JP2006144593A - 内燃機関のバルブ開閉特性制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブ開閉特性制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面と非変位駆動カム面との間で切り替わる際のバルブ開閉特性の制御性低下を抑制することのできる内燃機関のバルブ開閉特性制御装置を提供する。
【解決手段】機関バルブの開閉特性を変更するべくコントロールシャフトを軸方向に変位させるカムには、その回転に伴いコントロールシャフトに変位を生じさせる変位駆動カム面と、該カム面と連続して形成され、カムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有して上記変位の生じない非変位駆動カム面とが設けられている。上記カムの回転位相をフィードバック制御する制御手段は、コントロールシャフトに当接されるカム面が非変位駆動カム面であるときにはカムの回転位相をオープン制御する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、カムの回転を通じてコントロールシャフトを軸方向に変位させて機関バルブの開閉特性を変更する開閉特性変更機構を備える内燃機関のバルブ開閉特性制御装置に関する。
従来、機関バルブの最大リフト量や作動角などといったバルブ開閉特性を機関運転状態に応じて変更することで燃費の向上等を図るようにした内燃機関が実用されている。こうした内燃機関にあっては、コントロールシャフトを軸方向に変位させることで機関バルブの開閉特性を変更する開閉特性変更機構を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。こうした開閉特性変更機構においては、コントロールシャフトの軸方向の変位量が機関バルブの開閉特性に関する重要なパラメータとなるため、その調節については精緻に行われることが望ましい。
こうしたコントロールシャフトを軸方向に変位させる機構(変位機構)に関し、図21に示すものがその一例として提案されている。この変位機構には、コントロールシャフト401を軸方向に変位させるためのカム402が設けられている。このカム402のカム面はコントロールシャフト401に当接されており、そのカム面は、カム402の回転に伴って上記変位を生じさせる部分(変位駆動カム面)403と、カム402の回転に伴う上記変位の生じない部分(非変位駆動カム面)405とからなっている。この非変位駆動カム面405は、変位駆動カム面403と連続して形成されるとともに、カム402の回転中心404を中心とする円弧状のカムプロフィールを有している。
上記変位機構においては、カム402の回転位相を調節すべくこれに回転トルクを与える、例えば電動モータ等からなるアクチェータが駆動連結されている。即ち機関バルブの開閉特性はこのアクチェータを通じたカム402の回転位相調節に基づいて制御されることとなる。
カム402の回転時においてコントロールシャフト401が変位駆動カム面403と当接しているときには、該シャフト401が変位されて機関バルブの開閉特性が変更される。他方、コントロールシャフト401が非変位駆動カム面405と当接しているときには、カム402が回転していてもコントロールシャフト401が変位されることはなく機関バルブの開閉特性は一定に維持される。
例えば、変位駆動カム面403とコントロールシャフト401とが当接しているときには、該カム面403にコントロールシャフト401からの押圧力が作用している限り、カム402が回転しているか否かに拘わらず該カム402にはこれを回転させようとするモーメントが作用する。
従って、変位駆動カム面403とコントロールシャフト401とが当接している状態で機関バルブの開閉特性を一定に維持する場合には、こうしたモーメントによるカム402の回転を阻止するためにアクチェータを駆動させねばならず、即ち該アクチェータにはその分だけ負荷がかかることになる。そしてこの負荷は、カム402の回転に応じて、即ちコントロールシャフト401の変位に応じて変化する。
一方、非変位駆動カム面405とコントロールシャフト401とが当接しているときには、該カム面405のカムプロフィールがカム402の回転中心404を中心とする円弧状に設定されていることから該カム402にコントロールシャフト401からの押圧力が作用してもカム402にはこれを回転させようとするモーメントは生じない。
従って、上記変位駆動カム面403の場合と異なり、非変位駆動カム面405とコントロールシャフト401とが当接している状態で機関バルブの開閉特性を一定に維持する場合には、アクチェータにはそのための負荷がかからなくなる。そしてこの場合にはカム402の回転に伴う負荷の変化も生じない。
特開2001−263015号公報
上述したように、コントロールシャフト401に当接されるカム面が変位駆動カム面403であるときには、カム402の回転に伴いアクチェータにかかる負荷が変化する。一方、非変位駆動カム面405はカム402の回転中心404を中心とする円弧状のカムプロフィールを有しているため、これにコントロールシャフト401が当接されるときにはカム402を回転させても上記負荷の変化が生じない。
こうした態様においては、コントロールシャフト401に当接されるカム面が変位駆動カム面403であるときと非変位駆動カム面405であるときとの双方に対して一様な態様でカム402の回転位相のフィードバック制御を行うと、コントロールシャフト401に当接されるカム面が切り替わるときに該制御が不安定になってしまう。これは、上記負荷の変化するときと変化しないときとの双方に対して一様な態様で上記フィードバック制御が行われることから生じており、この場合、上記カム面の切り替わりの際に、例えばオーバーシュートやアンダーシュートといった制御性を低下させる現象が誘発されることとなる。
こうした制御性の低下は機関バルブの開閉特性制御においてその目標と実際とのずれ、ひいては目標吸入空気量と実吸入空気量とのずれを生じさせ、その結果、空燃比の異常、ひいては燃焼の不安定化を招いてしまうこととなる。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面と非変位駆動カム面との間で切り替わる際のバルブ開閉特性の制御性低下を抑制することのできる内燃機関のバルブ開閉特性制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
先ず、請求項1に係る発明は、コントロールシャフトの軸方向変位に基づき機関バルブの開閉特性を変更する開閉特性変更機構と、カムの回転に基づき前記コントロールシャフトを軸方向に変位させる変位機構と、該コントロールシャフトの位置を調節すべく前記カムの回転位相をフィードバック制御する制御手段とを備え、前記カムには、その回転に伴い前記コントロールシャフトに変位を生じさせる変位駆動カム面と、該変位駆動カム面と連続して形成され、該カムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有して該カムの回転に伴う前記変位の生じない非変位駆動カム面とが設けられる内燃機関のバルブ開閉特性制御装置であって、前記制御手段は、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記非変位駆動カム面であるとき、該当接されるカム面が前記変位駆動カム面であるときよりも前記フィードバック制御の制御ゲインを小さく設定することをその要旨とする。
同構成によれば、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面であるときには、カムの回転に伴いその駆動源側にかかる負荷が変化する。一方、非変位駆動カム面はカムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有しているため、これにコントロールシャフトが当接されるときにはカムを回転させても上記負荷の変化が生じない。
仮に、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面であるときと非変位駆動カム面であるときとの双方に対して、即ち上記負荷の変化するときと変化しないときとの双方に対して、一様な態様で上記フィードバック制御を行った場合には、コントロールシャフトに当接されるカム面が切り替わるときに該制御が不安定になってしまう。
その点、本発明によれば、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面であるときには大きい制御ゲインにて、また、該当接されるカム面が非変位駆動カム面であるときには小さい制御ゲインにて上記フィードバック制御がなされるといったように、コントロールシャフトに当接されるカム面の切り替わりに応じて制御ゲインの大きさが変更されるようになる。そのため、例えば、コントロールシャフトに当接されるカム面の切り替わりが生じても一様な態様でフィードバック制御が継続されてしまう上述のような場合とは異なり、オーバーシュート等、制御性を低下させる現象の発生を抑えることができる。
なお、コントロールシャフトに当接されるカム面が非変位駆動カム面であるときには、カムの回転位相が変更されてもコントロールシャフトに変位が生じないため、仮に制御ゲインが極端に小さく設定されたとしてもそれに起因するバルブ開閉特性制御の制御性の低下は抑制される。
請求項2に係る発明は、コントロールシャフトの軸方向変位に基づき機関バルブの開閉特性を変更する開閉特性変更機構と、カムの回転に基づき前記コントロールシャフトを軸方向に変位させる変位機構と、該コントロールシャフトの位置を調節すべく前記カムの回転位相をフィードバック制御する制御手段とを備え、前記カムには、その回転に伴い前記コントロールシャフトに変位を生じさせる変位駆動カム面と、該変位駆動カム面と連続して形成され、該カムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有して該カムの回転に伴う前記変位の生じない非変位駆動カム面とが設けられる内燃機関のバルブ開閉特性制御装置であって、前記制御手段は、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記変位駆動カム面であるとき前記カムの回転位相のフィードバック制御を実行する一方、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記非変位駆動カム面であるときには前記カムの回転位相をオープン制御することをその要旨とする。
同構成によれば、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面であるときには、カムの回転に伴いその駆動源側にかかる負荷が変化する。一方、非変位駆動カム面はカムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有しているため、これにコントロールシャフトが当接されるときにはカムを回転させても上記負荷の変化が生じない。
仮に、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面であるときと非変位駆動カム面であるときとの双方に対して、即ち上記負荷の変化するときと変化しないときとの双方に対して、一様な態様で上記フィードバック制御を行った場合には、コントロールシャフトに当接されるカム面が切り替わるときに該制御が不安定になってしまう。
その点、本発明によれば、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面であるときフィードバック制御が実行され、また、該当接されるカム面が非変位駆動カム面であるときにはオープン制御が実行されるといったように、コントロールシャフトに当接されるカム面の切り替わりに応じて、カムの回転位相の制御態様が切り替えられるようになる。そのため、例えば、コントロールシャフトに当接されるカム面の切り替わりが生じても一様な態様でフィードバック制御が継続されてしまう上述のような場合とは異なり、オーバーシュート等、制御性を低下させる現象の発生を抑えることができる。
なお、コントロールシャフトに当接されるカム面が非変位駆動カム面であるときには、カムの回転位相が変更されてもコントロールシャフトに変位が生じないため、カムの回転位相がオープン制御されてもそれ起因するバルブ開閉特性制御の制御性の低下は抑制される。
また、制御手段による制御の態様としては、例えば請求項3に記載の発明によるように、請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記非変位駆動カム面であるとき、前記カムを回転させるための駆動力供給を停止する、といった態様を採用することもできる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記変位機構には、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記非変位駆動カム面となるように前記カムを回転させる付勢力を発生する弾性部材が設けられることをその要旨とする。
同構成によれば、コントロールシャフトに当接されるカム面を非変位駆動カム面とするためにカムの駆動源に供給するエネルギを低減することができる。特に同構成を請求項3に記載の発明の構成に適用することで、コントロールシャフトに当接されるカム面が非変位駆動カム面となった状態を保持しつつ、該保持のためのエネルギ消費をなくすることができるようになる。
請求項5に係る発明は、コントロールシャフトの軸方向変位に基づき機関バルブの開閉特性を変更する開閉特性変更機構と、カムの回転に基づき前記コントロールシャフトを軸方向に変位させる変位機構と、該コントロールシャフトの位置を調節すべく前記カムの回転位相をフィードバック制御する制御手段とを備える内燃機関のバルブ開閉特性制御装置であって、前記カムには、その回転に伴い前記コントロールシャフトに変位を生じさせる変位駆動カム面と、該変位駆動カム面と連続して形成され、該カムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有して該カムの回転に伴う前記変位の生じない非変位駆動カム面とが設けられ、これら変位駆動カム面と非変位駆動カム面とは、前記コントロールシャフトとの当接に係る摩擦係数が異なることをその要旨とする。
同構成によれば、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面であるときには、カムの回転に伴いその駆動源側にかかる負荷が変化する。一方、非変位駆動カム面はカムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有しているため、これにコントロールシャフトが当接されるときにはカムを回転させても上記負荷の変化が生じない。
仮に、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面であるときと非変位駆動カム面であるときとの双方に対して、即ち上記負荷の変化するときと変化しないときとの双方に対して、一様な態様で上記フィードバック制御を行った場合には、コントロールシャフトに当接されるカム面が切り替わるときに該制御が不安定になってしまう。
その点、本発明によれば、変位駆動カム面と非変位駆動カム面とは、コントロールシャフトとの当接に係る摩擦係数が異なっている。従って、例えば、コントロールシャフトに当接されるカム面が切り替わることでカムの回転位相が過大に変更されるといったオーバーシュートの生じる形態においては、上記切り替わり後に当接される方のカム面に関する摩擦係数をもう一方のカム面よりも大きく設定することで、こうしたオーバーシュートの発生を抑制することができる。
また、逆に、コントロールシャフトに当接されるカム面が切り替わることでカムの回転位相の変更が過小になるといったアンダーシュートの生じる形態においては、上記切り替わり後に当接される方のカム面に関する摩擦係数をもう一方のカム面よりも小さく設定することで、こうしたアンダーシュートの発生を抑制することができる。
従って、コントロールシャフトに当接されるカム面が変位駆動カム面と非変位駆動カム面との間で切り替わる際にバルブ開閉特性制御が不安定となるのを抑制することができるようになる。
こうした機関バルブの開閉特性を変更するための開閉特性変更機構としては、例えば請求項6に記載の発明によるように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、当該内燃機関は前記コントロールシャフトとは別個に設けられクランクシャフトにより回転駆動するカムシャフトを備え、前記開閉特性変更機構は、前記コントロールシャフト周りに揺動可能に支持され、前記カムシャフトのカムからの駆動力により前記コントロールシャフト周りに揺動する入力部材と、同入力部材と同期して前記コントロールシャフト周りに揺動することにより前記機関バルブに開閉駆動力を伝達する出力部材とを有し、前記コントロールシャフトをその軸方向に変位させることにより前記コントロールシャフト周りにおける前記入力部材及び前記出力部材の開き角度を変化させて前記機関バルブの開閉特性を変更するものである、といった態様を採用することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図1〜図12を参照しつつ説明する。
図1は、内燃機関の動弁系の構成を示すものであり、一つの気筒における縦断面を表している。
内燃機関10は車両走行駆動用として車両に搭載されているものである。この内燃機関10は、シリンダブロック11、ピストン12及びシリンダブロック11上に取り付けられたシリンダヘッド13等を備えている。シリンダブロック11には、複数の気筒、本実施形態では四つの気筒14が形成され、各気筒14には、ピストン12及びシリンダヘッド13にて区画された燃焼室15が形成されている。各気筒14には、それぞれ吸気側の機関バルブである吸気バルブ16と排気側の機関バルブである排気バルブ17とが二つずつ配置されている。吸気バルブ16は吸気ポート18を、排気バルブ17は排気ポート19を開閉する。
各気筒14の吸気ポート18は吸気マニホールド内に形成された吸気通路を介してサージタンクに接続され、エアクリーナを介してサージタンクから空気を各気筒14に供給している。上記各吸気通路には各気筒14の吸気ポート18に燃料を噴射するためのフューエルインジェクタがそれぞれ配置されている。なお、このように吸気バルブ16の上流側にて燃料噴射する内燃機関以外に、直接、各燃焼室15内に燃料を噴射する筒内噴射型内燃機関を用いることもできる。燃焼室15におけるこうした燃料と空気との混合気が点火プラグ20の点火により燃焼することでピストン12が往復動される。
吸気バルブ16及び排気バルブ17は、それぞれ図示しないクランクシャフト(内燃機関10の出力軸)によって回転駆動されるカムシャフトの回転を通じて開閉駆動される。これらバルブ16,17のうち吸気バルブ16は、吸気カムシャフト21の回転により開閉駆動されるとともに、該吸気カムシャフト21と吸気バルブ16との間の動力伝達経路上に配設された開閉特性変更機構30を通じて、最大リフト量や作動角といった開閉特性が変更されるようになっている。本内燃機関10においては、こうした吸気バルブ16の開閉特性の変更を通じて吸入空気量が調節されるようになっている。
開閉特性変更機構30は、吸気バルブ16に対応して設けられたローラロッカーアーム31と、吸気カムシャフト21に設けられた吸気カム21aとの間に配置されて、吸気カム21aからのバルブ駆動力を仲介してローラロッカーアーム31に伝達することで吸気バルブ16を開閉駆動する。
開閉特性変更機構30は各気筒14毎に設けられており、図2の斜視図及び図3の水平破断斜視図に示されるように、図示中央に設けられた入力部材32、該入力部材32の一端側に設けられた第1出力部材33、該第1出力部材33とは反対側に設けられた第2出力部材34、及び入力部材32内部に配置されたスライダギア35を備えている。
入力部材32のハウジング32a内部には軸方向に延在する空間が形成されており、この空間の内周面には軸方向に右ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン32bが形成されている。また、ハウジング32aの外周面からは平行な二つのアーム32c,32dが突出して形成されている。これらアーム32c,32dの先端には、ハウジング32aの軸方向と平行なシャフト32eを有するローラ32fが回転可能に取り付けられている。
第1出力部材33のハウジング33a内部には軸方向に延在する空間が形成されており、この空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン33bが形成されている。また、このハウジング33a内部の空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部33cにて一端が覆われている。また、ハウジング33aの外周面からは軸方向に見て略三角形状のノーズ33dが突出して形成されている。このノーズ33dの一辺には凹状に湾曲するノーズ面33eが形成されている。
第2出力部材34のハウジング34a内部には軸方向に延在する空間が形成されており、この空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン34bが形成されている。また、このハウジング34a内部の空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部34cにて一端が覆われている。また、ハウジング34aの外周面からは軸方向に見て略三角形状のノーズ34dが突出して形成されている。このノーズ34dの一辺には凹状に湾曲するノーズ面34eが形成されている。
これら第1出力部材33及び第2出力部材34は、軸受部33c,34cを外側にして、入力部材32に対して両側から各端面を同軸上で接触させるように配置され、全体が、図2に示されるように内部空間を有する略円柱状となる。
入力部材32及び二つの出力部材33,34によって区画されるその内部空間には上述のスライダギア35が配置されている。スライダギア35は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジの螺旋状に形成された入力用ヘリカルスプライン35aが設けられている。この入力用ヘリカルスプライン35aの一端側には小径部35bを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第1出力用ヘリカルスプライン35cが設けられている。第1出力用ヘリカルスプライン35cと反対側には小径部35dを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第2出力用ヘリカルスプライン35eが設けられている。なお、これら出力用ヘリカルスプライン35c,35eは入力用ヘリカルスプライン35aに対して外径が小さく形成されている。
スライダギア35の内部には中心軸方向に貫通孔35fが形成されている。そして図4に縦断面で示されるように、入力用ヘリカルスプライン35aの位置にて、貫通孔35fの内周面には環状の周溝35gが形成されている。この周溝35gには、一カ所にて径方向に延在するとともに外部に貫通するピン挿入孔35hが形成されている。
スライダギア35の貫通孔35f内には、該スライダギア35に対して周方向に摺動可能な状態で支持パイプ36が配置されている。この支持パイプ36は全気筒14の開閉特性変更機構30に対して共通の一本が設けられている。支持パイプ36には各開閉特性変更機構30に対応する位置に軸方向に長く形成された長孔36aが開口されている。
更に支持パイプ36内には、該支持パイプ36に対して軸方向に摺動可能な状態でコントロールシャフト37が貫通して配置されている。そしてコントロールシャフト37の外周面において支持パイプ36の各長孔36aに対応する位置に形成された支持穴37bにはそれぞれコントロールピン37aの基端部が挿入されており、これにより該コントロールピン37aが軸直角方向に突出するように支持されている。
そしてコントロールシャフト37が支持パイプ36の内部に配置されている状態では、各コントロールピン37aの先端は、支持パイプ36の長孔36aを貫通し、スライダギア35の周溝35gに挿入されている。
このような構成により、各スライダギア35はコントロールシャフト37の変位(軸方向への変位)により軸方向への変位が可能であり、コントロールシャフト37の位置制御により各開閉特性変更機構30におけるスライダギア35の位置を決定できる。各スライダギア35は、コントロールピン37aによる周溝35gの係止を受けていることから、コントロールシャフト37との間で軸方向への相対変位が規制される一方で、軸周りについてはコントロールピン37aの位置に関わらず揺動可能となっている。
スライダギア35における入力用ヘリカルスプライン35aは入力部材32内部のヘリカルスプライン32bに噛み合わされている。そして第1出力用ヘリカルスプライン35cは第1出力部材33内部のヘリカルスプライン33bに噛み合わされ、第2出力用ヘリカルスプライン35eは第2出力部材34内部のヘリカルスプライン34bに噛み合わされている。
そして各開閉特性変更機構30は、各出力部材33,34の軸受部33c,34c側にてシリンダヘッド13上に軸方向への変位が阻止される状態で取り付けられている。このためコントロールシャフト37がスライダギア35を軸方向に変位させても、入力部材32及び各出力部材33,34は軸方向に変位することはない。
従って開閉特性変更機構30の内部空間内でスライダギア35の軸方向変位量即ちコントロールシャフト37の軸方向変位量を調節することにより、各ヘリカルスプライン35a,32b,35c,33b,35e,34bの機能により、該シャフト37周りにおける入力部材32と各出力部材33,34との開きの角度(開き角度)を変更できる。そしてこのことにより、ローラ32fとノーズ33d,34dとの位置関係を変更することができる。
図5はコントロールシャフト37を最大限L側(図2,3の矢印)の位置にまで変位させた場合の開閉特性変更機構30の作動状態を示している。図5の(a)が非カム押圧時(吸気カム21aのカムノーズが入力部材32を押圧していない時)、図5の(b)がカム押圧時(上記カムノーズが入力部材32を押圧している時)である。この場合には入力部材32のローラ32fと各出力部材33,34のノーズ33d,34dとの相対的位置関係が最も近い状態となる。このため図5の(b)に示されるように吸気カム21aが最大限に入力部材32のローラ32fを押し下げても、ノーズ33d,34dのノーズ面33e,34eによるロッカーローラ31aの押し下げ量は最小、ここでは押し下げ量は「0」となる。このため吸気バルブ16の作動角(開弁から閉弁までのカム角幅)は「0」となり、最大リフト量も「0」となる。従って吸気バルブ16は閉じたままとなり、吸気ポート18から燃焼室15内に吸入される空気量即ち吸入空気量は「0」となる。
図6はコントロールシャフト37を最大限H側(図2,3の矢印)の位置にまで変位させた場合の開閉特性変更機構30の作動状態を示している。図6の(a)が非カム押圧時、図5の(b)がカム押圧時である。この場合には入力部材32のローラ32fと各出力部材33,34のノーズ33d,34dとの相対的位置関係が最も遠い状態となる。このため図6の(b)に示されるように吸気カム21aが最大限に入力部材32のローラ32fを押し下げた時には、ノーズ33d,34dのノーズ面33e,34eによるロッカーローラ31aの押し下げ量は最大となり、吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量は最大となる。従って図5の場合とは異なり、吸気バルブ16は吸気行程で最大に開き、吸入空気量も最大限の状態となる。
そしてコントロールシャフト37の軸方向位置を調節することで、図5の状態と図6の状態との間で連続的に吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量を調節できる。こうした作動角や最大リフト量の連続調節状態を図7のグラフに示す。図7においてMINで示す状態が図5の場合に該当し、吸気行程となっても吸気バルブ16は開弁しない。図7においてMAXで示す状態が図6の場合に該当し、吸気行程では最大限の作動角及び最大リフト量とすることができる。
なお、開閉特性変更機構30は、吸気バルブ16を閉じるように作用するバルブスプリング22等により、入力部材32のローラ32fと各出力部材33,34のノーズ33d,34dとの相対的位置関係を近接させようとする外力を受ける。即ち、コントロールシャフト37はこの外力によってL方向に付勢されており、吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量は、この付勢力に抗して該コントロールシャフト37がH側に押圧され変位されることによって増大されるようになる。
図8は、コントロールシャフト37を軸方向に変位させるための変位機構40、該変位機構40の駆動源である電動モータ50、及びコントロールシャフト37の軸方向位置を調節すべく該電動モータ50を制御する電子制御装置60を示すものである。
図8(a)に示されるように、変位機構40はシリンダヘッド13に回転可能に支持された回転軸41を有しており、該回転軸41の一端にはコントロールシャフト37のL側の端面37cに対してカム面が当接されるカム42が固定されている。また、回転軸41の他端側にはこれを回転させるための駆動力を受けるギヤ43、及びカム位相センサ61を構成するセンサコア44が固定されている。
ギヤ43及びセンサコア44はカム42とともに同一回転速度で回転することとなる。カム位相センサ61はカム42の回転位相を検出するためのものであり、センサコア44とともに該カム位相センサ61を構成する検出部62はシリンダヘッド13に固定されている。
電動モータ50は本体部がシリンダヘッド13に取着固定されており、その出力軸51には変位機構40のギヤ43に噛み合わされるギヤ52が固定されている。
電子制御装置60はカム位相センサ61の検出結果に基づきカム42の回転位相をフィードバック制御すべく、電動モータ50に供給される電力(モータ供給電力)を調節する。このフィードバック制御においては、例えば、カム42の実回転位相が目標回転位相となるようにモータ供給電力が調節される。因みに、上記カム42の実回転位相及び目標回転位相は、コントロールシャフト37の実際の位置及び目標となる位置に基づいて電子制御装置60により決定される。なお本実施形態においては、電動モータ50に供給される電流(モータ供給電流)を一定電圧下で増減させることにより上記モータ供給電力の調節が行われる。
図8(b)はカム42周辺を回転軸41の軸線方向に(図8(a)における下方から)見た状態を拡大して示すものである。カム42は、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面として、該カム42の回転に伴いコントロールシャフト37に変位を生じさせる変位駆動カム面42aと、該カム42の回転に伴う上記変位が生じない非変位駆動カム面42bとを有している。
詳述すると、カム42においてコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面の周方向範囲(回転軸41の回転中心CR周りについての範囲)が、同図における点Bを経由した点Aから点Cまでの範囲に設定されている。こうした設定は、変位機構40に設けられた図示しないストッパによってカム42の回転角度幅を機械的に制限することによりなされている。
このカム面のカムプロフィールは、点Aから回転中心CRまでの距離aが最も短く設定され、点Cから回転中心CRまでの距離cが最も長く設定されている。また、上記周方向範囲における点Aと点Cとの間に設定された点Bから回転中心CRまでの距離bは上記点Cから回転中心CRまでの距離cと等しく設定されている。
本実施形態においては、この点Bから点Cまでの範囲Te2におけるカムプロフィールが、回転中心CRを中心とする円弧状に設定されている。本実施形態では、カム42のカム面のうちこの範囲Te2に対応する部分が上記非変位駆動カム面42bとされている。即ち、コントロールシャフト37の端面37cがこの非変位駆動カム面42bに当接されている限り、カム42が回転されているか否かに拘わらずコントロールシャフト37が最大限H側の位置に保持され、吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量が最大に保持される。
また、上記点Aから点Cまでの範囲のうち、上記点Bから点Cまでの範囲Te2を除いた範囲Te1におけるカムプロフィールは、点Aから点Bに近づくほど回転中心CRからの距離が長くなるように設定されている。本実施形態では、カム42のカム面のうちこの範囲Te1に対応する部分が上記変位駆動カム面42aとされている。即ち、コントロールシャフト37の端面37cがこの変位駆動カム面42aに当接されている限り、カム42の回転に伴いコントロールシャフト37が軸方向に変位され、吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量が変更される。
変位駆動カム面42aのカムプロフィールは、カム42が一定の回転速度で回転されたときにコントロールシャフト37の軸方向変位速度がほぼ一定となるように設定されている。即ち、コントロールシャフト37の変位量はカム42の回転位相の変更量にほぼ比例するようになっている。
以下では、カム42の回転位相を「カム位相」と称するとともに、該カム42のカム面のうち点A部分がコントロールシャフト37の端面37cに当接されるときのカム位相を位相phA、点B部分が当接されるときのカム位相を位相phB、点C部分が当接されるときのカム位相を位相phCと称する。また、これら位相の大小関係は、位相phCが最大、即ち、「位相phA<位相phB<位相phC」であるものとする。
図9(a)に示されるように、カム42の点A部分がコントロールシャフト37の端面37cに当接しているとき、カム位相は最小位相phAにあり、該コントロールシャフト37が回転中心CRに最も近接する。このときコントロールシャフト37は最大限L側に位置することから吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量が最小、本実施形態では共に「0」となる。
そして、図9(b)に示されるように、カム位相が最小位相phAから位相phBに向けて変更されるように(図では時計回り方向に)カム42が回転されているときには、その回転速度に応じた速度でコントロールシャフト37がH方向に変位されて吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量は増大する。ちなみに、上記と反対の方向、即ち図の反時計回り方向にカム42が回転されているときには、その回転速度に応じた速度でコントロールシャフト37がL方向に変位されて吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量は減少する。
カム位相が位相phBに至るとコントロールシャフト37は最大限H側に位置する、即ち図9(a)の位置からのコントロールシャフト37の変位量が最大となって吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量が最大となる。図9(c)に示されるようにカム位相が位相phBから位相phCまでの間にあるときには、カム42の回転中であれコントロールシャフト37の位置、即ち吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量が一定に保たれる(作動角及び最大リフト量は最大に保たれる)。
図10は、カム位相が位相phAから位相phCまで変更されるようにカム42を回転させた場合のコントロールシャフト37の変位量、及び電動モータ50にかかる負荷(カム駆動負荷)について示すものである。なお以下では、「コントロールシャフト37の変位量」に関し、これを、カム位相が位相phAであるときのコントロールシャフト37の位置を基準とした変位量として説明する。即ち、カム位相が位相phAであるときのコントロールシャフト37の変位量を「0(最小値)」とし、カム位相が位相phBから位相phCまでの間にあるときの変位量を最大値dmaxとする。
ところで、上記した吸気バルブ16のバルブスプリング22の付勢力などの作用により、カム42はコントロールシャフト37の端面37cによる押圧を受ける。従って変位機構40を通じてコントロールシャフト37をH方向に変位させるときには負荷(上記カム駆動負荷)が生じることとなる。
同図に示されるように、カム位相が位相phAから位相phBに至るまでは、このカム駆動負荷はコントロールシャフト37の変位量の増加に伴って増大する。こうしたカム駆動負荷の増大は、コントロールシャフト37の変位量増加に伴って吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量が増大することから、バルブスプリング22を圧縮するのに必要なエネルギが増大することがその一因となって生じる。
即ち、カム位相が位相phAから位相phBまでの間にあるときには、カム42の回転に伴って上記カム駆動負荷が変化する。
一方、上記カム駆動負荷はカム位相が位相phBに至ると同時に急減する。こうした急減が生じるのは、カム位相が位相phBから位相phCまでの範囲にあるときにはカム42に対するコントロールシャフト37の押圧力が回転中心CRに向けられることから該カム42を回転させるモーメントが「0」となるためである。
但し、カム位相が位相phBから位相phCまでの間にあるとき同図において上記カム駆動負荷が「0」となっていないのは、コントロールシャフト37の端面37cに当接されているカム面が上記モーメントの生じない非変位駆動カム面42bであっても、カム42の回転時にはカム面と上記端面37cとの間に摩擦抵抗が生じるためである。因みに、コントロールシャフト37の変位量が「0」、即ちカム位相が位相phAであるときに上記カム駆動負荷が「0」となっていないのも、上記同様の現象がその一因となっている。
そしてカム位相が位相phBから位相phCまでの間にあるときには、上記摩擦抵抗による一定のカム駆動負荷が生じているに過ぎず、カム42の回転に伴う上記カム駆動負荷の変化は生じない。
即ち、本実施形態においては、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aと非変位駆動カム面42bとの間で切り替わるとき、上記カム駆動負荷に変化が生じている状態と該変化が生じていない状態とが切り替わることとなる。
仮に、こうしたカム駆動負荷の変化するときと変化しないときとの双方に対して、一様な態様で上記フィードバック制御を行った場合には、上記切り替わりの生じるときに該制御が不安定になってしまう。
こうした点から本実施形態では、カム42においてコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aであるときと非変位駆動カム面42bであるときとで、電動モータ50を通じた変位機構40の駆動態様を変更するようにしている。
以下、電子制御装置60によって実行されるこうした変位機構40の駆動制御の処理手順について図11のフローチャートを参照して説明する。
先ず、カム位相センサ61を通じて、カム位相が位相phA以上且つ位相phB未満の範囲に含まれるか否かが判定される(ステップS100)。この判定結果がYESである場合には、コントロールシャフト37の端面37cに当接されているカム面が変位駆動カム面42aであると判断されて上記フィードバック制御が実行される(ステップS110)。即ち、カム位相センサ61の検出結果に基づくモータ供給電流調節を通じてカム位相が制御される。因みに、電動モータ50においては、その供給電流の調節により該モータ50の出力トルク(即ち変位機構40の駆動トルク)が調節される。
ステップS100の判定結果がNO、即ちカム位相が上記範囲に含まれない旨の判定がなされたときには、コントロールシャフト37の端面37cに当接されているカム面が非変位駆動カム面42bであると判断され、上記フィードバック制御に代えてオープン制御が実行される。本実施形態では、このオープン制御において電動モータ50に一定電流値での電流供給がなされる。これによりカム42は一定のトルクで駆動されるようになる。このオープン制御時の供給電流値は上記フィードバック制御から該オープン制御への切り替えが行われる直前の電流値よりも低く抑えられている。
図12は、こうした制御が実行された際のコントロールシャフト37の変位量推移等を示すタイミングチャートである。同図に示される態様では、電子制御装置60により決定されるコントロールシャフト37の目標変位量が時点t1から徐々に(「0」から)増加され、該目標変位量が最大値dmaxに至ると(時点t2)この増加が終了されている。そして時点t2以降は上記目標変位量が最大値dmaxに維持されている。
上記目標変位量に基づき電子制御装置60によって算出される目標カム位相も同様に、位相phAからの漸増が時点t1にて開始される。但し、この目標カム位相の漸増に関しては、これが位相phBに至った時点t2以降も継続される。そして目標カム位相が位相phCに至った時点t3以降は、該目標カム位相が位相phCに維持される。この態様においては、目標カム位相をこのように位相phCにまで増大させ維持することで、コントロールシャフト37の変位量を確実に最大値dmaxに保持するようにしている。
そして、実カム位相を上記目標カム位相に一致させるべく、上記フィードバック制御において、モータ供給電流値が上記目標カム位相の増加に応じて増大されている。こうしたカム位相のフィードバック制御により、コントロールシャフト37の変位時(時点t1〜時点t2間)にはその実変位量が目標に即したものとなっている。
ところが、実カム位相が位相phBに至ると(時点t2になると)、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aから非変位駆動カム面42bに切り替わることとなる。即ち、上記カム駆動負荷に変化が生じている状態と該変化が生じていない状態とが切り替わることとなる。仮に時点t2以降にも上記同様のフィードバック制御が継続されると、例えば同図に破線451で示すように時点t2に生じる上記カム面の切り替わりに対して実モータ供給電流の調節遅れが生じたとき、これを修復する調節のゲインが過大となった場合等に実カム位相が位相phBを下回ることがある(破線452参照)。このとき、破線453で示すように時点t2後にコントロールシャフト37の実変位量が最大値dmaxを下回る、即ち吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量が変動してしまうこととなる。
その点、図に実線で示すように本実施形態によれば、上記カム面の切り替わりに応じて、カム位相の制御態様がフィードバック制御からオープン制御に切り替えられる。そのため、上記破線451〜453で示した比較例とは異なり、上記のようなオーバーシュート等、制御性を低下させる現象の発生を抑えることができる。
なお、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときには、カム位相が変更されてもコントロールシャフト37に変位が生じないため、カム位相がオープン制御されてもそれに起因するバルブ開閉特性制御の制御性の低下は抑制される。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
(1)コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aであるときにはカム位相のフィードバック制御を行う一方、上記端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときには上記フィードバック制御を実行することなくカム位相をオープン制御するようにした。これによれば、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面の切り替わりに応じて、カム位相の制御態様がフィードバック制御とオープン制御とで切り替えられるようになる。そのため、例えば、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面の切り替わりが生じても一様な態様でフィードバック制御が継続されてしまう上述のような場合とは異なり、オーバーシュート等、制御性を低下させる現象の発生を抑えることができる。
(2)コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときには電動モータ50に一定の電力が継続的に供給されるため、例えばカム42に逆方向のトルクが作用する等の外乱が生じても、コントロールシャフト37の実変位量を確実に最大値dmaxに保持することができる。
(第2実施形態)
この第2実施形態は、上記第1実施形態において電子制御装置60の制御態様を変更したものであり、その他の点では第1実施形態と同様の構成になっている。従って、第1実施形態と共通する構成部分については図面上に同一符号を付して重複した説明を省略する。
本実施形態では、上記コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面の切り替わり時におけるカム位相の制御性の低下を抑制すべく、上記端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aであるときと非変位駆動カム面42bであるときとで、上記フィードバック制御の制御ゲインを異ならせるようにしている。
以下、電子制御装置60によって実行されるこうした制御の処理手順について図13のフローチャートを参照して説明する。
先ず、カム位相センサ61を通じて、カム位相が位相phA以上且つ位相phB未満の範囲に含まれるか否かが判定される(ステップS200)。この判定結果がYESである場合には、コントロールシャフト37の端面37cに当接されているカム面が変位駆動カム面42aであると判断されて上記フィードバック制御が大きい制御ゲイン(後述のステップS220処理での制御ゲインよりも大きい制御ゲイン)にて実行される(ステップS210)。即ち、カム位相の変更を通じてコントロールシャフト37を変位させる際には、こうした大きな制御ゲインが設定されていることによって、該コントロールシャフト37の実位置が迅速に目標位置に変更されるようになる。
ステップS200の判定結果がNO、即ちカム位相が上記範囲に含まれない旨の判定がなされたときには、コントロールシャフト37の端面37cに当接されているカム面が非変位駆動カム面42bであると判断され、上記フィードバック制御が上記制御ゲインよりも小さい制御ゲインにて実行される。
これにより、例えば、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面の変位駆動カム面42aから非変位駆動カム面42bへの切り替わり時、即ち上記カム駆動負荷に変化の生じている状態から該変化の生じていない状態への切り替わり時におけるオーバーシュートの発生が抑えられるようになる。以下、こうした制御が実行された際のコントロールシャフト37の変位量推移等を、図14のタイミングチャートを参照しつつ説明する。
なお、本態様におけるコントロールシャフト37の目標変位量及び目標カム位相の設定態様については上記第1実施形態と(図12の態様と)同様であるためその図示を省略する。
因みに、コントロールシャフト37の目標変位量は時点t1から徐々に(「0」から)増加されて時点t2において最大値dmaxに至る。そしてこれ以降、上記目標変位量は最大値dmaxに維持される。また、上記目標カム位相についても同様に、位相phAからの漸増が時点t1にて開始される。その後は、位相phCに至る時点t3まで上記漸増が継続され、該時点t3以降は上記目標カム位相が位相phCに維持される。
同図に示されるように本態様では、実カム位相を上記目標カム位相に迅速に一致させるべく、時点t1から時点t2に至る直前までの間において大きい制御ゲインにて上記フィードバック制御が実行される。制御ゲインが大きく設定されることで、上記目標カム位相に向けた実カム位相の補正における感度即ちモータ供給電流値の補正におけるその感度(補正量)が大きくなる。こうした制御では補正一回分の補正量が大きいためコントロールシャフト37の実変位量が迅速に目標変位量に収束されるようになる。
ところが、実カム位相が位相phBに至ると(時点t2になると)、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aから非変位駆動カム面42bに切り替わる、即ち上記カム駆動負荷に変化が生じている状態と該変化が生じていない状態とが切り替わることとなる。仮に時点t2以降にも上記制御ゲインの大きいフィードバック制御が継続されると、例えば図12に破線451〜453で示したようなコントロールシャフト37の実変位量の変動、即ち吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量の変動が生じ易くなる。
その点、図14に示すように本実施形態によれば、上記カム面の切り替わりに応じて、上記フィードバック制御の制御ゲインが小さく切り替えられることとなる。そのため、図12において破線451〜453で示した比較例とは異なり、上記のようなオーバーシュート等、制御性を低下させる現象の発生を抑えることができる。
なお、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときには、カム位相が変更されてもコントロールシャフト37に変位が生じないため、上記フィードバック制御における制御ゲインが小さくてもそれに起因するバルブ開閉特性制御の制御性の低下は抑制される。
本実施形態においては、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときの上記フィードバック制御における制御ゲインを小さく設定することでコントロールシャフト37の変動を抑えるようにしている。これに対し上記第1実施形態ではコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときの制御態様をオープン制御とし、且つこのときのモータ供給電流を一定値としたが、本実施形態における制御ゲインを「0」としたときにも、こうした一定電流の供給がなされるようにすることができる。
本実施形態では、上記の(2)と同様の効果の他に、以下のような効果を得ることができる。
(3)コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aであるときには大きい制御ゲインにて、また、該当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときには小さい制御ゲインにて上記フィードバック制御を実行するようにした。これによれば、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面の切り替わりに応じて制御ゲインの大きさが変更されるようになる。そのため、例えば、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面の切り替わりが生じても一様な態様でフィードバック制御が継続されてしまう上述のような場合とは異なり、オーバーシュート等、制御性を低下させる現象の発生を抑えることができる。
(第3実施形態)
この第3実施形態は、上記第1実施形態においてコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面を非変位駆動カム面42bに維持するための弾性部材を設けるとともに電子制御装置60による制御の態様を変更したものであり、その他の点では第1実施形態と同様の構成になっている。従って、第1実施形態と共通する構成部分については図面上に同一符号を付して重複した説明を省略する。
図15は本実施形態の変位機構40を示すものであり、同図の(a)はその平面図、(b)は同図(a)のb−b線における断面図である。
同図に示されるように本実施形態では、回転軸41の周りに捩りコイルばね71が配設されている。捩りコイルばね71はそのコイル部71a内に回転軸41が挿通された状態で該回転軸41に回転可能に支持されている。捩りコイルばね71の一方のアーム(アーム71b)はシリンダヘッド13に設けられた支持面13aに当接され、もう一方のアーム(アーム71c)は回転軸41の外周面上に設けられた凸部41aに掛けられている。
こうした構成により捩りコイルばね71は、カム位相が位相phCとなるように、即ちコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が点C部分となる方向に(図(b)では時計回り方向に)カム42を回転させる付勢力を有するものとなっている。即ち捩りコイルばね71はコントロールシャフト37をH側に変位させる方向にカム42に回転トルクを与える。
なお本実施形態では、この付勢力に基づくカム42の回転トルクは、コントロールシャフト37をH側に変位させるにあたって電動モータ50の駆動を補助する程度の小さなものに設定されている。即ち、捩りコイルばね71はコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときのようなカム駆動負荷の小さいときにはその付勢力のみによってカム42を回転させ得るが、コントロールシャフト37をH側に変位させる際には(図(b)の時計回り方向への)電動モータ50によるカム駆動を必要とする。
なお、カム42は、シリンダヘッド13に突設されたストッパ13bと上記凸部41aとの当接により上記時計回り方向への回転が規制される。即ち、捩りコイルばね71の付勢力によってカム位相が位相phCとされても、カム42には上記時計回り方向に関してそれ以上の回転が生じないようになっている。
そして本実施形態では、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aであるときと非変位駆動カム面42bであるときとで、電動モータ50を通じた変位機構40の駆動態様を変更するようにしている。本実施形態では上記第1実施形態同様に、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときにはオープン制御が実行されるが、このオープン制御におけるモータ供給電流値が上記第1実施形態と異なっている。
以下、電子制御装置60によって実行されるこうした変位機構40の駆動制御の処理手順について図16のフローチャートを参照して説明する。
先ず、カム位相センサ61を通じて、カム位相が位相phA以上且つ位相phB未満の範囲に含まれるか否かが判定される(ステップS300)。この判定結果がYESである場合には、コントロールシャフト37の端面37cに当接されているカム面が変位駆動カム面42aであると判断されて上記フィードバック制御が実行される(ステップS310)。即ち、カム位相センサ61の検出結果に基づくモータ供給電流調節(即ち変位機構40の駆動トルク調節)を通じてカム位相が制御される。
ステップS300の判定結果がNO、即ちカム位相が上記範囲に含まれない旨の判定がなされたときには、コントロールシャフト37の端面37cに当接されているカム面が非変位駆動カム面42bであると判断され、上記フィードバック制御が停止されるとともに電動モータ50への給電が停止される。これにより電動モータ50からはカム42を駆動するためのトルクが生じなくなるが、上記捩りコイルばね71の付勢力によってカム位相が位相phCとなるまでカム42が回転される。
以下、本実施形態におけるこうした制御態様について図17のタイミングチャートを参照して説明する。
なお、本実施形態におけるコントロールシャフト37の目標変位量及び目標カム位相の設定態様については上記第1実施形態と(図12の態様と)同様であるためその図示を省略する。
因みに、コントロールシャフト37の目標変位量は時点t1から徐々に(「0」から)増加されて時点t2において最大値dmaxに至る。そしてこれ以降、上記目標変位量は最大値dmaxに維持される。また、上記目標カム位相についても同様に、位相phAからの漸増が時点t1にて開始される。その後は、位相phCに至る時点t3まで上記漸増が継続され、該時点t3以降は上記目標カム位相が位相phCに維持される。
同図に示されるように、時点t1から時点t2に至る直前までの間においては、実カム位相を上記目標カム位相に一致させるべく、上記フィードバック制御においてモータ供給電流値が上記目標カム位相の増加に応じて増大されている。こうしたカム位相のフィードバック制御により、コントロールシャフト37の変位時(時点t1〜時点t2間)にはその実変位量が目標に即したものとなっている。
ところが、実カム位相が位相phBに至ると(時点t2になると)、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aから非変位駆動カム面42bに切り替わる、即ち上記カム駆動負荷に変化が生じている状態と該変化が生じていない状態とが切り替わることとなる。仮に時点t2以降にも上記フィードバック制御が継続されると、例えば図12に破線451〜453で示したようなコントロールシャフト37の実変位量の変動、即ち吸気バルブ16の作動角及び最大リフト量の変動が生じ易くなる。
その点、図17に示すように本実施形態によれば、上記カム面の切り替わりに応じて、上記フィードバック制御が停止されるとともに電動モータ50への給電が停止される。そのため、図12において破線451〜453で示した比較例とは異なり、上記のようなオーバーシュート等、制御性を低下させる現象の発生を抑えることができる。
本実施形態においては、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときには捩りコイルばね71の付勢力に基づきカム42が回転されるとともにカム位相が位相phCに保持されるためコントロールシャフト37の変位量が確実に最大値dmaxに保持される。
なお、上記態様ではコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときに電動モータ50への給電を停止したが、上記弾性部材(捩りコイルばね71)を有するこのような態様にあっても、例えば電流値「0」でない電流を電動モータ50に供給するようにしてもよい。
また、上記態様では、時点t2以降においても目標カム位相が設定されたが、該時点t2以降においては捩りコイルばね71の付勢力のみによってカム42を回転駆動させるようにしているため、該設定は必ずしも行われなくてよい。
本実施形態では、上記の(1)と同様の効果の他に、以下のような効果を得ることができる。
(4)本実施形態において変位機構40には、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bとなるようにカム42を回転させる付勢力を発生する捩りコイルばね71が設けられている。これによれば、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面を非変位駆動カム面42bとするために電動モータ50に供給するエネルギを低減することができる。特に本実施形態では電動モータ50への給電を停止するようにしているため、吸気バルブ16の最大リフト量及び作動角を最大に保持するための上記エネルギを皆無とすることができる。
(第4実施形態)
この第4実施形態は、上記第1実施形態において変位駆動カム面42aと非変位駆動カム面42bとの間でコントロールシャフト37の端面37cとの摩擦抵抗が異なるようにするとともに電子制御装置60による制御の態様を変更したものであり、その他の点では第1実施形態と同様の構成になっている。従って、第1実施形態と共通する構成部分については図面上に同一符号を付して重複した説明を省略する。
本実施形態では、コントロールシャフト37の端面37cとの摩擦抵抗が変位駆動カム面42aと非変位駆動カム面42bとで異なるように、カム42のカム面の摩擦係数を設定している。即ち、上記摩擦係数に関して非変位駆動カム面42bが変位駆動カム面42aよりも大きくなるように非変位駆動カム面42bに例えば粗面処理を施す等している。
なお本実施形態では、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aであるときと非変位駆動カム面42bであるときとで電子制御装置60による制御の態様を異ならせるといったことを採用していない。即ち、上記端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aであれ非変位駆動カム面42bであれ上記同様のフィードバック制御を実行するようにしている。
図19は本実施形態における制御態様を示すタイミングチャートである。
なお、本実施形態おけるコントロールシャフト37の目標変位量及び目標カム位相の設定態様については上記第1実施形態と(図12の態様と)同様であるためその図示を省略する。
因みに、コントロールシャフト37の目標変位量は時点t1から徐々に(「0」から)増加されて時点t2において最大値dmaxに至る。そしてこれ以降、上記目標変位量は最大値dmaxに維持される。また、上記目標カム位相についても同様に、位相phAからの漸増が時点t1にて開始される。その後は、位相phCに至る時点t3まで上記漸増が継続され、該時点t3以降は上記目標カム位相が位相phCに維持される。
同図に示されるように時点t1から時点t2に至る直前までの間においては、実カム位相を上記目標カム位相に一致させるべく、上記フィードバック制御においてモータ供給電流値が上記目標カム位相の増加に応じて増大されている。こうしたカム位相のフィードバック制御により、コントロールシャフト37の変位時(時点t1〜時点t2間)にはその実変位量が目標に即したものとなっている。
本実施形態においても上記各実施形態と同様に、実カム位相が位相phBに至ると(時点t2になると)、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aから非変位駆動カム面42bに切り替わる、即ち上記カム駆動負荷に変化が生じている状態と該変化が生じていない状態とが切り替わる。
しかし本実施形態においては上記各実施形態と異なり、非変位駆動カム面42bとコントロールシャフト37の端面37cとの摩擦抵抗が大きいため、時点t2以降に上記フィードバック制御が継続されても図12に破線451〜453で示したようなコントロールシャフト37の実変位量の変動が生じなくなっている。即ち、上記のようにコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面の切り替わりが生じたときにオーバーシュートが発生し易い態様においては、上記カム面の切り替わり後に上記端面37cに当接される方のカム面についての摩擦抵抗がもう一方のカム面よりも大きく設定されることでこうしたオーバーシュートの発生が抑制される。
なお、上記ではコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aから非変位駆動カム面42bに切り替わる際の制御性の低下を抑制すべく、上記端面37cとの摩擦抵抗に関して、非変位駆動カム面42bが変位駆動カム面42aよりも大きくなるように設定したが、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、上記端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bから変位駆動カム面42aに切り替わると、コントロールシャフト37の端面37cによる変位駆動カム面42aの押圧によってカム42には上記カム位相が減少する方向(図18の反時計回り方向)にトルクを受けることとなる。上記端面37cに非変位駆動カム面42bが当接していた際には、該端面37cに当接するカム面を切り替えるべく電動モータ50がカム42を上記反時計回り方向に回転させるトルクを発生させていたことになるため、これと併せて上記カム面の切り替わり直後にはカム42が急激に回転され易くなる、即ちオーバーシュートが生じ易くなる。
即ち、上記カム面の切り替わりが生じたときにオーバーシュートが生じ易くなるこうした態様においては、該カム面の切り替わり後の制御性の低下を抑制すべく、上記端面37cとの摩擦抵抗に関して、変位駆動カム面42aが非変位駆動カム面42bよりも大きくなるように設定してもよい。
本実施形態では、上記(2)と同様の効果の他に、以下のような効果を得ることができる。
(5)変位駆動カム面42aと非変位駆動カム面42bとは、コントロールシャフト37の端面37cとの当接に係る摩擦係数が異なっている。従って、例えば上記のように、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が切り替わることでカム位相が過大に変更されるといったオーバーシュートの生じる形態では、上記切り替わり後に当接される方のカム面に関する摩擦係数をもう一方のカム面よりも大きく設定することでオーバーシュートの発生を抑制することができる。
従って、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が変位駆動カム面42aと非変位駆動カム面42bとの間で切り替わる際にバルブ開閉特性制御が不安定となるのを抑制することができるようになる。
また、上記と異なり、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が切り替わることでカム位相の変更が過小になるといったアンダーシュートの生じる形態では、上記切り替わり後に当接される方のカム面に関する摩擦係数をもう一方のカム面よりも小さく設定することで、こうしたアンダーシュートの発生を抑制することができる。
また、上記ではコントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるとき上記カム面の切り替わり直前と同様の電力量でのモータ給電がなされたが、非変位駆動カム面42bの摩擦係数が大きく設定された態様においてはこうした電力量を少なくしても上記摩擦抵抗を利用してカム位相を好適に保持できる。
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、以下の様態としてもよい。
・上記第1及び第2実施形態では、コントロールシャフト37の端面37cに当接されるカム面が非変位駆動カム面42bであるときのモータ供給電流値が上記カム面の切り替わり直前のモータ供給電流値よりも低く抑えられたが、これに限定されず、例えば該切り替わり直前のモータ供給電流値以上であってもよい。
・上記第3実施形態における弾性部材(捩りコイルばね71)は、カム位相が位相phCとなるようにカム42に回転トルクを与えるものとされたが、これに限定されず、例えば、カム位相が位相phBと位相phCとの中間の位相となるようにカム42に回転トルクを与える弾性部材を採用してもよい。この場合、カム位相が上記「中間の位相」から位相phB側にずれても位相phC側にずれても上記弾性部材の付勢力によってカム位相が上記「中間の位相」に戻される。従って、例えば上記第3実施形態におけるストッパ13bを省略することもできるようになる。
・上記各実施形態では、コントロールシャフト37の変位量が最大値dmaxとなるとき即ち上記カム駆動負荷が最大となるときにコントロールシャフト37の端面37cに当接される点B部分において変位駆動カム面42aと非変位駆動カム面42bとが接続されているが、これに限定されない。例えば、コントロールシャフト37の変位量が最小値となるとき即ち上記カム駆動負荷が最小となるときに上記端面37cに当接される点A部分において変位駆動カム面42aと非変位駆動カム面とが接続されていてもよい。この場合、非変位駆動カム面は点A部分に対して点B部分とは反対側に接続される。
また、例えば、コントロールシャフト37の変位量が最小値より大きく最大値dmaxよりも小さいとき即ち上記カム駆動負荷が最小でも最大でもないときに上記端面37cに当接される部分、言い換えれば、変位駆動カム面42aにおける点Aと点Bとの間の部分において変位駆動カム面42aと非変位駆動カム面とが接続されていてもよい。こうした点から言えば、変位駆動カム面は複数設けられていてもよい。また、非変位駆動カム面が複数設けられていてもよい。
・上記各実施形態においては、吸気カム21aのカム面と吸気バルブ16のステムエンドとの間隔を変更する開閉特性変更機構30を採用し、そのバルブ開閉特性を変更するためのコントロールシャフト37を変位機構40によって変位するようにしたが、これに限定されない。即ち、例えば図20に示されるように、変位機構40を通じて直接的に吸気カムシャフト81をその軸方向に変位させることで吸気バルブ16の開閉特性を変更するようにしてもよい。
吸気カムシャフト81はクランクシャフトと駆動連結されているとともにシリンダヘッドにおいて軸方向に変位可能に支持されている。吸気カムシャフト81に設けられた吸気カム81aのカムプロフィールは、軸線に対し傾斜する部分を有するように設定されている。
吸気カムシャフト81の端面はスラストベアリング82を介してカム42のカム面に当接されている。吸気カムシャフト81がカム42の変位駆動カム面42aに当接され軸方向に変位されると吸気バルブ16の最大リフト量や作動角が変更される。同図の態様では、カム42の回転を通じて吸気カムシャフト81がL側に変位されると上記最大リフト量や作動角が減少され、逆にH側に変位されると上記最大リフト量や作動角が増大される。
即ちこの態様においては、吸気カムシャフト81が開閉特性変更機構90におけるコントロールシャフトとして機能する。
・上記では、モータ供給電流の調節を通じてモータ供給電力を調節する態様を採用したが、これに限らず、例えば電動モータ50に供給される電圧の調節を通じてモータ供給電力の調節を行う態様を採用してもよい。
・上記各実施形態では、カム42を回転させる駆動源として電動モータ50を採用したが、これに限定されず、例えば油圧に基づきカム42を回転させる駆動源を用いてもよい。
・上記各実施形態では、吸気バルブ16についての開閉特性を変更する態様において本発明を適用したが、これに限らず、例えば、排気バルブ17についての開閉特性を変更する態様において適用するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、開閉特性変更機構として最大リフト量や作動角を変更するものを採用したが、これに限らず、例えば、クランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相、即ちバルブタイミングを変更する開閉特性変更機構を採用してもよい。
第1実施形態における内燃機関の動弁系を示す縦断面図。 上記動弁系の開閉特性変更機構の斜視図。 上記開閉特性変更機構の水平破断斜視図。 上記開閉特性変更機構の水平及び垂直破断斜視図。 (a)、(b)は上記開閉特性変更機構の最大リフト量・作動角最小時の駆動説明図。 (a)、(b)は上記開閉特性変更機構の最大リフト量・作動角最大時の駆動説明図。 上記開閉特性変更機構による最大リフト量・作動角の変化を説明するための図。 変位機構を示す図であり、(a)はその概略平面図、(b)はその正面図。 (a)、(b)、(c)はカムの回転に伴うコントロールシャフトの変位を説明するための図。 カム位相とコントロールシャフト変位量及びカム駆動負荷との関係を示す図。 電子制御装置により実行される変位機構の駆動制御のフローチャート。 上記制御の態様例を示すタイミングチャート。 第2実施形態において電子制御装置により実行される変位機構の駆動制御のフローチャート。 上記制御の態様例を示すタイミングチャート。 第3実施形態の変位機構を示す図であり、(a)はその概略平面図、(b)は(a)のb−b線における断面図。 第3実施形態において電子制御装置により実行される変位機構の駆動制御のフローチャート。 上記制御の態様例を示すタイミングチャート。 第4実施形態の変位機構を示す正面図。 電動モータへの給電の態様例を示すタイミングチャート。 上記とは別の開閉特性変更機構を示す正面図。 従来の変位機構を示す正面図。
符号の説明
10…内燃機関、16…吸気バルブ、17…排気バルブ、21…吸気カムシャフト、21a…吸気カム、30,90…開閉特性変更機構、32…入力部材、33…第1出力部材、34…第2出力部材、37…コントロールシャフト、40…変位機構、42…カム、42a…変位駆動カム面、42b…非変位駆動カム面、60…制御手段を構成する電子制御装置、71…捩りコイルばね、CR…回転中心。

Claims (6)

  1. コントロールシャフトの軸方向変位に基づき機関バルブの開閉特性を変更する開閉特性変更機構と、カムの回転に基づき前記コントロールシャフトを軸方向に変位させる変位機構と、該コントロールシャフトの位置を調節すべく前記カムの回転位相をフィードバック制御する制御手段とを備え、前記カムには、その回転に伴い前記コントロールシャフトに変位を生じさせる変位駆動カム面と、該変位駆動カム面と連続して形成され、該カムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有して該カムの回転に伴う前記変位の生じない非変位駆動カム面とが設けられる内燃機関のバルブ開閉特性制御装置であって、
    前記制御手段は、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記非変位駆動カム面であるとき、該当接されるカム面が前記変位駆動カム面であるときよりも前記フィードバック制御の制御ゲインを小さく設定することを特徴とする
    内燃機関のバルブ開閉特性制御装置。
  2. コントロールシャフトの軸方向変位に基づき機関バルブの開閉特性を変更する開閉特性変更機構と、カムの回転に基づき前記コントロールシャフトを軸方向に変位させる変位機構と、該コントロールシャフトの位置を調節すべく前記カムの回転位相をフィードバック制御する制御手段とを備え、前記カムには、その回転に伴い前記コントロールシャフトに変位を生じさせる変位駆動カム面と、該変位駆動カム面と連続して形成され、該カムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有して該カムの回転に伴う前記変位の生じない非変位駆動カム面とが設けられる内燃機関のバルブ開閉特性制御装置であって、
    前記制御手段は、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記変位駆動カム面であるとき前記カムの回転位相のフィードバック制御を実行する一方、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記非変位駆動カム面であるときには前記カムの回転位相をオープン制御することを特徴とする
    内燃機関のバルブ開閉特性制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記非変位駆動カム面であるとき、前記カムを回転させるための駆動力供給を停止する
    請求項2に記載の内燃機関のバルブ開閉特性制御装置。
  4. 前記変位機構には、前記コントロールシャフトに当接されるカム面が前記非変位駆動カム面となるように前記カムを回転させる付勢力を発生する弾性部材が設けられる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブ開閉特性制御装置。
  5. コントロールシャフトの軸方向変位に基づき機関バルブの開閉特性を変更する開閉特性変更機構と、カムの回転に基づき前記コントロールシャフトを軸方向に変位させる変位機構と、該コントロールシャフトの位置を調節すべく前記カムの回転位相をフィードバック制御する制御手段とを備える内燃機関のバルブ開閉特性制御装置であって、
    前記カムには、その回転に伴い前記コントロールシャフトに変位を生じさせる変位駆動カム面と、該変位駆動カム面と連続して形成され、該カムの回転中心を中心とする円弧状のカムプロフィールを有して該カムの回転に伴う前記変位の生じない非変位駆動カム面とが設けられ、これら変位駆動カム面と非変位駆動カム面とは、前記コントロールシャフトとの当接に係る摩擦係数が異なることを特徴とする
    内燃機関のバルブ開閉特性制御装置。
  6. 当該内燃機関は前記コントロールシャフトとは別個に設けられクランクシャフトにより回転駆動するカムシャフトを備え、
    前記開閉特性変更機構は、前記コントロールシャフト周りに揺動可能に支持され、前記カムシャフトのカムからの駆動力により前記コントロールシャフト周りに揺動する入力部材と、同入力部材と同期して前記コントロールシャフト周りに揺動することにより前記機関バルブに開閉駆動力を伝達する出力部材とを有し、前記コントロールシャフトをその軸方向に変位させることにより前記コントロールシャフト周りにおける前記入力部材及び前記出力部材の開き角度を変化させて前記機関バルブの開閉特性を変更するものである
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブの開閉特性制御装置。
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