JP4338284B2 - 粉粒体検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検査対象物としての粉粒体群を、検出箇所を一層状態で通過させるように順次搬送する粉粒体群搬送手段と、前記検出箇所を照明する照明手段と、前記検出箇所からの光を受光する受光手段と、前記受光手段の受光方向であって前記検出箇所の背部側箇所に配置されて、前記粉粒体群における正常物からの検出光と同一又は略同一の明るさの光を前記受光手段に向けて投射する投射部材と、前記受光手段の受光量を設定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした受光量の光量値が前記粉粒体群における正常物からの検出光に対する適正光量範囲を外れているか否かの判別を行う判別手段とが設けられている粉粒体検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記粉粒体検査装置では、例えば平面式のシュータ等の粉粒体群搬送手段によって、検査対象の粉粒体群を横幅方向に広げた状態でその横幅方向に沿って幅広に形成された検出箇所を一層状態で通過させるように順次搬送しながら、蛍光灯等の照明手段にて照明された上記検出箇所からの光、即ち、照明光が粉粒体群で反射された反射光や粉粒体群を透過した透過光、及び、検出箇所の背部側箇所に設けた反射板や透過板等の投射部材から投射される粉粒体群における正常物からの検出光と同一又は略同一の明るさの光を、上記検出箇所の幅方向に沿って複数個の受光部を並置させたCCDラインセンサ等の受光手段にて受光し、その複数個の受光部の各受光量の光量値が粉粒体群における正常物からの検出光に対する適正光量範囲を外れている否かを判別するようにしている。尚、この判別によって、適正光量範囲を外れているとして存在が検出された不良物は、上記検出箇所よりも下手側に搬送されて、例えば板ばねにて弾き飛ばされたり、噴出ノズルからエアーを吹き付けられる等して、正常物と分離される。
【0003】
そして、従来では、例えば特許第2923455号公報に示されるように、前記適正光量範囲(この公報では、閾値という)を設定する場合に、粉粒体群を検出箇所に搬送しない状態で投射部材(裏面側を蛍光灯で照明された透過板)及び上記検出箇所の横側部に設けた基準部材を撮像したCCDラインセンサの受光情報に基づいて前記適正光量範囲を設定するようにしていた。具体的には、CCDラインセンサの各受光部について上記透過板からの受光量によりシェーディング係数を求めるとともに、その複数個の受光部の受光量のうちの最大値と、上記基準部材からの受光量との比較割合を予め求めておき、実際に上記閾値を設定する場合には、そのときの上記基準部材からの受光量と上記比較割合とから上記最大値に対する補正値を求めて、その補正値に所定の閾値率を掛け、さらに各受光部のシェーディング係数を掛けることにより、各受光部毎に閾値を設定するようにしている。
【0004】
要するに、従来の粉粒体検査装置では、図16に例示するように、明るさの異なる検査対象物を検査する場合には、新たな検査対象物に合わせて前記適正光量範囲を適切に設定できるようにするために、上記閾値率を変更し、さらに、この同じ閾値率を用いて同一の検査対象物を検査する時点での照明手段の照明光量や受光手段の受光感度の変動等の影響を除くために、例えば毎朝の作業開始時及び作業途中時点で前記投射部材からの受光量と基準部材からの受光量との比較割合を用いて較正(キャリブレーション)するようにしているのである。尚、図16に示す検査対象物は、粉粒体群のほとんどが正常物である樹脂ペレットの例を示すので、光量値データの大部分は、投射部材からの光量値tbを含んで暗側から明側に向けて連続する光量値範囲の暗側の下端値LLと明側の上端値ULとの間に分布し、(イ)の検査対象物からの光量値の範囲と(ロ)の検査対象物からの光量値の範囲が明暗方向にずれている状態を示す。
【0005】
因みに、粉粒体検査装置としては、検査対象の粉粒体群を横幅方向に広げた状態で検出箇所に搬送する形式の他、検査対象の粉粒体群を一列状態で検出箇所に搬送する形式のものもある。そして、この形式の粉粒体検査装置においては、一般に、粉粒体群が一列状態で搬送される1つの検出箇所について、1つの受光部を配置させるものであるため、シェーディング係数が不要になるが、このシェーディング係数が不要になる点を除いて、上記と同様な手順により閾値を設定することができる。即ち、投射部材からの受光量と基準部材からの受光量との比較割合を予め求めておき、この比較割合と実際の基準部材からの受光量とに基づいて投射部材からの受光量に対する補正値を求め、さらに、この補正値に所定の閾値率を掛けて閾値を設定する。
【0006】
尚、検査対象物が玄米や精米等の米粒である場合には、正常な米粒が正常物であって、表面の一部や表面の全周が正常な米粒とは異なる明度となる不良の米粒や石・ガラス等が不良物として判別される。又、検査対象物が成形加工用の樹脂ペレットの場合には、表面の全周がその検査対象物の樹脂の本来の色であるものが正常物であり、ペレット表面に処理過程で生じた黒色系の焼けや汚染によるコンタミ等が存在する樹脂ペレット等が不良物として判別される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の粉粒体検査装置では、検査対象物が異なる毎に新たな検査対象物に合わせて閾値率を変更する必要があるので、その閾値率の決定に多大な手間を要する。つまり、具体的には、新たな検査対象物について一応適正と判断される閾値率を決めて適正光量範囲を設定するとともに、その適正光量範囲を用いて実際に検査対象物を検出箇所に搬送して選別検査を行ない、次に、その選別結果を確認して上記適正光量範囲をより適切な値に調整するために閾値率を修正して、再度選別検査を行なうという作業を、適切な適正光量範囲に調整されるまで、繰り返すことになる。その結果、新たな検査対象物毎に、適正光量範囲を設定するための面倒な調整作業が必要になり、さらに、調整作業のミス等が生じて適切な適正光量範囲に設定されないおそれもあった。
【0008】
又、上記従来の粉粒体検査装置では、前述のように、照明光量や受光感度の変動等の影響を除くための較正を行なうにしても、その較正は、粉粒体群における正常物の代用物である投射部材と基準部材との受光量の比較割合に基づくものであって、実際の検査対象物からの受光量に基づくものではないので、較正後の適正光量範囲が実際の検査対象物に対して必ずしも適合していない場合があり、その場合には、適切な選別処理が行なわれないおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、上記従来技術の不具合を解消させるべく、面倒な調整作業を不要としながら、実際に検査される粉粒体群に適合させて前記適正光量範囲を自動的に設定することができる粉粒体検査装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1では、前記判別手段が、前記サンプリングにより得られた設定個数の受光量データについて、暗側から明側に亘る間を複数段階に区分けした各光量値に対する度数分布を求めて、その度数分布に基づいて前記適正光量範囲を設定するように構成され、
前記粉粒体群搬送手段が、前記粉粒体群を横幅方向に広げた状態でその横幅方向に沿って幅広に形成された前記検出箇所を通過して搬送させるように構成され、
前記受光手段が、前記検出箇所からの光を受光する複数個の受光部を前記検出箇所の幅方向に沿って並置させるように構成され、
前記判別手段が、前記サンプリングした受光量の光量値が前記適正光量範囲を外れているか否かの判別及び前記度数分布に基づく前記適正光量範囲の設定を前記各受光部毎に実行するように構成され、
前記判別手段が、前記度数分布において暗側から明側に亘って各光量値に対する度数値が連続して存在する連続領域の上端部もしくはその近傍位置に対応させて上側光量値を設定するとともに、その上側光量値から明側に設定光量離れた位置に前記適正光量範囲の上限値を設定し、且つ、前記連続領域の下端部もしくはその近傍位置に対応させて下側光量値を設定するとともに、その下側光量値から暗側に設定光量離れた位置に前記適正光量範囲の下限値を設定するように構成され、
前記判別手段が、前記サンプリングによって設定時間ごとに得られる設定個数の受光量データの中に、前記上側光量値よりも明るい光量値が含まれているときは、前記上側光量値を明側に設定量移動させる一方、前記設定個数の受光量データの中に前記上側光量値よりも明るい光量値が含まれていないときは、前記上側光量値を暗側に設定量移動させ、且つ、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値よりも暗い光量値が含まれているときは、前記下側光量値を暗側に設定量移動させる一方、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値よりも暗い光量値が含まれていないときは、前記下側光量値を明側に設定量移動させる補正処理を設定時間ごとに実行するように構成され、
前記判別手段が、前記連続領域の上端部に対応する上端光量値と前記連続領域の下端部に対応する下端光量値との光量値の差が設定値よりも大きい場合には、前記補正処理を実行し、前記上端光量値と前記下端光量値との光量値の差が設定値よりも小さい場合には、前記補正処理を停止するように構成されている。
つまり、検査対象物としての粉粒体群が一層状態で検出箇所を通過するように順次搬送され、その検出箇所が照明手段にて照明されるとともに、その検出箇所からの光を受光する受光手段の受光方向であって上記検出箇所の背部側箇所に配置された投射部材から上記受光手段に向けて、粉粒体群における正常物からの検出光と同一又は略同一の光が投射される。そして、上記受光手段の受光量が設定時間間隔でサンプリングされて設定個数の受光量データが得られ、その設定個数の受光量データについて暗側から明側に亘る間を複数段階に区分けした各光量値に対する度数分布が求められ、その度数分布に基づいて前記適正光量範囲が設定される。
説明を加えると、例えば検査対象物を樹脂ペレットとする場合には、検査対象の粉粒体群の大部分が正常物であり、上記度数分布において正常物が分布する位置と不良物が分布する位置とに差が生じるので、その正常物と不良物との分布位置の差を利用して適正光量範囲を設定することにより、正常物は適正光量範囲内に分布し、不良物は適正光量範囲の外に分布するようにして、正常物と不良物とを適切に選別することが可能となる。
【0011】
従って、実際の検査対象物である粉粒体群を所定量試験的に検出箇所に通過させて、そのときの受光手段の受光量をサンプリングして得られた受光量データから求めた度数分布に基づいて適正光量範囲が設定されるので、例えば、明るさの異なる検査対象物を検査する場合に、各検査対象物毎に適正光量範囲を設定するための前記閾値率等のパラメータの調整を行なう必要がなく、しかも、実際の検査対象物からの受光量に基づいて適正光量範囲が設定され、さらに、上記度数分布によって判断される粉粒体群の明るさの分布状態に応じて適切な適正光量範囲を設定できる(例えば、粉粒体群の明るさのバラツキが大きくて検出光量の分布範囲が広い場合には適正光量範囲を広くし、逆に、粉粒体群の明るさのバラツキが小さくて狭い範囲に集中している場合には適正光量範囲を狭く設定する等)ことになり、もって、面倒な調整作業を不要としながら、実際に検査される粉粒体群の状態に適合させて前記適正光量範囲を自動的に設定することができる粉粒体検査装置が得られる。
【0012】
又、粉粒体群が横幅方向に広がった状態でその横幅方向に沿って幅広に形成された前記検出箇所を通過するともに、その幅広の検出箇所からの光が、複数個の受光部を前記検出箇所の幅方向に沿って並置させた受光手段にて受光され、その受光手段の各受光部毎に、設定時間間隔でサンプリングした設定個数の受光量データについて前記度数分布が求められ、その度数分布に基づいて適正光量範囲が設定され、各受光部の受光量の光量値が各受光部毎に設定された適正光量範囲を外れているか否かの判別が実行される。
【0013】
従って、粉粒体群を横幅方向に広げた状態で幅広の検出箇所を通過させるように順次搬送して、多量の粉粒体群を並列的に効率良く検査することができるとともに、その幅広の検出箇所からの光を受光する複数個の受光部が受光した受光量データの度数分布に基づいて各受光部毎に適正光量範囲を設定するので、例えば上記幅広の検出箇所の幅方向において照明手段の照明光量が不均一であるような場合でも、その不均一を補正するための処理(いわゆるシェーディング補正等)を行わなくても各受光部について適正光量範囲を適切に設定することが可能となる。
【0014】
又、度数分布において暗側から明側に亘って各光量値に対する度数値が連続して存在する連続領域の上端部もしくはその近傍位置に対応させて設定される上側光量値から明側に設定光量離れた位置に、前記適正光量範囲の上限値が設定され、前記連続領域の下端部もしくはその近傍位置に対応させて設定される下側光量値から暗側に設定光量離れた位置に、前記適正光量範囲の下限値が設定される。
【0015】
従って、例えば検査対象の粉粒体群において大部分が正常物であって不良物の存在率が低いような場合には、上記受光量データの度数分布において、粉粒体群からの検出光量の大部分が、正常物からの光量値の付近に暗側から明側に亘って各光量値に対する度数値が連続して存在する連続領域内に含まれ、不良物からの検出光量がその連続領域の端部位置から外側に離れた位置に分布することになるので、上記連続領域の上端部もしくはその近傍位置に対応させて設定される上側光量値から明側に設定光量離れた位置に適正光量範囲の上限値を設定し、前記連続領域の下端部もしくはその近傍位置に対応させて設定される下側光量値から暗側に設定光量離れた位置に適正光量範囲の下限値を設定するという簡単な設定処理によって、上記のような不良物の存在率が低い粉粒体群について、適正光量範囲を極力簡素な処理構成によって且つ適切に設定することができる
【0016】
又、粉粒体群を検出箇所に順次通過させながら受光手段の光量値をサンプリングして、その光量値が上記のように設定された適正光量範囲を外れているか否かの判別を行うとともに、サンプリングによって設定時間ごとに得られる設定個数の受光量データの中に、前記上側光量値よりも明るい光量値が含まれているときは、前記上側光量値が明側に設定量移動される一方、前記設定個数の受光量データの中に前記上側光量値よりも明るい光量値が含まれていないときは、前記上側光量値が暗側に設定量移動され、且つ、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値よりも暗い光量値が含まれているときは、前記下側光量値が暗側に設定量移動される一方、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値よりも暗い光量値が含まれていないときは、前記下側光量値が明側に設定量移動される補正処理が設定時間ごとに実行される。
【0017】
従って、前記連続領域の上端部もしくはその近傍位置に設定される前記上側光量値よりも明るい光量値が得られたときは、上記補正処理によって上側光量値が明側に移動して適正光量範囲の上限値が明側に移動するので、粉粒体群の光量値の分布において明側の光量値が多くなったような場合において、適正光量範囲の上限値を明側に移動させることにより、かかる明側の光量値の粉粒体の増加に対応して適正光量範囲の上限値を適切に修正することができ、一方、前記上側光量値よりも明るい光量値が存在しないときは、上側光量値は前記連続領域の上端部に固定され、適正光量範囲の上限値がその連続領域の上端部から明側に設定光量離れた位置に維持されるので、上記連続領域の上端部に近い明側の光量値の粉粒体を不良物と誤って判別することを回避させるようにすることができる。
又、適正光量範囲の下限値については、上記適正光量範囲の上限値とは逆に、下側光量値よりも暗い光量値の粉粒体の増加に対応して適正光量範囲の下限値を適切に修正することができる一方、前記下側光量値よりも暗い光量値が存在しないときは、適正光量範囲の下限値を連続領域の下端部から暗側に設定光量離れた位置に維持させて、上記連続領域の下端部に近い暗側の光量値の粉粒体を不良物と誤って判別することを回避させるようにすることができる
【0018】
又、前記連続領域の上端部に対応する上端光量値と前記連続領域の下端部に対応する下端光量値との光量値の差が設定値よりも大きい場合には、前記上側光量値及び下側光量値を移動させる補正処理を実行し、前記上端光量値と前記下端光量値との光量値の差が設定値よりも小さい場合には、前記上側光量値及び下側光量値を移動させる補正処理を停止する。
【0019】
従って、上記設定値として、前記投射部材からの投射光についての度数分布における連続領域の上端光量値と下端光量値との光量値の差よりも大きく、検査対象の粉粒体群についての度数分布における連続領域の上端光量値と下端光量値との光量値の差よりも小さい値に設定することにより、検査対象の粉粒体群が検出箇所を通過しているときは前記補正処理を実行して、前記適正光量範囲を適切な範囲に逐次修正させる一方、粉粒体群が検出箇所を通過しなくなったときは前記補正処理を停止するので、粉粒体群が検出箇所を通過しなくなったときに前記補正処理を継続した場合に、前記適正光量範囲が投射部材からの極端に狭い光量値の範囲に修正されて、次に粉粒体群が検出箇所を通過して前記判別を行うときに正常物を不良物と誤って判別する不具合が生じるのを適切に回避させるようにすることができる
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る粉粒体検査装置の第1実施形態を、樹脂ペレットを検査対象の粉粒体として、そのペレットの群(以下、ペレット群という)を搬送させながら、不良物の検出及び分離処理を行う場合について図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図3(尚、図3は、不良物検出及び分離処理の動作説明図である。)に示すように、広幅の板状のシュータ1が、水平面に対して所定角度(例えば60度)に傾斜されて設置され、このシュータ1の上部側に設けた貯留タンク7から振動フィーダ9によって搬送・供給されたペレット群kが、シュータ1の上面を一層状態で横方向に広がった状態で流下案内されている。尚、上記シュータ1は、幅方向全幅に亘って平坦な案内面に形成された平面シュータであり、又、一層状態で流下させることを目的としているので、流れ状態により部分的に粒が重なって2層状態等になっても、一層状態の概念に含まれる。
【0022】
貯留タンク7には、外部から供給されるペレットが貯留され、又、外部からの検査対象物を1次選別処理して得られた不良物等が再選別のために貯留される。貯留タンク7は下端側ほど先細筒状に形成され、タンク7から振動フィーダ9上に落下したペレット群kのシュータ1への供給量は、振動フィーダ9の振動振幅を変化させてペレット群kの搬送速度を変えることにより調節される。
【0023】
ペレット群kがシュータ1の下端部から移動落下する移動落下経路IK中に、ペレット群kの存在が予定されている検出箇所Jが設定されている。つまり、ペレット群kを、上記検出箇所Jを一層状態で通過させるように順次搬送する粉粒体搬送手段Hが上記シュータ1を利用して構成されるとともに、その粉粒体搬送手段Hが、ペレット群kを横幅方向に広げた状態でその横幅方向に沿って幅広に形成された上記検出箇所Jを通過して搬送させるように構成されている。
【0024】
移動落下経路IKの前面側(図2において左側)を照明する前面側ライン状光源4Bと、移動落下経路IKの後面側(図2において右側)を照明する後面側ライン状光源4Aとが設けられ、この両ライン光源4A,4Bにて、上記検出箇所Jを照明する照明手段4が構成されている。
【0025】
上記前面側ライン状光源4Bからの照明光が上記検出箇所Jの前面側で反射した反射光を受光する前面側ラインセンサ5Bと、後面側ライン状光源4Aからの照明光が上記検出箇所Jの後面側で反射した反射光を受光する後面側ラインセンサ5Aとが設けられ、この両ラインセンサ5A,5Bにて、上記検出箇所Jからの光を受光する受光手段5が構成されている。
尚、各ライン状光源4A,4Bは、各ラインセンサ5A,5Bの受光方向に対して傾いた複数の方向からペレット群kを照明するように、検出箇所Jを斜め下方から照明する下側光源と、検出箇所Jを斜め上方から照明する上側光源とを備えている。そして、このように検出箇所Jを照明光の照明角度を変えて異なる方向から照明して、ペレットkが正常な検出箇所Jから横方向にずれた場合でも、極力均一な状態で良好に照明できるようにしている。
【0026】
図5に示すように、前記両ラインセンサ5A,5Bは、前記幅広の検出箇所Jからの光を受光する複数個の受光部としての複数個の受光素子5aを検出箇所Jの幅方向に沿って並置させるように構成されている。つまり、前記ペレット群の各ペレットkの大きさよりも小さい範囲p(例えばペレットkの大きさの10分の1程度)を夫々の受光対象範囲とする複数個の受光素子5aを前記幅広の検出箇所Jに対応させてライン状に並ぶ状態で備えている。そして、各ラインセンサ5A,5Bは、受光素子5aが直線状に並置されたモノクロタイプのCCDセンサ部50と、検出箇所Jでのペレット群kの像を上記CCDセンサの各受光素子5a上に結像させる光学系51とから構成され、例えば図3において検出箇所Jの右端側から左端側に向けて、各受光素子5aから各受光情報が順次取り出されるように構成されている。
【0027】
前記両ラインセンサ5A,5Bの受光方向であって前記検出箇所Jの背部側箇所に配置されて、前記ペレット群における正常物からの検出光と同一又は略同一の明るさの光を前記両ラインセンサ5A,5Bに向けて投射する投射部材8が設けられている。
具体的には、前面側ラインセンサ5Bの受光方向であって前記検出箇所Jの背部側箇所に、前面側ライン光源4Bにて照明されたペレット群kのうちの正常物からの反射光と同一又は略同一の明るさの光を前面側ラインセンサ5Bに向けて反射するように、前面側ライン光源4Bにて照明される長尺帯状の前面側反射面hbを備えた前面側反射板8Bが設置され、また、後面側ラインセンサ5Aの受光方向であって前記検出箇所Jの背部側箇所に、後面側ライン光源4Aにて照明されたペレット群kのうちの正常物からの反射光と同一又は略同一の明るさの光を後面側ラインセンサ5Aに向けて反射するように、後面側ライン光源4Aにて照明される長尺帯状の後面側反射面haを備えた後面側反射板8Aが設置され、この両反射板8A,8Bにて上記投射部材8が構成されている。
【0028】
上記前面側反射板8B及び後面側反射板8Aは、断面L字型で長尺状に形成され、同様な構造によって光源支持用のフレーム22に取付けられている。即ち、断面コの字状で長尺状に形成されたブラケット22aが光源支持用のフレーム22にネジ止め固定されるとともに、そのブラケット22aにおけるフレーム22への固定部とは反対側の角部に上記各反射板8A,8Bの角部を当て付けた状態で,各反射板8A,8Bがブラケット22aにネジ止めされている。
【0029】
前面側ライン状光源4B、前面側ラインセンサ5B及び後面側反射板8Aが一方の収納部13Bに収納され、後面側ライン状光源4A、後面側ラインセンサ5A及び前面側反射板8Bが他方の収納部13Aに収納されている。尚、両収納部13A,13Bは側板が共通の一体の箱体に形成され、両収納部13A,13B夫々は、検出箇所Jに面する側に板状の透明なガラスからなる光透過用の窓部14A,14Bを備えている。そして、図示しないが、両窓部14A,14Bの表面に長手方向(図2の紙面垂直方向)に沿ってエアを吹き付けて、窓表面に付着した塵等を除くための清掃ノズル26が設けられている(図4参照)。
【0030】
前記検出箇所Jから移動落下経路IKの落下方向下手側に、検出箇所Jでの受光情報に基づいて判別された不良物g(例えば、樹脂処理過程で焼けて着色したペレットや、色の違うペレット等)に対してエアーを吹き付けて正常なペレットkの移動方向から分離させるためのエアー吹き付け装置6が設けられ、このエアー吹き付け装置6は、噴射ノズル6aの複数個を、上記移動落下経路IKの全幅を所定幅で複数個の区画に分割形成した各区画に対応する状態で並置させ、不良物gが存在する区画の噴射ノズル6aが作動されるように構成されている。
【0031】
そして、噴射ノズル6aからのエアーの吹き付けを受けずにそのまま進行してくる正常なペレットkを回収する良品用の受口部2Bと、エアーの吹き付けを受けて正常なペレットkの流れから横方向に分離した不良物gを回収する不良物用の受口部3Bとが設けられ、良品用の受口部2Bが横幅方向に細長い筒状に形成され、その良品の受口部2Bの周囲を囲むように、不良物用の受口部3Bが形成されている。尚、良品用の受口部2Bにて回収されたペレットk、及び、不良物用の受口部3Bにて回収された不良物は、再選別等のために、本検査装置の貯留タンク7又は他の検査装置に搬送される。
【0032】
次に、粉粒体検査装置の装置構成について説明する。
図1に示すように、ジャッキボルト式の脚部F0を備えた底板F1上に立設された縦枠F2,F3,F4が、横枠F5,F6,F7によって連結されて機枠が構成されている。表側の縦枠F4の上部斜め部分に、情報の表示及び入力用の操作卓21が設置され、前記振動フィーダ9に対する振動発生器9Aが横枠F5上に設置され、底板F1上には、電源ボックス17と、前記エアー吹き付け装置6及び前記清掃ノズル26に対してエアを供給するためのエアタンク15とが設置されている。又、箱状の前記収納部13A,13Bが前部側で縦枠F4に、後部側で縦枠F3に夫々支持され、シュート1が上部側で横枠F6に下部側で収納部13Bに支持され、制御ボックス16が、横枠F7上に設置されている。機枠には、装置外面を覆うカバー12が取り付けられている。尚、前面側のカバー12のカバー上部12Aは、上下方向に開閉式に構成され、そのカバー上部12Aを持ち上げた状態で装置内部の点検等を行う。
【0033】
前記操作卓21には、図6に示すように、タッチパネルに構成した表示画面21aと、装置の電源を入り切りする主電源スイッチ21bと、フィーダスイッチ21cと、排除スイッチ21dとが設けられている。尚、フィーダスイッチ21cを入り操作すると、前記振動フィーダ9が搬送作動し、排除スイッチ21dを入り操作すると、前記エアー吹き付け装置6が排除作動する。
【0034】
制御構成を説明すると、図4に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置10が設けられ、この制御装置10に、両ラインセンサ5A,5Bからの各画像信号と、前記操作卓21からの操作情報とが入力されている。一方、制御装置10からは、前記操作卓21に対する表示用の駆動信号と、前記各ライン状光源4A,4Bを点灯させる点灯回路19に対する駆動信号と、各噴射ノズル6aへのエアー供給をオンオフする複数個の電磁弁11に対する駆動信号と、前記フィーダ用の振動発生器9Aに対する駆動信号と、前記清掃ノズル26に対するエアー供給をオンオフする電磁弁26Aに対する駆動信号とが出力されている。
【0035】
そして、上記制御装置10を利用して、前記各ラインセンサ5A,5Bの受光量を設定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした受光量の光量値がペレット群における正常物からの検出光に対する適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れているか否かの判別を行う判別手段100が構成されている。具体的には、この判別手段100は、前面側ラインセンサ5Bの各受光素子5aの受光量を1/5000秒間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が前面側の反射光について各受光素子5a毎に設定された適正光量範囲ΔE2を外れているか否かの判別を各受光素子5a毎に行うとともに、後面側ラインセンサ5Aの各受光素子5aの受光量を1/5000秒間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が後面側の反射光について各受光素子5a毎に設定された適正光量範囲ΔE1を外れているか否かの判別を各受光素子5a毎に行い、上記両判別においていずれかの受光素子5aの受光量が適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れている場合に不良物の存在を検出する。
【0036】
上記不良物について説明すると、例えば樹脂ペレットkの外周の一部箇所に正常物と濃度が異なる不良箇所、具体的には、樹脂ペレットkの表面に樹脂処理の過程において生じた焼けによる黒色箇所やコンタミによる汚染箇所があるような場合に、その不良箇所からの反射光を受光した受光素子5aの受光量が、上記適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れて不良物の存在が検出される。
【0037】
又、上記判別手段100は、各ラインセンサ5A,5Bの各受光素子5a毎に、前記サンプリングにより得られた設定個数の受光量データについて、暗側から明側に亘る間を複数段階に区分けした各光量値に対する度数分布(ヒストグラムともいう)を求めて、その度数分布に基づいて前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2を設定するように構成されている。具体的には、照明光源5A,5Bからの照明光量が十分に安定した状態で、先ず、ペレット群kを流さずに、前記各反射板8A,8Bからの反射光を受光して、その各反射光の受光量が検査を行なうのに十分な光量であることを確認する。次に、ペレット群kを流しながら、各ラインセンサ5A,5Bの各受光素子5aについて設定個数(例えば256個)の受光量データをサンプリングし、その受光量データを256段階のデジタル値に変換する。尚、この場合において、前記エアー吹き付け装置6は作動させない。
因みに、前述のように、各ラインセンサ5A,5Bの各受光素子5aの受光量が1/5000秒間隔でサンプリングされるので、上記設定個数(256個)のデータを得るのに要する時間は約0.05秒程度になるが、ペレット群kの流速を3m/秒とすれば、0.05秒はペレット群の搬送方向での長さで150mmに相当し、前記度数分布(ヒストグラム)を求めるのに十分な受光量データが得られることになる。
【0038】
そして、図8(イ)に示すように、判別手段100は、前記度数分布hgにおいて暗側から明側に亘って各光量値に対する度数値が連続して存在する連続領域(図において斜線で示す)の上端部の近傍位置に対応させて上側光量値TH1を設定するとともに、その上側光量値TH1から明側に設定光量K1離れた位置に前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1を設定し、且つ、前記連続領域の下端部の近傍位置に対応させて下側光量値TH2を設定するとともに、その下側光量値TH2から暗側に設定光量K2離れた位置に前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の下限値T2を設定するように構成されている。尚、上記上側光量値TH1及び下側光量値TH2の設定については後述する。又、上記各設定光量K1,K2は制御定数として予め設定されている。
【0039】
さらに、図8(イ)〜(ハ)に示すように、上記判別手段100は、前記サンプリングによって設定時間ごとに得られる設定個数の受光量データの中に、前記上側光量値TH1よりも明るい光量値が含まれているときは、前記上側光量値TH1を明側に設定量移動させる一方、前記設定個数の受光量データの中に前記上側光量値TH1よりも明るい光量値が含まれていないときは、前記上側光量値TH1を暗側に設定量移動させ、且つ、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値TH2よりも暗い光量値が含まれているときは、前記下側光量値TH2を暗側に設定量移動させる一方、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値TH2よりも暗い光量値が含まれていないときは、前記下側光量値TH2を明側に設定量移動させる補正処理を設定時間ごとに実行する。
【0040】
尚、上記設定量としては、前記256段階の受光量データにおける1段階とし、前記各設定光量K1,K2の値はこの設定値よりも大きな値に設定されている。そして、図の(イ)では、サンプリングにより得られた設定個数の受光量データの中に上側光量値TH1よりも明るい光量値が含まれているので、上側光量値TH1を明側に1段階移動させ、一方、下側光量値TH2よりも暗い光量値は含まれていないので、下側光量値TH2を明側に1段階移動させて、下側光量値TH2がちょうど連続領域の下端部に位置した状態を示す。
(ロ)では、(イ)の後に、サンプリングにより得られた設定個数の受光量データの中に、上側光量値TH1よりも明るい光量値及び下側光量値TH2よりも暗い光量値が共に含まれていないので、上側光量値TH1を暗側に1段階移動させ、下側光量値TH2を明側に1段階移動させている。
(ハ)では、(ロ)の後に、サンプリングにより得られた設定個数の受光量データの中に、上側光量値TH1よりも明るい光量値が含まれていないので、上側光量値TH1を暗側に1段階移動させる一方、下側光量値TH2よりも暗い光量値が含まれているので、下側光量値TH2を暗側に1段階移動させている。
以下、同様な補正処理を行なうことにより、上側光量値TH1は上記連続領域の上端部もしくはその付近に固定され、下側光量値TH2は上記連続領域の下端部もしくはその付近に固定されることになる。
【0041】
さらに、図9に示すように、上記判別手段100は、前記連続領域の上端部に対応する上端光量値U1と前記連続領域の下端部に対応する下端光量値D1との光量値の差U1−D1が設定値HKよりも大きい場合には、前記補正処理を実行し、上端光量値U1と下端光量値D1との光量値の差U1−D1が設定値HKよりも小さい場合には、前記補正処理を停止するように構成されている。
つまり、上記設定値HKは、ペレット群が検出箇所Jを通過しているときは、図9に破線で示すように上記光量値の差U1−D1が設定値HKより大きくなるように設定され、ペレット群が検出箇所Jを通過していないときは、図9に実線で示すように、前記反射板8A,8Bからの反射光のみを受光するために、その受光量データの度数分布hgの連続領域の幅が狭くなるのに対応させて、その上端光量値UHと下端光量値DHとの光量値の差UH−DHが設定値HKよりも小さくなるように設定されている。
従って、ペレット群が検出箇所Jを通過しているときは、前記補正処理が実行されて適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1及び下限値T2が逐次修正されるが、ペレット群が検出箇所Jを通過していないときは、前記補正処理の実行が停止されて、直前にペレット群が検出箇所Jを通過していたときの適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1及び下限値T2の値が保持されることになる。
【0042】
そして、上記のように各ラインセンサ5A,5Bの各受光素子5a毎に、設定及び補正される前面側及び後面側の適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1及び下限値T2の値は、図10に示すように、前記制御装置10内のメモリLUT(前面側用及び後面側用のLUT)に、不良検出処理用のルックアップテーブルとして記憶される。
即ち、位置データi(i=0〜〔受光素子の数−1〕)で表した各受光素子5a毎に、センサ出力電圧をとり得る全ての光量値j(前記256段階の光量値)の範囲で変化させながら、その各値jが前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2内であれば、メモリLUTの該当番地(i,j)に判定出力として「0」を記憶させ、適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れていれば、メモリLUTの該当番地(i,j)に判定出力として「1」を記憶させる。そして、前記判別を行うときは、上記作成したメモリLUTに対して、各ラインセンサ5A,5Bの受光素子5aの位置データi(i=0〜〔受光素子の数−1〕)と、その位置iでの各受光素子5aの光量値jとを入力すると、その各受光素子5aについて、正常物のときは判定出力「0」が、不良物のときは判定出力「1」が夫々出力されるので、それに基づいて前記判別を行う。
【0043】
尚、上記設定した上限値T1及び下限値T2については、図7に示すように、実際に判別処理を行っているときに、各ラインセンサ5A,5Bの受光出力電圧の検出波形とともに前記表示画面21aに表示される。又、図示はしないが、各受光素子5a毎に、上記度数分布hgと共に前記表示画面21aに表示させることもできる。
各ラインセンサ5A,5Bの受光出力における不良物の判別について図11に例示する。尚、図11は、図7の表示画面21aに表示された受光出力電圧の波形の一部を拡大したものであり、説明を判り易くするために、実際よりも不良が多く発生している状態が示されている。
図11において、e0は、正常なペレット粒からの標準的な反射光に対する出力電圧レベルであり、受光素子5aの出力電圧が適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも小さい場合e1,e2では、正常なペレット粒よりも反射率が小さい不良のペレット粒(例えば、焼け部分)や異なる色の樹脂ペレット等の存在を判別し、適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも大きい場合e3では、正常なペレット粒kよりも反射率が大きい異なる色の樹脂ペレット(例えば、明度が大きい白色の樹脂ペレット)等の異物の存在を判別する。
【0044】
そして、前記制御装置10は、前記検出箇所Jを通過したペレット群kのうちで、不良物の存在が判別された場合には、前記検出箇所Jから前記噴射ノズル6aの噴射位置にペレット群kが搬送されるのに要する時間間隔が経過するに伴って、不良物に対してその位置に対応する区画の各噴射ノズル6aからエアーを吹き付けて正常なペレットの経路から分離させる。
【0045】
次に、図12及び図13に示すフローチャートに基づいて、前記適正光量範囲の設定及び補正処理について説明する。
前記適正光量範囲の設定処理では、装置の電源をオンした後、先ず、前記検出箇所Jにペレットを供給しない状態で、各受光素子5a毎に、前記各反射板8A,8Bからの反射光について設定個数の受光量データをサンプリングして、その受光量データの平均値Taを各受光素子5a毎に求める。尚、このときに、各受光素子5a毎の受光量データの平均値Taに基づいて、各反射板8A,8Bからの反射光の受光量が検査を行なうのに十分な光量であることを確認する。
次に、前記検出箇所Jへのペレットの供給を開始した状態で、上記と同様に、各受光素子5a毎に、前記検出箇所Jからの光について設定個数の受光量データをサンプリングし、サンプリングが終了すると、検出箇所Jへのペレットの供給を停止する。そして、各受光素子5a毎に、上記受光量データの最大光量値Tmaxと最小光量値Tminを求めるとともに、前記平均値Taとの上側偏差ΔT1(Tmax−Ta)及び下側偏差ΔT2(Ta−Tmin)を求め、それら受光素子の個数(例えば1024個)分の上側偏差ΔT1及び下側偏差ΔT2のうちで、極端に大きい値のものを除去するために、上側偏差ΔT1及び下側偏差ΔT2の夫々において、大きい方からn番目(例えば10番目)のものを選ぶ。
次に、上記選んだ上側偏差ΔT1を前記平均値Taに加算して上側設定値TH1を求め、さらに、その上側設定値TH1に設定値K1を加算して前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1を求める処理、及び、上記選んだ下側偏差ΔT2を前記平均値Taから引算して下側設定値TH2を求め、さらに、その下側設定値TH2から設定値K2を引算して前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の下限値T2を求める処理を、各受光素子5a毎に行い、最後に、設定された上限値T1及び下限値T2のデータに基づいて、前記メモリLUTを作成する。
【0046】
前記適正光量範囲の補正処理では、前記検出箇所Jにペレットを供給して、各受光素子5aの受光量が適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れているか否かの判別を行っている状態で、各受光素子5a毎に、設定時間(例えば、数秒から数10秒)ごとに設定個数の受光量データをサンプリングして、そのサンプリングした受光量データについて前記度数分布を作成する。次に、その度数分布における連続領域の上端光量値U1と下端光量値D1との光量値の差U1−D1が設定値HKよりも大きいか否を判断して、その光量値の差U1−D1が設定値HKよりも大きくない場合には以下の処理は行わない。
上記光量値の差U1−D1が設定値HKよりも大きい場合には、先ず、上記度数分布において、現在の上側設定値TH1よりも明るい光量値データが存在する場合には、その上側設定値TH1の値を1増加させ、現在の上側設定値TH1よりも明るい光量値データが存在しない場合には、その上側設定値TH1の値を1減少させる。次に、上記度数分布において、現在の下側設定値TH2よりも暗い光量値データが存在する場合には、その下側設定値TH2の値を1減少させ、現在の下側設定値TH2よりも暗い光量値データが存在しない場合には、その下側設定値TH2の値を1増加させる。
最後に、上側設定値TH1及び下側設定値TH2の変更に応じて適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1及び下限値T2を変更し、この変更された上限値T1及び下限値T2のデータに基づいて、前記メモリLUTの内容を修正する。
【0047】
〔第2実施形態〕
次に、粉粒体検査装置の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態では、前記判別手段100の構成が異なる点を除いて、第1実施形態と同様に構成されている。以下、第1実施形態との相違点について図面に基づいて説明する。
即ち、第1実施形態では、図12にて説明したように、判別手段100が、前記度数分布hgにおける連続領域の上端部の近傍位置に対応させて上側光量値TH1を設定し、前記連続領域の下端部の近傍位置に対応させて下側光量値TH2を設定したが、この第2実施形態では、図14に示すように、各受光素子5a毎に、前記度数分布hgにおける連続領域の上端部に対応させて上側光量値TH1を設定するとともに、その上側光量値TH1から明側に設定光量K1離れた位置に前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1を設定し、且つ、前記連続領域の下端部に対応させて下側光量値TH2を設定するとともに、その下側光量値TH2から暗側に設定光量K2離れた位置に前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の下限値T2を設定するように構成されている。
【0048】
以下、第2実施形態における前記適正光量範囲の設定処理について図15に基づいて説明する。尚、この処理は第1実施形態における図12に対応するものである。
先ず、前記検出箇所Jへのペレットの供給を開始した状態で、各受光素子5a毎に、前記検出箇所Jからの光について設定個数の受光量データをサンプリングし、サンプリングが終了すると、検出箇所Jへのペレットの供給を停止する。そして、各受光素子5a毎に、上記受光量データの度数分布を求め、その度数分布の連続領域の上端部に対応する上側光量値TH1と、下端部に対応する下側光量値TH2とを求め、さらに、その上側設定値TH1に設定値K1を加算して前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の上限値T1を求めるとともに、上記求めた下側設定値TH2から設定値K2を引算して前記適正光量範囲ΔE1,ΔE2の下限値T2を求める処理を行い、最後に、設定された上限値T1及び下限値T2のデータに基づいて、前記メモリLUTを作成する。
尚、この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、上記設定された上側設定値TH1及び下側設定値TH2について、前述の補正処理を行う。
【0050】
〔別実施形態〕
上記第1及び第2実施形態では、粉粒体群の検査を行なう場合には、先ず、その検査対象物について適正光量範囲ΔE1,ΔE2の設定処理を行ない、次に、その適正光量範囲を検査中において逐次補正する適正光量範囲の補正処理を行うようにしたが、最初に必ず適正光量範囲の設定処理を行なわなければならないというものではなく、例えば、同一の検査対象物について前回の検査の終了時点でデータとして記憶されている適正光量範囲をそのまま今回の最初の適正光量範囲として、上記補正処理から直ちに検査を開始するようにしてもよい。
【0051】
上記第1及び第2実施形態では、粉粒体群搬送手段Hを、傾斜させたシュータ1にて構成したが、シュータの外に、粉粒体群をベルトにて搬送しそのベルトの端部から落下させて、その落下経路の途中に設けた検出箇所に搬送するように構成したベルト式の搬送手段でもよい。
【0052】
上記第1及び第2実施形態では、受光手段を、検出箇所Jからの反射光を受光する反射式の受光手段5にて構成したが、検出箇所Jからの透過光を受光する透過式の受光手段で構成したり、反射式と透過式の両方の受光手段にて構成するようにしてもよい。
又、上記第1及び第2実施形態では、受光手段を、複数個の受光素子5aを備えたモノクロタイプのCCDラインセンサを利用して構成したが、CCDラインセンサ以外に、モノクロタイプの撮像管式のテレビカメラで構成してもよい。
【0054】
上記第1及び第2実施形態では、投射部材を、照明手段4からの照明光を受光手段5に向けて反射する反射板8にて構成したが、かかる反射板ではなく、裏面側から照明された照明光を透過させる透過式の投射部材で構成してもよい。
【0055】
上記第1及び第2実施形態では、検査対象物としての粉粒体が樹脂ペレットである場合について例示したが、粉粒体はこれに限るものではなく、例えば、精米や玄米等の米粒を検査する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 粉粒体検査装置の全体側面図
【図2】 同要部側面図
【図3】 同要部斜視図
【図4】 制御構成のブロック図
【図5】 ラインセンサの受光状態を示す図
【図6】 操作卓の正面図
【図7】 表示画面の表示例を示す正面図
【図8】 第1実施形態における適正光量範囲の設定及び補正処理を説明するグラフ
【図9】 第1実施形態における適正光量範囲の補正処理を説明するグラフ
【図10】 不良判別用のメモリのブロック図
【図11】 ラインセンサの受光出力電圧の波形図
【図12】 制御作動のフローチャート
【図13】 制御作動のフローチャート
【図14】 第2実施形態における適正光量範囲の設定を説明するグラフ
【図15】 第2実施形態における制御作動のフローチャート
【図16】 本願発明の課題を説明するためのグラフ
【符号の説明】
4 照明手段
5 受光手段
5a 受光部
8 投射部材
100 判別手段
H 粉粒体群搬送手段
hg 度数分布
J 検出箇所

Claims (1)

  1. 検査対象物としての粉粒体群を、検出箇所を一層状態で通過させるように順次搬送する粉粒体群搬送手段と、
    前記検出箇所を照明する照明手段と、
    前記検出箇所からの光を受光する受光手段と、
    前記受光手段の受光方向であって前記検出箇所の背部側箇所に配置されて、前記粉粒体群における正常物からの検出光と同一又は略同一の明るさの光を前記受光手段に向けて投射する投射部材と、
    前記受光手段の受光量を設定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした受光量の光量値が前記粉粒体群における正常物からの検出光に対する適正光量範囲を外れているか否かの判別を行う判別手段とが設けられている粉粒体検査装置であって、
    前記判別手段が、前記サンプリングにより得られた設定個数の受光量データについて、暗側から明側に亘る間を複数段階に区分けした各光量値に対する度数分布を求めて、その度数分布に基づいて前記適正光量範囲を設定するように構成され、
    前記粉粒体群搬送手段が、前記粉粒体群を横幅方向に広げた状態でその横幅方向に沿って幅広に形成された前記検出箇所を通過して搬送させるように構成され、
    前記受光手段が、前記検出箇所からの光を受光する複数個の受光部を前記検出箇所の幅方向に沿って並置させるように構成され、
    前記判別手段が、前記サンプリングした受光量の光量値が前記適正光量範囲を外れているか否かの判別及び前記度数分布に基づく前記適正光量範囲の設定を前記各受光部毎に実行するように構成され、
    前記判別手段が、前記度数分布において暗側から明側に亘って各光量値に対する度数値が連続して存在する連続領域の上端部もしくはその近傍位置に対応させて上側光量値を設定するとともに、その上側光量値から明側に設定光量離れた位置に前記適正光量範囲の上限値を設定し、且つ、前記連続領域の下端部もしくはその近傍位置に対応させて下側光量値を設定するとともに、その下側光量値から暗側に設定光量離れた位置に前記適正光量範囲の下限値を設定するように構成され、
    前記判別手段が、前記サンプリングによって設定時間ごとに得られる設定個数の受光量データの中に、前記上側光量値よりも明るい光量値が含まれているときは、前記上側光量値を明側に設定量移動させる一方、前記設定個数の受光量データの中に前記上側光量値よりも明るい光量値が含まれていないときは、前記上側光量値を暗側に設定量移動させ、且つ、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値よりも暗い光量値が含まれているときは、前記下側光量値を暗側に設定量移動させる一方、前記設定個数の受光量データの中に前記下側光量値よりも暗い光量値が含まれていないときは、前記下側光量値を明側に設定量移動させる補正処理を設定時間ごとに実行するように構成され、
    前記判別手段が、前記連続領域の上端部に対応する上端光量値と前記連続領域の下端部に対応する下端光量値との光量値の差が設定値よりも大きい場合には、前記補正処理を実行し、前記上端光量値と前記下端光量値との光量値の差が設定値よりも小さい場合には、前記補正処理を停止するように構成されている粉粒体検査装置。
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