JPH11242397A - トナー画像を定着して光沢を出すための装置及び方法 - Google Patents

トナー画像を定着して光沢を出すための装置及び方法

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JPH11242397A
JPH11242397A JP34414798A JP34414798A JPH11242397A JP H11242397 A JPH11242397 A JP H11242397A JP 34414798 A JP34414798 A JP 34414798A JP 34414798 A JP34414798 A JP 34414798A JP H11242397 A JPH11242397 A JP H11242397A
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temperature
inlet
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endless surface
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Cock Etienne Marie De
エティンヌ・マリエ・ドゥ・コク
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Xeikon NV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセットの発生の危険性がない動作条件の
範囲を広くすると同時に、未定着トナー画像を基体に定
着することができ、単一装置内で所望の光沢水準を与え
ることができる、装置及び方法を提供する。 【解決手段】 未定着トナー画像(42)を担持する基体
(40)は、入口(16)から出口(18)へ連続的に延伸す
る接触区域(Z1)を介して送られる。この区域は、エン
ドレス表面(12)及び反応表面(14)が向かい合って圧
力接触することにより画定される。入口(16)に隣接す
るエンドレス表面(12)は、50 Pa・sより小さくなるま
でトナーの粘性率を減少させるのに十分な温度に加熱さ
れる。エンドレス表面(12)は、入口(16)と出口(1
8)の中間部でトナーのガラス転移点Tgより低い温度に
強制冷却される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電写真プリンタ
もしくは複写機における基体上にトナー画像を定着に関
する。より詳細には本発明は、静電気もしくは磁気の潜
在的な画像が適当なトナー混合物を潜在的な画像上へ堆
積することにより可視化される、電子写真式もしくはエ
レクトログラフィック式、イオングラフ式、磁気式の記
録工程を介して得られる粉体トナー画像の定着に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の複写機又は電子プリンタ装置にお
いて、シート状の基体にトナー画像を定着させる、すな
わち恒久的に付着させることは、ホットローラ又はニッ
プローラ定着システムと呼ばれるシステムによって実施
されている。この画像定着装置は、トナー画像を担持す
るシートを送る、ニップを介する一対のローラを含む。
トナー画像に接触するローラの表面は、粘着性になり又
は溶解してシートの表面に恒久的な結合を形成する、ト
ナー樹脂の柔らかくなる温度より高い温度に加熱され
る。トナー画像に接触するローラは、トナー画像に対し
て粘着しない特性(すなわち非粘着性)を備える被覆を
与えられる。ローラ表面の非粘着特性を向上させる目的
で、しばしばシリコーン油で作られたものが利用され
る。画像定着ユニットを形成するローラは、相互に押し
つけられる。一般にシートの裏側に接触するローラは、
画像定着ローラによって発生される熱に耐えることが可
能な、シリコーンエラストマーで覆われる。
【0003】ホットローラ画像定着装置に関する問題が
存在する。特に、点検の間隔が長期間にわたることが普
通である、激務に耐え得るプリンタでは、一定の画像定
着品質及びローラの長寿命を維持することは困難であ
る。
【0004】また「フラッシュ定着」として公知の技術
は、放射エネルギーの短く激しいバーストが定着される
べきトナー画像を担持する基体に与えられることが知ら
れている。放射エネルギーの波長は、トナーによって吸
収されるように選択される。このような技術は、スペク
トルに関して異なる吸収特性を備える、異なる配合のト
ナーが基体に担持される、多色画像には適さない。
【0005】赤外線放射定着を利用する画像定着装置の
多くの構造が、当業界において提案されている。米国特
許US 3449546号(Dhoble/Xerox Corporation)はゼログ
ラフィー溶融装置を開示し、この装置は、紙支持材料に
損傷を与えることなくトナー粉体のガラス転移点にまで
トナー粉体を加熱することが可能であり、紙が溶融工程
において熱源を補助するように機能する。米国特許US 5
526108号(Billet etal./Xeikon NV)は、ピークエネル
ギー出力波長がスペクトルの非可視部分に存在する、少
なくとも1つの放射源を放射定着装置を開示する。
【0006】しかしながら赤外線定着装置は、高温の結
果として基体が加熱されて、基体から水分を失わせるこ
ととなり、したがって基体が乾燥しすぎる。この水分の
損失は、基体の変形を結果として生じることとなり、低
い水分量は、基体上に静電荷を発生し保持することとな
り、これら双方の効果は、基体のその後の取り扱いにお
いて問題を起こすことがある。
【0007】ベルトの使用によって定着トナー画像を形
成する多くの提案がなされている。
【0008】米国特許US 3948215号(Namiki/Ricoh C
o.,Ltd)では、支持シート上のトナー画像が、加熱表面
内にシートを配置すること、もしくはシートを付加的に
押しつけることのどちらかによって融解される。トナー
粒子が融解された後、加熱のために先に使用される表面
に接触するその画像支持側を支える間に、粒子が固化し
トナー画像が固まるように、シートは冷却される。圧力
は、支持シートが加熱表面に接触するように、支持シー
トに加えられる。
【0009】US 5483331号(Wayman et al./Xerox Corp
oration)は、転送及び溶融ベルト配置を開示し、この
配置では、3つの溶融ローラが圧力ローラに関連して延
伸溶融区域を形成し、トナー画像を担持する電気抵抗基
体は、トナー画像が溶融ベルトに接触して延伸溶融区域
を通過する。電気出力は、これらローラ間の部分のみが
加熱されるように、3つの溶融ローラに与えられる。
【0010】米国特許US 5386281号(Mitani et al./Hi
tachi Koki Co.,Ltd)は、圧力ローラに接触する金属ベ
ルトプレスを含む、熱定着装置を開示する。加熱装置は
ベルトに結合される。未定着トナー画像を担持する画像
支持体は、画像が熱定着されるように、ローラ及びベル
ト間のニップを通過する。またベルトは、画像支持体が
金属ベルトからはがすことが可能となるように、ニップ
を越えて画像支持体を冷却する、冷却装置に結合され
る。
【0011】1998年6月17日に発行された欧州特許出願
EP 0848304号(Xeikon NV)は、ベルトの間に延伸する
接触区域を形成するような反応表面を備える向かい合っ
て接触するベルトを含む、定着装置を開示する。未定着
トナー粒子画像を担持する基体は、この接触区域を通過
する。ベルトは、トナーの柔らかくなる温度よりも高い
温度に、接触区域の入口近傍で加熱される。ベルトは、
トナーの柔らかくなる温度よりも低い温度に、入口と出
口の中間部で強制冷却される。圧力ローラは、入口と出
口の中間部でベルトと反応表面の間に圧力を作用させ
る。またベルトは、出口近傍で加熱される。
【0012】さらにEP 0848304号は、未定着トナー粒子
画像が接触区域内で基体に転写される実施態様を開示す
る。このような転写の場合には、異なる色のトナー粒子
の混合を確実とするように、「流体温度」より高い温度
で画像の表面を基体に接触させることが推奨される。こ
の「流体温度」は、トナーの粘性率が50 Pa・sより小さ
くなる温度として規定される。
【0013】乾燥したトナー画像が大きな厚み(時には
10μmより厚い)を有するという事実のために、このよ
うな画像の外見は、時に不自然であり不均一であり、こ
れらの画像は通常不均一な色の彩度を備える。この外見
は多くの用途に関して許容出来るものであるが、時に異
なる外見すなわちつや出しの外見を備える画像を提供す
ることが求められる。本発明の文脈における「つや出
し」なる用語によって、我々は、光沢のあるすなわち高
反射である表面特性及び/又は高い色の彩度を与える表
面特性を意図し、もしくはこれらの特性双方を意図し、
通常つや出しは、印刷物の表面からの光の散乱を押さえ
ることによって達成される。色の彩度のより高い等級
は、高品質印刷作業において大変に望ましいものであ
る。
【0014】光沢薬剤を混合するトナーの使用によっ
て、もしくはトナー画像を覆う透明光沢層の適用によっ
て、光沢画像を与える提案がなされている。しかしなが
らこれらの方法は、消費の点から考えると高価である。
【0015】US 5521688号(Moser/Xerox Corporatio
n)には、トナー画像を担持する基体が画像を定着する
オーブンヒーターを通過し、さらにオーブンとほぼ同じ
温度で動作する一対の光沢ローラを通過することによっ
て、光沢画像を与える提案がなされている。
【0016】米国特許US 5319429号(Fukuchi et al./K
onica Corporation)は、記録紙上のトナー画像を定着
する定着機を有するカラープリンタを開示し、この定着
機は熱ローラと分離ローラによって支持されるエンドレ
スポリイミド熱ベルト、及び圧力ローラと他の分離ロー
ラによって支持されるエンドレス輸送ベルトを含む。こ
のエンドレス熱ベルト及びエンドレス輸送ベルトは、ニ
ップ領域が第1のローラ対と第2のローラ対の間に作ら
れるように、それらの長さ部分にわたって共に押しつけ
られる。ベルトは光沢表面を有する。US 5319429号に
は、トナーの粘性率が約5000 poise(=500 Pa・s)で
ある時に得ることができる、最も適当な定着条件が推奨
されている。
【0017】欧州特許EP 0758766号(Xeikon NV)は、
定着装置を通過した後に、トナー画像のつや出しを修正
するためにトナーのガラス転移点よりも高い温度で、受
容体材料のウェブがつや出し要素に接触する、静電写真
プリンタを開示する。
【0018】全く同一の装置を使用して、トナー画像を
定着しその画像に所望の光沢を与えることが望ましい。
しかしながら接触の少ない定着装置は、均一な光沢効果
を与えることができず、同時に公知の加熱ローラ及び加
熱ベルト定着装置の利用はトナーオフセットの問題を欠
点とし、画像の光沢及び色の彩度を十分に制御しないと
いうことを我々は見出した。特にこのような公知の装置
は、最適動作条件の領域が狭い制限された工程パラメー
タを示す。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、オフ
セットの発生の危険性がない動作条件の範囲を広くする
と同時に、未定着トナー画像を基体に定着することがで
き、単一装置内で所望の光沢水準を与えることができ
る、装置及び方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】基体が通過する接触区域
を有するベルトもしくは他のエンドレス表面手段溶融機
の利用によって、如何なる他の有効な目標も達成するこ
とが可能であり、このエンドレス表面は、接触区域の入
口近傍でトナーの粘性率が50 Pa・sよりも小さくなるの
に十分な温度に加熱され、接触区域内で冷却される。
【0021】したがって本発明によれば、基体上の未定
着トナー粒子画像を定着する方法が提供され、その方法
は:入口からその出口へ連続的に延伸し、エンドレス表
面に向かい合って圧力接触するエンドレス表面と反応表
面によって画定される、接触区域を介して未定着トナー
画像を担持する基体を送るステップと;エンドレス表面
を、入口近傍でトナーのガラス転移点Tgより高い温度
に加熱するステップと;さらにエンドレス表面を、入口
と出口の中間部でトナーのガラス転移点Tgより低い温
度に強制冷却するステップとを含み、入口近傍のエンド
レス表面が、トナーの粘性率が50 Pa・sよりも小さくな
るのに十分な温度に加熱されることを特徴とする。
【0022】理論によって結び付けられている訳ではな
いが、トナー画像がローラもしくは加熱されたベルト等
の加熱された表面によって基体に定着される際には、基
体が加熱された表面からはがれるときに、溶融トナーが
加熱された表面に転写され、後に基体の後続部分に付着
させ、結果として「ゴーストイメージ」の現象が生じ
る、危険性がある、ことを我々は確信する。加熱された
表面の特性がこのような「ホットオフセット」の危険性
を減少させるように選択される場合であっても、基体か
ら加熱された表面をはがすことは、低い光沢及び低い色
の彩度につながる、多少平坦でない形状にトナー粒子を
ゆがめる傾向がある。他方で、同時に基体に圧力を作用
させる基体の強制冷却は、色の彩度を向上させることに
つながり、代替的には印刷に際して使用されるトナーの
量を例えば20%〜30%減少させることが可能である、ト
ナー粒子を平坦化させる傾向がある。したがって本発明
による本質は、エンドレス表面が反応表面と圧力接触す
ると同時に、トナーのガラス転移点Tgより低い温度に
エンドレス表面を冷却することである。その結果、接触
区域の入口近傍でのトナーの粘性率が50 Pa・sよりも十
分に低くなる温度から、接触区域からの出口の手前での
トナーのガラス転移点Tgよりも低い温度までの、温度
勾配が接触区域内に存在する。
【0023】この発明においては、基体上に担持される
トナーは、その粘性率が50 Pa・sよりも十分に小さくな
る温度に加熱される。またこの温度は、ここでは流体温
度Tfと呼ばれる。理想的には、基体上に担持されたト
ナーは、その粘性率が10 Pa・sと40 Pa・sの間にまで減
少するするのに十分な温度に加熱される。トナーの流体
温度は、ガラス転移温度よりも高く、トナーの組成に依
存するが、一般的には150℃より高く、なお200℃よりも
高い。好ましくはトナーは、そのスペクトル特性におい
て十分な変化を引き起こすトナーの組成における不可逆
変化を発生させる温度である、その分解温度よりも高い
温度には加熱されない。一般的に粘性率は、カップ粘度
計(フォードカップもしくはシェルカップ、ザールカッ
プ)を使用して測定される。ASTM D-1200が、印刷イン
クの粘性率の測定に広く用いられている。またラーレイ
及びチャーチルの落棒式粘度計も使用される。
【0024】本発明の第一の好適実施例においては、入
口と出口の中間部においてエンドレス表面と反応表面の
間に圧力が加えられる。したがってまた本発明は、基体
上の未定着トナー粒子画像を定着する装置を提供し、こ
の装置は、エンドレス表面と、入口から出口へ連続して
延伸する、その間に接触区域を形成するエンドレス表面
に向かい合って圧力接触する反応表面と、入口から出口
へ接触区域を介して未定着トナー画像を担持する基体を
供給する手段と、入口近傍でエンドレス表面を加熱する
加熱手段と、入口と出口の中間部でエンドレス表面をト
ナーのガラス転移温度Tgよりも低い温度に強制冷却す
る冷却手段とを含み、加熱手段が入口近傍でエンドレス
表面をトナーの粘性率が50 Pa・sよりも十分に低くなる
温度に加熱可能であることと、入口と出口の中間部でエ
ンドレス表面と反応表面との間に圧力を加える手段とに
よって特徴づけられる。
【0025】一般にエンドレス表面は、ベルトの表面で
あり、例えばまたドラムの表面によって構成されるエン
ドレス表面とすることも可能である。以降の一般的な記
述において使用される「ベルト」なる用語は、文脈が他
の方法を要求する場合を除いて、ドラムのようなエンド
レス表面の他の形態をも包含することを意図する。
【0026】加熱手段は、ローラのようなベルトに接触
する加熱表面もしくはベルトが通過する加熱された固定
体を含む。例えば加熱は、ローラもしくは固定体を昇温
された加熱流体(例えば蒸気又は熱い油)が通過するこ
とによって、又はローラもしくは固体体内に配置される
放射加熱手段を準備することによって達成される。また
ベルトを直接加熱する放射加熱手段を使用することも可
能であり、ベルトが本来熱不導体材料から形成される場
合に、これは特に有益である。
【0027】一般にベルトは、反応表面及び基体に接触
する面のその反対側から加熱される。一般にベルトは、
乾燥した表面を備える基体と接触する。すなわちベルト
表面に液体剥離剤を使用する必要がない。
【0028】本発明の第二の好適実施例においては、エ
ンドレス表面は接触区域の出口近傍でトナーのガラス転
移温度Tgよりも高い温度に、しかしより好ましくは流
体温度Tfを超えない温度に加熱される。したがってま
た本発明は基体上の未定着トナー粒子画像を定着する装
置を提供し、この装置は、エンドレス表面と、入口から
出口へ連続して延伸する、その間に接触区域を形成する
エンドレス表面と向かい合って圧力接触する反応表面
と、入口から出口へ接触区域を介して未定着トナー画像
を担持する基体を供給する手段と、入口近傍でエンドレ
ス表面を加熱する加熱手段と、入口と出口の中間部でエ
ンドレス表面をトナーのガラス転移温度Tgよりも低い
温度に強制冷却する冷却手段とを含み、加熱手段が入口
近傍でエンドレス表面をトナーの粘性率が50 Pa・sより
も十分に低くなる温度に加熱可能であることと、出口近
傍でエンドレス表面手段をトナーのガラス転移温度Tg
より高い温度に加熱する第2の加熱手段とによって特徴
づけられる。
【0029】この第2の加熱の利点は、トナー表面を平
坦化する温度にまで昇温し、それによってその表面エネ
ルギーが下げられるということである。トナーがベルト
からはがされる際にトナーがその表面性を失うまで、す
なわちトナーがベルト上に付着された残存トナーを破壊
するまで、トナーの大部分の温度を上げることなく、第
2の加熱はベルトからトナーをはがすことを容易にす
る。第2の加熱手段は、例えばベルトが通過する第2の
加熱ローラとして、接触区域入口における加熱手段と同
様の方法で構成することができる。第2の加熱ローラの
形状の第2の加熱手段が接触区域の出口近傍に与えられ
るとすれば、加熱効率を向上させるように、ベルトが接
触区域内の第2の加熱ローラに部分的に巻き付くように
配置されることが好ましい。
【0030】好ましくは、本発明から最大限の利益を得
るように、中間部の圧力と第2の加熱が共に使用され
る。
【0031】冷却手段は、ベルトが通過する冷却ローラ
のような、ベルトに接触する冷却表面を含む。冷却は、
例えばローラもしくは固定体を冷却流体(例えば室温の
水もしくは冷却された水)が通過することによって達成
される。またベルトに直接冷たい気体もしくは冷却され
た気体を向けることも可能である。一般にベルトは、反
応表面及び基体に接触する面と反対側から冷却される。
【0032】冷却手段によってベルトから引き出される
熱は、接触区域入口で起こる加熱に先立って、ベルトの
戻り走行においてベルトを予熱するのに使用することが
できる。したがって冷却手段は、ヒートポンプの低温領
域によって構成され、ヒートポンプの高温領域は、ベル
トの戻り走行においてベルトに接触する。
【0033】ベルトは、好ましくはシリコーンゴムであ
る、非粘着材料の被覆を担持する熱伝導基材を含む。少
なくともベルトは、ベルトが急速に加熱され冷却される
ことが可能なように、低熱容量である必要がある。この
ような急速な温度変化は、他の方法が必要とする寸法よ
りも一層小さな寸法である装置を可能とする。またベル
トは、ベルトの「裏側」からの加熱が利用されるなら
ば、本来熱電導材料から形成されなければならない。熱
電導ベルトは、「ホットスポット」が回避されるよう
に、より均一な温度を配する利点を有する。ベルトもし
くは少なくともベルトに担持される被覆は、特にウェブ
形状の基体が使用される場合には、継ぎ目なしである必
要がある。
【0034】たとえ基体温度が接触区域において100℃
より高いとしても、基体内の水分は、少しも抜け出るこ
とがなく、第2の加熱手段により基体に戻るようにベル
トに凝縮することが好ましい。結果として基体を乾燥さ
せ過ぎることとなる、上述のような開放放射定着の欠点
は、これによって避けられる。基体内の水分の損失は、
不透水性のエンドレス表面及び不透水性の反応表面の使
用によって、減少させることができる。したがってベル
ト及び反応表面双方は、好ましくは不透水性である。
【0035】反応表面は、さらなるベルトから構成され
る。トナー粒子画像が基体の双方の面に担持される(す
なわち「両面」基体である)場合に特に効果的である。
この実施例の場合、さらなる加熱手段が、入口近傍でさ
らなるベルトをトナーの粘性率が50 Pa・sよりも十分に
低くなる温度に加熱するように与えられ、さらにさらな
る冷却手段が、入口と出口の中間部でさらなるベルトを
トナーのガラス転移温度Tgよりも低い温度に強制冷却
するように与えられる。代替的には反応表面は、固定体
を冷却する手段を含む、固定体の表面によって構成する
ことができる。
【0036】代替的にはトナー粒子画像は、基体の片面
にのみ担持される(すなわち「片面」基体である)。例
えば基体は、プラスチック材料基材シート上に担持され
る粘着ラベルを含む。このような「片面」基体に対し
て、反応表面はさらなるベルトもしくは固定体によって
構成することができる。さらなるベルトが「片面」基体
に対する反応表面として使用される場合には、少しも加
熱される必要がない。むしろさらなるベルトを接触区域
の入口からさえも強制冷却することが、基体のゆがみを
防止するのに役立つ。
【0037】接触区域は、ベルトとその反応表面との間
の接触の最初の点から、ベルトとその反応表面との間の
分離点まで延伸する。圧力が接触区域を通して一定であ
る必要がなく、接触区域内において接触を維持すること
が重要である。圧力は、ベルトとその反応表面との結合
構造によって発生するが、これは冷却手段の上流の、接
触区域の両側にそれぞれ配置される一対の中間圧力ロー
ラを与えることが有効である。接触区域の入口と出口の
中間部で与えられる圧力は、好ましくは強制冷却の作用
する領域と同じ領域、もしくは強制冷却の作用する領域
の手前に加えられる。また接触区域入口近傍でベルトと
反応表面との間に圧力を加えることが好ましい。したが
って、1つは入口近傍で、他方は入口と出口の中間部
で、接触区域内の少なくとも2つの圧力点が実現され
る。基体の吸収性及び温度、その温度におけるトナーの
粘性率に依存するが、圧力点における平均接触圧力が2
〜20 N/cm2であることが好ましく、より好ましくは5〜
10 N/cm2であることを我々は見出した。
【0038】冷却手段及びさらなる冷却手段がともに冷
却ローラから構成されるのであれば、これら冷却ローラ
は、それぞれの冷却ローラとそれに関連するベルトの間
の接触がより直線的な接触を確実とするように配置され
なければならない。各ベルトがそれに関連する冷却ロー
ラに部分的に巻き付くことが確実となることにより、そ
の結果強制冷却効果が得られる。
【0039】本発明において、基体はウェブ形状である
が、シート形状の基体も等しく適用することができ、そ
の場合には装置はさらに適当なシート供給手段が与えら
れる。装置の結合構造は、基体に関して実質上直線の経
路を画定する。これはより重い、特により厚みのある柔
軟さのない基体に関して有利となる。
【0040】ベルト及び存在するのであれば、さらなる
ベルトは、例えば接触区域の入口の加熱ローラもしくは
接触区域の出口の第2の加熱ローラ、中間圧力ローラに
駆動力を与えることにより直接駆動される。基体の移動
に同調して、さらに存在するならばさらなるベルトに同
調して駆動され、トナー画像をひずませる滑りを防ぐよ
うにベルトが配置されることが重要である。代替的には
基体がウェブの形状であるならば、ベルト及び存在する
ならばさらなるベルトは、ベルトのトルク抵抗に関する
補正を与える手段である、ウェブそれ自体の移動によっ
て駆動される。この配置は、基体ウェブとベルトの同調
した動きを確実にする。
【0041】ベルトは、接触区域の出口から接触区域の
入口へ、張力及びアライメント調整ローラを介して戻
る。中間圧力ローラが接触区域内でベルトに接触してい
るならば、例えば中間圧力ローラとアライメントローラ
双方の中空内部を通過する熱交換流体を介して、この中
間接触ローラはアライメントローラと熱交換関係にあ
る。これによって装置の必要とするエネルギーは減少す
る。
【0042】本発明による装置は、潜在画像が静電帯電
可能光導電ドラムもしくはベルトのような回転可能エン
ドレス表面部材上に形成され、かつ調整された発光ダイ
オード画像方式のアレイが露光源として使用される、少
なくとも1つの画像ステーションを備える、プリンタの
一部分をなし、特に静電写真プリンタの一部分を有利に
なす。さらに潜在画像は、トナー現像ステーションで現
像され、表面部材上にトナー画像を形成する。トナー画
像は、トナー転写ステーションで移動する基体上に表面
部材から、もしくは基体に後に転写する移動する転写部
材上に転写される。またプリンタは、印刷されたウェブ
をシートに切断するための切断手段が備え付けられる。
好ましくは切断手段は、定着装置の下流に配置される。
【0043】現像ステーションは、樹脂の混合物及び適
当な色の色素もしくは顔料及び通常はトナーに摩擦電気
の電荷を与える帯電制御混合物を含むトナー粒子を含む
現像材を使用する。通常使用される二元成分現像材にお
いては、トナー粒子と摩擦接触することによってトナー
粒子を帯電させるために、またキャリア粒子が存在す
る。キャリア粒子は、鉄もしくは酸化鉄のような磁化可
能材料から作られる。一元成分現像材のようなマグネッ
トブラシ現像以外の現像技術が使用可能である。
【0044】乾式現像トナーは、例えばカーボンブラッ
クもしくは最終的に分散される色素又は顔料のような着
色材料である、着色剤を含む熱可塑性樹脂もしくは樹脂
の混合物からなる熱可塑性バインダーを本質的に含む。
【0045】マグネットブラシ現像で使用される乾式ト
ナー粒子の平均粒径は、(Jerome L. Johnsonによる、
「Principles of Non Impact Printing」Palatino Pres
s Irvine CA, 92715 U.S.A. 1986年発行、64-85頁を参
照すると)慣例的には約10μmである。高解像現像に対
しては、平均粒径は1〜5μmである(例えば、英国特
許明細書GB-A-2180948号及び国際特許明細書WO-A-91/00
548号参照)。
【0046】トナー粒子は、樹脂製のバインダーの中
に、白色もしくは黒色である又は可視スペクトルの色を
有する1以上の着色料(溶解色素もしくは分散顔料)を
含むが、しかしながら赤外線もしくは紫外線を吸収する
物質の存在は除外される。
【0047】熱可塑性樹脂製のバインダーは、ポリエス
テルもしくはポリエチレン、ポリスチレン、それらの共
重合体の形態であり、例えば、スチレン−アクリル樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリレート及びメタ
アクリレート樹脂、ポリビニルクロライド樹脂、ビニル
アセテート樹脂、(ビニルクロライド−ビニルアセテー
ト)共重合体樹脂、(ビニルクロライド−ビニルアセテ
ート−マレイン酸)共重合体樹脂、ビニルブチラル樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリエステル樹脂を挙げることができ
る。ポリエステル樹脂は、高い光沢及び向上した耐剥離
性を与えるために好ましい。通常このような樹脂は、少
なくとも50 Pa・s以上で1500 Pa・sを越えない溶融粘
性率を備える、54℃より高いガラス転移温度を有する。
着色料のようなトナー粒子内の他の成分の存在は、通常
ガラス転移温度に重要な影響を及ぼさない。樹脂の体積
抵抗率は、少なくとも1013Ω-cmである。
【0048】好ましいトナーの組成は、欧州特許出願EP
-A-601235号及びEP-A-628883並びに国際特許出願WO 94/
27192、94/27191及び94/29770(全てAgfa-Gevaert NV)
に記載されている。最も一般的なトナー組成のガラス転
移温度はおおよそ60℃である。そのため典型的な定着温
度は、従来約120℃である。
【0049】例えば多色画像の場合のように、基体が多
くの異なるトナーを担持する際には、異なる色のトナー
粒子が確実に混合され、基体上に画像が確実に定着され
るように、ベルトは存在するトナーの最低流体温度より
も高い温度にまで昇温されなければならず、より好まし
くは存在するトナーの最高流体温度よりも高い温度に昇
温される。
【0050】熱可塑性バインダー及びトナー混合物の重
量を基本にして10%〜50%の重量の顔料を含む混合物を
有するトナーを使用することが好ましい。またトナー混
合物が、0.5μm〜5μmの間、好ましくは1μm〜4μm
の間の重量平均粒子径を有する粉体形態であることが好
ましい。トナー混合物内により高水準の顔料を備えるト
ナー混合物の使用が、高密度印刷を備える画像を可能と
する。さらに代替的には、同一の画像密度に対して、よ
り小さいトナー粒子を使用することが可能である。より
小さなトナー粒子の使用は、基体表面上のトナー画像の
高さをより低くするといった利点を有する。より低いト
ナー画像の高さの利点は、(a)基体表面内の不整が画
像の光沢に大きな影響を与えない、(b)トナーの全使
用量が減少する、これは、トナーのコストが印刷物の全
コストに対して大きな割合を占める点で重要である、
(c)印刷頁が丸くなる傾向を減少させる、(d)例え
ば製本する際に、印刷頁の積み重ねが一層平らになる、
(e)印刷頁がより平らな感じになる、といったことを
含み、これは如何なるユーザに対しても利点となる特色
である。
【0051】プリンタはカラープリンタであり、このカ
ラープリンタは、それぞれ現像に関連する複数の画像ス
テーションと、転写ステーションと、最後のトナー転写
ステーションの下流で印刷ウェブを切断する前に配置さ
れる画像定着ステーションを含む。このようなカラープ
リンタの一実施例では、現像ステーションはそれぞれシ
アンおよびマゼンタ、黄色、付加的に黒色トナー粒子を
含む。
【0052】基体のウェブは、ロールからプリンタを介
して送られる。所望であれば、プリンタに導入される前
に、基体は調整(すなわち基体の水分含有量が印刷に対
して最適水準に調節)される。
【0053】本発明によるプリンタは、2組の画像及び
現像、転写ステーションを含む両面カラープリンタであ
り、1つの組がウェブのそれぞれ側に配置される。しか
しながら本発明は、片面(すなわち片側)印刷を意図す
るプリンタに使用することに対しても等しく適用可能で
ある。
【0054】また本発明による装置は、静電プリンタ関
連してこれら上述されたのと同様の原理で動作する、静
電複写機の部分ともなる。しかしながら複写機において
は、光学手段によって回転可能エンドレス表面部材は、
複写される元の画像から直接露出される。
【0055】本発明はさらに、純粋に例示を目的とし
て、添付の図面を参照してより詳細が開示される。
【0056】
【発明の実施の形態】図1〜4は、未定着トナー画像が
既に担持されている基体が与えられる際に、基体のトナ
ー画像を定着し、かつ同時に画像に所望の光沢を与え
る、装置の原理を図解する。
【0057】図1を参照すると、装置10は第1のベルト
12と第2のベルト14を含み、第2のベルトは、第1のベ
ルトと向かい合って圧力接触する反応表面を構成して延
伸する接触区域Z1を形成し、それによって入口16から出
口18への接触区域を介して延伸する基体経路が画定され
る。各ベルトは不透水性であり、DOW 200系(例えばDow
Corning Corporation)のような非粘着シリコーン材料
の30μmの被覆を担持する70μmの金属基材を含む。
【0058】第1のベルト12は、入口16近傍で第1のベ
ルトを直接加熱する、硬質合金性の加熱ローラ20を通過
して接触する。同様に第2のベルト14は、入口16近傍で
第2のベルト14を直接加熱する、硬質合金性の加熱ロー
ラ22を通過する。
【0059】また各ベルト12、14は、接触区域Z1の入口
と出口の中間部でトナーのガラス転移温度Tgより低い
温度にそれぞれのベルトを直接冷却する、弾力のある冷
却ローラ24、26をそれぞれ通過して接触する。冷却ロー
ラ24、26は、各冷却ローラ24、26とそれに関連するベル
トの間でより直線的な接触を確実にするように配置され
る。したがって各ベルト12、14は、それに関連する冷却
ローラ24、26に部分的に巻き付いて、それによってトナ
ーのガラス転移温度Tgより低い温度に達せられる強制
冷却効果が向上する。
【0060】また各ベルト12、14は、接触区域Z1の出口
18近傍でトナーのガラス転移温度Tgよりも少なくとも1
0℃高い温度にベルトを加熱する、第2の加熱ローラ2
8、30をそれぞれ通過する。
【0061】例えば7.5 N/cm2の圧力を作用させる、一
対の中間圧力ローラ32、34が、冷却ローラ24、26の上流
で延伸する接触区域Z1の両側に配置される。
【0062】また各ベルト12、14は、それぞれ張力及び
アライメントローラ36、38を通過する。これらのローラ
の位置は、当技術で熟練した者には公知であって、図示
されない手段の動作によって調節可能であり、ベルト内
の適当な張力及びベルトの正確なアライメントを確実に
する。
【0063】図1に示される装置は以下のように動作す
る。紙ウェブ40の形状をした基体は、未定着多色トナー
粒子画像42を両面に担持する、静電写真プリンタもしく
は複写機(図示されない)を出る。画像は、例えば熱可
塑性バインダ及びトナー混合物の重量を基本にして約22
%の重量の適当な着色顔料を含む、粉体形状の混合物を
備えるトナーで形成され、この着色顔料は、シアン及び
マゼンタ、黄色、黒色のような色であり、約2μmの重
量平均粒子径を備える。基体は、一対の下流の駆動ロー
ラ44によって、延伸する接触区域の入口16から出口端18
へ、第1及び第2のベルト12、14の間の基体経路に沿っ
て送られる。基体は、接触区域を通過するのに5〜10秒
必要とするような速度で送られる。ユニットは紙ウェブ
によって駆動される。第2の加熱ローラ28に接続される
駆動力は、機械的損失を補償するトルクで駆動される。
ベルト12、14は、トナーの粘性率が10〜40 Pa・sとな
る、160℃に加熱ローラ20、22によって入口16近傍で加
熱される。ベルト12、14は、トナーのガラス転移温度T
gより低い温度である、50℃に冷却ローラ24、26によっ
て入口と出口の中間部で強制的に冷却される。それによ
って基体上のトナー画像42は、基体上に定着され、その
外見は高い色の彩度を備える光沢を示す。第2の加熱ロ
ーラ28、30は、ベルトを70℃に加熱してベルトからトナ
ーがはがれるのを容易にする。
【0064】図2及び3においては、図1による装置内
で基体の位置に対して圧力及び温度をプロットするグラ
フが示される。どちらのプロットも、図1で使用された
参照番号を利用することにより、その水平軸に沿った位
置に表示する。
【0065】図2のグラフを参照すると、その入口に加
熱ローラ20を備える接触区域に基体が入る際に、基体に
作用する圧力Pは上昇する。次に圧力は、第1及び第2
のベルトの間の接触圧力を示す、中間値Pcに減少す
る。基体が中間圧力ローラ32、34を通過する際に、再度
圧力はピークに達し、基体が冷却ローラ26及び24、第2
の加熱ローラ30及び28を通過する際に、小さなピークに
達する。その後、基体が接触区域を出ると、圧力は0に
落ちる。
【0066】図3のグラフを参照すると、ベルト12の温
度Tが実線Bによって示される。冷却ローラ20及び32、
24、28に向かう基体表面上のトナーの温度が、点線Fに
よって示される。基体それ自体の本体の温度が鎖線Sに
よって示される。
【0067】基体が接触区域内にあると、トナーが相対
的に小さな熱容量を有するため、トナーの温度はベルト
の温度に密接して追従する。第1の加熱ローラ20、22の
配置される入口で基体が接触区域に入ると、トナーの温
度は鋭く上昇し、トナーの温度はトナーの流体温度Tf
を越えるということが解る。いまやトナー粒子は、基体
の本体に拡散するのに十分な、かつ所望の定着及び光沢
の効果を導くベルト間の圧力の作用によって平坦化され
るのに十分な流体である。この高い温度において、水分
は基体から追い出されるが、ベルトの不透水性によって
水分は逃げ出すことができない。トナーが基体の表面上
に位置する、基体本体の温度は、より緩やかに上昇する
が、基体が接触区域を介して進む際に、熱は漸進的にト
ナー及びベルトから基体本体へ伝導される。双方が緩や
かに自然冷却される際に、トナーと基体本体の温度が一
致する平衡位置に達する。基体が冷却ローラ24に達する
と、ベルトの温度に追従するトナーの温度は急速に、基
体本体の温度は幾分遅れて、ガラス転移温度Tgより低
い温度水準にまで低下する。これによってトナーが定着
して平坦化した状態で固化させる。この冷却は、基体か
ら追い出された水分を、いまや基体本体よりも低い温度
にあるベルトの表面に凝縮させる。第2の加熱ローラ3
0、28が配置される接触区域出口において、依然として
ベルトの温度に追従するトナーの温度は、ガラス転移温
度Tgよりも高い温度であるが流体温度Tfを越えない温
度にまで上昇し、それに遅れて基体本体の温度も上昇す
る。トナーと基体本体間の温度差がここで重要である。
基体本体の温度が、基体がベルト12からはがれる際に、
Tgよりも高いとすれば、トナー粒子と基体間の結合を
破壊し、ベルト上にトナーの付着を生じる、すなわちオ
フセットを生じる危険性が生じる。このとき最も弱い結
合は、ここではそれによって破壊が発生するが、トナー
粒子とベルトの間の結合であり、それによってオフセッ
トの問題は避けられる。さらに第2の加熱は、全体にわ
たり実質上基体から水分の損失がないように、ベルトの
表面に凝縮した水分を基体内に戻す。
【0068】図4の代替的な実施例では、プラスチック
材料基材ウェブに担持される粘着ラベルの形状の基体の
ウェブ50が、ガイドローラ52を通過した後に定着装置54
に入る。この定着装置では、単一ベルト56が、加熱ロー
ラ58通過し、例えば7.5 N/cm2の圧力を作用させる一対
の中間圧力ローラ60、62の間を通り、第2の加熱ローラ
64を通過し、張力及びアライメントローラ66を通過す
る。ベルト56は、不透水性であり、DOW 200系(例えばD
ow Corning Corporation)のような非粘着シリコーン材
料の30μmの被覆を担持する70μmの金属基材を含む。こ
の実施例では、反応表面は2つの固定体68、70の表面に
よって構成され、これらの固定体は冷却流体の通路とし
てそこを通る通路72、74を含む。固定体68、70とベルト
56の接触は、入口76及び出口78を備えるZ2を画定する。
中間圧力ローラ60、62の下流において、接触区域Z2の入
口と出口の中間部でベルト56に対して冷気を向けて、ト
ナーのガラス転移温度Tgよりも低い温度にまでベルト5
6を冷却する冷却ボックス80が与えられる。
【0069】図4に示す装置は以下のように動作する。
基体は、ラベルの外側の面に未定着多色トナー粒子画像
82を担持する、静電写真プリンタもしくは複写機(図示
されない)を出る。基体は、一対の下流の駆動ローラ84
によって、延伸する接触区域Z2の入口76から出口78へ、
基体経路に沿って送られる。ベルト56がトナーの粘性率
が10〜40 Pa・sとなる、160℃に入口76近傍で加熱ロー
ラ58によって加熱されると同時に、固定体68と70はそれ
ぞれ90℃と50℃に冷却される。ベルト56は、トナーのガ
ラス転移温度Tgよりも低い温度である、50℃に入口と
出口の中間部で冷却ボックス80によって冷却される。第
2の加熱ローラ64は、ベルト56を70℃に加熱し、ベルト
からトナーがはがれるのを容易にする。それによって基
体上のトナー画像82は、基体上に定着され、その外見は
高い色の彩度を備える光沢を示すと同時に、ベルト56上
のオフセットは見出されない。基体50のプラスチック材
料基材は、冷却体68、70を通過することによって冷却さ
れ、基材に発生するゆがみの可能性が減少する。
【0070】本発明は、公知の装置と比較して、次のよ
うな多くの利点を提供する: (1)トナー粒子の消費を減少させることができる; (2)基体の水分量が保たれる; (3)基体がオーバーヘッドプロジェクター用のシート
のような透明材料である場合に、画像のコントラストが
向上する; (4)第1のローラを非常に熱くすることができるため
に、公知の装置で達成されるよりも一層深い光沢が得ら
れる; (5)付加的な消費がない; (6)基体それ自体の色が画像のスペクトル特性に重要
な役割を果たさないので、トナー粒子による基体のより
良好な有効範囲が、異なる色のトナーの組み合わせから
得ることができる、より広い範囲の色合いの可能性を導
く。
【0071】
【発明の効果】未定着トナー画像(42;82)を担持する
基体(40;50)は、入口(16;76)から出口(18;78)
へ連続的に延伸する接触区域(Z1;Z2)を介して送られ
る。この区域は、エンドレス表面(12;56)及び反応表
面(14;68、70)が向かい合って圧力接触することによ
り画定される。入口(16;76)に隣接するエンドレス表
面(12;56)は、50 Pa・sより小さくなるまでトナーの
粘性率を減少させるのに十分な温度に加熱される。エン
ドレス表面(12;56)は、入口(16;76)と出口(18;
78)の中間部でトナーのガラス転移点Tgより低い温度
に強制冷却される。それによって未定着トナー画像は基
体に定着され、かつ単一装置内で所望の光沢水準を与え
られると同時に、オフセット発生の危険性のない作動状
態の範囲が広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェブ形状の基体の両面に担持されたトナー画
像を定着する、本発明による定着装置を示す。
【図2】図1による装置内の基体の位置に対する圧力を
プロットした図である。
【図3】図1による装置内の基体の位置に対する温度を
プロットした図である。
【図4】プラスチック材料の基材ウェブに担持された粘
着ラベル形状の基体の一方の面に担持されたトナー画像
を定着する、本発明による代替的な実施例を示す。
【符号の説明】
10 装置 12 第1のベルト 14 第2のベルト 16 入口 18 出口 20、22 加熱ローラ 24、26 冷却ローラ 28、30 第2の加熱ローラ 32、34 圧力ローラ 36、38 張力及びアライメントローラ 40 ウェブ 42 画像 Z1 接触区域

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に未定着トナー粒子画像(42;82)
    を定着する方法であって:接触区域(Z1;Z2)を介して
    未定着トナー画像を担持する基体(40;50)を送るステ
    ップと、前記接触区域は、その入口(16;76)から出口
    (18;78)へ連続的に延伸し、かつエンドレス表面(1
    2;56)及び該エンドレス表面(12;56)と向かい合っ
    て圧力接触する反応表面(14;68、70)によって画定さ
    れ、さらに前記トナーは、室温よりも高い温度にガラス
    転移温度有し、かつ室温で少なくとも50 Pa・sの粘性率
    を有し;前記入口(16;76)近傍で前記トナーのガラス
    転移温度Tgよりも高い温度に前記エンドレス表面(1
    2;56)を加熱するステップと;前記入口(16;76)と
    前記出口(18;78)の中間部で前記トナーのガラス転移
    温度Tgよりも低い温度に前記エンドレス表面(12;5
    6)を強制冷却するステップとを含み、 前記入口(16;76)近傍の前記エンドレス表面(12;5
    6)が、前記トナーの粘性率を50 Pa・sよりも十分に低
    くする温度に加熱されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】さらに前記エンドレス表面(12;56)と前
    記反応表面(14;68、70)の間に、前記入口(16;76)
    と前記出口(18;78)の中間部で圧力を作用させるステ
    ップを含む、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】さらに前記接触区域(Z1;Z2)の前記出口
    (18;78)の近傍で、前記トナーのガラス転移温度Tg
    より高い温度に前記エンドレス表面(12;56)を加熱す
    るステップを含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】不透水性のエンドレス表面(12;56)及び
    不透水性の反応表面(14;68、70)の使用によって、前
    記基体内の水分の損失が減少される、請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】前記トナー画像(42;82)が、熱可塑性バ
    インダーとトナー混合物の重量を基準として10%〜50%
    の重量の顔料を含むトナーで形成される、請求項1〜4
    のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】前記トナー画像(42;82)が、0.5μm〜5
    μmの重量平均粒径を有する、粉体形状のトナー混合物
    で形成される、請求項1〜5のいずれか1項記載の方
    法。
  7. 【請求項7】基体上に未定着トナー粒子画像を定着する
    装置であって、 エンドレス表面(12;56)と、 接触区域(Z1;Z2)を形成するように前記エンドレス表
    面(12;56)に向かい合って圧力接触する反応表面(1
    4;68、70)と、該接触区域は入口(16;76)から出口
    (18;78)へ連続的に延伸し、 前記入口から前記出口へ前記接触区域を介して未定着ト
    ナー画像を担持する基体(40;50)を送る手段(44;8
    4)と、前記トナーは室温よりも高い温度のガラス転移
    温度及び室温で少なくとも50 Pa・sの粘性率を有し、 前記入口(16;76)近傍で前記エンドレス表面(12;5
    6)を加熱する加熱手段(20;58)と、 前記入口(16;76)と前記出口(18;78)の中間部で前
    記トナーのガラス転移温度Tgよりも低い温度に前記エ
    ンドレス表面(12;56)を強制冷却する冷却手段(24;8
    0)とを含み、 前記加熱手段(20;58)が、トナーの粘性率を50 Pa・s
    よりも十分に低くする温度に前記エンドレス表面(12;
    56)を前記入口(16;76)近傍で加熱可能であること
    と、前記エンドレス表面(12;56)と前記反応表面(1
    4;68、70)の間に前記入口と出口の中間部で圧力を作
    用させる手段(32、34;60、62)とによって特徴づけら
    れる装置。
  8. 【請求項8】基体上に未定着トナー粒子画像を定着する
    装置であって、 エンドレス表面(12;56)と、 接触区域(Z1;Z2)を形成するように前記エンドレス表
    面(12;56)に向かい合って圧力接触する反応表面(1
    4;68、70)と、該接触区域は入口(16;76)から出口
    (18;78)へ連続的に延伸し、 前記入口から前記出口へ前記接触区域を介して未定着ト
    ナー画像を担持する基体(40;50)を送る手段(44;8
    4)と、前記トナーは室温よりも高い温度のガラス転移
    温度及び室温で少なくとも50 Pa・sの粘性率を有し、 前記入口(16;76)近傍で前記エンドレス表面(12;5
    6)を加熱する加熱手段(20;58)と、前記入口(16;7
    6)と前記出口(18;78)の中間部で前記トナーのガラ
    ス転移温度Tgよりも低い温度に前記エンドレス表面(1
    2;56)を強制冷却する冷却手段(24;80)とを含み、 前記加熱手段(20;58)が、トナーの粘性率を50 Pa・s
    よりも十分に低くする温度に前記エンドレス表面(12;
    56)を前記入口(16;76)近傍で加熱可能であること
    と、前記トナーのガラス転移温度Tgよりも高い温度に
    前記出口(18;78)近傍で前記エンドレス表面(12;5
    6)を加熱する第2の加熱手段(28;64)とによって特
    徴づけられる装置。
  9. 【請求項9】前記冷却手段(24)が、冷却ローラによっ
    て構成され、該冷却ローラとエンドレス表面(12)の間
    の接触がより直線的になることを確実にするように、該
    冷却ローラが配置される、請求項7又は8記載の装置。
  10. 【請求項10】前記反応表面がさらなるエンドレス表面
    (14)で構成され、 該さらなるエンドレス表面が、トナーの粘性率を50 Pa
    ・sよりも十分に低くする温度に前記入口(16)近傍で
    前記さらなるエンドレス表面(14)を加熱するさらなる
    加熱手段(22)と、 前記トナーのガラス転移温度Tgよりも低い温度に前記
    入口(16)と前記出口(18)の中間部で前記更なるエン
    ドレス表面(14)を強制冷却するさらなる冷却手段(2
    6)とを与えられる、請求項7〜9のいずれか1項記載
    の装置。
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