JP4858235B2 - 可変動弁機構の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関に設けられる機構であって、機関バルブのバルブ特性を変更する可変動弁機構についてその駆動を制御する制御装置に関する。
内燃機関に設けられる機構であって、吸気バルブの最大リフト量を機関運転状態に応じて変更する可変動弁機構が知られている(例えば特許文献1等)。
こうした可変動弁機構の駆動を制御する制御装置は、例えば図11に示されるような制御構成が採用されている。すなわち、図11に示されるように、同制御装置は、可変動弁機構本体114aを駆動するアクチュエータ130に電気的に接続された可変動弁機構制御ユニット140と、機関運転状態に応じて算出される可変動弁機構114の制御目標値をこの可変動弁機構制御ユニット140に対して出力する機関制御ユニット150とから構成されている。この可変動弁機構制御ユニット140は、記憶データの書き換え可能な揮発性メモリ143と記憶データを書き換え可能な不揮発性メモリ144とを備えている。
機関制御ユニット150は、機関回転速度信号等の入力値から機関運転状態を判断し、その機関運転状態に適したリフト量にて吸気バルブが駆動されるように制御目標値を算出して可変動弁機構制御ユニット140へと出力する。
また、可変動弁機構114の制御軸の可動範囲を設定するために、可変動弁機構114には制御軸の変位を機械的に規制するLo端側ストッパおよびHi端側ストッパが設けられている。そして、制御軸がLo端側ストッパまで駆動されてその変位が規制された状態では吸気バルブの最大リフト量が最小となり、制御軸がHi端側ストッパまで駆動されてその変位が規制された状態では吸気バルブの最大リフト量が最大となる。このようにLo端側ストッパ及びHi端側ストッパにより制御軸の可動範囲が設定される。
可変動弁機構制御ユニット140は、可変動弁機構114の動作状態、換言すれば吸気バルブの最大リフト量を以下のようにして検出する。制御軸の可動範囲内にある基準位置からの変位履歴情報、すなわち基準位置からの相対移動量をエンコーダ等を通じて検出し、これを揮発性メモリ143に記憶する。そして、記憶された変位履歴情報と基準位置とに基づいて可変動弁機構114の動作状態を算出する。そして、このようにして検出された実際値と機関制御ユニット150から送信された制御目標値との偏差に基づいてアクチュエータ130を駆動することにより、吸気バルブの最大リフト量が機関運転状態に応じた値になるようにこれを制御する。また、機関停止に伴い揮発性メモリ143への給電が停止されるときには、現在の制御軸の位置を新たな基準位置として不揮発性メモリ144に記憶する。そして、機関再始動時には、その不揮発性メモリ144に記憶された基準位置を読み出すとともに、その基準位置からの相対移動量を検出し、その相対移動量と基準位置とに基づいて制御軸の現在位置を検出する。また、基準位置からの相対移動量はその検出の都度、揮発性メモリ143に記憶される。
特開2005−248849号公報
ところで、このように構成された可変動弁機構の制御装置においては、例えば瞬断等の発生により可変動弁機構制御ユニット140への電力供給が停止されると、揮発性メモリ143に記憶されている変位履歴情報が失われてしまう。そのため、このように変位履歴情報が消失された状態では、上記態様にて検出される可変動弁機構114の動作状態と実際の動作状態とにずれが生じてしまう。そこで、このような場合にあっては瞬断からの復帰後、機関制御ユニット150から送信される学習指示信号を受信したこと等を条件として、位置情報にかかる所定の学習処理が実行される。
こうした学習処理の一例としては、例えば瞬断の発生時にアクチュエータ130を駆動して、吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置(最大位置)に可変動弁機構114の制御軸を強制的に変位させるととともに、この位置を新たな基準位置として設定することにより制御軸の実位置を不揮発性メモリ144に記憶し直す処理を行うことができる。またこの場合、吸気バルブの最大リフト量の変更に基づく吸入空気量の調量が不能になるため、同吸入空気量を吸気通路内に設けられたスロットルバルブにより調量する。したがって、機関運転状態に関わらずに学習処理を実行することができるため、同学習処理をより早期に実行することができる。但しこの場合、バルブスプリングにより閉弁側に付勢されている吸気バルブの最大リフト量を増大させるように可変動弁機構を駆動することから、機関回転速度等により変化するこの付勢力によって可変動弁機構の制御軸を安定した状態のもとで変位させることが困難となる。その結果、学習した制御軸の実位置、すなわち最大リフト量の現在値についてその精度低下が懸念されることとなる。
また、瞬断が発生した場合に、アクチュエータ130を駆動して、吸気バルブの最大リフト量が最小となる位置(最小位置)に可変動弁機構114の制御軸を強制的に変位させるととともに、この位置を基準位置として不揮発性メモリ144に記憶し直す処理を行うこともできる。この場合は、可変動弁機構114の制御軸を駆動する際に同制御軸には吸気バルブに作用する付勢力と同じ方向の力が作用することなるため、最小位置に変位した可変動弁機構114の制御軸をこの位置に安定して保持することができ、学習された制御軸の実位置の精度は高く保たれるようになる。しかしながら、この処理にあっては、吸気バルブのリフト量が最小となることにより減少した吸入空気量を上述のようにスロットルバルブの駆動を通じて調整することができないため、処理の実行時期が機関運転状態への影響が少ない時期、具体的には停車時等のアイドル運転時に限られてしまう。そのため、瞬断によって変位履歴情報が消失されたときに、可変動弁機構114の駆動状態を正常な状態へと迅速に復帰させるという要求には応えることが困難である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、瞬断によって消失した可変動弁機構の可動部の位置情報を迅速に、かつ高い精度にて学習することのできる可変動弁機構の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、吸入空気量を調量可能なスロットルバルブを備えた内燃機関に設けられ、吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置から最小となる位置の間を可動範囲とする可動部を有し、同可動部を機関運転状態に基づいてその可動範囲内で変位させることにより前記吸気バルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構の制御装置であって、同制御装置は、前記可動部の可動範囲内にある基準位置からの前記可動部の変位履歴にかかる情報を揮発性メモリに記憶するとともに、その記憶される変位履歴にかかる情報に基づいて前記可動部の位置を検出する位置検出手段と、機関運転中に、前記揮発性メモリに対する電圧低下が発生したか否かを判定する瞬断判定手段と、前記吸気バルブの最大リフト量が最小となる位置に前記可動部を強制駆動するとともに同可動部の位置を前記基準位置として設定する一連の処理を最小位置設定処理と定義したとき、前記瞬断判定手段により前記電圧低下が発生したと判定された場合に、前記吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置に前記可動部を強制駆動してその位置を前記基準位置として設定するとともに、その最大位置での設定処理がなされたことを条件に、前記最小位置設定処理の実行要否を示す情報値を実行が必要である旨を示すに設定して書き換え可能な不揮発性メモリに記憶する位置情報学習手段とを備え、同位置情報学習手段は、前記不揮発性メモリに記憶される前記情報値が前記最小位置設定処理の実行が必要である旨を示すにあるとき、内燃機関がアイドル運転状態に移行したことを条件に前記最小位置設定処理を実行するとともに、前記不揮発性メモリに記憶される前記情報値を前記最小位置設定処理の実行が不要である旨を示すに書き換えることをその要旨とする。
同構成によれば、瞬断が発生するとまず可変動弁機構の可動部が吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置(最大位置)へと強制駆動され、その位置が基準位置として設定される。したがって、瞬断発生後に迅速に可変動弁機構の可動部の位置、すなわち吸気バルブの最大リフト量を把握し、こうして設定された基準位置に基づいて可変動弁機構の制御を適切に実行することができるようになる。なおこの場合、吸気バルブによる吸入空気量の調量は不能となるが、スロットルバルブの開度調節を通じて同調量を行うことができる。
また、上述したように最大位置に可動部を駆動してその位置を検出する場合には、吸気バルブのバルブ反力の影響によりその位置検出の精度低下が懸念される。そこで、瞬断後に内燃機関がアイドル運転状態に移行した場合に、可動部を吸気バルブの最大リフト量が最小となる位置(最小位置)に強制駆動し、その可動部の位置を基準位置として設定する最小位置設定処理を実行する。このように可動部を最小位置に駆動する場合には最大位置に駆動する場合と比較してバルブ反力等の影響が小さいため、高い精度にて可変動弁機構の可動部の位置を検出して基準位置を設定することができる。このように、瞬断の発生後に可動部の位置情報の学習処理を迅速に実行するとともに、機関運転状態がアイドル運転状態に移行した場合に最大リフト量が最小となる最小位置においてより精度の高い学習処理を再実行することで、消失した可変動弁機構の可動部の位置情報を迅速に検出しつつ、この検出の精度を高い水準で維持することができるようになる。
また、最大位置における基準位置の設定処理を実行する際に、最小位置設定処理の実行が必要である旨を示す情報値を設定してこれが書き換え可能な不揮発性メモリに記憶される。したがって、瞬断後に最小位置設定処理がなされないままイグニッションスイッチがオフにされて機関運転が停止された場合であっても、イグニッションスイッチがオン操作されて車両の運転が再開された場合には、この情報値のに基づいて最小位置設定処理が完了していないことを把握することができ、その後、機関運転状態がアイドル運転状態に移行したときに同最小位置設定処理を実行することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、吸入空気量を調量可能なスロットルバルブを備えた内燃機関に設けられ、吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置から最小となる位置の間を可動範囲とする可動部を有し、同可動部を機関運転状態に基づいてその可動範囲内で変位させることにより前記吸気バルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構の制御装置であって、同制御装置は、前記可動部の可動範囲内にある基準位置からの前記可動部の変位履歴にかかる情報を揮発性メモリに記憶するとともに、その記憶される変位履歴にかかる情報に基づいて前記可動部の位置を検出する位置検出手段と、機関運転中に、前記揮発性メモリに対する電圧低下が発生したか否かを判定する瞬断判定手段と、前記吸気バルブの最大リフト量が最小となる位置に前記可動部を強制駆動するとともに同可動部の位置を前記基準位置として設定する一連の処理を最小位置設定処理と定義したとき、前記瞬断判定手段により前記電圧低下が発生したと判定された場合に、前記最小位置設定処理の実行要否を示す情報値を実行が必要である旨を示すに設定して書き換え可能な不揮発性メモリに記憶し、同最小位置設定処理が実行されるまで前記吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置に前記可動部を停止させる位置情報学習手段とを備え、同位置情報学習手段は、前記不揮発性メモリに記憶される前記情報値が前記最小位置設定処理の実行が必要である旨を示すにあるとき、内燃機関がアイドル運転状態に移行したことを条件に前記最小位置設定処理を実行するとともに、前記不揮発性メモリに記憶される前記情報値を前記最小位置設定処理の実行が不要である旨を示すに書き換えることをその要旨とする。
同構成によれば、瞬断が発生すると可変動弁機構の可動部が吸気バルブのリフト量が最大となる位置(最大位置)へと駆動され、可動部はこの位置に停止するようになる。なおこの場合、吸気バルブによる吸入空気量の調量は不能となるが、スロットルバルブの開度調節を通じて同調量を行うことができる。そして、最小位置設定処理が実行されるまで、換言すれば可動部の最大位置への駆動後、内燃機関がアイドル運転状態に移行するまで可動部は最大位置に停止したままの状態に維持される。
そして、瞬断後に機関運転状態がアイドル運転状態に移行した場合に、可動部を吸気バルブの最大リフト量が最小となる位置(最小位置)に強制駆動し、その可動部の位置を基準位置として設定する。このように可動部を最小位置に駆動する場合には最大位置に駆動する場合と比較してバルブ反力等の影響が小さいため、高い精度をもって可変動弁機構の可動部の位置を検出して基準位置を設定することができる。
また、最大位置に可動部を停止させた際に、最小位置設定処理の実行が必要である旨を示す情報値を設定してこれが書き換え可能な不揮発性メモリに記憶される。したがって、瞬断後に最小位置設定処理がなされないままイグニッションスイッチがオフにされて機関運転が停止された場合であっても、イグニッションスイッチがオン操作されて車両の運転が再開された場合には、この情報値のに基づいて最小位置設定処理が完了していないことを把握することができ、その後、機関運転状態がアイドル運転状態に移行したときに同最小位置設定処理を実行することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の可変動弁機構の制御装置において、前記瞬断判定手段は、機関始動後、前記揮発性メモリを含めた前記可変動弁機構の制御装置に対する給電が開始された時に給電状態である旨を示す給電状態情報値を書き換え可能な不揮発性メモリに記憶する一方、機関停止に伴って同制御装置への給電が停止される時に前記給電状態情報値を給電停止状態である旨を示す値に書き換える給電状態記憶処理を実行するものであり、前記揮発性メモリへの給電復帰直後における同給電状態記憶処理実行前の前記給電状態情報値がすでに給電状態である旨を示す値に設定されている場合には、前記揮発性メモリに対する電圧低下が発生した旨判定することをその要旨とする。
同構成によれば、給電状態記憶処理を通じて不揮発性メモリに記憶される給電状態情報値は、機関始動後、揮発性メモリを含め可変動弁機構に対する給電が開始された時に給電状態である旨を示す値に設定される一方、機関停止に伴って可変動弁機構の給電が停止される時に給電停止状態である旨を示す値に書き換えられる。
したがって、機関始動に伴って揮発性メモリに対する給電が開始された直後における給電状態記憶処理実行前にあっては、その給電状態情報値の値は給電停止状態である旨を示す値になっている。一方、給電状態記憶処理を通じてこの給電状態情報値が給電状態である旨を示す値に書き換えられた後、給電停止状態を示す値に書き換えられる前に再度、揮発性メモリに電力供給が開始されるような状況、すなわち揮発性メモリに対する電源の瞬断等といった電圧低下が発生した後、給電が再開された直後においては、同給電状態情報値は、すでに給電状態である旨を示す値に設定されている。このように給電状態情報値の状態を確認することにより、機関始動に伴う正常な給電開始か、瞬断からの給電復帰かを的確に判別することができるようになる。
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかる可変動弁機構の制御装置の第1の実施形態について、図1〜図9を併せ参照して説明する。
図1に、同制御装置が搭載される車載用エンジンについてその断面構造を示す。図1に示すように、このエンジン1の内部には、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、及びピストン5によって燃焼室6が区画形成されており、この燃焼室6には吸気通路7及び排気通路8が接続されている。そして、吸気通路7と燃焼室6との間は、吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路8と燃焼室6との間は、排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断される。
シリンダヘッド2の内部には、吸気バルブ9を駆動するための吸気カムシャフト11と、排気バルブ10を駆動するための排気カムシャフト12とがそれぞれ回転可能に支持されている。また、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12には、それぞれ吸気カム11a及び排気カム12aが形成されている。そして、吸気カムシャフト11と一体回転する吸気カム11aによって吸気バルブ9は開閉駆動され、排気カムシャフト12と一体回転する排気カム12aによって排気バルブ10は開閉駆動される。
また、吸気カム11aと吸気バルブ9との間には、吸気バルブ9のバルブ特性、より詳細には吸気バルブ9の最大リフト量VL、及び同吸気バルブ9の開弁期間に相当する吸気カム11aの作用角INCAMを変更する可変動弁機構14が設けられている。また、吸気通路7には、その流路断面積を調整して吸入空気量GAを調量可能なスロットルバルブ25が設けられている。
次に、可変動弁機構14の構造について詳細に説明する。
同可変動弁機構14は、シリンダヘッド2に固定されて吸気カムシャフト11と平行に延びるパイプ状のロッカシャフト15、ロッカシャフト15に挿入された棒状のコントロールシャフト16、コントロールシャフト16の軸線を中心に揺動する入力アーム17、入力アーム17の揺動に基づき上記軸線を中心に揺動する出力アーム18等を備えている。
入力アーム17には、ローラ19が回転可能に取り付けられており、このローラ19は、コイルスプリング20の付勢力によって吸気カム11aに押し付けられている。また、出力アーム18は、その揺動時にロッカアーム21に押し付けられ、同ロッカアーム21を介して吸気バルブ9を開弁方向にリフトさせる。
このロッカアーム21の一端部はラッシュアジャスタ22によって支持され、同ロッカアーム21の他端部は吸気バルブ9に当接している。また、ロッカアーム21は吸気バルブ9のバルブスプリング24の付勢力によって出力アーム18側に付勢されており、これによりロッカアーム21の一端部と他端部との間に回転可能に支持されたローラ23が出力アーム18に押し付けられている。したがって、吸気カム11aの回転に基づき入力アーム17及び出力アーム18が揺動すると、出力アーム18がロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせ、吸気バルブ9を開駆動する。
この可変動弁機構14では、可動部、すなわちロッカシャフト15内に配置されたコントロールシャフト16を軸方向に変位させることにより、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置を変更することが可能である。このように、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向における相対位置を変更することにより、吸気バルブ9の最大リフト量VL及び作用角INCAMが変更される。具体的には、入力アーム17と出力アーム18とを揺動方向について互いに接近させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量VL及び作用角INCAMはともに小さくなり、その結果、燃焼室6に導入される吸入空気量GAは少なくなる。逆に、入力アーム17と出力アーム18とを揺動方向について互いに離間させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量VL及び作用角INCAMはともに大きくなり、その結果、燃焼室6に導入される吸入空気量GAは多くなる。なお、最大リフト量VLを増大させる際には、バルブスプリング24からこのコントロールシャフト16に作用する反力が大きくなり、最大リフト量VLを減少させる際には同反力が小さくなる。
次に、コントロールシャフト16をその軸方向に変位させるための駆動機構、及びその駆動機構を制御する制御装置について、図2を参照して説明する。
同図2に示されるように、コントロールシャフト16の基端部(図中右端)には、ブラシレスモータ30が変換機構31を介して連結されている。この変換機構31によって、ブラシレスモータ30の回転運動は、コントロールシャフト16の軸方向への直線運動に変換される。そして、上記ブラシレスモータ30の所定の回転角範囲内での回転駆動、例えばブラシレスモータ30の10回転分の回転角範囲(0〜3600°)内での回転駆動を通じて、コントロールシャフト16が軸方向に変位して可変動弁機構14が駆動される。
ちなみに、ブラシレスモータ30を正回転させると、コントロールシャフト16は先端(図中左端)側に変位し、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が互いに接近するように変更される。また、コントロールシャフト16の先端側(図中左端)における可動範囲は、Lo端側ストッパ26によって規制されており、このLo端側ストッパ26がシリンダヘッド2の一部に当接した状態で最大リフト量VL及び作用角INCAMが最も小さくなる。
一方、ブラシレスモータ30を逆回転させると、コントロールシャフト16は基端(図中右端)側に変位し、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が互いに離間するように変更される。このコントロールシャフト16の基端側(図中右端)における可動範囲は、Hi端側ストッパ27によって規制されており、このHi端側ストッパ27がシリンダヘッド2の一部に当接した状態で最大リフト量VL及び作用角INCAMが最も大きくなる。
このように最大リフト量VL及び作用角INCAMは、コントロールシャフト16の軸方向の位置に対応しており、このコントロールシャフト16の軸方向の位置は、ブラシレスモータ30の上記所定回転角範囲内での回転角に対応している。したがって、ブラシレスモータ30を回転駆動することによりコントロールシャフト16の軸方向の位置を変位させ、入力アーム17及び出力アーム18の揺動方向についての相対位置の変更をすることにより、吸気カム11aの回転により出力アーム18が揺動したときの吸気バルブ9の最大リフト量VL及び作用角INCAMを変更することができる。なお、以下の説明ではコントロールシャフト16の可動範囲において、シリンダヘッド2の一部にLo端側ストッパ26が当接する位置を最小位置、Hi端側ストッパ27が当接する位置を最大位置とする。
ブラシレスモータ30には、2つの位置センサS1、S2が設けられている。各位置センサS1、S2は、ブラシレスモータ30の回転時、ブラシレスモータ30のロータと一体回転する48極の多極マグネットの磁束変化に応じて、図3(a)及び(b)に示されるようなパルス状の信号、すなわちハイ信号「H」とロー信号「L」とを交互に出力するものである。また、各位置センサS1、S2からのパルス信号は、互いに位相をずらした状態で出力されるようになっており、モータ正回転時には位置センサS1からのパルス信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジがそれぞれ、位置センサS2からのパルス信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジよりも先に生じる。なお、各位置センサS1、S2の内の一方のセンサから出力されるパルス信号のエッジは、ブラシレスモータ30の7.5°回転毎に発生している。また、上記一方のセンサからのパルス信号は、他方のセンサからのパルス信号に対し、ブラシレスモータ30の3.75°回転分だけ位相をずらした状態となっている。したがって、位置センサS1、S2からのパルス信号のエッジ間隔は3.75°となっている。
上記各位置センサS1、S2の信号は可変動弁機構14の駆動制御、換言すればブラシレスモータ30の回転駆動制御を行う可変動弁機構制御ユニット40に取り込まれ、可変動弁機構制御ユニット40は同信号に基づいてブラシレスモータ30を駆動制御する。
また、図2に示されるように、この可変動弁機構制御ユニット40は、中央演算処理装置(CPU)41、読み出し専用メモリ(ROM)42、ランダムアクセスメモリ(RAM)43、記憶データを書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM44を備えている。更に、ブラシレスモータ30に電力を供給したり、後述する機関制御ユニット50へと信号を送信したりする外部出力回路45、上記位置センサS1、S2のパルス信号や機関制御ユニット50からの制御信号が入力される外部入力回路46等も備えている。
CPU41は、可変動弁機構14の駆動、すなわちブラシレスモータ30の駆動にかかる各種演算処理を実行する。具体的には、位置センサS1、S2からの信号の入力により検出されたコントロールシャフト16の軸方向の相対移動量に基づいて同コントロールシャフト16の絶対位置を算出する。そして、その絶対位置を可変動弁機構14の動作状態、すなわち吸気バルブ9の最大リフト量VL及び作用角INCAMを示す情報として、上記外部出力回路45から後述する機関制御ユニット50に送信する。また、機関制御ユニット50から出力されるコントロールシャフト16の制御目標値を上記外部入力回路46を介して受信し、コントロールシャフト16の現在の絶対位置がその目標値に一致するように、上記外部出力回路45を介してブラシレスモータ30の駆動を制御する。ROM42には、各種制御プログラム等が予め記憶されている。RAM43は、記憶データの保持にバッテリバックアップを必要とする揮発性メモリであって、CPU41の演算結果等が一時的に記憶される。EEPROM44は、電気的に記憶データを書き換えることが可能であり、その記憶データの保持にバッテリバックアップを必要としないメモリである。そして、CPU41、ROM42、RAM43、EEPROM44、外部出力回路45、及び外部入力回路46等は内部バス47によって相互に接続されている。
エンジン1の各種制御を行う機関制御ユニット50は、各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
機関制御ユニット50の入力ポートには、可変動弁機構制御ユニット40からの各種信号が入力されるほか、以下のような各種センサ及びスイッチなども接続されている。
・運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル操作量ACCP)を検出するアクセルセンサ51
・エンジン1の吸気通路7に設けられたスロットルバルブ25の開度(スロットル開度TA)を検出するスロットルセンサ52
・上記吸気通路7を通じて燃焼室6に吸入される空気の量、すなわち吸入空気量GAを検出するエアフロメータ53
・エンジン1の出力軸の回転に対応する信号を出力して機関回転速度NEの検出等に用いられるクランク角センサ54
・自動車の運転者により切り換え操作され、現在の切換位置に対応した信号を出力するイグニッションスイッチ55
機関制御ユニット50は、上記各種センサ等から入力した検出信号や、各種信号等に基づいて機関運転状態を検出してコントロールシャフト16の制御目標値、すなわち吸気バルブ9の最大リフト量VL及び作用角INCAMの目標値を算出する。そして、機関制御ユニット50はこの制御目標値を、同機関制御ユニット50と可変動弁機構制御ユニット40とを接続するCANケーブル48を通じて、可変動弁機構制御ユニット40へと送信する。この制御目標値を受信した可変動弁機構制御ユニット40は、この制御目標値と算出されたコントロールシャフト16の絶対位置との偏差に基づいてブラシレスモータ30を駆動制御する。
したがって、吸気バルブ9のバルブ特性、すなわち最大リフト量VL及び作用角INCAMを精密に制御するには、コントロールシャフト16の絶対位置を正確に検出するとともに、その検出されるコントロールシャフト16の絶対位置が機関運転状態に応じた制御目標値と一致するようにブラシレスモータ30の駆動を制御する必要がある。
次に、コントロールシャフト16の軸方向の絶対位置についてその検出手順を、図3及び図4を併せ参照して説明する。
図3において、(a)、(b)は、ブラシレスモータ30の回転時において、位置センサS1、S2から出力されるパルス信号の波形パターンをそれぞれ示している。また、(c)、(d)は、ブラシレスモータ30の回転時における位置カウント値P及びストロークカウント値Sの推移態様を示している。
なお、位置カウント値Pは、エンジン1を始動する際のイグニッションスイッチ55のオン操作(イグニッションオン)後、ブラシレスモータ30の回転に伴い、コントロールシャフト16の軸方向の位置がどれだけ変化したか、すなわち、コントロールシャフト16が基準位置からどれだけ移動したのか、その相対移動量を表すものである。また、上記ストロークカウント値Sは、基準位置を示す基準値Pstと位置カウント値Pとに基づいて算出され、コントロールシャフト16の軸方向の絶対位置を表すものである。なお、基準値Pstは、前回の機関運転終了時のストロークカウント値Sであり、機関運転終了時にその都度EEPROM44に記憶されるものである。
図4に、ブラシレスモータ30の回転に伴う位置センサS1、S2からのパルス信号に基づいて位置カウント値P及びストロークカウント値Sを変化させるためのカウント処理についてその手順を示す。このカウント処理は、可変動弁機構制御ユニット40により、位置センサS1、S2からのパルス信号のエッジ間隔に対応する時間間隔よりも短い間隔をもって周期的に実行される。
この処理が開始されると、まず、可変動弁機構制御ユニット40のCPU41によって、各位置センサS1、S2からのパルス信号の出力パターンに基づき、同パルス信号のエッジ毎に位置カウント値Pが増減される(ステップS100)。詳しくは、図5に示すように、位置センサS1、S2のうち、一方のセンサからパルス信号の立ち上がりエッジあるいは立ち下がりエッジのいずれが生じているか、及び他方のセンサからハイ信号「H」あるいはロー信号「L」のいずれが出力されているかに応じて、位置カウント値Pには、「+1」あるいは「−1」が加算される。なお、同図5において、「↑」はパルス信号の立ち上がりエッジを表し、「↓」はパルス信号の立ち下がりエッジを表している。こうした処理を実行して得られる位置カウント値Pは、各位置センサS1、S2からのパルス信号のエッジを計数した値となっている。
ここで、ブラシレスモータ30の正回転中であれば、図3(c)に示されるように、位置カウント値Pは、位置センサS1、S2からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ加算されて増加する。また、ブラシレスモータ30の逆回転中であれば、位置カウント値Pは、上記エッジ毎に「1」ずつ減算されて減少する。なお、この位置カウント値Pは、可変動弁機構制御ユニット40のRAM43に記憶されるため、図3(c)に示されるようにイグニッションスイッチ55のオフ操作(イグニッションオフ)がなされ、RAM43への給電が停止されたときに「0」にリセットされる。すなわち、上述したように位置カウント値Pは、イグニッションオン後にコントロールシャフト16が基準位置から軸方向にどれだけ変位したかを示す値となる。
このようして位置カウント値Pが算出されると、CPU41はEEPROM44に記憶されている基準値Pstと算出された位置カウント値Pとに基づいてストロークカウント値Sを算出する(図4のステップS110)。具体的には、予めEEPROM44に記憶された基準値Pstに位置カウント値Pを加算して得られる値が新たなストロークカウント値Sとして算出される。このようにストロークカウント値Sが更新されることにより、コントロールシャフト16の絶対位置が検出される。このステップS110の処理により、図3(d)に示されるようにブラシレスモータ30の正回転中であれば、位置カウント値Pの増大分に合わせて、ストロークカウント値Sも増大される。また、ブラシレスモータ30の逆回転中であれば、位置カウント値Pの減少分に合わせて、ストロークカウント値Sも減少される。こうしてストロークカウント値Sが算出されるとこの処理は一旦終了される。
可変動弁機構制御ユニット40は、ストロークカウント値Sが算出されると、機関制御ユニット50から出力されるコントロールシャフト16の制御目標値としての目標ストロークカウント値Spとストロークカウント値Sとを比較する。そして、上記カウント処理にて算出されるストロークカウント値Sが目標ストロークカウント値Spと一致するようにブラシレスモータ30の回転駆動制御を、すなわち可変動弁機構14の駆動制御を行う。
ところで、上記態様にての可変動弁機構14の動作状態を示すストロークカウント値Sを検出する場合にあって、バッテリ負荷の増大や電力供給の瞬断等に起因して可変動弁機構制御ユニット40への供給電圧が低下すると、RAM43への供給電圧も低下し、このRAM43に記憶された位置カウント値Pが消失されてしまうことがある。このように位置カウント値Pが消失された場合には、位置カウント値Pが初期値(例えば「0」)になってしまうため、上記カウント処理にて算出されるストロークカウント値S、すなわち可変動弁機構14の動作状態が実際の動作状態からずれてしまい、誤った動作状態(ストロークカウント値S)が算出されてしまう。
そして、可変動弁機構14の動作状態が誤検出されると、その動作状態に基づいて推定される吸入空気量GAと実際の吸入空気量GAとの間には、ずれが生じる。さらに、動作状態が誤検出されている状態で可変動弁機構14の駆動が継続して行われると、そうしたずれが増大し、例えば、空燃比制御で設定される燃料噴射量は、実際の吸入空気量GAに対応した燃料噴射量から大きくずれて、実際の空燃比は、排気性状を良好なものとする空燃比から大きくずれてしまうおそれがある。
なお、こうした瞬断による位置カウント値Pの消失を抑制するために、記憶データの保持にバッテリバックアップを必要としないEEPROM44に位置カウント値Pの値を記憶する構成を採用することも考えられる。しかしながら、EEPROM44は、記憶データの書き換え回数に制限があり、コントロールシャフト16が駆動されるときに逐次変化する位置カウント値Pを記憶するようにした場合には、その耐久性が著しく低下してしまうため、こうした構成を採用することは現実的ではない。
そこで、本実施形態においては、こうした位置カウント値Pの消失に起因する可変動弁機構14の動作状態の誤検出による不都合の発生を以下のような各種処理を行うことによって抑えるようにしている。
まず、本実施形態では、機関始動時や機関停止時において各種のフラグを設定し、このフラグを参照してRAM43に対する電圧低下が発生したか否か、すなわち瞬断が発生したか否かを判定するようにしている。以下、図6〜図8を併せ参照して、この判定態様について説明する。
図6に、機関始動時に実行される始動時フラグ設定処理についてその処理手順を示す。また、図7に、機関停止時に実行される停止時フラグ設定処理についてその処理手順を示す。なお、上記始動時フラグ設定処理及び停止時フラグ設定処理は、可変動弁機構制御ユニット40によって所定期間毎に繰り返し実行される。
図6に示す始動時フラグ設定処理が開始されると、まず、イグニッションスイッチ55が「OFF」から「ON」になったか否か、すなわち機関始動要求があるか否かが判定される(ステップS200)。イグニッションスイッチ55の状態を示す信号は、CANケーブル48を介して機関制御ユニット50から読み込まれる。そして、イグニッションスイッチ55が「OFF」から「ON」になっていない場合には(ステップS200:NO)、本処理は一旦終了される。一方、イグニッションスイッチ55が「OFF」から「ON」になっている場合には(ステップS200:YES)、機関始動を開始すべく、スタータモータの駆動が開始され、これにより機関回転速度NEは増大していく。
次に、機関回転速度NEが閾値Aを超えたか否かが判定される(ステップS210)。この閾値Aには、RAM43に対する電力の供給が安定して行われる程度にオルタネータの発電量が増大する機関回転速度が予め設定されている。また、機関回転速度NEは、上記CANケーブル48を介して機関制御ユニット50から読み込まれる。そして、機関回転速度NEが閾値Aに満たない場合には(ステップS210:NO)、同機関回転速度NEが閾値Aを超えるまで、このステップS210の判定処理が繰り返し行われる。
一方、機関回転速度NEが閾値Aを超えた場合には(ステップS210:YES)、RAM43に対して、バッテリのみならず、オルタネータからも十分な電力が安定して供給されていると判断される。そして、ブラシレスモータ30に対する通電開始の準備を要求するフラグであって、RAM43に記憶される通電開始準備要求フラグFaが「OFF」から「ON」に変更される(ステップS220)。
このように通電開始準備要求フラグFaが「ON」にされると、RAM43への給電状態を示す給電状態情報値であるモータ制御中フラグFgについて「OFF」から「ON」への書き換えが開始される(ステップS230)。ここで、瞬断が発生した場合でもモータ制御中フラグFgの値を保持しておくために、このモータ制御中フラグFgの値は、上記EEPROM44に書き込まれる。このEEPROM44に記憶されたデータの書き換え時間は、RAM43に記憶されたデータの書き換え時間よりも長いため、モータ制御中フラグFgの書き換えが開始されると、その書き換えが終了したか否かを判定するための処理として、ステップS240の処理が行われる。
そして、モータ制御中フラグFgについて「OFF」から「ON」への書き換えが終了していない場合には(ステップS240:NO)、その書き換えが終了するまで、そのステップS240の判定処理が繰り返し行われる。一方、モータ制御中フラグFgについて「OFF」から「ON」への書き換えが終了すると(ステップS240:YES)、ブラシレスモータ30の駆動準備が完了したことを示すフラグであって、RAM43に記憶された始動準備完了フラグFcが「OFF」から「ON」に変更される(ステップS250)。
そして、この始動準備完了フラグFcが「ON」にされることにより、上記通電開始準備要求フラグFaは「ON」から「OFF」に変更されるとともに(ステップS260)、ブラシレスモータ30への通電を許可するフラグであって、RAM43に記憶された通電許可フラグFdが「OFF」から「ON」に変更される(ステップS270)。
このように通電許可フラグFdが「ON」にされている場合には、ブラシレスモータ30への通電が許可され、もって可変動弁機構14の駆動も許可される。そして本処理は一旦終了される。
図7に示す停止時フラグ設定処理が開始されると、まず、機関停止が完了したか否かが判定される(ステップS300)。ここで、運転者によりイグニッションスイッチ55がオフ状態にされる、即ち運転者によって機関停止要求がなされることにより、直ちに燃料噴射や燃料点火を停止して機関運転を停止させると、可変動弁機構14を駆動するブラシレスモータ30の動力源である電力の発電も停止される。そのため、機関停止直前の動作状態、すなわち最大リフト量VL及び作用角INCAMのまま可変動弁機構14は停止される。このように機関停止要求がなされることで直ちに機関停止がなされた後の可変動弁機構14の動作状態は、機関停止直前の動作状態、すなわち機関運転中に設定された動作状態になっており、必ずしも機関始動に適した状態になっているとは限らない。そのため、場合によっては、次回の機関始動時における始動性等が低下してしまうおそれがある。
そこで、上記機関制御ユニット50は、機関停止要求がなされてから実際に機関停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う。そして、この遅延制御の開始後にあってオルタネータによる発電がなされているうちに可変動弁機構14を駆動して、最大リフト量VL及び作用角INCAMを予め設定された機関始動時用の特性に変更し、その変更が完了した後に可変動弁機構14の駆動を停止するようにしている。したがって、ステップS300での判定処理では、イグニッションスイッチ55が「OFF」状態であって、上記遅延制御が終了し、機関回転速度NEが「0」になっている場合に肯定判定される。
そして、ステップS300の処理にて、機関停止が完了していない旨判定される場合には(ステップS300:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、ステップS300の処理にて、機関停止が完了している旨判定される場合には(ステップS300:YES)、ブラシレスモータ30の駆動を禁止すべく、換言すれば可変動弁機構14の駆動を禁止すべく、通電許可フラグFdが「ON」から「OFF」に変更される(ステップS310)。このように通電許可フラグFdが「OFF」にされている場合には、ブラシレスモータ30への通電が禁止され、もって可変動弁機構14の駆動も禁止される。
このように可変動弁機構14の駆動が禁止され、その動作状態が変化しなくなると、RAM43に記憶された基準値書き込み指示フラグFbが「OFF」から「ON」に変更される(ステップS320)。そして、この基準値書き込み指示フラグFbが「ON」にされることにより、その時点のストロークカウント値Sが新たな基準値PstとしてEEPROM44に書き込まれる。
次に、上記ステップS250で「OFF」から「ON」に変更された始動準備完了フラグFcが、「ON」から「OFF」に変更されるとともに(ステップS330)、モータ制御中フラグFgについて「ON」から「OFF」への書き換えが開始される(ステップS340)。ここで、上述したように、モータ制御中フラグFgはEEPROM44に書き込まれるのであるが、同EEPROM44に書き込まれたデータを書き換える際には、RAM43に記憶されたデータを書き換える場合と比較して、より長い時間がかかる。したがって、ステップS340においてモータ制御中フラグFgの書き換えが開始されると、その書き換えが終了したか否かを判定するための処理として、ステップS350の処理が行われる。
そして、モータ制御中フラグFgについて「ON」から「OFF」への書き換えが終了していない場合には(ステップS350:NO)、その書き換えが終了するまで、そのステップS350の判定処理が繰り返し行われる。
一方、モータ制御中フラグFgについて「ON」から「OFF」への書き換えが終了すると(ステップS350:YES)、上記ステップS320において「OFF」から「ON」に変更された基準値書き込み指示フラグFbが「ON」から「OFF」に変更される(ステップS360)。そして本処理は一旦終了される。
このように設定されたモータ制御中フラグFgを用いて、可変動弁機構制御ユニット40は、RAM43への供給電圧の低下によって位置カウント値Pが消失しているか否かを判定する。以下、その判定の原理について説明する。
上述したように、モータ制御中フラグFgは、機関始動が開始され、その後、RAM43に対する電力の供給が安定して行われる状態になった後において、給電停止状態を示す「OFF」から給電状態である旨を示す「ON」へと書き換えられる。また、機関停止に伴って電力の供給が停止されるときに「ON」から「OFF」へと書き換えられる。
したがって、機関始動に伴ってRAM43に対する電力の供給が開始された直後における「OFF」から「ON」への書き換えが実行される前の状態では、その値が給電停止状態である旨を示す「OFF」の値になっている。一方、モータ制御中フラグFgが「ON」に変更された後、「OFF」に書き換えられる前に、再度RAM43に電力の供給が開始されるような状況、すなわちRAM43に対する電力供給の瞬断等による電圧低下が発生した後、電力供給が再開された直後においては、モータ制御中フラグFgの値は、すでに「ON」に設定されている。
このようにRAM43への給電開始時に、モータ制御中フラグFgの状態を確認することにより、機関始動に伴う通常の給電開始か、それとも位置カウント値Pが消失しているおそれのある瞬断からの給電復帰かを的確に判別し、コントロールシャフト16の相対移動量を示す位置カウント値Pが消失しているか否かを判定することができる。
こうした判定原理に基づき、可変動弁機構制御ユニット40は、図8に示す相対移動量消失判定処理を所定期間毎に繰り返し実行することにより位置カウント値Pが消失しているか否かを判定する。
本処理が開始されるとまず、RAM43への電力供給開始時か否かが判定される(ステップS400)。ここでは、可変動弁機構制御ユニット40に電力供給が開始されて当該可変動弁機構制御ユニット40での各種演算処理が開始されるとともに、RAM43に供給される電圧がその最低動作電圧を超えた場合に肯定判定される。そして、RAM43への電力供給開始時ではない場合には(ステップS400:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、RAM43への電力供給開始時である場合には(ステップS400:YES)、上記モータ制御中フラグFgが「ON」に設定されているか否かが判定され(ステップS410)、同モータ制御中フラグFgが「OFF」に設定されている場合には(ステップS410:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、モータ制御中フラグFgが「ON」に設定されている場合には(ステップS410:YES)、RAM43への電力供給開始時にあって、モータ制御中フラグFgが既に「ON」に設定されている。したがって、位置カウント値Pが消失されている旨判定されてRAM43に記憶される相対移動量消失フラグFhが「ON」に設定され(ステップS420)、本処理は一旦終了される。
このようにモータ制御中フラグFgを参照して位置カウント値Pが消失されている旨判定されると、可変動弁機構制御ユニット40は、コントロールシャフト16の絶対位置を検出し、可変動弁機構14の動作状態を的確に把握するために、所定の学習処理を実行する。
こうした学習処理の一例としては、Lo端側ストッパ26またはHi端側ストッパ27がシリンダヘッドの一部に当接するまで、すなわち最小位置または最大位置までコントロールシャフト16を強制駆動して、その位置を新たな基準位置としてEEPROM44に再設定する処理を行うことができる。
しかしながら、コントロールシャフト16を最大位置へと駆動する場合には、閉弁側に付勢されている吸気バルブ9の最大リフト量VLを増大させるようにコントロールシャフト16を駆動する。そのため、機関回転速度NE等により変化するこの付勢力によって正確にコントロールシャフト16を変位させることが困難となる。その結果、最大位置においてコントロールシャフト16の基準位置を再設定する際にその位置検出精度の低下が懸念されることとなる。
また、コントロールシャフト16を最小位置へと駆動する場合には、吸気バルブ9の最大リフト量VLが最小となることにより減少した吸入空気量GAをスロットルバルブ25の駆動を通じて調整することが困難なことから、学習処理の実行時期が機関運転状態への影響が少ない時期、例えば停車時等のアイドル運転時に限られてしまう。そのため、瞬断から可変動弁機構14の駆動状態を正常な状態へと迅速に復帰させるという要求には応えることが困難である。
このような実情に鑑み、本実施形態の可変動弁機構制御ユニット40は、図9に示すような基準位置再設定処理を所定期間毎に繰り返し実行する。
図9に示されるように、本処理が開始されるとまず、RAM43に記憶された相対移動量消失フラグFhが「ON」であるか否かが判定される(ステップS500)。この相対移動量消失フラグFhが「OFF」である場合には(ステップS500:NO)、本処理はステップS506に移行する。
一方、RAM43に記憶された相対移動量消失フラグFhが「ON」になっている場合には(ステップS500:YES)、ブラシレスモータ30を逆回転させて、コントロールシャフト16を最大位置まで強制駆動させる(ステップS501)。具体的には、ブラシレスモータ30を逆回転させ続け、Hi端側ストッパ27をシリンダヘッド2の一部に当接させる。Hi端側ストッパ27がシリンダヘッド2の一部に当接して、ストロークカウント値Sが増大しなくなると、そのストロークカウント値Sの値を新たな基準値PstとしてEEPROM44に記憶する(ステップS502)。そして、位置カウント値Pの値を「0」にリセットすることにより、コントロールシャフト16の位置を学習する(ステップS503)。こうして学習が完了すると、RAM43に記憶された相対移動量消失フラグFhの値を「ON」から「OFF」へと設定する(ステップS504)。
次に、コントロールシャフト16を最小位置まで強制駆動してこの位置を新たな基準位置として再設定する最小位置設定処理の実行要否を示す情報値である最小位置設定処理実行フラグFiを同最小位置設定処理の実行が必要である旨を示す「ON」に設定してこれをEEPROM44に記憶する(ステップS505)。
ステップS506では、最小位置設定処理実行フラグFiが「ON」であるか否かが判定される。ステップS506において最小位置設定処理実行フラグFiが「OFF」である旨判定されると(ステップS506:NO)、この処理は一旦終了される。一方、ステップS506において最小位置設定処理実行フラグFiが「ON」である旨判定された場合には(ステップS506:YES)、ステップS507へと進む。
ステップS507では、エンジン1がアイドル運転状態に移行したか否かが判定される。ステップS507においてアイドル運転状態に移行していない旨判定された場合には(ステップS507:NO)、この処理は一旦終了される。一方、ステップS507においてアイドル運転状態に移行している旨判定された場合には(ステップS507:YES)、ブラシレスモータ30を正回転させて、コントロールシャフト16を最小位置まで駆動させる(S508)。具体的には、ブラシレスモータ30を正回転させ続け、Lo端側ストッパ26をシリンダヘッド2の一部に当接させる。Lo端側ストッパ26がシリンダヘッド2の一部に当接して、ストロークカウント値Sが減少しなくなると、そのストロークカウント値Sの値を新たな基準値PstとしてEEPROM44に記憶する(ステップS509)。そして、位置カウント値Pの値を「0」にリセットすることにより、コントロールシャフト16の位置を再学習する(ステップS510)。こうして再学習が完了すると、EEPROM44に記憶された最小位置設定処理実行フラグFiの値を「ON」から「OFF」に書き換えて(ステップS511)本処理を終了する。
このように、本実施形態では、相対移動量消失フラグFhが「ON」でありRAM43への電力供給の瞬断があった旨変態された場合に、まず吸気バルブ9の最大リフト量が最大となる最大位置までコントロールシャフト16を強制駆動して学習処理を迅速に実行するようにしている。一方で、エンジン1がアイドル運転状態に移行したときに最大リフト量が最小となる最小位置までコントロールシャフト16を強制駆動して精度の高い学習処理を実行するようにしている。
また、本実施形態では、最大位置における学習処理の実行の際に、最小位置設定処理の実行が必要である旨を示す最小位置設定処理実行フラグFiを「ON」に設定してこれが書き換え可能なEEPROM44に記憶される。したがって、瞬断後に最小位置設定処理がなされないままイグニッションスイッチ55がオフにされて機関運転が停止された場合であっても、イグニッションスイッチ55がオン操作されて車両の運転が再開された場合には、この最小位置設定処理実行フラグFiの状態に基づいて最小位置設定処理が完了していないことが把握され、その実行条件が成立したときに同最小位置設定処理が実行される。したがって、高い精度で可変動弁機構14のコントロールシャフト16の位置情報を検出することができるようになる。
以上示した本実施形態の可変動弁機構14の制御装置においては以下の効果を奏することができる。
(1)機関運転中に、RAM43に対する電圧低下が発生したと判定された場合に、まず可変動弁機構14のコントロールシャフト16が吸気バルブ9の最大リフト量VLが最大となる最大位置へと強制駆動され、その位置が基準位置として再設定される。したがって、瞬断発生後に迅速に可変動弁機構14のコントロールシャフト16の位置を把握し、こうして再設定された基準位置に基づいて可変動弁機構14の制御を適切に実行することができるようになる。なおこの場合、吸気バルブ9による吸入空気量GAの調量は不能となるが、スロットルバルブ25の開度調節を通じて同調量を行うことができる。
また、瞬断等からの電力供給の復帰後にエンジン1がアイドル運転状態に移行した場合に、最小位置にコントロールシャフト16を強制駆動し、その位置を基準位置として再設定する最小位置設定処理を実行する。このようにコントロールシャフト16を最小位置に駆動する場合には最大位置に駆動する場合と比較してバルブ反力等の影響が小さいため、高い精度にてコントロールシャフト16の位置を検出して基準位置を再設定することができる。このように、瞬断からの電力供給の復帰後に最大位置におけるコントロールシャフト16の位置情報の学習処理を迅速に実行するとともに、機関運転状態がアイドル運転状態に移行した場合に最大リフト量が最小となる最小位置においてより精度の高い学習処理を再実行することで、消失したコントロールシャフト16の位置情報を迅速に検出しつつ、この検出の精度を高い水準で維持することができるようになる。
また、最大位置における基準位置の再設定処理を実行する際に、最小位置設定処理実行フラグFiを「ON」に設定してこれがEEPROM44に記憶される。したがって、瞬断後に最小位置設定処理がなされないままイグニッションスイッチ55がオフにされて機関運転が停止された場合であっても、イグニッションスイッチ55がオン操作されて車両の運転が再開された場合には、この最小位置設定処理実行フラグFiの状態に基づいて最小位置設定処理が完了していないことを把握することができ、その後、機関運転状態がアイドル運転状態に移行したときに同最小位置設定処理を実行することができるようになる。
(2)モータ制御中フラグFgは、機関始動が開始され、その後、RAM43に対する電力の供給が安定して行われる状態になった後において、給電停止状態を示す「OFF」から給電状態である旨を示す「ON」へと書き換えられる。また、機関停止に伴って電力の供給が停止されるときに「ON」から「OFF」へと書き換えられる。したがって、機関始動に伴ってRAM43に対する電力の供給が開始された直後における「OFF」から「ON」への書き換えが実行される前の状態では、その値が給電停止状態である旨を示す「OFF」の値になっている。一方、モータ制御中フラグFgが「ON」に変更された後、給電停止状態である旨を示す「OFF」に書き換えられる前に、再度RAM43に電力の供給が開始されるような状況、すなわちRAM43に対する電力供給の瞬断による電圧低下が発生した後、電力供給が再開された直後においては、モータ制御中フラグFgの値は、すでに「ON」に設定されている。このようにRAM43への給電開始時に、モータ制御中フラグFgの状態を確認することにより、機関始動に伴う通常の給電開始か、それとも位置カウント値Pが消失しているおそれのある瞬断からの給電復帰かを的確に判別し、コントロールシャフト16の相対移動量を示す位置カウント値Pが消失しているか否かを判定することができるようになる。
(第2の実施形態)
次に、この発明にかかる可変動弁機構14の制御装置の第2の実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態は、第1の実施形態と基準位置再設定処理の処理態様が異なっており、その他の処理については第1実施形態の場合と同様に実施されている。そのため、以下の説明では、同様の部分についてはその説明を割愛し、相違点である基準位置再設定処理の説明のみを行う。
可変動弁機構制御ユニット40は、図10に示すような基準位置再設定処理を所定期間毎に繰り返し実行する。図10に示されるように、本処理が開始されるとまず、RAM43に記憶された相対移動量消失フラグFhが「ON」であるか否かが判定される(ステップS601)。この相対移動量消失フラグFhが「OFF」である場合には(ステップS601:NO)、本処理はステップS606に移行する。
一方、RAM43に記憶された相対移動量消失フラグFhが「ON」になっている場合には(ステップS601:YES)、吸気バルブ9の最大リフト量が最小となる最小位置にまでコントロールシャフト16を強制駆動してこの位置を基準位置として再設定する最小位置設定処理の実行要否を示す情報値である最小位置設定処理実行フラグFiを同最小位置設定処理の実行が必要である旨を示す「ON」に設定してこれをEEPROM44に記憶する(ステップS602)。
次いで、ブラシレスモータ30を逆回転させて、コントロールシャフト16を最大位置まで駆動させる(ステップS603)。具体的には、ブラシレスモータ30を逆回転させ続け、Hi端側ストッパ27をシリンダヘッド2の一部に当接させる。そして、最大位置への駆動が完了したか否かを判定し(ステップS604)、この駆動が完了するまで、このステップS604の判定処理が繰り返し行われる。なお、コントロールシャフト16の駆動が完了したか否かを判定する手法としては、駆動開始から所定の時間が経過したか否かを判定したり、Hi端側ストッパ27と接することによる電圧値の変化があったか否かを判定したりする手法を採用することができる。最大位置へのコントロールシャフト16の駆動が完了した場合には(ステップS604:YES)、通電許可フラグFdを「ON」から「OFF」へと変更してRAM43へと記憶し(ステップS605)、ブラシレスモータ30への通電を禁止する。したがって、コントロールシャフト16は最大位置において維持されるようになる。
そして、最小位置設定処理実行フラグFiが「ON」であるか否かが判定される(ステップS606)。ステップS606において最小位置設定処理実行フラグFiが「OFF」である旨判定された場合には(ステップS606:NO)、この処理は一旦終了される。一方、ステップS606において最小位置設定処理実行フラグFiが「ON」である旨判定された場合には(ステップS606:YES)、エンジン1がアイドル運転状態に移行したか否かが判定される(S607)。ステップS607においてアイドル運転状態に移行していない旨判定された場合には(ステップS607:NO)、この処理は一旦終了される。
一方、ステップS607においてアイドル運転状態に移行している旨判定された場合には(ステップS607:YES)、通電許可フラグFdを「OFF」から「ON」に変更してRAM43に記憶し(S608)、ブラシレスモータ30を正回転させて、コントロールシャフト16を最小位置まで駆動させる(S609)。具体的には、ブラシレスモータ30を正回転させ続け、Lo端側ストッパ26をシリンダヘッド2の一部に当接させる。そして、Lo端側ストッパ26がシリンダヘッド2の一部に当接して、ストロークカウント値Sが減少しなくなると、そのストロークカウント値Sの値を新たな基準値PstとしてEEPROM44に記憶する(ステップS610)。次に、位置カウント値Pの値を「0」にリセットすることにより、コントロールシャフト16の位置を学習する(ステップS611)。こうして学習が完了すると、EEPROM44に記憶された最小位置設定処理実行フラグFiの値を「ON」から「OFF」に書き換えて(ステップS612)、RAM43に記憶された相対移動量消失フラグFhの値を「ON」から「OFF」へと設定して(ステップS613)本処理を終了する。
以上示した本実施形態の可変動弁機構14の制御装置においては以下の効果を奏することができる。
(3)本実施形態では、機関運転中に、RAM43に対する電圧低下が発生したと判定された場合に、最小位置設定処理実行フラグFiを「ON」に設定してEEPROM44に記憶し、最小位置設定処理が実行されるまで、最大位置にコントロールシャフト16を強制駆動して同位置に維持する。そして、EEPROM44に記憶される最小位置設定処理実行フラグFiが最小位置設定処理の実行を要求する「ON」に設定されているとき、エンジン1がアイドル運転状態に移行したことを条件に最小位置設定処理を実行するとともに、EEPROM44に記憶される最小位置設定処理実行フラグFiを「OFF」に書き換えることとした。このようにコントロールシャフト16を最小位置に駆動する場合には最大位置に駆動する場合と比較してバルブ反力等の影響が小さいため、高い精度をもってコントロールシャフト16の位置を検出して基準位置を再設定することができる。
また、最大位置にコントロールシャフト16を停止させた際に、最小位置設定処理実行フラグFiを最小位置設定処理の実行が必要である旨を示す「ON」に設定してこれがEEPROM44に記憶される。したがって、瞬断後に最小位置設定処理がなされないままイグニッションスイッチ55がオフにされて機関運転が停止された場合であっても、イグニッションスイッチ55がオン操作されて車両の運転が再開された場合には、この最小位置設定処理実行フラグFiの状態に基づいて最小位置設定処理が完了していないことを把握することができ、その後、機関運転状態がアイドル運転状態に移行したときに同最小位置設定処理を実行することができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態は以下のように適宜変更して実施可能である。
・上記実施形態では、前回の機関運転終了時のコントロールシャフト16の絶対位置が基準位置として機関運転を終了するたびにEEPROM44に記憶される例を示したが、基準位置の設定態様は適宜変更することができる。例えば、予め機関始動に適した位置を基準位置としてEEPROM44に記憶しておき、機関運転終了時には毎回基準位置までコントロールシャフト16を移動させてから機関運転を終了するといった構成を採用することもできる。
・上記実施形態では、ブラシレスモータ30に設けられた位置センサS1、S2の検出信号に基づいてコントロールシャフト16の相対移動量を検出するようにした。この他、例えば、コントロールシャフト16の移動量を直接検出する等、可変動弁機構の可動部の相対移動量を検出する構成は適宜変更することができる。
・上記実施形態における可変動弁機構14は、吸気バルブ9の最大リフト量VL及び作用角INCAMをともに変更する機構であったが、この他、吸気バルブ9の最大リフト量VLのみ、または作用角INCAMのみを変更する機構であっても、本発明は同様に適用することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる可変動弁機構の制御装置が適用されるエンジンの断面図。 同実施形態にかかる可変動弁機構を駆動する駆動機構、及びその駆動機構を制御する制御装置の概略構成を示す模式図。 (a)〜(d)は、ブラシレスモータの回転に伴う位置センサS1、S2のパルス信号と位置カウント値Pの推移、及びストロークカウント値Sの推移を示すタイミングチャート。 同実施形態にかかるカウント処理の処理手順を示すフローチャート。 位置センサS1、S2からの信号に応じた位置カウント値Pの加減算態様を示す表。 同実施形態にかかる始動時フラグ設定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる停止時フラグ設定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる相対移動量消失判定処理の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にかかる基準位置再設定処理の処理手順を示すフローチャート。 第2の実施形態にかかる基準位置再設定処理の処理手順を示すフローチャート。 従来の可変動弁機構を駆動する駆動機構、及びその駆動機構を制御する制御装置の概略構成を示す模式図。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…シリンダブロック、5…ピストン、6…燃焼室、7…吸気通路、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、14…可変動弁機構、15…ロッカシャフト、16…コントロールシャフト、17…入力アーム、18…出力アーム、19…ローラ、20…コイルスプリング、21…ロッカアーム、22…ラッシュアジャスタ、23…ローラ、24…バルブスプリング、25…スロットルバルブ、40…可変動弁機構制御ユニット、41…中央演算処理装置(CPU)、42…読み出し専用メモリ(ROM)、43…ランダムアクセスメモリ(RAM)、44…EEPROM、45…外部出力回路、46…外部入力回路、47…内部バス、48…CANケーブル、50…機関制御ユニット。

Claims (3)

  1. 吸入空気量を調量可能なスロットルバルブを備えた内燃機関に設けられ、吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置から最小となる位置の間を可動範囲とする可動部を有し、同可動部を機関運転状態に基づいてその可動範囲内で変位させることにより前記吸気バルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構の制御装置であって、
    同制御装置は、前記可動部の可動範囲内にある基準位置からの前記可動部の変位履歴にかかる情報を揮発性メモリに記憶するとともに、その記憶される変位履歴にかかる情報に基づいて前記可動部の位置を検出する位置検出手段と、機関運転中に、前記揮発性メモリに対する電圧低下が発生したか否かを判定する瞬断判定手段と、前記吸気バルブの最大リフト量が最小となる位置に前記可動部を強制駆動するとともに同可動部の位置を前記基準位置として設定する一連の処理を最小位置設定処理と定義したとき、前記瞬断判定手段により前記電圧低下が発生したと判定された場合に、前記吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置に前記可動部を強制駆動してその位置を前記基準位置として設定するとともに、その最大位置での設定処理がなされたことを条件に、前記最小位置設定処理の実行要否を示す情報値を実行が必要である旨を示すに設定して書き換え可能な不揮発性メモリに記憶する位置情報学習手段とを備え、
    同位置情報学習手段は、前記不揮発性メモリに記憶される前記情報値が前記最小位置設定処理の実行が必要である旨を示すにあるとき、内燃機関がアイドル運転状態に移行したことを条件に前記最小位置設定処理を実行するとともに、前記不揮発性メモリに記憶される前記情報値を前記最小位置設定処理の実行が不要である旨を示すに書き換える
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  2. 吸入空気量を調量可能なスロットルバルブを備えた内燃機関に設けられ、吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置から最小となる位置の間を可動範囲とする可動部を有し、同可動部を機関運転状態に基づいてその可動範囲内で変位させることにより前記吸気バルブの最大リフト量を変更する可変動弁機構の制御装置であって、
    同制御装置は、前記可動部の可動範囲内にある基準位置からの前記可動部の変位履歴にかかる情報を揮発性メモリに記憶するとともに、その記憶される変位履歴にかかる情報に基づいて前記可動部の位置を検出する位置検出手段と、機関運転中に、前記揮発性メモリに対する電圧低下が発生したか否かを判定する瞬断判定手段と、前記吸気バルブの最大リフト量が最小となる位置に前記可動部を強制駆動するとともに同可動部の位置を前記基準位置として設定する一連の処理を最小位置設定処理と定義したとき、前記瞬断判定手段により前記電圧低下が発生したと判定された場合に、前記最小位置設定処理の実行要否を示す情報値を実行が必要である旨を示すに設定して書き換え可能な不揮発性メモリに記憶し、同最小位置設定処理が実行されるまで前記吸気バルブの最大リフト量が最大となる位置に前記可動部を停止させる位置情報学習手段とを備え、
    同位置情報学習手段は、前記不揮発性メモリに記憶される前記情報値が前記最小位置設定処理の実行が必要である旨を示すにあるとき、内燃機関がアイドル運転状態に移行したことを条件に前記最小位置設定処理を実行するとともに、前記不揮発性メモリに記憶される前記情報値を前記最小位置設定処理の実行が不要である旨を示すに書き換える
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の可変動弁機構の制御装置において、
    前記瞬断判定手段は、機関始動後、前記揮発性メモリを含めた前記可変動弁機構の制御装置に対する給電が開始された時に給電状態である旨を示す給電状態情報値を書き換え可能な不揮発性メモリに記憶する一方、機関停止に伴って同制御装置への給電が停止される時に前記給電状態情報値を給電停止状態である旨を示す値に書き換える給電状態記憶処理を実行するものであり、前記揮発性メモリへの給電復帰直後における同給電状態記憶処理実行前の前記給電状態情報値がすでに給電状態である旨を示す値に設定されている場合には、前記揮発性メモリに対する電圧低下が発生した旨判定する
    ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
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