイミングの変動についても同様である。
一方で、スムージング制御マップは、VVT10の応答性を考慮して、燃費最適制御マップにスムージングが施された吸気弁5等のバルブタイミングが、目標バルブタイミングとして格納されている。VVT10は、上述したように油圧機構を利用して吸気弁5等のバルブタイミングを調整する装置である。従って、バルブタイミングの調整に際してその応答性は必ずしも高いものではなく、線L1で表されるようにバルブタイミングの変化の大きい燃費最適制御マップに従って、忠実に吸気弁5等のバルブタイミングを調整するの
は困難である。
は困難である。
そこで、スムージング制御マップでは、図3(b)の線L2に示すように、目標バルブタイミングの値の変化量が所定の範囲内に収まるように、燃費最適制御マップにおける目標バルブタイミングをなました、換言するとスムージングを施したバルブタイミングが目標バルブタイミングとして格納される。この所定の範囲とは、VVT10が十分に応答し得る目標バルブタイミングの変動範囲である。
以上より、燃費最適制御マップに基づいて吸気弁5等のバルブタイミングが調整されると、内燃機関1の燃費がその運転状態において最適となる。また、スムージング制御マップに基づいて吸気弁5等のバルブタイミングが調整されると、内燃機関1の燃費は必ずしも最適とはならないが、VVT10の応答性は十分に発揮し得る。
ここで、S102で内燃機関1の運転状態が定常運転状態であると判定されたとき、S103において、燃費最適制御マップに基づいて吸気弁5等のバルブタイミングの制御が行われる。このとき定常運転状態であるため、内燃機関1の機関負荷や機関回転速度の変動は微小である。そのため、目標バルブタイミングの変動が大きい燃費最適制御マップに基づいて、ECU20からVVT10に指令が出されても、目標バルブタイミングの変動量も微小となるため、VVT10も十分に応答し得る。その結果、吸気弁5等のバルブタイミングを、内燃機関1の燃費が最適となるバルブタイミングとすることが可能となる。
また、S102で内燃機関1の運転状態が非定常運転状態であると判定されたとき、S105において、スムージング制御マップに基づいて吸気弁5等のバルブタイミングの制御が行われる。このとき非定常運転状態であるため、内燃機関1の機関負荷や機関回転速度の変動は比較的大きい。そこで、VVT10の応答性を考慮して、スムージング制御マップに基づいて吸気弁5等のバルブタイミングの制御を行う。この場合は、内燃機関1の燃費は必ずしも最適ではないが、VVT10による適切なバルブタイミングの制御が可能である。
S103の処理またはS105の処理が終了すると、S104の処理またはS106の処理が行われる。S104では、内燃機関1の吸気量が、定常運転状態にある内燃機関1の機関負荷に応じた定常時吸気量に調整されるべく、ECU20から吸気絞り弁11に指令が出される。また、S106では、内燃機関1の吸気量が、非定常運転状態にある内燃機関1の機関負荷に応じた非定常時吸気量に調整されるべく、ECU20から吸気絞り弁11に指令が出される。
ここで、内燃機関1の機関負荷が同じ場合において、定常時吸気量は非定常時吸気量より少ない量となる。これは、定常運転時においては、吸気弁5等のバルブタイミングは、燃料最適制御マップに基づいて制御されているからである。S104の処理が終了するとS107へ進み、S106の処理が終了すると本制御を再び最初から繰り返す。
S107では、S101で検出された内燃機関1の運転状態をパラメータとして、燃費最適制御マップから取得された吸気弁5等の目標バルブタイミングと、VVT10によって実際に調整されている吸気弁5等のバルブタイミングとの差(以下、「タイミング差」という。)が、所定値θ1を超えているか否かが判定される。即ち、所定値θ1を基準として、タイミング差がそれを越えると、内燃機関1が定常運転状態にあるにもかかわらず、VVT10の応答性が何らかの理由で低くなり適切なバルブタイミングの制御が行われていないと判定されることになる。そこで、タイミング差が所定値θ1を超えると判定されると、S105以降のスムージング制御マップに基づく吸気弁5等のバルブタイミングの制御が行われることで、VVT10の応答性を補償する。また、タイミング差が所定値θ1を超えないと判定されると、本制御を再び最初から繰り返す。尚、吸気弁5等の実際のバルブタイミングは、VVT10内に設けられた回転センサ(図示せず)からの検出信号による。
ここで、図4に、本制御が行われるときの、内燃機関1におけるアクセル開度、吸気弁5等のバルブタイミング、吸気量、内燃機関1の発揮するトルクの時間推移を、それぞれ図4(a)、(b)、(c)、(d)に示す。本実施例においては、図4(a)に示すように、内燃機関1のアクセル開度(機関負荷)が時間t1から時間t2の間で上昇し、その後時間t5まで一定となり、更に時間t5から時間t6の間で下降する。このように内燃機関1の運転状態が変動するとき、吸気弁5等のバルブタイミングの推移は、図4(b)中の実線L5で示される。
図4(b)においては、一点鎖線L3は、燃費最適制御マップに従ったときの吸気弁5等のバルブタイミングの推移を、点線L4は、スムージング制御マップに従ったときの吸気弁5等のバルブタイミングの推移を表す。ここで、内燃機関1の運転状態が時間t2から一定の時間が経過した時間t3において、ECU20によって内燃機関1が定常運転状態にあると判定される。そこで、それまでスムージング制御マップに従って吸気弁5等のバルブタイミングが制御されていたが、この判定を基点として燃費最適制御マップに従ったバルブタイミング等の制御が実行される。尚、実際に完全に燃費最適制御マップに従ったバルブタイミング等の制御が実行されるのは時間t3より後の時間t4の時点である。これは、ECU20において使用する制御マップを瞬時に切り替えても、VVT10の応答性のため、実際に完全にバルブタイミングが切り替わるのには一定の時間を要するためである。
そして、時間t5以降においては、内燃機関1の運転状態が定常運転状態から非定常運転状態に移行するため、吸気弁5等のバルブタイミングの制御において使用する制御マップも燃費最適制御マップからスムージング制御マップに切替えられる。
また、図4(c)には、上述したS104およびS106の吸気量制御による、吸気量の時間推移が示されている。上述したように、燃費最適制御マップに基づくバルブタイミングの制御が行われているときの吸気量(時間t4から時間t5の間の吸気量)が、スムージング制御マップに基づくバルブタイミングの制御が行われているときの吸気量(時間t2から時間t3の間の吸気量)よりも少なくなるように制御されている。しかし、図4(d)に示すように、時間t2から時間t5の間においては、内燃機関1が発揮するトルクはほぼ一定となる。
本制御によると、内燃機関1が非定常運転状態にあるときはスムージング制御マップに基づいて吸気弁5等のバルブタイミングを制御することでVVT10の応答性を考慮するが、内燃機関1が定常運転状態にあるときは燃費最適制御マップに基づいて吸気弁5等のバルブタイミングを制御することで、内燃機関1の燃費を可及的に向上させることが可能となる。
1・・・・内燃機関
3・・・・点火栓
5・・・・吸気弁
6・・・・排気弁
7・・・・吸気通路
8・・・・排気通路
9・・・・燃料噴射弁
10・・・・VVT
11・・・・吸気絞り弁
12・・・・アクセル開度センサ
13・・・・クランクポジションセンサ
20・・・・ECU
3・・・・点火栓
5・・・・吸気弁
6・・・・排気弁
7・・・・吸気通路
8・・・・排気通路
9・・・・燃料噴射弁
10・・・・VVT
11・・・・吸気絞り弁
12・・・・アクセル開度センサ
13・・・・クランクポジションセンサ
20・・・・ECU
Claims (3)
- 内燃機関の運転状態が定常運転状態か否かを判定する運転状態判定手段と、
前記内燃機関の吸気弁もしくは排気弁のうち少なくとも何れかの駆動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置と、
前記運転状態判定手段が、前記内燃機関の運転状態が定常運転状態と判定するとき、該内燃機関の燃費が最適となるべき前記駆動弁の目標バルブタイミングが格納された燃費最適制御マップに基づいて、前記バルブタイミング調整装置による該駆動弁のバルブタイミングを制御する定常運転時バルブタイミング制御手段と、
前記運転状態判定手段が、前記内燃機関の運転状態が定常運転状態と判定しないとき、前記燃費最適制御マップにおける目標バルブタイミングの変動が所定範囲内に収まるべくスムージングが施された前記駆動弁の目標バルブタイミングが格納されたスムージング制御マップに基づいて、前記バルブタイミング調整装置による該駆動弁のバルブタイミングを制御する非定常運転時バルブタイミング制御手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 前記定常運転時バルブタイミング制御手段による前記バルブタイミング調整装置の制御が行われているとき、前記燃費最適制御マップにおける目標バルブタイミングと該バルブタイミング調整装置による実際のバルブタイミングとの差が所定値を越えると、前記非定常運転時バルブタイミング制御手段による前記バルブタイミング調整装置の制御に切り替えられることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- 前記内燃機関の気筒内に供給される吸気量を制御する吸気量制御装置を、更に備え、
前記定常運転時バルブタイミング制御手段による前記バルブタイミング調整装置の制御が行われているときの、前記吸気量制御装置により制御される吸気量は、前記非定常運転時バルブタイミング制御手段による該バルブタイミング調整装置の制御が行われているときの、該吸気量制御装置により制御される吸気量よりも少なく設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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ID=37849520
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---|---|---|---|
JP2005229177A Withdrawn JP2007046486A (ja) | 2005-08-08 | 2005-08-08 | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
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JP (1) | JP2007046486A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010248956A (ja) * | 2009-04-14 | 2010-11-04 | Nissan Motor Co Ltd | パワートレーンのエンジン回転速度制御装置 |
CN114687872A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-07-01 | 上海汽车集团股份有限公司 | 可变气门正时系统的控制方法、整车控制器及车辆 |
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2005
- 2005-08-08 JP JP2005229177A patent/JP2007046486A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010248956A (ja) * | 2009-04-14 | 2010-11-04 | Nissan Motor Co Ltd | パワートレーンのエンジン回転速度制御装置 |
CN114687872A (zh) * | 2022-03-28 | 2022-07-01 | 上海汽车集团股份有限公司 | 可变气门正时系统的控制方法、整车控制器及车辆 |
CN114687872B (zh) * | 2022-03-28 | 2023-05-23 | 上海汽车集团股份有限公司 | 可变气门正时系统的控制方法、整车控制器及车辆 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081104 |