JP2005180350A - エンジンの可変動弁機構制御装置 - Google Patents

エンジンの可変動弁機構制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料消費率の向上を好適に実現することのできるエンジンの可変動弁機構制御装置を提供する。
【解決手段】 このエンジンの可変動弁機構制御装置は、吸気バルブ21のバルブリフト量を可変設定可能な略最小の値に相当する第1リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」に設定した第1バルブ特性と、吸気バルブ21のバルブリフト量を可変設定可能な略最大の値に相当する第2リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」よりも大きい値に設定した第2バルブ特性とについて、これら各バルブ特性の選択中におけるエンジン1の燃料消費率をそれぞれ算出する。そして、この算出した各燃料消費率の比較結果に基づいて、燃料消費率の小さいバルブ特性を選択する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吸気バルブのリフト量の変更にともない同バルブの作用角が変更される可変動弁機構を備えたエンジンにおいて、該可変動弁機構の制御を通じてエンジンのバルブ特性を変更するエンジンの可変動弁機構制御装置に関する。
周知のように、吸気バルブや排気バルブのバルブリフト量の変更にともない同バルブのバルブ作用角が変更される可変動弁機構が提案されている。
こうした可変動弁機構を備えたエンジンにおいては、エンジン運転状態に基づいてバルブ特性(バルブリフト量及びバルブ作用角)の変更が行われる。
特開平3−33438号公報
ところで、上記可変動弁機構付のエンジンにおいては、最良の燃料消費率を実現することのできるバルブ特性を予め設定しておくことにより、エンジンの燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
しかし、エンジン毎の特性の違いやエンジン特性の経時変化により、最良の燃料消費率を実現することのできるバルブ特性が変化することもあるため、こうした経時変化等に対応して適切に燃料消費率の向上を図ることのできる可変動弁機構の制御装置の提案が望まれている。
なお、従来のエンジンの可変動弁機構制御装置としては、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。
同装置においても、エンジン毎の特性の違いや経時変化については考慮されていないため、燃料消費率の向上を好適に実現することは困難であると考えられる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料消費率の向上を好適に実現することのできるエンジンの可変動弁機構制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、吸気バルブのバルブリフト量の変更にともない該バルブのバルブ作用角が変更される可変動弁機構を備えるとともに、該可変動弁機構を通じて吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバーラップ量を調整可能なエンジンに適用されて、該エンジンの運転状態に基づいて、前記バルブリフト量、バルブ作用角、及びバルブオーバーラップ量を可変設定するエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記エンジンのバルブ特性として、
〔a〕前記吸気バルブのバルブリフト量を前記排気バルブのバルブリフト量よりも小さい第1リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」に設定した第1のバルブ特性
〔b〕前記吸気バルブのバルブリフト量を前記第1リフト量よりも大きい第2リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」よりも大きい値に設定した第2のバルブ特性
これら第1のバルブ特性と第2のバルブ特性とを選択的に切り換える制御手段を備えたことを要旨としている。
上記構成によれば、第1のバルブ特性と第2のバルブ特性との選択的な切り換えが行われる。ちなみに、第1のバルブ特性を選択した場合には、吸入空気量が少量となることにより吸気抵抗が低減されるため、燃料消費率の向上が図られるようになる。一方、第2のバルブ特性を選択した場合には、内部EGRによる不活性ガスの気筒内への残留により吸気抵抗が低減されるため、燃料消費率の向上が図られるようになる。そして、可変動弁機構を備えたエンジンにおいては、これら各バルブ特性のいずれかを選択することにより最良の燃料消費率が得られるようになる。上記構成においては、エンジンの経時変化等に起因して、最良の燃料消費率を実現することのできるバルブ特性が予め選択されていたバルブ特性と異なった場合にあっても、最良の燃料消費率の実現を可能としうる第1のバルブ特性と第の2バルブ特性との選択的な切り換えを行うことができるため、燃焼消費率の向上を好適に実現することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、吸気バルブのバルブリフト量の変更にともない該バルブのバルブ作用角が変更される可変動弁機構を備えるとともに、該可変動弁機構を通じて吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバーラップ量を調整可能なエンジンに適用されて、該エンジンの運転状態に基づいて、前記バルブリフト量、バルブ作用角、及びバルブオーバーラップ量を可変設定するエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記吸気バルブのバルブリフト量を前記排気バルブのバルブリフト量よりも小さい第1リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」に設定した第1のバルブ特性と、前記吸気バルブのバルブリフト量を前記第1リフト量よりも大きい第2リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」よりも大きい値に設定した第2のバルブ特性とについて、これら各バルブ特性の選択中における前記エンジンの燃料消費率をそれぞれ算出し、該算出した各燃料消費率の比較結果に基づいて燃料消費率の小さいバルブ特性を選択する制御手段を備えたことを要旨としている。
上記構成によれば、第1のバルブ特性の選択中における燃料消費率及び第2のバルブ特性の選択中における燃料消費率がそれぞれ算出された後、各燃料消費率の比較を通じて、燃料消費率の小さいバルブ特性(第1のバルブ特性及び第2のバルブ特性のいずれか)が選択される。これにより、エンジン毎の特性の違いや経時変化に関わらず、実際に最良の燃料消費率を得ることのできるバルブ特性が選択されるようになるため、燃焼消費率の向上を好適に実現することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記エンジンの初回の運転開始から現在までに前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択が一度も行われていないことを検出したとき、前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を行うことを要旨としている。
上記構成によれば、エンジンの初回の運転開始後に、燃料消費率の比較結果に基づくエンジンのバルブ特性の選択が行われるようになる。これにより、エンジンの初回の運転開始後に、製造時に設定されたバルブ特性が実際のエンジンの稼働状態において最良の燃料消費率となるか否かについて検証されることになるため、エンジン毎の特性の違いに起因する燃費性能の低下を好適に回避することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記各燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を実行した後、前記エンジンの経時変化の度合いと相関のある前記エンジンの運転パラメータを監視し、該運転パラメータが第1判定値を超えるまでは前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を行わないことを要旨としている。
上記構成によれば、第1のバルブ特性と第2のバルブ特性との燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択が実行された後は、エンジンの経時変化の度合いが予め規定された度合いを超えるまで、燃料消費率の算出、及びこの算出した値の比較結果に基づくバルブ特性の選択が行われなくなる。なお、第1判定値は、エンジンの経時変化に起因して、選択中のバルブ特性が最良の燃料消費率を得ることのできるバルブ特性(最良燃費バルブ特性)でなくなった可能性があることを判定するための値として予め設定される。即ち、経時変化の度合いと相関のある運転パラメータが第1判定値を超えているとき、現在選択されているバルブ特性以外のバルブ特性が最良燃費バルブ特性となる可能性がある。こうした構成を採用することにより、燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択が特に必要とされないときは、バルブ特性の選択にかかる一連の処理が行われなくなるため、同処理の実行頻度を少なくして制御手段の演算負荷を低減することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記エンジンの経時変化の度合いと相関のある前記エンジンの運転パラメータを監視し、該運転パラメータが第1判定値以上であることを検出したとき、前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を実行することを要旨としている。
上記構成によれば、エンジンの経時変化の度合いが予め規定された度合いを超えたとき、各バルブ特性の燃料消費率の算出、及びこの算出した値の比較結果に基づくバルブ特性の選択が行われる。こうした構成を採用することにより、現在のバルブ特性が最良燃費バルブ特性でなくなった可能性があるとき、第1のバルブ特性及び第2のバルブ特性を選択した際の燃料消費率に基づいて最良燃費バルブ特性が選択されるため、好適に燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記運転パラメータが前記第1判定値よりも大きく設定された第2判定値以上であることを検出したとき、前記第1のバルブ特性及び前記第2のバルブ特性のそれぞれを選択した際の前記エンジンの燃料消費率にあわせて、前記第1のバルブ特性と前記第2のバルブ特性との間に属する第3のバルブ特性を選択した際の前記エンジンの燃料消費率を算出し、これら算出した各燃料消費率の比較結果に基づいて燃料消費率の最も小さいバルブ特性を選択することを要旨としている。
上記構成によれば、エンジンの経時変化の度合いが予め規定された度合いを超えたとき、各バルブ特性の燃料消費率の算出、及びこの算出した値の比較結果に基づくバルブ特性の選択が行われる。なお、第2判定値は、エンジンの経時変化により現在のバルブ特性(第1のバルブ特性及び第2のバルブ特性のいずれか)が最良燃費バルブ特性でなくなった可能性、及び第3のバルブ特性(第1のバルブ特性と第2のバルブ特性との間のバルブリフト量を有するバルブ特性)が最良燃費バルブ特性となる可能性があることを判定するための値として予め設定される。即ち、経時変化の度合いと相関のある運転パラメータが第2判定値を超えているとき、現在選択されているバルブ特性以外のバルブ特性(第3のバルブ特性を含む)が最良燃費バルブ特性となる可能性がある。こうした構成を採用することにより、現在のバルブ特性が最良燃費バルブ特性でなくなった可能性があるとき、第1のバルブ特性、第2のバルブ特性、及び第3のバルブ特性のそれぞれを選択した際の燃料消費率に基づいて最良燃費バルブ特性が選択されるため、より好適に燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記エンジンのアイドル運転制御を通じて学習制御される該エンジンのスロットルバルブの開度に関する学習制御量を前記運転パラメータとして採用することを要旨としている。
上記構成によれば、エンジンのアイドル運転制御を通じて学習制御されるスロットルバルブの開度に関する学習制御量が判定値(第1判定値あるいは第2判定値)を超えたとき、各バルブ特性の燃料消費率の比較結果に基づいてエンジンのバルブ特性の選択が行われる。ちなみに、スロットルバルブ開度の学習制御量は、スロットルバルブにおけるデポジットの付着度合いと相関があるため、同学習制御量を監視することにより、選択中のバルブ特性がエンジンの経時変化に起因して最良燃費バルブ特性でなくなった可能性があることを推定することが可能となる。そこで、上記構成を採用することにより、的確に最良燃費バルブ特性を選択することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記エンジンの空燃比制御を通じて学習制御される該エンジンのインジェクタの燃料噴射量に関する学習制御量を前記運転パラメータとして採用することを要旨としている。
上記構成によれば、エンジンの空燃比制御を通じて学習制御されるインジェクタの燃料噴射量に関する学習制御量が判定値(第1判定値あるいは第2判定値)を超えたとき、各バルブ特性の燃料消費率の比較結果に基づいてエンジンのバルブ特性の選択が行われる。ちなみに、燃料噴射量の学習制御量は、インジェクタの噴射性能の劣化度合いと相関があるため、同学習制御量を監視することにより、選択中のバルブ特性がエンジンの経時変化に起因して最良燃費バルブ特性でなくなった可能性があることを推定することが可能となる。そこで、上記構成を採用することにより、的確に最良燃費バルブ特性を選択することができるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項4〜6のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記エンジンの点火時期制御を通じて学習制御される該エンジンのイグニッションプラグの点火時期に関する学習制御量を前記運転パラメータとして採用することを要旨としている。
上記構成によれば、エンジンの点火時期制御を通じて学習制御されるイグニッションプラグの点火時期に関する学習制御量が判定値(第1判定値あるいは第2判定値)を超えたとき、各バルブ特性の燃料消費率の比較結果に基づいてエンジンのバルブ特性の選択が行われる。ちなみに、点火時期の学習制御量は、燃焼室内におけるデポジットの付着度合い等の燃焼状態へ影響を及ぼす因子と相関があるため、同学習制御量を監視することにより、選択中のバルブ特性がエンジンの経時変化に起因して最良燃費バルブ特性でなくなった可能性があることを推定することが可能となる。そこで、上記構成を採用することにより、的確に最良燃費バルブ特性を選択することができるようになる。
請求項10に記載の発明は、請求項2〜9のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記エンジンの運転状態が定常運転状態にあることを条件に、前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を許可することを要旨としている。
上記構成によれば、エンジンの運転状態が定常運転状態にあるとき、燃料噴射量の算出、及びこの算出した燃料消費量の比較結果に基づくバルブ特性の選択が行われる。ちなみに、エンジンが過渡運転状態にある場合は、筒内圧力の変動が大きいため、燃料消費率を的確に算出できないおそれもある。この点、上記構成を採用することにより、高い信頼性をもって燃料消費率の算出を行うことができるようになる。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記エンジンの回転速度の変化量が所定変化量未満、且つ前記エンジンの負荷の変化率が所定変化率未満である状態が所定期間以上にわたって継続していることに基づいて、前記エンジンの運転状態が定常運転状態にあると判定することを要旨としている。
上記構成によれば、エンジンの定常運転状態を的確に検出することができるようになる。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記エンジンのバルブ特性の切り換えを行う際、前記エンジンの筒内圧力に基づいて前記エンジンの図示トルクを算出し、該図示トルクを略一定に維持すべく前記エンジンのスロットルバルブの開度をフィードバック制御することを要旨としている。
上記構成によれば、バルブ特性の切り換えが行われる際、スロットルバルブの開度制御を通じてエンジンの図示トルクが略一定に維持される。これにより、バルブ特性の変更にともなうエンジントルクの変動が抑制されるため、ドライバビリティの悪化を好適に回避することができるようになる。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記第1リフト量としてバルブリフト量の設定可能範囲における略最小の値を設定することを要旨としている。
上記構成によれば、好適に燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記第2リフト量としてバルブリフト量の設定可能範囲における略最大の値を設定することを要旨としている。
上記構成によれば、好適に燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
請求項15に記載の発明は、請求項1〜13のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記制御手段は、前記第2リフト量として前記排気バルブのバルブリフト量に相当する値を設定することを要旨としている。
上記構成によれば、好適に燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
請求項16に記載の発明は、吸気バルブのバルブリフト量の変更にともない該バルブのバルブ作用角が変更される可変動弁機構を備えるとともに、該可変動弁機構を通じて吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバーラップ量を調整可能なエンジンに適用されて、該エンジンの運転状態に基づいて、前記バルブリフト量、バルブ作用角、及びバルブオーバーラップ量を可変設定するエンジンの可変動弁機構制御装置において、前記吸気バルブのバルブリフト量を第1リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」に設定した第1のバルブ特性と、前記吸気バルブのバルブリフト量を第1リフト量よりも大きい第2リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」より大きい値に設定した第2のバルブ特性との選択を切り換える第1制御手段と、前記第1のバルブ特性及び第2のバルブ特性のそれぞれを選択した際の前記エンジンの燃料消費率を前記エンジンの筒内圧力及び燃料噴射量に基づいて算出する第2制御手段と、前記算出した各燃料消費率の比較結果に基づいて燃料消費率の小さいバルブ特性を選択する第3制御手段とを備えたことを要旨としている。
上記構成によれば、第1のバルブ特性の選択中における燃料消費率及び第2のバルブ特性の選択中における燃料消費率がそれぞれ算出された後、各燃料消費率の比較を通じて、燃料消費率の小さいバルブ特性が選択される。これにより、エンジン毎の特性の違いや経時変化に関わらず、実際の最良の燃料消費率を得ることのできるバルブ特性が選択されるようになるため、燃焼消費率の向上を好適に実現することができるようになる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図17を参照して説明する。
図1に車載用のエンジンの概略構成を示す。なお、本実施形態では、エンジンの吸気ポートにおいて燃料を噴射供給するポート噴射エンジンを想定しているが、燃焼室に燃料を直接噴射する筒内噴射エンジンに対しても同様に本発明を適用することができる。
<エンジンの構成>
エンジン1は、大きくは以下の[a]及び[b]の各要素を備えて構成される。
[a]シリンダ11、ピストン12等を有するエンジン本体1A。
[b]吸排気バルブ等を有するシリンダヘッド1H。
[c]エンジン1のバルブ特性を変更する可変動弁機構3。
エンジン本体1Aにおいて、シリンダ11の内部には、ピストン12が往復動可能に収容されている。
ピストン12は、コネクティングロッド13を介してクランクシャフトと連結されている。
シリンダ11の周囲には、エンジン1の冷却水を流通させるためのウォータジャケット11Wが形成されている。
エンジン1においては、シリンダ11の内周面、ピストン12の頂面、及びシリンダヘッド1Hにより囲まれた領域に燃焼室14が形成されている。
シリンダヘッド1Hには、吸入空気を燃焼室14内へ流入させるための吸気ポート1HI、及び排気を燃焼室14内から流出させるための排気ポート1HEが設けられている。
シリンダヘッド1Hの燃焼室14側には、混合気に点火するイグニッションプラグ15が配設されている。イグニッションプラグ15は、混合気の着火に必要な高圧電流を発生するイグナイタ15Iに接続されている。
吸気ポート1HIには、エンジン1外部から燃焼室14へ吸入空気を流通させるための吸気管1PIが接続されている。
吸気管1PIには、吸入空気を浄化するエアクリーナ16、及び吸入空気の流量を調整するスロットルバルブ17が配設されている。スロットルバルブ17は、スロットルモータ17Mによる弁軸の駆動を通じてその開度が変更される。
吸気ポート1HIは、シリンダヘッド1Hに配設された吸気バルブ21を通じて開閉される。
吸気ポート1HIの吸気バルブ21よりも上流側には、同ポート1HIへ燃料を噴射するインジェクタ18が設けられている。
排気ポート1HEには、燃焼室14からエンジン1外部へ排気を流通させるための排気管1PEが接続されている。
排気ポート1HEは、シリンダヘッド1Hに配設された排気バルブ22を通じて開閉される。
エンジン1の吸気バルブ21は、可変動弁機構3を通じてそのバルブ特性(バルブリフト量及びバルブ作用角)を変更することが可能となっている。
エンジン1は、電子制御装置7により制御される。なお、制御手段(第1制御手段、第2制御手段、及び第3制御手段)は、同電子制御装置7を備えて構成される。
電子制御装置7は、エンジン1の制御に係る各種処理を実行するCPU、制御用のプログラムやその制御に必要な情報を記憶するメモリ、外部との信号の入出力を司る入力ポート及び出力ポートを備えて構成されている。
電子制御装置7の入力ポートには、エンジン制御に必要な情報を検出する以下の各センサが接続されている。
エンジン水温センサ71は、エンジン1の冷却水の温度(エンジン水温THw)を検出する。
クランク角センサ72は、クランクシャフトの回転角度(クランク角CA)を検出する。
エンジン回転速度センサ73は、クランクシャフトの回転速度(エンジン回転速度Ne)を検出する。
筒内圧力センサ74は、シリンダ11内の圧力(筒内圧力Ps)を検出する。
エアフロメータ75は、エンジン1内に吸入された空気量(吸入空気量GA)を検出する。
車速センサ76は、車両の駆動輪の回転速度(車速Sp)を検出する。
アクセルセンサ77は、車両のアクセルペダルの操作量(アクセル操作量Accp)を検出する。
スロットル開度センサ78は、スロットルバルブ17の開度(スロットル開度TA)を検出する。
電子制御装置7の出力ポートには、イグナイタ15I、スロットルモータ17M、インジェクタ18、及び可変動弁機構3等が接続されている。即ち、電子制御装置7は、これら各装置をはじめとしてエンジン1を統括的に制御する。
<アイドル回転速度制御>
電子制御装置7は、エンジン1のアイドル運転中、エンジン回転速度Neを目標回転速度Netに収束させるべくスロットルバルブ17の開度を制御するアイドル回転速度制御を実行する。
アイドル回転速度制御は、次のような態様をもって行われる。
[1]アクセル操作量Accpが「0」(アクセルペダルが全閉)、且つ車速Spが十分に低速で車両が停車状態もしくはそれに近い状態にあるとき、エンジン1がアイドル運転状態にあると判定される。
[2]エンジン1がアイドル運転状態にあると判定されたとき、そのときのエンジン運転状態に基づいて目標回転速度Netの算出が行われる。目標回転速度Netは、エンジン水温THwから推定されるエンジン1の暖機状態等に基づいて設定される。
[3]目標回転速度Netが設定された後、スロットル開度TAが学習制御量である学習制御開度TAfbとなるようにスロットルバルブ17の制御が行われる。
[4]目標回転速度Netとエンジン回転速度Neとの比較結果に基づき、スロットル開度TAのフィードバック制御量TAFが算出される。フィードバック制御量TAFは、エンジン回転速度Neが目標回転速度Netよりも高すぎるときには、スロットル開度TAを小さくするようにその値が所定量ずつ減算される。一方で、エンジン回転速度Neが目標回転速度Netよりも低すぎるときには、スロットル開度TAを大きくするようにフィードバック制御量TAFの値が所定量ずつ加算される。
[5]フィードバック制御量TAFが所定制御量を超えたとき、同制御量TAFに応じて学習制御開度TAfbが更新される。なお、連続したアイドル運転状態においては、[4]及び[5]の処理が継続して行われる。
<可変動弁機構>
可変動弁機構3の構成及び駆動態様について、図2〜図9を参照して説明する。
可変動弁機構3は、大きくはバルブ駆動機構4(図2〜図5)及びシャフト駆動機構5(図7〜図9)を備えて構成される。
〔1〕「バルブ駆動機構」
バルブ駆動機構4の構成について、図2〜図6を参照して説明する。
図2に、可変動弁機構3の配設されたエンジン1上部の断面構造を示す。
エンジン1のシリンダヘッド1Hには、同エンジン1の回転に連動して回転する吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が、回転可能に軸支されている。
排気カムシャフト24の下方には、ローラ26aを備えるローラロッカーアーム26が配設されている。
ローラ26aは、排気カムシャフト24に設けられた排気カム28に当接されている。これにより、ローラ26aは、排気カム28の回転位相に応じて同排気カム28からの押圧を受けるようになる。
ローラロッカーアーム26の一端は、シリンダヘッド1Hに固定されたラッシュアジャスタ29に支持され、もう一端は、排気バルブ22上端のタペット22aに当接されている。
ローラロッカーアーム26のタペット22a側の端部(タペット側端部26t)は、排気バルブ22の弁ばね22bによって付勢されている。これにより、ローラ26aは、排気カム28に常時当接されるようになる。
排気バルブ22は、上記態様をもって配設されたローラロッカーアーム26を介して排気カム28の押圧を受けるため、常に一定のバルブリフト量で開閉される。
一方、吸気バルブ21側においては、吸気カムシャフト23に設けられた吸気カム27とローラロッカーアーム25との間に、可変動弁機構3(バルブ駆動機構4)が介設されている。
ローラロッカーアーム25は、ローラ25aを備えて排気カムシャフト24の下方に配設されている。
ローラロッカーアーム25の一端は、シリンダヘッド1Hに固定されたラッシュアジャスタ29に支持され、もう一端は、吸気バルブ21上端のタペット21aに当接されている。
ローラロッカーアーム25のタペット21a側の端部(タペット側端部25t)は、吸気バルブ21の弁ばね21bによって付勢されている。これにより、ローラ25aは、バルブ駆動機構4に常時当接されるようになる。
吸気バルブ21は、ローラロッカーアーム25に加え、バルブ駆動機構4を介して吸気カム27の押圧が伝達されるようになっている。
バルブ駆動機構4は、シリンダヘッド1Hに固定された支持パイプ41と、同支持パイプ41に配設された入力部42及び揺動カム43とを備えて構成されている。
入力部42及び揺動カム43は、支持パイプ41上に同支持パイプ41の軸心を中心として揺動可能に配設された円筒状のハウジング42a,43aをそれぞれ備えている。なお、このバルブ駆動機構4では、エンジン1の気筒に設けられた2つの吸気バルブ21に対応して、1つの入力部42と2つの揺動カム43とが対になって設けられている。
入力部42のハウジング42aには、入力アーム42bが径方向に突出形成されている。
入力アーム42bの先端部には、吸気カム27に当接されるローラ42cが回転可能に軸支されている。また、入力アーム42bの先端部は、圧縮状態で配設されたばね44によって、ローラ42cが吸気カム27へ押しつけられるように付勢されている。
揺動カム43のハウジング43aには、出力アーム43bがその径方向に突出形成されている。
出力アーム43bの一面は、凹状に湾曲するカム面43cとなっている。
カム面43cは、ハウジング43aのベース円部分、即ち出力アーム43bが突出形成された部分以外のハウジング43aの外周面に連続して滑らかに接続されている。
カム面43c及びハウジング43aのベース円部分は、ローラロッカーアーム25のローラ25aに当接されている。
図3に、バルブ駆動機構4の斜視断面構造を示す。
バルブ駆動機構4には、入力部42を間に挟んで2つの揺動カム43が配設されている。
入力部42及び揺動カム43の各ハウジング42a,43aは、それぞれ中空円筒形状に形成されており、それらの内部には支持パイプ41が挿通されている。
入力部42のハウジング42a内周には、右ねじの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン42dが形成されている。
揺動カム43のハウジング43a内周には、左ねじの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン43dが形成されている。
入力部42及び2つの揺動カム43の各ハウジング42a,43aによって形成される一連の内部空間には、スライダギア45が配設されている。
スライダギア45は、略中空円柱状に形成されており、支持パイプ41上に、同支持パイプ41の軸方向に往復動可能、且つその軸回りに相対回動可能に外嵌されている。
スライダギア45の軸方向中央部の外周面には、右ねじの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン45aが形成されている。このヘリカルスプライン45aは、入力部42のハウジング42a内周に形成されたヘリカルスプライン42dと噛合わされている。
スライダギア45の軸方向両端部の外周面には、左ねじの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン45bがそれぞれ形成されている。このヘリカルスプライン45bは、揺動カム43のハウジング43a内周に形成されたヘリカルスプライン43dと噛合わされている。
スライダギア45外周のヘリカルスプライン45aと各ヘリカルスプライン45bとの間には、これらヘリカルスプライン45a,45bに比して小さい外径に形成された小径部45cがそれぞれ形成されている。一方の小径部45cには、周方向に延びる長穴45dが形成されている。
支持パイプ41の内部には、その軸方向へ摺動可能に挿通されたコントロールシャフト46が設けられている。
コントロールシャフト46は、シャフト駆動機構5(図5〜図7)により、支持パイプ41に対して軸方向(矢印の方向)へ往復動することが可能となっている。
コントロールシャフト46には、係止ピン46aがその径方向に突出形成されている。
係止ピン46aは、支持パイプ41に形成されたその軸方向に延びる長穴を介して、上記長穴45dに挿通されている。これにより、支持パイプ41に対するスライダギア45の回動を許容しつつも、その軸方向への往復動に応じてスライダギア45を軸方向に移動させることができるようになっている。
以上のように構成されたバルブ駆動機構4では、シャフト駆動機構5によるコントロールシャフト46の軸方向への移動に応じて、吸気バルブ21のバルブリフト量を連続的に可変とすることができる。以下、図4及び図5を参照して、バルブ駆動機構4の作動態様について説明する。
まず、コントロールシャフト46を最大限までR方向(図3の矢印R方向)へ移動させた場合のバルブ駆動機構4の作動状態について、図4を参照して説明する。
図4(A)に、吸気カム27のベース円部分がバルブ駆動機構4の入力部42のローラ42cに当接しているときの状態を示す。
図4(A)の状態において、ローラロッカーアーム25のローラ25aは、揺動カム43の出力アーム43bには当接されておらず、同出力アーム43bに隣接したハウジング43aのベース円部分に当接されている。
このとき、吸気バルブ21は吸気ポート1HIを閉じた状態となっている。
そして、吸気カムシャフト23が回転して吸気カム27のリフト部分が入力部42のローラ42cを押し下げると、入力部42が支持パイプ41に対して図4(A)の反時計回り方向(矢印の方向)に回動される。また、これにともなってスライダギア45及び揺動カム43が一体となって回動される。
これにより、揺動カム43の出力アーム43bに形成されたカム面43cがローラロッカーアーム25のローラ25aに当接され、カム面43cの押圧によってローラ25aが押し下げられる。
図4(B)に、出力アーム43bのカム面43cがローラロッカーアーム25のローラ25aに当接しているときの状態を示す。
ローラ25aがカム面43cを通じて押圧されることにより、ローラロッカーアーム25がラッシュアジャスタ29との当接部を中心として揺動され、この揺動を通じて吸気バルブ21が開弁される。
コントロールシャフト46を最大限までR方向(図3の矢印R方向)へ移動させている場合、支持パイプ41の軸心回りにおける入力アーム42bと出力アーム43bとの相対位置は最も近い状態にある。これにより、吸気カム27が最大限に入力部42のローラ42cを押し下げた際におけるローラロッカーアーム25のローラ25aの変位量が最大となるため、吸気バルブ21は最も大きいバルブ作用角及びバルブリフト量で開閉されるようになる。
ところで、バルブ駆動機構4において、コントロールシャフト46がシャフト駆動機構5によって軸方向に変位されると、それに連動してスライダギア45も軸方向に変位される。
そして、その変位に応じて、スライダギア45とスプライン係合されている入力部42及び揺動カム43がスライダギア45に対して相対回動される。
このとき、入力部42と揺動カム43とは、ヘリカルスプラインの形成方向の違いにより、互いに反対方向に回動される。このため、支持パイプ41の軸心回りにおける入力アーム42bと出力アーム43bとの相対位置が変更されるようになる。
次に、コントロールシャフト46を最大限までL方向(図3の矢印L方向)へ移動させた場合のバルブ駆動機構4の作動状態について、図5を参照して説明する。
図5(A)に、吸気カム27のベース円部分が入力部42のローラ42cに当接しているときの状態を示す。
このとき、揺動カム43におけるローラ25aの当接位置は、最大限までカム面43cから離れた位置にある。
そして、吸気カムシャフト23の回転により吸気カム27のリフト部分が入力部42のローラ42cを押し下げると、揺動カム43が入力部42と一体に回動される。ただし、この場合は、上述の如く図5(A)の状態での揺動カム43におけるローラ25aの当接位置が最大限までカム面43cから離れている分、カム面43cによるローラ25aの押し下げが開始されるまでの揺動カム43の回転量が、図4に示される作動状態に比べて大きくなる。
また、吸気カム27のリフト部分の押し下げにともない、ローラ25aと当接されるカム面43cの範囲も、出力アーム43bの基端側の一部のみに縮小されるようになる。このため、吸気カム27のリフト部分によるローラ42cの押し下げに応じたローラロッカーアーム25の揺動量は小さくなる。
図5(B)に、出力アーム43bのカム面43cがローラロッカーアーム25のローラ25aに当接しているときの状態を示す。
同図に示されるように、ローラロッカーアーム25の揺動量が小さいことにより、吸気バルブ21はより小さいバルブリフト量にて開弁されるようになる。
この場合、コントロールシャフト46を最大限までL方向(図3の矢印L方向)へ移動させているため、支持パイプ41の軸心回りにおける入力アーム42bと出力アーム43bとの相対位置は最も遠い状態にある。これにより、吸気カム27が最大限に入力部42のローラ42cを押し下げた際におけるローラロッカーアーム25のローラ25aの変位量が最小となるため、吸気バルブ21は最も小さいバルブ作用角及びバルブリフト量で開閉されるようになる。
このように、可変動弁機構3(バルブ駆動機構4)においては、支持パイプ41の軸心回りにおける入力アーム42bと出力アーム43bとの相対位置を変更することにより、吸気バルブ21のバルブリフト量を図6に示すように連続的に可変とすることが可能となっている。なお、吸気バルブ21のバルブ作用角は、バルブリフト量の変更に対応して変更される。
可変動弁機構3による吸気バルブ21のバルブリフト量の変更は、電子制御装置7によって行われる。
電子制御装置7は、バルブリフト量の制御目標値である目標リフト量をエンジン運転状態に応じて算出し、シャフト駆動機構5の駆動態様の制御を通じてコントロールシャフト46の変位量を調整することにより、吸気バルブ21のバルブリフト量を制御する。
〔2〕「シャフト駆動機構」
シャフト駆動機構5(図7〜図9)の構成について説明する。
図7に、シャフト駆動機構5の斜視構造を示す。
シャフト駆動機構5は、大きくは駆動用モータ51、螺旋カム機構53、及び回転角センサ55を備えて構成されている。
駆動用モータ51は、シリンダヘッド1Hに固定されて電子制御装置7からの駆動信号により小径ギア51aを回転させる。
小径ギア51aは、螺旋カム機構53に設けられた大径ギア53aを回転させることにより、シリンダヘッド1Hに回転可能に支持されているカム軸53bを介して螺旋カム機構53内部の螺旋カム57の回転位相を変化させる。
カム軸53bは、一体回転可能に設けられた小径ギア53cを通じて、シリンダヘッド1Hに固定されている回転角センサ55の大径ギア55aを回転させる。これにより、レゾルバ等からなる回転角センサ55内部のロータが回転されて螺旋カム57の回転位相が回転角センサ55により検出される。なお、回転角センサ55の検出データは、電子制御装置7へ入力される。
カム軸53bには、ストッパアーム53dが一体回転可能に設けられている。このストッパアーム53dは、シリンダヘッド1Hに調整可能に固定されている2つのストッパ53e,53fへ当接することより、螺旋カム57の回転範囲を360°より小さい範囲に限定している。
図8に、螺旋カム機構53の斜視構造を示す。
螺旋カム機構53には、大径ギア53a、カム軸53b、小径ギア53c、ストッパアーム53d、ストッパ53e,53f、及び螺旋カム57以外に、螺旋カム57をその内部空間に収納するように配置されたカムフレーム59が備えられている。
このカムフレーム59には、その一部に形成された空間に螺旋カム57の螺旋状カム面57aと接触するように円形断面のローラ59aが設けられている。ローラ59aは、カム軸53bと平行なローラ軸59bにより回転可能に支持されている。
カムフレーム59において、ローラ59aと反対側には、バルブ駆動機構4のコントロールシャフト46の一端が固定されている。
これにより、カムフレーム59がコントロールシャフト46の軸方向(矢印の方向)へ移動すると、コントロールシャフト46がこのカムフレーム59の移動に連動して軸方向へ変位される。
カムフレーム59あるいはコントロールシャフト46には、コントロールシャフト46の軸方向に作用してローラ59aを螺旋カム57側へ押圧するばね力が付与されている。従って、ローラ59aは、常に螺旋カム57の螺旋状カム面57aへ接触した状態に維持されるようになる。
カムフレーム59の移動は次のように行われる。
図9(A)に、ストッパアーム53dがストッパ53eに当接した状態を示す。
駆動用モータ51(図7)を回転させてストッパアーム53dをストッパ53eへ当接させることにより、螺旋カム57はカム軸53bとの径方向の距離が最も近い螺旋状カム面57aにおいてローラ59aと当接する。
このとき、カムフレーム59は最大限までL方向に移動しており、カムフレーム59に連動してコントロールシャフト46も最大限までL方向へ変位した状態に維持される。これにより、図5に示した最小のバルブ作用角及び最小のバルブリフト量による吸気バルブ21の開閉が実現される。
駆動用モータ51(図7)の回転を通じてストッパアーム53dをC方向に回転させることにより、ストッパアーム53dがストッパ53eから離間する。
このとき、螺旋カム57の螺旋状カム面57aによりローラ59aはR方向に移動し、カムフレーム59全体もR方向に移動する。そして、これに連動してコントロールシャフト46がR方向に移動する。
図9(B)に、ストッパアーム53dがストッパ53fに当接した状態を示す。
ストッパアーム53dをストッパ53fへ当接させることにより、螺旋カム57はカム軸53bとの径方向の距離が最も遠い螺旋状カム面57aにおいてローラ59aと当接する。
このとき、カムフレーム59は最大限までR方向に移動しており、カムフレーム59に連動してコントロールシャフト46も最大限までR方向へ変位した状態に維持される。これにより、図4に示した最大のバルブ作用角及び最大のバルブリフト量による吸気バルブ21の開閉が実現される。
さて、本実施形態のエンジン1においては、こうした構成の可変動弁機構3を通じて、基本的には以下に説明する第1バルブ特性及び第2バルブ特性のいずれかのうち、燃料消費率の小さいバルブ特性を選択することによりエンジン1の燃料消費率の向上を図るようにしている。
<エンジンのバルブ特性>
可変動弁機構3を通じて選択されるエンジン1のバルブ特性について、図10〜図14を参照して説明する。
図10に、第1バルブ特性のバルブリフト量及びバルブ作用角を示す。
同第1バルブ特性において、吸気バルブ21のバルブリフト量VL1及びバルブ作用角VA1は、吸気バルブ21のバルブリフト量及びバルブ作用角として設定可能な範囲における略最小の値(あるいはその近傍の値)に設定される。なお、吸気バルブ21のバルブリフト量VL1及びバルブ作用角VA1としては、その他に、排気バルブ22のバルブリフト量VL2及びバルブ作用角VA2よりも十分に小さい適宜の値に設定することもできる。
また、吸気バルブ21及び排気バルブ22のバルブオーバーラップ量が「0」となるように吸気バルブ21のバルブリフト量VL1及びバルブ作用角VA1が設定される。
図11に、第2バルブ特性のバルブリフト量及びバルブ作用角を示す。
同第2バルブ特性において、吸気バルブ21のバルブリフト量VL1及びバルブ作用角VA1は、吸気バルブ21のバルブリフト量及びバルブ作用角として設定可能な範囲における略最大の値(あるいはその近傍の値)に設定される。なお、吸気バルブ21のバルブリフト量VL1及びバルブ作用角VA1としては、その他に、排気バルブ22のバルブリフト量VL2及びバルブ作用角VA2に相当する値、あるいはそれよりも大きい適宜の値に設定することもできる。
また、吸気バルブ21及び排気バルブ22のバルブオーバーラップ量が「0」よりも大きい値(バルブオーバーラップ量Vo)となるように吸気バルブ21のバルブリフト量VL1及びバルブ作用角VA1が設定される。なお、バルブオーバーラップ量Voは、エンジン1の燃焼状態の悪化をまねかない範囲内において極力大きい値に設定される。
ここで、第1バルブ特性及び第2バルブ特性を選択した際のエンジン1の図示トルク(エンジンの機械損失を考慮せずに算出したエンジントルク)について、通常のバルブ特性(吸気及び排気バルブのバルブリフト量が略同一、且つバルブオーバーラップ量が「0」)を選択した際のエンジン1の図示トルクとの対比に基づいて説明する。ちなみに、図示トルクに機械損失を加味することにより、エンジンの正味トルクを算出することが可能となる。
図12に、通常のバルブ特性を選択した際におけるエンジン1のPV線図の一例を示す。
この場合、領域A−B−C−Aの面積(圧縮膨張行程の仕事)と領域C−D−E−A−Cの面積(吸排気損失)との差が図示トルクの大きさに相当する。
図13に、第1バルブ特性を選択した際におけるエンジン1のPV線図の一例を示す。なお、図中の破線は、図12に示した通常のバルブ特性による筒内圧力の変化に相当する。
この場合、燃焼室内へ流入する吸気量が少量となり吸気管内の圧力が高くなるため、吸気抵抗が低減される。これにより、吸排気損失の大きさが領域C−D−E−A−Cから領域C−D−Da−A−Cに減少するため、通常のバルブ特性を選択した場合(図12)に比べ、吸排気損失の減少分だけ図示トルクが増加する。
図14に、第2バルブ特性を選択した際におけるエンジン1のPV線図の一例を示す。なお、図中の破線は、図12に示した通常のバルブ特性による筒内圧力の変化に相当する。
この場合、内部EGRによる不活性ガスのシリンダ内への残留により、燃焼室内へ流入する吸気量が少量となるため、吸気抵抗が低減される。一方で、不活性ガスの残留により燃焼室内の圧力が大きくなるため、圧縮仕事が増加する。これにより、吸排気損失の大きさが領域C−D−E−A−Cから領域Ab−Db−E−A−Abに減少する一方で、圧縮膨張行程の仕事が領域A−B−C−Aから領域Ab−Bb−B−C−Abに減少するため、通常のバルブ特性を選択した場合(図12)に比べ、吸排気損失の減少分と圧縮仕事の増加分との差だけ図示トルクが増加する。
上述のように、第1バルブ特性及び第2バルブ特性のいずれかを選択した場合には図示トルクが増加するため、これにあわせてエンジン1の燃料消費率も上昇する。そして、エンジン1においては、基本的にはこれらバルブ特性のいずれかを選択することにより最良の燃料消費率(最小の燃料消費率)が得られるようになる。
ただし、最良の燃料消費率が実現されるバルブ特性(最良燃費バルブ特性)は、同一型式のエンジンにおいてもエンジン毎の特性の違いやエンジン特性の経時変化に起因して異なってくるため、最良燃費バルブ特性を一義的に設定することは困難といえる。
そこで、本実施形態では、こうしたことを考慮して、以下に説明するバルブ特性選択処理(図15及び図16)を通じてエンジン1のバルブ特性を選択することにより、同エンジン1の燃料消費率の向上が図られるようにしている。なお、本実施形態では、エンジン1の製造に際して第1バルブ特性が予め設定されている場合を想定している。
<バルブ特性選択処理>
図15及び図16を参照して、「バルブ特性選択処理」について説明する。
本処理は、電子制御装置7を通じて、エンジン1の運転中に定時割り込み処理として周期的に実行される。なお、本処理が、制御手段を通じて行われる処理に相当する。
本処理の概要を以下に示す。
[イ]ステップS102〜S104の判定処理においては、最良燃費バルブ特性の探査の必要性について判定する。
[ロ]ステップS105〜ステップS108の処理においては、エンジン1の図示トルクに基づいて各バルブ特性の選択中における図示燃料消費率を算出し、同図示燃料消費率の比較を通じて最良燃費バルブ特性を選択する。
なお、以降では、第1バルブ特性及び第2バルブ特性に対する総称として「基本バルブ特性」を付し、適宜これを用いつつ当該バルブ特性選択処理の詳細について説明する。
[ステップS101]エンジン1の運転状態が定常運転状態か否かを判定する。
ここでは、「エンジン回転速度Ne及びエンジン負荷率Leの変動幅が所定範囲内」且つ「この状態が所定期間以上にわたって継続されている」といった条件が満たされていることをもって、エンジン1が定常運転状態にあると判定する。なお、エンジン負荷率Leは、最大エンジン負荷に対する現在の負荷の割合を示すものとして、例えばエンジン回転速度Ne及びアクセル操作量Accpに基づいて算出される。
所定範囲及び所定期間は、図示燃料消費率の算出に適したエンジン1の運転状態(高い信頼性をもって図示燃料消費率の算出を行うことが可能となる運転状態)を検出するための値として、試験等を通じて予め設定される。
[ステップS102]エンジン1が定常運転状態にあるとき、エンジン1の初回の運転が開始されてから現在までに最良燃費バルブ特性の探査(ステップS105・S106あるいはステップS107・S108の処理)が実施されているか否かを判定する。なお、以降では、エンジン1の初回の運転開始後において、最初に実施される最良燃費バルブ特性の探査を初回探査とする。
[ステップS103]初回探査がすでに実施されているとき、アイドル回転速度制御における学習制御開度TAfbが第1判定開度TAst(第1判定値)以上か否かを判定する。即ち、下記条件

TAfb≧TAst

が満たされているか否かを判定する。
第1判定開度TAstは、以下の[イ]及び[ロ]の条件が満たされた状態にあることを判定するための値として、試験等を通じて予め設定される。
[イ]現在選択されている基本バルブ特性が最良燃費バルブ特性でなくなった可能性がある。
[ロ]現在選択されていないもう一方の基本バルブ特性が最良燃費バルブ特性に相当する可能性がある。
即ち、例えば第1バルブ特性が選択されている状態において、学習制御開度TAfbが第1判定開度TAst以上のときは、第1バルブ特性ではなく第2バルブ特性が最良燃費バルブ特性に相当する可能性があるため、実際に第1バルブ特性と第2バルブ特性とのいずれが最良燃費バルブ特性に相当するかを検証することが好ましい状態にある。
ちなみに、スロットルバルブ17へのデポジットの付着度合いが過度に大きくなった場合、吸入空気量が減量することに起因して、本来であれば最良の燃料消費率を実現することが可能な基本バルブ特性の選択中にあっても最良の燃料消費率が得られないようになることもある。一方で、学習制御開度TAfbはスロットルバルブ17へのデポジットの付着度合いと相関があるため、同学習制御開度TAfbを監視することにより、現在選択中のバルブ特性がエンジン1の経時変化(デポジットの付着)に起因して最良燃費バルブ特性でなくなった可能性があることを推定することが可能となる。
[ステップS104]学習制御開度TAfbが第1判定開度TAst以上のとき、学習制御開度TAfbが第2判定開度TAnd(第2判定値)未満であるか否かを判定する。即ち、下記条件

TAfb<TAnd

が満たされているか否かを判定する。
第2判定開度TAndは、第1判定開度TAstよりも大きい値に設定される。また、以下の[イ]〜[ハ]の条件が満たされた状態にあることを判定するための値として、試験等を通じて予め設定される。
[イ]現在選択されている基本バルブ特性が最良燃費バルブ特性でなくなった可能性がある。
[ロ]現在選択されていないもう一方の基本バルブ特性が最良燃費バルブ特性に相当する可能性がある。
[ハ]第1バルブ特性と第2バルブ特性との間に属する第3バルブ特性(第1バルブ特性と第2バルブ特性との間のバルブリフト量及びバルブ作用角を有するバルブ特性)が最良燃費バルブ特性に相当する可能性がある。
即ち、例えば第1バルブ特性が選択されている状態において、学習制御開度TAfbが第2判定開度TAnd以上のときは、第1バルブ特性ではなく第2バルブ特性あるいは第3バルブ特性が最良燃費バルブ特性に相当する可能性があるため、実際に第1バルブ特性〜第3バルブ特性のいずれが最良燃費バルブ特性に相当するかを検証することが好ましい状態にある。
なお、第3バルブ特性としては、第1バルブ特性と第2バルブ特性との間に属する1つのバルブ特性あるいは複数のバルブ特性を採用することができる。
[ステップS105]学習制御開度TAfbが第1判定開度TAst以上、且つ第2判定開度TAnd未満のとき(第1バルブ特性及び第2バルブ特性について最良燃費バルブ特性にかかる検証を行えばよいとき)、第1バルブ特性を選択している際の図示燃料消費率η1、及び第2バルブ特性を選択している際の図示燃料消費率η2をそれぞれ算出する。
図示燃料消費率の算出は、以下の(x1)〜(x3)を通じて行われる。
(x1)現在選択されている基本バルブ特性の図示燃料消費率を算出する。
[a]現在選択されている基本バルブ特性が第1バルブ特性の場合、筒内圧力センサ74による筒内圧力Psに基づいて図示トルクT1を算出する。そして、図示トルクT1及び燃料噴射量Qiに基づいて図示燃料消費率η1を算出する。
[b]現在選択されているバルブ特性が第2バルブ特性の場合、筒内圧力センサ74による筒内圧力Psに基づいて図示トルクT2を算出する。そして、図示トルクT2及び燃料噴射量Qiに基づいて図示燃料消費率η2を算出する。
なお、上記[a]及び[b]の各処理においては、電子制御装置7を通じてインジェクタ18に送信される燃料噴射量の指令値がインジェクタ18の燃料噴射量Qiとして採用される。
(x2)上記(x1)の処理を通じて図示燃料消費率を算出した後、バルブ特性をもう一方の基本バルブ特性(ステップS105の処理の開始時に選択されていたバルブ特性が第1バルブ特性の場合は第2バルブ特性、ステップS105の処理の開始時に選択されていたバルブ特性が第2バルブ特性の場合は第1バルブ特性)へ切り換える。
(x3)上記(x2)の処理を通じて選択したバルブ特性の図示燃料消費率を算出する。
なお、ステップS105の処理において、バルブ特性の切り換えに際しては、バルブ特性の切り換え前後で図示トルクが略一定に維持されるように、図示トルクに基づいてスロットルバルブ17の開度がフィードバック制御される。
[ステップS106]図示燃料消費率η1と図示燃料消費率η2との大きさを比較し、この比較結果に基づいて、図示燃料消費率の小さいバルブ特性(最良燃費バルブ特性)を選択する。なお、バルブ特性の切り換えに際しては、ステップS105の処理と同様に、図示トルクが略一定に維持されるようにスロットルバルブ17のフィードバック制御が行われる。
[a]「η1<η2」のとき、第1バルブ特性を選択する。
[b]「η2<η1」のとき、第2バルブ特性を選択する。
[ステップS107]学習制御開度TAfbが第2判定開度TAnd以上のとき(第1バルブ特性及び第2バルブ特性に加えさらに第3バルブ特性についても最良燃費バルブ特性にかかる検証を行う必要があるとき)、第1バルブ特性を選択している際の図示燃料消費率η1、第2バルブ特性を選択している際の図示燃料消費率η2、及び第3バルブ特性を選択している際の図示燃料消費率η3をそれぞれ算出する。
図示燃料消費率の算出は、以下の態様をもって行われる。なお、ここでは、第3バルブ特性として、第1バルブ特性と第2バルブ特性との間に属する任意の1つのバルブ特性を採用した場合を想定している。
(y1)現在選択されている基本バルブ特性の図示燃料消費率を算出する。なお、図示燃料消費率の算出は、上記ステップS105の[a]あるいは[b]と同様の態様をもって行われる。
(y2)上記(y1)の処理を通じて図示燃料消費率を算出した後、バルブ特性を第3バルブ特性へ切り換える。
(y3)第3バルブ特性の選択後、筒内圧力センサ74による筒内圧力Psに基づいて図示トルクT3を算出する。そして、図示トルクT3及び燃料噴射量Qiに基づいて、第3バルブ特性を選択している際の図示燃料消費率η3を算出する。
(y4)上記(y3)の処理を通じて図示燃料消費率を算出した後、バルブ特性をもう一方の基本バルブ特性(ステップS107の処理の開始時に選択されていたバルブ特性が第1バルブ特性の場合は第2バルブ特性、ステップS107の処理の開始時に選択されていたバルブ特性が第2バルブ特性の場合は第1バルブ特性)へ切り換える。
(y5)上記(y4)の処理を通じて選択したバルブ特性の図示燃料消費率を算出する。
なお、ステップS107の処理において、バルブ特性の切り換えに際しては、バルブ特性の切り換え前後で図示トルクが略一定に維持されるように、図示トルクに基づいてスロットルバルブ17の開度がフィードバック制御される。
また、第3バルブ特性として複数のバルブ特性を設定した場合には、それぞれのバルブ特性について上記(y3)の処理が行われる。複数の第3バルブ特性の切り換えは、一方の基本バルブ特性((y1)において選択されているバルブ特性)側から他方の基本バルブ特性((y5)において選択されるバルブ特性)側へかけて、バルブリフト量が連続的に変更されるように行われる。
[ステップS108]図示燃料消費率η1と図示燃料消費率η2と図示燃料消費率η3との大きさを比較し、この比較結果に基づいて、図示燃料消費率の最も小さいバルブ特性(最良燃費バルブ特性)を選択する。なお、バルブ特性の切り換えに際しては、ステップS107の処理と同様に、図示トルクが略一定に維持されるようにスロットルバルブ17のフィードバック制御が行われる。
[a]「η1<η2、η3」のとき、第1バルブ特性を選択する。
[b]「η2<η1、η3」のとき、第2バルブ特性を選択する。
[c]「η3<η1、η2」のとき、第3バルブ特性を選択する。
以下に「バルブ特性選択処理」の制御態様の要約を示す。
[イ]エンジン1が定常運転状態にあることを条件に、初回探査が未実施であることを検出したとき、図示燃料消費率η1と図示燃料消費率η2との比較結果に基づいて、バルブ特性を最良燃費バルブ特性へ切り換える。
[ロ]初回探査の実施後において、エンジン1が定常運転状態にあることを条件に、学習制御開度TAfbが第1判定開度TAst以上、且つ第2判定開度TAnd未満のとき、図示燃料消費率η1と図示燃料消費率η2との比較結果に基づいて、バルブ特性を最良燃費バルブ特性へ切り換える。
[ハ]初回探査の実施後において、エンジン1が定常運転状態にあることを条件に、学習制御開度TAfbが第2判定開度TAnd以上のとき、図示燃料消費率η1と図示燃料消費率η2と図示燃料消費率η3(1つあるいは複数)との比較結果に基づいて、バルブ特性を最良燃費バルブ特性へ切り換える。
<作用効果>
〔1〕本実施形態では、スロットルバルブ17へのデポジットの付着量と相関のある学習制御開度TAfbをエンジン1の経時変化を示す指標値として採用し、同学習制御開度TAfbと判定値との比較結果に基づいて最良燃費バルブ特性の探査を実施するようにしている。
これにより、エンジン1の経時変化に対応して、的確に最良燃費バルブ特性の探査を実施することができるようになる。
〔2〕本実施形態では、学習制御開度TAfbが第1判定開度TAst以上、且つ第2判定開度TAnd未満のとき、ステップS105の処理を通じて第1バルブ特性及び第2バルブ特性の図示燃料消費率を比較し、この比較結果に基づいて図示燃料消費率の小さいバルブ特性を選択するようにしている。
これにより、エンジン1の経時変化が生じた場合にあっても、的確に最良燃費バルブ特性が選択された状態でエンジン1が運転されるため、好適に燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
〔3〕本実施形態では、学習制御開度TAfbが第1判定開度TAst以上となるまでは、最良燃費バルブ特性の探査を実施しないようにしている。
これにより、不要な最良燃費バルブ特性の探査が行われないようになるため、電子制御装置7をはじめとした制御系の負荷を軽減することができるようになる。
〔4〕本実施形態では、学習制御開度TAfbが第2判定開度TAnd以上のとき、ステップS106の処理を通じて第1バルブ特性、第2バルブ特性、及び第3バルブ特性の図示燃料消費率を比較し、この比較結果に基づいて図示燃料消費率の最も小さいバルブ特性を選択するようにしている。
ちなみに、エンジン1の経時変化が過度に進行した場合には、最良燃費バルブ特性になりうることが予め把握されているバルブ特性(第1バルブ特性及び第2バルブ特性)以外のバルブ特性において、最良の燃料消費率が実現される可能性もでてくる。
そこで、本実施形態では、第2判定開度TAndを予め設定しておくことにより、エンジン1の過度の経時変化が生じた場合にあっても、そうした経時変化に対応して的確に最良燃費バルブ特性を選択することができるようにしている。これにより、エンジン1の燃料消費率をより好適に向上させることができるようになる。
〔5〕本実施形態では、ステップS101の処理を通じて、エンジン1が定常運転状態にあるときに、最良燃費バルブ特性の探査の実施(図示燃料消費率の算出及び比較)を許可するようにしている。これにより、高い信頼性をもって図示燃料消費率を算出することができるようになる。
〔6〕本実施形態では、ステップS102の処理を通じて、初回探査が実施されていないことを検出したとき、学習制御開度TAfbの大きさに関わらず最良燃費バルブ特性の探査(ステップS105の処理)を行うようにしている。
ちなみに、エンジン1は、最良燃費バルブ特性に相当する基本バルブ特性(第1バルブ特性及び第2バルブ特性のいずれか)が設定された状態で車両に搭載されるが、エンジン毎の特性の違いにより実際には予め設定されていた基本バルブ特性ではなくもう一方の基本バルブ特性が最良燃費バルブ特性に相当することもある。
即ち、例えば、同一型式の複数のエンジンに第1バルブ特性を設定して車両に搭載した場合において、それらエンジンのうち、あるエンジンにおいては第2バルブ特性を設定することにより最良の燃料消費率が実現されることもある。
この点、本実施形態では、上記ステップS102の処理を実施することにより、エンジン毎の特性の違いに起因して最良燃費バルブ特性が選択されていない場合にあっても、こうしたバルブ特性の違いを修正して的確に最良燃費バルブ特性を選択することができるようになる。これにより、好適にエンジン1の燃料消費率の向上が図られるようになる。
〔7〕本実施形態では、最良燃費バルブ特性の探査にともなうバルブ特性の切り換えに際し、スロットルバルブ17の開度のフィードバック制御を通じて、バルブ特性の切り換え前後において図示トルクが略一定に維持されるようにしている。
これにより、最良燃費バルブ特性の探査(ステップS105及びS107)に際し、略同一の図示トルクで各バルブ特性の図示燃料消費率が算出されるようになるため、同図示燃料消費率の比較結果の信頼性をより高めることができるようになる。また、バルブ特性の切り換えに際して、エンジン1のトルク変動が低減されるため、ドライバビリティの悪化を好適に抑制することができるようになる。
<制御態様>
図17を参照して、「バルブ特性選択処理」による制御態様の一例について説明する。
図17において、各時刻tはそれぞれ次のタイミングを示している。
[イ]時刻t171は、エンジン1の初回の運転が開始された時刻を示す。
[ロ]時刻t172は、エンジン1の定常運転状態が検出された時刻を示す。
[ハ]時刻t173は、「TAfb≧TAst」となった時刻を示す。
[ニ]時刻t174は、「TAfb≧TAnd」となった時刻を示す。
本処理によれば、次のような態様をもってバルブ特性の選択が行われる。
時刻t172においては、エンジン1が定常運転状態、且つ初回探査が未実施であることに基づいて、基本バルブ特性について図示燃料消費率の算出・比較が実行される。
このとき、第1バルブ特性の図示燃料消費率η1が第2バルブ特性の図示燃料消費率η2よりも小さい旨判定されたとすると、第1バルブ特性が継続して選択される。
時刻t173においては、学習制御開度TAfbが第1判定開度TAst以上、且つ第2判定開度TAnd未満であることに基づいて、基本バルブ特性について図示燃料消費率の算出・比較が実行される。
このとき、第2バルブ特性の図示燃料消費率η2が第1バルブ特性の図示燃料消費率η1よりも小さい旨判定されたとすると、第2バルブ特性が選択される。
時刻t174においては、学習制御開度TAfbが第2判定開度TAnd以上であることに基づいて、基本バルブ特性及び第3バルブ特性について図示燃料消費率の算出・比較が実行される。
このとき、第3バルブ特性の図示燃料消費率η3が第1バルブ特性の図示燃料消費率η1及び第2バルブ特性の図示燃料消費率η2よりも小さい旨判定されたとすると、第3バルブ特性が選択される。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この実施形態にかかるエンジンの可変動弁機構制御装置によれば、以下に列記するような優れた効果が得られるようになる。
(1)本実施形態によれば、エンジン1の経時変化に対応して、的確に最良燃費バルブ特性の探査を実施することができるようになる。
(2)本実施形態によれば、好適に燃料消費率の向上を図ることができるようになる。
(3)本実施形態によれば、最良燃費バルブ特性の探査にかかる電子制御装置7の負荷を軽減することができるようになる。
(4)本実施形態によれば、最良燃費バルブ特性の探査に際して、高い信頼性をもって図示燃料消費率の算出を行うことができるようになる。
(5)本実施形態によれば、バルブ特性の切り換えに際して、ドライバビリティの悪化を好適に抑制することができるようになる。
<変更例>
なお、上記第1実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1実施形態の「バルブ特性選択処理」を図18に示すように変更して実施することもできる。即ち、ステップS104、S107、及びS108の処理については、これを省略して「バルブ特性選択処理」を実施することも可能である。こうした構成を採用することによっても、エンジン1の燃料消費率の向上を好適に実現することができるようになる。
・上記第1実施形態の「バルブ特性選択処理」を図19に示すように変更して実施することもできる。即ち、ステップS102及びS103の処理については、これを省略して「バルブ特性選択処理」を実施することも可能である。こうした構成を採用することによっても、エンジン1の燃料消費率の向上を好適に実現することができるようになる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図20を参照して説明する。
本実施形態では、基本的には前記第1実施形態と同様の構成を採用しているが、同実施形態の「バルブ特性選択処理」に対して図20に示す処理をさらに追加して「バルブ特性選択処理」を実行するようにしている。
<バルブ特性選択処理>
[ステップS201]エンジン1が定常運転状態にあるとき、ステップS107及びS108の処理が一度実行されているか否かについて判定する。
[ステップS202]ステップS107及びS108の処理が一度実行されているとき、アイドル回転速度制御における学習制御開度TAfbが第3判定開度TArd以上か否かを判定する。即ち、下記条件

TAfb≧TArd

が満たされているか否かを判定する。
第3判定開度TArdは、第2判定開度TAndよりも大きい値に設定される。また、以下の[イ]及び[ロ]の条件が満たされた状態にあることを判定するための値として、試験等を通じて予め設定される。
[イ]現在選択されているバルブ特性が最良燃費バルブ特性でなくなった可能性がある。
[ロ]現在選択されていないバルブ特性(第1バルブ特性〜第3バルブ特性のいずれか)が最良燃費バルブ特性に相当する可能性がある。
即ち、例えば第2バルブ特性が選択されている状態において、学習制御開度TAfbが第3判定開度TArd以上のときは、第2バルブ特性ではなく第1バルブ特性あるいは第3バルブ特性が最良燃費バルブ特性に相当する可能性があるため、実際に第1バルブ特性〜第3バルブ特性のいずれが最良燃費バルブ特性に相当するかを検証することが好ましい状態にある。
学習制御開度TAfbが第3判定開度TArd以上のときは、ステップS107及びS108の処理を通じて最良燃費バルブ特性の選択が再度実行される。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第2実施形態にかかるエンジンの可変動弁機構制御装置によれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(5)の効果に加えて、さらに以下に列記するような効果が得られるようになる。
(6)本実施形態では、ステップS107及びS108の処理によるバルブ特性の選択後、学習制御開度TAfbが第3判定開度TArd以上となるまで、図示燃料消費率の算出及びこの算出結果に基づくバルブ特性の選択を行わないようにしている。これにより、電子制御装置7にかかる演算負荷を軽減することができるようになる。
(7)本実施形態では、学習制御開度TAfbが第3判定開度TArd以上となったとき、図示燃料消費率の算出及びこの算出結果に基づくバルブ特性の選択を実行するようにしている。これにより、学習制御開度TAfbが第2判定開度TAnd以上であることに基づいて最良燃費バルブ特性の選択を行った後、エンジン1の経時変化により再度最良燃費バルブ特性が変化した可能性がある場合においても、的確に最良燃費バルブ特性を選択することができるようになる。
<変更例>
なお、上記第2実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第2実施形態において、第3判定開度TArdをステップS107及びS108の処理の実行回数に応じて段階的により大きい値へ変更することにより、エンジン1の経時変化への対応をより好適に向上させることもできる。
・上記第2実施形態において、ステップS202の判定処理を例えば次のように変更することも可能である。即ち、「最初のステップS107及びS108の処理によるバルブ特性の選択後、同処理を実行してからのエンジン1の稼働時間が所定稼働時間以上か否か」を判定し、稼働時間が所定稼働時間以上のときにステップS107及びS108の処理を実行することもできる。要するに、エンジン1の経時変化の度合いと相関のあるパラメータと判定値との対比を行う判定処理であれば、適宜の判定条件を採用することができる。
(その他の実施形態)
その他、上記各実施形態に共通して変更することができる要素を以下に列挙する。
・上記各実施形態の「バルブ特性選択処理」において、ステップS101の処理を省略することもできる。こうした構成を採用した場合においても、エンジン1の燃料消費率の向上を好適に実現することができるようになる。
・上記各実施形態の「バルブ特性選択処理」において、ステップS102の処理を省略することもできる。こうした構成を採用した場合においても、エンジン1の燃料消費率の向上を好適に実現することができるようになる。
・上記各実施形態では、初回探査が未実施のときにステップS106の処理を行う構成としたが、ステップS108の処理を行うようにすることもできる。
・上記各実施形態では、「エンジン回転速度Ne及びエンジン負荷率Leの変動幅が所定範囲内」且つ「この状態が所定期間以上にわたって継続されている」といった条件が満たされていることをもってエンジン1が定常運転状態にある旨判定する構成としたが、同定常運転状態の判定に際しては、こうした条件に限られずエンジン1の運転状態に関連する適宜のパラメータを通じて判定することができる。
・上記各実施形態では、エンジン1の経時変化を示す指標値としてスロットルバルブ17の学習制御開度TAfbを採用する構成としたが、その他に例えば以下のようなパラメータを同指標値として採用することもできる。
[a]エンジン1の空燃比制御を通じて学習制御されるインジェクタ18の燃料噴射量に関する学習制御量を、エンジン1の経時変化を示す指標値として採用することもできる。ちなみに、燃料噴射量の学習制御量は、インジェクタ18の噴射性能の劣化度合いと相関があるため、同学習制御量を監視することにより、選択中のバルブ特性がエンジン1の経時変化に起因して最良燃費バルブ特性でなくなった可能性があることを推定することが可能となる。
[b]エンジン1の点火時期制御を通じて学習制御されるイグニッションプラグ15の点火時期に関する学習制御量を、エンジン1の経時変化を示す指標値として採用することもできる。ちなみに、点火時期の学習制御量は、燃焼室14内におけるデポジットの付着度合い等の燃焼状態へ影響を及ぼす因子と相関があるため、同学習制御量を監視することにより、選択中のバルブ特性がエンジンの経時変化に起因して最良燃費バルブ特性でなくなった可能性があることを推定することが可能となる。
・上記各実施形態において、本発明の適用対象となるエンジンは、図1にて例示した構成のエンジンに限られるものではない。要するに、可変動弁機構を備えたエンジンであれば任意の構成のエンジンを採用することができる。
・上記各実施形態において、本発明の適用対象となる可変動弁機構の構成は、図2〜図9にて例示した構成の可変動弁機構に限られるものではない。要するに、吸気バルブのバルブリフト量の変更が可能であるとともに、このバルブリフト量の変更にともなって同吸気バルブのバルブ作用角が変更される可変動弁機構であれば、適宜の構成の可変動弁機構を採用することができる。
本発明にかかるエンジンの可変動弁機構制御装置を具体化した第1実施形態について、装置の全体構成を示す構成概略図。 同実施形態の可変動弁機構の構成を示す構成図。 同実施形態のバルブ駆動機構の斜視断面構造を示す斜視断面図。 同実施形態のバルブ駆動機構の作動態様を示す動作図。 同実施形態のバルブ駆動機構の作動態様を示す動作図。 同実施形態の可変動弁機構によるバルブリフト量の可変設定態様を示す図。 同実施形態のシャフト駆動機構の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のシャフト駆動機構の斜視構造を示す斜視図。 同実施形態のシャフト駆動機構の作動態様を示す動作図。 同実施形態の可変動弁機構による第1バルブ特性の設定態様を示す図。 同実施形態の可変動弁機構による第2バルブ特性の設定態様を示す図。 通常のバルブ特性を選択した際のエンジンのPV線図。 第1バルブ特性を選択した際のエンジンのPV線図。 第2バルブ特性を選択した際のエンジンのPV線図。 同実施形態にて実行される「バルブ特性選択処理」の処理手順の一部を示すフローチャート。 同実施形態にて実行される「バルブ特性選択処理」の処理手順の一部を示すフローチャート。 同実施形態の「バルブ特性選択処理」による可変動弁機構の制御態様の一例を示すタイムチャート。 同実施形態の変更例として実行される「バルブ特性選択処理」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の変更例として実行される「バルブ特性選択処理」の処理手順を示すフローチャート。 本発明にかかるエンジンの可変動弁機構制御装置を具体化した第2実施形態について、同実施形態にて実行される「バルブ特性選択処理」の処理手順の一部を示すフローチャート。
符号の説明
1…エンジン、1A…エンジン本体、1H…シリンダヘッド、1HI…吸気ポート、1HE…排気ポート、1PI…吸気管、1PE…排気管、11…シリンダ、11W…ウォータジャケット、12…ピストン、13…コネクティングロッド、14…燃焼室、15…イグニッションプラグ、15I…イグナイタ、16…エアクリーナ、17…スロットルバルブ、17M…スロットルモータ、18…インジェクタ、21…吸気バルブ、21a…タペット、21b…弁ばね、22…排気バルブ、22a…タペット、22b…弁ばね、23…吸気カムシャフト、24…排気カムシャフト、25…ローラロッカーアーム、25a…ローラ、26…ローラロッカーアーム、26a…ローラ、27…吸気カム、28…排気カム、29…ラッシュアジャスタ、3…可変動弁機構、4…バルブ駆動機構、41…支持パイプ、42…入力部、42a…ハウジング、42b…入力アーム、42c…ローラ、42d…ヘリカルスプライン、43…揺動カム、43a…ハウジング、43b…出力アーム、43c…カム面、43d…ヘリカルスプライン、44…ばね、45…スライダギア、45a…ヘリカルスプライン、45b…ヘリカルスプライン、45c…小径部、45d…長穴、46…コントロールシャフト、46a…係止ピン、5…シャフト駆動機構、51…駆動用モータ、51a…小径ギア、53…螺旋カム機構、53a…大径ギア、53b…カム軸、53c…小径ギア、53d…ストッパアーム、53e…ストッパ、54f…ストッパ、55…回転角センサ、55a…大径ギア、57…螺旋カム、57a…螺旋状カム面、59…カムフレーム、59a…ローラ、59b…ローラ軸、7…電子制御装置、71…エンジン水温センサ、72…クランク角センサ、73…エンジン回転速度センサ、74…筒内圧力センサ、75…エアフロメータ、76…車速センサ、77…アクセルセンサ、78…スロットル開度センサ。

Claims (16)

  1. 吸気バルブのバルブリフト量の変更にともない該バルブのバルブ作用角が変更される可変動弁機構を備えるとともに、該可変動弁機構を通じて吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバーラップ量を調整可能なエンジンに適用されて、該エンジンの運転状態に基づいて、前記バルブリフト量、バルブ作用角、及びバルブオーバーラップ量を可変設定するエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記エンジンのバルブ特性として、
    〔a〕前記吸気バルブのバルブリフト量を前記排気バルブのバルブリフト量よりも小さい第1リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」に設定した第1のバルブ特性
    〔b〕前記吸気バルブのバルブリフト量を前記第1リフト量よりも大きい第2リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」よりも大きい値に設定した第2のバルブ特性
    これら第1のバルブ特性と第2のバルブ特性とを選択的に切り換える制御手段を備えた
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  2. 吸気バルブのバルブリフト量の変更にともない該バルブのバルブ作用角が変更される可変動弁機構を備えるとともに、該可変動弁機構を通じて吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバーラップ量を調整可能なエンジンに適用されて、該エンジンの運転状態に基づいて、前記バルブリフト量、バルブ作用角、及びバルブオーバーラップ量を可変設定するエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記吸気バルブのバルブリフト量を前記排気バルブのバルブリフト量よりも小さい第1リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」に設定した第1のバルブ特性と、前記吸気バルブのバルブリフト量を前記第1リフト量よりも大きい第2リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」よりも大きい値に設定した第2のバルブ特性とについて、これら各バルブ特性の選択中における前記エンジンの燃料消費率をそれぞれ算出し、該算出した各燃料消費率の比較結果に基づいて燃料消費率の小さいバルブ特性を選択する制御手段を備えた
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  3. 請求項2に記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの初回の運転開始から現在までに前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択が一度も行われていないことを検出したとき、前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を行う
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  4. 請求項2または3に記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記各燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を実行した後、前記エンジンの経時変化の度合いと相関のある前記エンジンの運転パラメータを監視し、該運転パラメータが第1判定値を超えるまでは前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を行わない
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの経時変化の度合いと相関のある前記エンジンの運転パラメータを監視し、該運転パラメータが第1判定値以上であることを検出したとき、前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を実行する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  6. 請求項5に記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記運転パラメータが前記第1判定値よりも大きく設定された第2判定値以上であることを検出したとき、前記第1のバルブ特性及び前記第2のバルブ特性のそれぞれを選択した際の前記エンジンの燃料消費率にあわせて、前記第1のバルブ特性と前記第2のバルブ特性との間に属する第3のバルブ特性を選択した際の前記エンジンの燃料消費率を算出し、これら算出した各燃料消費率の比較結果に基づいて燃料消費率の最も小さいバルブ特性を選択する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンのアイドル運転制御を通じて学習制御される該エンジンのスロットルバルブの開度に関する学習制御量を前記運転パラメータとして採用する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  8. 請求項4〜6のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの空燃比制御を通じて学習制御される該エンジンのインジェクタの燃料噴射量に関する学習制御量を前記運転パラメータとして採用する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  9. 請求項4〜6のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの点火時期制御を通じて学習制御される該エンジンのイグニッションプラグの点火時期に関する学習制御量を前記運転パラメータとして採用する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  10. 請求項2〜9のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの運転状態が定常運転状態にあることを条件に、前記燃料消費率の比較結果に基づくバルブ特性の選択を許可する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  11. 請求項10に記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンの回転速度の変化量が所定変化量未満、且つ前記エンジンの負荷の変化率が所定変化率未満である状態が所定期間以上にわたって継続していることに基づいて、前記エンジンの運転状態が定常運転状態にあると判定する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記エンジンのバルブ特性の切り換えを行う際、前記エンジンの筒内圧力に基づいて前記エンジンの図示トルクを算出し、該図示トルクを略一定に維持すべく前記エンジンのスロットルバルブの開度をフィードバック制御する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記第1リフト量としてバルブリフト量の設定可能範囲における略最小の値を設定する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記第2リフト量としてバルブリフト量の設定可能範囲における略最大の値を設定する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載のエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記制御手段は、前記第2リフト量として前記排気バルブのバルブリフト量に相当する値を設定する
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
  16. 吸気バルブのバルブリフト量の変更にともない該バルブのバルブ作用角が変更される可変動弁機構を備えるとともに、該可変動弁機構を通じて吸気バルブ及び排気バルブのバルブオーバーラップ量を調整可能なエンジンに適用されて、該エンジンの運転状態に基づいて、前記バルブリフト量、バルブ作用角、及びバルブオーバーラップ量を可変設定するエンジンの可変動弁機構制御装置において、
    前記吸気バルブのバルブリフト量を第1リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」に設定した第1のバルブ特性と、前記吸気バルブのバルブリフト量を第1リフト量よりも大きい第2リフト量に設定し、且つバルブオーバーラップ量を「0」より大きい値に設定した第2のバルブ特性との選択を切り換える第1制御手段と、
    前記第1のバルブ特性及び第2のバルブ特性のそれぞれを選択した際の前記エンジンの燃料消費率を前記エンジンの筒内圧力及び燃料噴射量に基づいて算出する第2制御手段と、
    前記算出した各燃料消費率の比較結果に基づいて燃料消費率の小さいバルブ特性を選択する第3制御手段とを備えた
    ことを特徴とするエンジンの可変動弁機構制御装置。
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