JP2008267188A - 内燃機関の制御ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】記憶更新処理の回数がその上限値に達すること伴って不揮発性メモリが早期に故障することを抑制することのできる内燃機関の制御ユニットを提供する。
【解決手段】内燃機関の制御ユニットは、吸気バルブの最大リフト量を変更するためのアクチュエータ4と、同アクチュエータ4を構成するモータ41の出力軸42の基準回転角からの位置カウンタ値Pを記憶するDRAM53と、基準回転角及び位置カウンタ値Pに基づいて検出される現回転角を記憶する書き換え可能なEEPROM54とを有する。また、制御ユニットへの給電を停止するに際し、現回転角を次回給電開始時以降の基準回転角としてEEPROM54に記憶する基準操作位置更新処理を実行する。ただし、DRAM53に記憶された位置カウンタ値Pの信頼性が低い旨判定されるときには、基準操作位置更新処理を禁止する。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関の制御ユニットは、吸気バルブの最大リフト量を変更するためのアクチュエータ4と、同アクチュエータ4を構成するモータ41の出力軸42の基準回転角からの位置カウンタ値Pを記憶するDRAM53と、基準回転角及び位置カウンタ値Pに基づいて検出される現回転角を記憶する書き換え可能なEEPROM54とを有する。また、制御ユニットへの給電を停止するに際し、現回転角を次回給電開始時以降の基準回転角としてEEPROM54に記憶する基準操作位置更新処理を実行する。ただし、DRAM53に記憶された位置カウンタ値Pの信頼性が低い旨判定されるときには、基準操作位置更新処理を禁止する。
【選択図】図1
Description
この発明は、機関状態量を変更するためのアクチュエータを有し、同アクチュエータの基準操作位置及び同基準操作位置からの操作履歴情報に基づいてアクチュエータの現操作位置を検出する内燃機関の制御ユニットに関する。
例えば、特許文献1等に記載されるような内燃機関の制御ユニットでは、マイクロコンピュータにより機関バルブの最大リフト量の目標値を機関運転状態に基づいて設定するとともに、この目標値に基づき最大リフト量を制御するようにしている。具体的には、この内燃機関の制御ユニットには、機関バルブの最大リフト量を変更するアクチュエータ、及びこのアクチュエータの操作量、換言すれば最大リフト量の変更量を検出する変更量センサが設けられている。また、上記制御ユニットは、この変更量センサによって検出されるアクチュエータの基準操作位置からの操作履歴情報を揮発性メモリに記憶するとともに、これら基準操作位置及び操作履歴情報に基づいてアクチュエータの現操作位置を検出する。そして、アクチュエータの現操作位置、すなわち機関バルブの最大リフト量の実際値と、機関運転状態に基づいて設定される最大リフト量の目標値との偏差が小さくなるようにアクチュエータの操作量を制御する。
また、制御ユニットへの給電が停止されてから次回の給電が開始されるまでの期間においてはアクチュエータの操作量が変化しないことから、制御ユニットへの給電を停止するに際して、アクチュエータの現操作位置を基準操作位置として書き換え可能な不揮発性メモリに記憶し、次回の給電開始時以降においてこの記憶された基準操作位置及び変更量センサにより検出される操作履歴情報に基づいてアクチュエータの現操作位置を検出するようにしている。
特開2001―263015号公報
ところが一般に、不揮発性メモリは揮発性メモリと比較してその記憶更新処理の実行可能な回数が極めて少ないため、頻繁に不揮発性メモリの記憶更新処理が行われると、記憶更新処理の回数が早期に上限値に達してその耐用期間が短くなるおそれがある。
なお、ここでは、機関バルブの最大リフト量などのバルブ特性を変更するための制御ユニットについて説明したが、こうした不都合は同構成に限らず、機関状態量を変更するためのアクチュエータを有し、同アクチュエータの基準操作位置及び同基準操作位置からの操作履歴情報に基づいてアクチュエータの現操作位置を検出する他の内燃機関の制御ユニットにおいても概ね共通して発生し得る。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、書制御ユニットへの給電を停止するに際しアクチュエータの現操作位置を次回給電開始時以降の基準操作位置として不揮発性メモリに記憶する基準操作位置更新処理を実行する内燃機関の制御ユニットにおいて、不揮発性メモリにかかる耐用期間の長期化を図ることにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、機関状態量を変更するためのアクチュエータと、同アクチュエータの基準操作位置からの操作履歴情報を記憶する揮発性メモリと、前記基準操作位置及び前記操作履歴に基づいて検出される前記アクチュエータの現操作位置を記憶する書き換え可能な不揮発性メモリとを有する制御ユニットであって、同制御ユニットへの給電を停止するに際し前記アクチュエータの現操作位置を次回給電開始時以降の前記基準操作位置として前記不揮発性メモリに記憶する基準操作位置更新処理を実行する内燃機関の制御ユニットにおいて、前記揮発性メモリに記憶された操作履歴情報の信頼性を判定する判定手段と、前記判定手段により前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定されるときに、前記基準操作位置更新処理を禁止する禁止手段とを備えることをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、機関状態量を変更するためのアクチュエータと、同アクチュエータの基準操作位置からの操作履歴情報を記憶する揮発性メモリと、前記基準操作位置及び前記操作履歴に基づいて検出される前記アクチュエータの現操作位置を記憶する書き換え可能な不揮発性メモリとを有する制御ユニットであって、同制御ユニットへの給電を停止するに際し前記アクチュエータの現操作位置を次回給電開始時以降の前記基準操作位置として前記不揮発性メモリに記憶する基準操作位置更新処理を実行する内燃機関の制御ユニットにおいて、前記揮発性メモリに記憶された操作履歴情報の信頼性を判定する判定手段と、前記判定手段により前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定されるときに、前記基準操作位置更新処理を禁止する禁止手段とを備えることをその要旨とする。
基準操作位置更新処理において、信頼性の低い現操作位置を次回給電開始時以降の基準操作位置として不揮発性メモリに記憶すると、次回給電開始時以降において基準操作位置を改めて更新するとともに、更新後の基準操作位置を不揮発性メモリに改めて記憶する必要が生じるため、不揮発性メモリの記憶更新処理の回数が不要に増加することとなる。
この点、上記構成によれば、制御ユニットへの給電を停止するに際し、揮発性メモリに記憶された操作履歴情報の信頼性が低いとき、すなわち、同操作履歴情報に基づいて検出される現操作位置の信頼性が低いときには、制御ユニットへの給電を停止するに際して基準操作位置更新処理が禁止されるようになる。このため、不揮発性メモリの記憶更新処理の回数が不要に増加することを抑制することができ、不揮発性メモリにかかる耐用期間の長期化を図ることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御ユニットにおいて、前記判定手段は前記揮発性メモリに対する給電電圧が低下したことに基づいて前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定することをその要旨とする。
アクチュエータの基準操作位置からの操作履歴情報を揮発性メモリに記憶する構成にあっては、揮発性メモリに対する給電電圧が低下すると、同揮発性メモリに記憶されていた操作履歴情報が変化したり消失したりして、それ以降における操作履歴情報の信頼性が低くなることがある。
この点、上記構成によれば、揮発性メモリの給電状態を監視し、同揮発性メモリに対する給電電圧が低下したことに基づいて操作履歴情報の信頼性が低い旨判定されることから、操作履歴情報の信頼性が低い旨を的確に判定することができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の制御ユニットにおいて、前記判定手段は、前記制御ユニットに対する給電が開始された時に給電状態情報値を給電状態である旨を示す値に設定して前記不揮発性メモリに記憶するとともに、前記制御ユニットに対する給電が停止される時に前記不揮発性メモリに記憶される給電状態情報値を給電停止状態である旨を示す値に書き換える給電状態記憶処理を実行し、前記制御ユニットに対する給電の開始において給電状態記憶処理が実行される前の前記給電状態情報値が給電状態である旨を示す値に設定されている場合に前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定することをその要旨とする。
例えば車体や内燃機関の振動により、制御ユニットの給電回路において接触不良が生じると、同制御ユニットに対する給電の一時的な停止、いわゆる瞬断が生じることがある。この場合、揮発性メモリに対する給電電圧が一時的に低下し、同揮発性メモリに記憶されていた操作履歴情報が変化したり消失したりして、それ以降における操作履歴情報の信頼性が低くなることがある。
この点、上記構成によれば、制御ユニットに対して給電が開始されてから停止されるまでの期間においては、給電状態情報値が給電状態である旨を示す値に設定されるとともに不揮発性メモリに記憶されることとなる。このため、制御ユニットに対して最初に給電が開始される際には、給電状態記憶処理の実行前の給電状態情報値は給電停止状態を示す値となる。一方、瞬断が生じると、不揮発性メモリに記憶された給電状態情報値は書き換えられないため、瞬断の後に制御ユニットに対して給電が再び開始される際には、給電状態記憶処理の実行前の給電状態情報値は給電状態である旨を示す値となる。こうしたロジックにより、給電状態情報値に基づいて瞬断の発生を的確に把握することができ、操作履歴情報の信頼性が低い旨を的確に判定することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御ユニットにおいて、前記判定手段により前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定されたときに前記アクチュエータを機械的に操作可能な限界操作位置にまで駆動しその操作位置を前記アクチュエータの現操作位置として学習し前記不揮発性メモリに前記基準操作位置として記憶する学習手段を備え、前記禁止手段は前記判定手段により前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定された後、前記学習手段による学習が完了するまで前記基準操作位置更新処理を禁止することをその要旨とする。
上記構成では、現在の操作履歴情報の信頼性が低い旨判定されたときに、アクチュエータを機械的に操作可能な限界操作位置にまで駆動するとともにその操作位置をアクチュエータの現操作位置として学習し、これを不揮発性メモリに基準操作位置として記憶することで、その後の操作履歴情報、換言すれば現操作位置を正しい値に再設定するようにしている。ただし、こうした学習が完了するまではアクチュエータの現操作位置の信頼性が低い。このため、上記学習の実行中に制御ユニットへの給電が停止され、それに伴って基準操作位置更新処理が実行されると、信頼性の低い現操作位置を不揮発性メモリに記憶することとなり、同不揮発性メモリの記憶更新処理の回数が不要に増加することとなる。
この点、上記構成によれば、上記学習手段による学習が完了するまでは基準操作位置更新処理が禁止されることから、学習完了前に制御ユニットへの給電が停止される場合であっても、基準操作位置更新処理が実行されることはない。このため、不揮発性メモリの記憶更新処理回数が不要に増加することを更に抑制することができ、記憶更新処理回数の増加に伴って不揮発性メモリが早期に故障することを一層抑制することができるようになる。
以下、この発明を、車載内燃機関の機関状態量として吸気バルブの最大リフト量を変更する制御ユニットに適用した一実施の形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1は、この実施の形態にかかる制御ユニットの全体構成を示すブロック図である。同図1に示されるように、制御ユニットは、大きくは、内燃機関1に設けられて吸気バルブの最大リフト量を変更するアクチュエータ4、同アクチュエータ4の操作量を制御するためのマイクロコンピュータ5、及び機関運転状態を検出するための各種センサ6によって構成されている。このうちアクチュエータ4は、コントロールシャフト3の基端部(図中右端部)に設けられたモータ41、同モータ41の出力軸42に連結されて同出力軸42の回転運動をコントロールシャフト3の軸方向への直線運動に変換するための変換機構43によって構成される。一方、マイクロコンピュータ5は、モータ41を駆動制御することにより、吸気バルブの最大リフト量を機関運転状態に基づいてフィードバック制御する。
図1は、この実施の形態にかかる制御ユニットの全体構成を示すブロック図である。同図1に示されるように、制御ユニットは、大きくは、内燃機関1に設けられて吸気バルブの最大リフト量を変更するアクチュエータ4、同アクチュエータ4の操作量を制御するためのマイクロコンピュータ5、及び機関運転状態を検出するための各種センサ6によって構成されている。このうちアクチュエータ4は、コントロールシャフト3の基端部(図中右端部)に設けられたモータ41、同モータ41の出力軸42に連結されて同出力軸42の回転運動をコントロールシャフト3の軸方向への直線運動に変換するための変換機構43によって構成される。一方、マイクロコンピュータ5は、モータ41を駆動制御することにより、吸気バルブの最大リフト量を機関運転状態に基づいてフィードバック制御する。
以下、こうした制御ユニットの詳細な構成、及び同制御ユニットによる最大リフト量の制御態様について説明する。
モータ41の出力軸42を正・逆回転させると、その回転が変換機構43によってコントロールシャフト3の往復動に変換される。また、コントロールシャフト3は吸気バルブの最大リフト量を変更するための仲介駆動機構に接続されており、コントロールシャフト3をその軸方向に変位させると、同コントロールシャフト3の軸方向の位置に応じて仲介駆動機構が駆動されることにより吸気バルブの最大リフト量が変更される。すなわち、吸気バルブの最大リフト量は、コントロールシャフト3の軸方向への変位量に応じて変更される。
モータ41の出力軸42を正・逆回転させると、その回転が変換機構43によってコントロールシャフト3の往復動に変換される。また、コントロールシャフト3は吸気バルブの最大リフト量を変更するための仲介駆動機構に接続されており、コントロールシャフト3をその軸方向に変位させると、同コントロールシャフト3の軸方向の位置に応じて仲介駆動機構が駆動されることにより吸気バルブの最大リフト量が変更される。すなわち、吸気バルブの最大リフト量は、コントロールシャフト3の軸方向への変位量に応じて変更される。
ここで、内燃機関1のシリンダヘッドカバー2には、コントロールシャフト3に設けられた係止部31がそれぞれ当接可能なHi端側ストッパ21、Lo端側ストッパ22がコントロールシャフト3の軸方向に沿って所定距離だけ離間した状態でそれぞれ形成されている。これにより、コントロールシャフト3は、これらストッパ21,ストッパ22に対応する2つの限界操作位置の間において変位可能となっている。すなわち、モータ41の出力軸42は、上記2つの限界操作位置に対応する2つの限界回転角の間において正・逆回転可能となっている。
モータ41には、3つの電気角センサD1〜D3が設けられるとともに、これら電気角センサD1〜D3に対応して出力軸42と一体回転する8極の多極マグネット(図示略)が更に設けられている。これら電気角センサD1〜D3は、8極の多極マグネットの磁気に応じて図2(a)〜(c)に示されるようなパルス状の信号、すなわち理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とを交互に出力する。なお、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、3つの電気角センサD1〜D3は周方向において120°毎に配置されている。したがって、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸42の45°回転毎に発生している。また、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つからのパルス信号は、他の電気角センサからのパルス信号に対し、出力軸42の30°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
また、モータ41には、エンコーダとして機能する2つの位置センサS1,S2が設けられるとともに、これら位置センサS1,S2に対応して出力軸42と一体回転する48極の多極マグネット(図示略)が更に設けられている。これら位置センサS1,S2は、48極の多極マグネットの磁気に応じてパルス状の信号、すなわち理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とを交互に出力する。なお、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、位置センサS1は周方向において位置センサS2から176.25°を隔てて配置されている。したがって、位置センサS1,S2のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸42の7.5°回転毎に発生している。また、位置センサS2からのパルス信号は、位置センサS1からのパルス信号に対し、出力軸42の3.75°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
ここで、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ間隔が15°であるのに対し、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジ間隔は3.75°となっている。したがって、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ発生から次回のエッジ発生までには、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジが4回発生するようになっている。
一方、これら電気角センサD1〜D3及び位置センサS1,S2によって出力されたパルス信号はマイクロコンピュータ5に取り込まれる。このマイクロコンピュータ5は、プログラムによって数値計算や論理演算等を行う中央演算処理装置(CPU)51、各種の制御に必要なプログラムやデータを記憶する不揮発性メモリ(ROM)52、入力データや演算結果を一時的に記憶する揮発性メモリ(DRAM)53、学習制御により得られた基準回転角等を記憶する書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROM)54を備えている。なお、周知のように、マイクロコンピュータ5がデータをDRAM53のアドレスに記憶するに際して、そのアドレスに対応する各メモリセルに対して充電・放電を行うことにより、各メモリセルに対応するビットのビットデータの値が「1」又は「0」になる。すなわち、電荷が蓄積されているメモリセルに対応するビットのビットデータの値が「1」になる一方、電荷が蓄積されていないメモリセルに対応するビットのビットデータの値が「0」になる。
また、マイクロコンピュータ5には、車両のアクセルペダルの開度を検出するアクセルセンサ61や、内燃機関のクランクシャフトの回転位相を検出するクランク角センサ62等、機関の運転状態を検出する各種センサ6が接続されている。マイクロコンピュータ5は、機関の運転状態に基づき吸気バルブの最大リフト量の制御目標値を設定するとともに、上述した電気角センサD1〜D3及び位置センサS1,S2によって出力されたパルス信号に基づいてモータ41の出力軸42の現回転角、換言すれば吸気バルブの最大リフト量の実際値を検出するようにしている。なお、現回転角は、アクチュエータ4の現操作位置に相当する。
次に、吸気バルブの最大リフト量の実際値を検出する手順について、図2及び図3を参照して詳細に説明する。
図2(a)〜(e)は、上述したようにモータ41の出力軸42の回転時に電気角センサD1〜D3、及び位置センサS1,S2から出力するパルス信号の波形を示している。また、図2(f)〜(h)は、モータ41の回転時における回転角の変化に対し、それぞれ電気角カウンタ値E、位置カウンタ値P、及びストロークカウンタ値Sの推移パターンを示している。一方、図3(a)は、電気角センサD1〜D3の出力信号のパターンと電気角カウンタ値Eとの対応関係を示すとともに、図3(b)は、位置センサS1,S2の出力信号のエッジが発生するときに位置カウンタ値Pが増減する態様を示している。
図2(a)〜(e)は、上述したようにモータ41の出力軸42の回転時に電気角センサD1〜D3、及び位置センサS1,S2から出力するパルス信号の波形を示している。また、図2(f)〜(h)は、モータ41の回転時における回転角の変化に対し、それぞれ電気角カウンタ値E、位置カウンタ値P、及びストロークカウンタ値Sの推移パターンを示している。一方、図3(a)は、電気角センサD1〜D3の出力信号のパターンと電気角カウンタ値Eとの対応関係を示すとともに、図3(b)は、位置センサS1,S2の出力信号のエッジが発生するときに位置カウンタ値Pが増減する態様を示している。
まず、各カウンタ値について説明する。
[電気角カウンタ値E]
電気角カウンタ値Eは、電気角センサD1〜D3のパルス信号に基づいて決められており、モータ41の回転位相を表す。具体的には、図3(a)に示されるように、各電気角センサD1〜D3から各々理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、電気角カウンタ値Eに「0」〜「5」の範囲内の連続した整数値のうちのいずれかが当てはめられる。マイクロコンピュータ5は、この電気角カウンタ値Eに基づきモータ41の回転位相を検出し、同モータ41の通電相を切り替えてモータ41を正・逆回転する。ここで、モータ41の正回転時には、電気角カウンタ値Eは「0」→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「0」といった順序で順方向に変化する。一方、モータ41の逆回転時には、電気角カウンタ値Eは「5」→「4」→「3」→「2」→「1」→「0」→「5」といった順序で逆方向に変化する。
[電気角カウンタ値E]
電気角カウンタ値Eは、電気角センサD1〜D3のパルス信号に基づいて決められており、モータ41の回転位相を表す。具体的には、図3(a)に示されるように、各電気角センサD1〜D3から各々理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、電気角カウンタ値Eに「0」〜「5」の範囲内の連続した整数値のうちのいずれかが当てはめられる。マイクロコンピュータ5は、この電気角カウンタ値Eに基づきモータ41の回転位相を検出し、同モータ41の通電相を切り替えてモータ41を正・逆回転する。ここで、モータ41の正回転時には、電気角カウンタ値Eは「0」→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「0」といった順序で順方向に変化する。一方、モータ41の逆回転時には、電気角カウンタ値Eは「5」→「4」→「3」→「2」→「1」→「0」→「5」といった順序で逆方向に変化する。
[位置カウンタ値P]
位置カウンタ値Pは、マイクロコンピュータ5に給電が開始された後に、その給電開始時の基準回転角に対して出力軸42の回転角が変化した量を表す。具体的には、図3(b)に示されるように、位置センサS1,S2のうち、一方のセンサからパルス信号の立ち上がりエッジと立下りエッジとのいずれが生じているか、及び他方のセンサから理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、位置カウンタ値Pに対し「+1」と「−1」とのいずれかが加算される。なお、同図3(b)において、「↑」はパルス信号の立ち上がりエッジを表し、「↓」はパルス信号の立下りエッジを表している。こうした処理を実行して得られる位置カウンタ値Pは、各位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジを計数した値になる。
位置カウンタ値Pは、マイクロコンピュータ5に給電が開始された後に、その給電開始時の基準回転角に対して出力軸42の回転角が変化した量を表す。具体的には、図3(b)に示されるように、位置センサS1,S2のうち、一方のセンサからパルス信号の立ち上がりエッジと立下りエッジとのいずれが生じているか、及び他方のセンサから理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、位置カウンタ値Pに対し「+1」と「−1」とのいずれかが加算される。なお、同図3(b)において、「↑」はパルス信号の立ち上がりエッジを表し、「↓」はパルス信号の立下りエッジを表している。こうした処理を実行して得られる位置カウンタ値Pは、各位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジを計数した値になる。
ここで、モータ41が正回転中であれば、位置カウンタ値Pは、図2(d)及び(e)に示される位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ加算され、図2(g)に示されるように徐々に増大するようになる。一方、モータ41が逆回転中であれば、位置カウンタ値Pは、上記パルス信号のエッジ毎に「1」ずつ減算され、図2(g)に示されるように徐々に減少するようになる。なお、この位置カウンタ値Pは、マイクロコンピュータ5への給電を停止するための給電停止指令がなされた際に「0」にリセットされる。したがって、位置カウンタ値Pは、モータ41の出力軸42の回転角が機関始動時の基準回転角に対してどれだけ変化したか、換言すれば機関運転の吸気バルブの最大リフト量が制御ユニットへの給電開始時における基準リフト量に対してどれだけ変化したかを表すこととなる。ここで、吸気バルブの最大リフト量を迅速に変更すべく、位置カウンタ値Pを迅速に加減算する必要があることから、同位置カウンタ値Pは書き換え処理の速度が高いDRAM53に記憶されるようになっている。なお、基準回転角は、アクチュエータ4の基準操作位置に相当するとともに、位置カウンタ値Pは同基準操作位置からの操作履歴情報に相当する。
[ストロークカウンタ値S]
ストロークカウンタ値Sは、コントロールシャフト3をHi端に変位させたときの出力軸42の回転角を基準回転角(0度)とした同モータ41の回転角を表す。すなわち、ストロークカウンタ値Sの初期設定として、コントロールシャフト3をHi端に変位させたとき、マイクロコンピュータ5はストロークカウンタ値Sを「0」に設定する(以下、Hi端学習と称する)。また、マイクロコンピュータ5は、位置カウンタ値Pをストロークカウンタ値Sに加算し、同ストロークカウンタ値Sをこの加算された値に更新する。なお、車体や内燃機関1の振動により、制御ユニットの給電回路において接触不良が生じ、DRAM53に対する給電の一時的な停止、いわゆる瞬断が生じることがある。この場合、瞬断の後に給電が復帰したときには、DRAM53に記憶された位置カウンタ値Pは変化したり、失われたりするおそれがある。このため、瞬断が生じた後に給電が復帰した際にはHi端学習を実行することにより、ストロークカウンタ値S及び位置カウンタ値Pを正しい値に再設定するようにしている。
ストロークカウンタ値Sは、コントロールシャフト3をHi端に変位させたときの出力軸42の回転角を基準回転角(0度)とした同モータ41の回転角を表す。すなわち、ストロークカウンタ値Sの初期設定として、コントロールシャフト3をHi端に変位させたとき、マイクロコンピュータ5はストロークカウンタ値Sを「0」に設定する(以下、Hi端学習と称する)。また、マイクロコンピュータ5は、位置カウンタ値Pをストロークカウンタ値Sに加算し、同ストロークカウンタ値Sをこの加算された値に更新する。なお、車体や内燃機関1の振動により、制御ユニットの給電回路において接触不良が生じ、DRAM53に対する給電の一時的な停止、いわゆる瞬断が生じることがある。この場合、瞬断の後に給電が復帰したときには、DRAM53に記憶された位置カウンタ値Pは変化したり、失われたりするおそれがある。このため、瞬断が生じた後に給電が復帰した際にはHi端学習を実行することにより、ストロークカウンタ値S及び位置カウンタ値Pを正しい値に再設定するようにしている。
また、マイクロコンピュータ5への給電を停止するに際しては、モータ41の操作が停止されたときのストロークカウンタ値Sを次回給電開始に際して初期基準回転角Sgとして利用するために、現在のストロークカウンタ値SをEEPROM54に記憶する処理(基準回転角更新処理)を行うようにしている。
したがって、マイクロコンピュータ5は、EEPROM54に記憶された初期基準回転角SgとDRAM53に記憶された位置カウンタ値Pとに基づきストロークカウンタ値S、換言すればコントロールシャフト3をHi端に変位させたときの出力軸42の回転角を基準回転角(0度)とした同モータ41の現回転角を算出する。そして、マイクロコンピュータ5は、このストロークカウンタ値Sに基づいて吸気バルブの最大リフト量の実際値を算出するとともに、この実際値と機関運転状態に基づいて設定された制御目標値との乖離が小さくなるようにモータ41を制御する。これにより、吸気バルブの最大リフト量を機関運転状態に適した値に変更し、内燃機関1の燃費や出力の向上を図ることができるようになる。なお、基準回転角更新処理は、制御ユニットへの給電を停止するに際して実行される基準操作位置更新処理に相当する。
ところで、上記EEPROM54には記憶更新処理の実行可能な回数に上限値があるため、頻繁にそのEEPROM54の記憶更新処理、すなわち上記基準回転角更新処理が行われると、記憶更新処理の回数が早期に上限値に達してその耐用期間が短いものとなる。
そこで、この実施の形態にかかる内燃機関の制御ユニットでは、以下に説明する制御構成を採用することにより、こうした不都合を好適に回避するようにしている。すなわち、マイクロコンピュータ5への給電を停止するに際してHi端学習中である場合には、DRAM53に記憶された位置カウンタ値Pの信頼性が低いと判断して上記基準回転角更新処理を禁止するようにしている。
次に、図4のフローチャートを参照してHi端学習中であるか否かを判定するためのHi端学習判定処理の処理手順について説明する。なお、図4に示される一連の処理は、マイクロコンピュータ5により所定の制御周期をもって繰り返し実行される。
同図4に示されるように、この処理ではまず、今回の制御周期が、マイクロコンピュータ5への給電開始後の最初の制御周期であるか否かを判定する(ステップS1)。そしてこの結果、今回の制御周期が給電開始後の最初の制御周期でない旨判定された場合(ステップS1:NO)には、次にステップS5に移行する。
一方、今回の制御周期が給電開始後の最初の制御周期である旨判定された場合(ステップS1:YES)には、次に、マイクロコンピュータ5への給電が開始される直前の運転フラグFkが「オン」状態となっていたか否かを判定する(ステップS2)。ここで、運転フラグFkは、マイクロコンピュータ5に対して給電実行指令がなされているか、或いはマイクロコンピュータ5への給電を停止するための給電停止指令がなされているかを判定するためのフラグである。この運転フラグFkを用いた給電状態記憶処理では、マイクロコンピュータ5に対し給電実行指令がなされたときには、それまで「オフ」状態であった運転フラグFkを「オン」状態としてEEPROM54に記憶する一方、マイクロコンピュータ5に対し給電停止指令がなされたときには、EEPROM54に記憶される運転フラグFkを「オフ」状態に書き換える。すなわち、運転フラグFkは制御ユニットの給電状態を示す給電状態情報値であり、これが「オン」に設定されている場合は、制御ユニットが給電状態にあり、「オフ」に設定されている場合には、同制御ユニットが給電停止状態であることになる。
したがって、給電開始後の最初の制御周期において、給電が開始される直前の運転フラグFkが既に「オン」状態である旨判定された場合(ステップS2:YES)には、今回の給電開始が、給電実行指令がなされたことに基づくものではなく、瞬断が生じた後に給電が復帰したことに基づくものであるとして、上記Hi端学習を実行するための学習フラグFgを「オン」状態に設定し、これをEEPROM54に記憶する(ステップS3)。そして、この一連の処理を一旦終了する。なお、Hi端学習が完了したときには、学習フラグFgを再び「オフ」状態に設定し、EEPROM54の記憶内容を書き換える。
一方、給電開始後の最初の制御周期において、給電が開始される直前の運転フラグFkが「オフ」状態である旨判定された場合(ステップS2:NO)には、今回の給電開始が、給電実行指令に基づくものである旨判定し、運転フラグFkを「オン」状態とする(ステップS4)。そして次に、マイクロコンピュータ5に対し給電停止指令がなされたか否かを判定し(ステップS5)、その結果、給電停止指令がなされた場合(ステップS5:YES)には、運転フラグFkが「オフ」状態とされて(ステップS6)、EEPROM54に記憶され、この一連の処理を一旦終了する。
他方、給電停止指令がなされた旨判定されないとき(ステップS5:NO)には、この一連の処理を一旦終了する。
次に、図5のタイミングチャートを参照して図4に示される一連の処理が実行されたときの運転フラグFk、マイクロコンピュータ5に対する給電状態、学習フラグFgの変化態様について説明する。
次に、図5のタイミングチャートを参照して図4に示される一連の処理が実行されたときの運転フラグFk、マイクロコンピュータ5に対する給電状態、学習フラグFgの変化態様について説明する。
図5(a)に示されるように、タイミングt1において、内燃機関1の始動に伴って給電実行指令がなされると、その直後に運転フラグFkが「オン」状態とされ、図5(b)に示されるように、マイクロコンピュータ5に対する給電が開始される。またこのように、マイクロコンピュータ5に対する給電が開始されると、そのDRAM53に対する給電も開始されて同DRAM53は記憶情報を保持可能な状態となる。なお、この時点では瞬断が発生しておらずHi端学習を実行する必要がないないことから、図5(c)に示されるように、学習フラグFgは「オフ」状態とされている。そして、図5(b)に示されるように、タイミングt2において瞬断が生じると、マイクロコンピュータ5に対する給電電圧が「0」となる。その後、タイミングt3においてマイクロコンピュータ5に対する給電が再開される。このとき、給電が開始される直前の運転フラグFkが既に「オン」状態であることから、図5(c)に示されるように、タイミングt4において学習フラグFgが「オン」状態とされるとともに、Hi端学習が実行され、タイミングt5においてHi端学習が完了すると、学習フラグFgは「オフ」状態とされる。そして、図5(a)に示されるように、タイミングt6において内燃機関1の運転が停止されることに伴って給電停止指令がなされると、その直後に運転フラグFkが「オフ」状態とされ、図5(b)に示されるように、マイクロコンピュータ5に対する給電電圧が「0」とされることにより給電が停止される。
次に、図6のフローチャートを参照してマイクロコンピュータ5への給電を停止するに際して実行される基準回転角更新処理の処理手順について説明する。なお、図6に示される一連の処理は、マイクロコンピュータ5により所定の制御周期をもって繰り返し実行される。
同図6に示されるように、この処理ではまず、マイクロコンピュータ5に対し給電停止指令がなされたか否かを判定する(ステップS11)。そしてこの結果、給電停止指令がなされていない旨判定された場合(ステップS11:NO)には、この時点では基準回転角更新処理を行う必要がないものとしてこの一連の処理を一旦終了する。
一方、マイクロコンピュータ5に対し給電停止指令がなされている場合(ステップS11:YES)には、次に、そのときの学習フラグFgが「オフ」状態となっているか否かを判定する(ステップS12)。そしてこの結果、学習フラグFgが「オフ」状態である旨判定された場合(ステップS12:YES)には、Hi端学習の実行中ではなくDRAM53に記憶された位置カウンタ値Pの信頼性が低くないと判断して基準回転角更新処理を実行し(ステップS13)、その後、マイクロコンピュータ5への給電を停止し(ステップS14)、この一連の処理を終了する。
一方、学習フラグFgが「オフ」状態である旨判定された場合(ステップS12:NO)には、Hi端学習が実行中でありDRAM53に記憶された位置カウンタ値Pの信頼性が低いと判断してステップS13をスキップして、すなわち基準回転角更新処理を実行することなく、マイクロコンピュータ5への給電を停止し(ステップS14)、この一連の処理を終了する。
このように、位置カウンタ値Pの信頼性が低い場合には、マイクロコンピュータ5への給電を停止するに際して基準回転角更新処理の実行を禁止するようにしている。また、学習フラグFgをEEPROM54に記憶するようにしているため、例えば内燃機関1が再始動され、それに伴ってマイクロコンピュータ5の給電が開始されると、学習フラグFgが「オン」状態であることに基づいて再びHi学習が実行されることとなる。そしてこの場合、Hi学習が完了することなく再びマイクロコンピュータ5への給電が停止されるときも、同様に基準回転角更新処理の実行が禁止されることとなる。
以上説明したこの実施の形態にかかる内燃機関の制御ユニットによれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)マイクロコンピュータ5への給電を停止するに際し、DRAM53に記憶された位置カウンタ値Pの信頼性が低いとき、すなわち、同位置カウンタ値Pに基づいて検出されるストロークカウンタ値S(現回転角)の信頼性が低いときには、マイクロコンピュータ5への給電を停止するに際して基準回転角更新処理を禁止することとした。これにより、EEPROM54の記憶更新処理の回数が不要に増加することを抑制することができ、EEPROM54にかかる耐用期間の長期化を図ることができる。
(1)マイクロコンピュータ5への給電を停止するに際し、DRAM53に記憶された位置カウンタ値Pの信頼性が低いとき、すなわち、同位置カウンタ値Pに基づいて検出されるストロークカウンタ値S(現回転角)の信頼性が低いときには、マイクロコンピュータ5への給電を停止するに際して基準回転角更新処理を禁止することとした。これにより、EEPROM54の記憶更新処理の回数が不要に増加することを抑制することができ、EEPROM54にかかる耐用期間の長期化を図ることができる。
(2)マイクロコンピュータ5に対し給電を開始する時に運転フラグFkを「オン」状態、すなわち給電状態である旨を示す値に設定してEEPROM54に記憶するとともに、マイクロコンピュータ5に対し給電を停止する時にEEPROM54に記憶される運転フラグFkを「オン」状態から「オフ」状態、すなわち給電停止状態である旨を示す値に書き換える給電状態記憶処理を実行することとした。そして、マイクロコンピュータ5に対し給電を開始する際に、給電状態記憶処理を実行する前の運転フラグFkが「オン」状態である場合には位置カウンタ値Pの信頼性が低い旨判定することとした。こうしたロジックにより、運転フラグFkに基づいて瞬断の発生を的確に把握することができ、位置カウンタ値Pの信頼性が低い旨を的確に判定することができる。
(3)現在の位置カウンタ値Pの信頼性が低い旨判定されたときに、コントロールシャフト3をHi端に変位させるとともにそのときのストロークカウンタ値Sを「0」として学習するHi端学習を実行することにより、ストロークカウンタ値S及び位置カウンタ値Pを正しい値に再設定するようにしている。ただし、こうしたHi端学習が完了するまではストロークカウンタ値Sの信頼性が低い。このため、Hi端学習の実行中にマイクロコンピュータ5への給電が停止され、それに伴って基準回転角更新処理が実行されると、信頼性の低いストロークカウンタ値SをEEPROM54に記憶することとなり、同EEPROM54の記憶更新処理の回数が不要に増加することとなる。
この点、上記実施の形態では、Hi端学習が完了するまでは基準回転角更新処理を禁止することとした。これにより、Hi端学習が完了する前にマイクロコンピュータ5への給電が停止される場合であっても、基準回転角更新処理が実行されることはない。このため、EEPROM54の記憶更新処理回数が不要に増加することを更に抑制することができ、記憶更新処理回数の増加に伴ってEEPROM54が早期に故障することを一層抑制することができる。
なお、この発明にかかる内燃機関の制御ユニットは、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施の形態のように、マイクロコンピュータ5への給電を停止するに際し、DRAM53に記憶された位置カウンタ値Pの信頼性が低い旨判定されたときには、マイクロコンピュータ5への給電を停止するに際して基準回転角更新処理を禁止し、且つ、その後、次回給電開始時以降においてHi端学習が完了するまでは基準回転角更新処理を禁止することが、EEPROM54の記憶更新処理の回数が不要に増加することを一層抑制する上では望ましい。しかし、マイクロコンピュータ5への給電を停止する際の基準回転角更新処理を禁止するだけでも、EEPROM54の記憶更新処理の回数が不要に増加することを抑制することはできる。
・上記実施の形態では、給電状態記憶処理を実行するとともに、マイクロコンピュータ5に対し給電を開始するに際して給電状態記憶処理を実行する前の運転フラグFkが「オン」状態、すなわち給電状態である旨を示す値に設定されている場合に制御ユニット(マイクロコンピュータ5)に対する給電電圧が低下した旨を判定することとした。しかし、制御ユニット(マイクロコンピュータ5)に対する給電電圧が低下した旨を判定する手段はこれに限られるものではなく、給電電圧の低下を直接検出するようにしてもよい。
・上記実施の形態では、制御ユニット(マイクロコンピュータ5)に対する給電電圧が低下したことに基づいて位置カウンタ値Pの信頼性が低い旨を判定しているようにしているが、位置カウンタ値Pの信頼性を判定する手段はこれに限られるものではなく、他に例えば、所定期間毎にミラーチェックやパリティチェック等を通じて、位置カウンタ値Pの信頼性が低い旨を判定するようにしてもよい。なお、上記実施の形態では、瞬断が発生したときに、位置カウンタ値Pの信頼性が低いと判定し、Hi学習を実行するようにしたが、例えば瞬断の期間が極めて短い場合にはDRAM53の記憶値が揮発することなくそのまま維持されている場合もある。そこで、瞬断が発生したときに、ミラーチェックやパリティチェック等を通じてDRAM53の記憶値が揮発しているか否かを判定し、揮発したときのみ、Hi学習を実行するようにしてもよい。要するに、位置カウンタ値P、すなわち操作履歴情報の信頼性が低い旨を判定することのできる判定手段であればよい。
・上記実施の形態では、位置カウンタ値Pの信頼性が低い旨判定されたときに、上記Hi端学習を実行する学習手段について例示したが、これに代えて、コントロールシャフト3をLo端に変位させるとともにそのときのストロークカウンタ値Sを基準回転角として学習するLo端学習を実行する学習手段を採用してもよい。
・上記実施の形態では、コントロールシャフト3をその軸方向に変位させて吸気バルブの最大リフト量を変更するアクチュエータ4について例示したが、吸気バルブの最大リフト量を可変とするアクチュエータはこれに限られるものではなく、吸気バルブの最大リフト量を変更するアクチュエータであればこれを任意に変更することができる。
・上記実施の形態では、操作履歴情報を記憶するための揮発性メモリとしてDRAMを採用しているが、揮発性メモリはDRAMに限られるものではなく、SRAM(Static Random Access Memory)など揮発性メモリであればこれを任意に変更することができる。
・上記実施の形態では、基準操作位置を記憶するための不揮発性メモリとしてEEPROMを採用しているが、不揮発性メモリはEEPROMに限られるものではなく、MRAM(Magnetic RAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)など不揮発性メモリであればこれを任意に変更することができる。
・上記実施の形態では、吸気バルブの最大リフト量を変更するアクチュエータについて例示したが、同バルブの開時期や閉時期等、他のバルブ特性、また吸気バルブに限らず排気バルブのバルブ特性を変更するアクチュエータであってもよい。
1…内燃機関、2…シリンダヘッドカバー、21…Hi端側ストッパ、22…Low端側ストッパ、3…コントロールシャフト、31…係止部、4…アクチュエータ、41…モータ、42…出力軸、43…変換機構、5…マイクロコンピュータ、51…CPU、52…ROM、53…DRAM、54…EEPROM、6…各種センサ、61…アクセルセンサ、62…クランク角センサ。
Claims (4)
- 機関状態量を変更するためのアクチュエータと、同アクチュエータの基準操作位置からの操作履歴情報を記憶する揮発性メモリと、前記基準操作位置及び前記操作履歴情報に基づいて検出される前記アクチュエータの現操作位置を記憶する書き換え可能な不揮発性メモリとを有する制御ユニットであって、同制御ユニットへの給電を停止するに際し前記アクチュエータの現操作位置を次回給電開始時以降の前記基準操作位置として前記不揮発性メモリに記憶する基準操作位置更新処理を実行する内燃機関の制御ユニットにおいて、
前記揮発性メモリに記憶された操作履歴情報の信頼性を判定する判定手段と、
前記判定手段により前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定されるときに、前記基準操作位置更新処理を禁止する禁止手段とを備える
ことを特徴とする内燃機関の制御ユニット。 - 請求項1に記載の内燃機関の制御ユニットにおいて、
前記判定手段は前記揮発性メモリに対する給電電圧が低下したことに基づいて前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定する
ことを特徴とする内燃機関の制御ユニット。 - 請求項1又は2に記載の内燃機関の制御ユニットにおいて、
前記判定手段は、前記制御ユニットに対する給電が開始された時に給電状態情報値を給電状態である旨を示す値に設定して前記不揮発性メモリに記憶するとともに、前記制御ユニットに対する給電が停止される時に前記不揮発性メモリに記憶される給電状態情報値を給電停止状態である旨を示す値に書き換える給電状態記憶処理を実行し、前記制御ユニットに対する給電の開始において給電状態記憶処理が実行される前の前記給電状態情報値が給電状態である旨を示す値に設定されている場合に前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定する
ことを特徴とする内燃機関の制御ユニット。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御ユニットにおいて、
前記判定手段により前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定されたときに前記アクチュエータを機械的に操作可能な限界操作位置にまで駆動しその操作位置を前記アクチュエータの現操作位置として学習し前記不揮発性メモリに前記基準操作位置として記憶する学習手段を備え、
前記禁止手段は前記判定手段により前記操作履歴情報の信頼性が低い旨判定された後、前記学習手段による学習が完了するまで前記基準操作位置更新処理を禁止する
ことを特徴とする内燃機関の制御ユニット。
Priority Applications (1)
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JP7441161B2 (ja) | 2020-12-14 | 2024-02-29 | 日立Astemo株式会社 | 可変バルブタイミング機構の制御装置 |
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-
2007
- 2007-04-17 JP JP2007108094A patent/JP2008267188A/ja active Pending
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