JP4675672B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
上記問題は、転写材上のトナー担持量が多いカラー画像形成装置において、特に顕著となる。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記集音手段は、上記定着ニップの転写材通過方向下流側に近接配置されており、上記制御手段は、該集音手段が集音した音のうち、上記トナー担持面に接触する側の上記部材から上記転写材が分離するときに発生する分離音に基づいて、上記制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記トナー担持面に対向する側の上記部材の表面に当接する当接部材を有し、上記集音手段は、該表面と該当接部材との当接部分に近接して配置されており、上記制御手段は、該集音手段が集音した音のうち、該表面と該当接部材とが摩擦するときに発生する摩擦音に基づいて、上記制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の画像形成装置において、上記制御手段は、上記集音手段が集音した音のピークレベルが所定の既定レベルを超えているか否かを判断し、該所定の既定レベルを超えていると判断したときに上記制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、上記トナー担持面に接触する側の上記部材から上記転写材が分離せずにジャムが発生し得る旨を報知する報知手段を有し、上記制御手段が行う上記制御は、該報知手段に上記の旨を報知させるための制御であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、上記制御手段が行う上記制御は、上記転写材の先端部におけるトナー担持が禁止された先端非画像領域の長さが長くなるように画像形成プロセスを制御することであることを特徴とするものである。
ただし、ここでいう「転写材の先端部」とは、定着ニップを転写材が通過するときに先端側に位置する部分である。
また、ここでいう「先端非画像領域の長さ」とは、定着ニップに対する転写材通過方向における先端非画像領域の長さである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、上記トナー担持面に接触する側の上記部材の表面に、該表面とトナーとの間の付着力を低下させる付着力低下剤を付与する剤付与手段を有し、上記制御手段が行う上記制御は、該表面に付与される該付着力低下剤の付与量が多くなるように該剤付与手段を制御することであることを特徴とするものである。
図2は、本実施形態に係る複写機全体の概略構成図である。この複写機は、潜像担持体として4つの感光体ドラム1A,2A,3A,4Aを有し、各感光体ドラム上のトナー像を転写材としての記録紙に直接転写する、いわゆる直接転写方式のタンデム型画像形成装置である。各感光体ドラム1A,2A,3A,4Aは、その回転軸が互いに平行となるように配置されており、図中矢印の方向に回転駆動する。これらの感光体ドラム1A,2A,3A,4Aは、光導電性を有する有機または無機材料で構成された感光層を有するドラム状のものである。
次に、本発明の特徴部分である定着装置6の一構成例(以下、本構成例を「構成例1」という。)について説明する。
図1は、本構成例1における定着装置6の模式図を、制御系のブロック図とともに表した説明図である。
定着装置6は、内部に熱源としてハロゲンヒータ14を備え、図中矢印方向に回転する加熱部材としての定着ローラ11と、この定着ローラ11に接触しながら図中矢印方向に回転する加圧部材としての加圧ローラ12とを備えている。これらの定着ローラ11及び加圧ローラ12の間には定着ニップが形成される。この定着ニップに記録紙Pが搬送されてくると、そのトナー担持面(図中上側の面)に担持された未定着トナーは、定着ローラ11によって加熱されて軟化するとともに、定着ニップの圧力により記録紙Pのトナー担持面に押しつけられる。これにより、トナーが記録紙Pに定着する。また、定着ニップの定着ローラ回転方向下流側において、定着ローラ11の表面には分離爪13が設けられている。この分離爪13は、定着ローラ表面に対向する端部が定着ローラ11の表面から僅かに離間するように配置されている。なお、分離爪13の端部を定着ローラ表面に接触するように配置してもよい。
正常時には、定着ローラ11の表面の離型性が高い状態にあるため、定着ニップを通過した記録紙P上の軟化したトナーと定着ローラ11の表面との間の吸着力が小さい。そのため、定着ニップを通過した記録紙Pがその自重とコシとによって定着ローラ11から分離する際、軟化したトナーは定着ローラ11の表面からスムーズに剥がれる。よって、このときの分離音の音レベルdBは図3(a)に示すように比較的小さい。
一方、異常時には、経時的な定着処理によって定着ローラ11の表面の離型性が低下した状態にあるため、定着ニップを通過した記録紙P上の軟化したトナーと定着ローラ11の表面との間の吸着力が大きくなっている。そのため、定着ニップを通過した記録紙Pが定着ローラ11から分離する際、軟化したトナーは定着ローラ11の表面から剥がれにくい状態となっている。このような状態のトナーが定着ローラ11の表面から剥がれるときの分離音は、図3(b)に示すように正常時に比べて大きな音となる。
なお、上記エラーメッセージは、操作パネル34以外の表示手段に表示するようにしてもよい。また、エラーメッセージではなく、上記の旨を警告ランプによって報知するようにしてもよいし、警告音等の音を使って上記の旨を報知するようにしてもよい。
次に、本発明の特徴部分である定着装置6の他の構成例(以下、本構成例を「構成例2」という。)について説明する。なお、本構成例2における定着装置の基本構成は、上記構成例1と同様であるので、以下の説明では上記構成例1の定着装置とは異なる構成及び動作についてのみ述べる。
本構成例2の定着装置6は、上記構成例1の定着装置に当接部材としてのブレード16を付加したものである。このブレード16は、定着ローラ11の表面に当接するように配置されている。ここで、本構成例2においては、定着ローラ11及び加圧ローラ12のうちの記録紙Pのトナー担持面に接触する側のローラすなわち定着ローラ11の表面と上記ブレード16とが摩擦するときに発生する摩擦音の発生源近傍に、集音マイク15が配置されている。具体的には、ブレード16と定着ローラ11との当接部分に近接して配置されている。この位置に集音マイク15を配置することで、定着ローラ11の表面とブレード16との摩擦音を効率よく集音することができる。この集音マイク15で集音された音は、制御部30に設けられた増幅器31によって、上記摩擦音の周波数帯域を含む帯域について増幅される。これにより、集音マイク15に集音された音の中から、摩擦音以外の雑音と区別して摩擦音を増幅させることができる。コントローラ33は、増幅器31で増幅された音の音レベルdB[A]のデータを所定のサンプリング間隔でサンプリングし、各データを記憶装置32に一時的に記録する。
正常時には、定着ローラ11の表面の離型性が高い状態にあるため、定着ローラ11とブレード16との摩擦力が小さい。そのため、定着ローラ11の回転時において、定着ローラ11の表面はブレード16に対してスムーズに摺動する。よって、このときの摩擦音は、ある特定の周波数においてピークを持つが、この周波数における音レベルdBは図5(a)に示すように比較的小さい。
一方、異常時には、経時的な定着処理によって定着ローラ11の表面の離型性が低下した状態にあるため、定着ローラ11とブレード16との摩擦力が大きくなっている。そのため、定着ローラ11の表面におけるブレード16に対するスムーズな摺動が困難な状態となっている。このような状態における定着ローラ11とブレード16との摩擦音は、上記特定の周波数における音レベルdBが図5(b)に示すように正常時に比べて大きな音となる。
なお、本構成例2においては、摩擦音を集音して正常か異常かを判断する処理を画像形成プロセス中に行っているが、画像形成プロセスとは別に、当該処理を行うための動作モードを設けて、当該処理をその動作モード時に行うようにしてもよい。この場合、集音マイク15に集音される音の中の雑音を少なくすることが可能となる。特に、定着ローラ11に対して上記ブレード16を接離させる接離機構を設け、当該動作モード時だけブレード16を定着ローラ11に当接させるようにすれば、画像形成プロセス時において、定着ローラ11の回転負荷を少なくできるとともに、摩擦音による騒音を防止することができる。
また、本構成例2では、摩擦音を集音するための専用の当接部材(ブレード16)を設ける場合について説明したが、摩擦音を集音するための当接部材として他の目的で定着ローラ11に当接している他の当接部材、例えば分離爪13を利用することも可能である。
次に、本発明の特徴部分である定着装置6の更に他の構成例(以下、本構成例を「構成例3」という。)について説明する。なお、本構成例3における定着装置の基本構成は、上記構成例1と同様であるので、以下の説明では上記構成例1の定着装置とは異なる構成及び動作についてのみ述べる。
本構成例3の定着装置6は、上記構成例1の定着装置の構成に加え、定着ローラ11の表面にこの表面とトナーとの間の付着力を低下させる付着力低下剤としてのオイルを付与する剤付与手段としてのオイル塗布装置が設けられている。このオイル塗布装置は、オイルを含浸したオイル塗布ローラ17を備えている。このオイル塗布ローラ17には、図示していないオイルタンクからオイルが供給される。また、オイル塗布装置は、オイル塗布ローラ17を定着ローラ11に対して圧接状態と非圧接状態のいずれかの状態にするためのカム18、このカム18を駆動するステッピングモータ19、上記制御部30のコントローラ33の制御の下でステッピングモータ19の回転角度を駆動制御するドライバ20等も備えている。ドライバ20がコントローラ33からの制御命令を受けると、ドライバ20は、その制御命令に従ってステッピングモータ19を所定の回転角度に駆動する。これにより、オイル塗布ローラ17は定着ローラ11に対して圧接状態又は非圧接状態になる。
なお、本構成例3においては、上記構成例1の場合と同様に分離音から定着ローラ11の表面状態(離型性の状態)を判断する場合を例に挙げたが、上記構成例2の場合と同様に摩擦音から定着ローラ11の表面状態を判断するようにしてもよい。
また、本構成例3においては、上記構成例1や上記構成例2の場合と同様に、コントローラ33は、ドライバ20に対して上記制御命令を出力するとともに、操作パネル34にエラーメッセージを表示させる制御を行ってもよい。
また、本構成例3においては、定着ローラ11に対するオイル塗布量を増加させる制御を行うが、この制御に代えて、オイル塗布装置のメンテナンスを促すためのエラーメッセージを操作パネル34に表示させる制御を行ってもよい。上記オイル塗布装置のオイルが空になって適正なオイル塗布がなされなくなった場合も、定着ローラ11の表面の離型性が悪化してコントローラ33が異常であると判断する。よって、上記のようなエラーメッセージを表示することで、オイル塗布装置の点検や交換、オイル補充などのメンテナンスをユーザーに促すことができ、再び適正なオイル塗布が可能な状態に回復させることができる。その結果、定着ローラ11の表面の離型性が回復し、当該ジャムの発生を未然に防止することができる。
次に、本発明の特徴部分である定着装置6の更に他の構成例(以下、本構成例を「構成例4」という。)について説明する。なお、本構成例4における定着装置の基本構成は、上記構成例3と同様であるので、以下の説明では上記構成例3の定着装置とは異なる構成及び動作についてのみ述べる。
本構成例4の定着装置6では、上記構成例3の定着装置における定着ローラ11に代えて、定着ベルト機構40を用いている。この定着ベルト機構は、定着ローラ41及びテンションローラ44に定着ベルト43が掛け渡されたものである。定着ローラ41及びテンションローラ44の内部には、熱源としてハロゲンヒータ45,46が設けられている。この定着ベルト機構によれば、立ち上がり時間を迅速化を図ることができる。
このような定着ベルト機構を備えた定着装置であっても、上記構成例3の場合と同様に、離型性の悪化によって記録紙Pが定着ベルト43に巻き付いて実際にジャムが発生してしまう前に、事前に定着ベルト43の表面に塗布されるオイル塗布量を増加させて定着ベルト43の表面の離型性を回復させることができる。これにより、当該ジャムの発生を未然に防止することができる。
特に、上述した構成例1、3及び4においては、集音マイク15が定着ニップの記録紙P通過方向下流側に近接配置されており、制御部30は、集音マイク15が集音した音のうち、記録紙Pのトナー担持面に接触する側の部材である定着ローラ11又は定着ベルト43から記録紙Pが分離するときに発生する分離音に基づいて、上記制御を行う。上述のように、記録紙Pが定着ローラ11又は定着ベルト43から分離する際に発生する分離音から定着ローラ11又は定着ベルト43の表面状態(離型性の状態)を判断することができる。よって、離型性の悪化によって記録紙Pが定着ローラ11又は定着ベルト43に巻き付いて実際にジャムが発生してしまう前に、そのジャムの発生を防止する方策を採ることができる。
また、上述した構成例2においては、記録紙Pのトナー担持面に対向する側の部材である定着ローラ11の表面に当接する当接部材としてのブレード16を設け、上記集音マイク15を、定着ローラ11の表面とブレード16との当接部分に近接して配置している。そして、制御部30は、集音マイク15が集音した音のうち、定着ローラ11の表面とブレード16とが摩擦するときに発生する摩擦音に基づいて、上記制御を行う。上述のように、定着ローラ11とブレード16との摩擦音から定着ローラ11の表面状態(離型性の状態)を判断することができる。よって、離型性の悪化によって記録紙Pが定着ローラ11に巻き付いて実際にジャムが発生してしまう前に、そのジャムの発生を防止する方策を採ることができる。
また、本実施形態において、制御部30は、集音マイク15が集音した音のピークレベルである音レベルdBが所定の既定レベルである規定値を超えているか否かを判断し、この規定値を超えていると判断したときに上記制御を行う。これにより、簡単な方法で、分離音や摩擦音等の定着装置6から発生する音から定着ローラ11又は定着ベルト43の表面状態(離型性の状態)を判断することができる。
また、上述した構成例1及び2においては、記録紙Pのトナー担持面に接触する側の部材である定着ローラ11から記録紙Pが分離せずにジャムが発生し得る旨を報知する報知手段としての操作パネル34が設けられている。そして、制御部30が行う上記制御は、この操作パネル34に上記の旨を報知させるための制御である。これにより、ユーザーに対して当該ジャムの発生を防止するための作業、例えば定着ローラ11の交換等を促すことができるので、当該ジャムの発生を未然に防止することができる。
また、上述したように、制御部30が行う上記制御は、記録紙Pの先端部におけるトナー担持が禁止された先端非画像領域である先端余白マージンの長さが長くなるように画像形成プロセスを制御するものであってもよい。これにより、定着ローラ11又は定着ベルト43に対する記録紙Pの分離性を向上させて、ジャムの発生を未然に防止することができる。
また、上述した構成例1及び2においては、記録紙Pのトナー担持面に接触する側の部材である定着ローラ11又は定着ベルト43の表面に、この表面とトナーとの間の付着力を低下させる付着力低下剤としてのオイルを付与する剤付与手段としてのオイル塗布装置が設けられている。そして、制御部30が行う上記制御は、定着ローラ11又は定着ベルト43の表面に塗布されるオイルの塗布量が多くなるようにオイル塗布装置を制御する。これにより、離型性の悪化によって記録紙Pが定着ローラ11又は定着ベルト43に巻き付いて実際にジャムが発生してしまう前に、事前に定着ローラ11又は定着ベルト43の表面に塗布されるオイル塗布量を増加させて定着ローラ11の表面の離型性を回復させることができる。その結果、当該ジャムの発生を未然に防止することができる。
12 加圧ローラ
13 分離爪
15 集音マイク
16 ブレード
17 オイル塗布ローラ
30 制御部
31 増幅器
32 記憶装置
33 コントローラ
34 操作パネル
40 定着ベルト機構
41 定着ローラ
43 定着ベルト
44 テンションローラ
Claims (7)
- 加熱部材と加圧部材との間に形成された定着ニップにトナーを担持した転写材を通過させ、該定着ニップで該加熱部材により該トナーを加熱することにより該トナーを軟化させて、該トナーを転写材表面に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、
上記転写材が上記定着ニップを通過するときに上記定着装置から発生する音を集音する集音手段と、
該集音手段が集音した音に基づいて、上記加熱部材及び上記加圧部材のうちの該転写材のトナー担持面に接触する側の部材から該転写材が分離せずにジャムが発生するのを防止するための制御を行う制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記集音手段は、上記定着ニップの転写材通過方向下流側に近接配置されており、
上記制御手段は、該集音手段が集音した音のうち、上記トナー担持面に接触する側の上記部材から上記転写材が分離するときに発生する分離音に基づいて、上記制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
上記トナー担持面に対向する側の上記部材の表面に当接する当接部材を有し、
上記集音手段は、該表面と該当接部材との当接部分に近接して配置されており、
上記制御手段は、該集音手段が集音した音のうち、該表面と該当接部材とが摩擦するときに発生する摩擦音に基づいて、上記制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2又は3の画像形成装置において、
上記制御手段は、上記集音手段が集音した音のピークレベルが所定の既定レベルを超えているか否かを判断し、該所定の既定レベルを超えていると判断したときに上記制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
上記トナー担持面に接触する側の上記部材から上記転写材が分離せずにジャムが発生し得る旨を報知する報知手段を有し、
上記制御手段が行う上記制御は、該報知手段に上記の旨を報知させるための制御であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
上記制御手段が行う上記制御は、上記転写材の先端部におけるトナー担持が禁止された先端非画像領域の長さが長くなるように画像形成プロセスを制御することであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
上記トナー担持面に接触する側の上記部材の表面に、該表面とトナーとの間の付着力を低下させる付着力低下剤を付与する剤付与手段を有し、
上記制御手段が行う上記制御は、該表面に付与される該付着力低下剤の付与量が多くなるように該剤付与手段を制御することであることを特徴とする画像形成装置。
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