JP2006207434A - 可変動弁機構の故障診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】螺旋カムに一端側が当接されたシャフトを有し、このシャフトの軸方向への移動を通じて機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部を備える可変動弁機構において、その可変機構部の故障を診断することのできる故障診断装置を提供する。
【解決手段】エンジン1は、吸気バルブ21のバルブ特性を調整する可変動弁機構3を備える。この可変動弁機構3は、アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、その螺旋カムの回転位相を検出する検出部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、その螺旋カムの回転に伴うシャフトの軸方向への移動を通じて吸気バルブ21のバルブ特性を調整する可変機構部とを備える。制御装置7は、吸気バルブ21の駆動に伴って生じる検出部の検出値における変動波形に基づき、可変機構部の故障を診断する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の機関バルブについてそのバルブ特性を変更可能な可変動弁機構の故障診断装置に関する。
吸気バルブや排気バルブの開時期、閉時期、開弁期間、リフト量等々、機関バルブのバルブ特性を内燃機関の運転状態に応じて変更する可変動弁機構が従来、提案されている。
例えば、特許文献1に記載の可変動弁機構では、カムシャフトのカムに当接する入力アーム、ロッカアームに当接する出力アーム、入力アーム及び出力アームにそれぞれ設けられたヘリカルスプラインに噛み合うギヤ部が設けられたスライダ、同スライダを軸方向に移動させるためのシャフトなどから構成された可変機構部を備えるようにしている。この可変機構部では、シャフトの軸方向への移動を通じてスライダが変位される。そしてこのスライダの変位によって入力アームと出力アームとの相対位相が変更され、これにより機関バルブのバルブ特性が変更される。
このような可変動弁機構では、可変機構部のシャフトを軸方向に移動させるための駆動部が必要となる。そこで、半径が徐々に増大する螺旋カムや同螺旋カムの回転位相を制御するアクチュエータ等で駆動部を構成する。そしてその螺旋カムに上記シャフトの一端側を当接させるようにすれば、螺旋カムの回転に伴ってシャフトが軸方向に移動するようになる。また、螺旋カムの回転位相を検出する回転角センサ等を設けることで上記アクチュエータの駆動を、換言すれば可変とされるバルブ特性を精密に制御することができる。
特開2001−263015号公報
ところで、上述したような駆動部を備える可変動弁機構において、螺旋カムの回転異常やアクチュエータの動作異常などといった同駆動部の故障については上記回転角センサ等の検出値に基づいて診断することができる。
一方、上記可変機構部が固着するなどしてシャフトの円滑な移動が妨げられてしまうと、螺旋カムに当接していたシャフトが同螺旋カムから離れてしまうことがある。この場合には、螺旋カムを回転させてもシャフトは移動せず、同螺旋カムは空回り状態となる。このような可変機構部の故障、すなわち螺旋カムの回転位相は変化しているにもかかわらず、バルブ特性を調整することができないといった故障については、上記回転角センサ等で検出することができず、上記可変機構部の故障診断については更なる改善の余地を残すものとなっている。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、螺旋カムに一端側が当接されたシャフトを有し、このシャフトの軸方向への移動を通じて機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部を備える可変動弁機構において、その可変機構部の故障を診断することのできる故障診断装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、同螺旋カムの回転位相を検出する検出部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、前記機関バルブの駆動に伴って生じる前記検出部の検出値における変動波形に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備えることをその要旨とする。
機関バルブの駆動が行われる際、可変機構部のシャフトには同機関バルブのリフト量変化に同期したトルク変動が伝達される。シャフトに伝達されたトルク変動は、該シャフトに当接された螺旋カムに伝達されて同螺旋カムを揺動させる。そのため、シャフトと螺旋カムとが当接されている状態では、螺旋カムの回転位相を検出する検出部の検出値に上記トルク変動に起因する周期的な変動波形が現れるようになる。一方、可変機構部の故障により、螺旋カムに当接していたシャフトが同螺旋カムから離れてしまう場合には、上述したようなトルク変動の伝達経路がシャフトの一端側と螺旋カムとの間で切断されてしまうため、上記検出値からは変動波形が消えるようになる。このように、可変機構部に故障が生じているか否かは、螺旋カムの回転位相を検出する検出部の検出値における変動波形に基づいて診断することができる。そのため、上記診断手段を備える上記構成によれば、螺旋カムに一端側が当接されたシャフトを有し、このシャフトの軸方向への移動を通じて機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部についてその故障を診断することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、前記螺旋カムと前記シャフトの一端側との当接部における導通状態を検出し、その検出結果に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備えることをその要旨とする。
螺旋カムとシャフトの一端側とを導電体にて形成する場合にあって、同螺旋カムとシャフトの一端側とが当接しているときには両者の当接部が導通状態となる一方、同螺旋カムからシャフトの一端側が離れているときには両者の当接部が非導通状態となる。従って、可変機構部に故障が生じているか否かは、螺旋カムとシャフトの一端側との当接部における導通状態に基づいて診断することができる。そのため、螺旋カムとシャフトの一端側との当接部における導通状態を検出し、その検出結果に基づいて可変機構部の故障を診断する診断手段を備える上記構成によれば、螺旋カムに一端側が当接されたシャフトを有し、このシャフトの軸方向への移動を通じて機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部についてその故障を診断することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、前記シャフトにその移動を検出するストロークセンサを設け、該ストロークセンサの検出値に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備えることをその要旨とする。
同構成では、シャフトの移動をストロークセンサによって直接検出するようにしているため、そのストロークセンサの検出値に基づいて同シャフトが実際に移動しているか否かを診断することができるようになる。従って、上記構成によれば、螺旋カムに一端側が当接されたシャフトを有し、このシャフトの軸方向への移動を通じて機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部についてその故障を診断することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、同螺旋カムの回転位相を検出する検出部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、前記可変機構部は、前記シャフトに前記螺旋カムを押圧する方向への付勢力が付与される機構であり、前記アクチュエータの駆動力を遮断したときの前記検出値の変化態様に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備えることをその要旨とする。
例えば、ヘリカルスプラインが設けられた上記スライダ、あるいは三次元カムなどを備える可変機構部では、機関バルブからの反力等に起因する一方向への付勢力が上記シャフトに作用する。そこで、このような可変機構部を備える可変動弁機構では、螺旋カムとシャフトとの当接状態を好適に維持する等の目的で、シャフトが螺旋カムを押圧するようにそのような付勢力を利用することがある。また、機関バルブからの反力以外にも、スプリングなどの付勢手段による付勢力を直接シャフトに付与させることもある。
このように可変機構部を、シャフトに螺旋カムを押圧する方向への付勢力が付与されるように構成する場合において、アクチュエータの駆動力を遮断すると、シャフトからの押圧力によって螺旋カムは回転され、この螺旋カムの回転は上記検出部にて検出される。
ここで、アクチュエータの駆動力を遮断して上記付勢力にてシャフトを移動させる際、シャフトの移動途中にて固着等の異常が発生している場合には、その固着等の発生箇所にてシャフトの移動が阻害されるため、上記押圧力による螺旋カムの回転が生じ得ず、上記検出部の検出値の変化もその時点以降、一定の値となる。すなわち、上記可変機構部に故障が生じているか否かは、アクチュエータの駆動力を遮断したときの上記検出値の変化態様に基づいて診断することができる。従ってそのような態様で故障診断を行う上記構成によれば、螺旋カムに一端側が当接されたシャフトを有し、このシャフトの軸方向への移動を通じて機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部についてその故障を診断することができるようになる。なお、同構成においては、例えば上記アクチュエータを電動モータとし、同モータへの通電を遮断することにより、アクチュエータの駆動力を容易に遮断することができる。
請求項5に記載の発明は、アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、前記可変機構部は、前記シャフトに前記螺旋カムを押圧する方向への付勢力が付与される機構であり、前記シャフトを移動させた後に同シャフトの位置を維持するべく要求される前記アクチュエータの駆動力に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備えることをその要旨とする。
上述したように、シャフトに螺旋カムを押圧する方向への付勢力が付与されるように可変機構部を構成する場合には、アクチュエータの駆動力によってシャフトは上記付勢力の付与方向とは逆の方向に移動され、上記付勢力によってシャフトは上記付勢力の付与方向に移動される。すなわち、アクチュエータの駆動力とシャフトに付与された付勢力との大小関係によってシャフトは移動され、同駆動力と付勢力とが釣り合うときにシャフトは所定の位置に維持される。
ここで、上記可変機構部に故障が生じていないときには、シャフトの位置を維持するために上記付勢力と釣り合うだけのアクチュエータの駆動力が要求される。
一方、上記付勢力によるシャフトの移動が阻害されるような時には、アクチュエータの駆動力にてシャフトの位置を変更することはできるものの、上記付勢力にてシャフトの位置を変更することはできなくなるといった故障、すなわちシャフトの位置は一方向へのみ変更可能となり、逆の方向へは変更できないといった故障が生じるおそれがある。
このような故障の発生時には、アクチュエータの駆動力にてシャフトを移動させた後、同アクチュエータの駆動力を遮断してもシャフトの位置はそのまま維持されるため、そのような故障が発生している場合と、そうでない場合とでは、シャフトの位置を維持するために要求されるアクチュエータの駆動力も異なるようになる。そのため、上記可変機構部に上述したような故障が生じているか否かは、シャフトを移動させた後に同シャフトの位置を維持するべく要求されるアクチュエータの駆動力に基づいて診断することができる。従ってそのような態様で故障診断を行う上記構成によれば、螺旋カムに一端側が当接されたシャフトを有し、このシャフトの軸方向への移動を通じて機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部について上述したような故障を診断することができるようになる。なお、同構成においては、例えば上記アクチュエータを電動モータとし、同モータの制御電流、例えばその大きさやデューティー比を検出することにより、アクチュエータの駆動力を容易に検出することができる。
請求項6に記載の発明は、アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、同螺旋カムの回転位相を検出する検出部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、前記可変機構部は、前記シャフトに前記螺旋カムを押圧する方向への付勢力が付与される機構であり、前記アクチュエータの駆動力を遮断及び付与して前記シャフトを往復動させたときの前記検出値の変化態様に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備えることをその要旨とする。
上述したように、シャフトに螺旋カムを押圧する方向への付勢力が付与されるように可変機構部を構成する場合において、アクチュエータの駆動力を遮断すると、シャフトからの押圧力によって螺旋カムは回転され、この螺旋カムの回転は上記検出部にて検出される。
また、このような可変機構部では、アクチュエータの駆動力によってシャフトは上記付勢力の付与方向とは逆の方向に移動され、上記付勢力によってシャフトは上記付勢力の付与方向に移動される。すなわち、アクチュエータの駆動力とシャフトに付与された付勢力とのバランスによってシャフトは往復動される。
ここで、アクチュエータの駆動力を遮断して上記付勢力にてシャフトを移動させた後、同アクチュエータの駆動力を付与してシャフトを移動させることにより同シャフトを往復動させる際、可変機構部に故障が生じていなければ、上記付勢力による螺旋カムの回転、及びアクチュエータの駆動力による螺旋カムの回転がともに上記検出部にて検出される。
一方、アクチュエータの駆動力を遮断して上記付勢力にてシャフトを移動させる際、シャフトの移動途中にて固着等の異常が発生している場合には、その固着等の発生箇所にてシャフトの移動が阻害される。そのため、上記押圧力による螺旋カムの回転は途中で停止され、アクチュエータの駆動によって螺旋カムが再び回転されるまで、上記検出値は上記固着等の発生箇所に対応した一定の値になる。すなわち、上記可変機構部に故障が生じているか否かは、アクチュエータの駆動力を遮断及び付与してシャフトを往復動させたときの上記検出値の変化態様に基づいて診断することができる。従って、そのような態様で故障診断を行う上記構成によれば、螺旋カムに一端側が当接されたシャフトを有し、このシャフトの軸方向への移動を通じて機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部についてその故障を診断することができるようになる。
ところで、上記請求項4〜6のいずれか1項に記載の構成では、故障診断を行うためにシャフトが移動されるため、同診断を行うときには機関運転状態にかかわらずバルブ特性が変更されてしまう。そのため同診断の実行時には、例えば機関回転速度や機関出力などが変動してしまい、ドライバビリティに影響を与える可能性がある。この点、請求項7〜11に記載の構成によれば、そのようなドライバビリティへの影響を極力抑えることができるようになる。
すなわち、請求項7に記載の構成によれば、機関での燃焼が中断されるフューエルカット中に上記故障診断が行われるため、バルブ特性が変更されても機関回転速度や機関出力などの変動が生じず、故障診断の実行によるドライバビリティへの影響を抑えることができる。
また、請求項8に記載の構成によれば、イグニッションスイッチが切断されているときに故障診断が実行される。すなわち、機関の運転が停止されているときに故障診断を実行するようにしているため、故障診断を実行してもドライバビリティに影響を与えることがない。
また、請求項9に記載の構成によれば、機関のアイドル運転中に故障診断が実行される。このような機関のアイドル運転中は、機関への吸入空気量がスロットルバルブ等によって大きく制限されているため、バルブ特性を変更してもそれほど吸入空気量は変化しない傾向にある。そのため、このようなときに上記故障診断を実行しても機関回転速度や機関出力などの変動は生じにくい。従って、上記構成によっても故障診断の実行によるドライバビリティへの影響を抑えることができる。
また、機関の減速中には吸入空気量が減少されるようにバルブ特性は変更されるため、そのバルブ特性の変更に伴うシャフトの移動を利用して故障診断を行うことができる。そこで請求項10に記載の構成によるように、機関の減速中に故障診断を実行するようにすることで同故障診断を行うためにあえてバルブ特性を変更する必要がなくなり、同構成によっても故障診断の実行によるドライバビリティへの影響を抑えることができる。
また、請求項11に記載の構成によれば、機関の定常運転中に予め定められた回数だけ故障診断が実行される。このように機関の定常運転中に設定された回数だけ故障診断を行うようにすれば、頻繁に故障診断が行われる場合と比較して、故障診断の実行回数を制限することができる。そしてこのように故障診断の実行回数が制限されることにより、故障診断の実行によるドライバビリティへの影響を極力抑えることができる。なお、同構成においては、故障診断の実行回数を可能な限り少ない回数に設定する、例えば機関の定常運転中における故障診断の実行回数を1回に設定することが望ましい。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる可変動弁機構の故障診断装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図6を併せ参照して説明する。
図1は、本実施形態の適用されるエンジン1の構成を示している。なお、本実施形態では、第1気筒#1〜第4気筒#4を備える4気筒エンジンであって、吸気ポートに燃料を噴射供給するポート噴射エンジンを想定しているが、この他の気筒数を備えるエンジンや燃焼室に燃料を直接噴射する筒内噴射エンジンに対しても同様に本発明は適用することができる。
エンジン1は第1気筒#1〜第4気筒#4を備える4気筒エンジンであり、シリンダ11やピストン12等を有するエンジンブロック1A、吸排気バルブ等を有するシリンダヘッド1H、及びエンジン1のバルブ特性を変更する可変動弁機構3等を備えて構成されている。
エンジン1のシリンダ11の内部には、ピストン12が往復動可能に収容されている。このピストン12は、コネクティングロッド13を介してクランクシャフトに連結されている。
シリンダ11の周囲には、エンジン1の冷却水を流通させるためのウォータジャケット11Wが形成されている。
エンジン1においては、シリンダ11の内周面、ピストン12の頂面、及びシリンダヘッド1Hにより囲まれた領域に燃焼室14が形成されている。
シリンダヘッド1Hには、吸入空気を燃焼室14内へ流入させるための吸気ポート1HI、及び排気を燃焼室14内から流出させるための排気ポート1HEが設けられている。
シリンダヘッド1Hの燃焼室14側には、混合気を点火する点火プラグ15が配設されている。点火プラグ15は、混合気の着火に必要な高圧電流を発生するイグナイタ15Iに接続されている。
吸気ポート1HIには、エンジン1外部から燃焼室14へ吸入空気を流通させるための吸気管1PIが接続されている。
吸気管1PIには、吸入空気を浄化するエアクリーナ16、及び吸入空気の流量を調整するスロットルバルブ17が配設されている。スロットルバルブ17は、スロットルモータ17Mによる弁軸の駆動を通じてその開度が変更される。
吸気ポート1HIは、シリンダヘッド1Hに配設された吸気側の機関バルブである吸気バルブ21を通じて開閉される。この吸気ポート1HIの吸気バルブ21よりも上流側には、同吸気ポート1HIへ燃料を噴射するインジェクタ18が設けられている。
排気ポート1HEには、燃焼室14からエンジン1外部へ排気を流通させるための排気管1PEが接続されている。この排気ポート1HEは、シリンダヘッド1Hに配設された排気側の機関バルブである排気バルブ22を通じて開閉される。
エンジン1の吸気バルブ21は、可変動弁機構3を通じてそのバルブ特性(バルブの最大リフト量及び開弁期間)を変更することが可能となっている。
エンジン1は制御装置7により制御される。この制御装置7は、エンジン1の制御に係る各種処理を実行するCPU、制御用のプログラムやその制御に必要な情報を記憶するメモリ、外部との信号の入出力を司る入力ポート及び出力ポートを備えて構成されている。制御装置7の入力ポートには、エンジン1の運転状態を検出する以下の各センサが接続されている。
まず、エンジン水温センサ71は、エンジン1の冷却水の温度(エンジン水温THw)を検出する。クランク角センサ72は、クランクシャフトの回転位相(クランク角CA)を検出し、この検出信号に基づいてクランクシャフトの回転速度(エンジン回転速度Ne)が算出される。エアフロメータ75は、エンジン1内に吸入された空気量(吸入空気量GA)を検出する。車速センサ76は、車両の駆動輪の回転速度(車速Sp)を検出する。アクセルセンサ77は、車両のアクセルペダルの操作量(アクセル操作量Accp)を検出する。そしてスロットル開度センサ78は、スロットルバルブ17の開度(スロットル開度TA)を検出する。
制御装置7の出力ポートには、イグナイタ15I、スロットルモータ17M、インジェクタ18、及び可変動弁機構3等が接続されている。そして、制御装置7は、これら各装置を上記各センサによって検出される機関運転状態に基づいて制御する。
次に、可変動弁機構3の構成及び駆動態様について、図2〜図5を参照して説明する。
可変動弁機構3は、可変機構部4や駆動部5等から構成されている。この可変機構部4の構成について、図2及び図3を参照して説明する。
図2に、可変機構部4の配設されたエンジン1上部の断面構造を示す。
エンジン1のシリンダヘッド1Hには、クランクシャフトに駆動連結された吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が、回転可能に軸支されている。
排気カムシャフト24の下方には、ローラ26aを備えるローラロッカアーム26が配設されている。このローラ26aは、排気カムシャフト24に設けられた排気カム28に当接されており、排気カム28の回転位相に応じて同排気カム28からの押圧を受ける。
ローラロッカアーム26の一端は、シリンダヘッド1Hに固定されたラッシュアジャスタ29に支持され、もう一端は、排気バルブ22上端のタペット22aに当接されている。このローラロッカアーム26のタペット22a側の端部(タペット側端部26t)は、排気バルブ22のバルブスプリング22bによって付勢されている。これにより、ローラ26aは、排気カム28に常時当接される。
排気バルブ22は、上記態様をもって配設されたローラロッカアーム26を介して排気カム28の押圧を受け、常に一定のバルブリフト量で開閉される。
一方、吸気バルブ21側においては、吸気カムシャフト23に設けられた吸気カム27とローラロッカアーム25との間に、上記可変機構部4が介設されている。
ローラロッカアーム25は、ローラ25aを備えて排気カムシャフト24の下方に配設されている。
ローラロッカアーム25の一端は、シリンダヘッド1Hに固定されたラッシュアジャスタ29に支持され、もう一端は、吸気バルブ21上端のタペット21aに当接されている。このローラロッカアーム25のタペット21a側の端部(タペット側端部25t)は、吸気バルブ21のバルブスプリング21bによって付勢されている。これにより、ローラ25aは、可変機構部4に常時当接される。
吸気バルブ21は、ローラロッカアーム25に加え、可変機構部4を介して吸気カム27の押圧が伝達されるようになっている。
可変機構部4は、シリンダヘッド1Hに固定された支持パイプ41と、同支持パイプ41に配設された入力部42及び揺動カム43とを備えて構成されている。
入力部42及び揺動カム43は、支持パイプ41上に同支持パイプ41の軸心を中心として揺動可能に配設された円筒状のハウジング42a、43aをそれぞれ備えている。なお、この可変機構部4では、エンジン1の気筒に設けられた2つの吸気バルブ21に対応して、1つの入力部42と2つの揺動カム43とが対になって設けられている。
入力部42のハウジング42aには、入力アーム42bが径方向に突出形成されている。
入力アーム42bの先端部には、吸気カム27に当接されるローラ42cが回転可能に軸支されている。また、入力アーム42bの先端部は、圧縮状態で配設されたばね44によって、ローラ42cが吸気カム27へ押しつけられるように付勢されている。
揺動カム43のハウジング43aには、出力アーム43bがその径方向に突出形成されている。この出力アーム43bの一面は、凹状に湾曲するカム面43cとなっている。
カム面43cは、ハウジング43aのベース円部分、即ち出力アーム43bが突出形成された部分以外のハウジング43aの外周面に連続して滑らかに接続されており、カム面43c及びハウジング43aのベース円部分は、ローラロッカアーム25のローラ25aに当接されている。
図3に、可変機構部4の斜視断面構造を示す。
可変機構部4には、入力部42を間に挟んで2つの揺動カム43が配設されている。
入力部42及び揺動カム43の各ハウジング42a、43aは、それぞれ中空円筒形状に形成されており、それらの内部には支持パイプ41が挿通されている。
入力部42のハウジング42a内周には、右ねじの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン42dが形成されている。一方、揺動カム43のハウジング43a内周には、左ねじの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン43dが形成されている。
入力部42及び2つの揺動カム43の各ハウジング42a、43aによって形成される一連の内部空間には、スライダギア45が配設されている。このスライダギア45は、略中空円柱状に形成されており、支持パイプ41上に、同支持パイプ41の軸方向に往復動可能、且つその軸回りに相対回動可能に外嵌されている。
スライダギア45の軸方向中央部の外周面には、右ねじの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン45aが形成されている。このヘリカルスプライン45aは、入力部42のハウジング42a内周に形成されたヘリカルスプライン42dに噛み合わされている。一方、スライダギア45の軸方向両端部の外周面には、左ねじの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン45bがそれぞれ形成されている。このヘリカルスプライン45bは、揺動カム43のハウジング43a内周に形成されたヘリカルスプライン43dに噛み合わされている。
スライダギア45外周のヘリカルスプライン45aと各ヘリカルスプライン45bとの間には、これらヘリカルスプライン45a、45bに比して小さい外径に形成された小径部45cがそれぞれ形成されている。
支持パイプ41の内部には、その軸方向へ摺動可能に挿通されたコントロールシャフト46が設けられている。このコントロールシャフト46は、後述する駆動部5の作動により、支持パイプ41に対して軸方向(矢印Rや矢印Lの方向)へ往復動することが可能となっている。また、このコントロールシャフト46と上記スライダギア45とは、適宜の係止部材にて係合されており、これにより、支持パイプ41に対するスライダギア45の回動を許容しつつも、同コントロールシャフト46の軸方向への往復動に応じてスライダギア45を軸方向に移動させることができるようになっている。
以上のように構成される可変機構部4では、駆動部5の作動によってコントロールシャフト46が軸方向に移動されると、この移動に伴ってスライダギア45も軸方向に移動される。ここで、入力部42及び揺動カム43とスライダギア45とはそれぞれヘリカルスプラインにて噛み合わされているため、このようにスライダギア45が軸方向に移動されると、支持パイプ41の軸心回りにおける入力アーム42bと出力アーム43bとの相対位相が変更される。そしてこの相対位相の変更によって、ローラロッカアーム25の揺動態様が変更され、これにより吸気バルブ21の最大リフト量及び開弁期間は、図4に示すように連続的に可変とされる。より具体的には、コントロールシャフト46が、図3に示す矢印Rの方向に移動されるにつれて入力アーム42bと出力アーム43bとの相対位相は大きくなり、これによりローラロッカアーム25の揺動も大きくなって、最大リフト量及び開弁期間も大きくなる。逆に、コントロールシャフト46が、図3に示す矢印Lの方向に移動されるにつれて入力アーム42bと出力アーム43bとの相対位相は小さくなり、これによりローラロッカアーム25の揺動も小さくなって、最大リフト量及び開弁期間は小さくなる。
可変機構部4による吸気バルブ21のバルブ特性の変更は、制御装置7による駆動部5の制御を通じて行われる。すなわち、制御装置7は、最大リフト量の制御目標値である目標リフト量を機関運転状態に応じて算出し、駆動部5の駆動制御を通じてコントロールシャフト46の移動量を調整することにより、吸気バルブ21の最大リフト量を調整する。なお、本実施形態における可変機構部4では、最大リフト量と開弁期間とが同期して変化するため、開弁期間の制御目標値である目標開弁期間を機関運転状態に応じて算出し、駆動部5の駆動制御を通じてコントロールシャフト46の移動量を調整することにより、吸気バルブ21の開弁期間を調整するようにしてもよい。
次に、上記駆動部5の構成について、図5を併せ参照して説明する。
図5(A)に示されるように、駆動部5は、電動モータ51、螺旋カム54、及び回転角センサ55等から構成されている。
電動モータ51は、制御装置7からの駆動信号、例えば制御電流の大きさや制御電流のデューティ比などによってその駆動が制御される。この電動モータ51の回転軸には小径ギア52が取り付けられている。この小径ギア52には大径ギア53が噛み合わされており、この大径ギア53の回転軸53aには、半径が徐々に増大する螺旋カム54、及び螺旋カム54の回転位相を検出してその検出値を制御装置7に出力する回転角センサ55が設けられている。また上記回転軸53aは、螺旋カム54の両側面にそれぞれ設けられた支持部57、58によって回転可能に軸支されている。
上記コントロールシャフト46の一端側にはローラキャリア60が取り付けられており、このローラキャリア60には上記螺旋カム54に当接するローラ61が設けられている。
ここで、上記可変機構部4の揺動カム43にはバルブスプリング21bからの反力等が作用し、この反力等はヘリカルスプラインを介してスライダギア45にも伝達される。このスライダギア45に伝達された反力等は、上記ヘリカルスプラインのねじれ角に応じてコントロールシャフト46を軸方向に付勢する付勢力となる。特に本実施形態では、コントロールシャフト46が螺旋カム54を押圧するようにそのような付勢力を利用するようにしている。従って、コントロールシャフト46はその付勢力によって図5(A)に矢印Lにて示す方向に付勢され、同コントロールシャフト46の一端側に設けられたローラ61は、その付勢力にて螺旋カム54に当接した状態に維持される。
螺旋カム54の回転によるコントロールシャフト46の移動態様を図5(B)、及び図5(C)に示す。
これら図5(B)や図5(C)に示すように、螺旋カム54の回転に伴ってコントロールシャフト46はその軸方向に移動され、図5(B)に示すように、螺旋カム54において半径方向の距離が最も長いカム面にローラ61が当接すると、コントロールシャフト46は最大限まで矢印Rの方向に移動される。これにより、図4に示した最大リフト量及び最大開弁期間にて吸気バルブ21の開閉が行われる。
一方、図5(C)に示すように、螺旋カム54において半径方向の距離が最も短いカム面にローラ61が当接すると、コントロールシャフト46は最大限まで矢印Lの方向に移動される。これにより、図4に示した最小リフト量及び最小開弁期間にて吸気バルブ21の開閉が行われる。
このように螺旋カム54を回転させてその回転位相を変更することにより、コントロールシャフト46の位置は変更される。また、上記回転角センサ55によって検出される螺旋カム54の回転位相と、上記制御目標値に相当する目標回転位相とが一致するように電動モータ51の駆動が制御されることにより、吸気バルブ21のバルブ特性は機関運転状態に応じたものに調整される。
ところで、上述したような駆動部5を備える可変動弁機構3において、螺旋カム54の回転異常や電動モータ51の動作異常などといった同駆動部5の故障については、上記回転角センサ55の検出値に基づいて診断することができる。例えば、回転角センサ55にて検出される実際の回転位相が制御目標値に相当する目標回転位相に一致しない場合、あるいは一致するまでに過剰に時間がかかる場合などには、同駆動部5が故障していると判断することができる。
一方、上記可変機構部4のスライダギア45やコントロールシャフト46等に発生した固着等に起因して同コントロールシャフト46の円滑な移動が妨げられてしまうといった故障発生時には、螺旋カム54に当接していたコントロールシャフト46の一端側(ローラ61)が同螺旋カム54のカム面から離れてしまうことがある。
このような故障発生時には、螺旋カム54を回転させてもコントロールシャフト46は移動せず、同螺旋カム54は空回り状態となる。このような可変機構部4の故障、すなわち螺旋カム54の回転位相は変化しているにもかかわらず、バルブ特性を調整することができないといった故障については、上記回転角センサ55等で検出することができない。
そこで本実施形態では、次のような原理にて可変機構部4の故障を診断するようにしている。
すなわち、吸気バルブ21の開閉駆動が行われる際、可変機構部4のコントロールシャフト46には、各気筒における吸気バルブ21のリフト量変化に同期したトルク変動が伝達される。このコントロールシャフト46に伝達されたトルク変動は、該シャフトに当接された螺旋カム54に伝達され、同螺旋カム54を揺動させる。そのため、コントロールシャフト46と螺旋カム54とが当接されている状態では、図6に実線にて示されるように、螺旋カム54の回転位相を検出する回転角センサ55の検出値に上記トルク変動に起因する周期的な変動波形が現れるようになる。
一方、可変機構部4の故障により、螺旋カム54に当接していたコントロールシャフト46が同螺旋カム54から離れてしまう場合には、上述したようなトルク変動の伝達経路がコントロールシャフトの一端側と螺旋カム54との間で切断されてしまう。そのため、図6に二点鎖線にて示されるように、回転角センサ55の検出値からは上記変動波形が消えるようになる。従って、可変機構部4に故障が生じているか否かは、螺旋カム54の回転位相を検出する回転角センサ55の検出値が変動しているか否かに基づいて診断することができる。
そこで本実施形態では、制御装置7にて次のような故障診断処理を実行するようにしている。
まず、機関運転中における回転角センサ55の検出信号を所定の時間サンプリングする。
そして、サンプリングされた検出信号が変動している場合には、可変機構部4に異常なしと判定する。
一方、サンプリングされた検出信号が変動しておらず、ほぼ一定の値を示している場合には、可変機構部4に故障が生じていると判定する。
このように本実施形態では、回転角センサ55の検出値において吸気バルブ21の駆動に伴って生じる変動波形に基づき、可変機構部4の故障を診断するようにしている。そのため、螺旋カム54に一端側が当接されたコントロールシャフト46を有し、このコントロールシャフト46の軸方向への移動を通じて吸気バルブ21のバルブ特性を調整する可変機構部4について、その故障を診断することができるようになる。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる可変動弁機構の故障診断装置を具体化した第2の実施形態について、図7を併せ参照して説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と異なる原理で可変機構部4の故障診断を行うようにしている。
すなわち、螺旋カム54とコントロールシャフト46の一端側とを導電体にて形成する場合にあって、同螺旋カム54とコントロールシャフト46の一端側とが当接しているときには両者の当接部が導通状態となる。一方、同螺旋カム54からコントロールシャフトの一端側が離れているときには両者の当接部が非導通状態となる。従って、可変機構部4に固着などの故障が生じているか否かは、螺旋カム54とコントロールシャフト46の一端側との当接部における導通状態に基づいて診断することができる。
そこで、本実施形態では、図7に示す螺旋カム54、回転軸53a、支持部57、58、ローラ61をそれぞれ金属材料などの導電体にて形成するようにしている。また、各支持部57、58はエンジン1のシリンダヘッド1Hなどに適宜固定されるのであるが、そのような固定対象部材と各支持部57、58との間は絶縁処理がなされている。また、回転軸53aと大径ギア53との接続部も絶縁処理がなされている。また、ローラキャリア60とコントロールシャフト46の一端とは絶縁部材62にて接続されている。
また、支持部57及びローラキャリア60にはそれぞれ電線63、63が接続されており、各電線63、64は制御装置7の入力ポートにも接続されている。
そして、制御装置7にてコントロールシャフト46の一端側、すなわちローラ61と螺旋カム54との当接部における導通状態が監視され、該当接部が導通状態にあるときには可変機構部4に異常なしと判定される。一方、該当接部が非導通状態にあるときには、螺旋カム54からコントロールシャフト46の一端側が離れており、可変機構部4に故障が生じていると判定される。
このように本実施形態では、螺旋カム54とコントロールシャフト46の一端側との当接部における導通状態を検出し、その検出結果に基づいて可変機構部4の故障を診断するようにしている。従って、螺旋カム54に一端側が当接されたコントロールシャフト46を有し、このコントロールシャフト46の軸方向への移動を通じて吸気バルブ21のバルブ特性を調整する可変機構部4について、その故障を診断することができるようになる。
(第3の実施形態)
次に、本発明にかかる可変動弁機構の故障診断装置を具体化した第3の実施形態について、図8を併せ参照して説明する。
本実施形態では、第1の実施形態で説明したコントロールシャフト46にあって、ローラキャリア60が接続された一端とは反対側の端部に、同コントロールシャフト46の移動を検出し、その検出信号を制御装置7に出力するストロークセンサ80を設けるようにしている。そして、このストロークセンサ80の検出値に基づいて可変機構部4の故障を診断する故障診断処理を制御装置7にて実行するようにしている。
この故障診断処理では、コントロールシャフト46の実際の位置が上記制御目標値に相当する位置になっているか否かが判定され、ストロークセンサ80によって検出されたコントロールシャフト46の位置が制御目標値に相当する位置になっているときには、可変機構部4に異常なしと判定される。
一方、ストロークセンサ80によって検出されたコントロールシャフト46の位置が制御目標値に相当する位置になっていないときには、可変機構部4に故障が生じていると判定される。
このように本実施形態では、回転角センサ55の検出値において吸気バルブ21の駆動に伴って生じる変動波形に基づき、可変機構部4の故障を診断するようにしている。そのため、螺旋カム54に一端側が当接されたコントロールシャフト46を有し、このコントロールシャフト46の軸方向への移動を通じて吸気バルブ21のバルブ特性を調整する可変機構部4について、その故障を診断することができるようになる。
このように本実施形態では、コントロールシャフト46の移動をストロークセンサ80によって直接検出するようにしているため、そのストロークセンサ80の検出値に基づいてコントロールシャフト46が実際に移動しているか否かを診断することができるようになる。従って、そのため、螺旋カム54に一端側が当接されたコントロールシャフト46を有し、このコントロールシャフト46の軸方向への移動を通じて吸気バルブ21のバルブ特性を調整する可変機構部4について、その故障を診断することができるようになる。
(第4の実施形態)
次に、本発明にかかる可変動弁機構の故障診断装置を具体化した第4の実施形態について、図9を併せ参照して説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と異なる次のような原理で可変機構部4の故障診断を行うようにしている。
上記可変機構部4は、コントロールシャフト46に螺旋カム54を押圧する方向への付勢力(バルブスプリング21bの反力等)が付与されるように構成されている。このような機構において、電動モータ51の駆動力を遮断すると(図9の時刻t1)、コントロールシャフト46は図5等に示す矢印Lの方向に移動され、図9に実線にて示されるように、吸気バルブ21の最大リフト量は徐々に小さくなっていく。また、コントロールシャフト46からの押圧力によって螺旋カム54は回転されるため、この螺旋カム54の回転が回転角センサ55にて検出され、その検出値は図9に実線にて示されるように変化する。
一方、コントロールシャフト46の移動途中にて固着等の異常が発生している場合には、時刻t1にて電動モータ51の駆動力を遮断し、上記付勢力にてコントロールシャフト46を移動させようとしても、その固着等の発生箇所にてコントロールシャフト46の移動が阻害される。そのため、図9に二点鎖線にて示されるように、吸気バルブ21の最大リフト量は変化せず、また、コントロールシャフト46からの押圧力による螺旋カム54の回転も生じ得ない。そのため、回転角センサ55の検出値の変化も図9に二点鎖線にて示されるように、その時点以降(時刻t1)一定の値となる。すなわち、上記可変機構部4に故障が生じているか否かは、電動モータ51の駆動力を遮断したときの回転角センサ55の検出値の変化態様に基づき、診断することができる。
そこで本実施形態では、制御装置7にて次のような故障診断処理を実行するようにしている。
まず、電動モータ51への通電を遮断する。
そして、このように電動モータ51の駆動力が遮断されたときの回転角センサ55の検出値を所定期間の間サンプリングし、その駆動力遮断時の回転角センサ55の検出値が変化していた場合には、可変機構部4に異常なしと判定する。
一方、駆動力遮断時の回転角センサ55の検出値が変化していなかった場合には、可変機構部4に故障が生じていると判定する。
このように本実施形態では、コントロールシャフト46に螺旋カム54を押圧する方向への付勢力が付与されるように可変機構部4を構成し、電動モータ51の駆動力を遮断したときの回転角センサ55の検出値の変化態様に基づいて可変機構部4の故障を診断するようにしている。そのため、螺旋カム54に一端側が当接されたコントロールシャフト46を有し、このコントロールシャフト46の軸方向への移動を通じて吸気バルブ21のバルブ特性を調整する可変機構部4について、その故障を診断することができるようになる。
(第5の実施形態)
次に、本発明にかかる可変動弁機構の故障診断装置を具体化した第5の実施形態について、図10を併せ参照して説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と異なる次のような原理で可変機構部4の故障診断を行うようにしている。
上述したように、コントロールシャフト46に螺旋カム54を押圧する方向への付勢力が付与されるように可変機構部4を構成する場合、コントロールシャフト46は電動モータ51の駆動力によって上記付勢力の付与方向とは逆の方向(図5等に示す矢印Rの方向)に移動される。また、コントロールシャフト46は上記付勢力によって同付勢力の付与方向(図5等に示す矢印Lの方向)に移動される。すなわち、電動モータ51の駆動力とコントロールシャフト46に付与された付勢力との大小関係によって同コントロールシャフト46は移動され、同駆動力と付勢力とが釣り合うときに該コントロールシャフト46は所定の位置に維持される。
ここで、上記可変機構部4に故障が生じていないときには、図10に実線にて示されるように、吸気バルブ21のバルブ特性(最大リフト量等)を維持するために、すなわちコントロールシャフト46の位置を維持するために、上記付勢力と釣り合うだけの電動モータ51の駆動力が要求される。なお、最大リフト量が増大するほど、バルブスプリング21bはより大きく圧縮されて上記付勢力は増大するため、バルブ特性(コントロールシャフト46の位置)を維持するために要求される電動モータ51の駆動力(保持電流)も増大する。
一方、上記付勢力によるコントロールシャフト46の移動が、可変機構部4の故障により阻害されるような時には、電動モータ51の駆動力にてコントロールシャフト46の位置を変更することはできるものの、上記付勢力にてコントロールシャフト46の位置を変更することはできなくなるといった故障が生じるおそれがある。すなわちコントロールシャフト46の位置は一方向へのみ変更可能となり、逆の方向へは変更できないといった故障が生じるおそれがある。
このような故障の発生時には、電動モータ51の駆動力にてコントロールシャフト46を移動させた後、同電動モータ51の駆動力を遮断してもコントロールシャフト46の位置はそのまま維持される。そのため、このような故障が発生している場合と、そうでない場合とでは、コントロールシャフト46の位置を維持するために要求される電動モータ51の駆動力も異なるようになる。例えば図10に二点鎖線にて示されるように、バルブ特性(最大リフト量等)を変更してコントロールシャフト46を種々の位置に移動させた後に、同コントロールシャフト46の位置を維持するべく要求される電動モータ51の駆動力は、コントロールシャフト46の位置にかかわらずほぼ一定の低い値になる。
従って、上記可変機構部4に上述したような故障が生じているか否かは、コントロールシャフト46を移動させた後に同コントロールシャフト46の位置を維持するべく要求される電動モータ51の駆動力に基づいて診断することができる。
そこで本実施形態では、制御装置7にて次のような故障診断処理を実行するようにしている。
まず、バルブ特性の制御目標値を適宜変更してコントロールシャフト46の位置を変更し、その変更後の位置を維持するように電動モータ51の駆動を制御する。
そして、コントロールシャフト46を一定の位置に維持しているときの電動モータ51の保持電流、例えばその大きさやデューティ比等を検出する。
そして、その検出された保持電流、すなわち電動モータ51の駆動力が上記制御目標値を維持するために要求される値となっているか否かを判定する。なお、制御装置7のメモリには、可変機構部4に故障が生じていないときにあって、種々の制御目標値を維持するべく要求される電動モータ51の駆動力が記憶されている、そしてこの判定に際しては、各制御目標値に対応した駆動力が読み込まれ、これが検出された保持電流と比較される。
そして上記検出された電動モータ51の駆動力が制御目標値を維持するために要求される値となっているときには、可変機構部4に異常なしと判定する。
一方、上記検出された電動モータ51の駆動力が制御目標値を維持するために要求される値よりも小さくなっているときには、可変機構部4に故障が生じていると判定する。
このように本実施形態では、コントロールシャフト46に螺旋カム54を押圧する方向への付勢力が付与されるように可変機構部4を構成し、コントロールシャフト46を移動させた後に同シャフトの位置を維持するべく要求される電動モータ51の駆動力に基づいて可変機構部4の故障を診断するようにしている。そのため、螺旋カム54に一端側が当接されたコントロールシャフト46を有し、このコントロールシャフト46の軸方向への移動を通じて吸気バルブ21のバルブ特性を調整する可変機構部4について、その故障を診断することができるようになる。
(第6の実施形態)
次に、本発明にかかる可変動弁機構の故障診断装置を具体化した第6の実施形態について、図11を併せ参照して説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と異なる次のような原理で可変機構部4の故障診断を行うようにしている。
上述したように、コントロールシャフト46に螺旋カム54を押圧する方向への付勢力が付与されるように可変機構部4を構成する場合、電動モータ51の駆動力を遮断すると、コントロールシャフト46からの押圧力によって螺旋カム54は回転され、この螺旋カム54の回転は回転角センサ55にて検出される。
また、このような可変機構部4では、電動モータ51の駆動力によってコントロールシャフト46は上記付勢力の付与方向とは逆の方向に移動され、上記付勢力によってコントロールシャフト46は同付勢力の付与方向に移動される。すなわち、電動モータ51の駆動力とコントロールシャフト46に付与された付勢力とのバランスによってコントロールシャフト46は往復動される。
ここで、図11に実線にて示されるように、時刻t1にて電動モータ51の駆動力を遮断して上記付勢力にてコントロールシャフト46を移動させることで最大リフト量を減少させる。そして最大リフト量が最小となった後、時刻t3にて電動モータ51の駆動力を付与してコントロールシャフト46を移動させることにより最大リフト量を増大させる。このようにコントロールシャフト46を往復動させる際、可変機構部4に故障が生じていなければ、コントロールシャフト46に付与される上記付勢力による螺旋カム54の回転、及び電動モータ51の駆動力による螺旋カム54の回転がともに回転角センサ55にて検出される。
一方、電動モータ51の駆動力を遮断して上記付勢力にてコントロールシャフト46を移動させる際、同コントロールシャフト46の移動途中にて固着等の異常が発生している場合には、その固着等の発生箇所にてコントロールシャフト46の移動が阻害される(時刻t2)。そのため、図11に二点鎖線にて示されるように、時刻t2において最大リフト量の変更、及び上記付勢力による螺旋カム54の回転は途中で停止され、電動モータ51の駆動によって螺旋カム54が再び回転されるまで(時刻t4)、回転角センサ55の検出値は上記固着等の発生箇所に対応した一定の値となる。すなわち、このときの一定の値は、可変機構部4が正常に動作しているときに最大リフト量を最小としたときの回転角センサ55の検出値αとは異なった値となる。
このように、可変機構部4に故障が生じているか否かは、電動モータ51の駆動力を遮断及び付与してコントロールシャフト46を往復動させたときの上記検出値の変化態様に基づいて診断することができる。
そこで本実施形態では、制御装置7にて次のような故障診断処理を実行するようにしている。
まず、電動モータ51への通電を遮断して、吸気バルブ21の最大リフト量が最小となるようにする。そしてその後、電動モータへの通電を再開して、吸気バルブ21の最大リフト量を増大させていく。すなわち、電動モータ51の駆動力を遮断及び付与してコントロールシャフト46を往復動させる。
一方、コントロールシャフト46の上記往復動中における回転角センサ55の検出値をサンプリングしておく。
そして、このようにサンプリングされた回転角センサ55の検出値について、上記検出値αとは異なる一定の値が存在したか否かが判定される。
そして、上記サンプリングされた回転角センサ55の検出値について、上記検出値αと異なる一定の値が存在しない場合には、可変機構部4に異常なしと判定する。
一方、上記サンプリングされた回転角センサ55の検出値について、上記検出値αと異なる一定の値が存在する場合には、可変機構部4に故障が生じていると判定する。
このように本実施形態では、コントロールシャフト46に螺旋カム54を押圧する方向への付勢力が付与されるように可変機構部4を構成し、電動モータ51の駆動力を遮断及び付与してコントロールシャフト46を往復動させたときの回転角センサ55の検出値の変化態様に基づき、可変機構部4の故障を診断するようにしている。そのため、螺旋カム54に一端側が当接されたコントロールシャフト46を有し、このコントロールシャフト46の軸方向への移動を通じて吸気バルブ21のバルブ特性を調整する可変機構部4について、その故障を診断することができるようになる。
(第7の実施形態)
次に、本発明にかかる可変動弁機構の故障診断装置を具体化した第7の実施形態について、図12を併せ参照して説明する。
上記第4〜6の実施形態では、可変機構部4の故障診断を行うためにコントロールシャフト46が移動されるため、同診断を行うときには機関運転状態にかかわらず吸気バルブ21のバルブ特性が変更されてしまう。そのため同診断の実行時には、例えば機関回転速度や機関出力などが変動してしまい、ドライバビリティに影響を与える可能性がある。
そこで、本実施形態では、上記第4〜6の実施形態で説明した故障診断のいずれかを実行する際にその実行条件を設定することで、そのようなドライバビリティへの影響を極力抑えるようにしている。
すなわち、本実施形態では、図12に示すような手順にて故障の故障診断処理を実行するようにしている。なお、本処理は制御装置7により、所定期間毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、故障診断の実行条件が成立しているか否かが判断される(S100)。ここでは、次の条件(A)が成立したときに肯定判定される。
(A)エンジン1の運転状態がフューエルカット中である。
そして、上記(A)の実行条件が成立している旨判定される場合には(S100:YES)、上記第4〜6の実施形態で説明した故障診断処理のいずれかが実行され(S110)、本処理は一旦終了される。
一方、故障診断の実行条件が成立していない旨判定される場合には(S100:NO)、可変機構部4の故障診断処理を実行することなく、本処理は一旦終了される。
このように本実施形態によれば、エンジン1での燃焼が中断されるフューエルカット中に上記故障診断処理が実行されるため、吸気バルブ21のバルブ特性が変更されても機関回転速度や機関出力などの変動が生じず、故障診断の実行によるドライバビリティへの影響を抑えることができるようになる。
なお、本実施形態ではエンジン1のフューエルカット中に上記故障診断処理を実行するようにしたが、以下のような(B)〜(E)のいずれかのときに同故障診断処理を実行するようにしてもよい。また、条件(A)が成立しているとき、及び下記の(B)〜(E)のときの少なくとも1つを条件にして同故障診断処理を実行するようにしてもよい。
(B)上記故障診断処理をイグニッションスイッチが切断されているときに実行する。
この場合には、エンジン1の運転が停止されているときに故障診断処理が実行されるようになるため、同故障診断処理を実行してもドライバビリティに影響を与えることがない。
(C)上記故障診断処理をエンジン1のアイドル運転中に実行する。
このようなエンジン1のアイドル運転中は、エンジン1の吸入空気量がスロットルバルブ17等によって大きく制限されているため、吸気バルブ21のバルブ特性を変更してもそれほど吸入空気量は変化しない傾向にある。そのため、このようなときに上記故障診断処理を実行しても機関回転速度や機関出力などの変動は生じにくい。従って、上記(C)の条件を設定することによっても故障診断の実行によるドライバビリティへの影響を抑えることができる。
(D)上記故障診断処理をエンジン1の減速中に実行する。
エンジン1の減速中には吸入空気量が減少されるようにバルブ特性は変更される。より具体的には吸気バルブ21の最大リフト量は小さくなるように変更されるため、そのようなバルブ特性の変更に伴うコントロールシャフト46の移動を利用して上記故障診断処理を実行することができる。そこで、エンジン1の減速中に故障診断処理を実行するようにすることで同故障診断処理を行うためにあえてバルブ特性を変更する必要がなくなり、これにより、故障診断の実行によるドライバビリティへの影響を抑えることができるようになる。
(E)上記故障診断処理をエンジン1の定常運転中に予め定められた回数だけ実行する。
このようにエンジン1の定常運転中に設定された回数だけ故障診断を行うようにすれば、頻繁に故障診断が行われる場合と比較して、故障診断の実行回数を制限することができる。そしてこのように故障診断の実行回数が制限されることにより、故障診断の実行によるドライバビリティへの影響を極力抑えることができる。なお、このときには、故障診断の実行回数を可能な限り少ない回数に設定する、例えばエンジン1の定常運転中における故障診断の実行回数を1回に設定することが望ましい。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・第2の実施形態では、螺旋カム54、回転軸53a、支持部57、58、ローラ61をそれぞれ金導電体にて形成し、各支持部57、58と固定部材、回転軸53aと大径ギア53、及びローラキャリア60とコントロールシャフト46の一端をそれぞれ絶縁し、支持部57及びローラキャリア60には各電線63、64を接続するようにした。この他にも、螺旋カム54とコントロールシャフト46の一端側との当接部における導通状態を検出することができる構成であれば、上記第2の実施形態における構成は適宜変更することができる。
・第3の実施形態において、ストロークセンサ80の取り付け位置は任意に変更することができる。
・上記第1〜第7の実施形態を適宜組み合わせて可変機構部4の故障診断を行うようにしてもよい。
・螺旋カム54の回転位相を制御するアクチュエータは、電動モータ51に限定されるものではなく、この他のアクチュエータであってもよい。
・上記各実施形態における可変動弁機構は、コントロールシャフト46の軸方向への移動を通じて入力アーム42bと出力アーム43bとの相対位相を変更し、これにより吸気バルブ21の最大リフト量及び開弁期間を変更する機構であった。この他にも、上述したような三次元カムを備える可変動弁機構、あるいは機関バルブの最大リフト量のみ、開弁期間のみ、開弁時期のみ、閉弁時期のみ等を調整することのできる可変動弁機構にも本発明は同様に適用することができる。要は、螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、その螺旋カムの回転に伴うシャフトの軸方向への移動を通じて機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部を備える可変動弁機構であれば、本発明は同様に適用することができる。
・上記各実施形態における可変機構部4では、バルブスプリング21bの反力を利用して、コントロールシャフト46に螺旋カム54を押圧する方向への付勢力を付与するようにした。この他にも、別途設けられるスプリングなどの付勢手段によって、コントロールシャフト46に直接付勢力を付与する構成であっても本発明は同様に適用することができる。
・上記各実施形態やその変形例において、排気バルブ22のバルブ特性を変更する場合や、吸気バルブ21及び排気バルブ22のバルブ特性を変更する場合であっても、本発明は同様に適用することができる。
・上記エンジン1は点火プラグを備えるガソリン機関であったが、この他の機関、例えばディーゼル機関であっても、本発明は同様に適用することができる。
本発明にかかる可変動弁機構の故障診断装置を具体化した第1の実施形態について、これが適用されるエンジンの構成を示す概略図。 同実施形態における可変動弁機構の構成を示す概略図。 同実施形態における可変機構部の構造を示す斜視断面図。 同実施形態の可変動弁機構による最大リフト量及び開弁期間の可変設定態様を示す模式図。 (A)は、同実施形態における駆動部の構造を示す概略図。(B)及び(C)は駆動部の作動に応じたコントロールシャフトの移動態様を示す模式図。 同実施形態における故障診断の原理を説明するための模式図。 第2の実施形態における可変動弁機構の構成を示す概略図。 第3の実施形態における可変動弁機構の構成を示す概略図。 第4の実施形態における故障診断の原理を説明するための模式図。 第5の実施形態における故障診断の原理を説明するための模式図。 第6の実施形態における故障診断の原理を説明するための模式図。 第7の実施形態における故障診断についてその処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…エンジン、1A…エンジンブロック、1H…シリンダヘッド、1HE…排気ポート、1HI…吸気ポート、1PE…排気管、1PI…吸気管、3…可変動弁機構、4…可変機構部、5…駆動部、7…制御装置(診断手段)、11…シリンダ、11W…ウォータジャケット、12…ピストン、13…コネクティングロッド、14…燃焼室、15…点火プラグ、15I…イグナイタ、16…エアクリーナ、17…スロットルバルブ、17M…スロットルモータ、18…インジェクタ、21…吸気バルブ、21a…タペット、21b…バルブスプリング、22…排気バルブ、22a…タペット、22b…バルブスプリング、23…吸気カムシャフト、24…排気カムシャフト、25…ローラロッカアーム、25a…ローラ、26…ローラロッカアーム、26a…ローラ、27…吸気カム、28…排気カム、29…ラッシュアジャスタ、41…支持パイプ、42…入力部、42a…ハウジング、42b…入力アーム、42c…ローラ、42d…ヘリカルスプライン、43…揺動カム、43a…ハウジング、43b…出力アーム、43c…カム面、43d…ヘリカルスプライン、44…ばね、45…スライダギア、45a…ヘリカルスプライン、45b…ヘリカルスプライン、45c…小径部、46…コントロールシャフト、51…電動モータ、52…小径ギア、53…大径ギア、53a…回転軸、54…螺旋カム、55…回転角センサ(検出部)、57、58…支持部、60…ローラキャリア、61…ローラ、62…絶縁部材、63、64…電線、71…エンジン水温センサ、72…クランク角センサ、75…エアフロメータ、76…車速センサ、77…アクセルセンサ、78…スロットル開度センサ、80…ストロークセンサ。

Claims (11)

  1. アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、同螺旋カムの回転位相を検出する検出部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、
    前記機関バルブの駆動に伴って生じる前記検出部の検出値における変動波形に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備える
    ことを特徴とする可変動弁機構の故障診断装置。
  2. アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、
    前記螺旋カムと前記シャフトの一端側との当接部における導通状態を検出し、その検出結果に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備える
    ことを特徴とする可変動弁機構の故障診断装置。
  3. アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、
    前記シャフトにその移動を検出するストロークセンサを設け、該ストロークセンサの検出値に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備える
    ことを特徴とする可変動弁機構の故障診断装置。
  4. アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、同螺旋カムの回転位相を検出する検出部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、
    前記可変機構部は、前記シャフトに前記螺旋カムを押圧する方向への付勢力が付与される機構であり、
    前記アクチュエータの駆動力を遮断したときの前記検出値の変化態様に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備える
    ことを特徴とする可変動弁機構の故障診断装置。
  5. アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、
    前記可変機構部は、前記シャフトに前記螺旋カムを押圧する方向への付勢力が付与される機構であり、
    前記シャフトを移動させた後に同シャフトの位置を維持するべく要求される前記アクチュエータの駆動力に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備える
    ことを特徴とする可変動弁機構の故障診断装置。
  6. アクチュエータにて回転位相が制御される螺旋カムを有する駆動部と、同螺旋カムの回転位相を検出する検出部と、カムシャフトのカムと機関バルブとの間に設けられる機構部であって、前記螺旋カムに一端側が当接されるシャフトを有し、前記螺旋カムの回転に伴う前記シャフトの軸方向への移動を通じて前記機関バルブのバルブ特性を調整する可変機構部とを備える可変動弁機構の故障を診断する装置であって、
    前記可変機構部は、前記シャフトに前記螺旋カムを押圧する方向への付勢力が付与される機構であり、
    前記アクチュエータの駆動力を遮断及び付与して前記シャフトを往復動させたときの前記検出値の変化態様に基づいて前記可変機構部の故障を診断する診断手段を備える
    ことを特徴とする可変動弁機構の故障診断装置。
  7. 前記診断手段は、前記故障の診断を機関のフューエルカット中に実行する
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の可変動弁機構の故障診断装置。
  8. 前記診断手段は、前記故障の診断をイグニッションスイッチが切断されているときに実行する
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の可変動弁機構の故障診断装置。
  9. 前記診断手段は、前記故障の診断を機関のアイドル運転中に実行する
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の可変動弁機構の故障診断装置。
  10. 前記診断手段は、前記故障の診断を機関の減速中に実行する
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の可変動弁機構の故障診断装置。
  11. 前記診断手段は、前記故障の診断を機関の定常運転中に予め定められた回数だけ実行する
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の可変動弁機構の故障診断装置。
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