JP2002091179A - 画像形成装置および定着装置 - Google Patents

画像形成装置および定着装置

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JP2002091179A
JP2002091179A JP2000279920A JP2000279920A JP2002091179A JP 2002091179 A JP2002091179 A JP 2002091179A JP 2000279920 A JP2000279920 A JP 2000279920A JP 2000279920 A JP2000279920 A JP 2000279920A JP 2002091179 A JP2002091179 A JP 2002091179A
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belt
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JP2000279920A
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English (en)
Inventor
Yutaka Nogami
豊 野上
Yasushi Kawabata
泰 川幡
Yasuo Yamamoto
保夫 山本
Hiroaki Awano
宏明 粟野
Tsutomu Ando
力 安藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トナー像を定着した後に記録媒体を中間転写ベ
ルトまたは定着ベルトから剥離する際に、中間転写ベル
ト、または、定着ベルト表面から離型剤を確実に除去し
て、残留離型剤により画質が低下するのを防止する。 【解決手段】画像形成装置において、離型剤供給手段を
備え、転写定着部が、中間転写ベルトを、二次転写位置
における中間転写ベルトの温度が離型剤の溶融温度を超
える温度となるまで加熱するとともに、冷却部が、中間
転写ベルトを、剥離位置における中間転写ベルトの温度
が離型剤の溶融温度を下回る温度となるまで冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
等の電子写真方式の画像形成装置およびその画像形成装
置に用いられる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体上のトナー像を静電転写方式によ
り中間転写ベルトに一次転写した後、同様の静電転写方
式により記録媒体に二次転写した場合における静電転写
による画像の乱れをなくし、鮮明な画像を得る技術とし
て、加圧と加熱により、転写と定着を同時に行う技術が
知られている(特開昭50−23234号公報)。
【0003】このように転写と定着を同時に行う画像形
成装置に用いられる中間転写ベルトとしては、耐熱性の
あるポリイミドフィルム等の表面に、付加重合型シリコ
ンゴムをコーティングしたものが開示されている(特開
昭59−50473号公報)。
【0004】この開示された技術によれば、縮合重合型
ゴムが持っている、未反応成分が感光体等に付着して画
像品質を低下させるという問題点を解決できる上、離型
性も確保できるという利点がある。
【0005】図1は、中間転写ベルトの表面にシリコン
ゴム(付加重合型、硬度Hs50°)をコーティングし
たものを用いて転写、定着を繰り返したときに、中間転
写ベルトからトナーを離型させるために必要な力、すな
わちトナーの付着力の経時変化を示したものである。
【0006】図1において、縦軸はトナーの載った用紙
を定着に適した温度に加熱した後、中間転写ベルトから
用紙を剥離するときにトナーを中間転写ベルトから離型
させるために必要な力、すなわちトナーの付着力をあら
わし、横軸は測定のために転写、定着を行った用紙の枚
数をあらわす。
【0007】図2は、この付着力の測定方法を示す概略
図である。
【0008】図2に示すように、中間転写ベルト1を加
熱板2によって定着に適した温度に加熱し、そこにトナ
ー3が載った横幅20mmの用紙4を通過させて定着
し、用紙4を剥離するときの力Fを測定した。
【0009】図1から明らかなように、転写と定着を繰
り返すうちにトナーの付着力が強くなり、離型性が次第
に低下するので、中間転写ベルトの表面にシリコンゴム
(付加重合型、硬度Hs50°)をコーティングしただ
けで、離型性を長期間にわたって維持することは困難で
ある。
【0010】そこで、中間転写ベルトにシリコンゴム等
の離型性の良い素材をコーティングするだけでは不十分
であるとして、さらに離型剤であるシリコンオイルを中
間転写ベルトに塗布する技術が開示されている(特開平
5−107950号公報)。
【0011】しかしながら、両面記録機能を有する画像
形成装置においては、定着装置において記録媒体に付着
したシリコンオイルがその記録媒体を経由して、裏面記
録時に感光体に付着し、帯電不良を発生させる。そのシ
リコンオイルを除去するためにウレタンゴムブレード等
の弾性ブレードを用いても、充分クリーニングできずに
すり抜けてしまうという不都合があることから、不織布
を表面に持つロールを感光体表面に接触摺擦させること
により、シリコンオイルを除去する技術が開示されてい
る(特開平5−107993号公報)。
【0012】また、中間転写ベルトには、表面に硬度の
低いシリコンゴムがコーティングされているため、感光
体のように表面が平滑ではなく、硬度も低いので、特開
平5−107993号公報で開示されているような不織
布を表面に持つロールを用いても、中間転写ベルト表面
に塗布したシリコンオイルなどの液状の離型剤を除去す
ることは困難である。さらに、この不織布を表面に持つ
ロールは、摩擦抵抗が大きく、中間転写ベルトを駆動す
る上で大きな負荷となるほか、中間転写ベルト表面にコ
ーティングされているシリコンゴムを傷つけたり、摩耗
させる恐れもある。また、シリコンゴム表面の傷は、ト
ナー像表面に写しとられるため、画質を低下させるとい
う不都合もある。
【0013】一方、離型剤であるワックスをトナーに添
加したものが特開平9−15895号公報に開示されて
いる。
【0014】図3は、図2に示した測定方法を用いて、
ワックスを添加したトナーを中間転写ベルトから離型さ
せるために必要な力、すなわちトナーの付着力を測定し
た結果である。
【0015】図3から明らかなように、転写、定着を行
った枚数が増加しても付着力には変化がほとんど見られ
ず、長期間にわたり離型性が維持されるものと期待でき
る。
【0016】このワックスを添加したトナーは粉体の状
態においては、回転ブラシ、または、ブレードでクリー
ニングすることも可能である。
【0017】しかしながら、転写と定着を同時に行う転
写定着装置で加熱されたワックスは、溶融状態となり、
その後、剥離ロールなどにより記録媒体を剥離した後の
中間転写ベルト表面に固化したワックスが残留してしま
う。
【0018】溶融状態のワックスは、液状となっている
ので、シリコンオイルと同様に、ブレードや不織布等の
ウェブで除去するのは不可能であり、中間転写ベルト表
面に固化したワックスは、回転ブラシやブレードはもと
より、不織布等からなるウェブでも除去することが困難
である。
【0019】ワックスが残留した状態で中間転写ベルト
が循環移動し、一次転写位置で感光体と接触すると、感
光体の表面エネルギーとワックスの表面エネルギーに差
があることから、ワックスが微少量ずつ感光体に付着
し、感光体表面にフィルム現象を起こし、トナー像の画
質を低下させてしまうという問題がある。
【0020】上述した、転写と定着を同時に行う技術の
他にも、ワックスを含有するトナー像を担持した記録媒
体を、定着ベルトを用いて定着する定着装置に関する技
術が開示されている(特開平10−48868号公
報)。
【0021】この定着装置によれば、離型剤としてシリ
コンオイルを用いる代わりに、ワックスをトナーに添加
しているので、メンテナンス性、OHT(オーバーヘッ
ドトランスペアレンシー)触手感(ベタツキ)等をある
程度改善している。
【0022】しかしながら、ワックスを添加したトナー
を用いると、記録媒体を定着ベルトから剥離した後に、
定着ベルト上にワックスが残留し、この残留ワックスが
次第に堆積して一定以上の厚さの層を形成するようにな
ると、トナー像と定着ベルトの間にワックスの層が介在
することとなるため、トナー像表面が部分的に凹凸状態
となってしまう。
【0023】このトナー像表面の凹凸は、OHPの透過
性には問題がなくても、写真画質を狙った高光沢の画質
を得る場合には、大きな問題となる。
【0024】したがって、ワックスは、トナーに含有さ
れている量で離型効果を確保するとともに、定着ベルト
上にはワックスを残さないようにすることが望ましい。
【0025】しかしながら、定着ベルトから記録媒体を
剥離する際にワックスが残留し、中間転写ベルト表面の
残留ワックスと同様に、開示されている技術によってこ
れを除去することが困難である。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
み、離型剤によってトナー像の離型性を高め、転写と定
着を同時に行う画像形成装置および離型剤によってトナ
ー像の離型性を高め、未定着トナー像を担持する記録媒
体を加熱定着する定着装置おいて、トナー像を定着した
後に記録媒体を中間転写ベルトまたは定着ベルトから剥
離する際に、中間転写ベルト、または、定着ベルト表面
から離型剤を確実に除去して、残留離型剤により画質が
低下するのを防止することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の画像形成装置は、表面にトナー像が形成される像担
持体と、該像担持体表面に形成されたトナー像の転写を
受け、該トナー像を所定の二次転写位置に搬送する中間
転写ベルトと、該中間転写ベルト上の該トナー像を加熱
し、溶融したトナー像を、上記二次転写位置に搬送され
てきた記録媒体に密着させることにより、該トナー像を
該記録媒体に転写するとともに定着する転写定着部と、
該転写定着部を経由した後の、密着した状態の上記記録
媒体と上記中間転写ベルトとに挟まれたトナー像を冷却
する冷却部とを備え、該冷却部を経由し所定の剥離位置
に達した記録媒体を上記中間転写ベルトから剥離するこ
とにより、該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を
形成する画像形成装置において、上記剥離位置におけ
る、上記中間転写ベルトからの上記トナー像の剥離を助
ける離型剤を該中間転写ベルト上に供給する離型剤供給
手段を備え、上記転写定着部が、上記中間転写ベルト
を、上記二次転写位置における該中間転写ベルトの温度
が上記離型剤の溶融温度を超える温度となるまで加熱す
るとともに、上記冷却部が、該中間転写ベルトを、上記
剥離位置における該中間転写ベルトの温度が該離型剤の
溶融温度を下回る温度となるまで冷却するものであるこ
とを特徴とする。
【0028】ここで、上記転写定着部は、上記中間転写
ベルトを、上記二次転写位置における該中間転写ベルト
上のトナー像の粘度が103Pa・s以下となる温度に
まで加熱するものであり、上記冷却部は、該中間転写ベ
ルトを、上記剥離位置における上記中間転写ベルト上の
上記トナー像の粘度が106Pa・s以上となる温度ま
で冷却するものであることが好ましい。
【0029】また、上記像担持体上に上記トナー像を形
成するトナー像形成手段を備え、該トナー像形成手段
が、上記離型剤を含有するトナーによるトナー像を形成
することにより上記離型剤供給手段を兼ねたものである
であることは好ましい。
【0030】さらに、上記離型剤として、分子鎖の極性
基にアミド結合を持たない構造の離型剤を採用したこと
は好ましい態様である。また、本発明の定着装置は、循
環移動する定着ベルトを備えるとともに、所定の定着位
置に搬送される、表面に未定着トナー像を担持した記録
媒体上の未定着トナー像が該定着ベルトとの間に挟まれ
るように該記録媒体を該定着ベルトに密着させて該未定
着トナーを加熱する加熱部と、該加熱部を経由した後
の、密着した状態の該記録媒体と該定着ベルトとに挟ま
れたトナー像を冷却する冷却部とを備え、該冷却部を経
由し所定の剥離位置に達した記録媒体を該定着ベルトか
ら剥離させる定着装置において、上記剥離位置におけ
る、上記定着ベルトからのトナー像の剥離を助ける離型
剤を該定着ベルトに供給する離型剤供給手段を備え、上
記加熱部が、上記定着ベルトを、上記定着位置における
該定着ベルトの温度が上記離型剤の溶融温度を超える温
度となるまで加熱するとともに、上記冷却部が、該定着
ベルトを、上記剥離位置における該定着ベルトの温度が
該離型剤の溶融温度を下回る温度となるまで冷却するも
のであることを特徴とする。ここで、上記加熱部は、上
記定着ベルトを、上記定着位置における該定着ベルト上
のトナー像の粘度が103Pa・s以下となる温度まで
加熱するものであり、上記冷却部は、該定着ベルトを、
上記剥離位置における該定着ベルト上の該トナー像の粘
度が106Pa・s以上となる温度まで冷却するもので
あることが好ましい。また、上記記録媒体が、離型剤を
含有したトナーによるトナー像を担持することにより、
上記定着ベルトに該離型剤を供給する離型剤供給手段を
兼ねたものであることは好ましい。また、上記離型剤供
給手段は、上記定着ベルトに離型剤を塗布する手段であ
ることが好ましい。
【0031】さらに、上記離型剤として、分子鎖の極性
基にアミド結合を持たない構造の離型剤を採用したこと
は好ましい態様である。
【0032】
【発明の実施の形態】先ず、はじめに、本発明の原理に
ついて説明する。
【0033】本発明の基本的考え方は、転写と定着を同
時に行った後、中間転写ベルトから記録媒体を剥離する
とき、または加熱定着を行った後、定着ベルトから記録
媒体を剥離するときに、これら中間転写ベルトまたは定
着ベルトに離型剤を残留させることなく記録媒体を剥離
することにある。
【0034】ここで、中間転写ベルト、定着ベルトのい
ずれの場合においても本発明の原理は同じであることか
ら、ここでは定着ベルトに基づいて説明する。
【0035】定着位置において、未定着トナー像を記録
媒体に定着させるためには、定着ベルトは、トナー像が
定着に最適な粘度となるまで加熱されている必要があ
る。そして、この定着ベルトから記録媒体を剥離すると
きに、定着ベルトからトナー像を完全に離型させるため
には、離型剤を定着位置において溶融状態にし、定着ベ
ルトとトナー像の境界面に離型剤を均一に介在させる必
要がある。
【0036】したがって、定着位置においては、定着ベ
ルトの温度Tfは離型剤の溶融温度Tmを超える温度と
なっていなければならない。
【0037】次に、剥離位置において、離型剤の挙動の
メカニズムについて説明する。
【0038】図4は、剥離位置において、離型剤が溶融
状態の場合における離型剤の挙動を示す図である。
【0039】図4において、定着ベルト5にトナー像8
を挟んだ記録媒体7が定着ベルト5とトナー像8との間
に離型剤6を介在させながら密着した状態で剥離位置に
搬送される。記録媒体7を定着ベルト5から剥離する剥
離位置において、離型剤6が溶融状態のときは、離型剤
層の内部の凝集力Fwは、離型剤6が定着ベルト5に付
着している付着力Fbよりも弱いので、記録媒体7を剥
離すると、離型剤6は離型剤層の内部で分断され、トナ
ー像8側と定着ベルト5側に分かれ、定着ベルト上に離
型剤8が残留する。
【0040】図5は、剥離位置において、離型剤が凝固
状態の場合における離型剤の挙動を示す図である。
【0041】図において、定着ベルト5にトナー像8を
挟んだ記録媒体7が定着ベルト5とトナー像8との間に
離型剤6を介在させながら密着した状態で、定着ベルト
5の温度Tsが離型剤6の溶融温度Tmを下回る温度と
なるまで冷却され、離型剤6が凝固状態となって剥離位
置に搬送される。
【0042】この場合は、離型剤層の内部の凝集力Fw
は強くなっているので、離型剤6は、離型剤層の内部で
は分断されず、離型剤6とトナー像8の付着力Ftより
離型剤6と定着ベルト5の付着力Fbが弱くなるので、
離型剤6は定着ベルト5との境界面で剥離されるので、
定着ベルト上に離型剤6は残留しない。
【0043】上述したように、定着位置においては定着
ベルト5の温度Tfは離型剤6の溶融温度Tmを超える
温度となるまで加熱され、剥離位置においては定着ベル
ト5の温度Tsは離型剤6の溶融温度Tmを下回る温度
となるまで冷却されることにより、剥離位置における力
の関係は、トナー像8と離型剤6の付着力Ftおよび離
型剤層内部の凝集力Fwがともに離型剤6と定着ベルト
5の付着力Fbより強くなる。
【0044】この結果、記録媒体7を定着ベルト5から
剥離するときは、最も力の弱い離型剤6と定着ベルト5
の境界面で破壊され、離型剤6は、トナー像8に付着し
たままの状態で定着ベルトから剥離されるので、定着ベ
ルト5の表面に離型剤が残留することはない。
【0045】図6は、剥離位置において、定着ベルトの
温度と定着ベルト上に残留する離型剤の量を測定した結
果を示す図である。
【0046】図において、横軸は、剥離位置における定
着ベルトの温度℃をあらわし、縦軸は、A4版サイズの
用紙を1枚定着するときに、定着ベルト上に残留する離
型剤の量mgをあらわす。
【0047】測定は、ポリイミドフィルムに付加重合型
のシリコンゴムをコーテイングした定着ベルトに、離型
剤として溶融温度Tmが100℃のポリエチレンワック
スをに用い、トナー像を150℃で加熱して用紙上に定
着を行った後、剥離位置の温度を60℃から120℃ま
で変化させながら用紙を剥離し、各温度において定着ベ
ルト上に残留する離型剤の量を測定した。
【0048】この結果、定着ベルトの温度Tsが離型剤
の溶融温度100℃付近よりも低ければ、定着ベルト上
に残留する離型剤は数mg以下と、画質に影響のない値
に押さえることができるが、離型剤の溶融温度100℃
付近を超えると、定着ベルト上に残留する離型剤は20
mgを超え、多量のワックスが残留することが分かっ
た。
【0049】なお、ワックスの分子量にはバラツキがあ
るので、溶融温度は一定の幅がある。
【0050】表1は、各種離型剤について、定着ベルト
上に残留する状況を観察した結果を示す表である。
【0051】
【表1】
【0052】表1は、ポリイミドフィルムに付加重合型
シリコンゴムをコーティングし各種離型剤を塗布した定
着ベルトと、トナー像を担持した記録媒体を密着させ
て、トナー像が溶融する150℃まで加熱し、さらにト
ナー像が凝固する温度Ts70℃まで冷却した後、記録
媒体を定着ベルトから剥離したときに、定着ベルト上に
残留する離型剤を顕微鏡で観察したものである。
【0053】なお、定着ベルトにコーティングしてある
シリコンゴムとトナー像との付着力は、0.2Nに設定
した。
【0054】また、離型剤は、定着位置における定着ベ
ルトの温度150℃と、剥離位置における定着ベルトの
温度70℃との中間に溶融温度Tmが存在するものを選
択した。
【0055】なお、離型剤の溶融温度は、示差走査熱量
測定法(DSC)により求めたものであり、一定量の離
型剤を昇温速度毎分10℃で加熱したときの溶解ピーク
値である。
【0056】表1から明らかなように、脂肪酸アミド系
の離型剤以外は、定着ベルト上に離型剤が残留しないこ
とがわかった。
【0057】ここで、脂肪酸アミド系の離型剤は、温度
が下がって凝固しても、アミド基がベルト上のシリコン
ゴムと局部的に結びつき、離型剤の凝集力よりも定着ベ
ルトとの間の付着力が強くなる結果、離型剤が分断して
定着ベルトに付着したものと考えられる。
【0058】すなわち、本シリコンベルトの組成である
−Si−O−R(R:アルキル基)と離型剤の極性基で
ある−CONH2とが水素結合するためと推測される。
特に、中間転写ベルトにシリコンをコーティングしたも
のを用いる場合は、現像、転写工程において、剥離放電
によるオゾン酸化を受けるため、シリコン表面は、親水
化し、−SiOHの官能基を持つようになる。さらに、
−SiOHと−CONH 2基との水素結合により、結合力
が強まるので、アミド基を含有する離型剤を用いた剥離
は容易でないと推測される。
【0059】また、ベルト上に残存するアミド基は酸化
されやすく、シリコン表面のシラノール基との化学反応
もおき、強固な結合をするものと思われる。
【0060】一方、例えば、他のオレフィン系の離型剤
においては、多少の酸化防止剤が含まれることにより、
構造的に安定化する。また、酸化されても、発生する官
能基としては、−COOH基,−OH基、=O基等であ
り、これらは、−CONH2基に比べ、水素結合力は弱
いと考えられる。
【0061】そこで、極性基にアミド結合を持つ離型剤
は避ける必要がある。
【0062】次に本発明の画像形成装置の実施形態につ
いて説明する。
【0063】図7は、本発明の画像形成装置の実施形態
を示す概略図である。
【0064】図7に示した画像形成装置は、各色毎にト
ナー像を形成する並列に並んだ4つの像担持体10を備
え、各像担持体10に近接する位置には、露光光の照射
を受けて形成される潜像をトナーにより可視化する現像
装置11が設けられ、その現像装置11が像担持体10
に供給するトナーには離型剤が含有されている。
【0065】ここで、離型剤は、溶融温度が100℃の
オレフィン系のポリエチレンワックスをトナーに3%含
有させて用いているが、これに限定されるものではな
い。また、離型剤供給手段から供給する構成としてもよ
い。
【0066】駆動ロール24等により駆動され、並列に
並んだ4つの像担持体10の各々と接触しながら、循環
移動する無端状の中間転写ベルト12が備えられ、この
中間転写ベルト12が各像担持体10と接触する一次転
写位置には、像担持体10と中間転写ベルト12を挟ん
で対向する転写ロール13が設けられ、この転写ロール
13は各像担持体10上に形成された各色毎のトナー像
を、順次中間転写ベルト12上に1次転写する。
【0067】ここで、中間転写ベルト12は離型性を向
上させるために、シリコンゴムを表面にコーテイングし
たものを用いているが、フッ素系樹脂をコーテイングし
ても同様の効果が得られる。
【0068】中間転写ベルト12の循環移動方向Bに関
し一次転写位置を経過した位置には、中間転写ベルト1
2を加熱する予備加熱板14、加熱ロール15、および
加熱板16が設けられ、これらを通過することにより、
中間転写ベルト12上のトナー像は、溶融状態となって
2次転写位置に搬送される。
【0069】ここで、予備加熱板14と加熱板16に
は、中間転写ベルト12と接触する面が所定の温度とな
るように中間転写ベルト12と接触する面の裏面側にヒ
ータ板が設けられている。また、加熱ロール15の内部
には、加熱ロール15の表面が所定の温度になるよう
に、加熱ヒータ17が設けられている。
【0070】中間転写ベルト12の循環移動方向Bに関
し加熱板16を経過した2次転写位置には、それぞれ加
熱ヒータ17を内蔵する定着ロール18と加圧ロール1
9が、中間転写ベルト12を挟んで相互に圧接しながら
回転する転写定着部20を構成している。
【0071】この転写定着部20は、中間転写ベルト1
2上のトナー像の粘度が最適定着範囲となる温度まで中
間転写ベルト12を加熱するので、この中間転写ベルト
の温度は離型剤の溶融温度を超える温度となっている。
【0072】したがって、中間転写ベルト12と溶融し
たトナー像との間には溶融して液状となった離型剤が均
一に介在している。
【0073】転写定着部20は、記録媒体21が搬送さ
れてくると、中間転写ベルト12と加圧ロール19との
間にその記録媒体21を挟み、最適定着範囲の粘度とな
っているトナー像を記録媒体21に密着させることによ
り、そのトナー像を記録媒体21に転写と同時に定着さ
せる。
【0074】中間転写ベルト12の循環移動方向Bに関
し転写定着部20を経過した位置には、中間転写ベルト
12を冷却する冷却板22が設けられ、転写定着部20
を経過した、密着した状態の記録媒体21と中間転写ベ
ルト12に挟まれたトナー像は、その冷却板22で冷却
されるとトナー像は凝固する。
【0075】ここで、冷却板22は中間転写ベルト12
が記録媒体21と密着する面の裏面側に設けられてお
り、この冷却板22により中間転写ベルト12上のトナ
ー像の粘度が最適剥離範囲となるまで冷却され、この温
度は、離型剤の溶融温度を下回る温度となっている。
【0076】中間転写ベルト12の循環移動方向Bに関
し冷却板22を経過した剥離位置には、記録媒体を中間
転写ベルトから剥離する剥離ロール23が設けられてい
る。
【0077】トナー像が凝固して剥離しやすくなった記
録媒体21は、剥離ロール23により記録媒体21の搬
送方向と垂直方向の剥離力を受け、中間転写ベルト12
から剥離される。剥離された記録媒体21は、この後、
取り出し位置に搬送される。
【0078】ここで、記録媒体21としては、用紙の
他、OHPシート等のシート物であればよい。
【0079】中間転写ベルト12の循環移動方向Bに関
し剥離位置を経過した位置には、中間転写ベルトを挟ん
で相互に接触しながら回転する駆動ロール24とクリー
ニングロール25が設けられている。
【0080】この駆動ロール24とクリーニングロール
25はともに加熱ヒータ17を内蔵しており、剥離位置
を経過した中間転写ベルト21上に残留するトナーは溶
融され、このクリーニングロールで除去される。残留ト
ナーが除去された中間転写ベルトは、再び一次転写位置
に移動する。
【0081】ここで、中間転写ベルト12が循環移動す
る各位置において加熱または冷却される温度について、
さらに詳細に説明する。
【0082】中間転写ベルト12は、予備加熱板14に
より100℃に加熱され、加熱ロール15、さらに加熱
板16により150℃に加熱されるよう温度制御がなさ
れている。転写定着部20においては、搬送されてきた
記録媒体21が150℃に加熱され、定着ロール18と
加圧ロール19との間を中間転写ベルト12とともに通
過することにより、中間転写ベルト12上の溶融状態の
トナー像が記録媒体21に転写および定着される。定着
後は、密着した状態の記録媒体と中間転写ベルト12と
の間に挟まれたトナー像は、中間転写ベルト12側から
冷却板22により70℃にまで冷却され凝固状態となっ
ているので、剥離位置に達した記録媒体21は剥離ロー
ル23によって、容易に中間転写ベルト12から剥離さ
れる。
【0083】図8は、本実施形態で使用するトナーの、
温度と粘度との関係を示す実測図である。
【0084】図の横軸はトナーの温度℃をあらわし、縦
軸はトナーの粘度Pa・sを対数目盛であらわしてい
る。
【0085】図中の黒点は、本実施形態で使用するトナ
ーの、各温度における粘度を実測した結果をあらわし、
直線は、これらの実測点を直線で近似した傾向線であ
る。
【0086】これらの実測結果から、温度が低くなると
粘度が高くなり、ある一定温度を下回るとトナーが凝固
すること。反対に、温度が高くなると粘度が低くなる
が、粘度の低くなる程度は次第に緩やかになることがわ
かる。
【0087】本実施形態で使用するトナーは、最適定着
粘度が103Pa・s以下であり、最適剥離粘度が106
Pa・s以上であることから、温度150℃となるまで
加熱される転写定着部においては、粘度が最適定着粘度
である103Pa・sより低くなり、かつ、中間転写ベ
ルトの温度が70℃となるまで冷却される剥離位置にお
いては、粘度が106Pa・sより高く、ガラス転移点
付近となっている。
【0088】したがって、離型剤は、転写定着部におけ
る温度150℃付近では溶融状態となり、剥離位置にお
ける温度70℃付近では凝固状態となるような物性のも
のを選択すればよく、本実施形態においては、図6に実
測結果を示した、100℃付近に溶融温度があるものを
用いている。
【0089】なお、トナーに離型剤であるワックスを含
有させる場合には、離型性の面から重量比で3〜10%
程度とする必要がある。また、ワックスの分子量にはバ
ラツキがあり、溶融温度は幅を持っているため、定着位
置における温度、剥離位置における温度およびワックス
の溶融温度を設定する場合は、ある程度余裕幅を持たせ
て設定とすることが望ましい。
【0090】このように、中間転写ベルトの温度が、転
写定着部においては離型剤の溶融温度を超える温度とな
るまで加熱され、剥離位置においては離型剤の溶融温度
を下回る温度となるまで冷却されると、転写定着部にお
いては、離型剤が溶融するので、中間転写ベルトとトナ
ー像の境界面に離型剤の均一な膜が形成され、剥離位置
に至ると、その離型剤の膜が凝固するので離型剤層の内
部の凝集力が強くなる。そして、中間転写ベルトから記
録媒体を剥離するときには、離型剤と中間転写ベルトの
付着力よりも、離型剤の凝集力の方が強く、さらに、離
型剤と中間転写ベルトの付着力よりも、離型剤とトナー
像の付着力の方が強くなっているので、離型剤は、最も
力の弱い、中間転写ベルトとの境界面で剥離され、離型
剤は記録媒体上のトナー像に付着したままとなるので、
中間転写ベルトの表面に離型剤は残留しない。
【0091】また、剥離位置におけるトナー像の粘度が
106Pa・sより高くなる温度まで、冷却部で中間転
写ベルトを冷却することによって、トナー像は概ね凝固
しているので、記録媒体を剥離してもトナー像表面に凹
凸ができることにより生じるトナー像の光沢の低下を防
止することができる。
【0092】次に、本発明の定着装置の第1の実施形態
について説明する。
【0093】図9は、本発明の定着装置の第1の実施形
態の概略構成図である。
【0094】図9において、定着装置は、循環移動する
無端状の定着ベルト30を有し、その定着ベルト30を
架け渡されて回転し、内蔵する加熱ヒータ31で定着ベ
ルト30を加熱する定着ロール32と、定着ベルト30
を挟んでその定着ロール32を圧接しながら回転し、内
蔵する加熱ヒータ31で定着ベルト30を加熱する加圧
ロール33とからなる加熱部34を備え、その加熱部3
4は、表面に未定着トナー像35を担持した記録媒体3
6が搬送されてくると、未定着トナー像35を担持した
記録媒体の面を定着ベルト30側に向けて加圧ロール3
3と定着ベルト30との間に挟んでその記録媒体36を
加熱し、記録媒体36上のトナー像35が定着ベルト3
0との間に挟まれるように記録媒体36を定着ベルト3
0に密着させる。
【0095】ここで、記録媒体が担持するトナー像には
離型剤を含有するトナーが用いられ、離型剤は、図7に
示す実施形態において用いられたものと同じ、溶融温度
が100℃のオレフィン系ポリエチレンワックスが用い
られているが、これに限定されるものではない。
【0096】また、定着ベルト30は、図7に示した中
間転写ベルト12と同様に、耐熱性の高いポリイミドな
どの樹脂フィルムの表面に離型性を良くするためのシリ
コンゴムをコーテイングしたものが用いられているが、
これに限定されるものではない。
【0097】記録媒体36の搬送方向Aに関し加熱部3
4を経過した位置には、密着した状態の記録媒体36と
定着ベルト30に挟まれたトナー像35を冷却する冷却
板37を備えており、その冷却板37は、定着ベルト3
0が記録媒体36と密着する面の裏面側で定着ベルト3
0と接触し、定着ベルト30を冷却する。
【0098】さらに、記録媒体36の搬送方向Aに関し
冷却板37を経過した位置には、定着ロール32との間
に定着ベルト30を架け渡されて回転する、定着ロール
32より小径の剥離ロール38が設けられ、この剥離ロ
ール38は記録媒体36を定着ベルト30から剥離す
る。
【0099】なお、加圧ロール33と定着ロール32と
が接触する位置とは反対側の位置には、定着ベルト30
を挟んで定着ロール32と接触する、内部に加熱ヒータ
31を内蔵したクリーニングロール39が設けられ、そ
のクリーニングロール39は、剥離ロール38で記録媒
体36を剥離した後に、定着ベルト30上に残留してい
るトナーを加熱しながらクリーニングする。
【0100】本実施形態においては、加熱部34に搬送
されてくる未定着トナー像35は、図7に示した、転写
定着部直前における中間転写ベルト12上のトナー像と
相違し、溶融状態にはない。
【0101】したがって、図7に示した実施施形態にお
いて用いられているのと同じ物性のトナーと離型剤を用
いていても、加熱部34における定着ロール32の表面
温度は、図7に示した転写定着部20における中間転写
ベルト12の温度150℃よりも20℃高い、170℃
程度に設定することにより定着時の定着ベルト30の温
度を150℃とすることができる。
【0102】なお、剥離ロール38が設けられた剥離位
置においては、定着ベルト30の温度は図7に示した中
間転写ベルトと同様に、定着ベルトが70℃程度になる
ように冷却板37で冷却される。
【0103】このような構成の定着装置においても、図
7に示した実施形態において用いたのと同じ物性のトナ
ーと離型剤を用いることにより、離型剤は、加熱部34
における定着ベルト30の温度150℃においては、溶
融状態にあり、剥離ロール38が設けられた剥離位置に
おける定着ベルト30の温度70℃においては、凝固状
態にある。
【0104】そこで、離型剤として、溶融温度が100
℃付近にあるものを用いれば、定着ベルト30の温度
が、加熱部34においては離型剤の溶融温度を超える温
度となり、剥離ロール38の設けられた剥離位置におい
ては離型剤の溶融温度を下回る温度となっている。
【0105】したがって、加熱部34においては、離型
剤は溶融して定着ベルト30とトナー像35の境界面に
離型剤の均一な膜が形成され、剥離位置に至ると、離型
剤は凝固して離型剤層の内部の凝集力が強くなるので、
図7に示した実施形態と同様の効果が得られる。
【0106】次に、本発明の定着装置の第2の実施形態
について説明する。
【0107】図10は、本発明の定着装置の第2の実施
形態の概略構成図である。
【0108】本実施形態は図9に示した第1の実施形態
の定着装置における定着ベルトと接触する位置に、離型
剤を塗布する手段を設けたものであり、図9に示した実
施形態と同じ構成要素については同一符号を付し、相違
点についてのみ説明する。
【0109】図10において、循環移動する定着ベルト
30の移動方向Bに関し定着ロール32よりも上流に、
定着ベルト30に直接離型剤を塗布する離型剤供給装置
40が設けられている。この離型剤供給装置40は固形
ワックス41と回転ブラシ42を備えており、回転ブラ
シ42が回転しながら固形ワックス41に接触して適量
のワックスを回転ブラシ42に付着させ、付着したワッ
クスを定着ベルト30に塗布することにより定着ベルト
30の離型性を向上させる構成となっている。
【0110】ここでは固形ワックス41として、オレフ
ィン系のポリエチレンワックスを所定の形状に固めたも
のを用いているが、これに限定されるものではない。
【0111】なお、本実施形態においては、剥離ロール
38と離型剤供給装置40との間に、定着ベルト30を
架け渡されて定着ベルト30を循環移動させる、加熱ヒ
ータ31を内蔵する対向ロール43が設けられ、その対
向ロール43と定着ベルト30を挟んで加熱ヒータ31
を内蔵するクリーニングロール39が回転しながら相互
に接触し、そのクリーニングロール39により、定着ベ
ルト上の残留トナーを除去している。
【0112】本実施形態においても、図7に示した実施
形態において用いたのと同じ物性のトナーと離型剤を用
いることにより、離型剤は、加熱部34における定着ベ
ルト30の温度150℃では溶融状態にあり、剥離ロー
ル38が設けられた剥離位置における定着ベルト30の
温度70℃では凝固状態にある。したがって、離型剤と
して、溶融温度が100℃付近にあるものを用いれば、
定着ベルト30の温度が、加熱部34においては離型剤
の溶融温度を超える温度となり、剥離ロール38の設け
られた剥離位置においては離型剤の溶融温度を下回る温
度となる。
【0113】この結果、加熱部34においては、離型剤
が溶融し、定着ベルト30とトナー像35の境界面に離
型剤の均一な膜が形成され、剥離位置に至ると、離型剤
は凝固して離型剤層の内部の凝集力が強くなるので、図
7に示した実施形態と同様の効果が得られる。
【0114】なお、上述した各実施形態におけるベルト
の温度や、トナーの粘度は一例であり、本発明の画像形
成装置や定着装置を構成している他の構成要素の設定条
件如何によって、これらの最適値は変化するが、離型剤
の溶融温度を中間転写ベルトまたは定着ベルトの定着位
置における温度と、剥離位置における温度の中間に設定
することにより、離型剤が中間転写ベルトまたは定着ベ
ルトに残留することによってもたらされる画質への悪影
響を無くすることができる。
【0115】
【発明の効果】離型剤を除去するための付加機能を設け
ることなく、中間転写ベルトまたは定着ベルトの定着位
置および剥離位置における温度と、離型剤の溶融温度を
所定の条件を満たすように設定することにより、これら
のベルトから記録媒体を安定して剥離することができる
とともに、離型剤を確実に除去することができるので、
低コストで、しかも長期にわたって、離型剤に起因する
画質低下の少ない画像形成装置および画像形成装置に用
いる定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写ベルトにトナーが付着する付着力を測
定した結果である。
【図2】トナーの付着力の測定方法を示す概略図であ
る。
【図3】ワックスを含有するトナーが中間転写ベルトに
付着する付着力を測定した結果である。
【図4】離型剤が溶融状態の場合における離型剤の挙動
を示す図である。
【図5】離型剤が凝固状態の場合における離型剤の挙動
を示す図である。
【図6】定着ベルトの温度と残留する離型剤の量を測定
した結果を示す図である。
【図7】本発明の画像形成装置の実施形態を示す概略図
である。
【図8】トナーの、温度と粘度との関係を示す実測図で
ある。
【図9】本発明の定着装置の第1の実施形態の概略構成
図である。
【図10】本発明の定着装置の第2の実施形態の概略構
成図である。
【符号の説明】
1,12 中間転写ベルト 2 加熱板 3 トナー 4 用紙 5 定着ベルト 6 離型剤 7,21,36 記録媒体 8,35 トナー像 9 定着ロール 10 像担持体 11 現像装置 13 転写ロール 14 予備加熱板 15 加熱ロール 16,37 加熱板 17,31 加熱ヒータ 18,32 定着ロール 19,33 加圧ロール 20 転写定着部 22 冷却板 23,38 剥離ロール 24,39 クリーニングロール 30 定着ベルト 34 加熱部 40 現像剤供給装置 41 固形ワックス 42 回転ブラシ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 保夫 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社 (72)発明者 粟野 宏明 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 安藤 力 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 CA14 EA10 FB02 2H032 AA05 AA14 BA05 BA09 BA21 BA23 CA01 DA11 DA22 DA26 2H033 AA01 AA16 BA11 BA12 BA15 BA24 BA29 BA44 BA58 BE09 CA26 CA44 2H078 AA10 AA13 BB02 BB12 CC06 DD40 DD47 DD53 DD57 EE04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にトナー像が形成される像担持体と、
    該像担持体表面に形成されたトナー像の転写を受け、該
    トナー像を所定の二次転写位置に搬送する中間転写ベル
    トと、該中間転写ベルト上の該トナー像を加熱し、溶融
    したトナー像を、前記二次転写位置に搬送されてきた記
    録媒体に密着させることにより、該トナー像を該記録媒
    体に転写するとともに定着する転写定着部と、該転写定
    着部を経由した後の、密着した状態の前記記録媒体と前
    記中間転写ベルトとに挟まれたトナー像を冷却する冷却
    部とを備え、該冷却部を経由し所定の剥離位置に達した
    記録媒体を前記中間転写ベルトから剥離することによ
    り、該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成す
    る画像形成装置において、 前記剥離位置における、前記中間転写ベルトからの前記
    トナー像の剥離を助ける離型剤を該中間転写ベルト上に
    供給する離型剤供給手段を備え、 前記転写定着部が、前記中間転写ベルトを、前記二次転
    写位置における該中間転写ベルトの温度が該離型剤の溶
    融温度を超える温度となるまで加熱するとともに、前記
    冷却部が、該中間転写ベルトを、前記剥離位置における
    該中間転写ベルトの温度が前記離型剤の溶融温度を下回
    る温度となるまで冷却するものであることを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】前記転写定着部は、前記中間転写ベルト
    を、前記二次転写位置における該中間転写ベルト上のト
    ナー像の粘度が103Pa・s以下となる温度にまで加
    熱するものであり、前記冷却部は、該中間転写ベルト
    を、前記剥離位置における該中間転写ベルト上の前記ト
    ナー像の粘度が106Pa・s以上となる温度まで冷却
    するものであることを特徴とする請求項1記載の画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】前記像担持体上に前記トナー像を形成する
    トナー像形成手段を備え、該トナー像形成手段が、前記
    離型剤を含有するトナーによるトナー像を形成すること
    により前記離型剤供給手段を兼ねたものであるであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】前記離型剤として、分子鎖の極性基にアミ
    ド結合を持たない構造の離型剤を採用したことを特徴と
    する請求項1記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】循環移動する定着ベルトを備えるととも
    に、所定の定着位置に搬送される、表面に未定着トナー
    像を担持した記録媒体上のトナー像が該定着ベルトとの
    間に挟まれるように該記録媒体を該定着ベルトに密着さ
    せて該未定着トナー像を加熱する加熱部と、該加熱部を
    経由した後の、密着した状態の該記録媒体と該定着ベル
    トとに挟まれたトナー像を冷却する冷却部とを備え、該
    冷却部を経由し所定の剥離位置に達した記録媒体を該定
    着ベルトから剥離させる定着装置において、 前記剥離位置における、前記定着ベルトからのトナー像
    の剥離を助ける離型剤を該定着ベルトに供給する離型剤
    供給手段を備え、 前記加熱部が、前記定着ベルトを、前記定着位置におけ
    る該定着ベルトの温度が該離型剤の溶融温度を超える温
    度となるまで加熱するとともに、前記冷却部が、該定着
    ベルトを、前記剥離位置における該定着ベルトの温度が
    該離型剤の溶融温度を下回る温度となるまで冷却するも
    のであることを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】前記加熱部は、前記定着ベルトを、前記定
    着位置における該定着ベルト上のトナー像の粘度が10
    3Pa・s以下となる温度まで加熱するものであり、前
    記冷却部は、該定着ベルトを、前記剥離位置における該
    定着ベルト上の該トナー像の粘度が106Pa・s以上
    となる温度まで冷却するものであることを特徴とする請
    求項5記載の定着装置。
  7. 【請求項7】前記記録媒体が、離型剤を含有したトナー
    によるトナー像を担持することにより、前記定着ベルト
    に該離型剤を供給する離型剤供給手段を兼ねたものであ
    ることを特徴とする請求項5記載の定着装置。
  8. 【請求項8】前記離型剤供給手段は、前記定着ベルトに
    離型剤を塗布する手段であることを特徴とする請求項5
    記載の定着装置。
  9. 【請求項9】前記離型剤として、分子鎖の極性基にアミ
    ド結合を持たない構造の離型剤を採用したことを特徴と
    する請求項5記載の定着装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007163787A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置及びこれを用いた画像形成装置
US7697877B2 (en) * 2004-12-17 2010-04-13 Sharp Kabushiki Kaisha Image forming apparatus employing heating and fixer fluid applying sections

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