JP4675120B2 - 粒状体選別装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば米粒や樹脂ペレット等の粒状体群を計測対象領域を通過させながら一層状態で且つ経路横幅方向に沿って複数列状に並ぶ横拡がり状態で移送する対象物移送手段と、粒状体の大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で、且つ、前記経路横幅方向に広がる視野角を有する状態で、前記計測対象領域からの光を受光する受光手段と、前記計測対象領域の前記経路横幅方向の全幅又はほぼ全幅を照明する照明手段と、前記受光手段の受光情報に基づいて、前記計測対象領域における複数の単位受光対象範囲に相当する複数の単位受光範囲毎に受光量を評価する評価手段とが設けられた粒状体選別装置に関する。
上記構成の粒状体選別装置は、例えば、米粒等の粒状体群を計測対象領域を通過するように移送しながら、受光手段により、粒状体の大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で計測対象領域からの光を受光して、その受光情報に基づいて、前記計測対象領域における複数の単位受光対象範囲に相当する複数の単位受光範囲毎に受光量を評価して、受光量が適正光量範囲を外れていると評価された不良物を計測対象領域よりも下手側の箇所において例えばエアー噴出装置等の分離手段によって正常物とは異なる経路に分離させる構成としたものがある。そして、このような粒状体選別装置において、従来では、前記経路横幅方向に広がる視野角を有する前記受光手段は、計測対象領域からの光が直接入射する状態で配置されて計測対象領域の像を受光する構成となっていた(例えば、特許文献1参照。)。尚、前記受光手段は、前記複数の単位受光範囲に相当する複数の単位受光範囲毎の受光量を得るために複数の受光素子をライン状に並ぶ状態で備えるCCDセンサと、計測対象領域からの光をCCDセンサに導く光学系(具体的には光学レンズ等)とを備える構成となっている。
特開2001−272353号公報
上記従来構成では、前記受光手段は計測対象領域からの光が直接入射する状態で配置されて計測対象領域の像を受光する構成となっているから、次のような不利があった。
すなわち、上記したような粒状体選別装置において、前記計測対象領域を移送する粒状体群の移送量を多くして単位時間当たりの処理量を多くして処理能力を向上させるためには、計測対象領域の経路横幅方向の横幅寸法を大きくする必要があるが、上記したような従来構成であれば、計測対象領域の経路横幅方向の横幅寸法を大きくするためには、受光手段における経路横幅方向に広がる視野角を広くさせる必要がある(図16参照)。
しかし、前記視野角を広くさせると、受光手段にて受光される計測対象領域の像において、経路横幅方向の端部付近では、対象物移送手段にて計測対象領域を通過するように移送される粒状体群が搬送の乱れに起因して受光手段に対する遠近方向に位置がずれることにより、前記受光手段の受光情報に基づいて前記評価手段が複数の単位受光対象範囲に相当する複数の単位受光範囲毎に受光量を評価する場合に、適切な評価を行うことができないおそれがあった。
説明を加えると、受光手段は経路横幅方向に広がる視野角を有する状態で計測対象領域からの光を受光するものであるから、図16に示すように、受光手段5にて受光される計測対象領域からの光は、経路横幅方向の両端側になるほど受光手段5の光軸(図16のOL参照)に対する傾斜角αが大きくなるが、視野角を大にさせると、この傾斜角αが大きくなって粒状体を評価する場合に粒状体を誤って評価するおそれがある。
この点について図17を参照しながら説明を加える。図17に示すように、粒状体群は一層状態で且つ経路横幅方向に沿って複数列状に並ぶ横拡がり状態で移送されることになる。この図17では、粒状体が移送される複数の列としてQ1,Q2,Q3‥で例示してあり、左端から2番目の列Q2に位置する粒状体の受光対象範囲に異常部qがある不良物が存在している場合を示している。そして、計測対象領域における経路横幅方向の両端側からの光の受光手段4の光軸方向に対する傾斜角を大きくすると(図17の傾斜角α1参照)、予め設定されている適正な位置を横並び状態で移送されているときは、各列の粒状体を適正に評価することができるが、左端から2番目の列Q2に位置する粒状体の受光対象範囲に異常部qがある不良物が受光手段5の光軸方向に沿って受光手段に近づく方向に位置ずれすると、受光手段の受光情報から左端から1番目の列Q1に不良物が存在しているものと誤って評価してしまうおそれがある。
そこで、このような不利を回避するための手段として、受光手段と計測対象領域とを大きく離間させることにより計測対象領域から受光手段に至るまでの光路長を長くさせることが考えられる。このようにすると、計測対象領域の経路横幅方向の横幅寸法を大きくしても、受光手段5による計測対象領域の像を受光するときの視野角を狭くさせることができ、計測対象領域における経路横幅方向の両端側からの光の受光手段4の光軸方向に対する傾斜角をできるだけ小さくして、粒状体が位置ずれしても上述したような誤った評価をするおそれを少なくさせることができる(図17の傾斜角α2参照)。しかしながら、このように構成する場合には、受光手段と計測対象領域との光軸方向に沿って大きく離間させた状態で配置しなければならず、大きな設置スペースが必要となって装置全体が大型化してしまう不利がある。
本発明の目的は、装置全体を大型化させることなくコンパクトな配置構成としながら、且つ、受光手段の視野角を広くさせることなく粒状体の評価を適正に行うことができ、計測対象領域の経路横幅方向の横幅寸法を大にして処理能力を増大させることが可能となる粒状体選別装置を提供する点にある。
本発明に係る粒状体選別装置は、粒状体群を計測対象領域を通過させながら一層状態で且つ経路横幅方向に沿って複数列状に並ぶ横拡がり状態で移送する対象物移送手段と、粒状体の大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で、且つ、前記経路横幅方向に広がる視野角を有する状態で、前記計測対象領域からの光を受光する受光手段と、前記計測対象領域の前記経路横幅方向の全幅又はほぼ全幅を照明する照明手段と、前記受光手段の受光情報に基づいて、前記計測対象領域における複数の単位受光対象範囲に相当する複数の単位受光範囲毎に受光量を評価する評価手段とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、前記照明手段として、粒状体群の予定移送経路の装置前面側に位置する前面側照明手段と、粒状体群の予定移送経路の装置後面側に位置する後面側照明手段とが設けられ、前記受光手段として、前記前面側照明手段からの照明光が前記計測対象領域の前面側で反射した反射光を受光する前面側受光装置と、前記後面側照明手段からの照明光が前記計測対象領域の後面側で反射した反射光を受光する後面側受光装置とが設けられ、前記前面側照明手段には、前記計測対象領域の経路横幅方向に沿う方向視において、前記前面側受光装置が検出光を受光するときの光軸に対して粒状体移送方向の上手側及び下手側の夫々に照明部が設けられ、前記後面側照明手段には、前記計測対象領域の経路横幅方向に沿う方向視において、前記後面側受光装置が検出光を受光するときの光軸に対して粒状体移送方向の上手側及び下手側の夫々に照明部が設けられ、前記前面側受光装置が検出光を受光するときの光軸よりも下側で且つ前記前面側照明手段の下手側の照明部の上側箇所に、前記計測対象領域に向けて自ら発光した光を投射する後面側用背景光量調整部が配備され、前記後面側受光装置が検出光を受光するときの光軸よりも下側で且つ前記後面側照明手段の下手側の照明部の上側箇所に、前記計測対象領域に向けて自ら発光した光を投射する前面側用背景光量調整部が配備され、前記計測対象領域の像を縮小した像を前記前面側受光装置が受光するように前記計測対象領域からの光を反射して上方に位置する前記前面側受光装置側に折り曲げるもので且つ左右に横長の長方形の板状に形成された前面側光反射体を、前記前面側用背景光量調整部から前記計測対象領域に向けて投射された光の光軸の延長線上に位置し且つ前面側収納用ケーシングの前壁の下部内面側に隣接する状態で配備し、前記計測対象領域の像を縮小した像を前記後面側受光装置が受光するように前記計測対象領域からの光を反射して上方に位置する前記後面側受光装置側に折り曲げるもので且つ左右に横長の長方形の板状に形成された後面側光反射体を、前記後面側用背景光量調整部から前記計測対象領域に向けて投射された光の光軸の延長線上に位置し且つ後面側収納用ケーシングの後壁の下部内面側に隣接する状態で配備し、前記前面側照明手段の下手側の照明部と前記後面側用背景光量調整部とが、前記前面側収納用ケーシングの左右側壁の間において左右方向に設けられた共通の支持ブラケットに支持され、前記後面側照明手段の下手側の照明部と前記前面側用背景光量調整部とが、前記後面側収納用ケーシングの左右側壁の間において左右方向に設けられた共通の支持ブラケットに支持されている点にある。
第1特徴構成によれば、前記対象物移送手段によって粒状体群が一層状態で且つ経路横幅方向に沿って複数列状に並ぶ横拡がり状態で計測対象領域を通過するように移送され、前記受光手段は、粒状体の大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で、且つ、経路横幅方向に広がる視野角を有する状態で、計測対象領域からの光を受光することになる。そして、前記計測対象領域からの光は、折り曲げ光路形成手段としての前面側光反射体及び後面側光反射体によって、計測対象領域の像を縮小した像を受光手段が受光するように、前記計測対象領域からの光が受光手段における光軸方向に折り曲げた状態で受光手段に導かれることになる。
折り曲げ光路形成手段としての前面側光反射体及び後面側光反射体は、光反射式に構成されており、計測対象領域からの光を受光手段における光軸方向に折り曲げた状態で、言い換えると、計測対象領域からの光を反射させて受光手段における光軸方向に折り曲げた光路を形成する状態で受光手段に導くことになり、計測対象領域から受光手段に至るまでの光路長を長くすることができる。しかも、このとき、計測対象領域の像を縮小した像を受光手段が受光するように、計測対象領域からの光を受光手段に導くのである。そのための具体構成としては、例えば、光反射面を平面状に形成した反射体を用いて計測対象領域からの光を反射させるようにしたり、光反射面を凹面形状に形成した反射体を用いて計測対象領域からの光を反射させる構成等がある。
その結果、受光手段が設置される箇所と計測対象領域との間の離間距離を大きくさせなくても、計測対象領域から受光手段に至るまでの光路長を長くすることができるから、処理能力を向上させるために計測対象領域の経路横幅方向の横幅寸法を大にさせる場合であっても、受光手段の視野角を広くさせることがないので粒状体の評価を適正に行うことができる。しかも、受光手段が設置される箇所と計測対象領域との間の離間距離を小さくすることができ、装置全体を大型化させることなくコンパクトな配置構成とすることが可能となる。
従って、装置全体を大型化させることなくコンパクトな配置構成とすることができるものでありながら、且つ、受光手段の視野角を広くさせることがなく粒状体の評価を適正に行うことができ、計測対象領域の経路横幅方向の横幅寸法を大にして処理能力を増大させることが可能となる粒状体選別装置を提供できるに至った。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記前面側光反射体にて反射した光を反射して前記前面側受光装置に導く第2前面側光反射体と、前記後面側光反射体にて反射した光を反射して前記後面側受光装置に導く第2後面側光反射体とを備え、且つ、前記前面側光反射体、前記後面側光反射体、前記第2前面側光反射体及び前記第2後面側光反射体の夫々が光反射面を平面状に形成して構成されている点にある。
第2特徴構成によれば、計測対象領域からの光が、光反射面を平面状に形成して構成されている前面側光反射体及び後面側光反射体にて反射され、その前面側光反射体及び後面側光反射体にて反射した光が光反射面を平面状に形成して構成されている第2前面側反射体及び第2後面側光反射体にて反射されて、計測対象領域の像を縮小した像を受光手段が受光するように受光手段における光軸方向に折り曲げた状態で受光手段に導かれることになる。
このように光反射面を平面状に形成して構成される簡単な構成の光反射体を一対備えるだけの簡単な構成で折り曲げ光路形成手段を構成することができ、大幅なコスト高を招く不利のない状態で、請求項1を好適に実施することが可能となる。
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記評価手段が、前記受光手段にて受光する光の受光量が適正光量範囲を外れていなければ正常物として評価し、前記受光量が適正光量範囲を外れていると異常物として評価するように構成され、前記評価手段の評価結果に基づいて、前記計測対象領域よりも前記対象物移送手段による粒状体移送方向下手側箇所において、前記正常物として評価された粒状体と前記異常物として評価された粒状体とを異なる移送経路に分離して選別する分離手段が備えられ、前記前面側照明手段の上手側の照明部が前記計測対象領域を直接照明するライン状光源にて構成され、且つ、前記前面側照明手段の下手側の照明部が前記前面側照明手段の上手側の照明部が発した光を反射してその反射した光により前記計測対象領域を照明する光反射体にて構成され、さらに、前記後面側照明手段の上手側の照明部が前記計測対象領域を直接照明するライン状光源にて構成され、且つ、前記後面側照明手段の下手側の照明部が前記後面側照明手段の上手側の照明部が発した光を反射してその反射した光により前記計測対象領域を照明する光反射体にて構成されている点にある。
第3特徴構成によれば、前記評価手段が、前記受光手段にて受光する光の受光量が適正光量範囲を外れていなければ正常物として評価し、前記受光量が適正光量範囲を外れていると異常物として評価することになるが、そのような評価は、計測対象領域における複数の単位受光対象範囲に相当する複数の単位受光範囲毎に行われることになる。そして、分離手段が、前記評価手段の評価結果に基づいて、計測対象領域よりも移送方向下手側箇所において正常物と異常物とを異なる移送経路に分離して選別する処理を実行することになる。つまり、複数の単位受光範囲における受光量に基づく評価にて、異常物と評価された単位受光対象範囲に対応する部位に位置する粒状体と、正常物と評価された単位受光対象範囲に対応する部位に位置する粒状体とを異なる移送経路に分離させるのである。
そして、前記照明手段における前記ライン状光源が計測対象領域を経路横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって直接照明する。一方、前記照明手段における前記光反射体が前記ライン状光源が発した光を反射してその反射した光により前記ライン状光源による照明方向とは異なる照明方向から計測対象領域を経路横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって照明する。つまり、計測対象領域に位置する粒状体群に対して夫々異なる方向からライン状光源と光反射体とにより各別に照明するようにしているので、粒状体が例えば外周面が曲面である粒状体群であっても照明ムラのない状態で良好に照明を行うことが可能である。又、前記光反射体は、ライン状光源からの光を反射させるものであるから自ら発光する必要はなくライン状光源に比べて構成が簡素であり、しかも、長期間使用しても故障するおそれは少ないから、上記構成によれば、装置全体としての故障発生率を低いものにして装置の信頼性を向上することも可能となる。
前記ライン状光源は装置の使用に伴う経年変化により劣化して発光量が減少することがあるが、光反射体にて反射して粒状体群を照明する光量も同じ量だけ減少することになるから、計測対象領域に位置する粒状体群は夫々異なる方向から常に同じ又はほぼ同じ光量により照明することが可能となる。そうすると、粒状体群を照明する照明光量は受光手段の計測対象となる粒状体の外周面のどの領域においても同じ又は同じであるから、受光手段にて光量を計測するときに、受光手段が、前記単位受光対象範囲として、粒状体における移送方向上手側の箇所を計測している場合であっても、移送方向下手側の箇所を計測している場合であっても、受光する光量には差が出ないことになる。その結果、例えば、受光手段における前記単位受光対象範囲が対象物の移送方向上手側を対象とする場合と移送方向下手側を対象とする場合との夫々に対応させて互いに異なった判定基準を設定する等、評価選別手段の処理構成を複雑にしなくても、受光手段にて計測される受光量に基づいて適正に評価選別することが可能となる。
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成に加えて、前記前面側受光装置を保持する保持具が、前記前面側受光装置を前記前面側収納用ケーシングに支持する支持具に経路横幅方向に沿う軸芯周りで回動及び固定自在に支持され、前記後面側受光装置を保持する保持具が、前記後面側受光装置を前記後面側収納用ケーシングに支持する支持具に経路横幅方向に沿う軸芯周りで回動及び固定自在に支持されている点にある。
以下、本発明に係る粒状体選別装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、前記粒状体選別装置には、広幅の板状のシュータ1が水平面に対して所定角度に傾斜されて設置され、このシュータ1の上部側に設けた貯留タンク2から振動フィーダ3によって搬送されて供給される外周面が曲面である粒状体群としての米粒群kが、シュータ1の上面を一層状態で経路横幅方向に沿って複数列状に並ぶ横拡がり状態で流下案内される構成となっている(図3参照)。尚、図3は動作説明図であるため、図1、図2とは装置構成の配置が異なる箇所がある。上記シュータ1は、幅方向全幅に亘って平坦な案内面に形成された平面シュータである。尚、ここでは、一層状態で移送させることを目的としているので、流れ状態により部分的に粒が重なって二層状態等になっても、一層状態の概念に含まれる。
貯留タンク2には、外部の精米機等から供給される米粒群kや、その外部からの米粒群kを1次選別処理した後再選別される正常物又は不良物が貯留される。貯留タンク2から振動フィーダ3上に落下した米粒群kのシュータ1への供給量は、振動フィーダ3の振動による米粒群kの搬送速度を変化させて調節される。そして、図2に示すように、米粒群kがシュータ1の下端部から移動落下する予定移送経路IK中に米粒群kに対する計測対象領域Jが設定されている。又、米粒群kは一層状態で且つ経路横幅方向に沿って複数列状に並ぶ横拡がり状態で計測対象領域Jを通過するように移送される構成となっている。従って、振動フィーダ3及びシュータ1により、外周面が曲面である粒状体群を計測対象領域を通過させながら一層状態で且つ経路横幅方向に沿って複数列状に並ぶ横拡がり状態で移送する対象物移送手段TIが構成されている。
又、前記計測対象領域Jにおける前記経路横幅方向での全幅又はほぼ全幅を照明する照明手段4が設けられている。詳述すると、前記照明手段4として、予定移送経路IKの装置前面側(図1において左側)に位置する前面側照明手段4Bと、装置後面側(図1において右側)に位置する後面側照明手段4Aとが設けられ、前面側照明手段4B及び後面側照明手段4Aは、夫々、前記計測対象領域Jの前記経路横幅方向に沿う方向視において、受光手段5が前記検出光を受光するときの光軸OLに対して粒状体移送方向の上手側及び下手側の夫々に照明部S1,S2が設けられ、それらの照明部S1,S2により前記計測対象領域Jを照明する構成となっている。
以下、照明手段4の具体的な構成について説明する。
先ず、後面側照明手段4Aについて説明する。この後面側照明手段4Aは、図5にも示すように、予定移送経路IKの装置前面側において、前記計測対象領域Jを経路横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって直接照明する2本の円柱状の蛍光灯を並べて構成されるライン状光源41Aと、そのライン状光源41Aが発した光を反射してその反射した光によりライン状光源41Aによる照明方向とは異なる照明方向から計測対象領域Jを経路横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって照明する光反射体42Aとを備えて、互いに異なる複数の照明方向から夫々計測対象領域Jを照明するように構成されている。
従って、前記粒状体移送方向の上手側に設けられる照明部S1及び前記粒状体移送方向の下手側に設けられる照明部S2のうちの一方、すなわち、前記粒状体移送方向の上手側に設けられる照明部S1が、前記計測対象領域を前記経路横幅方向での全幅又はほぼ全幅にわたって直接照明するライン状光源41Aにて構成され、前記各照明部S1,S2のうちの他方、すなわち、前記粒状体移送方向の下手側に設けられる照明部S2が、前記のライン状光源41Aが発した光を反射してその反射した光により前記ライン状光源41Aによる照明方向とは異なる照明方向から前記計測対象領域を経路横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたって照明する光反射体42Aにて構成されている。
粒状体群としての米粒群の外周部は断面形状が略円形状又は略楕円形状であり、外周面が曲面となるものであるが、計測対象領域Jに位置している米粒群に対して、上述したように互いに異なる方向から夫々照明することで、照明ムラの少ない極力均一な状態で良好に照明できるようにしている。
前記ライン状光源41Aには、その背部側及び一部側方箇所を覆う状態で内面につや消しの白色塗装を施した曲面状の拡散反射板43が配置されている。そして、前記光反射体42Aは、米粒移送方向に対して幅狭でありライン状光源41Aの長手方向に沿って長尺の矩形状に構成され、反射面が鏡面にて構成されている。尚、ライン状光源41A及び光反射体42Aを装置に組付ける際には、前記計測対象領域Jにおいて、ライン状光源41Aにより照明される光量と光反射体42Aにて照明される光量とが同じ又はほぼ同じになるように、計測対象領域Jに対するライン状光源41Aの傾斜角度を適切な角度になるように調整を行った後に位置固定で組み付けることになる。因みに、この実施形態では、光反射体42Aは後述するような背景光量調整部8と共通な支持ブラケット44に支持される構成となっている。
図2に示すように、ライン状光源41Aを上方側すなわち米粒群の移送方向の上手側に位置し、光反射体42Aを下方側すなわち米粒群の移送方向の下手側に位置させて設けるようにしているので、後述する如く計測対象領域Jよりも移送方向下手側に不良物分離用のエアー吹き付け装置6を設ける場合に、設置スペースをできるだけ広くして光反射体42Aに干渉することなく良好に設置することが可能な構成となっている。
図2に示すように、前記前面側照明手段4Bは、前記後面側照明手段4Aと同様に、前記計測対象領域Jに位置する米粒群kの移送方向上手側に位置する上手側外面部分を直接照明する2本の円柱状の蛍光灯を並べて構成されるライン状光源41Bと、そのライン状光源41Bが発した光を反射して、その反射した光により計測対象領域Jに位置する米粒群の移送方向下手側に位置する下手側外面部分を照明する光反射体42Bとを備えて構成されるが、各部材の配置構成が計測対象領域Jを中心として前後で対称な配置関係となるだけで、それ以外は後面側照明手段4Aと同じであるから詳細な説明は省略する。
前面側照明手段4Bからの照明光が上記計測対象領域Jの前面側で反射した反射光を受光する前面側受光装置5Bと、後面側照明手段4Aからの照明光が計測対象領域Jの後面側で反射した反射光を受光する後面側受光装置5Aとが設けられ、この両受光装置5A,5Bにて、上記計測対象領域Jからの光を受光する受光手段5が構成されている。
前記各受光装置5A,5Bは、前記幅広の計測対象領域Jからの光を受光する複数個の受光素子5aを計測対象領域Jの幅方向に沿って並置させる状態で備えて、米粒の大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で計測対象領域Jからの検出光を受光するように構成されている。つまり、図6及び図8に示すように、前記各受光装置5A,5Bは、前記米粒群の各米粒の大きさよりも小さい範囲p(例えば米粒の大きさの10分の1よりも小さい範囲)を夫々の受光対象範囲とする複数個の受光素子5aを前記幅広の計測対象領域Jに対応させてライン状に並ぶ状態で並置されたモノクロタイプのCCDセンサ部50と、設定視野角の範囲内より入射される光を集光させて複数の受光素子に導く集光手段として機能する集光レンズ51a(図16参照)を備えた光学系51とから構成されている。そして、各受光装置5A,5Bは、後述するように、計測対象領域Jの経路横幅方向の全幅又はほぼ全幅にわたり計測対象領域Jに位置する米粒群kの像をCCDセンサ部50の各受光素子5a上に結像させる状態で設けられ、例えば図8において計測対象領域Jの右端側から左端側に向けて各受光素子5aから各受光情報が順次取り出されるように構成される。
前記各受光装置5A,5Bから計測対象領域Jを見たときに計測対象領域Jの背景に相当する箇所に、前記各受光装置5A,5Bに向けて光を投射する背景光量調整部8が設けられている。この背景光量調整部8は、図4に示すように、計測対象領域Jの横幅方向に沿って密状態で並べて設置される複数のLED発光素子80と、それらの複数のLED発光素子80が設置される領域の光投射側に配置されて複数のLED発光素子80が発光した光を拡散させる拡散板81とを備えて構成されている。そして、ケーシング83の内部に、複数のLED発光素子80が設置されたLED基板82が放熱板84に貼り付ける状態で取り付けられている。そして、図7に示すように、複数のLED発光素子80の発光出力を変更調整自在な調光装置85が備えられ、この調光装置85は、後述する制御装置24からの制御指令に基づいてLED発光素子80の発光出力を変更調整するように構成されている。
尚、この変更調節は手動設定にて行う構成となっているが、受光手段5の計測結果に基づいて、計測対象となる粒状体の種類の違い等に応じて制御装置24からの指令に基づいて光量を自動調整する構成としてもよい。
そして、予定移送経路IKの装置前面側及び装置後面側の夫々において、前記計測対象領域の像を縮小した像を受光手段5が受光するように、前記計測対象領域からの光を前記受光手段5における光軸方向に折り返して前記受光手段5に導く光反射式の折り曲げ光路形成手段9が備えられている。
次に、予定移送経路IKの装置後面側に位置する折り曲げ光路形成手段9について、第1の反射体10、第2の反射体11、及び、受光装置5Aの支持構造について具体的に説明する。
すなわち、前記折り曲げ光路形成手段9は、計測対象領域Jからの光を反射する第1の反射体10と、その第1の反射体10にて反射した光を反射する第2の反射体11とを備えて構成され、且つ、前記第1の反射体10及び第2の反射体11の夫々が光反射面を平面状に形成して構成され、しかも、各反射体10、11はその光反射面10a,11aが鏡面にて構成されており、略長方形の板状に形成されている。
図5、図6に示すように、収納用ケーシング13の左右側壁13Sにわたって略コの字形に屈曲した支持ステー14が架設される状態で設けられ、この支持ステー14に対して、その長手方向の中央部付近にて前記各反射体10、11並びに前記受光装置5Aが支持される構成となっている。つまり、支持ステー14から固定延設した支持ブラケット15を介して前記第1の反射体10が取り付け支持されている。前面側収納用ケーシング13Fに設けられた第1の反射体10は、前面側収納用ケーシング13Fの前壁13FAの下部内面側に隣接する状態で配備され、後面側収納用ケーシング13Rに設けられた第1の反射体10は、後面側収納用ケーシング13Rの後壁13RAの下部内面側に隣接する状態で配備されている。そして、その第1の反射体10は、前記支持ブラケット15に対して前記経路横幅方向に沿う横軸芯X1周りで回動自在に支持され、且つ、複数の調節ネジ16を反射体10に当て付けた状態で締め付けることで第1の反射体10を位置固定することが可能であり、しかも、各調節ネジ16を回動させて位置を変更させることで第1の反射体10の前記軸芯X1周りでの傾斜角度を変更調節並びに固定自在に構成されている。
又、第2の反射体11と受光装置5Aとは、支持具17により一体的に組み付けた状態で、前記支持ステー14に固定装着する構成となっている。すなわち、前記支持具17は、底板17aと、その底板17aの左右両側側から固定立設した左右の支持板17bとにより構成され、左右の支持板17bは支持ステー14に対する取り付け箇所から計測対象領域J側に向けて延設させる構成となっており、その延設方向の先端部付近において、左右の支持板17bにわたって第2の反射体11を架け渡す状態で取り付ける構成としている。又、この第2の反射体11は、第1の反射体10と同様に、前記経路横幅方向に沿う軸芯X2周りで回動自在に左右の支持板17bに支持されており、複数の調節ネジ18を第2の反射体11に当て付けた状態で締め付けることで第2の反射体11を位置固定することが可能であり、しかも、各調節ネジ18を回動させて位置を変更させることで第2の反射体11の前記軸芯X2周りでの傾斜角度を変更調節並びに固定自在に構成されている。
又、受光装置5Aを保持する受光装置保持具19を、前記左右の支持板17bにて前記経路横幅方向に沿う軸芯X3周りで回動自在に枢支する構成となっており、前記左右の支持板17bにおける前記軸芯X3の上下両側に位置する箇所に夫々設けられた調節ネジ20を受光装置保持具19に当て付けた状態で締め付けることで受光装置保持具19すなわち受光装置5Aを位置固定することが可能であり、しかも、各調節ネジ20を回動させて位置を変更させることで受光装置5Aの前記軸芯X3周りでの傾斜角度を変更調節並びに固定自在に構成されている。尚、前記支持ステー14における前記受光装置5Aが位置する箇所には、受光装置保持具19の回動を許容するための開口14Aが形成されている。
上記構成により、図15に示すように、前記計測対象領域Jの像を縮小した像を受光手段5が受光するように、計測対象領域Jからの光を受光手段5における光軸方向(図のラインOLに沿う方向)に折り返して受光手段5に導く折り曲げ光路形成手段9が構成される。尚、予定移送経路IKの装置前面側に位置する折り曲げ光路形成手段9についても同様な構成であり、配置構成が前後で対称となるだけでそれ以外は同じ構成であるから説明は省略する。
図2に示すように、前面側照明手段4B、前面側受光装置5B、前面側の背景光量調整部8、前面側の折り曲げ光路形成手段9の夫々が前面側収納用ケーシング13Fに収納され、後面側照明手段4A、後面側受光装置5A、後面側の背景光量調整部8、後面側の折り曲げ光路形成手段9の夫々が後面側収納用ケーシング13Rに収納されており、両収納ケーシング13は側板が共通の一体の箱体に形成され、各収納ケーシング13は、計測対象領域Jに面する側に板状の透明なガラスからなる透過窓13A,13Bを備えている。
予定移送経路IKの前記計測対象領域Jから経路下手側の分離箇所において、計測対象領域Jでの受光情報に基づいて不良と判定された米粒や異物等の不良物に対してエアーを吹き付けて正常な米粒群kの移動方向から分離させるためのエアー吹き付け装置6が設けられ、このエアー吹き付け装置6は、噴射ノズル6aの複数個を、上記予定移送経路IKの全幅を所定幅で複数個の区画に分割形成した各区画に対応する状態で並置させ、不良物が存在する区画の噴射ノズル6aが作動されるように構成されている。従って、前記エアー吹き付け装置6が、前記分離箇所に移送された粒状体群のうちの正常物と不良物とを異なる経路に分離させる分離手段を構成することになる。尚、このエアー吹き付け装置6は、詳述はしないが、不良物が存在する区画の噴射ノズル6aが作動させるように、エアー状態を変更調節するエアー噴出状態を切り換え操作するエアー切り換えバルブが一体的に備えられる構成となっている。
そして、シュータ1の下端部から所定経路に沿って流下する米粒群kのうちで、前記噴射ノズル6aからのエアーの吹き付けを受けずにそのまま進行してくる正常な米粒kを回収する良米用の受口部21と、エアーの吹き付けを受けて正常な米粒kの流れから横方向に分離した着色米や胴割れ米等の不良米又は石やガラス片等の異物を回収する不良物用の受口部22とが設けられ、良米用の受口部21が横幅方向に細長い筒状に形成され、その良米用の受口部21の周囲を囲むように、不良物用の受口部22が形成されている。尚、良米用の受口部21にて回収された米粒k、及び、不良物用の受口部22にて回収された不良物は、再選別等のために、本装置の貯留タンク2又は他の選別装置に搬送される。
図1に示すように、表側の上部斜め部分に情報の表示及び入力用の操作卓23が設置され、又、装置外面を覆うカバーKが機枠に取り付けられている。
次に制御構成について説明する。図7に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置24が設けられ、この制御装置24に、両受光装置5A,5Bからの各画像信号と、操作卓23からの操作情報とが入力されている。一方、制御装置24からは、前記ライン状光源41A,41Bを点灯させる点灯回路25に対する駆動信号と、各噴射ノズル6aへの各エアー供給をオンオフする複数個の電磁弁26に対する駆動信号と、前記振動フィーダ用振動発生器3Aに対する駆動信号と、前記調光装置85への制御指令用の信号とが出力されている。
そして、上記制御装置24を利用して、前記各受光装置5A,5Bの受光量を設定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした受光量の光量値が米粒群における正常物からの検出光に対する適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れているか否かの判別を行う評価手段の一例としての判別処理手段100が構成されている。具体的には、この判別処理手段100は、前面側の受光装置5Bの各受光素子5aの受光量を設定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が各受光素子5a毎に設定された適正光量範囲ΔE2を外れているか否かの判別を各受光素子5a毎に行うとともに、後面側の受光装置5Aの各受光素子5aの受光量を設定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が各受光素子5a毎に設定された適正光量範囲ΔE1を外れているか否かの判別を各受光素子5a毎に行い、上記両判別においていずれかの受光素子5aの受光量が適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れている場合に不良物の存在を検出する。
又、上記判別処理手段100は、各受光装置5A,5Bの各受光素子5a毎に、前記サンプリングにより得られた設定個数の受光量データについて、暗側から明側に亘る間を複数段階に区分けした各光量値に対する度数分布(ヒストグラムともいう)を求めて、その度数分布に基づいて前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2を設定するように構成されている。具体的には、照明手段4からの照明光量が十分に安定した状態で、先ず、米粒群kを流さずに前記背景光量調整部8からの光を受光して、その受光量が検査を行なうのに十分な光量であることを確認する。次に、米粒群kを流しながら、各受光装置5A,5Bの各受光素子5aについて設定個数の受光量データをサンプリングし、その受光量データを256段階のデジタル値に変換する。尚、この場合において、前記エアー吹き付け装置6は作動させない。
そして、図9(イ)に示すように、判別処理手段100は、前記度数分布hgにおいて暗側から明側に亘って各光量値に対する度数値が連続して存在する連続領域(図において斜線で示す)の上端部の近傍位置に対応させて上側光量値TH1を設定するとともに、その上側光量値TH1から明側に設定光量K1離れた位置に前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1を設定し、且つ、前記連続領域の下端部の近傍位置に対応させて下側光量値TH2を設定するとともに、その下側光量値TH2から暗側に設定光量K2離れた位置に前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の下限値T2を設定するように構成されている。尚、上記上側光量値TH1及び下側光量値TH2の設定については後述する。又、上記各設定光量K1,K2は制御定数として予め設定されている。
さらに、図9(イ)〜(ハ)に示すように、上記判別処理手段100は、前記サンプリングによって設定時間ごとに得られる設定個数の受光量データの中に、前記上側光量値TH1よりも明るい光量値が含まれているときは、前記上側光量値TH1を明側に設定量移動させる一方、前記設定個数の受光量データの中に前記上側光量値TH1よりも明るい光量値が含まれていないときは、前記上側光量値TH1を暗側に設定量移動させ、且つ、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値TH2よりも暗い光量値が含まれているときは、前記下側光量値TH2を暗側に設定量移動させる一方、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値TH2よりも暗い光量値が含まれていないときは、前記下側光量値TH2を明側に設定量移動させる補正処理を設定時間ごとに実行する。
尚、上記設定量としては、前記256段階の受光量データにおける1段階とし、前記各設定光量K1,K2の値はこの設定値よりも大きな値に設定されている。そして、図9の(イ)では、サンプリングにより得られた設定個数の受光量データの中に上側光量値TH1よりも明るい光量値が含まれているので、上側光量値TH1を明側に1段階移動させ、一方、下側光量値TH2よりも暗い光量値は含まれていないので、下側光量値TH2を明側に1段階移動させて、下側光量値TH2がちょうど連続領域の下端部に位置した状態を示す。
図9(ロ)では、(イ)の後に、サンプリングにより得られた設定個数の受光量データの中に、上側光量値TH1よりも明るい光量値及び下側光量値TH2よりも暗い光量値が共に含まれていないので、上側光量値TH1を暗側に1段階移動させ、下側光量値TH2を明側に1段階移動させている。
図9(ハ)では、(ロ)の後に、サンプリングにより得られた設定個数の受光量データの中に、上側光量値TH1よりも明るい光量値が含まれていないので、上側光量値TH1を暗側に1段階移動させる一方、下側光量値TH2よりも暗い光量値が含まれているので、下側光量値TH2を暗側に1段階移動させている。
以下、同様な補正処理を行なうことにより、上側光量値TH1は上記連続領域の上端部もしくはその付近に固定され、下側光量値TH2は上記連続領域の下端部もしくはその付近に固定されることになる。
さらに、図10に示すように、上記判別処理手段100は、前記連続領域の上端部に対応する上端光量値U1と前記連続領域の下端部に対応する下端光量値D1との光量値の差U1−D1が設定値HKよりも大きい場合には、前記補正処理を実行し、上端光量値U1と下端光量値D1との光量値の差U1−D1が設定値HKよりも小さい場合には、前記補正処理を停止するように構成されている。
つまり、上記設定値HKは、米粒群が計測対象領域Jを通過しているときは、図10に一点鎖線で示すように上記光量値の差U1−D1が設定値HKより大きくなるように設定され、米粒群が計測対象領域Jを通過していないときは、図10に実線で示すように、前記反射板8A,8Bからの反射光のみを受光するために、その受光量データの度数分布hgの連続領域の幅が狭くなるのに対応させて、その上端光量値UHと下端光量値DHとの光量値の差UH−DHが設定値HKよりも小さくなるように設定されている。
従って、米粒群が計測対象領域Jを通過しているときは、前記補正処理が実行されて適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1及び下限値T2が逐次修正されるが、米粒群が計測対象領域Jを通過していないときは、前記補正処理の実行が停止されて、直前に米粒群が計測対象領域Jを通過していたときの適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1及び下限値T2の値が保持されることになる。
そして、上記のように各ラインセンサ5A,5Bの各受光素子5a毎に、設定及び補正される前面側及び後面側の適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1及び下限値T2の値は、図11に示すように、前記制御装置24内のメモリLUT(前面側用及び後面側用のLUT)に、不良検出処理用のルックアップテーブルとして記憶される。
即ち、位置データi(i=0〜〔受光素子の数−1〕)で表した各受光素子5a毎に、センサ出力電圧をとり得る全ての光量値j(前記256段階の光量値)の範囲で変化させながら、その各値jが前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2内であれば、メモリLUTの該当番地(i,j)に判定出力として「0」を記憶させ、適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れていれば、メモリLUTの該当番地(i,j)に判定出力として「1」を記憶させる。そして、前記判別を行うときは、上記作成したメモリLUTに対して、各ラインセンサ5A,5Bの受光素子5aの位置データi(i=0〜〔受光素子の数−1〕)と、その位置iでの各受光素子5aの光量値jとを入力すると、その各受光素子5aについて、正常物のときは判定出力「0」が、不良物のときは判定出力「1」が夫々出力されるので、それに基づいて前記判別を行う。
各受光装置5A,5Bの受光出力における不良物の判別について図12に例示する。図12において、e0は、正常な米粒からの標準的な反射光に対する出力電圧レベルであり、受光素子5aの出力電圧が適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも小さい場合e1,e2では、正常な米粒よりも光の反射率が小さい不良の米粒等の存在を判別し、適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも大きい場合e3では、正常な米粒よりも反射率が大きい異物の存在を判別する。
そして、制御装置24は、計測対象領域Jを通過した米粒群kのうちで、不良物の存在が判別された場合には、計測対象領域Jから噴射ノズル6aの噴射位置に米粒群kが搬送されるのに要する時間間隔が経過するに伴って、不良物に対してその位置に対応する区画の各噴射ノズル6aからエアーを吹き付けて正常な米粒の経路から分離させるべくエアー吹き付け装置6を作動させて、正常な米粒は良米用の受口部21に回収し、不良米又は石やガラス片等の異物を不良物用の受口部22に回収する。従って、この実施形態においては、制御装置24により構成される判別処理手段100により、前記受光手段の受光情報に基づいて、前記計測対象領域における複数の単位受光対象範囲に相当する複数の単位受光範囲毎に受光量を評価する評価手段が構成される。
次に、図13及び図14に示すフローチャートに基づいて、適正光量範囲の設定処理及び適正光量範囲の補正処理について説明する。
前記適正光量範囲の設定処理では、装置の電源をオンした後、先ず、前記計測対象領域Jに米粒を供給しない状態で、各受光素子5a毎に、前記各反射板8A,8Bからの反射光について設定個数の受光量データをサンプリングして、その受光量データの平均値Taを各受光素子5a毎に求める。尚、このときに、各受光素子5a毎の受光量データの平均値Taに基づいて、各背景光量調整部8からの受光量が検査を行なうのに十分な光量であることを確認する。
次に、前記計測対象領域Jへの米粒の供給を開始した状態で、上記と同様に、各受光素子5a毎に、前記計測対象領域Jからの光について設定個数の受光量データをサンプリングし、サンプリングが終了すると、計測対象領域Jへの米粒の供給を停止する。そして、各受光素子5a毎に、上記受光量データの最大光量値Tmaxと最小光量値Tminを求めるとともに、前記平均値Taとの上側偏差ΔT1(Tmax−Ta)及び下側偏差ΔT2(Ta−Tmin)を求め、それら受光素子の個数分の上側偏差ΔT1及び下側偏差ΔT2のうちで、極端に大きい値のものを除去するために、上側偏差ΔT1及び下側偏差ΔT2の夫々において、大きい方からn番目(例えば10番目)のものを選ぶ。
次に、上記選んだ上側偏差ΔT1を前記平均値Taに加算して上側設定値TH1を求め、さらに、その上側設定値TH1に設定値K1を加算して前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1を求める処理、及び、上記選んだ下側偏差ΔT2を前記平均値Taから引算して下側設定値TH2を求め、さらに、その下側設定値TH2から設定値K2を引算して前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の下限値T2を求める処理を、各受光素子5a毎に行い、最後に、設定された上限値T1及び下限値T2のデータに基づいて、前記メモリLUTを作成する。
前記適正光量範囲の補正処理では、前記計測対象領域Jに米粒を供給して、各受光素子5aの受光量が適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れているか否かの判別を行っている状態で、各受光素子5a毎に、設定時間(例えば、数秒から数10秒)ごとに設定個数の受光量データをサンプリングして、そのサンプリングした受光量データについて前記度数分布を作成する。次に、その度数分布における連続領域の上端光量値U1と下端光量値D1との光量値の差U1−D1が設定値HKよりも大きいか否を判断して、その光量値の差U1−D1が設定値HKよりも大きくない場合には以下の処理は行わない。
上記光量値の差U1−D1が設定値HKよりも大きい場合には、先ず、上記度数分布において、現在の上側設定値TH1よりも明るい光量値データが存在する場合には、その上側設定値TH1の値を1増加させ、現在の上側設定値TH1よりも明るい光量値データが存在しない場合には、その上側設定値TH1の値を1減少させる。次に、上記度数分布において、現在の下側設定値TH2よりも暗い光量値データが存在する場合には、その下側設定値TH2の値を1減少させ、現在の下側設定値TH2よりも暗い光量値データが存在しない場合には、その下側設定値TH2の値を1増加させる。
最後に、上側設定値TH1及び下側設定値TH2の変更に応じて適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1及び下限値T2を変更し、この変更された上限値T1及び下限値T2のデータに基づいて、前記メモリLUTの内容を修正する。
そして、制御装置24は、不良の判別情報に基づいて、前記両受光装置5A,5Bの計測対象領域Jに移送した米粒群kのうちで、米粒の不良又は異物の存在が判別された場合には、計測対象領域Jから噴射ノズル6aによるエアー噴射位置までの移送時間が経過するに伴って、流下している不良の米粒又は異物に対して、その位置に対応する区画の各噴射ノズル6aからエアーを吹き付けて正常な米粒の経路から分離させる。
〔別実施形態〕
次に、粉粒体検査装置の別実施形態について説明する。
(1)上記実施形態では、前記第1の反射体及び第2の反射体の夫々を、調節ネジにより傾斜角度を変更調整可能に構成するものを示したが、このような角度調節手段を備えることなく位置固定状態で備える構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、前記評価手段が、前記受光手段にて計測される光の受光量に基づいて粒状体を評価するにあたって、前記受光手段にて計測される光の受光量が適正光量範囲を外れていなければ正常物と判別し、受光量が適正光量範囲を外れていると異常物として判別するように構成したが、このような構成に限らず、例えば、粒状体の大きさを評価して小さい粒状体と大きい粒状体とを選別するように構成するものでもよい。
(3)上記実施形態では、前記照明手段としての前面側照明手段4Bと後面側照明手段4Aとの夫々が、前記計測対象領域を直接照明するライン状光源と、そのライン状光源が発した光を反射して前記計測対象領域を前記ライン状光源の照明方向と異なる方向から照明する照明用の光反射体とを備えて構成されるものを例示したが、このような照明用の光反射体を設けるものではなく、例えば複数のライン状光源を備えて、それら複数のライン状光源により計測対象領域を互いに異なる方向から照明する構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、前記対象物移送手段として、経路横幅方向の全幅にわたって平坦な案内面に形成された平面シュータを備えて構成されるものを例示したが、このような構成に限らず、例えば直線状の溝を経路横幅方向に沿って複数列に並べる状態で形成した溝付きシュータにて構成して、それらの複数列の溝により粒状体群を移送するような構成としてもよい。
(5)上記実施形態では、受光手段として、モノクロタイプのCCDセンサ以外に、撮像管式のテレビカメラでもよい。又、モノクロタイプではなく、カラータイプのCCDセンサにて構成して、例えば、色情報R,G,B毎の受光量から不良米や異物の存否をさらに精度良く判別してもよい。
(6)上記実施形態では、分離手段が、不良物に対してエアーを吹き付けて、正常物と異なる経路に分離させるようにしたが、これに限るものではなく、例えば不良物をエアーで吸引して分離させるようにしたり、機械的な接当作用により分離させるようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、粒状体群が米粒群である場合について例示したが、これに限るものではなく、例えば、樹脂ペレット等における不良物や異物の存否を検査する場合にも適用できる。
粉粒体検査装置の全体側面図 同要部側面図 同要部斜視図 背景光量調整部の構成を示す図 折れ曲がり光路形成手段の構成を示す図 折れ曲がり光路形成手段の構成を示す図 制御構成のブロック図 受光手段の受光状態を示す図 適正光量範囲の設定及び補正処理を説明するグラフ 適正光量範囲の補正処理を説明するグラフ 不良判別用のメモリのブロック図 ラインセンサの受光出力電圧の波形図 制御作動のフローチャート 制御作動のフローチャート 折れ曲がり光路形成手段の概略構成を示す図 受光手段の受光状態を示す説明図 本発明の課題を説明するための図
4 照明手段
4A 後面側照明手段
4B 前面側照明手段
5 受光手段
5A 後面側受光装置
5B 前面側受光装置
6 分離手段
8 背景光量調整部
10 第1の反射体(前面側光反射体,後面側光反射体)
10a 反射面
11 第2の反射体(第2前面側光反射体,第2後面側光反射体)
11a 反射面
13 収納用ケーシング
13F 前面側収納用ケーシング
13FA 前壁
13R 後面側収納用ケーシング
13RA 後壁
13S 側壁
17 支持具
19 保持具
41A,41B ライン状光源(上手側の照明部)
42A,42B 照明用の光反射体(下手側の照明部)
44 支持ブラケット
100 評価手段
TI 対象物移送手段
X3 軸芯

Claims (4)

  1. 粒状体群を計測対象領域を通過させながら一層状態で且つ経路横幅方向に沿って複数列状に並ぶ横拡がり状態で移送する対象物移送手段と、
    粒状体の大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で、且つ、前記経路横幅方向に広がる視野角を有する状態で、前記計測対象領域からの光を受光する受光手段と、
    前記計測対象領域の前記経路横幅方向の全幅又はほぼ全幅を照明する照明手段と、
    前記受光手段の受光情報に基づいて、前記計測対象領域における複数の単位受光対象範囲に相当する複数の単位受光範囲毎に受光量を評価する評価手段とが設けられた粒状体選別装置であって、
    前記照明手段として、粒状体群の予定移送経路の装置前面側に位置する前面側照明手段と、粒状体群の予定移送経路の装置後面側に位置する後面側照明手段とが設けられ、前記受光手段として、前記前面側照明手段からの照明光が前記計測対象領域の前面側で反射した反射光を受光する前面側受光装置と、前記後面側照明手段からの照明光が前記計測対象領域の後面側で反射した反射光を受光する後面側受光装置とが設けられ、
    前記前面側照明手段には、前記計測対象領域の経路横幅方向に沿う方向視において、前記前面側受光装置が検出光を受光するときの光軸に対して粒状体移送方向の上手側及び下手側の夫々に照明部が設けられ、前記後面側照明手段には、前記計測対象領域の経路横幅方向に沿う方向視において、前記後面側受光装置が検出光を受光するときの光軸に対して粒状体移送方向の上手側及び下手側の夫々に照明部が設けられ、
    前記前面側受光装置が検出光を受光するときの光軸よりも下側で且つ前記前面側照明手段の下手側の照明部の上側箇所に、前記計測対象領域に向けて自ら発光した光を投射する後面側用背景光量調整部が配備され、前記後面側受光装置が検出光を受光するときの光軸よりも下側で且つ前記後面側照明手段の下手側の照明部の上側箇所に、前記計測対象領域に向けて自ら発光した光を投射する前面側用背景光量調整部が配備され、
    前記計測対象領域の像を縮小した像を前記前面側受光装置が受光するように前記計測対象領域からの光を反射して上方に位置する前記前面側受光装置側に折り曲げるもので且つ左右に横長の長方形の板状に形成された前面側光反射体を、前記前面側用背景光量調整部から前記計測対象領域に向けて投射された光の光軸の延長線上に位置し且つ前面側収納用ケーシングの前壁の下部内面側に隣接する状態で配備し、前記計測対象領域の像を縮小した像を前記後面側受光装置が受光するように前記計測対象領域からの光を反射して上方に位置する前記後面側受光装置側に折り曲げるもので且つ左右に横長の長方形の板状に形成された後面側光反射体を、前記後面側用背景光量調整部から前記計測対象領域に向けて投射された光の光軸の延長線上に位置し且つ後面側収納用ケーシングの後壁の下部内面側に隣接する状態で配備し、
    前記前面側照明手段の下手側の照明部と前記後面側用背景光量調整部とが、前記前面側収納用ケーシングの左右側壁の間において左右方向に設けられた共通の支持ブラケットに支持され、前記後面側照明手段の下手側の照明部と前記前面側用背景光量調整部とが、前記後面側収納用ケーシングの左右側壁の間において左右方向に設けられた共通の支持ブラケットに支持されている粒状体選別装置。
  2. 前記前面側光反射体にて反射した光を反射して前記前面側受光装置に導く第2前面側光反射体と、前記後面側光反射体にて反射した光を反射して前記後面側受光装置に導く第2後面側光反射体とを備え、且つ、前記前面側光反射体、前記後面側光反射体、前記第2前面側光反射体及び前記第2後面側光反射体の夫々が光反射面を平面状に形成して構成されている請求項1記載の粒状体選別装置。
  3. 前記評価手段が、前記受光手段にて受光する光の受光量が適正光量範囲を外れていなければ正常物として評価し、前記受光量が適正光量範囲を外れていると異常物として評価するように構成され、
    前記評価手段の評価結果に基づいて、前記計測対象領域よりも前記対象物移送手段による粒状体移送方向下手側箇所において、前記正常物として評価された粒状体と前記異常物として評価された粒状体とを異なる移送経路に分離して選別する分離手段が備えられ、
    前記前面側照明手段の上手側の照明部が前記計測対象領域を直接照明するライン状光源にて構成され、且つ、前記前面側照明手段の下手側の照明部が前記前面側照明手段の上手側の照明部が発した光を反射してその反射した光により前記計測対象領域を照明する光反射体にて構成され、さらに、前記後面側照明手段の上手側の照明部が前記計測対象領域を直接照明するライン状光源にて構成され、且つ、前記後面側照明手段の下手側の照明部が前記後面側照明手段の上手側の照明部が発した光を反射してその反射した光により前記計測対象領域を照明する光反射体にて構成されている請求項1又は2記載の粒状体選別装置。
  4. 前記前面側受光装置を保持する保持具が、前記前面側受光装置を前記前面側収納用ケーシングに支持する支持具に経路横幅方向に沿う軸芯周りで回動及び固定自在に支持され、前記後面側受光装置を保持する保持具が、前記後面側受光装置を前記後面側収納用ケーシングに支持する支持具に経路横幅方向に沿う軸芯周りで回動及び固定自在に支持されている請求項1〜のいずれか1項に記載の粒状体選別装置。
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