JP2008286172A - 可変動弁機構の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異物の噛み込み等に起因して絶対位置が誤学習されたことを判定することのできる可変動弁機構の制御装置を提供する。
【解決手段】可変動弁機構の制御装置は、ブラシレスモータ60によりコントロールシャフト54がストッパ3a,3bによって規制されるLo端からHi端までの可動範囲内で駆動されることにより、内燃機関のバルブ特性を変更し、所定の学習条件が成立したときにコントロールシャフト54をLo端に変位させてLo端に到達した旨が判断されたときの絶対位置を学習する。可変動弁機構の制御装置は、コントロールシャフト54をLo端及びHi端にそれぞれ変位させたときに学習した絶対位置同士の距離が所定の判定値よりも小さいときに、Lo端及びHi端の少なくとも何れかの絶対位置が誤学習されたと判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関のバルブ特性を変更する可変動弁機構の制御装置に関する。
内燃機関の吸気バルブのバルブ特性を機関運転状態に応じて変更するための機構として、例えば特許文献1に記載される可変動弁機構がある。この特許文献1に記載の可変動弁機構は、軸線方向でノーズ高さの変化する3次元カムが設けられたカムシャフト(制御軸)をアクチュエータによって軸線方向に駆動することにより機関バルブの最大リフト量を変更している。したがって、こうした可変動弁機構にあっては、カムシャフトの位置を高い精度で制御することが最大リフト量を機関運転状態に適した量とする上で重要となる。
ここで、カムシャフト(制御軸)の位置を検出するための手法としては種々の方法が提案されているが、例えば可変動弁機構にカムシャフトの位置を検出するためのセンサを設けるとともに、同センサの出力に基づいてカムシャフトの位置、換言すれば吸気バルブの最大リフト量を検出する方法がある。しかし、このような方法では、センサの初期取付け位置のばらつき、センサ毎の出力のばらつき、あるいは温度変化等に起因するセンサ特性の変化により、検出されるセンサ出力に基づいて算出されるカムシャフトの位置と実際の位置とにずれが生じ、カムシャフトの位置を正確に検出することができない。
そこで、特許文献2に記載の動弁系の制御装置にあっては、ストッパにより規制される可動範囲内において所定の基準位置を記憶するとともに、この記憶された基準位置からの変位量をセンサにより検出している。そして、この変位量と基準位置とに基づいて制御軸の絶対位置を算出し、これが目標位置と一致するようにアクチュエータを制御している。また、この装置では、所定の学習条件が成立したときに、制御軸を可動範囲の端まで変位させるとともに、同制御軸が可動範囲の端に達した旨が判断されたときにその絶対位置を学習し、その時点に算出される制御軸の位置を学習された絶対位置に更新するようにしている。これにより、例えばセンサ特性の変化等に起因して算出される制御軸の位置とその実際の位置との間にずれが生じた場合であっても、算出される制御軸の位置と実際の位置とを一致させることができる。
特開2003−41977号公報 特開2002−349215号公報
ところで、上記特許文献2に記載の装置は、制御軸を可動範囲の端まで変位させるときに、同制御軸をストッパに機械的に突き当てるようにしている。そして、制御軸が停止したとき、すなわち上記センサ出力に基づいて算出される制御軸の位置が変化しなくなったときに絶対位置の学習が行われる。ここで、例えば制御軸やこれを駆動するための各種機構において異物の噛み込み等が発生した場合、制御軸が可動範囲の端まで到達していないにもかかわらず制御軸が停止することがある。このような場合であっても、センサ出力に基づいて算出される制御軸の位置が変化しなくなるため、制御軸が可動範囲の端に到達した旨が判断されて絶対位置の学習が行われることとなる。その結果、誤学習された絶対位置に基づいて制御軸の制御が行われるため、可変動弁機構の制御特性が不適切となるおそれがある。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異物の噛み込み等に起因して絶対位置が誤学習されたことを判定することのできる可変動弁機構の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、規制部材によって規制される可動範囲内で駆動される制御軸と、前記制御軸を駆動するアクチュエータとを有し、同アクチュエータによる前記制御軸の駆動を通じて内燃機関のバルブ特性を変更する可変動弁機構に適用されて、基準位置と同基準位置からの前記制御軸の変位量とに基づいて同制御軸の絶対位置を算出し、所定の学習条件が成立したときに前記制御軸を前記可動範囲の端まで変位させるとともに同制御軸が同可動範囲の端に到達した旨が判断されたときの絶対位置を学習する可変動弁機構の制御装置において、前記制御軸を前記可動範囲の一端まで変位させたときに学習した絶対位置と他端まで変位させたときに学習した絶対位置との距離が所定の判定値よりも小さいときに少なくとも何れかの前記絶対位置が誤学習されたと判定する判定手段を備えることを要旨とする。
制御軸が可動範囲の端に到達していないにもかかわらず、異物の噛み込み等により制御軸が可動範囲の端に到達した旨が判断された場合には、可動範囲の両端でそれぞれ学習された絶対位置間の距離が規制部材によって規制される可動範囲よりも短くなる。
上記構成によれば、制御軸を可動範囲の一端まで変位させたときに学習した絶対位置と他端まで変位させたときに学習した絶対位置との距離が所定の判定値よりも小さいときに少なくとも何れかの絶対位置が誤学習されたと判定するため、そうした場合に絶対位置が誤学習されたことを判定することかできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記判定手段により前記絶対位置が誤学習されたと判定されたとき、前記制御軸を前記可動範囲の一端まで変位させて絶対位置を学習するとともに他端まで変位させて絶対位置の学習を行う再学習手段を備えることを要旨とする。
判定手段により絶対位置が誤学習されたと判定されたときには、可動範囲の両端における少なくとも何れかにおいて絶対位置の誤学習がなされた可能性がある。
この点、上記構成によれば、判定手段により絶対位置が誤学習されたと判定されたとき、制御軸を可動範囲の一端まで変位させて絶対位置を学習するとともに他端まで変位させて絶対位置の学習を行うため、可動範囲の両端の何れで誤学習がなされたとしても、それを補正する機会を設けることができる。
具体的には、請求項3に記載されるように、前記判定値は、前記規制部材によって規制される前記可動範囲の測定値に基づいて設定されるといった態様を採用することができる。なお、この判定値は、絶対位置の学習時に発生するばらつきを考慮して設定することが望ましい。
以下、本発明を車両に搭載される内燃機関の可変動弁機構の制御装置に適用した一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。ここで、図1は、車両に搭載される内燃機関の可変動弁機構の一部断面構造を示す断面図であり、図2は、内燃機関の可変動弁機構の配設態様を示す平面図である。
図1及び図2に示されるように、内燃機関は4つの気筒(図1では1つのみを表示)を有しており、そのシリンダヘッド2にはこれら気筒に対応した一対の排気バルブ10と吸気バルブ20とが往復動可能にそれぞれ設けられている。また、シリンダヘッド2には、それら排気バルブ10と吸気バルブ20とに対応して排気弁開閉装置90と吸気弁開閉装置100とがそれぞれ設けられている。
排気弁開閉装置90には、各排気バルブ10に対応してラッシュアジャスタ12が設けられるとともに、このラッシュアジャスタ12と排気バルブ10との間にはロッカーアーム13が架設されている。ロッカーアーム13は、その基端がラッシュアジャスタ12に支持されるとともに先端が排気バルブ10の基端部に当接されている。また、シリンダヘッド2には、排気カムシャフト14が回転可能に支持されており、この排気カムシャフト14は、機関出力軸の回転に連動して回転される。排気カムシャフト14には複数のカム15が形成されるとともに、それらカム15の外周面にはロッカーアーム13の中間部分に設けられたローラ13aが当接されている。排気バルブ10にはリテーナ16が設けられるとともに、このリテーナ16とシリンダヘッド2との間にはバルブスプリング11が設けられている。なお、このバルブスプリング11の付勢力によって排気バルブ10は閉弁方向に付勢されている。そして、これにより、ロッカーアーム13のローラ13aはカム15の外周面に押圧されている。機関運転時にカム15が回転すると、ロッカーアーム13はラッシュアジャスタ12により支持される部分を支点として揺動する。その結果、排気バルブ10はロッカーアーム13によって開閉駆動されるようになる。なお、排気バルブ10の開度、すなわちリフト量の増大に伴ってバルブスプリング11が圧縮され、バルブスプリング11による排気弁開閉装置90の作動に対する反力が増大する。
一方、吸気弁開閉装置100には、排気側と同様にバルブスプリング21、吸気バルブ20に設けられたリテーナ26、ロッカーアーム23及びラッシュアジャスタ22が設けられている。シリンダヘッド2には、複数のカム25が形成された吸気カムシャフト24が回転可能に支持されており、この吸気カムシャフト24も、機関出力軸の回転に連動して回転される。ここで、排気弁開閉装置90とは異なり、吸気弁開閉装置100には、カム25とロッカーアーム23との間に仲介駆動機構50が設けられている。この仲介駆動機構50は入力部51と一対の出力部52とを有しており、これら入力部51及び出力部52はシリンダヘッド2に固定された支持パイプ53に揺動可能に支持されている。ロッカーアーム23は、ラッシュアジャスタ22及びバルブスプリング21の付勢力によって出力部52側に付勢され、同ロッカーアーム23の中間部分に設けられたローラ23aが出力部52の外周面に当接されている。これにより、入力部51が出力部52とともに左回り方向W1に揺動付勢され、入力部51においてその径方向に延出した部分の先端に設けられたローラ51aがカム25の外周面に押圧される。
こうした吸気弁開閉装置100では、機関運転時にカム25が回転すると、同カム25はローラ51aに摺接しつつ入力部51を押圧し、これにより出力部52が支持パイプ53の周方向に揺動するようになる。そして出力部52が揺動すると、ロッカーアーム23はラッシュアジャスタ22により支持される部分を支点として揺動する。その結果、吸気バルブ20はロッカーアーム23によって開閉駆動されるようになる。なお、吸気バルブ20の開度、すなわちリフト量の増大に伴ってバルブスプリング21が圧縮され、同バルブスプリング21による吸気弁開閉装置100の作動に対する反力が増大する。
また、支持パイプ53には、その軸方向に沿って制御軸としてのコントロールシャフト54が駆動可能に挿入されている。このコントロールシャフト54は、連結部材を介して入力部51及び出力部52に駆動連結されている。コントロールシャフト54がその軸方向に沿って駆動すると、それら入力部51及び出力部52が相対的に揺動するようになる。次に、図3を参照してコントロールシャフト54と入力部51,出力部52とを連結する仲介駆動機構50について詳述する。尚、図3は仲介駆動機構50の内部構造を示す一部破断斜視図である。
図3に示されるように、入力部51は一対の出力部52の間に設けられており、これら入力部51と出力部52との内部には略円筒状の連通空間が形成されている。また、入力部51の内周面にはヘリカルスプライン51hが形成されるとともに、出力部52の内周面には入力部51のヘリカルスプライン51hとその歯すじが逆向きに傾斜するヘリカルスプライン52hが形成されている。
入力部51と出力部52との内部に形成された空間には、略円筒状のスライダギア55が設けられている。このスライダギア55の外周面の中央部分には、入力部51のヘリカルスプライン51hに噛合するヘリカルスプライン55aが形成されるとともに、その外周面の両端部には出力部52のヘリカルスプライン52hに噛合するヘリカルスプライン55bが形成されている。
また、この略円筒状のスライダギア55の内壁には、その周方向に沿って延伸する溝55cが形成されており、この溝55cにはブッシュ56が嵌合されている。なお、このブッシュ56は、溝55cの伸びる方向に沿って同溝55cの内周面を摺動することができるが、スライダギア55に対するその軸方向の相対変位は溝55cによって規制されている。
そして、支持パイプ53はスライダギア55の内部に形成された貫通空間に挿入されるとともに、コントロールシャフト54はその支持パイプ53に挿入されている。また、支持パイプ53の管壁にはその軸方向に延伸する長孔53aが形成されている。スライダギア55とコントロールシャフト54との間には、長孔53aを通じてこれらスライダギア55とコントロールシャフト54とを連結する係止ピン57が設けられている。この係止ピン57の一端がコントロールシャフト54に形成された凹部(図示略)に挿入されるとともに、他端がブッシュ56に形成された貫通孔56aに挿入されている。
こうした仲介駆動機構50にあって、コントロールシャフト54がその軸方向に沿って変位すると、これに連動してスライダギア55が軸方向に変位する。スライダギア55の外周面に形成されたヘリカルスプライン55a,55bは、入力部51及び出力部52の内周面に形成されたヘリカルスプライン51h、52hとそれぞれ噛合されているため、スライダギア55がその軸方向に変位すると、入力部51と出力部52とは逆の方向に回転する。その結果、入力部51と出力部52との相対位相差が変更され、吸気バルブ20の最大リフト量が変更される。
ここで、先の図2に示されるように、コントロールシャフト54の基端部(図中右端部)には、コントロールシャフト54を駆動するアクチュエータとしてブラシレスモータ60が設けられており、このブラシレスモータ60は、マイクロコンピュータ70に接続されている。マイクロコンピュータ70は、ブラシレスモータ60を駆動制御することにより吸気バルブ20の最大リフト量を機関運転状態に応じた目標リフト量と一致するようにフィードバック制御する。以下、このマイクロコンピュータ70による最大リフト量のフィードバック制御について、図4〜図6を参照して説明する。ここで、図4は、コントロールシャフト54、ブラシレスモータ60及びマイクロコンピュータ70を示すブロック図であり、図5は、各センサの出力波形及び各カウント値の推移態様を示すタイムチャートである。
図4に示されるように、コントロールシャフト54の基端部は、変換機構61を介してブラシレスモータ60の出力軸60aに連結されている。この変換機構61は、出力軸60aの回転運動をコントロールシャフト54の軸方向への直線運動に変換するためのものである。すなわち、出力軸60aを正・逆回転させると、その回転が変換機構61によってコントロールシャフト54の往復動に変換される。また、コントロールシャフト54には、係止部54aが形成されるとともに、内燃機関のシリンダヘッドカバー3には、この係止部54aが当接可能な2つのストッパ3a,3bが形成されている。コントロールシャフト54は、これらストッパ3a,3bに係止部54aが当接するようになる2つの駆動限界位置の間(可動範囲)において駆動可能となっている。すなわち、これらストッパ3a,3b及び係止部54aが規制部材を構成している。
ここで、コントロールシャフト54の係止部54aがストッパ3aに当接する駆動限界位置、すなわちその作動範囲の機械的上限位置(以下「Hi端」と称する)に駆動したときに、最大リフト量がその設計最大値Bhiになる。一方、コントロールシャフト54の係止部54aがストッパ3bに当接する駆動限界位置、すなわちその作動範囲の機械的下限位置(以下「Lo端」と称する)に駆動したときに、最大リフト量がその設計最小値Bloになる。
ブラシレスモータ60には、3つの電気角センサD1〜D3と、これら電気角センサD1〜D3に対応して出力軸60aと一体回転する8極の多極マグネット(図示略)とが設けられている。これら電気角センサD1〜D3は、8極の多極マグネットの磁気に応じて図5(a)〜(c)に示されるようなパルス状の信号、すなわち論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とを交互に出力する。なお、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、3つの電気角センサD1〜D3は出力軸60aの周方向において120°毎に配置されている。したがって、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸60aの45°回転毎に発生している。また、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つからのパルス信号は、他の電気角センサからのパルス信号に対し、出力軸60aの30°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
また、ブラシレスモータ60には、ロータリーエンコーダとして機能する2つの位置センサS1,S2と、これら位置センサS1,S2に対応して出力軸60aと一体回転する48極の多極マグネット(図示略)とが設けられている。これら位置センサS1,S2は、48極の多極マグネットの磁気に応じて図5(d)及び(e)に示されるようなパルス状の信号、すなわち論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」とを交互に出力する。なお、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、位置センサS1は出力軸60aの周方向において位置センサS2から176.25°を隔てて配置されている。したがって、位置センサS1,S2のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸60aの7.5°回転毎に発生している。また、位置センサS2からのパルス信号は、位置センサS1からのパルス信号に対し、出力軸60aの3.75°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
ここで、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ間隔が15°であるのに対し、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジ間隔は3.75°となっている。したがって、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ発生から次回のエッジ発生までには、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジが4回発生するようになっている。
これら電気角センサD1〜D3及び位置センサS1,S2によって出力されたパルス信号はマイクロコンピュータ70に取り込まれる。このマイクロコンピュータ70は、プログラムによって数値計算や情報処理等を行う中央演算処理装置(CPU)71を備えている。さらに、マイクロコンピュータ70は、各種の制御に必要なプログラムやデータを記憶する不揮発性メモリ(ROM)72a、入力データや演算結果を一時的に記憶する揮発性メモリ(DRAM)72b、学習制御により得られた基準位置等を記憶する書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROM)72cを備えている。なお、周知のように、マイクロコンピュータ70がデータをDRAM72bのアドレスに記憶するとき、そのアドレスに対応する各メモリセルに対して充電・放電を行うことにより、各メモリセルに対応するビットのビットデータの値が「1」又は「0」になる。すなわち、電荷が蓄積されているメモリセルに対応するビットのビットデータの値が「1」になる一方、電荷が蓄積されていないメモリセルに対応するビットのビットデータの値が「0」になる。
また、マイクロコンピュータ70には、車両のアクセルペダルの開度を検出するアクセルセンサ73や、内燃機関のクランクシャフトの回転位相を検出するクランク角センサ74等、機関の運転状態を検出するセンサが接続されている。マイクロコンピュータ70は、機関の運転状態に基づき吸気バルブ20の最大リフト量の制御目標値を設定するとともに、上述した電気角センサD1〜D3及び位置センサS1,S2によって出力されたパルス信号に基づいて吸気バルブ20の最大リフト量の実際値を検出する。以下、吸気バルブ20の最大リフト量の実際値を検出する手順について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。
ここで、図5(a)〜(e)は、上述したようにブラシレスモータ60の出力軸60aの回転時に電気角センサD1〜D3、及び位置センサS1,S2から出力するパルス信号の波形を示している。そして図5(f)〜(h)は、ブラシレスモータ60の回転時における回転角の変化に対し、それぞれ電気角カウント値E、位置カウント値P、及びストロークカウント値Sが推移するパターンを示している。また、図6(a)は、電気角センサD1〜D3の出力信号のパターンと電気角カウント値Eとの対応関係を示すとともに、図6(b)は、位置センサS1,S2の出力信号のエッジが発生するときに位置カウント値Pが増減する態様を示している。
まず、各カウント値について説明する。
[電気角カウント値E]
電気角カウント値Eは、電気角センサD1〜D3のパルス信号に基づいて設定され、ブラシレスモータ60の回転位相を表す。具体的には、図6(a)に示されるように、各電気角センサD1〜D3から各々論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」との何れが出力されているかに応じて、電気角カウント値Eに「0」〜「5」範囲内の連続した整数値のうちの何れかに設定されてDRAM72bに記憶される。マイクロコンピュータ70は、DRAM72bに記憶された電気角カウント値Eに基づきブラシレスモータ60の回転位相を検出し、同ブラシレスモータ60の通電相を切り替えてブラシレスモータ60を正・逆回転する。ここで、ブラシレスモータ60の正回転時には、電気角カウント値Eは「0」→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「0」といった順序で順方向に変化する。一方、ブラシレスモータ60の逆回転時には、電気角カウント値E「5」→「4」→「3」→「2」→「1」→「0」→「5」といった順序で逆方向に変化する。
[位置カウント値P]
位置カウント値Pは、内燃機関が始動した後に、コントロールシャフト54が機関始動時における基準位置から変位した量、換言すれば吸気バルブ20の最大リフト量について機関始動時における基準値からの変更履歴を表す。具体的には、図6(b)に示すように、位置センサS1,S2のうち、一方のセンサからパルス信号の立ち上がりエッジ及び立ち下りエッジの何れが生じているか、及び他方のセンサから論理ハイレベル信号「H」と論理ローレベル信号「L」との何れが出力されているかに応じて、位置カウント値Pに対し「+1」と「−1」との何れかが加算される。なお、同図6(b)において、「↑」はパルス信号の立ち上がりエッジを表し、「↓」はパルス信号の立下りエッジを表している。こうした処理を実行して得られる位置カウント値Pは、各位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジを計数した値になる。
ここで、ブラシレスモータ60の正回転中であれば、位置カウント値Pは、図5(d)及び(e)に示される位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ加算され、図5(g)に示されるパターンに沿って矢印Aに示す方向に推移するようになる。一方、ブラシレスモータ60の逆回転中であれば、位置カウント値Pは、上記パルス信号のエッジ毎に「1」ずつ減算され、図5(g)に示されるパターンに沿って矢印Bに示す方向に推移するようになる。なお、この位置カウント値Pは、内燃機関の運転が停止すると、「0」にリセットされる。したがって、位置カウント値Pは、コントロールシャフト54が機関始動時の基準位置に対してどれだけ変化したか、換言すれば機関運転の吸気バルブ20の最大リフト量が機関始動時の初期値に対してどれだけ変化したかを表す。また、位置カウント値Pは、吸気弁開閉装置100の駆動に基づいて迅速に加減算する必要があるため、DRAM72bに記憶される。
[ストロークカウント値S]
ストロークカウント値Sは、コントロールシャフト54をLo端に変位させたときの位置を基準位置とした同コントロールシャフト54の変位量、すなわちコントロールシャフト54の絶対位置を示すものであり、換言すれば最大リフト量の実際値を表す。すなわち、ストロークカウント値Sの初期設定として、コントロールシャフト54をLo端に変位させたとき、マイクロコンピュータ70はストロークカウント値Sを「0」に設定する。マイクロコンピュータ70は、位置カウント値Pをストロークカウント値Sに加算し、ストロークカウント値Sをこの加算された値に更新される。なお、機関停止が完了し、吸気弁開閉装置100の駆動が停止されたときのストロークカウント値Sの最終値が次回機関運転の開始時の基準値Sgとして学習されてEEPROM72cに記憶される。そして、マイクロコンピュータ70は、EEPROM72cに記憶された基準値SgとDRAM72bに記憶された位置カウント値Pとに基づきコントロールシャフト54の絶対位置を示すストロークカウント値Sを以下の式(1)に基づいて算出し、換言すれば最大リフト量の実際値が算出することとなる。
S←Sg+P …(1)
したがって、マイクロコンピュータ70は、ブラシレスモータ60を駆動制御することにより、このようにして算出される最大リフト量の実際値と機関運転状態に基づいて設定された制御目標値との乖離が小さくなるようにフィードバック制御する。これにより、吸気バルブ20の最大リフト量を機関運転状態に適した値に変更し、内燃機関の燃費や出力の向上を図ることができるようになる。
ところで、位置センサS1,S2のセンサ特性の変化等により位置カウント値Pの検出値とその実際値との偏差が発生すると、ストロークカウント値Sの算出値とその実際値との偏差が発生し、上述した最大リフト量のフィードバック制御を正確に実行できなくなるおそれがある。
もっともこの場合には、以下のLo端学習を実行することによりこうした偏差による悪影響を抑えることができる。すなわち、例えば位置センサS1,S2のセンサ特性の変化が検出されたとき等、所定の学習条件が成立したときに、コントロールシャフト54をLo端側まで変位させる。そして、同コントロールシャフト54が停止したとき、すなわち位置センサS1,S2の出力に基づいて算出される同コントロールシャフト54の位置が変化しなくなったときにLo端に達した旨が判断され、その絶対位置を学習する。すなわち、その時点のストロークカウント値SをROM72aに記憶されたLo端に対応するストロークカウント値(本実施形態では「0」)に直ちに更新する。そして、更新されたストロークカウント値Sと基準値Sgとに基づき以下の式(2)を通じて位置カウント値Pを更新する。
P←S−Sg …(2)
これにより、位置センサS1,S2のセンサ特性の変化が生じた場合であっても、位置センサS1,S2の出力に基づいて算出されるコントロールシャフト54の位置と実際の位置とを一致させることができる。
ここで、例えばコントロールシャフト54やこれを駆動するためのブラシレスモータ60や変換機構61などの各種機構において異物の噛み込み等が発生した場合、コントロールシャフト54がLo端まで到達していないにもかかわらず同コントロールシャフト54が停止することがある。このようにコントロールシャフト54がLo端まで到達することなく停止した場合であっても、その時点で位置センサS1,S2の出力に基づいて算出されるコントロールシャフト54の位置が変化しなくなるため、コントロールシャフト54がLo端に達した旨が判断されて、その時点でのストロークカウント値Sを「0」に設定する学習が行われる。そのため、誤学習された絶対位置に基づいてコントロールシャフト54の制御が行われるため、可変動弁機構の制御特性が不適切となるおそれがある。
そこで、本実施形態では、マイクロコンピュータ70が、判定手段として、所定の学習条件が成立したときに、コントロールシャフト54をLo端及びHi端のそれぞれに変位させるとともにこれら各可動範囲の端における絶対位置を学習し、各絶対位置の距離が所定の判定値よりも小さいときに少なくとも何れかの絶対位置が誤学習されたと判定する。すなわち、コントロールシャフト54をLo端及びHi端に駆動制御しても、上述した異物の噛み込み等によりコントロールシャフト54がLo端やHi端に到達していない場合には、コントロールシャフト54の可動範囲がストッパ3a,3bによって規制される可動範囲よりも短くなる。したがって、上記のようにLo端及びHi端のそれぞれにおいて学習された絶対位置の距離が上記所定の判定値よりも短いときに少なくとも何れかの絶対位置が誤学習されたと判定するようにしている。具体的に、本実施形態では、コントロールシャフト54をLo端まで変位させたときに学習したストロークカウント値SLと、Hi端まで変位させたときに学習したストロークカウント値SHとの差の絶対値|SH−SL|が所定の判定値SAよりも小さいときに、Lo端及びHi端の少なくとも何れかにおいて絶対位置が誤学習されたと判定する。これにより、Lo端学習の際にコントロールシャフト54がLo端まで変位することなく停止して絶対位置が誤学習された場合には、絶対位置が誤学習されたと判定することができる。なお、この誤学習の判定基準となる上記所定の判定値は、例えばストッパ3a,3bによって規制されるコントロールシャフト54の駆動限界位置の間(可動範囲)の測定値に基づいて設定されるとともに、絶対位置の学習時に発生するばらつきを考慮した上で設定される。
また、本実施形態では、マイクロコンピュータ70が、再学習手段として、上記絶対位置が誤学習されたと判定されたとき、コントロールシャフト54を再度Lo端及びびHi端のそれぞれに変位させてこれら可動範囲の端における絶対位置を学習するようにしている。すなわち、絶対位置が誤学習されたと判定されるときには、可動範囲の端における何れかにおいて絶対位置が誤学習されていると考えられるため、このようにLo端及びHi端の各可動範囲の端において再学習を行うことにより、Lo端及びHi端の何れで誤学習がなされたとしても、それを補正する機会を設けることができる。
以下、図7のフローチャートと図8のコントロールシャフト54の絶対位置の変位を示すタイムチャートを参照して、本実施形態にかかる可変動弁機構の制御装置が行う上記誤学習の判定及び再学習の手順について説明する。図7に示される一連の処理は、例えば位置センサS1,S2のセンサ特性の変化が検出されたとき等、Lo端学習を行う必要が生じた際に、マイクロコンピュータ70により実行される。なお、この処理は、Lo端学習のタイミングとは無関係に例えば所定の制御周期をもって繰り返し実行されるようにしてもよい。
まず、図7に示すように、ステップS11において、学習条件が成立しているか否か、具体的には学習条件フラグが「オン」であるか否かが判定される。学習条件フラグは、例えば上述したように位置センサS1,S2のセンサ特性が変化したとき等、Lo端学習の条件が成立したときに、この誤学習の判定処理とは別の処理を通じて「オン」に設定される。すなわち、コントロールシャフト54をLo端に変位させるLo端学習においては、吸気バルブ20の最大リフト量が設計最小値Bloとなるため、Lo端学習の条件として、現在の機関運転状態が最大リフト量をこの設計最小値Bloに設定しても内燃機関の運転にさほど影響がない燃料カット中であるか否かが判定される。なお、コントロールシャフト54をHi端に変位させるHi端学習では、最大リフト量が設計最大値Bhiとなるものの、気筒に吸入される空気量は吸気通路に設けられるスロットルバルブの開度調整によっても調整可能であるため、基本的にどのような運転状態においてもHi端学習を行うことができる。したがって、この学習条件フラグは、燃料カットが実行されているLo端学習の条件が成立しているときに、学習条件が成立しているものと判定して「オン」に設定される。
そして、ステップS11において、この学習条件フラグが「オフ」である場合には、学習条件が成立しないと否定判定がなされてエンドに移り、この一連の処理を一旦終了し、学習条件フラグが「オン」である場合には所定の学習条件が成立したと肯定判定がなされて、ステップS12に移る。
ステップS12においては、コントロールシャフト54をLo端及びHi端に駆動制御し、それぞれの絶対位置をストロークカウント値SL,SHとして記憶する。そして、ステップS13において、上記Lo端及びHi端のそれぞれにおけるストロークカウント値Sの差|SH−SL|が予め設定した所定の判定値SAよりも小さいか否かを判定する。そして、ステップS13において、この差|SH−SL|が所定の判定値SA以上であればエンドに移ってこの一連の処理を一旦終了し、この差|SH−SL|が所定の判定値SAよりも小さいと判定されるときは、ステップS14に移ってLo端及びHi端の少なくとも何れかの可動範囲の端において絶対位置が誤学習されたと判定する。
ここで、ステップS11〜S14の処理を図8のタイムチャートに基づいて説明すると以下のようになる。まず、コントロールシャフト54が例えば点aに示す絶対位置にあるときに、ステップS11において学習条件が成立したと判定される。そして、ステップS12において、コントロールシャフト54がLo端側に駆動されて点bに示す位置で停止するとストロークカウント値SL1が算出され、Hi端側に駆動されて点cに示す位置で停止するとストロークカウント値SH1が算出される。そして、図8に示す例では、コントロールシャフト54をLo端側に駆動した際にLo端に達することなく同コントロールシャフト54が停止しているため、ステップS13において、このストロークカウント値の差|SH1−SL1|が所定の判定値SAよりも小さいと判定され、ステップS14に移り何れかの絶対位置が誤学習されたと判定される。
そして、このように何れかの可動範囲の端において絶対位置が誤学習されたと判定されると、図7のステップS15以降において、コントロールシャフト54を再度Lo端及びびHi端のそれぞれに変位させてこれら可動範囲の端における絶対位置を学習する再学習が行われる。
すなわち、ステップS15においては、先のステップS11と同様に、Lo端学習の条件が成立していることを示す学習条件フラグが「オン」であるかが判定され、学習条件フラグが「オン」となるまで、このステップS15が繰り返され、学習条件フラグが「オン」となると、ステップS16に移る。ステップS16では、ステップS12と同様に、コントロールシャフト54をLo端及びHi端に駆動制御し、それぞれにおけるストロークカウント値SL,SHを記憶し、ステップS17では、上記Lo端及びHi端のそれぞれにおけるストロークカウント値Sの差|SH−SL|が予め設定した所定の判定値SAよりも小さいか否かを判定する。そして、この差|SH−SL|が所定の判定値SA以上であればエンドに移ってこの一連の処理を一旦終了し、この差|SH−SL|が所定の判定値SAよりも小さいと判定されるときは、ステップS17に移り、Lo端及びHi端の少なくとも何れかの可動範囲の端において絶対位置が誤学習されたと判定してエンドに移る。
ここで、ステップS15以降の再学習処理を図8のタイムチャートに基づいて説明すると以下のようになる。まず、コントロールシャフト54が例えば点dに示す絶対位置にあるときに、ステップS15において学習条件が成立したと判定される。そして、ステップS16において、コントロールシャフト54がLo端側に駆動されて点eに示す位置で停止するとストロークカウント値SL2が算出され、Hi端側に駆動されて点fに示す位置で停止するとストロークカウント値SH2が算出される。そして、図8に示す例では、ステップS16の処理において、コントロールシャフト54がLo端及びHi端の何れにも達した状態で停止しているため、ステップS17において、このストロークカウント値の差|SH2−SL2|が所定の判定値SA以上であると判定され、絶対位置が誤学習されたと判定されることなくエンドに移る。このようにLo端及びHi端の各可動範囲の端において再学習を行うことにより、Lo端及びHi端の何れで誤学習がなされたとしても、それを補正する機会を設けることができる。
このようにして、Lo端及びHi端の少なくとも何れかにおいて絶対位置が誤学習された場合には、絶対位置が誤学習されたと判定することができるため、Lo端学習において絶対位置の誤学習がなされた場合においても、絶対位置が誤学習されたと判定することができる。なお、Lo端学習において、コントロールシャフト54がLo端に達した旨が判断された際には、常にこのときのストロークカウント値Sを「0」に設定する絶対位置の学習を行うようにしてもよいし、誤学習されたと判定されないときにのみ、絶対位置の学習を行うようにしてもよい。すなわち、図8に示す例では、点b及び点eの何れの位置においても、このときのストロークカウント値SL1,SL2を「0」に設定するようにしてもよいし、誤学習されたと判定されるストロークカウント値SL1は「0」に設定することなく、誤学習されたと判定されないストロークカウント値SL2のみを「0」に設定するようにしてもよい。
以上詳述した上記実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態の可変動弁機構の制御装置は、コントロールシャフト54をLo端及びHi端のそれぞれに変位させたときに学習した絶対位置同士の距離、すなわちストロークカウント値の差の絶対値|SH−SL|が所定の判定値SAよりも小さいときにLo端及びHi端の少なくとも何れかにおいて絶対位置が誤学習されたと判定するようにしている。これにより、コントロールシャフト54が可動範囲の端であるLo端及びHi端に到達していないにもかかわらず、異物の噛み込み等によりLo端及びHi端に到達した旨が判断された場合に、絶対位置が誤学習されたことを判定することかできる。
(2)本実施形態の可変動弁機構の制御装置は、絶対位置が誤学習されたと判定されたとき、再度、コントロールシャフト54をLo端及びHi端に変位させて絶対位置の学習を行うようにしている。これにより、絶対位置が誤学習されたと判定されたときには、Lo端及びHi端の少なくとも何れかにおいて絶対位置の誤学習がなされた可能性があるものの、このように再学習が行われるために、Lo端及びHi端の何れで誤学習がなされたとしても、それを補正する機会を設けることができる。
(3)本実施形態の可変動弁機構の制御装置では、絶対位置が誤学習されたと判定する基準となる所定の判定値が、ストッパ3a、3bによって規制されるコントロールシャフト54の可動範囲の測定値に基づいて設定され、さらに、絶対位置の学習時に発生するばらつきを考慮して設定するようにしている。したがって、絶対位置の学習において通常生じうるばらつきの許容範囲内では、Lo端及びHi端の少なくとも何れかの絶対位置が誤学習されたと判定しないよう設定することができる。
(4)本実施形態の可変動弁機構の制御装置では、Lo端学習において、コントロールシャフト54がLo端に達した旨が判断された際に、誤学習されたと判定されないときにのみ、絶対位置の学習を行うようにすることもできる。すなわち、図8に示す例では、誤学習されたと判定される点bの位置におけるストロークカウント値SL1は「0」に設定することなく、誤学習されたと判定されない点eの位置におけるストロークカウント値SL2のみを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、絶対位置の学習が正確に行われた場合にのみ、学習された絶対位置を更新することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、コントロールシャフト54をLo端に変位させてストロークカウント値Sの算出値をLo端に対応するストロークカウント値に更新する可変動弁機構の制御装置に本発明を適用する場合について例示した。しかしながら、これに限らず、コントロールシャフト54をHi端に変位させてストロークカウント値Sの算出値をHi端に対応するストロークカウント値に更新する可変動弁機構の制御装置においても、基本的に同様の態様で本発明を適用することができる。また、可変動弁機構の制御装置は、例えば現在の運転状態に応じて、コントロールシャフト54をLo端及びHi端の何れに変位させる学習制御を行うかを適宜設定して同学習制御を行うものであってもよい。
・上記各実施形態では、コントロールシャフト54やこれを駆動するための各種機構における異物の噛み込み等によって生じる絶対位置の誤学習の判定を、コントロールシャフト54をLo端及びHi端の両方に移動させることによって行うようにしている。しかしながら、コントロールシャフト54の現在の絶対位置から一方の可動範囲の端までの距離が記憶されている場合には、他方の可動範囲の端までの学習制御を行うことのみによって、Lo端及びHi端の少なくとも何れかにおいて絶対位置が誤学習されたことを判定するようにしてもよい。例えばコントロールシャフト54の現在の絶対位置からHi端までの距離が記憶されている場合、Lo端学習のみを行い、このときに算出される上記現在の絶対位置からLo端までの距離と、記憶されている上記Hi端までの距離との和が所定の判定値よりも小さいときに絶対位置が誤学習されたと判定するようにしてもよい。すなわち、この場合は、予め記憶されているHi端までの距離が誤って記憶されているか、Lo端学習において異物の噛み込み等によりLo端まで達していないにも拘わらずコントロールシャフト54が停止したかの少なくとも何れかであると判定される。
・上記各実施形態においては、絶対位置が誤学習されたと判定されると、再度Lo端及びHi端にコントロールシャフト54を変位させて絶対位置の学習を行うようにしているが、この再学習においては、Lo端及びHi端の一方にのみコントロールシャフト54を変位させるようにしてもよい。
例えば、図8に示した例では、1度目の誤学習の判定で用いたHi端のストロークカウント値SH1を記憶し、再学習の際にはLo端学習のみを行ってストロークカウント値SL2を算出し、この差|SH1−SL2|が所定の判定値SA以上であるために2度目のLo端学習は誤学習ではないとして、Hi端学習を行うことなく再学習を終了してもよい。なお、図8に示した例では、1度目の誤学習の判定において、Lo端学習の絶対位置のみが誤学習されていたが、1度目の誤学習の判定において、Lo端学習の絶対位置が正しく学習されてHi端学習の絶対位置は誤学習される場合もあり、その場合は再学習においてHi端学習のみ行うことが望ましい。しかしながら、1度目の誤学習の判定において、絶対位置が誤学習されたと判定された場合でもLo端及びHi端の何れにおいて誤学習されているかは判定されないため、再学習の際に、Lo端学習及びHi端学習の何れか一方のみを行う場合には、誤学習された可能性が高い方を推定するなどして学習制御を行う一方を適宜設定するようにしてもよい。具体的には、例えば1度目の誤学習の判定におけるLo端及びHi端学習においてストロークカウント値SL,SHが推定値とより大きくずれている方のみを再学習するようにしてもよいし、実験などにより予めLo端学習及びHi端学習の何れで誤学習される可能性が高いかを導出してこの誤学習の可能性が高い方を再学習する等、適宜設定する。
また、上記各実施形態においては、誤学習されたと判定されたときに再学習を行うようにしたが、この再学習を省略してもよい。
・上記各実施形態では、誤学習の判定を行う際にLo端学習の条件が成立しているかのみを判定するようにしており、Hi端学習は、現在の運転状態がHi端学習を行うために適した状態であるかといったことを判定することなく、スロットルバルブの開度を適宜調整することにより行うようにしていた。しかしながら、Hi端学習についても、Hi端学習を行うために適した運転状態となっているかを判定した上で行うようにしてもよい。具体的には、例えばアクセルペダルの踏み込み量が大きくコントロールシャフト54をHi端側に動かす必要があるときに、Hi端学習条件が成立したと判定する。これにより、運転者がHi端学習により受ける違和感を小さくすることができる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関の可変動弁機構についてその一部断面構造を示す断面図。 同実施形態にかかる内燃機関の可変動弁機構についてその配設態様を示す平面図。 同実施形態の仲介駆動機構についてその内部構造を示す破断斜視図。 同実施形態のコントロールシャフト、ブラシレスモータ及びマイクロコンピュータを主に示すブロック図。 (a)〜(h)同実施形態の各センサの出力波形及び各カウントのカウント値が推移するパターン変化を示すタイムチャート。 (a),(b)同実施形態の各センサの出力信号と電気角カウント及び位置カウントとの関係を示す図。 同実施形態の制御装置による誤学習の判定についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施形態においてコントロールシャフトの絶対位置の変化を示すタイムチャート。
符号の説明
S1,S2…位置センサ、D1〜D3…電気角センサ、2…シリンダヘッド、3…シリンダヘッドカバー、3a,3b…ストッパ、10…排気バルブ、11…バルブスプリング、12…ラッシュアジャスタ、13…ロッカーアーム、13a…ローラ、14…排気カムシャフト、15…カム、16…リテーナ、20…吸気バルブ、21…バルブスプリング、22…ラッシュアジャスタ、23…ロッカーアーム、23a…ローラ、24…吸気カムシャフト、25…カム、26…リテーナ、50…仲介駆動機構、51…入力部、51a…ローラ、51h…ヘリカルスプライン、52…出力部、52h…ヘリカルスプライン、53…支持パイプ、53a…長孔、54…コントロールシャフト、54a…係止部、55…スライダギア、55a…ヘリカルスプライン、55b…ヘリカルスプライン、55c…溝、56…ブッシュ、56a…貫通孔、57…係止ピン、60…ブラシレスモータ、60a…出力軸、61…変換機構、70…マイクロコンピュータ、71…中央演算処理装置(CPU)、72a…不揮発性メモリ(ROM)、72b…揮発性メモリ(DRAM)、72c…不揮発性メモリ(EEPROM)、73…アクセルセンサ、74…クランク角センサ、90…排気弁開閉装置、100…吸気弁開閉装置。

Claims (3)

  1. 規制部材によって規制される可動範囲内で駆動される制御軸と、前記制御軸を駆動するアクチュエータとを有し、同アクチュエータによる前記制御軸の駆動を通じて内燃機関のバルブ特性を変更する可変動弁機構に適用されて、基準位置と同基準位置からの前記制御軸の変位量とに基づいて同制御軸の絶対位置を算出し、所定の学習条件が成立したときに前記制御軸を前記可動範囲の端まで変位させるとともに同制御軸が同可動範囲の端に到達した旨が判断されたときの絶対位置を学習する可変動弁機構の制御装置において、
    前記制御軸を前記可動範囲の一端まで変位させたときに学習した絶対位置と他端まで変位させたときに学習した絶対位置との距離が所定の判定値よりも小さいときに少なくとも何れかの前記絶対位置が誤学習されたと判定する判定手段
    を備えることを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記判定手段により前記絶対位置が誤学習されたと判定されたとき、前記制御軸を前記可動範囲の一端まで変位させて絶対位置を学習するとともに他端まで変位させて絶対位置の学習を行う再学習手段
    を備えることを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記判定値は、前記規制部材によって規制される前記可動範囲の測定値に基づいて設定される
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
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