JP2001147608A - トナー像定着装置 - Google Patents

トナー像定着装置

Info

Publication number
JP2001147608A
JP2001147608A JP2000078338A JP2000078338A JP2001147608A JP 2001147608 A JP2001147608 A JP 2001147608A JP 2000078338 A JP2000078338 A JP 2000078338A JP 2000078338 A JP2000078338 A JP 2000078338A JP 2001147608 A JP2001147608 A JP 2001147608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
fixing
toner image
support
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000078338A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiko Tomita
邦彦 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000078338A priority Critical patent/JP2001147608A/ja
Priority to US09/813,218 priority patent/US6519439B2/en
Publication of JP2001147608A publication Critical patent/JP2001147608A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低粘度のトナーを使用しても、用紙などのト
ナーの支持体における定着部材からの剥がし作用に際し
て、定着部材あるいはトナーの支持体に異常な振動を発
生させず、安定した定着を可能にする。 【解決手段】 トナー像の温度が軟化点あるいは融点以
下になったときに用紙Pを定着・加熱ローラ1から剥が
す構成にし、トナー粘度が10〜1013c poiseであ
り、かつトナーを構成する樹脂に対してワックス分が
0.05重量%以上であるトナーを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機,ファクシ
ミリ装置,プリンタなどに適用され、トナーを用いて画
像を形成する電子写真方式の画像形成装置に係り、特に
トナー画像を加熱して定着するトナー像定着装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の保全のために省資源化
および省エネルギ化の要求が高まっている。電子写真方
式の画像形成装置においては、省エネルギ化のために消
費電力を抑えるようにする技術傾向にあり、特に電力消
費の激しい定着部の分野においては、その低温度定着化
が進んでいる。
【0003】低温度定着化を実現するためには、当然、
トナーの軟化点あるいは融点を下げざるを得ないが、ト
ナーに使用されている熱可塑性の樹脂の特性として、軟
化点あるいは融点が下がると、必然的に溶融粘度が下が
るという性質がある。熱可塑性の樹脂の軟化点あるいは
融点は、その樹脂の分子量,分子量分布,結晶化度,架
橋度,分子間力などによって決まり、同一構造の樹脂の
軟化度あるいは融点を下げるためには、このうち分子
量,架橋度を下げるか、分子量分布を狭くせざるを得な
い。このうち、分子量分布は樹脂の保存性の限界から下
限が決まってくるので、分子量自体を下げると必然的に
狭くなってしまう。
【0004】一般的に、分子量を下げると分子鎖が短く
なるために、絡み合いが緩くなり、溶融粘度は下がる。
また、分子量分布が狭くなっても、やはり分子鎖の絡み
合いが緩くなり、溶融粘度は下がる。さらに、分子間の
架橋度を下げると、それぞれの分子が動きやすくなるた
めに溶融粘度は下がる。
【0005】このような溶融粘度が下がった状態のトナ
ーであっても、特公昭51−29825号公報、あるい
は特開昭63−118291号公報,特開昭63−11
8292号公報,特開昭63−118293号公報に記
載されている方法を採用することにより、オフセットな
く定着を行うことができるようになった。
【0006】特公昭51−29825号公報には、フィ
ルムシートを利用した定着部で被定着物に熱を加えた
後、フィルムシートと被定着物との密着を保ったまま冷
却をかけ、トナーが固化した後、引き剥がすものであ
り、さらに、強制冷却の概念も盛り込まれ、具体的な強
制冷却方法として送風,水冷が記載されている。
【0007】また、特開昭63−118291号公報,
特開昭63−118292号公報,特開昭63−118
293号公報に記載されている技術によって、ワックス
を主成分とした粘度の低いホットメルト印字媒体であっ
ても、連続的なオンマシン状態でフィルムに対してオフ
セットが生じることのない定着が行われるようになっ
た。
【0008】一般的に、熱転写の場合では、印字媒体は
主成分がワックスであり、ワックスの粘度は10〜10
4c poise程度であり、このような低粘度の印字媒体であ
っても前記の技術を使用することによってオフセットが
発生することはない。
【0009】具体的には、これらの技術は、加熱溶融
後、DSCのトップピーク値以下の温度に下がってか
ら、フィルムシートを引き剥がすものである。特に特開
昭63−118291号公報では、冷却方法として空気
吹き付け、あるいは水,フレオンガスを冷媒とした強制
的な冷却を行い、特開昭63−118292号公報で
は、フィルムシートと被転写体とを密着した状態で冷却
部を通過させ、特開昭63−118293号公報では、
フィルムシートと被転写体とを引き剥がす機構を設け、
さらに引き剥がすまでの間、フィルムシートと被転写体
とを密着した状態に保つ機構を設けて、フィルムシート
上に印字媒体が残る現象(いわゆるオフセット)を防止
している。この方法により、従来の方式に比べて粘度の
低いトナーをオフセットを生じることなく使用すること
ができるようになった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、トナーの主成
分は樹脂であるため、前記の技術では、従来から使用さ
れているような粘度が1013c poise以上の粘度が比較
的高いトナーであれば、特に問題の発生は認められない
が、粘度が1013c poise 以下のトナーでは、加熱加圧
の定着処理を行う定着部材に対する接着力が強過ぎて、
被定着体、すなわちトナーの支持体としての用紙を引き
剥がすときに、定着部材であるフィルム体あるいはベル
トを被定着体に接着させた状態で引っ張るようになり、
ローラなどに懸架された定着部材を弾性限度内で引き伸
ばし、定着部材とトナーとが離れるときに定着部材が振
動するか、あるいは用紙が振動して大きな音,騒音を発
生するという問題があった。
【0011】図3,図4は定着部材から被定着体である
用紙を引き剥がす際の問題点の説明図であり、図3,図
4において、1は内部にヒータ2が設けられた加熱・定
着ローラ、3は定着用ベルト4により過熱・定着ローラ
1に懸架されて共に回転する冷却ローラ、5と6は過熱
・定着ローラ1と冷却ローラ3に対向設置された加圧ロ
ーラである。
【0012】図3において、定着部材としての定着用ベ
ルト4側にトナーTにより像が形成された被定着部材で
ある用紙Pが、加熱・定着ローラ1と加圧ローラ5間を
通過して定着用ベルト4に接着した状態のままで、冷却
ローラ3と加圧ローラ6間へ搬送される。そして冷却ロ
ーラ3と加圧ローラ6のニップを通過した用紙Pはトナ
ーTの接着力の限界点を超えたところで(図3のA部
分)、一気に剥がれるという動作を繰り返しており、こ
の繰返しにより用紙Pが振動して騒音を発生させる原因
となっていた。
【0013】図4において、前記と同様に冷却ローラ3
と加圧ローラ6のニップを通過した際、用紙Pの曲げ強
さに負けた定着用ベルト4が引っ張られて弛みが発生し
(図4のA部分)、この状態において用紙Pは、トナー
Tの接着力の限界点を超えたところで剥がれるという動
作を繰り返しており、この繰返しにより定着用ベルト4
が振動するか、あるいは用紙Pが振動して騒音を発生す
るという問題があった。
【0014】これらの問題はトナーの粘度が下がるほど
顕著にあらわれる傾向にある。
【0015】本発明の目的は、前記従来の問題を解決
し、低粘度のトナーを使用しても、用紙などのトナーの
支持体における定着部材からの引き剥がしに際して、定
着部材あるいはトナーの支持体に異常な振動を発生させ
ず、安定した定着が行われるようにしたトナー像定着装
置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、一対の定着部材の間にトナー像が表面に
形成された支持体を通過させ、支持体を定着部材により
トナーの軟化点あるいは融点以上の状態に加熱してトナ
ー像を溶解し、その後、加熱を停止して冷却するトナー
像定着装置において、トナー像の温度が軟化点あるいは
融点以下になったときに支持体を定着部材から剥がす構
成のトナー像定着装置であって、トナー粘度が10〜1
13c poiseであり、かつトナーを構成する樹脂に対し
てワックス分が0.05重量%以上であるトナーを使用
するものであり、この構成によって、粘度が10〜10
13c poiseの比較的低粘度のトナーを使用しても、ワッ
クスが離型剤として機能して支持体を定着部材から良好
に剥がすことができ、従来のような引き剥がし時の振
動,剥離音の発生を抑制することができる。
【0017】また本発明は、前記定着部材における支持
体を剥がす部位において、その剥がす方向において支持
体に10deg以上の角度を持たせることが可能な構成で
あり、この構成によって、支持体の定着部材からの剥離
が良好に行われる。
【0018】また本発明は、前記定着部材が、ローラ状
部材、あるいはフィルム状またはシート状のベルトであ
る構成であっても適用することができる。
【0019】また本発明は、支持体を搬送するベルトに
より懸架されて、支持体を加熱する定着ローラと冷却ロ
ーラとを備えたものであって、前記定着ローラを通過し
た後は、支持体がベルトから離れることが可能な構成で
あり、この構成によって、加熱後には支持体に対するベ
ルトによる加熱,拘束がなくなり、支持体に対する冷却
作用が早く加わり、支持体の剥がし作用が良好に行われ
る。
【0020】また本発明は、支持体を加熱する定着ロー
ラ内に、支持体を加熱した後の定着ローラ部分を冷却す
る冷却手段を設置したものであり、この構成によって、
加熱後には支持体に対する定着ローラからの加熱をキャ
ンセルすることができ、定着ローラの冷却ローラに接す
る部分の熱を冷却ローラにより奪うことで、支持体のト
ナーを冷却し、支持体の剥がし作用が良好に行われる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0022】本説明中、溶融粘度とは軟化点あるいは融
点以上の温度におけるものである。しかも、これらの軟
化点および融点は、島津製作所製のフローテスターによ
る測定における軟化温度,流出開始温度に対応するもの
であり、またゴム域は軟化温度と流出開始温度までの範
囲を指す。
【0023】一般に熱可塑性樹脂を加熱すると軟化点ま
では固体であり、軟化点を超えると軟らかくなり粘性を
呈し、これをさらに加熱して融点を超えると、さらに軟
らかくなり、粘い液体状態になるが、このときの軟化点
から融点までの温度の幅、あるいは軟化点から融点まで
の粘性および融点以上の粘性は樹脂の分子量,分子量分
布,結晶化度,架橋度,分子間力などにより異なり、同
一構造であれば軟化点および融点の低い物の方が溶解粘
度は低くなりやすい。
【0024】したがって、本実施形態における溶融粘度
は、軟化点から融点まで温度の溶融粘度が1013c pois
e以上で融点以上の温度において溶融粘度が1013c poi
se以下の場合には融点以上の温度において使用し、また
軟化点以上の温度において溶融粘度が1013c poise以
下であれば軟化点以上の温度で使用するものとする。
【0025】ところで、従来のトナー像定着装置におい
て、使用するトナーの溶融粘度が10〜1013c poise
である場合でもトナーが固化してから支持体を定着部材
より引き剥がす構成であれば、ホットオフセットを防止
することができる。しかし、使用するトナーの溶融粘度
が低いためにトナーの定着部材に対する濡れ性がよくな
り、固化した後の接着力が強くなってしまう。当然、固
化した後、トナー自体の凝集力の方がトナーと定着部材
との接着力より大きいのでホットオフセットが発生する
ことなく、定着部材から引き剥がすことは可能である
が、定着部材とトナーとの接着力が必要以上に大きく、
引き剥がす際に定着部材あるいは支持体を引っ張りすぎ
て、支持体が定着部材より剥がれるとき、異常振動を発
生しやすく、このことが剥離時の騒音の原因になってい
た。
【0026】そこで、発明者は前記の事項に鑑みて鋭意
研究,検討した結果、定着部材がローラ状部材、あるい
はフィルム状またはシート状のベルトであり、支持体に
対してトナーを転写してトナー像を支持体の表面に形成
し、一対の定着部材の間にトナー像が表面に形成された
支持体を通過させ、定着部材によりトナー像の軟化点あ
るいは融点以上の状態に加熱してトナー像を溶解し、そ
の後、加熱を停止して冷却し、トナー像の温度が軟化点
あるいは融点以下になったときに支持体を定着部材から
剥がす構成のトナー像定着装置において、粘度が10〜
1013c poiseのトナーを使用しても、トナーを構成す
る樹脂に対してワックス分を0.05重量%以上含有さ
せたトナーを使用することにより、支持体が定着部材よ
り剥がれるとき、従来発生していた異常振動を防止し
て、剥離時の騒音を抑制することができることを見出し
た。
【0027】このことを実証するために各種の実験を行
った。その結果を(表1),(表2)に例示する。一般
的な定着装置を具備した画像形成装置において画像を形
成させたときの騒音レベルをテストしてみた。
【0028】
【表1】
【0029】(表1)において、「OK」は剥離音が殆
ど聞こえず、また「良」は剥離音が聞こえるが許容でき
る範囲にあることを示す。
【0030】
【表2】
【0031】(表2)において、「NG」は剥離時の騒
音が激しくて許容できない範囲にあることを示す。
【0032】(表1),(表2)から分かるように、ト
ナーにおける含有ワックス量は、樹脂に対して0.05
wt%以上であれば、剥離音の騒音レベルは許容するこ
とができる範囲である。好ましくは0.1wt%以上で
あれば、剥離音として認識することができない優れたレ
ベルとなる。
【0033】また実験によれば、剥離させる定着部材の
進行方向の剥離角度をトナーの支持体に対して10deg
以上持たせるか、あるいは剥離させる定着部材の進行方
向に曲面が付いている場合、剥離部分における接線方向
の角度を10deg以上とることにより、剥離音の低減効
果をさらに増大させることができた。
【0034】本実施形態における剥離音低減の現象のメ
カニズムとしては以下のようなことが考えられる。
【0035】従来のトナー像定着装置においてシリコン
オイルを使用していないものでは、通常、ワックスをト
ナー中に分散させたものを使用しているが、本実施形態
とは剥離作用が異なる。すなわち、従来の定着プロセス
では、トナーが溶けたゴム域状態のときに定着部材から
引き剥がす構成であるために、濡れ性により接着力が増
大した樹脂と定着部材とが接着しやすくなっているにも
拘らず、このとき同時に熱により溶けたオイル状のワッ
クスがトナーの界面に移動するために、ワックスは、シ
リコンオイルと同様に液体の離型剤の機能を果してい
る。すなわち、離型剤としての液体自体の凝集力が非常
に弱いため液体層の凝集破壊を利用し、一部は定着部材
へ、他はトナー樹脂側へ液体が分かれることにより接着
を防いでいるのである。
【0036】このため、従来では、当然、定着部材の表
面にワックスが少し残ってしまう。通常、トナーを製作
するときには、樹脂およびワックス,顔料,染料を共に
混練しているため、この液体中のワックス中にも顔料お
よび染料が混入しており、この定着部材に一部残ったワ
ックス分がトナーの支持体に対して汚れの問題を引き起
こしている。さらに、定着装置の温度コントロール用サ
ーミスタの汚れにつながり、温度コントロールの暴走を
引き起こすおそれもある。
【0037】一方、本実施形態において、ワックス分を
トナー中に前記のように樹脂に対して0.05重量%含
有させているが、定着プロセスが、加熱を停止して冷却
し、トナー像の温度が軟化点あるいは融点以下になった
ときに支持体を定着部材から引き剥がす構成であるた
め、引き剥がし時には、トナーは冷えて固体になってお
り、よって、当然、界面に移動したワックスもほぼ固体
である。したがって、この固体状態にあるワックスと定
着部材との接着力の問題となるが、一般的に、固体の樹
脂と定着部材との接着よりもワックスと定着部材との接
着の方がはるかに弱いため、支持体の定着部材からの剥
離が良好に行われ、剥離音の発生はほとんどない。
【0038】なお、定着部材を構成している材質として
耐熱性が高い樹脂を使用しているために結晶性が非常に
高く、これに対してトナーを構成する樹脂は比較的低い
温度で軟化溶融するために結晶性が低い。このため、ワ
ックスと樹脂との接着力は、定着部材を構成している樹
脂との接着力よりトナーの樹脂との接着力の方がはるか
に高くなる。このため、固体状態のワックスの凝集力は
充分高く、ワックス層の全体がトナー側に残ることにな
る。したがって、本実施形態では、従来のシリコンオイ
ルレス・トナーのようにワックスが分散されたトナーの
ように、ワックスが液体状態で離型作用を行うのでな
く、固体状態において離型性を呈するため、従来とは異
なる作用をなすのである。
【0039】次に、前記トナーを使用した本発明に係る
実施形態について図面を参照して説明する。なお、図
3,図4にて説明した部材に対応する部材には同一符号
を付した。
【0040】図1は本発明の第1実施形態を説明するた
めのトナー像定着装置における要部の概略構成図であ
り、1は内部に加熱手段であるヒータ2が設けられた加
熱・定着ローラ、3は定着用ベルト4により加熱・定着ロ
ーラ1に懸架されて共に回転する冷却ローラ、5は加熱
・定着ローラ1に対向設置された加圧ローラである。
【0041】図1において、定着部材としての定着用ベ
ルト4側に前記構成のトナーTにより像が形成されたト
ナーの支持体である用紙Pが、加熱・定着ローラ1と加
圧ローラ5間を通過して定着用ベルト4に接着した状態
のままで、冷却ローラ3方向へ搬送されるが、加熱・定
着ローラ1と加圧ローラ5のニップを通過すれば用紙P
が、定着用ベルト4から離れることが可能な構成になっ
ているため、加熱・定着ローラ1と加圧ローラ5におけ
る加熱・加圧後には定着用ベルト4による加熱,拘束が
なくなり、よって、用紙Pに対する冷却作用(放熱)が
早く加わり、前記のようにワックスの接着力の限界点を
超えたところで(図1のA部分)、簡単に剥がれること
になる。
【0042】用紙Pが剥がれるときには、トナーTは充
分に冷えて固体になっており、また定着用ベルト4とト
ナーTとの界面に移動したワックスもほぼ固体になり、
固化したトナーTと定着用ベルト4との接着よりも、ワ
ックスと定着用ベルト4の接着の方がはるかに弱いた
め、用紙Pは定着用ベルト4から界面において剥離音の
発生がほとんどなく剥がれることになる。
【0043】図2は本発明の第2実施形態を説明するた
めのトナー像定着装置における要部の概略構成図であ
り、1は内部にヒータ2が設けられた加熱・定着ロー
ラ、5は過熱・定着ローラ1に対向設置された加圧ロー
ラ、10は、加熱・定着ローラ1の内壁部で、かつ用紙
Pの搬送方向下流側の加熱・定着ローラ1と加圧ローラ
5とのニップ近傍に設けられた冷却ローラである。
【0044】図2において、定着用ベルト4側に前記構
成のトナーTにより像が形成された用紙Pは、加熱・定
着ローラ1と加圧ローラ5のニップを通過して加熱・加
圧を受けた後、加熱・定着ローラ1に接着した状態のま
まで送り出される。その後、用紙Pは、加熱・定着ロー
ラ1が冷却ローラ10により冷却されている部分近傍に
おいて加熱・定着ローラ1から離れる。このような構成
により、用紙Pに対する冷却作用が早く加わり、ワック
スの接着力の限界点を超えたところで(図2のA部
分)、用紙Pを簡単に剥がすことができる。
【0045】用紙Pが剥がれるときには、第1実施形態
と同様に、トナーTは充分に冷えて固体になっており、
また加熱・定着ローラ1とトナーTとの界面に移動した
ワックスもほぼ固体になり、固化したトナーTと加熱・
定着ローラ1との接着よりも、ワックスと加熱・定着ロ
ーラ1の接着の方がはるかに弱いため、用紙Pは加熱・
定着ローラ1から界面において剥離音の発生がほとんど
なく、剥がれることになる。
【0046】なお、加熱定着のための構成は前記実施形
態にて説明したものに限定されるものではない。本実施
形態ではローラ加熱構成を採用したトナー像定着構造を
例示したが、例えば通電型の線状発熱体をベルトに接触
させる加熱定着構成、あるいは定着ベルトに直接通電発
熱させる加熱定着構成、あるいは誘電電流をトナー自体
に流すような誘電加熱定着構成などでもよく、加熱方法
は本発明を左右するものではない。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
用紙などの支持体に形成されたトナー像を定着部材によ
り加熱してトナー像を定着させるトナー像定着装置にお
いて、粘度が10〜1013c poiseの比較的低粘度のト
ナーを使用しても、トナー像の温度が軟化点あるいは融
点以下になったとき支持体を定着部材から剥がすことに
よって、ワックスが離型剤として機能して定着部材から
良好に剥がすことができるようになるため、従来のよう
な引き剥がし時の振動,剥離音の発生を抑制することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するためのトナー
像定着装置における要部の概略構成図
【図2】本発明の第2実施形態を説明するためのトナー
像定着装置における要部の概略構成図
【図3】定着部材から被定着体である用紙を引き剥がす
際の従来における問題点の説明図
【図4】定着部材から被定着体である用紙を引き剥がす
際の従来における問題点の説明図
【符号の説明】
1 加熱・定着ローラ 2 ヒータ 3,10 冷却ローラ 4 定着用ベルト 5 加圧ローラ P 用紙 T トナー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の定着部材の間にトナー像が表面に
    形成された支持体を通過させ、支持体を定着部材により
    トナーの軟化点あるいは融点以上の状態に加熱してトナ
    ー像を溶解し、その後、加熱を停止して冷却するトナー
    像定着装置において、トナー像の温度が軟化点あるいは
    融点以下になったときに支持体を定着部材から剥がす構
    成のトナー像定着装置であって、トナー粘度が10〜1
    13cpoiseであり、かつトナーを構成する樹脂に対して
    ワックス分が0.05重量%以上であるトナーを使用す
    ることを特徴とするトナー像定着装置。
  2. 【請求項2】 前記定着部材における支持体を剥がす部
    位において、その剥がす方向において支持体に10deg
    以上の角度を持たせることが可能な構成であることを特
    徴とする請求項1記載のトナー像定着装置。
  3. 【請求項3】 前記定着部材が、ローラ状部材、あるい
    はフィルム状またはシート状のベルトであることを特徴
    とする請求項1または2記載のトナー像定着装置。
  4. 【請求項4】 支持体を搬送するベルトにより懸架され
    て、支持体を加熱する定着ローラと冷却ローラとを備え
    たものであって、前記定着ローラを通過した後は、支持
    体がベルトから離れることが可能な構成であることを特
    徴とする請求項1または2記載のトナー像定着装置。
  5. 【請求項5】 支持体を加熱する定着ローラ内に、支持
    体を加熱した後の定着ローラ部分を冷却する冷却手段を
    設置したことを特徴とする請求項1または2記載のトナ
    ー像定着装置。
JP2000078338A 1999-09-08 2000-03-21 トナー像定着装置 Pending JP2001147608A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000078338A JP2001147608A (ja) 1999-09-08 2000-03-21 トナー像定着装置
US09/813,218 US6519439B2 (en) 2000-03-21 2001-03-21 Toner image fixing method and apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-254283 1999-09-08
JP25428399 1999-09-08
JP2000078338A JP2001147608A (ja) 1999-09-08 2000-03-21 トナー像定着装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005092540A Division JP2005202438A (ja) 1999-09-08 2005-03-28 トナー像定着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001147608A true JP2001147608A (ja) 2001-05-29

Family

ID=26541616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000078338A Pending JP2001147608A (ja) 1999-09-08 2000-03-21 トナー像定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001147608A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7046949B2 (en) 2001-09-21 2006-05-16 Ricoh Company, Ltd. Image fixing apparatus using pulsating power for heating
JP2006317822A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2006323413A (ja) * 2006-07-31 2006-11-30 Ricoh Co Ltd 定着装置
JP2017138499A (ja) * 2016-02-04 2017-08-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7046949B2 (en) 2001-09-21 2006-05-16 Ricoh Company, Ltd. Image fixing apparatus using pulsating power for heating
US7356298B2 (en) 2001-09-21 2008-04-08 Ricoh Company, Ltd. Image fixing apparatus using pulsating power for heating
JP2006317822A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP4675672B2 (ja) * 2005-05-16 2011-04-27 株式会社リコー 画像形成装置
JP2006323413A (ja) * 2006-07-31 2006-11-30 Ricoh Co Ltd 定着装置
JP2017138499A (ja) * 2016-02-04 2017-08-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6238654B2 (ja) 加圧回転体、それを用いた画像加熱装置、画像形成装置、および加圧回転体の製造方法
JPH02157878A (ja) 画像加熱定着装置
JP2001154516A (ja) 画像形成装置
JPH0223866B2 (ja)
US6519439B2 (en) Toner image fixing method and apparatus
JP4153530B2 (ja) 画像形成装置
JP3021080B2 (ja) 画像形成方法およびその装置
JPH11202679A (ja) 定着方法および定着装置
JPS63303383A (ja) 加熱加圧ローラー定着装置
JP2001147608A (ja) トナー像定着装置
US3929095A (en) Roll fuser
JP2005202438A (ja) トナー像定着装置
JP2004191554A (ja) 画像転写・定着用ベルト、これを用いた画像転写・定着装置及び電子写真装置
JP2015055657A (ja) 加圧部材、それを用いた画像加熱装置、画像形成装置、および加圧部材の製造方法
JP5184010B2 (ja) 定着装置、画像形成装置
JP2850067B2 (ja) 定着装置
JP2006091146A (ja) 画像形成装置及び定着装置
US3970038A (en) Roll fuser
JP3981497B2 (ja) 画像定着装置
JPH04350883A (ja) 定着装置
JP2003263044A (ja) 画像形成装置
JP2005010671A (ja) 定着装置
JP2013237245A (ja) 画像記録装置
JP2008268728A (ja) 加熱定着装置
JP2002091179A (ja) 画像形成装置および定着装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050328

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060912