JP2014021337A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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【解決手段】加熱手段831を有する回転体である定着部材81と定着部材に加圧される回転体である加圧部材83とにより形成されるニップ部nに、未定着トナーを担持した記録媒体Pを搬送して記録媒体にトナー画像を定着する機能を備え、ニップ部から搬送されてくる記録媒体を定着部材から分離する分離板41を有し、分離板41の長手方向の一端部に設置される分離板清掃部材43と、分離板清掃部材を分離板の長手方向へ往復動作させる分離板清掃部材動作機構44と、分離板清掃部材動作機構を介し分離板清掃部材を所定のタイミングで往復動作制御する制御手段90と、を備える。
【選択図】図2
Description
そのような画像形成装置は、画像転写後の記録媒体を加熱部材と加圧部材間に搬送し、そこを通すことで記録媒体上のトナー画像を定着する熱定着装置を搭載している。
この際、ニップ部においてトナー像の定着が行われた記録媒体が、トナーの接着力により定着ベルトもしくは定着ローラに巻き付き、そのままの状態でニップ部から排出されて分離不良となる状態が発生し易い。
これら分離不良に対する解決策の1つとして、ニップ部の出口直後の定着ベルトあるいは定着ローラ、加圧ローラなどの定着部材の表面に、分離爪を当接することにより巻き付いた状態で排出されてくる記録媒体を強制分離させるようにした技術がある。
そこで分離爪の替わりに、一般的に分離板が用いられる。
この分離板と前記分離爪とは、分離爪が定着部材表面の画像通紙部に複数個当接させるものであるのに対し、分離板が画像通紙部において定着部材に対して非接触の状態で近接して設置させるという点で異なる。
そこで、例えば、特許文献1には、先端部が加圧ローラと定着ベルトとのニップ部に近接して配された分離板の通紙面に、離型性に優れたフッ素樹脂などから成る薄膜材であるシート部材を貼り付ける。更に、分離部においてトナーが付着しやすい通紙面のエッジ部までシート部材を貼付により取付けておく。これにより、分離板へのトナー付着防止対策を講じることで、分離板のトナー汚れによる異常画像の発生といった不具合の発生を未然に防ぐ技術を開示する。
しかし、引用文献1では、分離板にトナーを付着し難くしているだけであり、一旦トナーや紙粉やキャリア等の異物が分離板に付着してしまった場合は、異常画像等の不具合が発生するという問題が解決されていない。
本発明の第1実施形態の定着装置としての熱定着装置は、定着部材である定着ローラ81と、該定着ローラ81及びヒータ841を有する加熱ローラ84間に張架された定着ベルト82と、定着ローラ81に対し定着ベルト82を介し圧接されるヒータ831を有する加圧ローラ83とを備える。ここでは定着ローラ81と加圧ローラ83とを互いに加圧することでニップ部nを形成し、このニップ部nに未定着トナーを担持した記録媒体Pを搬送し、加熱、加圧することで該記録媒体Pにトナー画像を定着する機能を備える。しかも、定着ローラ81または加圧ローラ83側(2点鎖線で概略的に示す)に配置された分離板41によってトナーの接着力で巻き付いた記録媒体Pをローラ表面側から分離している。このような分離板41にトナーが付着してしまった場合は、分離板41の付着トナー等を清掃除去する必要があり、この熱定着装置では、分離板41の長手方向へ往復動作させる分離板清掃部材43を備え、これを所定のタイミングで往復動作させることで、分離板41の付着トナー等を清掃除去して、画像汚れや縦スジ等の異常画像の発生を防止している。
プリンタ部1の装置本体99の側面には、装置本体99内に給紙する記録紙Pを手差しで載置する手差しトレイ2や、装置本体99内から排出された画像形成済みの記録紙Pをスタックする排紙トレイ3が設けられている。
図1に示すように、プリンタ部1の装置本体99内には、像担持ベルトとしての無端状の中間転写ベルト51をループ状に張架している転写手段たる中間転写ユニット50が配設されている。
Y用のプロセスユニット10Yは、中間転写ベルト51と当接するドラム状の感光体11Yの周囲に、帯電部材12Y、除電装置13Y、ドラムクリーニング装置14Y、現像装置20Y等を有し、これらにより感光体11Y上にYトナー像が形成されている。なお、これらを共通の保持体たるケーシング21Yで保持しながらプリンタ部1に対して1つのユニットとして一体的に着脱されるようになっている。
Y用のプロセスユニット10Yについて詳述したが、他色のプロセスユニット(10C、M、K)は、使用するトナーの色が異なる点の他は、Y用のものと同様の構成になっている。
2次転写装置56の排紙側には、2つのローラ751間に無端ベルト76を掛け渡すことによって構成された記録紙搬送装置75が設置されており、トナー画像転写後の記録紙Pを搬送路下流側の定着装置である熱定着装置80へ搬送するようになっている。この熱定着装置80では、記録媒体である記録紙P上の転写トナー画像を加熱、加圧する定着処理が行われる。
1次転写電界やニップ圧の作用によって中間転写ベルト51上の書き込み位置に順次重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト51のおもて面(ループ外周面)には、4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。なお、1次転写ローラ55Y、C、M、Kに代えて、1次転写バイアスが印加される導電性ブラシや、非接触方式のコロナチャージャなどを採用してもよい。
転写域である2次転写ニップEの図中左側方には、無端状の紙搬送ベルト76を複数の張架ローラ751によって張架しながら図中反時計回り方向に無端移動させる搬送ベルトユニット75が配設されている。中間転写ベルト51から分離した記録紙Pは、この紙搬送ベルト76の上部張架面に受け渡されて、中間転写ベルト51下方の熱定着装置80に向けて搬送される。
図1に示すように、熱定着装置80の下方には、スイッチバック装置85が配設されている。熱定着装置80から排出された記録紙Pは、揺動可能な切替爪86による搬送路切替位置までくると、その時の切替爪86の揺動停止位置(各切り換え位置)に応じて、排紙ローラ対87、あるいはスイッチバック装置85に向けて送られる。そして、排紙ローラ対87に向けて送られた場合には、機外へと排出された後に、排紙トレイ3上にスタックされる。
次に、第1実施形態における熱定着装置80について説明を追加する。
この熱定着装置80は、定着ローラ81とハロゲンヒータ841を有した加熱ローラ84と、定着ローラ81及び加熱ローラ84にわたり張架されると共に定着ローラ81より回転駆動力を受けて駆動される定着ベルト82と、定着ベルト82にテンションを付与するテンションローラ85と、定着ローラ81に定着ベルト82を介し加圧される加圧ローラ83と、装置本体99側に一体的に取り付けられた熱定着装置80の基枠部801に支持部材802を介して設けられ、先端部がニップ部nに近接して配された分離板41と、分離板41に付設される分離板清掃手段42とを備える。
加圧ローラ83は、内部にハロゲンヒータ830を有した中空鉄芯金831上に所定厚さの弾性層としてシリコンゴム832を被覆し、その外周側が離型層833により被覆されている。
定着ベルト82は、PI(ポリイミド)樹脂からなる層厚90μmのベース層上に、シリコンゴムなどの弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端ベルトである。この定着ベルト82の弾性層は、層厚が200μm程度であって、シリコーンゴム、フッ素ゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。
定着ベルト82の表層に離型層を設けることにより、トナー(トナー像)に対する離型性(剥離性)が確保されることになる。
一方、加圧ローラ83は、その両端の軸部834(2点鎖線で示した)は加圧手段であるバネ835(図2中に2点鎖線で示す)により定着ローラ81に加圧され、ニップnを形成するようになっている。
ところで、分離板41は、定着ローラ81側に巻き付き気味に排出されてくる記録紙Pを強制的に分離させてガイドする機能を果たし、分離板41の通紙面41a(図4で下向き面)においては、常に記録紙Pが分離板41に擦りながら通過している。さらに、通紙時において分離板41は、加熱された定着ベルト82に接近しているため高温となる。
そこで、本発明では分離板41に対し、分離板清掃手段42を付設した。
制御手段90は分離板清掃部材動作機構44を介し分離板清掃部材43を所定のタイミングで、分離板41の長手方向に往復動作し、分離板41の付着トナーや紙粉、キャリア等の異物を吸着し、清掃除去するという分離板清掃動作Uを制御する分離板清掃制御機能部901としての機能を有する。
この分離板清掃部材43は、その主要部が、図4に示すように、分離板41の先端部41bの通紙面41aに摺接し、しかも、先端部41bの突端面41cをも覆う断面L字形を成している。これにより、分離板41の先端部41bの通紙面41aと突端面41cとにわたるエッジ部に付着するトナーを除去可能である。
更に、場合により、構成を簡素化し、耐久性を向上させる上で、図5(b)に示すように、単に、分離板41の通紙面41aのみを覆う板状断面を成す分離板清掃部材43Bとして構成してもよい。
ここで本発明者は、このように使用される分離板清掃部材43のヤング率(MPa:弾性範囲で単位ひずみあたりどれだけ応力が必要かの値を決める定数)の分布域に対応する分離板清掃率の分布域を測定し、図9に示した。
分離板清掃率[%]=(清掃動作前の分離板の付着トナー重量[mg] − 清掃動作後の分離板の付着トナー重量[mg]) / (清掃動作前の分離板の付着トナー重量[mg]) * 100 ・・・・・(式−1)
このような分離板清掃率[%]が好ましい高い値となるのは、図9に示したように、清掃部材料が初期の場合のものであるとして、ヤング率(MPa)が4000MPa以下で、所定の耐久性を保持できるものであることが好ましいと推定された。
なお、図9に示すように、ヤング率が5000MPa以上の清掃部材料を用いたときは、ほとんど清掃効果が得られていないことが分かる。これは、ヤング率5000Mpa以上の清掃部材料を用いた場合では、分離板清掃部材43と分離板41間の摺擦時の摩擦力がほとんど得られないためである。
したがって、分離板清掃部材43の材料は、そのヤング率を5000MPa以下の弾性材料とすることで、分離板清掃率[%]が好ましい高い値を維持でき、分離板清掃動作において、分離板清掃部材43と分離板41間の摺擦時の摩擦力を確保し、清掃能力を向上させることができる。
図10に示すように、清掃部材をメラミン樹脂発泡体とした場合、エピクロルヒドリンゴムと比べて約1.4倍、分離板清掃率を更に向上させることができる。これは、メラミン樹脂発泡体は、発泡体に微細な穴が多数空いている構造であり、その穴に付着トナーを効率良く蓄積できるためと見做される。
これに先立ち、制御装置90では、あらかじめ設定された分離板清掃動作実行閾値(A)と作像枚数によってカウントアップされていく作像枚数カウント(B)を求め、これを記録する機能を有している。
なお、ここでは分離板清掃動作実行閾値を作像枚数で規定したが、定着ベルト82あるいは定着ローラ81の走行距離等をパラメータとして設定するようにしても構わない。
このジャム発生時は、ジャム処理の際に未定着トナーが分離板に付着してしまう可能性が高く、ジャム発生直後に分離板清掃動作が実行されることが望ましいことに基づく。
そこで、制御装置90は、メインルーチン側でジャム発生を検知すると、ジャムリカバリ制御ルーチンのステップa1に進み、ステップa1でジャムリカバリ時を確認し、ステップa2、a3に進む。ここでは、先ず、分離板清掃部材43のホームポジションHPの検知が行われる。その後、モータ駆動により分離板清掃部材43を分離板41に対し往復動作U(図3参照)させ、清掃動作実行となり、分離板清掃動作終了後、ステップa4で作像枚数カウント(B)をゼロクリアし、メインルーチン側にリターン(Return)となる。
次に、このようなジョブエンド時分離板清掃処理制御やジャムリカバリ制御を行う制御装置90(分離板清掃制御機能部901)は、これら制御に加えて、次の分離板清掃強制制御を追加して行ってもよい。
このような構成の定着装置の制御装置90は、ユーザーにより、強制実行ボタンB1がオンされたのを検知すると、分離板清掃動作Uを強制実行する分離板清掃強制制御ルーチンの制御に進む。
ここでは、使用者が(必要に応じ)強制実行ボタンを押した時に強制実行ボタンB1を押し、分離板清掃動作の自動実行を待たずに、分離板清掃動作Uの強制実行ができるようにしている。このため、分離板41のトナー付着、あるいは、紙粉、キャリア等の異物付着に起因する画像汚れ、縦スジ等の異常画像にユーザーが気付いた時点で、直ちに、それらの異常画像の改善ができる。
上述のところで、制御装置90(分離板清掃制御機能部901)は、ジョブエンド時分離板清掃処理制御に追加して、ジャムリカバリ制御や分離板清掃強制制御を行っていたが、場合により、ジャムリカバリ制御や分離板清掃強制制御のいずれか一方のみを行うよう構成してもよく、場合により、ジャムリカバリ制御や分離板清掃強制実行制御を行わず制御構成を簡素化してもよい。
図11、図12に示すように、分離板41に付設された分離板清掃手段42aは、分離板41の左右一端側をホームポジションHPとして設置される分離板清掃部材43aと、分離板清掃部材43aを分離板清掃動作Uさせる分離板清掃部材動作機構44aと、分離板清掃部材動作機構44aを介し分離板清掃部材43aを所定のタイミングで、分離板清掃動作Uするよう往復動制御する制御手段90aとを備える。
本実施形態における定着装置では、分離板清掃手段42、42aを用い、分離板41の清掃を行うことで分離板41のトナー汚れを防止し、画像汚れや縦スジ等の異常画像の発生を防止できるが、これに加え、定着時に記録紙の分離性が不十分で、記録紙Pの巻き付きが発生しやすい場合に、トナー汚れも増える点を考慮すると、トナーの離型性の良いものを使用することが好ましい。
なお、図1の定着装置を備えた画像形成装置はカラー複写機M1としたが、カラープリンタや、これらの複合機等にも適用可能であり、同様の効果が得られる。
41 分離板
42,42a 分離板清掃手段
43 分離板清掃部材
432 スライダ
44,44a 分離板清掃部材動作機構
441 モータ
46 送りねじ棒
80 熱定着装置(定着装置)
81 定着ローラ(定着部材)
82 定着ベルト
83 加圧ローラ
831 ヒータ
84 加熱ローラ
901 分離板清掃制御機能部
91 操作指示設定変更手段(オペレーションパネル)
n ニップ部
B1 強制実行ボタン
M1 カラー複写機(画像形成装置)
P 記録媒体
U 分離板清掃動作
Claims (9)
- 加熱手段を有する回転体である定着部材と該定着部材に加圧される回転体である加圧部材とにより形成されるニップ部に、未定着トナーを担持した記録媒体を搬送して該記録媒体にトナー画像を定着する機能を備え、前記ニップ部から搬送されてくる記録媒体を定着部材から分離する分離板を有した定着装置において、
前記分離板の長手方向の一端部に設置される分離板清掃部材と、該分離板清掃部材を分離板の長手方向へ往復動作させる分離板清掃部材動作機構と、該分離板清掃部材動作機構を介し前記分離板清掃部材を所定のタイミングで往復動作制御する制御手段とを備える定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、前記制御手段が規定のジョブエンド時に分離板の一端部に設置される分離板清掃部材を分離板の長手方向へ往復動作することを特徴とする定着装置。
- 請求項1又は2に記載の定着装置において、前記制御手段がジャムリカバリ時に分離板の端部に設置される分離板清掃部材が分離板の長手方向へ往復動作することを特徴とする定着装置。
- 請求項1,2又は3に記載の定着装置において、装置本体外壁に設けた操作指示設定変更手段に分離板清掃部材を往復動作させる強制実行ボタンを設けたことを特徴とする定着装置。
- 請求項1〜4の何れか一つに記載の定着装置において、前記分離板清掃部材の材料がヤング率5000Mpa以下の弾性材料で構成されていることを特徴とする定着装置。
- 請求項1〜5の何れか一つに記載の定着装置において、分離板清掃部材の材料がメラミン樹脂発泡体で構成されていることを特徴とする定着装置。
- 請求項1〜6の何れか一つに記載の定着装置において、前記分離板清掃部材動作機構が、前記分離板の長手方向に沿って並列配備され両端部が支持部材を介して本体基部に支持されるレールと、該レールに並列配備され前記支持部材に枢支され駆動源により軸中心線回りに回転する送りねじ棒と、前記レールに摺動可能に螺合すると共に前記送りねじ棒の回転により一体的に連結した前記分離板清掃部材を分離板の長手方向へ往復動作させるスライダと、を有したことを特徴とする定着装置。
- 請求項1〜6の何れか一つに記載の定着装置において、前記分離板清掃部材動作機構が、前記分離板の長手方向に沿って並列配備され両端部が支持部材を介して本体基部に支持されるレールと、前記レールの長手方向両端間を往復移動する無端ベルトと、該無端ベルトを往復移動するよう回転駆動する一対のギヤと、前記レールに摺動可能に螺合すると共に前記無端ベルトに連結し前記分離板清掃部材を分離板の長手方向へ往復動作させるスライダと、を有したことを特徴とする定着装置。
- 請求項1〜8の何れか一つに記載の定着装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
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