JP2012128263A - 画像形成装置及びこの画像形成装置に用いられる定着器クリーニング用シート - Google Patents

画像形成装置及びこの画像形成装置に用いられる定着器クリーニング用シート Download PDF

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祥吾 菅
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正志 田中
Kosuke Akamatsu
孝亮 赤松
Shuichi Tetsuno
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Abstract

【課題】加圧ローラ汚れや定着フィルム汚れが多量に発生した場合や、クリーニングシートとして薄紙を通紙した場合などに、クリーニングシートがクリーニング対象物に巻きつく可能性があった。
【解決手段】
クリーニングシートが粘着層からなる複数種類のクリーニングパターンを有し、先にニップ部に入るクリーニングパターンよりも後からニップ部に入るクリーニングパターンのほうの粘着度を大きくする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファックス等の画像形成装置、及びこの画像形成装置に用いられる定着器クリーニング用シートに関する。
電子写真式の複写機やプリンタには、トナー像を記録材に加熱定着する定着装置が搭載されている。このような定着装置においては、記録材上の未定着トナー画像のトナーの全てが加熱溶融されて記録材に加熱定着されるのが理想である。ところが、定着ローラや定着フィルムの外周面(表面)に、溶けきらないコールドオフセット状態のトナー、溶けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電的にオフセットしたトナー等(以下、トナー汚れと記す)が残る。トナー汚れが多い場合には、以下のような問題が発生する。
即ち、微量のトナー汚れは目に見えないため問題とならないが、プリント動作を継続すると、定着ローラや定着フィルム上にトナー汚れが蓄積することがある。蓄積されたトナー汚れは、プリントされる記録材の定着ローラや定着フィルム側の面に排出され記録材の画像劣化となることがある。
また、トナー汚れは加圧ローラ表面に付着することもある。トナーは、温度が低くなると粘性が高くなる傾向を持っているため、温度の低い加圧ローラに付着しやすい傾向を持っている。定着ローラや定着フィルム表面よりも加圧ローラ表面の離型性が低い場合にも、トナー汚れは加圧ローラに蓄積されやすい。加圧ローラに蓄積されたトナー汚れは、記録材の加圧ローラ側の面にトナー汚れが排出されることがある。場合によっては、トナー汚れと記録材が融着してしまい、記録材が加圧ローラに巻くこともある。
これらトナー汚れに関する問題は、填料として炭酸カルシウム粒子を多く含有する記録材を使用した場合において、特に顕著に現れる。これは、炭酸カルシウム粒子がニップ部で定着フィルム(定着ローラ)や加圧ローラの表面を傷つけることにより、定着フィルムや加圧ローラの離型性が良くなくなるためである。定着フィルムの離型性が良くなくなると、オフセットトナーが増えるためトナー汚れが発生しやすくなり、加圧ローラの離型性が良くなくなるとトナー汚れが加圧ローラ表面に蓄積されやすくなる。
上述のトナー汚れに対するクリーニング方法として、以下に記載する方法がある。特許文献1には、片面にトナーを定着させた記録材(以下、クリーニングペーパー)を用いるクリーニング方法が提案されている。この方法は、クリーニングペーパーのトナーが定着されている側を加圧ローラ側に向けた状態で通紙し、加圧ローラ上のトナー汚れをクリーニングペーパー上のトナーに融着させ、クリーニングペーパーと共に機外に排出するものである。この方法は、クリーニング効果が高く、非常に有効なクリーニング手段となる。
特登録2651232号公報
しかしながら、炭酸カルシウム粒子を多く含有する記録材を使ってプリントが繰り返された画像形成装置においては、以下の問題があった。即ち、上述のクリーニングペーパーで定着装置をクリーニングする際に、トナー汚れが付着した加圧ローラにクリーニングペーパーが巻きつくことがあった。クリーニングペーパーが巻きついた場合には、ユーザーの手で巻きついたクリーニングペーパーを除去することが困難である。
従来のクリーニングペーパーは、クリーニングペーパーのトナーが定着されている側を加圧ローラ側に向けた状態で通紙され、加圧ローラ上のトナー汚れをクリーニングペーパー上のトナーに融着させ、クリーニングペーパーと共に機外に排出する。しかしながら、炭酸カルシウム粒子を多く含む記録材を多く通紙した定着装置では、加圧ローラの離型性が低下するため、発生したトナー汚れは加圧ローラと強固に付着する。
強固に付着したトナー汚れをクリーニングしようとすると、クリーニングペーパーは加圧ローラ側にひきつけられ、紙が変形に耐えられない場合には、加圧ローラに巻きついてしまう。クリーニングペーパーとして使用される紙のコシが強い場合(厚い場合など)には、クリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつきは発生しにくい。即ち、
トナー汚れが定着フィルムや加圧ローラと強固に付着している場合や、クリーニングペーパーとして薄紙を使用する場合には、クリーニングペーパーが定着フィルムや加圧ローラに巻きつき易い。
近年、中国やインドなどの新興国市場では、販売されている紙の種類が多く、その中には炭酸カルシウム粒子を多量に含有した紙が多く見られるため、新興国市場においては上記問題が発生しやすい傾向がある。また、環境問題意識の高まりから薄紙を使用するユーザーが増加しているため、上記問題がより発生しやすくなることが予想される。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものである。本発明はクリーニングモードを設定すると、クリーニング対象の回転体に巻きつきにくく、良好なクリーニング性能を有するクリーニングシートを形成する画像形成装置を提供することを目的とする。また、このような定着器クリーニング用のクリーニングシートを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するための本発明は、記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に形成したトナー像を記録材に加熱定着する定着手段と、を有し、前記定着手段をクリーニングするクリーニングモードを設定すると、前記画像形成手段が記録材にトナーを用いてクリーニングパターンを形成し、その後、前記定着手段が前記クリーニングパターンを記録材に加熱定着することによって前記定着手段をクリーニングするためのクリーニングシートを形成する画像形成装置において、前記クリーニングパターンは、前記定着手段で加熱されることで第1の粘着度を生じる第1のクリーニングパターンと、前記第1のクリーニングパターンよりも後に前記定着手段で加熱されるパターンであり前記定着手段で加熱されることで第2の粘着度を生じる第2のクリーニングパターンと、を有し、前記第2の粘着度が前記第1の粘着度より大きいことを特徴とする。
また、本発明は、記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に形成したトナー像を記録材に加熱定着する定着手段と、を有する画像形成装置に用いられる、前記定着手段をクリーニングするためのクリーニングシートにおいて、前記クリーニングパターンは、前記定着手段で加熱されることで第1の粘着度を生じる第1のクリーニングパターンと、前記第1のクリーニングパターンよりも後に前記定着手段で加熱されるパターンであり前記定着手段で加熱されることで第2の粘着度を生じる第2のクリーニングパターンと、を有し、前記第2の粘着度が前記第1の粘着度より大きいことを特徴とする。
本発明によれば、クリーニングモードを設定すると、クリーニング対象の回転体に巻きつきにくく、良好なクリーニング性能を有するクリーニングシートを形成する画像形成装置を提供できる。また、このような定着器クリーニング用のクリーニングシートを提供できる。
(a)は搬送方向の記録材Sを示す図、(b)は搬送方向のクリーニングシートを示す図である。 本発明の実施形態に係わる画像形成装置を説明する図である。 本発明の実施形態に係わる定着装置を説明する図である。 トナー汚れのクリーニング性およびシート巻きつき性を説明する図である。 加圧ローラのクリーニングの際の巻きつきを説明する図である。 本発明のクリーニングシートに関する第1の実施形態の図である。 本発明のクリーニングシートに関する変形例の図である。 本発明のクリーニングシートに関する第2の実施形態の図である。 本発明のクリーニングシートに関する変形例の図である。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図2は本実施形態の画像形成装置Pを示したもので、記録材Sの搬送経路3と、この搬送経路3に対して略鉛直方向へ略直線状に配列された4つの画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kと、を備えている。4つの画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kのうち、3Yはイエロー(以下Yと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。3Mはマゼンタ(以下Mと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。3Cはシアン(以下Cと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。3Kはブラック(以下Kと略記)色の画像を形成する画像形成ステーションである。
各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)4Y,4M,4C,4Kと、帯電手段としての帯電ローラ5Y,5M,5C,5Kを有している。また、各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、露光手段としての露光装置6と、現像手段としての現像装置7Y,7M,7C,7Kと、クリーニング手段としてのクリーニング装置8Y,8M,8C,8Kを有している。
画像形成に際し、画像形成ステーション3Yではドラム4Yが矢印方向に回転される。まずドラム4Yの外周面(表面)は帯電ローラ5Yにより一様に帯電され、そのドラム4Y表面の帯電面に露光装置6により画像情報に応じたレーザ光が照射されることによって露光され静電潜像が形成される。その潜像は現像装置7YによりYトナーを用いて顕像化されYトナー像となる。これにより、ドラム4Y表面にYトナー像が形成される。画像形成ステーション3M,3C,3Kにおいても同様の画像形成プロセスが行なわれる。これにより、ドラム4M表面にMトナー像が、ドラム4C表面にCトナー像が、ドラム4K表面にKトナー像が、それぞれ形成される。
画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kの配列方向に沿って設けられているエンドレスの中間転写ベルト9は、駆動ローラ9aと、従動ローラ9bと、従動ローラ9cとに張架されている。駆動ローラ9aは、図2の矢印方向に回転する。これにより、中間転写ベルト9は、各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kに沿って100mm/secのスピードで回転移動される。この中間転写ベルト9の外周面(表面)には、中間転写ベルト9を挟んでドラム4Y,4M,4C,4Kと対向配置されている一次転写手段10Y,10M,10C,10Kにより、各色のトナー像が順次重ね転写される。これによって、中間転写ベルト9表面に4色のフルカラートナー像が形成される。
一次転写後にドラム4Y,4M,4C,4K表面に残った転写残トナーは、クリーニング装置8Y,8M,8C,8Kに設けられている不図示のクリーニングブレードにより除去される。これによりドラム4Y,4M,4C,4Kは次の画像形成に備える。
一方、画像形成装置P下部に設けられた給送カセット11に積載収納されている記録材Sは、給送ローラ12によって給送カセット11から一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対13に給送される。レジストローラ対13は、給送された記録材Sを、中間転写ベルト9と二次転写ローラ14との間の転写ニップ部に送り出す。二次転写ローラ14は、中間転写ベルト9を挟んで従動ローラ9bと対向するように配置される。二次転写ローラ14には、記録材Sが転写ニップ部を通過する際に不図示の高圧電源からバイアスが印加される。
これにより転写ニップ部を通過する記録材Sに中間転写ベルト9表面からフルカラーのトナー像が二次転写される。そのトナーを担持した記録材Sは定着装置F1に搬送される。その記録材Sは、定着装置F1を通過することにより加熱及び加圧され、そのトナー像が記録材S上に加熱定着される。そしてその記録材Sは、定着装置F1から画像形成装置(プリンタ)P外部の排出トレイ15へ排出される。
二次転写後に中間転写ベルト9表面に残った転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置16により除去される。これにより中間転写ベルト9は次の画像形成に備える。
(クリーニングモード)
本実施形態の画像形成装置は、クリーニングモードを設定できる。クリーニングモードを設定すると、画像形成手段(画像形成ステーション)が記録材にトナーを用いてクリーニングパターンを形成する。その後、定着手段がクリーニングパターンを記録材に加熱定着することによって、定着手段(正確にはクリーニング対象の回転体)をクリーニングするためのクリーニングシートを形成する。通常の画像形成を形成した記録材Sと区別するために、クリーニング用トナー像(クリーニングパターン)を担持させた記録材をクリーニングペーパーCPとする。
クリーニング用トナー像は、通常の画像形成時の画像形成可能幅(記録材搬送方向に対して直交する方向の幅)全域に形成される。そしてこのクリーニング用トナー像の記録材搬送方向の担持領域は、後に詳述するようにクリーニング対象の回転体の周長の2倍以上としてある。
クリーニングモードにおいてクリーニング用トナー像は次のようにして形成される。クリーニングモードが実行されたとき、ROMに記憶されているクリーニング用画像パターンを展開する。そして画像形成動作(通常の画像形成動作)と同じ動作により、記録材Sにクリーニング用トナー像を形成し、クリーニングペーパー(クリーニングパターン定着済みのシート)を作成する。本実施形態では、画像形成部に設けられている4つの画像形成ステーションのうち所定の1つ以上の画像形成ステーションを用いて、クリーニングパターンを形成する。
即ち、帯電ローラによる帯電工程と、露光装置による露光工程と、現像装置による現像工程と、一次帯電ローラによる一次転写工程を中間転写ベルトの回転に同調して行わせる。これにより中間転写ベルト表面に1色以上のトナーを用いてクリーニングに用いるトナー像が担持される。
一方、給送カセットからは記録材が給送ローラにより給送される。この記録材はレジストローラにより所定のタイミングで二次転写ニップ部に搬送される。そして二次転写ローラで中間転写ベルト表面のクリーニング用トナー像が記録材に転写され担持される。そして以下に述べる定着装置で加熱定着される。このようにクリーニング用のトナー画像パターンを形成し一度画像形成装置外に排出させたクリーニングシートCPは、画像形成装置の使用者により、クリーニングのために記録材カセットに再セットされる。
ここで、定着フィルム22をクリーニング対象とするときには、クリーニング用のトナー画像パターンを上に向け記録材カセットにクリーニングシートCPをセットする。加圧ローラ21をクリーニング対象とするときには、トナー画像パターンを下に向け記録材カセットにクリーニングシートCPをセットする。
クリーニングシートCPのセット方法は、搬送手段の構成によって異なるため、使用者がトナー画像パターンを下と上のどちらに向けてクリーニングシートCPを再セットすればよいか判断できるようにする必要がある。そのためには、トナー画像パターンと共にクリーニングシートCP上にセット方向の情報を印字して示すことが望ましい。
なお、画像形成装置が両面プリント機能を有している場合で加圧ローラ21をクリーニング対象とする場合には、以下の形態が考えられる。即ち、定着済みのクリーニングシートCPを搬送手段の反転搬送路に導入し、この反転搬送路でクリーニングシートCPを表裏反転させ、搬送手段によりニップ部に搬送させるようにしてもよい。
なお、定着済みのクリーニングシートCPを、定着装置をクリーニングするために定着装置へ再度搬送する場合には、上述した画像形成部によるクリーニングシートCPへの画像形成は行われない。
(定着装置)
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である、短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。記録材に関し、長手幅とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向の寸法である。本実施形態の定着装置(定着手段)は、定着フィルムと、定着フィルムに接触するヒータと、定着フィルムを介してヒータと共に記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧ローラと、を有するものである。
図3は定着装置F1の横断面模型図である。この定着装置F1は、加圧ローラ21を回転駆動し定着フィルム22を加圧ローラ21の搬送力により回転させる、フィルム加熱方式、加圧ローラ駆動方式の所謂テンションレスタイプの装置である。
本実施形態に示す定着装置F1は、加圧ローラ(加圧回転体)21と、定着フィルム(加熱回転体)22と、ヒータ(加熱手段)23と、ヒータホルダ(加熱手段保持部材)24と、剛性ステー(剛性部材)25などを有している。加圧ローラ21、定着フィルム22、ヒータ23、ヒータホルダ24および、剛性ステー25は、何れも長手方向に細長い部材である。
ヒータ23は、耐熱性、絶縁性、良熱伝導性を供えた長手方向に細長いセラミック製の基板231を有する。そしてその基板231の表側(加圧ローラ21側)の短手方向中央部に基板長手方向に沿って抵抗発熱体(不図示)を形成具備させている。基板231の長手方向の両端部内側には抵抗発熱体に給電するための給電電極(不図示)が設けられている。そして基板231の表面側に抵抗発熱体(不図示)の表面を覆うように耐熱性のオーバーコート層232を設けている。
ヒータホルダ24は、耐熱性及び剛性を有する液晶ポリマーにより横断面略半円形樋型に形成されている。このヒータホルダ24は下面の幅方向中央に長手方向に沿って設けられた溝部を有し、この溝部によりヒータ23の基板231を固定保持してオーバーコート層232を溝部から露呈させている。このヒータホルダ24は、ヒータホルダ24の長手方向両端部が装置シャーシ(不図示)の手前側と奥側の側板対に保持されている。
定着フィルム22は、可撓性を有する耐熱樹脂材料により円筒形に形成されている。定着フィルム22の外周長は57mmである。この定着フィルム22は、円筒状のベース層221として厚さ50ミクロンのポリイミド層を有し、そのベース層221の外周に厚さ200ミクロンのシリコーンゴムで形成された弾性層222を有する。そして、その弾性層222の外周に厚さ15ミクロンのフッ素樹脂の離型層223を有している。定着フィルム22の内周長は、ヒータ23を保持させたヒータホルダ24の外周長よりも3mm大きくしてある。
そしてその定着フィルム22は、ヒータ23を保持しているヒータホルダ24に周長に余裕をもたせてルーズに外嵌されている。即ち、定着フィルム22はヒータ23を内包している。剛性ステー25は、横断面下向きU字型の剛性部材から構成されている。この剛性ステー25は、ヒータホルダ24の上面の短手方向中央に配置されている。
加圧ローラ21は、丸軸状の芯金211と、芯金211の外周に芯金211と同心一体に形成されたシリコーンゴムから成る弾性層212と、弾性層212の周りには導電性のフッ素樹脂で形成される離型層213と、を有している。加圧ローラ21の外周長は63mmである。なお、弾性層212は、フッ素ゴム等の耐熱性ゴム、あるいはシリコーンゴム等を発泡して形成したものでも良い。離型層213は絶縁性のフッ素樹脂でも良い。
加圧ローラ21は、定着フィルム22の下方において定着フィルム22と並列に配置され、芯金211の長手方向両端部を上記装置シャーシの側板対に軸受け部材を介して回転自由に保持させている。そして、加圧ローラ21の芯金211と剛性ステー25は、長手方向両端部において不図示の加圧スプリングにより加圧ローラ21の外周面(表面)と定着フィルム22の外周面(表面)が接触するように加圧されている。その加圧力により加圧ローラ21表面と定着フィルム22表面を接触させ、加圧ローラ21表面と定着フィルム22表面間に所定幅のニップ部NFを形成している。加圧力の総圧は20kgfである。
不図示の回転制御部(駆動制御手段)は、プリント指令に応じて、図3に示すように加圧ローラ21を周速度(プロセススピード)100mm/secで矢印方向へ回転させる。その際、ニップ部NFにおける加圧ローラ21の表面と定着フィルム22の表面との摩擦力により定着フィルム22に回転力が作用する。そのため、定着フィルム22は、その回転力により定着フィルム22の内周面がヒータ23と密着して摺動しながらヒータホルダ24の外周を矢印方向に従動回転する。
その際に定着フィルム22の回転は定着フィルム22の内周形状に沿ように形成されているヒータホルダ24の外周面によってガイドされる。これにより定着フィルム22の回転が安定し定着フィルム22は同じ回転軌跡を描きながら回転する。また、通電制御部(不図示)はプリント指令に応じてヒータ23の抵抗発熱体(不図示)に通電する。その通電によりヒータ23は昇温し定着フィルム22を加熱する。
ヒータ23の温度はヒータ23の基板231の裏面側に設けられているサーミスタ等の温度検知素子26によって検知される。通電制御部(不図示)は、温度検知素子26の出力信号に基づいてヒータ23が所定の目標温度を維持するようにヒータ23への通電を制御する。これによってニップ部NFは所定の温調温度に維持される。通常のプリント時の目標温度は、150℃〜210℃に設定される。
加圧ローラ21及び定着フィルム22の回転が安定し、かつ、ヒータ23の温度が目標温度に維持されると、未定着トナー画像Tを担持した記録材Sが入り口ガイド27を通ってニップ部NFに導入される。その記録材Sはニップ部NFで加圧ローラ21の表面と定着フィルム22の表面とにより挟持搬送される。
その搬送過程で記録材Sに定着フィルム22の熱とニップ部NFの圧が加えられ、未定着トナー画像Tは記録材Sの表面に加熱定着される。未定着トナー画像Tが加熱定着された記録材Sは定着フィルム22の表面から曲率分離してニップ部NFから排出される。排紙ガイド28は、記録材Sの先端を支持し、加圧ローラ21に巻きつかないように配置されている。
(トナー汚れの発生メカニズム)
トナー汚れが発生するメカニズムを以下に述べる。本実施形態の画像形成装置Pにおいて、画像形成動作を繰り返し行なうと、温度的要因や静電的な要因で定着できなかった微量のトナーが定着フィルム22に付着しトナー汚れとなる。定着フィルム22は回転しているため、トナー汚れがニップ部NFに到達すると、加圧ローラ21表面に移動する。これは、加圧ローラ21表面が導電性のフッ素樹脂であり、その離型性が、定着フィルム22表面の離型性よりも低いためである。
また、加圧ローラ21のほうが、定着フィルム22よりも温度が低いため、トナー汚れは加圧ローラ21に移動しやすいためである。画像形成動作を継続していくと、加圧ローラ21表面のトナー汚れはさらに蓄積し肥大していく。
なお、本実施形態における構成では加圧ローラ21表面にトナー汚れが蓄積したが、定着フィルム22表面の離型性が加圧ローラ21表面の離型性よりも低い場合には、定着フィルム22側にトナー汚れが蓄積する場合もある。
特に、記録材Sとして炭酸カルシウム粒子を多く含有する記録材を使用した場合には、加圧ローラ21表面に蓄積するトナー汚れはさらに多くなる。これは、炭酸カルシウム粒子が定着フィルム22表面および加圧ローラ21表面を傷つけることで離型性を低下させるためである。
定着フィルム22表面の離型性が劣化した場合には、温度的要因や静電的な要因で定着できない微量のトナーが増加するためトナー汚れが発生しやすくなる。また加圧ローラ21表面の離型性が劣化した場合には、加圧ローラ21表面の付着力が増加するため、トナー汚れが加圧ローラ21表面に蓄積されやすくなる。実際に、トナー汚れが付着した加圧ローラ21を作成したときの様子を以下に示す。
そのときの具体的な条件は以下の通りである。本実施形態の画像形成装置Pを用いて、低温低湿環境(10℃15%)において、プロセススピード100mm/sec、ヒータ23の目標温度を170℃とした。そして、A4サイズの炭酸カルシウム粒子を多く含有する紙(三一牌 中性紙:中国 北京造紙一廠 社製のA4サイズ坪量80g/mの紙)をニップ部NFに耐久通紙した。低温低湿環境は、静電的に定着できないトナーが多くトナー汚れが発生しやすい環境である。そのときの状況と加圧ローラ21に付着したトナー汚れの様子を以下に記す。
a)5000枚プリント時:加圧ローラ21表面への炭酸カルシウム粒子を含むトナー汚れが現れ始める。
b)10000枚プリント時:加圧ローラ21表面への炭酸カルシウム粒子を含むトナー汚れの蓄積が顕著となる。
c)15000枚プリント時:加圧ローラ21表面に付着したトナー汚れが、記録材Sの裏面に付着し画像劣化が発生した。
(既存の加圧ローラクリーニングにおける巻きつき)
上記のように、使用環境や使用する紙によっては、加圧ローラ21表面にトナー汚れが蓄積する場合がある。加圧ローラ21をクリーニングする既存の方法を以下に示す。
片面に黒トナーを用いてベタ黒印字し定着させた記録材(以下、クリーニングペーパー)を作成し、クリーニングペーパーの印字面側を、加圧ローラ21側に向けて搬送されるように再度給紙させる方法である。ここでのベタ黒印字は、トナーを均一な厚みに記録材上に印字した状態であり、単位面積当たりのトナー重量は、約0.45mg/cmである。クリーニングが行われるプロセスを以下に記す。
再度給紙されたクリーニングペーパーは、所定の温調温度に維持されているニップ部NFで挟持搬送される。クリーニングペーパー上にベタ黒印字されたトナーがニップ部NFで溶融され、加圧ローラ21表面に付着したトナー汚れと融着する。クリーニングペーパーが搬送される際に、クリーニングペーパーと融着したトナー汚れを加圧ローラ21表面から剥ぎ取りクリーニングが完了する。
しかしながら、従来のベタ黒画像を用いたクリーニング方法において、クリーニングペーパーが加圧ローラ21に巻きつく場合があった。その様子を図5に示す。従来のクリーニングペーパーは、クリーニングペーパーのトナーが定着されている側を加圧ローラ21側に向けた状態で通紙し、加圧ローラ21上のトナー汚れをクリーニングペーパー上のトナーに融着させ、クリーニングペーパーと共に機外に排出するものである。
加圧ローラ21に付着したトナー汚れをクリーニングする際には、クリーニングペーパーが加圧ローラ側に引き付けられる。通常であれば、排紙ガイド28によってクリーニングペーパーが支持されるため、クリーニングペーパーは加圧ローラ21に巻きつくことなく排紙される。
しかし、加圧ローラ21とトナー汚れが強固に付着している場合や、クリーニングペーパーとして薄紙を使用している場合には、クリーニングペーパーが変形して、加圧ローラ21に巻きついてしまう。この状況を詳しく説明するために、クリーニングペーパーとトナー汚れに働く力を図4に示す。クリーニングペーパーを通紙した際に、トナー汚れに働く力は2つある。1つは、加圧ローラ21表面とトナー汚れ間の付着力F1で、もう1つは、トナー汚れとクリーニングペーパー上にベタ黒印字されたトナー間の付着力F2である。トナー汚れがクリーニングできる条件は、少なくとも付着力F2が付着力F1よりも強いことである。
また、クリーニングペーパーに働いている力は2つある。1つはクリーニングペーパーが排紙ガイド28に支持された場合にクリーニングペーパーの剛性により発生する反力Gである。もう1つは、トナー汚れとクリーニングペーパー上にベタ黒印字されたトナー間の付着力F2である(トナー汚れに対しては上向きの力であるが、クリーニングペーパーに対しては下向きの力である)。ただし、付着力F1が付着力F2よりも小さい場合には、クリーニングペーパーには付着力F1の力のみが働く。
このことから、クリーニングペーパーが加圧ローラ21に巻きつかない条件は、反力Gが、付着力F1と付着力F2のうち少なくともどちらか一方よりも強いことである。なお、付着力F1、付着力F2、および反力Gはそれぞれ、長手方向全域において働く力の総和を表している。これら3つの力の大小関係を分類し、それぞれの状況におけるクリーニング性能と、クリーニングペーパーの巻きつきの関係を表1に示す。
大きく4つの条件に分類され、それぞれの条件を以下に説明する。
条件1・・・クリーニングペーパーの巻きつきOK・クリーニング性能十分
条件2・・・クリーニングペーパーの巻きつきOK・クリーニング性能不十分
条件3・・・クリーニングペーパーの巻きつきNG・クリーニング性能十分
条件4・・・クリーニングペーパーの巻きつきNG・クリーニング性能不十分
加圧ローラ巻きつきが発生する場合は、反力Gが付着力F1と付着力F2のどちらよりも小さい場合である。これは、条件3と条件4に対応する。実使用上起こりうる条件としては、トナー汚れと加圧ローラ21が強力に付着している場合(付着力F1が大きい)や、薄紙をクリーニングペーパーとして使用した場合(反力Gが小さい)などに、クリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつきが発生しやすい。
しかし、条件1や条件2において、クリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつきは発生しない。つまり、付着力F1の大きさに関わらず、付着力F2よりも反力Gのほうが大きい場合にはクリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつきは発生しない。
付着力F1や反力Gは自由に変更できるものではないが、付着力F2については、クリーニングペーパー上のトナーの印字濃度、もしくはヒータ23の目標温度によって変化させることができる。これは、クリーニングペーパー上のトナー層の厚みや、トナーの溶融度合いによって、クリーニングペーパーのトナーとトナー汚れと密着性が変化するためである。
(従来例におけるクリーニング性能とシート巻きつき)
比較例として、クリーニングペーパー上のトナーの印字濃度の違いに対する、従来例におけるクリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつき性および、加圧ローラ21に付着した汚れのクリーニング性能の関係について確認した。比較条件を以下に記す。加圧ローラ21には、一様なトナー汚れを付着させた。クリーニングペーパーは、巻きつきの発生しやすい薄紙(商品名:CS−520 坪量:52g/m)を使用した。ヒータ23の目標温度は、160℃と130℃の2水準とした。これはクリーニングペーパー上のトナーの溶融度合いを変化させるためである。
なお、クリーニングペーパー上のトナーの印字濃度は、以下のように定義した。印字濃度100%(単色のベタ黒画像相当)における単位面積当たりのトナー重量は、約0.45mg/cmである。印字濃度200%(二色のベタ画像相当)における単位面積当たりのトナー重量は、約0.90mg/cmである。さらに、トナーの色の影響を除くために、1色のトナーで印字濃度を調整できるようにした。
クリーニングペーパーの巻きつき性については、クリーニングペーパーを通常通り通紙して、加圧ローラ21に巻きつくか、巻きつかないかで評価した。信頼性をあげるために、試行回数を5回とした。クリーニング性能については、クリーニングペーパーを通紙した後に、加圧ローラ21に残ったトナー汚れを観察して比較した。実験結果を表2に示す。
目標温度160℃での結果では、トナーの印字濃度が100%以下の時は、加圧ローラ21への巻きつきが発生しないが、クリーニング性能が十分でなかった。トナーの印字濃度が150%を超えて大きくなると、加圧ローラ21への巻きつきが発生することがあるが、巻きつかない場合にはクリーニング性能は十分であった。
目標温度130℃での結果では、トナーの印字濃度が200%以下の時は、加圧ローラ21への巻きつきが発生しないが、クリーニング性能が十分でなかった。トナーの印字濃度が250%を超えて大きくなると、加圧ローラ21への巻きつきが発生することがあるが、巻きつかない場合にはクリーニング性能は十分であった。
この結果から、目標温度によらず以下のことがいえる。トナーの印字濃度が低い場合には、クリーニングペーパーの巻きつきは発生しにくい。しかし、加圧ローラ21に付着したトナー汚れをクリーニングペーパーに十分融着できず、クリーニング性能が十分でなかった。これは、表1における条件2に対応している。
トナーの印字濃度が高い場合には、クリーニングペーパーの巻きつきが発生しやすい。ただし、巻きつきが発生しない場合には、加圧ローラ21に付着したトナー汚れをクリーニングペーパーに融着できるため、クリーニング性能は十分であった。これは、表1における条件3に対応している。つまり、従来のベタ黒印字をされたトナーを用いたクリーニングペーパーにおいて、クリーニングペーパーとして薄紙を用いた場合には、十分なクリーニング性能とクリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつき回避は両立しないといえる。
しかしながら、トナー汚れとクリーニングペーパー上にベタ黒印字されたトナー間の付着力F2を調節することによって、クリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつきを回避でき、さらにクリーニング性能を向上させる手段が考えられる。そのプロセスを以下に記す。付着力F2の小さいクリーニングペーパーを使用し、加圧ローラ21に付着したトナー汚れの一部をあらかじめ除去する。加圧ローラ21に付着したトナー汚れの一部が除去されたため、加圧ローラ21表面とトナー汚れ間の付着力F1が小さくなる。付着力F1を小さくした後、付着力F2を大きくしたクリーニングペーパーを使用し、加圧ローラ21に付着して残存する残りのトナー汚れを除去する。
このプロセスは、表1において、条件2でクリーニングを行い、その後、条件1でクリーニングを行うことに対応する。具体的に実施する形態にするならば、例えば、クリーニングペーパーの粘着層の粘着力(粘着度)を、加圧ローラ21が1周する毎に強くしていけばよい。
(本実施形態における加圧ローラクリーニング)
図1(a)に記録材S、図1(b)および図6に本発明に係わるクリーニングシートCPの実施形態を示す。図1(b)で第1のクリーニングパターンL2、第2のクリーニングパターンL3は、搬送方向に各々加圧ローラ21の周長以上の長さを備える。第1クリーニングパターンL2、第2クリーニングパターンL3の横幅は広い領域をクリーニングするため、画像形成装置が印字可能な領域全体(最大印字可能幅全体)とすることが好ましい。
上流側の領域L1は、クリーニングペーパーを加圧ローラ21分離しやすくするための余白である。L1の長さは50mmとしたが、実際には5mm以上有ればよい。これは、ニップ部NFから排紙されたクリーニングペーパー先端を、排紙ガイド28に支持させるために必要な長さである。
クリーニングパターンL2の粘着層は、圧接部に突入した際に、ニップ部で加熱されることで粘着度を生じ、加圧ローラ21に付着したトナー汚れを除去する。L2の搬送方向の長さは130mmであるが、クリーニングしたい部材の外周長の2倍以上の長さであれば良い。L2は、粘着度の異なる二つのパターンとしてL3とL4から構成されている。そしてL4の粘着度はL3の粘着度より大きくに設定されている。L3とL4の長さはともに65mmであるが、夫々クリーニングしたい部材の外周長以上の長さであればよい。また、L2の横幅は、広い領域をクリーニングするために、印字可能な領域全体とすることが好ましい。
本実施形態では、粘着層はトナーを印字することにより作成した。粘着力の強弱は、トナーの単位面積あたりの重量を変えて発生させた。具体的には、L3のトナーの印字濃度を100%(Kトナーのベタ黒画像)、L4の印字濃度を200%(KトナーとCトナーのベタ画像)、とした。
L3とL4の印字濃度を決定するために行った実験の条件を以下に記す。前述の実験と同様に、クリーニングペーパー上のトナーの印字濃度の違いによる、クリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつき、および加圧ローラ21に付着したトナー汚れのクリーニング性能の関係を比較した。今回の実験では、トナーの印字領域を二つ(L3とL4)に分け、L3(加圧ローラ1周目)の第1の粘着度としての印字濃度と、L4(加圧ローラ2周目)の第2の粘着度としての印字濃度の組み合わせで比較した。また、クリーニングペーパーを通紙するときの目標温度は、160℃とした。実験結果を表3に示す。
L3の印字濃度が50%のときは、L3領域では巻きつきは発生しなかったが、L4の印字濃度が50%のときは、ほとんどクリーニングできなかった。L4の印字濃度が大きくなるにつれて、クリーニング性能が向上するが、200%以上になるとL4領域で巻きつきが発生した。L3の印字濃度が100%のときは、L3領域とL4領域ともに巻きつきは発生しなかった。L4の印字濃度が100%のときはクリーニング性能が十分でなかった。L4の印字濃度が150%を超えるとクリーニング性能が非常に良かった。L3の印字濃度が150%のときは、L3領域で巻きつきが発生した。また、クリーニング性能は評価できなかった。
これらの結果から、クリーニングパターンをL3とL4の2つの領域から作成し、L4の粘着度をL3の粘着度より大きくする。すなわち、本実施形態の画像形成装置のクリーニングモードで形成するクリーニングパターンは、以下を有する。定着手段で加熱されることで第1の粘着度を生じる第1のクリーニングパターンと、第1のクリーニングパターンよりも後に定着手段で加熱されるパターンであり定着手段で加熱されることで第2の粘着度を生じる第2のクリーニングパターンを有する。更に、第2の粘着度が第1の粘着度より大きい。これによって、クリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつきが発生せず、クリーニング性能を十分に満足できることがわかった。その条件では、L3領域で巻きつきが発生しない程度にトナー汚れのクリーニングを行い、L4領域で残りのトナー汚れを十分にクリーニングする。このようにして、L3のトナーの印字濃度を100%、L4の印字濃度を200%に設定した。
従来は、薄紙を用いて加圧ローラ21のクリーニングを行った場合に、紙(三一牌 中性紙:中国 北京造紙一廠 社製の紙)を15000枚通紙して汚れた加圧ローラ21に対して、加圧ローラ巻きつきが発生することがあった。それに対して、本実施形態では、30000枚通紙して汚れた加圧ローラ21に対しても巻きつきが発生しないことがわかった。また、従来に比べて、加圧ローラ21に付着したトナー汚れをより多く除去できることがわかった。
このように、トナーの印字濃度による粘着度の強弱を利用すれば、加圧ローラ21に付着したトナー汚れを段階的に除去することができる。こうすることで、クリーニングペーパーが加圧ローラ21に巻きつくことなく、効果的にトナー汚れを除去することができる。
なお、クリーニング性能と加圧ローラ巻きつき回避を両立する条件は、プロセススピードやヒータの目標温度によって異なるため、必ずしも本実施形態と同様の印字濃度に設定する必要はない。クリーニングパターンの中に印字濃度が異なる領域を持たせ、粘着度の強弱をつけることによって、加圧ローラ巻きつきを回避し、クリーニング性能が十分になる値に設定すればよい。また、その際には、加圧ローラ21の3周以上の長さのクリーニングパターンを用いても良い。
また、クリーニング対象として加圧ローラ21でなく定着フィルム22をクリーニングする際にも、本実施形態を適用することができる。また、フィルム加熱方式ではなく、内部にハロゲンヒータを搭載した定着ローラ方式の定着装置等、他の形態の定着装置を備える画像形成装置にも適用できる。
また、第1クリーニングパターンと第2クリーニングパターンとは、一枚のクリーニングシートに設けられる他、図7のL3とL4の2つの領域のように、二枚のクリーニングペーパーに分割して形成しても良い。
なお、粘着度に関しては、単位面積当たりのトナーの重量により印字濃度を調整する他、トナーの融点やガラス転移点を調整するようにしても良い。
《第2の実施形態》
画像形成装置の基本的構成は第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。本実施形態におけるクリーニングペーパーの印字パターンを図8に示す。このパターンは、先端に余白としてL5を持たせている。L5は、クリーニングペーパーを加圧ローラ21分離しやすくするためのものである。L5の長さは50mmとしたが、実際には5mm以上有ればよい。これは、ニップ部NFから排紙されたクリーニングペーパー先端を、排紙ガイド28に支持させるために必要な長さである。
余白の下には、クリーニングパターンとしてL6を設けている。L6の粘着層は、圧接部に突入した際に、粘着力を発現し加圧ローラ21に付着したトナー汚れを除去する。L6の搬送方向の長さは130mmであるが、クリーニングしたい部材の外周長の2倍以上の長さであれば良い。L6は、粘着力の異なる二つのパターンとしてL7とL8から構成されている。粘着力の強さはL8のほうがL7よりも強い。L7とL8の長さはともに65mmであるが、クリーニングしたい部材の外周長以上の長さであればよい。また、L6の横幅は、広い領域をクリーニングするために、印字可能な領域全体とすることが好ましい。
本実施形態では、粘着層はトナーを印字することにより作成した。粘着力の強弱(粘着度の違い)は、クリーニングペーパー長手に占める粘着層領域の面積比率(長手方向における画像形成装置の最大印字可能幅に対するクリーニングパターン幅の割合)を変えて発生させた。具体的には、L7の粘着層領域の長手面積比率を50%(最大印字可能幅に対して50%の幅)、L8の粘着層領域の長手面積比率を95%(最大印字可能幅に対して95%の幅)、とした。印字濃度はL7・L8ともに300%(M・C・Kトナーのベタ画像)とした。印字濃度を300%とした理由は、クリーニング性能を高めるためである。
L7とL8の長手面積比率を決定するために行った実験の条件を以下に記す。第1の実施形態の実験と同様の手順で、クリーニングペーパー上の粘着層の長手面積比率の違いによる、クリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつき、および加圧ローラ21に付着したトナー汚れのクリーニング性能の関係を比較した。
今回の実験では、トナーの印字領域を二つ(L7とL8)に分け、L7(加圧ローラ1周目)の粘着層の長手面積比率と、L8(加圧ローラ2周目)の粘着層の長手面積比率の組み合わせで比較した。L8の粘着層の長手面積比率は、95%に固定した。これは、加圧ローラ21の長手全体をクリーニングするためである。また、クリーニングペーパーを通紙するときのヒータの目標温度は160℃とした。実験結果を表4に示す。
L7の粘着層の長手面積比率が20%以下のときは、L7領域では巻きつきは発生しなかったが、L8領域で巻きつきが発生した。L7の粘着層の長手面積比率が30%〜70%のときは、L7領域とL8領域ともに巻きつきは発生しなかった。L7の粘着層の長手面積比率が95%のときは、L7領域で巻きつきが発生した。巻きつきが発生しなかった場合のクリーニング性能は十分であった。
これらの結果から、クリーニングパターンをL7とL8の2つの領域から作成し、L8の粘着力の強さをL7よりも強くすることによって、クリーニングペーパーの加圧ローラ巻きつきが発生せず、クリーニング性能を十分に満足できることがわかった。その条件では、L3領域で巻きつきが発生しない程度にトナー汚れのクリーニングを行い、L4領域で残りのトナー汚れを十分にクリーニングする。このようにして、L7の粘着層領域の長手面積比率を50%、L8の粘着層領域の長手面積比率を95%に設定した。
従来は、薄紙を用いて加圧ローラ21のクリーニングを行った場合に、紙(三一牌 中性紙:中国 北京造紙一廠 社製の紙)を15000枚通紙して汚れた加圧ローラ21に対して、加圧ローラ巻きつきが発生することがあった。それに対して、本実施形態を用いると、30000枚通紙して汚れた加圧ローラ21に対しても巻きつきが発生しないことがわかった。また、従来に比べて、加圧ローラに付着したトナー汚れをより多く除去できることがわかった。
このように、粘着層領域の長手面積比率による粘着力の強弱を利用すれば、加圧ローラ21に付着したトナー汚れを段階的に除去することができる。こうすることで、クリーニングペーパーが加圧ローラ21に巻きつくことなく、効果的に汚れを除去することができる。なお、クリーニング性能と加圧ローラ巻きつき防止を両立する条件は、プロセススピードやヒータの目標温度によって異なるため、必ずしも本実施形態と同様の粘着層の長手面積比率に設定する必要はない。クリーニングパターンの中に粘着層の長手面積比率の異なる領域を持たせ、粘着力の強弱をつけることによって、クリーニング性能を高めつつ加圧ローラ巻きつきを回避できる値に設定すればよい。
また、その際には、加圧ローラ21の3周以上の長さのクリーニングパターンを用いても良い。また、定着フィルム22をクリーニングする際にも、本実施形態を適用しても良い。また、トナーの融点やガラス転移点を調整することで、粘着力を調整しても良い。また、クリーニングペーパーの粘着層は、トナー汚れを吸着できる粘着層であれば、その他の粘着層でも良い。また、図9のように、例えばL3とL4の2つの領域をそれぞれ分割し、複数枚のクリーニングペーパーに分割しても、同様の効果が得られる。
(変形例)
上述した実施形態においては、加圧ローラ21、定着フィルム22を夫々クリーニングするためにクリーニングシートの片面に複数種のクリーニングパターンを設けたが、クリーニングシートの両面に複数種のクリーニングパターンを設けても良い。これにより、加圧ローラ21と定着フィルム22を同時にクリーニングすることが可能となる。
また、上述した実施形態では、画像形成装置がクリーニングシートを形成しているが、例えばトナー以外の粘着物でクリーニングパターンを形成しているクリーニング専用シートにも本発明を適用できる。
21・・加圧ローラ、22・・定着フィルム、23・・ヒータ、L1・・余白、L2・・クリーニングパターン、L3・・第1クリーニングパターン、L4・・第2クリーニングパターン

Claims (9)

  1. 記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に形成したトナー像を記録材に加熱定着する定着手段と、を有し、前記定着手段をクリーニングするクリーニングモードを設定すると、前記画像形成手段が記録材にトナーを用いてクリーニングパターンを形成し、その後、前記定着手段が前記クリーニングパターンを記録材に加熱定着することによって前記定着手段をクリーニングするためのクリーニングシートを形成する画像形成装置において、
    前記クリーニングパターンは、前記定着手段で加熱されることで第1の粘着度を生じる第1のクリーニングパターンと、前記第1のクリーニングパターンよりも後に前記定着手段で加熱されるパターンであり前記定着手段で加熱されることで第2の粘着度を生じる第2のクリーニングパターンと、を有し、前記第2の粘着度が前記第1の粘着度より大きいことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記装置は、前記粘着度の違いを、前記クリーニングパターンの単位面積当たりのトナーの重量の違いにより生じさせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記装置は、前記粘着度の違いを、記録材搬送方向に直交する方向における前記クリーニングパターンの幅の違いにより生じさせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記装置は、前記第1のクリーニングパターンと前記第2のクリーニングパターンを一枚の記録材に形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記装置は、前記第1のクリーニングパターンと前記第2のクリーニングパターンを複数枚の記録材に分けて形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記定着手段は、定着フィルムと、前記定着フィルムに接触するヒータと、前記定着フィルムを介して前記ヒータと共に記録材を挟持搬送するニップ部を形成する加圧ローラと、を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、記録材に形成したトナー像を記録材に加熱定着する定着手段と、を有する画像形成装置に用いられる、前記定着手段をクリーニングするためのクリーニングパターンを備えるクリーニングシートにおいて、
    前記クリーニングパターンは、前記定着手段で加熱されることで第1の粘着度を生じる第1のクリーニングパターンと、前記第1のクリーニングパターンよりも後に前記定着手段で加熱されるパターンであり前記定着手段で加熱されることで第2の粘着度を生じる第2のクリーニングパターンと、を有し、前記第2の粘着度が前記第1の粘着度より大きいことを特徴とするクリーニングシート。
  8. 前記粘着度の違いが、前記クリーニングパターンの単位面積当たりの粘着物の重量の違いにより生じていることを特徴とする請求項7に記載のクリーニングシート。
  9. 前記粘着度の違いが、記録材搬送方向に直交する方向における前記クリーニングパターンの幅の違いにより生じていることを特徴とする請求項7に記載のクリーニングシート。


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