JP2008215247A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】学習値の学習のためにアクチュエータを駆動範囲の範囲端へと駆動する際、それが機関運転に影響を及ぼしたり、範囲端への到達時に破損が生じたりすることを抑制することのできる内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】ブラシレスモータ47の実際の回転角と検出値とのずれに対応する値としてHi端学習値の学習を行う際、ブラシレスモータ47がその回転角範囲(0〜3600℃)における吸気バルブの最大リフト量及び作動角の増加側の範囲端(Hi端)に向けて駆動される。このようにブラシレスモータ47をHi端へと駆動する際、そのブラシレスモータ47の駆動速度が制限される。従って、同モータ47のHi端への駆動に伴う吸気バルブの最大リフト量及び作動角の急変がエンジン運転に影響を及ぼすことを抑制できるとともに、Hi端への到達時の衝撃が大となってブラシレスモータ47や変換機構48等に破損が生じることを抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の可変動弁装置に関するものである。
従来より、内燃機関の可変動弁装置として、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構を備え、同機構を所定の駆動範囲内で駆動されるアクチュエータによって動作させるものが知られている。
こうした可変動弁装置において、機関バルブのバルブ特性を精密に制御するには、実際のバルブ特性を正確に検出し、それが目標とする特性となるよう可変動弁機構を動作させること、言い換えればアクチュエータを駆動制御することが重要になる。機関バルブの実際のバルブ特性を検出する方法としては、そのバルブ特性がアクチュエータの上記駆動範囲内での駆動位置に対応したものになることから、アクチュエータの駆動位置を検出する位置センサを設け、同センサによって検出されるアクチュエータの駆動位置を用いて機関バルブの実際のバルブ特性を検出することが考えられる。
ただし、上記位置センサによって検出されるアクチュエータの上記駆動範囲内での駆動位置は、常にアクチュエータの実際の駆動位置(機関バルブのバルブ特性)に対応しているとは限らず、その実際の駆動位置に対応した値からずれることがある。例えば、位置センサの出力にノイズが発生することに起因して、位置センサによって検出されるアクチュエータの駆動位置が実際の駆動位置に対応した値からずれる場合がある。この場合、位置センサによって検出されるアクチュエータの駆動位置が不正確になり、ひいては同駆動位置に基づき検出される機関バルブのバルブ特性が不正確になる。このため、検出されたバルブ特性に基づきアクチュエータを駆動し、機関バルブのバルブ特性を目標とする特性に制御しようとしても、それを正しく行えなくなるという不具合が生じる。
こうした不具合を抑制するには、位置センサによって検出されたアクチュエータの駆動位置における実際の駆動位置に対するずれ量を求め、そのずれ量に対応する分の補正を上記検出された駆動位置に施し、その検出された駆動位置を実際の駆動位置に対応する値へと戻すことが必要になる。
このため、特許文献1では、アクチュエータをその駆動範囲の範囲端へと駆動することが要求されているとき、言い換えれば機関バルブのバルブ特性を上記範囲端に対応する特性とすることの要求される機関運転状態であるとき、以下のような処理を実施するようにしている。すなわち、アクチュエータをその駆動範囲の範囲端へと駆動し、その範囲端に達したときに位置センサによって検出されるアクチュエータの駆動位置を学習値として記憶(学習)する。そして、学習した学習値(検出された駆動位置)を上記範囲端での駆動位置の適正値と比較し、両者のずれ量に対応する分の補正を位置センサによって検出されたアクチュエータの駆動位置に施すようにしている。
こうした補正を通じて位置センサにより検出されたアクチュエータの駆動位置が実際の駆動位置に対応する値とされ、その駆動位置に基づき検出される機関バルブのバルブ特性が正確なものとされる。なお、上記文献では、アクチュエータが上記範囲端に到達したときに位置センサによって検出されるアクチュエータの駆動位置を学習値として学習しているが、上記検出された駆動位置の適正位置に対するずれ量を学習値として学習することも考えられる。この場合、学習値(ずれ量)に対応する分の補正を位置センサによって検出されたアクチュエータの駆動位置に施すことにより、上記と同等の効果が得られるようになる。
特開2003−41955公報(段落[0031]〜[0035])
ところで、学習値の学習を行うためのアクチュエータの駆動範囲の範囲端への駆動は、その範囲端に対応した機関バルブのバルブ特性が要求される機関運転状態のときに行われるため、上記アクチュエータの駆動位置を上記範囲端としたときにそれが機関運転への悪影響に繋がることはない。ただし、上記アクチュエータを範囲端へと駆動する過程での駆動速度が速すぎると、それに伴う機関バルブのバルブ特性の急変が機関運転に影響を及ぼしかねない。また、アクチュエータの上記変位端への到達時の衝撃が大となり、アクチュエータ等に破損が生じるおそれもある。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、学習値の学習のためにアクチュエータを駆動範囲の範囲端へと駆動する際、それが機関運転に影響を及ぼしたり、範囲端への到達時に破損が生じたりすることを抑制することのできる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構と、その可変動弁機構を動作させるべく所定の駆動範囲内で駆動されるアクチュエータと、そのアクチュエータの駆動位置を検出する検出手段と、検出された前記駆動位置に基づき前記アクチュエータを前記駆動範囲内で駆動制御する制御手段とを備え、学習条件の成立をもって前記アクチュエータを前記駆動範囲の範囲端へと駆動し、同変位端に到達した状態で前記検出手段によって検出される前記駆動位置の適正位置からのずれ量を学習値として学習する内燃機関の可変動弁装置において、前記学習値の学習のために前記アクチュエータを前記範囲端へと駆動する際、そのアクチュエータの駆動速度を制限する制限手段を備えた。
上記構成によれば、学習値の学習のためにアクチュエータをその駆動範囲の範囲端へと駆動する際、同アクチュエータの駆動速度が制限されるため、アクチュエータの範囲端への駆動が機関運転に影響を及ぼしたり、アクチュエータの範囲端への到達時に破損が生じたりすることを抑制することができる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制限手段は、前記アクチュエータを前記範囲端へと駆動する際、そのアクチュエータの駆動速度を同駆動に伴う機関運転への影響が許容レベルを越えないよう制限するものとした。
上記構成によれば、学習値の学習のためにアクチュエータをその駆動範囲の範囲端へと駆動する際、それによる機関運転への影響を的確に許容レベルまでに抑え、同駆動による問題の発生を回避することができる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明では、前記内燃機関は、アクセル操作量の増加に伴い機関出力を増加させるべく吸入空気量の増加が図られるものであり、前記可変動弁機構は、前記機関バルブのバルブ特性として吸気バルブの最大リフト量及び作動角を可変とするものであり、前記学習値の学習のために前記アクチュエータが駆動される前記範囲端は、前記吸気バルブの最大リフト量及び作動角を大とする側の範囲端であり、前記制限手段は、前記アクセル操作量が大であるときには小であるときに比べて前記アクチュエータの駆動速度の制限を緩和するものとした。
学習値の学習を行うべくアクチュエータを範囲端へと駆動すると、吸気バルブの最大リフト量及び作動角が大とされ、内燃機関の吸入空気量が増加側に変化することとなる。また、学習値の学習を行うときであれ、そうでないときであれ、アクセル操作量が大となって機関出力増加が要求されたときには、それに応じて機関出力を増加させるべく内燃機関の吸入空気量の増加が図られる。
ここで、学習値の学習を行うべくアクチュエータを上記範囲端へと駆動する際、アクセル操作量が大である場合には上記範囲端側に向けて駆動されるアクチュエータの駆動速度を比較的速くすることが好ましい。これは、アクセル操作量が大であるということは機関出力の増加を要求していることを意味し、上記範囲端側に向けて駆動されるアクチュエータの駆動速度を速めて吸気バルブの最大リフト量及び作動角の増加(吸入空気量の増加)を速め、上記要求に対応して機関出力を速やかに増加させることが好ましいためである。しかし、このようなとき仮に制限手段によるアクチュエータの駆動速度の制限が過度に大きく行われると、それによって内燃機関の吸入空気量の増加速度が大きく制限され、アクセル操作による機関出力の増加要求に対し実際の機関出力の増加が遅くなってもたつき感を与えることになる。
上記構成によれば、学習値の学習を行うべくアクチュエータを範囲端へと駆動するときに駆動速度を制限する際、アクセル操作量が大であるときには小であるときに比べて同駆動速度の制限が緩和される。従って、アクセル操作量が小であって機関出力要求が小さいときにはアクチュエータの駆動速度を機関運転への影響を抑えることの可能なレベルへと制限し、機関出力の増加を要求すべくアクセル操作量を大としているときには上記駆動速度の制限が過度に行われて機関出力の増加に関しもたつき感を与えることのないようにすることができる。
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明において、前記制限手段は、前記アクチュエータの駆動速度の制限を前記アクセル操作量が大となるほど徐々に大きく緩和してゆくものとした。
上記構成によれば、学習値の学習を行うためのアクチュエータの駆動が機関運転に与える影響を許容レベルとするうえでの適切なアクチュエータの駆動速度の制限と、機関出力増加に関してのもたつき感を与えることのないようにするうえでの上記制限の緩和とを、最適な状態で両立させることができる。従って、学習値の学習を行うためのアクチュエータの駆動が機関運転に与える影響を許容レベルとしながら、アクセル操作量が大きい値であるときの機関出力増加に関してのもたつき感を可能な限り小さく抑えることができるようになる。
請求項5記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記制限手段は、前記アクチュエータを前記範囲端へと駆動する際、そのアクチュエータの駆動速度を同駆動による前記アクチュエータの前記範囲端への到達時に破損が生じることのない値で且つ最速となるよう制限するものとした。
上記構成によれば、学習値の学習のためにアクチュエータをその駆動範囲の範囲端へと駆動する際、その範囲端への到達を速やかに行いつつ、到達時の破損を回避することができる。
以下、本発明を自動車用エンジンに適用した一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
図1は、エンジン1における所定気筒のシリンダヘッド2周りの構造を示す拡大断面図である。このエンジン1においては、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、及びピストン5によって燃焼室6が区画され、この燃焼室6には吸気通路7及び排気通路8が接続されている。そして、吸気通路7と燃焼室6との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路8と燃焼室6との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断されるようになる。
シリンダヘッド2には、吸気バルブ9及び排気バルブ10を駆動するための吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12が設けられている。これら吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12は、エンジン1のクランクシャフトからの回転伝達によって回転するようになっている。また、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12には、それぞれ吸気カム11a及び排気カム12aが設けられている。そして、これら吸気カム11a及び排気カム12aの吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12との一体回転を通じて、吸気バルブ9及び排気バルブ10が開閉動作するようになっている。
また、エンジン1には、吸気バルブ9及び排気バルブ10といった機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構として、吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角を可変とする可変動弁機構14が吸気カム11aと吸気バルブ9との間に設けられている。この可変動弁機構14の動作を通じて、例えば吸入空気量を多く必要とするエンジン運転状態になるほど、最大リフト量及び作動角が大となるよう制御される。これは最大リフト量及び作動角を大とするほど、吸気通路7から燃焼室6への空気の吸入が効率よく行われ、上述した吸入空気量に関する要求を満たすことが可能なためである。
次に、可変動弁機構14の詳細な構造について説明する。
可変動弁機構14は、回転する吸気カム11aにより押されて上記吸気カムシャフト11と平行に延びるロッカシャフト15及びコントロールシャフト16の軸線を中心に揺動する入力アーム17と、この入力アーム17の揺動に基づき上記軸線を中心に揺動する出力アーム18とを備えている。入力アーム17に関しては、ローラ19が回転可能に取り付けられるとともに、そのローラ19が吸気カム11aに押しつけられるようコイルスプリング20によって吸気カム11a側に付勢されている。また、出力アーム18は、その揺動時にロッカアーム21に押しつけられ、同ロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせる。
このロッカアーム21の基端部はラッシュアジャスタ22によって支持され、同ロッカアーム21の先端部は吸気バルブ9に接触している。また、ロッカアーム21は吸気バルブ9のバルブスプリング24によって出力アーム18側に付勢され、これによりロッカアーム21の基端部と先端部との間に回転可能に支持されたローラ23が出力アーム18に押しつけられている。従って、吸気カム11aの回転に基づき入力アーム17及び出力アーム18が揺動すると、出力アーム18がロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせ、吸気バルブ9の開閉動作が行われるようになる。
可変動弁機構14では、パイプ状のロッカシャフト15内に配置されたコントロールシャフト16を軸方向に変位させることで、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置を変更することが可能となっている。このように、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置を変更すると、上記吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角が可変とされる。即ち、入力アーム17と出力アーム18とを揺動方向について互いに接近させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角は小となってゆく。逆に、入力アーム17と出力アーム18とを揺動方向について互いに離間させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角は大となってゆく。
なお、吸気バルブ9が開閉駆動(正確にはリフト)されると、その際の反力が可変動弁機構14の入力アーム17と出力アーム18とを互いに接近させようとする方向、言い換えれば上記最大リフト量及び作動角を減少させようとする方向に働くこととなる。従って、可変動弁機構14における上記最大リフト量及び作動角を減少させる方向への作動は、上記反力に従った方向への作動ということになる。また、可変動弁機構14における上記最大リフト量及び作動角を増加させる方向への作動は、上記反力に抗した方向への作動ということになる。
次に、可変動弁機構14を動作させる上記コントロールシャフト16を軸方向に変位させるためのアクチュエータ、及び、そのアクチュエータを駆動制御する制御装置について、図2を参照して説明する。
アクチュエータは、同図に示されるコントロールシャフト16の基端部(図中右端部)に変換機構48を介して連結されたブラシレスモータ47を備えている。上記変換機構48は、ブラシレスモータ47の回転運動をコントロールシャフト16の軸方向への直線運動に変換するためのものである。そして、アクチュエータの所定の駆動範囲内での駆動、より詳しくはブラシレスモータ47の所定の回転角範囲内での回転駆動を通じて、コントロールシャフト16が軸方向に変位させられ、可変動弁機構14が動作されることとなる。なお、ブラシレスモータ47の上記回転角範囲とは、その範囲端が同モータ47の回転(コントロールシャフト16の軸線方向移動)の機械的な制限によって定められるものであって、例えば同モータ47の10回転分の回転角範囲(0〜3600°)となっている。
ちなみに、ブラシレスモータ47を逆回転させると、コントロールシャフト16は先端(図中左端)側に変位し、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が互いに接近するように変更される。また、ブラシレスモータ47を正回転させると、コントロールシャフト16は基端(図中右端)側に変位し、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が互いに離間するように変更される。こうしたブラシレスモータ47の回転駆動による入力アーム17及び出力アーム18の揺動方向についての相対位置の変更を通じて、吸気カム11aの回転により出力アーム18が揺動したときの吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角が可変とされる。
ブラシレスモータ47には、三つの電気角センサS1〜S3、及び二つの位置センサS4,S5が設けられている。
三つの電気角センサS1〜S3は、ブラシレスモータ47の回転時、同モータ47のロータと一体回転する4極の多極マグネットの磁気に応じて、図3(a)〜(c)に示されるようなパルス状の信号、すなわちハイ信号「H」とロー信号「L」とを交互に出力するものである。また、各電気角センサS1〜S3からのパルス信号は、互いに位相をずらした状態で出力されるようになっている。すなわち、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、上記ロータに対する各電気角センサS1〜S3の周方向位置が定められている。なお、各電気角センサS1〜S3のうちの一つのセンサから出力されるパルス信号のエッジは、ブラシレスモータ47の45°回転毎に発生している。また、上記一つのセンサからのパルス信号は、他のセンサからのパルス信号に対し、ブラシレスモータ47の30°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
二つの位置センサS4,S5は、ブラシレスモータ47の回転時、同モータ47のロータと一体回転する48極の多極マグネットの磁気に応じて、図3(d)及び(e)に示されるようなパルス状の信号、すなわちハイ信号「H」とロー信号「L」とを交互に出力するものである。また、各位置センサS4,S5からのパルス信号は、互いに位相をずらした状態で出力されるようになっている。すなわち、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、上記ロータに対する各位置センサS4,S5の周方向位置が定められている。なお、各位置センサS4,S5の内の一方のセンサから出力するパルス信号のエッジは、ブラシレスモータ47の7.5°回転毎に発生している。また、上記一方のセンサからのパルス信号は、他方のセンサからのパルス信号に対し、ブラシレスモータ47の3.75°回転分だけ位相をずらした状態となっている。
従って、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ間隔が15°であるのに対し、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ間隔は3.75°と上記15°というエッジ間隔よりも短くなっている。更に、電気角センサS1〜S3からのパルス信号のエッジ発生から次回のエッジ発生までには、位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジが4回発生するようになっている。
コントロールシャフト16を軸方向に変位させるべく回転駆動されるブラシレスモータ47の制御装置は、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角といった吸気バルブ9のバルブ特性の制御など、エンジン1の各種制御を行う電子制御装置50(図2)を備えている。この電子制御装置50は、上記各種制御にかかる演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果が一時的に記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御装置50の入力ポートには、上述した電気角センサS1〜S3及び位置センサS4,S5が接続されるほか、更に以下のセンサを含む各種センサが接続されている。
・自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル踏込量)を検出するアクセルポジションセンサ51。
・エンジン1の吸気通路7に設けられたスロットルバルブの開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ52。
・上記吸気通路7を通じて燃焼室6に吸入される空気の量を検出するエアフローメータ53。
・エンジン1の出力軸の回転に対応する信号を出力してエンジン回転速度の検出等に用いられるクランクポジションセンサ54。
・自動車の運転者により切り換え操作され、現在の切換位置に対応した信号を出力するイグニッションスイッチ55。
また、電子制御装置50の出力ポートには、ブラシレスモータ47の駆動回路等が接続されている。電子制御装置50は、上記各種センサから入力した検出信号に基づきエンジン運転状態を把握する。そして、その把握したエンジン運転状態に基づきブラシレスモータ47を駆動してコントロールシャフト16を軸方向に変位させることで、可変動弁機構14が動作されて吸気バルブ9のバルブ特性制御が行われる。吸気バルブ9のバルブ特性、すなわち吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角は、コントロールシャフト16の軸方向位置、言い換えればブラシレスモータ47の上記所定回転角範囲内での回転角(アクチュエータの駆動位置)に対応したものとなる。
ブラシレスモータ47の駆動は、図3(a)〜(c)に示される各電気角センサS1〜S3からのパルス信号の出力パターンに応じて図3(f)に示される電気角カウンタEのカウンタ値を変化させ、そのカウンタ値に基づきコイル42の通電相を切り換えることによって行われる。より詳しくは、図4(a)に示されるように、各電気角センサS1〜S3から各々ハイ信号「H」とロー信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、電気角カウンタEのカウンタ値として「0」〜「5」の範囲内の連続した整数値のうちのいずれかが当てはめられる。その結果、ブラシレスモータ47の正回転時(図3中右向き)には、「0」〜「5」の範囲内の整数値が「0」→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「0」といった順序で順方向に電気角カウンタEのカウンタ値として当てはめられる。また、ブラシレスモータ47の逆回転時(図3中左向き)には、電気角センサS1〜S3からのパルス信号の出力パターンに応じて、「0」〜「5」の範囲内の各整数値が「5」→「4」→「3」→「2」→「1」→「0」→「5」といった順序で逆方向に電気角カウンタEのカウンタ値として当てはめられる。そして、この電気角カウンタEのカウンタ値に基づき、ブラシレスモータ47の通電層を切り換えることで、同モータの正回転方向または逆回転方向への駆動が行われる。
ところで、ブラシレスモータ47の駆動により可変動弁機構14を動作させ、吸気バルブ9のバルブ特性を精密に制御するには、ブラシレスモータ47の回転角を正確に検出し、その回転角が目標とするバルブ特性に対応する回転角となるようブラシレスモータ47を駆動制御することが重要になる。なお、吸気バルブ9のバルブ特性(ここでは吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角)は、ブラシレスモータ47の上記所定回転角範囲内での回転角に対応したものとなることは上述したとおりである。従って、ブラシレスモータ47の回転角を検出すれば、その回転角に基づき吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角を検出することができるようになる。
以下、本実施形態におけるブラシレスモータ47の回転角の検出手順について、図3のタイミングチャート、及び図4(b)の表を併せ参照して説明する。
図3において、(a)〜(e)は、ブラシレスモータ47の回転時における同モータ47の回転角変化に対し、各センサS1〜S5からパルス信号がどのように出力されるかを示す波形図である。また、(f)〜(h)ではそれぞれ、ブラシレスモータ47の回転時における同モータ47の回転角の変化に対し、電気角カウンタE、位置カウンタP、及びストロークカウンタSのカウンタ値がどのように推移するかを示している。
位置カウンタPは、エンジン1を運転開始する際のイグニッションスイッチ55のオン操作(イグニッションオン)後、ブラシレスモータ47の回転角がどれだけ変化したかを表すものである。この位置カウンタPのカウンタ値は、イグニッションオン後のブラシレスモータ47の回転時における各位置センサS4,S5からのパルス信号の出力パターンに基づき増減される。詳しくは、図4(b)に示されるように、位置センサS4,S5のうち、一方のセンサからパルス信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジとのいずれが生じているか、及び、他方のセンサからハイ信号「H」とロー信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、位置カウンタPのカウンタ値に対し「+1」と「−1」とのいずれかが加算される。なお、同図において、「↑」はパルス信号の立ち上がりエッジを表し、「↓」はパルス信号の立ち下がりエッジを表している。
そして、ブラシレスモータ47の正回転中であれば、位置カウンタPのカウンタ値は、図3(d)及び(e)に示される位置センサS4,S5からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ加算されてゆき、図3(g)中の右方向に変化してゆく。また、ブラシレスモータ47の逆回転中であれば、位置カウンタPのカウンタ値は、上記エッジ毎に「1」ずつ減算されてゆき、図3(g)中の左方向に変化してゆく。なお、この位置カウンタPは、イグニッションスイッチ55のオフ操作(イグニッションオフ)がなされたとき、「0」にリセットされる。従って、位置カウンタPのカウンタ値は、イグニッションオン後にブラシレスモータ47の回転角がどれだけ変化したかを表すものとなる。
また、上記ストロークカウンタSは、ブラシレスモータ47の上記所定回転角範囲における逆回転方向、言い換えれば吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の減少方向についての範囲端を基準とした同モータ47の回転角を表すものである。このストロークカウンタSのカウンタ値は、位置カウンタPのカウンタ値、Lo端学習値Pr1、Hi端学習値Pr2に基づき、次の式「S=P+Pr1 …(1)」もしくは式「S=P+Pr2 …(2)」を用いて設定される。こうして設定されたストロークカウンタSのカウンタ値は、図3(g)に示されるように変化する位置カウンタPのカウンタ値に応じて図3(h)に示されるように変化し、ブラシレスモータ47の回転角(アクチュエータの駆動位置)に対応した値となる。従って、このストロークカウンタSのカウンタ値に基づきブラシレスモータ47の回転角を検出することが可能になる。
式(1)におけるLo端学習値Pr1は、ストロークカウンタSのカウンタ値に基づき検出されるブラシレスモータ47の回転角と同モータ47の実際の回転角との間のずれ量に対応する値として学習されたものである。
ここで、可変動弁機構14を備えたエンジン1においては、エンジン停止直前に吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角を次回のエンジン始動に備えて同始動に適した値となるようブラシレスモータ47を駆動する停止処理が実施される。そして、こうした停止処理を通じて、エンジン1の始動に適した吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の得られる回転角(以下、始動回転角という)となるようブラシレスモータ47が駆動された後、エンジン1が停止されることとなる。なお、上記始動回転角としては、通常、ブラシレスモータ47のとり得る上記所定回転角範囲(0〜3600°)における最小値(0°)と最大値(3600°)との間の値をとる。従って、上記停止処理後におけるストロークカウンタSのカウンタ値は、上記始動回転角に対応した値である図5の「X1」という「0」よりも大きい値になる。
このため、仮に位置カウンタPのカウンタ値をそのままストロークカウンタSのカウンタ値として設定した場合、イグニッションオン直後のストロークカウンタSのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応した値からずれることになる。これは、位置カウンタPのカウンタ値がイグニッションオフ毎に「0」にリセットされ、イグニッションオン直後のストロークカウンタSのカウンタ値が上記位置カウンタPのカウンタ値に合わせて「0」になると、同カウンタ値がブラシレスモータ47における上記所定回転角範囲の最小値に対応した値(「0」)となるためである。すなわち、このときにはブラシレスモータ47の実際の回転角が上記開始回転角(≠「0」)となっているにもかかわらず、ストロークカウンタSのカウンタ値が「0」となり、そのカウンタ値に基づき検出される回転角(「0°」)がこのときの実際の回転角である始動回転角(≠「0°」)からずれた値になる。
こうした不具合への対処として、イグニッションオンによるエンジン1の始動完了後、ストロークカウンタSに基づき検出されるブラシレスモータ47の回転角と同モータ47の実際の回転角とのずれ量をLo端学習値Pr1として学習するLo端学習を実施し、そのLo端学習値Pr1を用いたストロークカウンタSのカウンタ値の設定が行われる。具体的には、まずブラシレスモータ47の回転角が上記所定回転角範囲の最小値(0°)となるよう、同モータ47が吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の減少側(図5の左側)の範囲端へと駆動され、その範囲端に到達したときの位置カウンタPのカウンタ値P1に基づきLo端学習値Pr1の学習が行われる。同学習では、このときのストロークカウンタSのカウンタ値の本来の値である「0」から上記位置カウンタPのカウンタ値P1を減算した値の正負を反転させ、その反転後の値(「−(0−p1)」)がLo端学習値Pr1として電子制御装置50に設けられた不揮発性のメモリ56に記憶される。
上記のように学習されたLo端学習値Pr1は、位置カウンタPのカウンタ値をストロークカウンタSのカウンタ値としてそのまま設定した場合において、同カウンタ値に基づき検出されるブラシレスモータ47の回転角と同モータ47の実際の回転角とのずれ量(「−(0−p1)」)に対応した値となる。このLo端学習値Pr1を用いて、上記式「S=P+Pr1 …(1)」のようにストロークカウンタSのカウンタ値が設定され、これにより同カウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応した値となる。なお、上記Lo端学習値Pr1はエンジン1の毎回の運転開始後に実施される。従って、運転開始後にLo端学習値Pr1の今回運転時の学習が完了するまでの間においては、ストロークカウンタSのカウンタ値の設定に不揮発性のメモリ56に記憶されている前回運転時に学習したLo端学習値Pr1が用いられることとなる。
ところで、上記停止処理によりブラシレスモータ47の回転角を始動回転角に調整したとしても、エンジン1の停止中にブラシレスモータ47のメンテナンスを行う場合など同モータ47の回転角がエンジン停止中に始動回転角(図5の「X1」に対応)からずれ、例えば図6の「X2」に対応した回転角となるおそれがある。この場合、イグニッションオン時に上記式「S=P+Pr1」のようにストロークカウンタSのカウンタ値を設定したとしても、そのカウンタ値が「X1」という値になってブラシレスモータ47の実際の回転角に対応した「X2」という値からずれることになる。これはエンジン1の前回運転時に学習されたLo端学習値Pr1を用いて、上記ストロークカウンタSのカウンタ値が設定されているためである。そして、上記のようにストロークカウンタSのカウンタ値X1がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応した値X2からずれると、そのカウンタ値X1に基づき検出されるブラシレスモータ47の回転角がブラシレスモータ47の実際の回転角(X2に対応)からずれた値になる。
こうしたずれは、エンジン1の始動完了後に行われるLo端学習値Pr1の学習(エンジン1の今回運転時におけるLo端学習)が行われたときに解消される。すなわち、ブラシレスモータ47が吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の減少側(図6の左側)の範囲端へと駆動され、その範囲端に到達したときの位置カウンタPのカウンタ値が「P2」になったとすると、ストロークカウンタSのカウンタ値の本来の値である「0」から上記「P2」を減算される。そして、その減算した値の正負を反転した値(「−(0−P2)」)がLo端学習値Pr1として電子制御装置50に設けられた不揮発性のメモリ56に記憶(学習)される。このように学習された今回運転時のLo端学習値Pr1(「−(0−P2)」)を用いてストロークカウンタSのカウンタ値を設定することで、そのカウンタ値におけるブラシレスモータ47の実際の回転角に対応した値からのずれが解消される。
ただし、Lo端学習を実施するためには、ブラシレスモータ47をその回転角範囲における吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の減少側の範囲端まで駆動しなければならない。こうした範囲端へのブラシレスモータ47の駆動は、エンジン1の吸入空気量の過度の減少を招くことから、それによるエンジン1の運転への影響が生じない状況、例えばフューエルカット中といった特殊な運転状況のもとでしか行えない。このため、Lo端学習の実行条件の一つとして上記フューエルカット中であるという条件を含めなければならず、その関係からLo端学習を行う機会が少なくなることは避けられない。従って、エンジン1の始動完了後にLo端学習を実施したくても、それをすぐに行うことができるとは限らず、Lo端学習の学習完了前のエンジン1の運転中においてストロークカウンタSのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応した値からずれるという不具合が生じたままになる。
式(2)におけるHi端学習値Pr2は、こうした不具合の発生を抑制するためのものである。このHi端学習値Pr2も、Lo端学習値Pr1と同じく、ストロークカウンタSのカウンタ値に基づき検出されるブラシレスモータ47の回転角と同モータ47の実際の回転角との間のずれ量に対応する値として学習されるものである。ただし、Hi端学習値Pr2の学習を行うためのHi端学習に関しては、Lo端学習値Pr1の学習を行うためのLo端学習よりも高い頻度で実行可能な態様で行われるものであって、かつエンジン1の始動完了からLo端学習が完了するまでの間に行われるものとされる。
具体的には、まずブラシレスモータ47の回転角が上記所定回転角範囲の最大値(3600°)となるよう、吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の増加側(図7の右側)の範囲端へと同モータ47が駆動され、その範囲端に到達したときの位置カウンタPのカウンタ値P3に基づきHi端学習値Pr2の学習が行われる。同学習では、このときのストロークカウンタSのカウンタ値の本来の値である「n」から上記位置カウンタPのカウンタ値P3を減算した値(「n−p3」)がHi端学習値Pr2として設定(学習)される。
上記のように学習されたHi端学習値Pr2(「n−p3」)は、位置カウンタPのカウンタ値をストロークカウンタSのカウンタ値としてそのまま設定した場合において、同カウンタ値に基づき検出されるブラシレスモータ47の回転角と同モータ47の実際の回転角とのずれ量(図6の「−(0−P2)」)に対応した値となる。そして、エンジン1の始動完了後にLo端学習が完了するまでの間は、上記式(1)に基づくストロークカウンタSのカウンタ値の設定に代えて、上記Hi端学習値Pr2を用いた上記式「S=P+Pr2 …(2)」に基づくストロークカウンタSのカウンタ値の設定が行われる。これにより、ストロークカウンタSのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応した値となる。そして、同カウンタ値に基づきブラシレスモータ47の回転角を検出することにより、検出した回転角の同モータ47における実際の回転角からのずれが解消される。
こうしたHi端学習値Pr2の学習は、ブラシレスモータ47をその回転角範囲における吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の増加側の範囲端に駆動することによって行われる。ここで、ブラシレスモータ47の上記範囲端への駆動に際しては、吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の増加に伴いエンジン1の吸入空気量が多くなる傾向があるものの、こうした傾向はエンジン1のスロットルバルブの閉じ側への制御等によって抑えることが可能であるため、エンジン1の通常の運転時であっても上記駆動を実行することができる。従って、Hi端学習に関しては、Lo端学習に比べて学習の実行条件(学習条件)が緩やかであって同Hi端学習の実行可能な機会が多くなることから、Lo端学習の実施前であっても行うことが可能になる。なお、Hi端学習の具体的な実行条件としては、吸入空気量を多く必要とするエンジン運転状態であること等の条件が含まれている。
以上のように、エンジン1の運転開始後であってLo端学習が完了するまでの間において、Hi端学習を行って上記式(2)に基づきストロークカウンタSのカウンタ値の設定を行うことで、そのカウンタ値に基づき検出されるブラシレスモータ47の回転角の実際の回転角に対するずれを速やかに解消することができる。このため、エンジン1の運転開始後、Lo端部学習を実行する機会がないことに起因して、ストロークカウンタSのカウンタ値に基づき検出されるブラシレスモータ47の回転角が実際の回転角からずれたままになるという状態が生じることを抑制できる。
ただし、Hi端学習では、ブラシレスモータ47の回転角範囲における吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の増加側の範囲端にて、Hi端学習値Pr2の学習が完了するまで同モータ47の回転角を維持しなければならない。こうした範囲端でのブラシレスモータ47の回転角の維持は吸気バルブ9の開閉駆動時の反力に抗して行わなければならず、その反力の影響を受けて同モータ47の回転角を必ずしも維持できるとは限らないことから、学習完了後のHi端学習値Pr2の正確さに関しては学習完了後のLo端学習値Pr1の正確さに比べて劣るものとなる。すなわち、上記ずれ量に対応した値としての正確さに関しては、Hi端学習値Pr2よりもLo端学習値Pr1の方が正確な値ということになる。
従って、Hi端学習の完了後にLo端学習の実行条件が成立したときには、今回のエンジン1の運転でのLo端学習値Pr1の学習を行い、その後は上記式(2)に基づくストロークカウンタSのカウンタ値の設定に代えて、同Lo端学習値Pr1を用いた上記式「S=P+Pr1 …(1)」に基づくカウンタ値の設定が行われる。これによりストロークカウンタSのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値として正確なものとされる。
次に、Hi端学習の際に行われるブラシレスモータ47の駆動、すなわち吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の増加側の範囲端への駆動について説明する。
Hi端学習の実施中のブラシレスモータ47の駆動制御としては、ブラシレスモータ47の回転角の目標値として目標回転角が設定され、ストロークカウンタSのカウンタ値に基づき検出された同モータ47の回転角が上記目標回転角に合わせ込まれるようブラシレスモータ47を駆動するという制御が実施される。
上記目標回転角は、Hi端学習の開始後(タイミングT1後)において、図8の実線L1で示されるように、ブラシレスモータ47の上記所定回転角範囲における吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の増加側の範囲端(Hi端)に対応する値よりも大きい値であるmax値に変化させられる。このmax値に関しては、ストロークカウンタSのカウンタ値にブラシレスモータ47の実際の回転角(破線L2)に対応する値からのずれが生じたとしても、上記カウンタ値に基づき検出された回転角(実線L2)を上記max値に達するよう同モータ47を駆動したときにブラシレスモータ47が上記範囲端に到達し得る程度に大きくされる。
ブラシレスモータ47は、ストロークカウンタSのカウンタ値に基づき検出された同モータ47の回転角(実線L2)を、上記目標回転角(max値)に合わせ込むように駆動される。そして、ブラシレスモータ47の実際の回転角が図中の破線L3で示されるように上記範囲端(Hi端)に到達すると(タイミングT2)、同Hi端に同モータ47が突き当てられた状態でHi端学習値Pr2の学習が行われる。このHi端学習値Pr2の学習が完了するまでは、ブラシレスモータ47をHi端に突き当てた状態が保持される。なお、学習されたHi端学習値Pr2は、上記検出された回転角(L2)と実際の回転角(L3)とのずれ量に対応した値になる。
ところで、ブラシレスモータ47を上記Hi端へと駆動する際の駆動速度(回転速度)が速すぎると、すなわち図8におけるタイミングT1〜T2間の破線L3の傾きが大きすぎると、同モータ47の駆動に伴う吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の急変がエンジン運転に影響を及ぼしかねない。また、ブラシレスモータ47を上記Hi端へと駆動する際の駆動速度が速すぎると、そのHi端への到達時の衝撃が大となり、ブラシレスモータ47や変換機構48等に破損が生じるおそれもある。
こうしたことを抑制するため、本実施形態では、Hi端学習のためにブラシレスモータ47を上記Hi端へと駆動する際、そのブラシレスモータ47の駆動速度を制限する。具体的には、目標回転角をHi端学習の開始後に直ちに上記max値とするのではなく、目標回転角のmax値への変化を図9のタイミングT1〜T3間における実線L4で示されるように徐々に行うべく、同max値に向けて変化する目標回転角の変化速度を制限する。これにより、ブラシレスモータ47の実際の回転角のHi端への変化が図中の破線L5で示されるように徐々に行われ、Hi端に向けて駆動される同モータ47の駆動速度が制限されることとなる。このようにブラシレスモータ47の駆動速度を制限することで、上述した不具合の発生を抑制することができるようになる。なお、ブラシレスモータ47のHi端への駆動速度は、上記max値に向けて変化する目標回転角の変化速度を大きく制限して遅くするほど、それに基づき同じく大きく制限されて遅くなる。
ここで、上記max値に向けて変化するブラシレスモータ47の目標回転角の変化速度の制限の仕方について、すなわち図9におけるタイミングT1〜T3の間における上記目標回転角の変化速度の制限の仕方について、詳しく説明する。
同変化速度の制限は、可変設定可能な速度制限値の大きさに基づいて実施される。すなわち、同速度制限値が小さくなるほど上記max値に向けて変化する目標回転角の変化速度が大きく制限されて遅くされ、逆に速度制限値が大きくなるほど上記目標回転角の変化速度の制限が緩和される。そして、速度制限値の大きさについては、以下の(A)及び(B)の条件を満たすように設定される。
(A)Hi端学習を行うべく、ブラシレスモータ47をHi端に駆動したときの吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の変化に伴うエンジン運転への影響が許容レベルを越えない。
(B)ブラシレスモータ47のHi端への到達時に破損が生じることなく、かつ同モータ47のHi端への到達が最速となる。
なお、Hi端学習を行うべくブラシレスモータ47をHi端へと駆動する際、上記速度制限値の大きさに基づきブラシレスモータ47の目標回転角の変化速度を制限して同モータ47の駆動速度を制限するにしても、そのときにアクセル踏込量が大である場合にはHi端に向けて駆動される同モータ47の駆動速度を比較的速くすることが好ましい。これは、アクセル操作量が大であるということはエンジン出力の増加を要求していることを意味し、Hi端へのブラシレスモータ47の駆動速度を速めて吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の増加(吸入空気量の増加)を速め、上記要求に対応してエンジン出力を速やかに増加させることが好ましいためである。こうした状況のもとでは、ブラシレスモータ47のHi端側への駆動中にスロットルバルブの閉じ側への制御等が行われていても、同スロットルバルブがアクセル踏込量に応じて開き側に制御される。
しかし、このときブラシレスモータ47の駆動速度の制限が過度に大きく行われると、アクセルペダルの踏み込みによってエンジン出力の増加を要求しているにもかかわらず、エンジン出力の増加が遅くなってもたつき感を与えることになる。これは、アクセルペダルの踏み込みによるエンジン出力の増加要求に対し、Hi端に向かって駆動されるブラシレスモータ47の駆動速度が過度に制限された状態にあっては、吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の増加による吸入空気量の増加が遅くなり、エンジン出力の増加が速やかに行われなくなるためである。
このため、速度制限値の大きさに関しては、上記(A)及び(B)の条件を満たしつつ、図10に示されるようにアクセル踏込量が大となるほど徐々に大きくなるよう可変設定される。ここで、速度制限値を大きくすればするほど、Hi端学習時におけるHi端に向けてのブラシレスモータ47の駆動に際しての駆動速度の制限が徐々に大きく緩和されることとなる。従って、Hi端学習のためにHi端に向けてブラシレスモータ47の駆動する際には、そのときのアクセル踏込量が大となればなるほど、同モータ47の駆動速度の制限が徐々に大きく緩和される。
以上により、アクセル踏込量が小であってエンジン出力要求が小さいときには、ブラシレスモータ47のHi端への駆動速度をエンジン運転への影響を抑えることの可能なレベルへと制限することができる。また、エンジン出力の増加を要求すべくアクセル操作量を大としているときには、ブラシレスモータ47のHi端への駆動速度の制限が過度に行われることを抑制し、その駆動速度の過度な制限によってエンジン出力の増加に関しもたつき感を与えてしまうことを抑制できる。更に、アクセル踏込量が小の場合であれ、大の場合であれ、ブラシレスモータ47のHi端への駆動速度の制限によってHi端到達時の同モータ47や変換機構48の破損を抑制することもできる。
次に、Hi端学習の実施時におけるmax値に向けてのブラシレスモータ47の目標回転角の変化速度の制限について、駆動速度制限ルーチンを示す図11のフローチャートを参照して説明する。この駆動速度制限ルーチンは、電子制御装置50を通じて、たとえば所定時間毎の時間割り込みにて周期敵に実行される。
同ルーチンにおいては、Hi端学習の実施中であることを条件に(S101:YES)、ブラシレスモータ47の目標回転角がmax値に対し未達であるか否かが判断され(S102)、ここで行程判定であれば同目標回転角のmax値への変化処理が実施される(S103)。そして、ステップS104の処理ではアクセル踏込量に基づき図10に示されるように速度制限値が算出され、ステップS105の処理では上記速度制限値の大きさに基づき図9のタイミングT1〜T3の期間における上記目標回転角のmax値への変化速度が制限される。ここでは、アクセル踏込量が大となって速度制限値が大きくなるほど、上記目標回転角のmax値への変化速度の制限が緩和される。一方、上記ステップS102で否定判定がなされた場合には、すなわちブラシレスモータ47の目標回転角がmax値に達している場合には、その目標回転角度が同max値に保持される(S106)。そして、こうした状態がHi端学習の完了まで続けられる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)Hi端学習のためにブラシレスモータ47をHi端へと駆動する際、そのブラシレスモータ47の駆動速度が制限される。より詳しくは、ブラシレスモータ47をHi端へと駆動する際における吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角の変化に伴うエンジン運転への影響が許容レベルを越えないよう、Hi端に向けて駆動されるブラシレスモータ47の駆動速度が制限される。従って、同モータ47のHi端への駆動時、それによるエンジン運転への影響を的確に許容レベルまでに抑え、同駆動による問題の発生を回避することができる。
(2)また、Hi端に向けて駆動されるブラシレスモータ47の駆動速度の制限に関しては、その駆動による同モータ47のHi端への到達時に破損が生じることなく、かつ同モータ47のHi端への到達が最速となるようにも行われる。このため、同モータ47のHi端への駆動時、そのHi端への到達を速やかに行いつつ、到達時のブラシレスモータ47や変換機構48等の破損を回避することができる。
(3)Hi端学習を行うべくブラシレスモータ47をHi端へと駆動する際、ブラシレスモータ47の駆動速度を制限するにしても、そのときにアクセル踏込量が大である場合には上記駆動速度を比較的速くすることが好ましい。仮に、このときブラシレスモータ47の駆動速度の制限が過度に大きく行われると、アクセルペダルの踏み込みによってエンジン出力の増加を要求しているにもかかわらず、エンジン出力の増加が遅くなってもたつき感を与えることになる。こうしたもたつき感を抑制するため、Hi端学習のためにHi端に向けてブラシレスモータ47の駆動する際には、そのときのアクセル踏込量が大となるほど同モータ47の駆動速度の制限が大きく緩和される。これにより、アクセル踏込量が小(エンジン出力要求小)のときにはブラシレスモータ47のHi端への駆動速度をエンジン運転への影響を抑えることの可能なレベルへと制限でき、アクセル操作量が大(エンジン出力の増加要求あり)のときには上記駆動速度の制限が過度に行われることによるエンジン出力増加のもたつき感を抑制できる。
(4)Hi端学習を行うべくブラシレスモータ47のHi端に向けて駆動する際、そのときのアクセル踏込量が大となればなるほど、同モータ47の駆動速度の制限が徐々に大きく緩和されるようになる。このため、上記ブラシレスモータ47の駆動がエンジン運転に与える影響を許容レベルとするうえでの適切な同モータ47の駆動速度の制限と、エンジン出力の増加に関してのもたつき感を与えることのないようにするうえでの上記制限の緩和とを、最適な状態で両立することができる。従って、上記ブラシレスモータ47の駆動がエンジン運転に与える影響を許容レベルとしながら、アクセル踏込量が大きいときのエンジン出力増加に関するもたつき感を可能な限り小さく抑えることができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・ブラシレスモータ47の駆動速度の制限の緩和に関しては、必ずしもアクセル踏込量の大きさに応じて徐々に行う必要はなく、二段階や三段階など段階的に行うようにしてもよい。
・また、上記ブラシレスモータ47の駆動速度の制限のアクセル踏込量の大きさに基づく緩和を必ずしも行う必要はない。
・上記ブラシレスモータ47の駆動速度の制限をエンジン運転への影響を抑えることに特化したりHi端到達時の破損を抑制することに特化したりしてもよい。
・上記実施形態では、Hi端学習をエンジン1の始動完了からLo端学習完了までの間に行われるものとして説明したが、位置カウンタPのカウンタ値が異常と判断されるとき、Hi端学習を実施して上記式(2)に基づきストロークカウンタSのカウンタ値を設定するようにしてもよい。この場合、上記位置カウンタPのカウンタ値の異常に伴いストロークカウンタSのカウンタ値がブラシレスモータ47の実際の回転角に対応する値からずれることを抑制できる。こうしたHi端学習が実施されるときにブラシレスモータ47の駆動に本発明を適用してもよい。
・Lo端学習を行うためのブラシレスモータ47のLo端への駆動の際に同モータ47の駆動速度を制限してもよい。この場合、Lo端到達時の破損が抑制されるという効果が得られる。また、エンジン運転中にLo端学習を行うことの可能なエンジンであれば、そのエンジン運転中におけるLo端学習のためのブラシレスモータ47の駆動の際、同駆動によるエンジン運転への影響を許容レベルとすることができるという効果が得られる。
・上記実施形態では、ブラシレスモータ47の回転運動をコントロールシャフト16の軸方向への運動に変換し、そのコントロールシャフト16の軸方向変位を通じて駆動される可変動弁機構14を例示したが、本発明の可変動弁機構はこれに限定されない。例えば、ブラシレスモータ47の回転運動を直接的に受けて駆動される可変動弁機構を採用することも可能である。
・位置センサS4,S5を設ける代わりに、ブラシレスモータ47の回転に伴いパルス信号を出力する他のセンサ、例えば光学式のセンサを設けることも考えられる。この場合、ブラシレスモータ47と一体回転するスリット付円板の厚さ方向側方にそれぞれ発光素子と受光素子を備える光学式のセンサを周方向に複数設け、ブラシレスモータ47の回転時に当該各センサからパルス信号を出力させるようにすることが考えられる。この場合の各センサからのパルス信号の出力パターンについては、スリット付円板におけるスリットのパターン、及び、光学式のセンサの数や位置によって調整される。
・位置センサS4,S5によるブラシレスモータ47の回転角の検出を行う代わりに、磁気センサによるコントロールシャフト16の軸方向位置の検出を行い、その軸方向位置に基づきブラシレスモータ47の回転角を検出するようにしてもよい。
・可変動弁機構14を駆動するアクチュエータとしてブラシレスモータ47を備えるものを例示したが、他の形式のモータを備えるものであってもよい。
・可変動弁機構14を油圧式のアクチュエータで駆動するようにしてもよい。
・排気バルブ10のバルブ特性を可変とする可変動弁装置が設けられる場合、その可変動弁装置に本発明を適用してもよい。
本実施形態の可変動弁機構が適用されるエンジンのシリンダヘッド周りの構造を示す拡大断面図。 上記可変動弁機構を駆動するアクチュエータ、及び、そのアクチュエータを駆動制御する制御装置を示す略図。 (a)〜(h)は、ブラシレスモータの回転角の変化に対する電気角センサS1〜S3のパルス信号の波形、位置センサS4,S5のパルス信号の波形、電気角カウンタEのカウンタ値の推移、位置カウンタPのカウンタ値の推移、及び、ストロークカウンタSのカウンタ値の推移を示すタイミングチャート。 (a)は電気角センサS1〜S3からの信号に応じて変化する電気角カウンタEのカウンタ値の変化態様を示す表、(b)は位置センサS4,S5からの信号に応じた位置カウンタPのカウンタ値の加減算態様を示す表。 Lo端学習時における位置カウンタ及びストロークカウンタのカウンタ値の変化を示す説明図。 Lo端学習時における位置カウンタ及びストロークカウンタのカウンタ値の変化を示す説明図。 Hi端学習時における位置カウンタ及びストロークカウンタのカウンタ値の変化を示す説明図。 Hi端学習時におけるブラシレスモータの目標回転角、実回転角、及び同モータの回転角の検出値の推移を示すタイムチャート。 Hi端学習時におけるブラシレスモータの目標回転角、実回転角、及び同モータの回転角の検出値の推移を示すタイムチャート。 アクセル踏込量の変化に対する速度制限値の変化を示すグラフ。 Hi端学習の実施時にブラシレスモータの目標回転角の変化速度を制限する手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…シリンダブロック、5…ピストン、6…燃焼室、7…吸気通路、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、14…可変動弁機構、15…ロッカシャフト、16…コントロールシャフト、17…入力アーム、18…出力アーム、19…ローラ、20…コイルスプリング、21…ロッカアーム、22…ラッシュアジャスタ、23…ローラ、24…バルブスプリング、47…ブラシレスモータ、48…変換機構、50…電子制御装置(検出手段、制御手段、制限手段)、51…アクセルポジションセンサ、52…スロットルポジションセンサ、53…エアフローメータ、54…クランクポジションセンサ、55…イグニッションスイッチ、56…不揮発性メモリ、S1〜S3…電気角センサ、S4,S5…位置センサ(検出手段)。

Claims (5)

  1. 機関バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁機構と、その可変動弁機構を動作させるべく所定の駆動範囲内で駆動されるアクチュエータと、そのアクチュエータの駆動位置を検出する検出手段と、検出された前記駆動位置に基づき前記アクチュエータを前記駆動範囲内で駆動制御する制御手段とを備え、学習条件の成立をもって前記アクチュエータを前記駆動範囲の範囲端へと駆動し、同変位端に到達した状態で前記検出手段によって検出される前記駆動位置の適正位置からのずれ量を学習値として学習する内燃機関の可変動弁装置において、
    前記学習値の学習のために前記アクチュエータを前記範囲端へと駆動する際、そのアクチュエータの駆動速度を制限する制限手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記制限手段は、前記アクチュエータを前記範囲端へと駆動する際、そのアクチュエータの駆動速度を同駆動に伴う機関運転への影響が許容レベルを越えないよう制限する
    請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記内燃機関は、アクセル操作量の増加に伴い機関出力を増加させるべく吸入空気量の増加が図られるものであり、
    前記可変動弁機構は、前記機関バルブのバルブ特性として吸気バルブの最大リフト量及び作動角を可変とするものであり、
    前記学習値の学習のために前記アクチュエータが駆動される前記範囲端は、前記吸気バルブの最大リフト量及び作動角を大とする側の範囲端であり、
    前記制限手段は、前記アクセル操作量が大であるときには小であるときに比べて前記アクチュエータの駆動速度の制限を緩和する
    請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記制限手段は、前記アクチュエータの駆動速度の制限を前記アクセル操作量が大となるほど徐々に大きく緩和してゆく
    請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記制限手段は、前記アクチュエータを前記範囲端へと駆動する際、そのアクチュエータの駆動速度を同駆動による前記アクチュエータの前記範囲端への到達時に破損が生じることのない値で且つ最速となるよう制限する
    請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
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