JP2009216052A - 動弁系の最大リフト量初期学習方法 - Google Patents

動弁系の最大リフト量初期学習方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動部材の係合部に存在するクリアランスに起因する最大リフト量の初期学習精度の低下を抑制することのできる動弁系の最大リフト量初期学習方法を提供する。
【解決手段】動弁系の最大リフト量初期学習方法は、コントロールシャフト54をLo端に駆動し、同コントロールシャフト54がLo端に到達した際にアクチュエータ60の制御値に基づいて検出された最大リフト量をLo端に対応する最大リフト量の初期値として学習する。この初期学習方法は、Lo端に対応する最大リフト量の初期値を学習するのに先立ちアクチュエータ60によりコントロールシャフト54をHi端にまで駆動する。
【選択図】図4

Description

本発明は、機械的に規制される作動範囲内でコントロールシャフトを駆動することにより機関バルブの最大リフト量を変更する動弁系の最大リフト量初期学習方法に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力の向上を図るため、内燃機関の運転状態に基づいて機関バルブの最大リフト量を変更する動弁系が広く採用されている(例えば特許文献1参照)。このような動弁系としては、以下の構成が一般的に採用される。
すなわち、この動弁系では、カムに当接しその回転に基づいて揺動する入力部材と、同入力部材とともに揺動することにより機関バルブを往復駆動する出力部材とを備えている。これら入力部材及び出力部材には、コントロールシャフトが駆動連結されるとともに、コントロールシャフトの基端部には、同コントロールシャフトを駆動するアクチュエータが連結されている。このアクチュエータが作動することによりコントロールシャフトがその軸方向に駆動されると、入力部材と出力部材との相対位相差が変更されて機関バルブの最大リフト量が変更される。
図14は、こうしたアクチュエータとコントロールシャフトとの連結態様を模式的に示す構成図である。同図14に示されるように、コントロールシャフトCTの基端部とアクチュエータAの出力軸A1とが螺合されており、アクチュエータAの出力軸A1が回転すると、その回転がコントロールシャフトCTの軸方向への直線運動に転換される。なお、コントロールシャフトCTの駆動可能範囲は、ストッパST1,ST2によって機械的に規制されている。ここで、コントロールシャフトCTがストッパST1に対応する限界位置(以下、「Lo端」と称する)にまで駆動されたときに、機関バルブの最大リフト量がその最小限界値になり、コントロールシャフトCTがストッパST2に対応する限界位置(以下、「Hi端」と称する)にまで駆動されたときに、機関バルブの最大リフト量がその最大限界値になる。また、機関バルブとこれを往復動可能に支持するシリンダヘッドとの間には、バルブスプリングが圧縮状態で介設されており、このバルブスプリングの弾性力により機関バルブが出力部材側に付勢されている。したがって、このバルブスプリングにより、それら入力部材と出力部材との相対位相差を減少させようとする付勢力、換言すればコントロールシャフトCTをLo端に駆動しようとする荷重Kが常に発生している。なお、コントロールシャフトCTがHi端側に位置するほど、バルブスプリングの圧縮量が大きくなるため、それに伴いその荷重Kも大きくなる。
また、この動弁系には、アクチュエータAの制御値、すなわちその出力軸A1の回転位相を検出するセンサが設けられている。マイクロコンピュータ等によって構成される動弁系の電子制御装置は、この制御値センサによって検出されたアクチュエータAの制御値に基づいて機関バルブの最大リフト量を検出し、この検出された最大リフト量と機関運転状態に基づいて設定された目標値との乖離が小さくなるようにアクチュエータAを制御する。
ここで、上述した最大限界値及び最小限界値は、内燃機関の特性等に基づいて所定の設計値に設定される。しかしながら、部材の形状誤差等々により、実際の最小限界値及び最大限界値とそれらの設計値との間に誤差が生じることがある。そこで、機関バルブの最大リフト量を正確に制御するために、機関出荷前に、実際の最小限界値及び最大限界値を学習する初期学習処理が行われる。具体的には、コントロールシャフトCTをそれらLo端及びHi端に駆動し、コントロールシャフトCTが各限界位置に到達したときに検出されるセンサの検出値をそれら限界位置、換言すれば最大リフト量の最大値及び最小値に対応する制御値としてそれぞれ設定するようにしている。
特開2007−192075号公報
こうした初期学習処理を実行することにより、動弁系が組立てられた後に最大リフト量の実際の限界値を学習することができるようになる。ただし、動弁系における各駆動部材の係合部、特にコントロールシャフトCTと出力軸A1との係合部には適宜のクリアランスが存在している。図15(a)に、こうしたクリアランスの態様を模式的に示す。同図15(a)に示されるように、機関出荷前においてアクチュエータ60が組立てられた後には、アクチュエータAにおいて、同アクチュエータAがコントロールシャフトCTに対して方向Rに相対的に作動することを許容するクリアランスH1と、アクチュエータAがコントロールシャフトCTに対して方向Fに相対的に作動することを許容するクリアランスH2とが存在する。こうしたクリアランスが設けられることにより、以下の不都合が発生するおそれがある。
すなわち、機関出荷後の運転時において、コントロールシャフトCTがLo端側に駆動されるときに、アクチュエータAの駆動荷重が小さな値に設定され、コントロールシャフトCTが主にバルブスプリングの荷重Kにより駆動される。その結果、図15(b)に示されるように、荷重KによりコントロールシャフトCTがクリアランスH1が詰まった状態でLo端側に駆動される。ところで、機関出荷前の初期学習処理において、動弁系が組立てられた直後にあっては動弁系の各摺動部における摩擦抵抗が相対的に大きいため、通常運転時と比較してクリアランスH1が詰まりにくい状態にある。その結果、最小限界値の学習においてコントロールシャフトCTがLo端にまで駆動されたときのコントロールシャフトCTの実際の制御値と、通常機関運転時にコントロールシャフトCTがLo端にまで駆動されたときの実際の制御値との間に偏差が発生し、最大リフト量の初期学習精度が低下するおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動部材の係合部に存在するクリアランスに起因する最大リフト量の初期学習精度の低下を抑制することのできる動弁系の最大リフト量初期学習方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、軸方向に沿って第1機械的限界位置と第2機械的限界位置との間で往復動することにより機関バルブの最大リフト量を変更するコントロールシャフトと、該コントロールシャフトに連結され、同コントロールシャフトをその軸方向に駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの制御量に基づいて前記機関バルブの最大リフト量を検出する検出手段とを備え、前記機関バルブのバルブスプリングは前記コントロールシャフトが前記第1機械的限界位置側に位置するときほど同コントロールシャフトを前記第2機械的限界位置側に付勢する荷重が増大する動弁系に適用され、前記コントロールシャフトを前記第2機械的限界位置に駆動し、同コントロールシャフトが前記第2限界位置に到達した際に前記アクチュエータの制御値に基づいて検出された最大リフト量を前記第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値として学習する動弁系の最大リフト量初期学習方法において、前記第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値を学習するのに先立ち前記アクチュエータにより前記コントロールシャフトを前記第1機械的限界位置にまで駆動することをその要旨とする。
同構成では、第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値に係る学習を実行する前に、アクチュエータによりコントロールシャフトを第1機械的限界位置にまで駆動するようにしている。このようにアクチュエータによりコントロールシャフトを第1機械的限界位置に駆動したときに、バルブスプリングによるコントロールシャフトを第2機械的限界位置側に付勢する荷重がその最大値になる。そのため、コントロールシャフトが第1機械的限界位置に駆動されたときに、動弁系における各駆動部材の係合部に存在するクリアランスが同一の方向に的確に詰まるようになる。その後、コントロールシャフトは、主にバルブスプリングの付勢力により駆動され、そのクリアランスが上記方向に詰まった状態を維持したまま第2機械的限界位置側に駆動することができる。そして、コントロールシャフトが第2機械的限界位置に到達したときに、そのクリアランスが詰まった状態におけるアクチュエータの制御値に基づいて第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値を学習することができる。したがって、上記構成によれば、第2機械的限界位置に対応する最大リフト量を学習するに際し、駆動部材の係合部に存在するクリアランスに起因した最大リフト量の初期学習精度の低下を抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動弁系の最大リフト量初期学習方法において、前記アクチュエータの駆動に対する抵抗荷重が大きいほど該アクチュエータの駆動荷重を増大させることにより前記コントロールシャフトを前記第1機械的限界位置に作動させ、前記駆動荷重が所定の閾値よりも大きい旨判断したときに、前記アクチュエータが前記第1機械的限界位置に到達したと判断することをその要旨とする。
同構成では、コントロールシャフトが第1機械的限界位置に到達した後に、アクチュエータの駆動に対する抵抗荷重の増大に伴ってアクチュエータの駆動荷重が所定の閾値よりも大きくなったときにアクチュエータが第1の機械的限界位置に到達したと判断するようにしている。このようにアクチュエータの駆動荷重が所定の閾値よりも大きくなることにより、動弁系における各駆動部材の係合部、特にアクチュエータとコントロールシャフトとの係合部に設けられたクリアランスをより的確に詰まった状態にすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の動弁系の最大リフト量初期学習方法において、前記コントロールシャフトが前記第1機械的限界位置に到達したと判断した際のアクチュエータの制御量に基づいて検出された最大リフト量を前記第1機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値として学習することをその要旨とする。
同構成によれば、コントロールシャフトが第1機械的限界位置に到達したときに、動弁系における各駆動部材の係合部に設けられたクリアランスが上記方向に的確に詰まった状態で検出された最大リフト量を第1機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値として学習することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の動弁系の最大リフト量初期学習方法において、前記検出手段は、前記アクチュエータの制御量について所定の基準値からの変更量を検出してメモリに記憶し、前記メモリに記憶された変更量と前記基準値とに基づいて前記アクチュエータの制御量を算出することをその要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の動弁系の最大リフト量初期学習方法において、前記メモリは揮発性のメモリであり、前記メモリに対する給電が一時的な停止状態から復帰した後に、前記アクチュエータにより前記コントロールシャフトを前記第2機械的限界位置に駆動し、同コントロールシャフトが停止したときの前記制御値を前記第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の前記初期値に基づいて再学習することをその要旨とする。
最大リフト量を検出する検出手段の具体的な構成としては、例えば請求項4に記載されるように、前記アクチュエータの制御量について所定の基準値からの変更量を検出してメモリに記憶し、前記メモリに記憶された変更量と前記基準値とに基づいて前記アクチュエータの制御量を算出する、といった構成を採用することができる。
ところで、上記メモリが揮発性のメモリである場合、車体や内燃機関の振動により、動弁系の電子制御装置の給電回路において接触不良が生じる可能性があり、揮発性メモリに対する給電の一時的な停止、いわゆる瞬断が生じることがある。そしてこのように揮発性メモリに対する給電が瞬断状態から復帰したときに、揮発性メモリに記憶されたデータの内容が変化したり、失われたりするおそれがある。したがって、その給電が瞬断状態から復帰したときに、アクチュエータの制御値、換言すれば最大リフト量を誤って検出し、最大リフト量の制御ができなくなることが懸念される。
この点、請求項5に記載の構成によれば、揮発性メモリに対する給電が瞬断状態から復帰した後に、アクチュエータによりコントロールシャフトを第2機械的限界位置に駆動し、同コントロールシャフトが停止したときの制御値を第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の前記初期値に基づいて再学習することができ、最大リフト量の制御を再開することができるようになる。また、こうした再学習処理においてコントロールシャフトが同限界位置にまで駆動されたときのアクチュエータの実際の制御値と、第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値を学習する初期学習処理においてコントロールシャフトがその限界位置にまで駆動されたときのアクチュエータの実際の制御値とは、同じ値であるため、最大リフト量を正確に再設定することができ、最大リフト量の制御を好適に再開することができるようになる。
以下、本発明を車両に搭載される内燃機関の動弁系の最大リフト量初期学習方法に適用した一実施形態について、図1〜図13を参照して説明する。ここで、図1は、車両に搭載される内燃機関の動弁系の一部断面構造を示す断面図であり、図2は、同内燃機関の動弁系の配設態様を示す平面図である。
図1及び図2に示されるように、内燃機関は4つの気筒(図1では1つのみを表示)を有しており、そのシリンダヘッド2にはこれら気筒に対応した一対の排気バルブ10と吸気バルブ20とが往復動可能にそれぞれ設けられている。また、シリンダヘッド2には、それら排気バルブ10と吸気バルブ20とに対応して排気弁開閉装置90と吸気弁開閉装置100とがそれぞれ設けられている。
排気弁開閉装置90には、各排気バルブ10に対応してラッシュアジャスタ12が設けられるとともに、このラッシュアジャスタ12と排気バルブ10との間にはロッカーアーム13が架設されている。ロッカーアーム13は、その基端がラッシュアジャスタ12に支持されるとともに先端が排気バルブ10の基端部に当接されている。また、シリンダヘッド2には、排気カムシャフト14が回転可能に支持されており、この排気カムシャフト14は、機関出力軸の回転に連動して回転される。排気カムシャフト14には複数のカム15が形成されるとともに、それらカム15の外周面にはロッカーアーム13の中間部分に設けられたローラ13aが当接されている。排気バルブ10にはリテーナ16が設けられるとともに、このリテーナ16とシリンダヘッド2との間にはバルブスプリング11が圧縮された状態で設けられている。なお、このバルブスプリング11の付勢力によって排気バルブ10は閉弁方向に付勢されている。そしてこれにより、ロッカーアーム13のローラ13aはカム15の外周面に押圧されている。機関運転時にカム15が回転すると、ロッカーアーム13はラッシュアジャスタ12により支持される部分を支点として揺動する。その結果、排気バルブ10はロッカーアーム13によって開閉駆動されるようになる。なお、排気バルブ10の開度、すなわちリフト量の増大に伴ってバルブスプリング11が圧縮され、バルブスプリング11による排気弁開閉装置90の作動に対する反力が増大する。
一方、吸気弁開閉装置100には、排気側と同様に圧縮状態のバルブスプリング21、吸気バルブ20に設けられたリテーナ26、ロッカーアーム23及びラッシュアジャスタ22が設けられている。シリンダヘッド2には、複数のカム25が形成された吸気カムシャフト24が回転可能に支持されており、この吸気カムシャフト24も、機関出力軸の回転に連動して回転される。ここで、排気弁開閉装置90とは異なり、吸気弁開閉装置100には、カム25とロッカーアーム23との間に仲介駆動機構50が設けられている。この仲介駆動機構50は入力部51と一対の出力部52とを有しており、これら入力部51及び出力部52はシリンダヘッド2に固定された支持パイプ53に揺動可能に支持されている。ロッカーアーム23は、ラッシュアジャスタ22及びバルブスプリング21の付勢力によって出力部52側に付勢され、同ロッカーアーム23の中間部分に設けられたローラ23aが出力部52の外周面に当接されている。これにより、入力部51が出力部52とともに左回り方向W1に揺動付勢され、入力部51においてその径方向に延出した部分の先端に設けられたローラ51aがカム25の外周面に押圧される。すなわち、ラッシュアジャスタ22及びバルブスプリング21の付勢力により、それら入力部51と出力部52との相対位相差を減少させようとする荷重が常に発生する。
こうした吸気弁開閉装置100では、機関運転時にカム25が回転すると、同カム25はローラ51aに摺接しつつ入力部51を押圧し、これにより出力部52が支持パイプ53の周方向に揺動するようになる。そして出力部52が揺動すると、ロッカーアーム23はラッシュアジャスタ22により支持される部分を支点として揺動する。その結果、吸気バルブ20はロッカーアーム23によって開閉駆動されるようになる。なお、吸気バルブ20の開度、すなわちリフト量の増大に伴ってバルブスプリング21が圧縮され、同バルブスプリング21による吸気弁開閉装置100の作動に対する反力が増大する。
また、支持パイプ53には、その軸方向に沿って駆動可能なコントロールシャフト54が挿入されている。このコントロールシャフト54は、連結部材を介して入力部51及び出力部52に駆動連結されている。コントロールシャフト54がその軸方向に沿って駆動すると、それら入力部51及び出力部52が相対的に揺動するようになる。次に、図3を参照してコントロールシャフト54と入力部51,出力部52とを連結する仲介駆動機構50について詳述する。尚、図3は仲介駆動機構50の内部構造を示す一部破断斜視図である。
図3に示されるように、入力部51は一対の出力部52の間に設けられており、これら入力部51と出力部52との内部には略円筒状の連通空間が形成されている。また、入力部51の内周面にはヘリカルスプライン51hが形成されるとともに、出力部52の内周面には入力部51のヘリカルスプライン51hとその歯すじが逆向きに傾斜するヘリカルスプライン52hが形成されている。
入力部51と出力部52との内部に形成された空間には、略円筒状のスライダギア55が設けられている。このスライダギア55の外周面の中央部分には、入力部51のヘリカルスプライン51hに噛合するヘリカルスプライン55aが形成されるとともに、その外周面の両端部には出力部52のヘリカルスプライン52hに噛合するヘリカルスプライン55bが形成されている。
また、この略円筒状のスライダギア55の内壁には、その周方向に沿って延伸する溝55cが形成されており、この溝55cにはブッシュ56が嵌合されている。なお、このブッシュ56は、溝55cの伸びる方向に沿って同溝55cの内周面を摺動することができるが、スライダギア55に対するその軸方向の相対変位は溝55cによって規制されている。
そして、支持パイプ53はスライダギア55の内部に形成された貫通空間に挿入されるとともに、コントロールシャフト54はその支持パイプ53に挿入されている。また、支持パイプ53の管壁にはその軸方向に延伸する長孔53aが形成されている。スライダギア55とコントロールシャフト54との間には、長孔53aを通じてこれらスライダギア55とコントロールシャフト54とを連結する係止ピン57が設けられている。この係止ピン57の一端がコントロールシャフト54に形成された凹部(図示略)に挿入されるとともに、他端がブッシュ56に形成された貫通孔56aに挿入されている。
こうした仲介駆動機構50にあって、コントロールシャフト54がその軸方向に沿って変位すると、これに連動してスライダギア55が軸方向に変位する。スライダギア55の外周面に形成されたヘリカルスプライン55a,55bは、入力部51及び出力部52の内周面に形成されたヘリカルスプライン51h、52hとそれぞれ噛合されているため、スライダギア55がその軸方向に変位すると、入力部51と出力部52とは逆の方向に回転する。その結果、入力部51と出力部52との相対位相差が変更され、吸気バルブ20の最大リフト量が変更される。
ここで、先の図2に示されるように、コントロールシャフト54の基端部(図中右端部)には、電動式アクチュエータ60(以下、単に「アクチュエータ60」と称する)が設けられており、このアクチュエータ60は、マイクロコンピュータ70によりその駆動が制御される。以下、図4を参照してアクチュエータ60の構造について詳細に説明する。図4は、アクチュエータ60の構造を主に示す部分断面図である。
図4に示されるように、アクチュエータ60のハウジング60aは、シリンダヘッド2に取り付けられている。このハウジング60aの内部には、コイルCを有するステータ61a、及び永久磁石を有するロータ61bを備えたモータ61と、そのモータ61の回転を直線運動に変換してコントロールシャフト54に伝達する遊星ギヤ機構62とが設けられている。
この遊星ギヤ機構62は、外周に螺旋状のスプラインを設けた出力軸63、並びにそれとは逆回りのスプラインを、外周に設けた複数の遊星ギヤ64と内周に設けたローラナット65とを有して構成されている。
出力軸63は、軸方向へ変位可能に、かつ軸線Lを中心として回転不能にハウジング60aにより支持され、その先端部(図4の左端部)は、連結部材68によってコントロールシャフト54に連結されている。ローラナット65は、複列アンギュラ式のベアリング66を介してロータ61bと一体回転可能にハウジング60aにより支持されている。
また、遊星ギヤ64は、それら出力軸63及びローラナット65の間に等角度毎に配置されている。遊星ギヤ64のスプラインは、出力軸63のスプラインと同出力軸63に外嵌したローラナット65のスプラインとの双方に噛合し、出力軸63とローラナット65との間で遊星ギヤ64が出力軸63を中心に公転しながら自転するように形成されている。
こうしたアクチュエータ60により、ステータ61aのコイルCに通電すると、ロータ61b及びローラナット65が軸線Lを中心として回転され、各遊星ギヤ64がそれぞれ自身の軸線を中心として自転しつつ、軸線Lの周りを公転する。なお、そのコイルCに対する通電は、マイクロコンピュータ70により機関の運転状態に基づいてデューティ制御されている。また上述したように、出力軸63は、軸線Lを中心として回転不能であるが、軸方向へは変位可能であるため、各遊星ギヤ64の自転及び公転によりその出力軸63が軸方向に変位する。
そして、出力軸63の軸方向の変位に伴いコントロールシャフト54が軸方向に変位することにより、仲介駆動機構50の駆動状態が変更され、吸気バルブ20の最大リフト量が連続的に変化するようになる。具体的には、コントロールシャフト54が図4の方向Fへ駆動されると、最大リフト量が減少する一方、コントロールシャフト54が図4の方向Rへ駆動されると、最大リフト量が増大する。なお、出力軸63には、ハウジング60aに当接可能な2つのストッパ63a,63bが固定されており、出力軸63、換言すればコントロールシャフト54は、これらストッパ63a,63bによって規制される駆動区間において駆動可能になっている。ストッパ63aがハウジング60aに当接する限界位置(以下「Hi端」と称する)に出力軸63が変位したときに、最大リフト量がその最大値になる一方、ストッパ63bがハウジング60aに当接する限界位置(以下「Lo端」と称する)に出力軸63が変位したときに、最大リフト量がその最小値になる。
また、アクチュエータ60における各部材の係合部、特に遊星ギヤ機構62の各ギヤ間の噛合部には、適宜のクリアランスが存在している。図5(a)に、こうしたクリアランスの態様を模式的に示す。同図5(a)に示されるように、機関出荷前においてアクチュエータ60が組立てられた後には、遊星ギヤ機構62において同遊星ギヤ機構62が出力軸63に対して方向Rに相対的に作動することを許容するクリアランスH1と、遊星ギヤ機構62が出力軸63に対して方向Fに相対的に作動することを許容するクリアランスH2とが存在する。そして、上述のようにバルブスプリング21によりコントロールシャフト54をLo端側に付勢する荷重Kが常に発生するため、機関出荷後の通常運転時には、図5(b)に示されるように、クリアランスH1が詰まった状態で出力軸63が駆動される。
さらに、先の図4に示されるように、アクチュエータ60には、3つの電気角センサD1〜D3と、これら電気角センサD1〜D3に対応してローラナット65と一体回転する8極の多極マグネットとが設けられている。これら電気角センサD1〜D3は、8極の多極マグネットの磁気に応じて図6(a)〜(c)に示されるようなパルス状の信号、すなわち論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とを交互に出力する。なお、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、3つの電気角センサD1〜D3は出力軸63の周方向において120°毎に配置されている。したがって、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸63の45°回転毎に発生している。また、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つからのパルス信号は、他の電気角センサからのパルス信号に対し、出力軸63の30°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
また、アクチュエータ60には、ロータリーエンコーダとして機能する2つの位置センサS1,S2と、これら位置センサS1,S2に対応して出力軸63と一体回転する48極の多極マグネット(図示略)とが設けられている。これら位置センサS1,S2は、48極の多極マグネットの磁気に応じて図6(d)及び(e)に示されるようなパルス状の信号、すなわち論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とを交互に出力する。なお、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、位置センサS1は出力軸63の周方向において位置センサS2から176.25°を隔てて配置されている。したがって、位置センサS1,S2のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸63の7.5°回転毎に発生している。また、位置センサS2からのパルス信号は、位置センサS1からのパルス信号に対し、出力軸63の3.75°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
ここで、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ間隔が15°であるのに対し、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジ間隔は3.75°となっている。したがって、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ発生から次回のエッジ発生までには、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジが4回発生するようになっている。
これら電気角センサD1〜D3及び位置センサS1,S2によって出力されたパルス信号はマイクロコンピュータ70に取り込まれる。このマイクロコンピュータ70は、プログラムによって数値計算や情報処理等を行う中央演算処理装置(CPU)71、各種の制御に必要なプログラムやデータを記憶する不揮発性メモリ(ROM)72a、入力データや演算結果を一時的に記憶する揮発性メモリ(DRAM)72b、学習制御により得られた基準位置等を記憶する書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROM)72cを備えている。
また、マイクロコンピュータ70には、車両のアクセルペダルの開度を検出するアクセルセンサ74や、内燃機関のクランクシャフトの回転位相を検出するクランク角センサ75等、機関の運転状態を検出するセンサが接続されている。マイクロコンピュータ70は、機関の運転状態に基づき吸気バルブ20の最大リフト量の制御目標値を設定するとともに、上述した電気角センサD1〜D3及び位置センサS1,S2によって出力されたパルス信号に基づいて吸気バルブ20の最大リフト量の実際値を検出する。以下、吸気バルブ20の最大リフト量の実際値を検出する手順について、図6及び図7を参照して詳細に説明する。
ここで、図6(a)〜(e)は、上述したようにアクチュエータ60の出力軸63の回転時に電気角センサD1〜D3、及び位置センサS1,S2から出力するパルス信号の波形を示している。そして図6(f)〜(h)は、アクチュエータ60の回転時における回転角の変化に対し、それぞれ電気角カウント値E、位置カウント値P、及びストロークカウント値Sが推移するパターンを示している。また、図7(a)は、電気角センサD1〜D3の出力信号のパターンと電気角カウント値Eとの対応関係を示すとともに、図7(b)は、位置センサS1,S2の出力信号のエッジが発生するときに位置カウント値Pが増減する態様を示している。
まず、各カウント値について説明する。
[電気角カウント値E]
電気角カウント値Eは、電気角センサD1〜D3のパルス信号に基づいて設定され、モータ61の回転位相を表す。具体的には、図7(a)に示されるように、各電気角センサD1〜D3から各々論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、電気角カウント値Eに「0」〜「5」範囲内の連続した整数値のうちのいずれかに設定されてDRAM72bに記憶される。マイクロコンピュータ70は、DRAM72bに記憶された電気角カウント値Eに基づきアクチュエータ60の回転位相を検出し、同コイルCの通電相を切り替えてモータを正・逆回転する。ここで、モータ61の正回転時には、電気角カウント値Eは「0」→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「0」といった順序で順方向に変化する。一方、アクチュエータ60の逆回転時には、電気角カウント値E「5」→「4」→「3」→「2」→「1」→「0」→「5」といった順序で逆方向に変化する。
[位置カウント値P]
位置カウント値Pは、モータ61の作用角、換言すればアクチュエータ60の制御値について機関始動時における基準値からの変更量を表す。具体的には、位置センサS1,S2のうち、一方のセンサからパルス信号の立ち上がりエッジ及び立下りエッジのいずれが生じているか、及び他方のセンサから論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、位置カウント値Pに対し「+1」と「−1」とのいずれかが加算される(図7(b)参照)。なお、同図7(b)において、「↑」はパルス信号の立ち上がりエッジを表し、「↓」はパルス信号の立下りエッジを表している。こうした処理を実行して得られる位置カウント値Pは、各位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジを計数した値になる。
ここで、モータ61の正回転中であれば、位置カウント値Pは、図6(d)及び(e)に示される位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ加算され、図6(g)に示されるパターンに沿って矢印Aに示す方向に推移するようになる。一方、アクチュエータ60の逆回転中であれば、位置カウント値Pは、上記パルス信号のエッジ毎に「1」ずつ減算され、図6(g)に示されるパターンに沿って矢印Bに示す方向に推移するようになる。なお、この位置カウント値Pは、内燃機関の運転が停止すると、「0」にリセットされる。したがって、位置カウント値Pは、アクチュエータ60の制御値が機関始動時の基準値に対してどれだけ変化したか、言い換えれば吸気バルブ20の最大リフト量が機関始動時の基準値に対してどれだけ変化したかを表す。また、位置カウント値Pは、吸気弁開閉装置100の駆動に基づいて迅速に加減算する必要があるため、DRAM72bに記憶される。
[ストロークカウント値S]
ストロークカウント値Sは、アクチュエータ60の制御量の絶対値、換言すれば最大リフト量の実際値を表す。このストロークカウント値Sの初期設定は、後述する最大リフト量初期学習処理において行われる。機関運転時に、マイクロコンピュータ70は、位置カウント値Pをストロークカウント値Sに加算し、ストロークカウント値Sをこの加算された値に更新される。なお、機関停止が完了し、吸気弁開閉装置100の駆動が停止されたときのストロークカウント値Sの最終値が次回機関運転の開始時の基準値Sgとして学習されてEEPROM72cに記憶される。
したがって、マイクロコンピュータ70は、EEPROM72cに記憶された基準値SgとDRAM72bに記憶された位置カウント値Pとに基づきストロークカウント値S、換言すれば最大リフト量の実際値を算出する。そして、マイクロコンピュータ70は、この実際値と機関運転状態に基づいて設定された制御目標値との乖離が小さくなるように、アクチュエータ60に対する通電のデューティ比DU、換言すればアクチュエータ60の駆動荷重Qをフィードバック制御する。以下、アクチュエータ60に対する通電のデューティ比の制御について詳細に説明する。
このデューティ比DUのフィードバック制御に係る処理では、吸気バルブ20の最大リフト量の制御目標値とその実際値との偏差ΔRVLに基づいてデューティ比DUが以下の各演算式(1)〜(4)を通じて設定される。

DU ← VLP+VLI+VLD・・・(1)

VLP←KP・ΔRVL ・・・(2)
KP:補正係数(比例ゲイン)

VLI←KI・ΣΔRVL(i) ・・・(3)
KI:補正係数(積分ゲイン)

VLD←KD・(ΣΔRVL(i)−ΣΔRVL(i−1))/Δt ・・・(4)
KD:補正係数(微分ゲイン)
Δt:制御周期

上式(2)において、「VLP」はフィードバック制御における比例項であり、吸気バルブ20の最大リフト量の実際値とその目標値との間に乖離傾向が全く存在していない場合には、この比例項VLPはその基準値「0」に収束する。
一方、吸気バルブ20の最大リフト量の実際値がその目標値よりも小さい場合には、比例項VLPは正の値に設定され、コントロールシャフト54を図4の方向Rに付勢する駆動荷重Qが発生する。
他方、吸気バルブ20の最大リフト量の実際値がその目標値よりも大きい場合には、比例項VLPは負の値に設定され、コントロールシャフト54を図4の方向Rに付勢する駆動荷重Qが発生する。
このように最大リフト量の実際値と目標値との間の偏差ΔRVLに基づき、それに見合う大きさの比例項VLPが算出されることにより、最大リフト量の実際値と目標値との間の乖離が補償されるようにデューティ比DUが適切な量に設定されるようになる。
また、上式(3)において、「VLI」はフィードバック制御における積分項である。上式(3)において、「ΣΔRVL」は、予め定められた所定期間における上記偏差ΔRVLの積算値であり、添え字「i」はその所定期間中の各制御周期において算出される偏差ΔRVLの値をそれぞれ示している。同式(3)から明らかなように、最大リフト量の目標値と実際値との間に定常的な偏差が存在すると、積分項VLIは徐々に増大しあるいは減少するようになる。その結果、最大リフト量の目標値と実際値との間に比例項VLPによっては補償することのできないような定常的な偏差が存在する場合であっても、この積分項VLIにより、その偏差が打ち消されるようになる。
また、上式(4)において「VLD」は微分項である。同式(4)に示されるように、最大リフト量の実際値と目標値との間の偏差ΔRVLが急激に変化すると、微分項VLDはその変化を緩和するように変化する。
その結果、こうしたフィードバック制御により、アクチュエータ60の駆動に対する抵抗荷重が大きいほど、同アクチュエータ60の駆動荷重Qが大きく設定される。
なお、上述のように、バルブスプリング21により、コントロールシャフト54をLo端側に付勢する荷重Kが常に発生するため、コントロールシャフト54がHi端側(図4の方向R)に駆動される場合に、アクチュエータ60の駆動荷重Qは、バルブスプリング21による荷重Kとアクチュエータ60における摩擦抵抗との和よりも大きい値に設定される。これに対して、コントロールシャフト54がLo端側(図4の方向F)に駆動される場合には、アクチュエータ60の駆動荷重Qは、アクチュエータ60における摩擦抵抗に相当する、相対的に小さな値に設定され、コントロールシャフト54が主にバルブスプリング21の荷重Kにより駆動される。
上述のフィードバック制御により、吸気バルブ20の最大リフト量を機関運転状態に適した値に変更し、内燃機関の燃費や出力の向上を図ることができるようになる。ところで、車体や内燃機関の振動により、マイクロコンピュータ70の給電回路において接触不良が生じる可能性があり、DRAM72bに対する給電の一時的な停止、いわゆる瞬断が生じることがある。そしてこのようにDRAM72bに対する給電が瞬断状態から復帰したときに、DRAM72bに記憶されたデータの内容が変化したり、失われたりするおそれがある。したがって、その給電が瞬断状態から復帰したときに、アクチュエータ60の制御値、換言すれば吸気バルブ20の最大リフト量を誤って検出し、最大リフト量の制御ができなくなることが懸念される。
そこで、こうした瞬断による悪影響を抑制するために、DRAM72bに対する給電が瞬断状態から復帰した後に、アクチュエータ60によりコントロールシャフト54をLo端にまで駆動し、同コントロールシャフト54が停止したときの制御値に基づいてLo端に対応する最大リフト量を再学習するLo端学習処理を実行することができる。以下、図8のフローチャートを参照してこのLo端学習処理の手順について説明する。
図8に示される一連の処理は、マイクロコンピュータ70により所定の制御周期をもって繰り返して実行される。この処理ではまず、学習条件フラグFgが「オン」であるか否かを判断する(ステップS10)。なお、この学習条件フラグFgは、機関始動時に「オフ」に設定され、DRAM72bに対する給電の瞬断が発生したとき等、所定の学習条件が成立したときに、この処理とは別の処理を通じて「オン」に設定される。
この学習条件フラグFgが「オフ」である場合には(ステップS10:NO)、所定の学習条件が成立していない旨判断し、この一連の処理を一旦終了する。一方、学習条件フラグFgが「オン」である場合には(ステップS10:YES)、所定の学習条件が成立した旨判断し、Lo端学習を実行する。
このLo端学習の処理ではまず、瞬断後にDRAM72bに残存した位置カウント値PとEEPROM72cに記憶された基準値Sgとに基づいてストロークカウント値Sを以下の式(5)に基づいて算出する(ステップS20)。そして、更に以下の式(6)を通じてストロークカウント値の制御目標値Stを算出して前述のデューティ比DUのフィードバック制御を実行する(ステップS30)。

S ←Sg+P …(5)
St←S−Br …(6)
Br:減量値

式(6)において、減量値Brは予め設定された正の値である。そのため、制御目標値Stはストロークカウント値Sよりも小さな値に設定され、アクチュエータ60においてコントロールシャフト54、換言すれば出力軸63をLo端側に付勢する駆動荷重Qが発生し、出力軸63がLo端側に変位するように駆動される。その結果、最大リフト量が減少するとともに、位置カウント値Pが減少するようになる。なお、この減量値Brは、最大リフト量が急激に変化することを抑制すべく、その大きさが適宜設定されている。
次に、デューティ比DUに基づいて出力軸63がLo端に到達したか否かを判断する(ステップS40)。図9に、出力軸63がLo端に到達した際における出力軸63と遊星ギヤ機構62との駆動態様を模式的に示す。同図9に示されるように、出力軸63がLo端に到達したときに、バルブスプリング21による荷重Kがハウジング60aからストッパ63bに作用する方向Rへの荷重KSによって相殺されるようになるとともに、出力軸63が停止する。そのため、上式(1)における積分項の増大によりデューティ比DUが増大し、遊星ギヤ機構62が出力軸63に対して方向Fに相対的に駆動する傾向にある。しかし、遊星ギヤ機構62と出力軸63との間に摩擦力が発生するため、デューティ比DUが所定値以上になるまでは遊星ギヤ機構62が出力軸63に対して駆動しない状態にある。したがって、クリアランスH1が詰まった状態を維持したままデューティ比DUが所定の閾値DULよりも大きくなることに基づいて出力軸63がLo端に到達した旨を判断することができる。なお、この閾値DULは、出力軸63がLo端に到達した状態において、クリアランスH1が詰まった状態を維持できるデューティ比DUの最大値よりも小さな値に設定されている。
ここで、デューティ比DUが閾値DUL以下である旨判断された場合(ステップS40:NO)、出力軸63がLo端に到達していないと判断し、先のステップS20に戻り、出力軸63を継続してLo端側に駆動する。一方、デューティ比DUが閾値DULよりも大きい旨判断された場合には(ステップS40:YES)、出力軸63がLo端に到達したと判断し、その時点のストロークカウント値SをEEPROM72cに記憶されたLo端に対応するストロークカウント値の初期値Sminに更新するとともに(ステップS50)、位置カウント値Pを「0」にリセットする(ステップS60)。なお、この初期値Sminは、後述する出荷前に行われる最大リフト量初期学習処理において設定されて予めEEPROM72cに記憶されている。そして、学習条件フラグFgを「オフ」に設定し、この一連の処理を一旦終了する。
以下、図9及び図10を併せ参照して上述のLo端学習処理についてその一具体例を説明する。ここで、図10は、Lo端学習処理の実行に伴うバルブスプリング21による荷重K及びデューティ比DUの時間的な推移を示すタイミングチャートである。
図10の時刻t1において学習条件フラグFgが「オン」である旨判断されると(ステップS10:YES)、デューティ比DUのフィードバック制御が実行されて出力軸63がLo端側に駆動される(ステップS20〜40)。このように出力軸63がLo端側に駆動される場合には、上述のように、デューティ比DUがアクチュエータ60における摩擦抵抗に相当する小さな値に設定され、出力軸63は、クリアランスH1が詰まった状態で主にバルブスプリング21の荷重Kにより駆動される。また、時間の推移に伴い出力軸63がLo端側に駆動されるほど、バルブスプリング21の荷重Kが小さくなる一方、デューティ比DUが略一定の値に維持される。
そして、時刻t2において出力軸63がLo端に到達すると、図9に示されるように、バルブスプリング21による荷重Kがハウジング60aからストッパ63bに作用する方向Rへの荷重KSによって相殺され、デューティ比DUが増大する。
時刻t3においてデューティ比DUが閾値DULよりも大きい旨判断されると(ステップS40:YES)、出力軸63がLo端に到達した旨判断され、その時点のストロークカウント値SがEEPROM72cに記憶されたLo端に対応するストロークカウント値の初期値Sminに更新される(ステップS50)。そして、位置カウント値Pが「0」にリセットされる(ステップS60)。なお、この閾値DULは、出力軸63がLo端に到達した状態において、クリアランスH1が詰まった状態を維持できるデューティ比DUの最大値よりも小さな値に設定されているため、そのクリアランスH1が詰まった状態でストロークカウント値Sを初期値Sminに更新される。
こうしたLo端学習処理を実行することにより、DRAM72bに対する給電が瞬断状態から復帰した後に、Lo端に対応するストロークカウント値の初期値Sminに基づいて吸気バルブ20の最大リフト量を再学習することができ、最大リフト量の制御を再開することができるようになる。
ところで、この初期値Sminを設定するための機関出荷前の最大リフト量初期学習処理において、アクチュエータ60におけるクリアランスに起因する初期値Sminの学習精度の低下が発生するおそれがある。
すなわち、この初期学習処理は、出力軸63をLo端、Hi端に駆動し、出力軸63がLo端及びHi端に到達したときのストロークカウント値SをそれらLo端及びHi端に対応するストロークカウント値の初期値Smin,Smaxとしてそれぞれ設定するようにしている。なお、Lo端に対応する初期値Sminの初期学習処理において、上述のLo端学習処理と同じように、デューティ比DUが閾値DULよりも大きくなったときに出力軸63がLo端に到達した旨判断される。しかしながら、初期値Sminの初期学習処理において、動弁系が組立てられた直後にあっては動弁系の各摺動部における摩擦抵抗が相対的に大きいため、図5(a)のクリアランスH1が詰まりにくい状態にある。したがって、初期値Sminの学習において出力軸63がLo端にまで駆動されたときに、クリアランスH1が詰まっていない状態でデューティ比DUが閾値DULよりも大きくなったことに基づいて初期値Sminを学習してしまい、最大リフト量の学習精度が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、以下に説明する初期学習処理を採用することにより、こうした不都合を好適に抑制するようにしている。以下、図11のフローチャートを参照して本実施形態に係る最大リフト量初期学習処理について説明する。
図11に示される一連の処理は、機関出荷前において動弁系が組立てられた後に、所定の実験開始指令に基づいて実行される。この処理ではまず、同処理の開始時における出力軸63の駆動位置をその基準位置とし、位置カウント値P、ストロークカウント値Sの基準値Sg及び制御目標値Stを「0」に設定する(ステップS110)。そして、位置カウント値Pと基準値Sgとに基づいてストロークカウント値Sを上式(5)に基づいて算出するとともに(ステップS120)、以下の式(7)を通じてストロークカウント値の制御目標値Stを算出して前述のデューティ比DUのフィードバック制御を実行する(ステップS130)。

St←S+Bi …(7)
Bi:増量値

式(7)において、増量値Biは予め設定された正の値である。そのため、制御目標値Stはストロークカウント値Sよりも大きな値に設定され、アクチュエータ60において出力軸63をHi端側に付勢する駆動荷重Qが発生し、出力軸63がHi端側に変位するように駆動される。その結果、最大リフト量が増大するとともに、位置カウント値Pが増大するようになる。なお、この増量値Biは、最大リフト量が急激に変化することを抑制すべく、その大きさが適宜設定されている。
次に、デューティ比DUに基づいて出力軸63がHi端に到達したか否かを判断する(ステップS140)。図12(a)に、出力軸63がHi端に到達した際における出力軸63と遊星ギヤ機構62との駆動態様を模式的に示す。同図12(a)に示されるように、出力軸63がHi端に到達したときに、ハウジング60aからストッパ63aに作用する方向Fへの荷重KS1が発生して出力軸63が停止する。そのため、上式(1)における積分項の増大により、デューティ比DUが増大する傾向にある。したがって、デューティ比DUが所定の閾値DUHよりも大きくなることに基づいて、出力軸63がHi端到達した旨を判断することができる。なお、この閾値DUHは、上述のLo端学習処理において設定される閾値DULよりも大きな値に設定される。
ここで、デューティ比DUが閾値DUH以下である旨判断された場合には(ステップS140:NO)、先のステップS120に戻り、出力軸63を継続してHi端側に駆動する。一方、デューティ比DUが閾値DUHよりも大きい旨判断された場合には(ステップS140:YES)、その時点のストロークカウント値をHi端に対応するストロークカウント値の初期値SmaxとしてEEPROM72cに記憶する(ステップS150)。
そして、上述のLo端学習処理におけるステップS20〜40の処理と同じ処理を実行することにより出力軸63をLo端側に駆動する。すなわち、位置カウント値Pと基準値Sgとに基づいてストロークカウント値Sを上式(5)に基づいて算出するとともに(ステップS160)、上式(6)を通じてストロークカウント値の制御目標値Stを算出して前述のデューティ比DUのフィードバック制御を実行する(ステップS170)。上式(6)における減量値Brが予め設定された正の値であるため、制御目標値Stはストロークカウント値Sよりも小さな値に設定され、アクチュエータ60においてコントロールシャフト54、換言すれば出力軸63をLo端側に付勢する駆動荷重Qが発生し、出力軸63がLo端側に変位するように駆動される。
次に、デューティ比DUに基づいて出力軸63がLo端に到達したか否かを判断する(ステップS180)。デューティ比DUが閾値DUL以下である旨判断された場合には(ステップS180:NO)、先のステップS160に戻り、出力軸63を継続してLo端側に駆動する。
一方、デューティ比DUが閾値DULよりも大きい旨判断された場合には(ステップS180:YES)、その時点のストロークカウント値SをLo端に対応するストロークカウント値の初期値SminとしてEEPROM72cに記憶し(ステップS190)、この一連の処理を終了する。
以下、図12及び図13を併せ参照して上述の初期学習処理についてその一具体例を説明する。図12は、同初期学習処理が行われる際の出力軸63の駆動態様を示す構成図であり、図13は、本実施形態に係る初期学習処理の実行に伴うバルブスプリング21による荷重K、デューティ比DU及びストロークカウント値Sの時間的な推移を示すタイミングチャートである。
図13の時刻T1において初期学習処理が開始すると、処理開始時の出力軸63の駆動位置を基準位置とし、位置カウント値P、ストロークカウント値Sの基準値Sg及び制御目標値Stが「0」に設定され(ステップS110)、ストロークカウント値Sが算出される(ステップS120)。ここで、位置カウント値P及び基準値Sgが「0」に設定されたため、ストロークカウント値Sが「0」になる。
そして、上式(7)を通じてストロークカウント値の制御目標値Stが算出されてデューティ比DUのフィードバック制御が実行され(ステップS130)、出力軸63を図12(a)の方向Rに付勢する駆動荷重Q1が発生する。これにより、出力軸63がHi端側に駆動され、ストロークカウント値Sが大きくなる。また、時間の推移に伴い、出力軸63がHi端側に駆動されるほどバルブスプリング21による荷重Kが大きくなるため、デューティ比DUが荷重Kの増大に基づいて増大するように制御される。
図13の時刻T2において出力軸63がHi端に到達すると、図12(a)に示されるように、ハウジング60aからストッパ63aに作用する方向Fへの荷重KS1が発生して出力軸63が停止し、上式(1)における積分項の増大により、デューティ比DUが増大する。時刻T3においてデューティ比DUが閾値DUHよりも大きい旨判断されると(ステップS140:YES)、その時点のストロークカウント値がHi端に対応するストロークカウント値の初期値SmaxとしてEEPROM72cに記憶される(ステップS150)。
ここで、方向Fへの荷重K,荷重KS1、及び方向Rへの駆動荷重Q1が共にそれらの最大値になるため、クリアランスH1が的確に詰まるようになる。
次に、上式(6)を通じてストロークカウント値の制御目標値Stが算出されてデューティ比DUのフィードバック制御が実行され(ステップS150)、出力軸63を図12(b)の方向Fに付勢する駆動荷重Q2が発生する。なお、デューティ比DUがアクチュエータ60における摩擦抵抗に相当する相対的に小さな値に設定され、出力軸63が主にバルブスプリング21の荷重KによりLo端側に駆動される。その結果、時間の推移に伴い出力軸63がLo端側に駆動されるほど、最大リフト量が減少するとともに、位置カウント値P及びストロークカウント値Sが減少するようになる。また、出力軸63がLo端側に駆動されるほど、バルブスプリング21の荷重Kが小さくなる一方、デューティ比DUが略一定の値に維持される。
図13の時刻T4において出力軸63がLo端に到達すると、図12(b)に示されるように、ハウジング60aからストッパ63bに作用する方向Rへの荷重KS2が発生して出力軸63が停止する。そのため、上式(1)における積分項の増大により、デューティ比DUが増大する。時刻T5においてデューティ比DUが閾値DULよりも大きい旨判断されると(ステップS180:YES)、その時点のストロークカウント値がLo端に対応するストロークカウント値の初期値SminとしてEEPROM72cに記憶される(ステップS190)。
なお、出力軸63がLo端に到達して停止したときに、上式(1)における積分項の増大によりデューティ比DUが増大し、遊星ギヤ機構62が出力軸63に対して方向Fに相対的に駆動する傾向にある。しかし、遊星ギヤ機構62と出力軸63との間に摩擦力が発生するため、デューティ比DUが所定値以上になるまでは遊星ギヤ機構62が出力軸63に対して駆動しない状態にある。ここで、上述のように閾値DULは、出力軸63がLo端に到達した状態において、クリアランスH1が詰まった状態を維持できるデューティ比DUの最大値よりも小さな値に設定されているため、クリアランスH1が詰まった状態で検出されたストロークカウント値を初期値Sminとして記憶することができる。すなわち、この初期学習処理においてコントロールシャフト54がLo端にまで駆動されたときのアクチュエータ60の実際の制御値と、上述のLo端学習処理においてコントロールシャフト54がLo端にまで駆動されたときのアクチュエータ60の実際の制御値とは同じ値になる。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)Lo端に対応するストロークカウント値の初期値Sminに係る初期学習を実行する前に、コントロールシャフト54をHi端にまで駆動するようにした。このようにアクチュエータ60によりコントロールシャフト54をHi端に駆動したときに、バルブスプリング21による荷重Kがその最大値になる。そのため、コントロールシャフト54がHi端に駆動されたときに、アクチュエータ60におけるクリアランスH1が的確に詰まるようになる。その後、コントロールシャフト54は、主にバルブスプリング21の荷重Kにより駆動され、クリアランスH1が詰まった状態を維持したままLo端に駆動されることができる。そして、コントロールシャフト54がLo端に到達したときに、クリアランスH1が詰まった状態で検出されたストロークカウント値を初期値Sminとして記憶することができる。そのため、本実施形態に係る最大リフト量初期学習処理を採用することにより、クリアランスH1が詰まっていない状態で初期値Sminを誤学習することを抑制し、動弁系に存在するクリアランスに起因した最大リフト量の学習精度の低下を抑制することができる。
(2)コントロールシャフト54がHi端に到達した後に、アクチュエータ60の駆動に対する抵抗荷重の増大に伴ってアクチュエータ60のデューティ比DUが閾値DUHよりも大きくなったときにアクチュエータ60がHi端に到達したと判断するようにした。このようにデューティ比DUが閾値DUHよりも大きくなることにより、クリアランスH1がより的確に詰まった状態になり、動弁系に存在するクリアランスに起因した最大リフト量の学習精度の低下を好適に抑制することができる。
(3)コントロールシャフト54がHi端に到達したときに、Hi端に対応するストロークカウント値の初期値Smaxを学習するようにした。これにより、クリアランスH1が詰まった状態で初期値Smaxを学習することができる。
(4)DRAM72bに対する給電が瞬断状態から復帰した後に、コントロールシャフト54をLo端にまで駆動し、Lo端学習処理を実行するようにした。これにより、車体や内燃機関の振動に起因してDRAM72bに対する給電の瞬断が発生した場合には、Lo端に対応する最大リフト量を再学習することができ、最大リフト量の制御を再開することができるようになる。また、初期学習処理においてコントロールシャフト54がLo端にまで駆動されたときのアクチュエータ60の実際の制御量と、Lo端学習処理においてコントロールシャフト54がLo端にまで駆動されたときのアクチュエータ60の実際の制御量とは同じ駆動位置になるため、ストロークカウント値Sを正確に再設定することができ、最大リフト量の制御を好適に再開することができるようになる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、不揮発性メモリ(DRAM72b)に記憶された位置カウント値Pと基準値Sgとに基づいてストロークカウント値Sを算出し、これに基づいて吸気バルブ20の最大リフト量を検出するようにしている。これに限らず、例えば吸気バルブ20の近傍に設けられたリフト量センサによりその最大リフト量を直接検出する動弁系等、他の動弁系においても、本発明に係る最大リフト量初期学習方法を採用することができる。ちなみに、上記実施形態において、Lo端学習処理を実行するときに、初期値Sminの初期学習の学習精度低下に起因する悪影響について説明したが、このLo端学習処理に限らず、例えば機関運転中に初期値Sminに基づく他の制御を実行する場合においても、初期値Sminを正確に把握することが重要となる。
・上記実施形態では、最大リフト量初期学習処理において、初期値Sminを学習するのに先立ちコントロールシャフト54をHi端にまで駆動したときに、Hi端に対応するストロークカウント値Sの初期値Smaxを学習するようにしている。例えば別の処理を通じて初期値Smaxを学習する場合には、初期値学習処理において初期値Smaxの学習を割愛してもよい。
・上記実施形態では、アクチュエータ60のデューティ比DUが閾値DUL,DUHよりも大きくなったことに基づいてコントロールシャフト54がLo端,Hi端に到達した旨判断するようにしている。これに限らず、例えばストッパ63a,63bとハウジング60aとの接触を直接検出するセンサをLo端,Hi端に配置する構成を採用することもできる。
・上記実施形態では、吸気バルブ20の最大リフト量をフィードバック制御する内燃機関の動弁系に本発明を適用する場合について例示したが、排気バルブ10の最大リフト量をフィードバック制御する動弁系においても、基本的に同様の態様をもって本発明を適用することができる。
この発明の一実施形態にかかる内燃機関の動弁系についてその一部断面構造を示す断面図。 同実施形態にかかる内燃機関の動弁系についてその配設態様を示す平面図。 同実施形態の仲介駆動機構についてその内部構造を示す破断斜視図。 同実施形態のアクチュエータの構造を主に示す部分断面図。 (a),(b)同実施形態のアクチュエータにおける各部材の係合部、特に遊星ギヤ機構の各ギヤ間の噛合部に存在するクリアランスの態様を模式的に示す構成図。 (a)〜(h)同実施形態の各センサの出力波形及び各カウントのカウント値が推移するパターン変化を示すタイミングチャート。 (a),(b)同実施形態の各センサの出力信号と電気角カウント及び位置カウントとの関係を示す図。 同実施形態に係るLo端学習についてその処理手順を示すフローチャート。 同Lo端学習処理において出力軸がLo端に到達した際におけるその出力軸と遊星ギヤ機構との駆動態様を模式的に示す構成図。 同Lo端学習処理の実行に伴うバルブスプリングによる荷重K及びデューティ比DUの時間的な推移を示すタイミングチャート。 同実施形態に係る最大リフト量初期学習についてその処理手順を示すフローチャート。 (a),(b)同初期学習処理において出力軸がHi端,Lo端に到達した際における出力軸と遊星ギヤ機構との駆動態様を模式的に示す構成図。 同初期学習処理の実行に伴うバルブスプリングによる荷重K、デューティ比DU及びストロークカウント値Sの時間的な推移を示すタイミングチャート。 従来の動弁系におけるアクチュエータとコントロールシャフトとの連結態様を模式的に示す構成図。 (a),(b)従来の動弁系のコントロールシャフトと出力軸との係合部に存在するクリアランスの態様を模式的に示す構成図。
符号の説明
A…アクチュエータ、A1…出力軸、C…コイル、CT…コントロールシャフト、S1,S2…位置センサ、D1〜D3…電気角センサ、ST1,ST2…ストッパ、2…シリンダヘッド、10…排気バルブ、11…バルブスプリング、12…ラッシュアジャスタ、13…ロッカーアーム、13a…ローラ、14…排気カムシャフト、15…カム、16…リテーナ、20…吸気バルブ、21…バルブスプリング、22…ラッシュアジャスタ、23…ロッカーアーム、23a…ローラ、24…吸気カムシャフト、25…カム、26…リテーナ、50…仲介駆動機構、51…入力部、51a…ローラ、51h…ヘリカルスプライン、52…出力部、52h…ヘリカルスプライン、53…支持パイプ、53a…長孔、54…コントロールシャフト、55…スライダギア、55a…ヘリカルスプライン、55b…ヘリカルスプライン、55c…溝、56…ブッシュ、56a…貫通孔、57…係止ピン、60…アクチュエータ、60a…ハウジング、61…モータ、61a…ステータ、61b…ロータ、62……遊星ギヤ機構、63…出力軸、63a,63b…ストッパ、64…遊星ギヤ、65…ローラナット、66…ベアリング、68…連結部材、70…マイクロコンピュータ、71…中央演算処理装置(CPU)、72a…不揮発性メモリ(ROM)、72b…揮発性メモリ(DRAM)、72c…不揮発性メモリ(EEPROM)、74…アクセルセンサ、75…クランク角センサ、90…排気動弁装置、100…吸気動弁装置。

Claims (5)

  1. 軸方向に沿って第1機械的限界位置と第2機械的限界位置との間で往復動することにより機関バルブの最大リフト量を変更するコントロールシャフトと、該コントロールシャフトに連結され、同コントロールシャフトをその軸方向に駆動するアクチュエータと、前記アクチュエータの制御量に基づいて前記機関バルブの最大リフト量を検出する検出手段とを備え、前記機関バルブのバルブスプリングは前記コントロールシャフトが前記第1機械的限界位置側に位置するときほど同コントロールシャフトを前記第2機械的限界位置側に付勢する荷重が増大する動弁系に適用され、前記コントロールシャフトを前記第2機械的限界位置に駆動し、同コントロールシャフトが前記第2限界位置に到達した際に前記アクチュエータの制御値に基づいて検出された最大リフト量を前記第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値として学習する動弁系の最大リフト量初期学習方法において、
    前記第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値を学習するのに先立ち前記アクチュエータにより前記コントロールシャフトを前記第1機械的限界位置にまで駆動する
    ことを特徴とする動弁系の最大リフト量初期学習方法。
  2. 請求項1に記載の動弁系の最大リフト量初期学習方法において、
    前記アクチュエータの駆動に対する抵抗荷重が大きいほど該アクチュエータの駆動荷重を増大させることにより前記コントロールシャフトを前記第1機械的限界位置に作動させ、前記駆動荷重が所定の閾値よりも大きい旨判断したときに、前記アクチュエータが前記第1機械的限界位置に到達したと判断する
    ことを特徴とする動弁系の最大リフト量初期学習方法。
  3. 請求項1又は2に記載の動弁系の最大リフト量初期学習方法において、
    前記コントロールシャフトが前記第1機械的限界位置に到達したと判断した際のアクチュエータの制御量に基づいて検出された最大リフト量を前記第1機械的限界位置に対応する最大リフト量の初期値として学習する
    ことを特徴とする動弁系の最大リフト量初期学習方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の動弁系の最大リフト量初期学習方法において、
    前記検出手段は、前記アクチュエータの制御量について所定の基準値からの変更量を検出してメモリに記憶し、前記メモリに記憶された変更量と前記基準値とに基づいて前記アクチュエータの制御量を算出する
    ことを特徴とする動弁系の最大リフト量初期学習方法。
  5. 請求項4に記載の動弁系の最大リフト量初期学習方法において、
    前記メモリは揮発性のメモリであり、
    前記メモリに対する給電が一時的な停止状態から復帰した後に、前記アクチュエータにより前記コントロールシャフトを前記第2機械的限界位置に駆動し、同コントロールシャフトが停止したときの前記制御値を前記第2機械的限界位置に対応する最大リフト量の前記初期値に基づいて再学習する
    ことを特徴とする動弁系の最大リフト量初期学習方法。
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