以下、本発明に係る粒状体検査装置の実施形態を、多数の樹脂ペレットを検査対象物として移送しながら、正常物であるか異常物であるかの判別処理とそれらの分離処理を行う場合について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、検出箇所Jを通過させるようにペレット群kを一層で且つ幅広状態で流下案内する傾斜姿勢のシュータ1が備えられ、このシュータ1の上部側に設けた貯留ホッパー2から振動フィーダ3によって搬送されて供給されたペレット群kをシュータ1の上面を流下させながら、正常物と異常物とを選別してそれらを分離することができるように構成されている。
以下、各部の構成について説明する。
図1に示すように、外部からペレット群kが供給されて貯留される貯留ホッパー2は、側面視で下端側ほど先細の筒状に形成され、振動フィーダ3は、貯留ホッパー2の下部から排出されるペレット群kを受止める受止め載置部4と、その受止め載置部4に振動を与える振動発生器5とを備えて、振動発生器5にて受止め載置部4に振動を与えて、その一端部からペレット群kを繰出して、シュータ1の幅方向全幅に亘って広がる一層状態で流下するようにペレット群kをシュータ1上に繰出すように構成されている。このシュータ1は、図4に示すように、幅方向全幅に亘って平坦な案内面に形成された平面シュータにて構成されている。この場合、一層状態で流下させることを目的としているので、流れ状態により部分的に粒が重なって二層状態等になっても、一層状態の概念に含まれる。
図1に示すように、ペレット群kがシュータ1により流下案内される移動落下経路IK中にペレット群kに対する検出箇所Jが設定されており、シュータ1により流下案内されて検出箇所Jを通過した正常なペレット群kは下方側の正常物回収部6にそのまま落下して回収され、異常物は後述するエアー吹き付け装置7による吹き付け作用により経路を異ならせて別途回収されるように構成されている。
従って、貯留ホッパー2、振動フィーダ3、及び、シュータ1等により、ペレット群kを一層状態で且つ横幅方向に広がった状態で移動落下経路IKに沿って移送するとともに、移動落下経路IKの途中に横幅方向に沿って延びる状態で設けられた検出箇所Jを通過させる移送手段Sが構成されている。
又、振動フィーダ3は、振動発生器5の振動によるペレット群kの搬送速度を変化させることにより、シュータ1に繰出されるペレット群kの供給量、つまり、シュータ1によるペレット群kの移送流量を変更調節することが可能に構成されている。
そして、前記検出箇所Jに対応する位置に光学式計測部8が備えられている。この光学式計測部8は、図1〜図5に示すように、検出箇所Jを照明する照明手段9と、検出箇所Jからの光を受光する受光手段10と、検出箇所Jよりもペレット群kの移送方向下手側の分離箇所において分離対象粒(異常物)と他の正常なペレット群k(正常物)とを分離させる分離手段としてのエアー吹き付け装置7等を備えて構成され、それらを収納ケース11の内部に収納する状態でユニット状に構成されている。
次に、受光手段10の構成について説明する。
受光手段10は、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して一方側としての装置前部側に位置して、検出箇所Jからの光を受光する一方側受光手段としての前部側の受光部12(以下、前部側受光部12と称する。)と、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して他方側としての装置後部側に位置して、検出箇所Jからの光を受光する他方側受光手段としての後部側の受光部13(以下、後部側受光部13と称する。)とを備えて構成されている。
前部側受光部12は検出箇所Jから装置前部側外方に向かう光を受光し、後部側受光部13は検出箇所Jから装置後部側外方に向かう光を受光するものであって、これら前後両側の受光部12,13を備えることで、ペレット群kの前後両側部における異常を適正に検出することができる構成となっている。
そして、図3、図5及び図6に示すように、前部側受光部12は装置横幅方向に沿って並ぶ状態で配備された2台の前部側受光装置14A,14Bを備えて構成され、後部側受光部13も前部側受光部12と同様に、装置横幅方向に沿って並ぶ状態で配備された2台の後部側受光装置15A,15Bを備えて構成されている。
図7に示すように、前記各受光装置14A,14B、15A,15Bは、検出箇所Jからの光を受光する複数個の単位受光部tを装置横幅方向に沿って並置させる状態で備えて、ペレットの大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で光を受光するように構成されている。
つまり、各受光装置14A,14B、15A,15Bは、夫々、ペレットの大きさよりも小さい範囲p(例えばペレットの大きさの10分の1よりも小さい範囲)を夫々の受光対象範囲としており、図6に示すように、それら複数の受光対象範囲に対応する受光対象範囲である複数個の単位受光部tを幅広の検出箇所Jに対応させてライン状に並ぶ状態で並置されたCCDセンサ部16と、装置横幅方向に視野角を有する状態で受光した光を複数の単位受光部tに導く集光レンズ17とを備えて構成されている。
図6に示すように、前部側受光部12における2台の前部側受光装置14A,14Bは、夫々、検出箇所Jの装置横幅方向の全幅のうちの右側半分と左側半分を夫々対象として検出箇所Jに位置するペレット群kの像をCCDセンサ部16の各単位受光部t上に結像させる状態で設けられ、各単位受光部tから各受光情報が順次取り出されるように構成されている。
尚、図6に示すように、2台の前部側受光装置14A,14Bによる検出対象領域Uは、中央部付近にて重複する状態で設けられ、検出箇所Jの装置横幅方向での全ての領域において光の計測情報が得られるようにしてあり、検出漏れが生じないようにしている。但し、重複して計測する箇所の受光データとしては、左右の前部側受光装置14A,14Bのうちのいずれか一方の受光データだけを利用することになる。
図2に示すように、前部側受光部12に、2台の前部側受光装置14A,14Bのための前部側のレンズフード手段55を備えてある。すなわち、各前部側受光装置14A,14Bが検出箇所Jからの光以外の斜め方向の光を受光することをレンズフード手段55によって防止するように構成してある。
具体的には、図2,3,5に示すように、レンズフード手段55は、2台の前部側受光装置14A,14Bと後述する拡散透過部材21との間に設けてある。レンズフード手段55は、2台の前部側受光装置14A,14Bが検出箇所Jから受光するための受光経路R1が通るフード筒部56と、フード筒部56の外周囲に位置する遮光板部57とを備えて構成してある。遮光板部57は、2台の前部側受光装置14A,14Bと、後述する拡散透過部材21、後述する複数のライン状照明装置23a,23b,23c及び後述する前部側の投射部材32との間に配備してある。フード筒部56の内周面及び外周面、並びに遮光板部57の検出箇所Jが位置する側の側面に、白色のセラミックコートを施してある。
フード筒部56の基部と遮光板部57の中間部とを連結し、遮光板部57を3個のライン状照明装置23a,23bの背部に止着してある。従って、レンズフード手段55は、ライン状照明装置23a,23b、及び4個のライン状照明装置23a,23b,23cの両端部を収納ケース11における側部カバー11Aに取付けている取付け板31を介して収納ケース11に支持されている。
遮光板部57のうちの3個のライン状照明装置23a,23bの背後に位置する部位における検出箇所Jに向う側面を、検出箇所Jが位置する側とは反対側に凸の凹入面に形成して、遮光板部57のうちの3個のライン状照明装置23a,23bの背後に位置する部位を、検出箇所Jに向う反射光を発生させる反射部57aに構成してある。
つまり、検出箇所Jからの光を、フード筒部56の内部を通して2台の前部側受光装置14A,14Bに受光させる。ライン状照明装置23a,23b,23c、拡散透過部材21及び投射部材32から前部側受光装置14A,14Bに向けて漏れるとか反射する光を、2台の前部側受光装置14A,14Bに受光されないようにフード筒部56及び遮光板部57の全体によって遮光する。ライン状照明装置23a,23b,23c及び拡散透過部材21から前部側受光装置14A,14Bに向けて漏れるとか反射する光を、反射部57aにより、検出箇所Jに向けて反射させてペレット群kに対する照明光にする。
フード筒部56は、受光経路R1に沿う方向視での形状が2台の前部側受光装置14A,14Bに一連に亘る横長形状となるように構成してある。フード筒部56は、2台の前部側受光装置14A,14Bから離れるほど、言い換えると拡散透過部材21に近づくほど内径が小さくなる先細り形状に形成してあり、フード筒部56に斜め方向からの光が入り込んでも、前部側受光装置14A,14Bに悪影響を与え難いように構成してある。すなわち、フード筒部56に斜め方向から入り込んだ光がフード筒部56の内壁面で前部側受光装置14A,14Bに向う方向に反射しても、反射した光は、フード筒部56の先細り形状による内壁面の傾斜により、前部側受光装置14A,14Bの光軸CL1から外側に外れる方向に向かうことになる。
フード筒部56は、上下の偏平な横板部56a及び左右の偏平な縦板部56bを備えて構成してある。上下の横板部56a及び左右の縦板部56bは、フード筒部56の先端側ほど光軸CL1に近付く状態で光軸CL1に対して傾斜している。従って、フード筒部56の内壁面は、上下側及び左右側のいずれの部位においても、フード筒部56の先端側ほど光軸CL1に近付く状態で傾斜した傾斜内壁面になっており、フード筒部56に斜め方向から入り込んだ光を光軸CL1から外側に外れる方向に反射させる。
図2,10に示すように、2つの前部側受光装置14A,14Bの受光経路R1に、分割処理膜81が一側面に備えられた光透過体80を設けてある。光透過体80は、拡散透過部材21に前部側受光装置14A,14Bの受光経路R1が通るように設けた光通過孔70に組み付けてあり、拡散透過部材21に支持されている。
前部側受光装置14A,14Bの集光レンズ17の暗い箇所が検出箇所Jのペレットに写り込むと、ペレットに暗い影が発生して、この暗い影が後部側受光装置15A、15Bに写り込むことがある。この写り込みを防止するように、前部側受光装置14A,14Bの集光レンズ17の暗い箇所がペレットに写り込むことを防止するよう構成してある。
すなわち、光透過体80は、板ガラスあるいはアクリルなど有機ガラスによって構成してある。分割処理膜81は、有機ガラスの側面に錫や銀をめっきあるいは蒸着することによって構成してあり、検出箇所Jに向かう方向で分割処理膜81に入射する入射光を反射光と透過光とに分割する分割処理を行う。具体的には、分割処理膜81は、入射光の6割が反射光となり、入射光の4割が透過光となるように分割処理するよう構成してある。入射光を反射光と透過光とに分割する割合としては、6対4の割合に限らず、前部側受光装置14A,14Bから検出箇所Jに向う光の強さに対応した適切な割合を設定するとよい。
つまり、前部側受光装置14A,14Bから検出箇所Jに向う光が、光透過体80を透過する際、分割処理膜81によって検出箇所Jに届く透過光と、検出箇所Jに届かない反射光とに分割処理される。これにより、前部側受光装置14A,14Bから検出箇所Jに届く光が弱くなり、前部側受光装置14A,14Bの集光レンズ17の暗い箇所がペレットに写り込み難くなる。
図10に示すように、光透過体80に備えてある分割処理膜81は、光透過体80の検出箇所Jに向かう側の側面に備えてある。光透過体80の前部側受光装置14A,14Bに向う側の側面に反射防止膜82としてのARコートを備えてある。
光透過体80が備える分割処理膜81は、光透過体80の側面を鏡面状に形成し、前部側受光装置14A,14Bに向う反射光を発生させ易い。反射防止膜82は、光透過体80の前部側受光装置14A,14Bに向う側面での反射光の発生を抑制する。つまり、光透過体80に分割処理膜81を備えるものでありながら、光透過体80において前部側受光装置14A,14Bに向かう状態で発生する反射光を弱く抑制できる。
後部側受光部13は、前部側受光部12が備える前部側受光装置14A,14B及びレンズフード手段55と同様な構成の後部側受光装置15A,15B及びレンズフード手段65を備えている。後部側受光装置15A、15Bの受光経路R2に、前部側受光装置14A,14Bの受光経路R1に設けた光透過体80と同様な構成の光透過体80を設けてある。
後部側受光部13の前部側受光部12との相違点は、光の検出方向が前後で逆向きになる点だけであるから、後部側受光部13が備える後部側受光装置15A,15B及びレンズフード手段65、後部側受光装置15A、15Bの受光経路R2に設けた光透過体80についての説明は省略する。又、このような受光手段10の検出情報に基づく判別処理については後で説明する。
図2に示すように、検出箇所Jから光が前部側受光装置14A,14Bに導かれる光の光軸CL1、及び、検出箇所Jから光が後部側受光装置15A,15Bに導かれる光の光軸CL2は、夫々、ペレット群kの移送方向と直交する方向ではなく、移送方向と直交する方向よりもペレット移送方向上手側に傾斜する状態で設定され、前部側受光装置14A,14Bと後部側受光装置15A,15Bとが同じ検出箇所Jからの光を同時に検出することができるように構成されている。
次に、照明手段9について説明する。
図1、図2及び図5に示すように、照明手段9は、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して一方側としての装置前部側に位置して検出箇所Jを照明する一方側の照明手段としての前部側照明部18と、ペレット群kの移送方向視あるいは装置側面視において検出箇所Jに対して他方側としての装置後部側に位置して検出箇所Jを照明する他方側の照明手段としての後部側照明部19とを備えて構成されている。
前部側照明部18は、検出箇所Jに向けて出射させる照明用光源20と、その照明用光源20から検出箇所Jに向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材21とを備えて構成されている。
説明を加えると、図2及び図5に示すように、拡散透過部材21は、検出箇所Jから一方側外方としての装置前部側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qを有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている。この拡散透過部材21は、板面の一方側の外方から入射してくる光を拡散光にして透過させる一般的な光拡散用部材からなる板状部材を半円筒形状になるように湾曲形成することにより構成されている。
そして、照明用光源20は、拡散透過部材21における凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で複数の発光部としての複数のライン状照明装置23を備えて構成されている。具体的には、図2及び図5に示すように、検出箇所Jの装置横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で装置横幅方向に長尺の複数のライン状照明装置23を凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で備えて構成されている。
具体的には、前部側照明部18における複数のライン状照明装置23は、検出箇所Jから光が前部側受光装置14A,14Bに導かれる光の光軸CL1に対して上下方向に振り分けた状態で配備され、各ライン状照明装置23は、夫々、検出箇所Jに向けて光を出射させるように取り付けられている。拡散透過部材21は、検出箇所Jから一方側外方としての装置前部側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qを有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている。尚、拡散透過部材21の幅方向中央部には、検出箇所Jからの光を前部側受光装置14A,14Bに導くための光通過孔70が形成されている。
説明を加えると、前記光軸CL1に近接する状態で光軸CL1に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向と略直交する方向に向けて光を出射させる一対の水平光発光用のライン状照明装置23a,23aと、前記光軸CL1から離れる状態で光軸CL1に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向に略沿う方向に向けて光を出射させる一対の垂直光発光用のライン状照明装置23b,23cとがあり、合計4個のライン状照明装置23a,23b,23cが備えられる構成となっている。4個のライン状照明装置23a,23b,23cは、移動落下経路IKのうちの検出箇所Jを含む部位IKaにおけるペレット群kの移動方向に並んでいる。
後部側照明部19は、光を出射する方向が装置の前後で異なるように配置状態が前後で逆になっているが、前部側照明部18と同じ構成である。すなわち、検出箇所Jに向けて出射させる照明用光源24と、その照明用光源24から検出箇所Jに向けて出射された光を拡散光として透過させる拡散透過部材25とを備えて構成されている。
説明を加えると、拡散透過部材25は、検出箇所Jから他方側外方としての装置後部側外方に向けて凸状に湾曲する凸状曲面Qを有し且つ横幅方向に向かって延びる略半円筒状に構成されている。尚、拡散透過部材25の幅方向中央部には、検出箇所Jからの光を後部側受光装置15A,15Bに導くための光通過孔71が形成されている。
そして、照明用光源24は、拡散透過部材25における凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で複数の発光部として複数のライン状照明装置27を備えて構成されている。すなわち、検出箇所Jの装置横幅方向に沿う幅と同じ又は略同じ幅を備える状態で横幅方向に長尺の複数のライン状照明装置27を凸状曲面Qに沿って並ぶ状態で備えて構成されている。
具体的には、光軸CL2に近接する状態で光軸CL2に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向と略直交する方向に向けて光を出射させる一対の水平光発光用のライン状照明装置27a,27aと、前記光軸CL2から離れる状態で光軸CL2に対して上下方向に略均等に振り分け配置されて、ペレット群kの移送方向に略沿う方向に向けて光を出射させる一対の垂直光発光用のライン状照明装置27b,27cとがあり、合計4個のライン状照明装置27a,27b,27cが備えられる構成となっている。4個のライン状照明装置27a,27b,27cは、移動落下経路IKのうちの検出箇所Jを含む部位IKaにおけるペレット群kの移動方向に並んでいる。
前部側照明部18及び後部側照明部19の夫々において、4個のライン状照明装置23,27のうちのペレット群移動方向上手側に位置する上手側ライン状照明装置23b,27bの照明範囲、及び4個のライン状照明装置23,27のうちのペレット群移動方向下手側に位置する下手側ライン状照明装置23c,27cの照明範囲を、4個のライン状照明装置23,27のうちの上手側ライン状照明装置23b,27bと下手側ライン状照明装置23c,27cとの間に位置する中ライン状照明装置23a,27aの照明範囲より狭く設定してある。上手側ライン状照明装置23b,27bの照明範囲と下手側ライン状照明装置23c,27cの照明範囲とは、同じ又はほぼ同じに設定してある。
検出箇所Jに位置するペレットの中間部の表面形状が横向きに凸の円弧や湾曲形状となっても、ペレットの中間部に当った光は、前部側受光装置14A,14B及び後部側受光装置15A、15Bに向かって反射し易い。これに対し、検出箇所Jに位置するペレットの上端部の表面形状は、上向きに凸の円弧や湾曲形状あるいはそれに近い形状となり、検出箇所Jに位置するペレットの下端部の表面形状は、下向きに凸の円弧や湾曲形状あるいはそれに近い形状となることにより、ペレットの上端部及び下端部では、中間部に比べ、前部側受光装置14A、14B及び後部側受光装置15A,15Bに向かって反射する光が弱くなり易い。しかし、出射する光がペレットの上端部に当たる上手側ライン状照明装置23b,27bの照射範囲、及び出射する光がペレットの下端部に当たる下手側ライン状照明装置23c,27cの照射範囲を、出射する光がペレットの中間部に当たる中ライン状照明装置23a,27aの照射範囲より狭く設定してあるから、上手側ライン状照明装置23b,27b及び下手側ライン状照明装置23c,27cは、中ライン状照明装置23a,27aよりも集中した強い光をペレットの上端部や下端部に向けて出射する。従って、ペレットの上端部及び下端部から前部側受光装置14A,14B及び後部側受光装置15A、15Bに向かう反射光と、ペレットの中間部から前部側受光装置14A,14B及び後部側受光装置15A、15Bに向かう反射光との強さの差が無いとかあまり無いことになり、正常物のペレットであるにもかかわらず、上端部や下端部が暗くなった状態で前部側受光装置14A,14B及び後部側受光装置15A、15Bに写ることを防止できる。
また、ペレットの上端部及び下端部から前部側受光装置14A,14B及び後部側受光装置15A、15Bに向かう反射光が適切な強さの反射光になるように設定した上手側ライン状照明装置23b,27b及び下手側ライン状照明装置23c,27cの照射範囲と同じ狭い照射範囲を中ライン状照明装置23a,27aに備えた場合、ペレットの中間部に強い光が集中的に当ってハレーションが発生し易い。しかし、中ライン状照明装置23a,27aの照射範囲が上手側ライン状照明装置23b,27b及び下手側ライン状照明装置23c,27cの照射範囲より広いことにより、ハレーションの発生を回避できる。
前部側照明部18及び後部側照明部19の夫々における各ライン状照明装置23,27は、詳述はしないが、白色LED発光素子を基板上に3列状態で横幅方向に長尺状に並べて備えるとともに、それら複数の白色LED発光素子から発せられる光を集光する集光部材や光を拡散させる拡散板等を備えた構成となっている。
そして、図9に示すように、前部側照明部18における4個のライン状照明装置23の夫々の光量、及び、後部側照明部19における4個のライン状照明装置27の夫々の光量を各別に変更調整自在な照明光量調整手段28が備えられている。
この照明光量調整手段28は、前部側照明部18における4個のライン状照明装置23に対して各別に作用する4個の前部側用の照明光量調整回路29と、後部側照明部19における4個のライン状照明装置27に対して各別に作用する4個の後部側用の照明光量調整回路30とで構成される。
図2,3に示すように、移動落下経路IKのうちの検出箇所Jを含む部位IKaの両横側方と収納ケース11における側部カバー11Aとの間に位置する箇所に反射部材85を設けてある。前記部位IKaの両横側の反射部材85は、前部側受光装置14A,14B及び後部側受光装置15A、15Bの受光方向に交差する方向での拡散透過部材21,25の横側方に位置する箇所に配置してある。図3,5に示すように、前記部位IKaの両横側の反射部材85は、反射部材85から検出箇所Jが位置する側とは反対側に延出した一対の支持アーム86,86を備え、一対の支持アーム86,86の延出端部を収納ケース11の側部カバー11Aに連結して収納ケース11に支持させるように構成してある。
前記部位IKaの両横側の反射部材85は、移動落下経路IKにおける前記部位1Kaから横外側に漏れ出ようとする光を、検出箇所Jに向けて反射させてペレット群kの照明用にする。前記部位IKaの両横側の反射部材85の検出箇所Jに向かう側面に、白色のセラミックコートを施して形成した反射面85aを備えてある。
このように、ペレット群kの移送方向と略直交する方向に向けて光を出射させる一対の水平光発光用のライン状照明装置23a,27aと、ペレット群kの移送方向に略沿う方向に向けて光を出射させる一対の垂直光発光用のライン状照明装置23b,23c,27b,27cとが備えられ、しかも、それらから出射された光を拡散光として透過させる半円筒状の拡散透過部材21,25を備えることから、さらに、レンズフード手段55,65が反射機能を備えることから、さらに、反射部材85を備えることから、検出箇所Jに位置するペレットに対して照明される光が、ペレットの外周部の広い範囲にわたって略均等に拡散された状態となる。上手側ライン状照明装置23b,27b及び下手側ライン状照明装置23c,27cが中ライン状照明装置23a,27aよりも狭い照射範囲を備えて集中した強い光をペレット群kに当てるから、ペレットの上端部及び下端部が前部側受光装置14A,14B及び後部側受光装置15A,15Bに暗くなって写ることが無い。
その結果、ペレットが透明な材料で形成されるものであっても、異常な箇所が存在しない正常なペレットであれば、光の強さが大きい特に明るい部分や光の強さが小さい影の部分等が生じるおそれが少ないものになる。
そして、詳細な取付け構造については詳述はしないが、前部側照明部18における合計4個のライン状照明装置23は、収納ケース11の横幅方向両側部に取り外し自在にビス止めされた取付け板31に亘って架設連結されており、収納ケース11における側部カバー11Aと横幅方向両側部の夫々の取付け板31を取り外すと、両側の取付け板31と4個のライン状照明装置23が一体的に支持された状態が外部に取り外すことが可能な構成となっている。このことにより、修理交換等のメンテナンス作業が行い易いものとなっている。
図2に示すように、前部側受光部12の受光方向における検出箇所Jの前部側受光部12とは反対側箇所から前部側受光部12に向けて光を投射する前部側の投射部材32が、前部側照明部18における下側の水平光発光用のライン状照明装置23aと下側の垂直光発光用のライン状照明装置23cとの間に位置する状態で備えられている。
又、後部側受光部13の受光方向における検出箇所Jの後部側受光部13とは反対側箇所から後部側受光部に向けて光を投射する後部側の投射部材33が、後部側照明部19における下側に位置する水平光発光用のライン状照明装置27aと下側の垂直光発光用のライン状照明装置27cとの間に位置する状態で備えられている。
前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33は、夫々、詳述はしないが、横幅方向に長尺に形成された基板上にLED発光素子を多数並べて配備するとともに、そのLED発光素子から発した光を拡散板にて拡散させた状態で検出箇所Jを通して前部側受光部12及び後部側受光部13に光を投射するように構成されている。
図9に示すように、この前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33は、背景光量調整手段としての背景光量調整装置34によってペレット群kのうちの正常物からの反射光と同一又は略同一の明るさの光を投射するようにその光量が調整されることになる。
つまり、受光手段10の受光方向における検出箇所Jの受光手段10とは反対側箇所から受光手段10に向けて光を投射する投射部材32,33が備えられ、この投射部材32,33の光量を変更調整自在な背景光量調整装置34が備えられている。この背景光量調整装置34は、前部側の投射部材32や後部側の投射部材33を構成するLED発光素子に供給する電流値を変更調整することにより、受光手段10に投射する光量を変更調整することが可能な構成となっている。
図2に示すように、収納ケース11の前後中央部には、シュータ1により流下案内されるペレット群kが通過するために上下方向に貫通するペレット通過用空間C1が形成され、そのペレット通過用空間C1の装置前部側には、前部側照明部18、前部側の投射部材32を収納する前部側収納空間C2が形成され、ペレット通過用空間C1の装置後部側には、後部側照明部19、後部側の投射部材33を収納する後部側収納空間C3が形成されている。
ペレット通過用空間C1と前部側収納空間C2との間には、収納ケース11に備えられた前部側の仕切り部35とそれに連なるように設けられたガラス製の光透過窓36が設けられ、ペレット通過用空間C1と後部側収納空間C3との間には、後部側の仕切り部37とそれに連なるように設けられたガラス製の光透過窓38が設けられている。このように前部側収納空間C2や後部側収納空間C3は、ペレット通過用空間C1と仕切られて塵埃等が侵入しないようにしている。
上述したように、検出箇所Jから光が前部側受光装置14A,14Bに導かれる光の光軸CL1、及び、検出箇所Jから光が後部側受光装置15A,15Bに導かれる光の光軸CL2は、夫々、ペレット群kの移送方向と直交する方向よりもペレット移送方向上手側に傾斜する状態で設定されているが、検出箇所Jからの光を効率よく検出するために、前後の光透過窓36,38は前記各光軸CL1,CL2の夫々と直交する状態で設けられることから、検出箇所Jがその内部に位置するペレット通過用空間C1は下方側ほど幅広となる下広がり状に形成されることになる。
検出箇所Jの下方に、分離手段としてエアー吹き付け装置7を設けてある。エアー吹き付け装置7は、検出箇所Jからペレット群kが落下する落下経路Lに対してその横側としての装置後方側に外れた箇所に位置している。エアー吹き付け装置7は、検出箇所Jでの受光情報に基づいて判別された異常物(例えば、樹脂処理過程で焼けて着色したペレットや、色の違うペレット等)に対してエアーを吹き付けて、異常物を正常なペレット群kの移動方向から分離させる。
このエアー吹き付け装置7は、噴射ノズル7aの複数個を、検出箇所Jの横幅方向全幅を所定幅で複数個の区画に分割形成した各区画に対応する状態で並置させ、異常物が存在する区画の噴射ノズル7aが作動して異常物を吹き飛ばすように構成されている。
図2に示すように、エアー吹き付け装置7の上方に下第1反射部材90を設け、検出箇所Jから下方に抜け出ようとする光を、エアー吹き付け装置7に当たって乱反射しないように、エアー吹き付け装置7の上方箇所で下第1反射部材90によって検出箇所Jに向けて反射させてペレット群kの照明用にするよう構成してある。
図3,5に示すように、下第1反射部材90は、装置横方向に長い扁平な主反射板部91と、主反射板部91の装置横方向での両端から斜めに立ち上がった偏平な副反射板部92とを備えている。下第1反射部材90は、主反射板部91の裏面側から下向きに延出した一対の取付け脚部93,93を備え、エアー吹き付け装置7に一対の取付け脚部93,93によって連結して支持させるように構成してある。下第1反射部材90の全体での装置横方向での長さは、検出箇所Jの装置横方向幅と同じ又は略同じ長さに設定してある。主反射板部91及び副反射板部92の検出箇所Jに向かう上向き面に、白色のセラミックコートを施して形成した反射面91a,92aを備えてある。主反射板部91の反射面91aは、検出箇所Jからペレット群kが落下する落下経路Lから横外側に外れるほど高い配置高さに位置する傾斜面になっており、下第1反射部材90は、検出箇所Jからのベレットが主反射板部91及び副反射板部92の上に落ちても、主反射板部91及び副反射板部92の傾斜によって落下経路Lに自ずと落下させるガイド機能を備えている。
そして、図1に示すように、噴射ノズル7aからのエアーの吹き付けを受けずにそのまま進行してくる正常なペレットを回収する正常物用の回収部6(以下、正常物回収部6と称する。)と、エアーの吹き付けを受けて正常なペレットの流れから横方向に分離した異常物を回収する異常物用の回収部39(以下、異常物回収部39と称する。)とが設けられ、正常物回収部6が横幅方向に細長い筒状に形成され、エアーの吹き付けにより飛ばされたペレットを回収するように、異常物回収部39が形成されている。
図2,3に示すように、検出箇所Jの下方に、装置横方向に長い案内体95を設けてある。案内体95は、落下経路Lに対してエアー吹き付け装置7が位置する側とは反対側に外れた箇所に位置している。案内体95は、落下経路Lからその横側としての装置前方側に外れるほど低い配置高さに位置する傾斜状態の傾斜案内面95aを備え、エアー吹き付け装置7によって飛ばされた異常物を、傾斜案内面95aによって異常物回収部39に落下するように案内する。
案内体95の上方に装置横方向に長い平板状の下第2反射部材97を設け、検出箇所Jから下方に抜け出ようとする光を、案内体95に当たって反射しないように、案内体95の上方箇所で下第2反射部材97によって検出箇所Jに向けて反射させてペレット群kの照明用にするよう構成してある。
図3,5に示すように、下第2反射部材97の装置横方向での長さは、検出箇所Jの装置横方向幅と同じ又は略同じ長さに設定してある。下第2反射部材97の検出箇所Jに向かう上向き面に、白色のセラミックコートを施して形成した反射面97aを備えてある。下第2反射部材97は、装置横方向での両端部の折り曲げ端部によって構成した取付け脚部98を備え、取付け脚部98を案内体95の上面側に連結して案内体95に支持させるように構成してある。
次に、粒状体検査装置の全体支持構造について説明する。
図1に示すように、脚部40を備えた底部41、底部41から立設された前部縦枠42、後部縦43、左右両側部においてそれらを連結する斜め方向の横枠44,45等により機枠が構成され、振動フィーダ3に対する振動発生器5が左右両側の横枠44に亘って架設支持された略箱状の枠部47に支持され、底部41上には、エアー吹き付け装置7に対してエアーを供給するための図示しないエアー供給源からのエアーの圧力を調整するための調圧装置48等が設置されている。
又、光学式計測部8を収納する収納ケース11が左右両側の横枠45に亘って架設支持された箱状の支持台49に支持されている。又、シュータ1が上部側で枠部47に下部側で収納ケース11に支持されている。前部縦枠42の上部斜め部分を覆う前部カバー50に情報の表示及び入力用の操作パネル46が設置され、後部カバー51の内部には後述するような制御用の回路を備えた回路基板が備えられている。尚、図示はしないが、前部カバー50及び後部カバー51は左右方向に開閉自在に構成され、装置内部の点検等を行うことができるようになっている。
次に制御構成について説明する。
図9に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置52が設けられ、この制御装置52に、2台の前部側受光装置14A,14B、及び、2台の後部側受光装置15A,15Bからの各受光信号と、操作パネル46からの操作情報とが入力されている。
一方、制御装置52からは、操作パネル46に対する表示用の駆動信号と、4個の前部側用の照明光量調整回路29に対する駆動信号と、4個の後部側用の照明光量調整回路30に対する駆動信号と、各噴射ノズル7aへのエアー供給をオンオフする複数個の電磁弁53に対する駆動信号と、振動発生器5に対する駆動信号と、前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33に対する駆動信号とが出力されている。
そして、制御装置52を利用して、前記各受光装置14A,14B、15A,15Bからの受光量を設定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした受光量がペレット群kにおける正常物からの検出光に対する適正光量範囲ΔE1,ΔE2(図8参照)を外れているか否かの判別を行う判別手段100が構成されている。
具体的には、この判別手段100は、前部側受光装置14A,14Bの各単位受光部tの受光量を所定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が前面側の反射光について各単位受光部t毎に設定された適正光量範囲ΔE2を外れているか否かの判別を各単位受光部t毎に行うとともに、後部側受光装置15A,15Bの各単位受光部tの受光量を所定時間間隔でサンプリングして、そのサンプリングした光量値が後面側の反射光について各単位受光部t毎に設定された適正光量範囲ΔE1を外れているか否かの判別を各単位受光部t毎に行い、上記両判別においていずれかの単位受光部tの受光量が適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れている場合に異常物の存在を検出する。
上記異常物について説明すると、例えばペレットの外周の一部の箇所に正常物と濃度が異なる異常箇所、具体的には、ペレットの表面に樹脂処理の過程において生じた焼けによる黒色箇所やコンタミによる汚染箇所があるような場合に、その異常箇所からの反射光を受光した単位受光部tの受光量が、上記適正光量範囲ΔE1,ΔE2を外れて異常物の存在が検出される。
異常物の信号について図8に例示する。尚、図8は、受光出力電圧の波形の一部を拡大したものであり、説明を判り易くするために、実際よりも異常が多く発生している状態が示されている。
図8において、e0は、正常なペレットからの標準的な反射光に対する出力電圧レベルであり、受光素子5aの出力電圧が適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも小さい場合e1,e2では、正常なペレットよりも反射率が小さい異常のペレット(例えば、焼け部分)や異なる色の樹脂ペレット等の存在を判別し、適正光量範囲ΔE1,ΔE2よりも大きい場合e3では、正常なペレットよりも反射率が大きい異なる色の樹脂ペレット(例えば、明度が大きい白色の樹脂ペレット)等の異物の存在を判別する。
そして、制御装置52は、検出箇所Jを通過したペレット群kのうちで、異常物の存在が判別された場合には、検出箇所Jから噴射ノズル7aの噴射位置にペレット群kが搬送されるのに要する時間間隔が経過するに伴って、異常物に対してその位置に対応する区画の各噴射ノズル7aからエアーを吹き付けて、異常物を正常なペレットの経路から分離させる。
そして、この検査装置では、検査対象物としての多数のペレット群kについて選別処理を開始する前に、以下に説明するような種々の調整処理を実行することになる。
先ず、適正光量範囲ΔE1,ΔE2を設定して記憶する。
すなわち、例えば、検査対象物としてのペレット群kについて、人為的な判断により予め異常であると判断された異常物を設定個数用意しておき、この異常物をシュータ1を流下させて全ての受光量の計測を順次行い、その受光量の計測結果に基づいて、異常であると判別すべき光量の設定閾値を定めて適正光量範囲ΔE1,ΔE2を定め、その適正光量範囲ΔE1,ΔE2を図示しないメモリに記憶させておき、検査対象物としての多数のペレット群kについて検出を実行するときには、この記憶している適正光量範囲ΔE1,ΔE2を用いて検出処理を実行する。
又、多数のペレット群kについて選別処理を開始する前に、複数のライン状照明装置23,27に対して各別に作用する照明光量調整手段28による照明光量調整処理を行う。
つまり、図2に示すように、検出箇所Jがその内部に位置するペレット通過用空間C1は下方側ほど幅広となる下広がり状に形成されるので、前部側照明部18における下側の水平光発光用のライン状照明装置23aと、上側の水平光発光用のライン状照明装置23aとは、検出箇所Jからの離間距離が互いに異なるものであり、同じ光量を出射させても、検出箇所Jを照射する光の光量は少しだけ異なることになる。上下両側の垂直光発光用のライン状照明装置23bについても同様である。そこで、作業者が、操作パネル46を用いて各ライン状照明装置23により検出箇所Jを照射する光の光量が同じになるように、各ライン状照明装置23の光量を変更調整するのである。
後部側照明部19についても同様に、各ライン状照明装置27の光量を変更調整する。
多数のペレット群kについて選別処理を開始する前に、2台の前部側受光装置14A,14Bの個体差に起因した検出値の誤差が生じないように、すなわち、同一のペレットについて同じ検出値が得られるように、2台の前部側受光装置14A,14Bの検出値についての出力ゲイン調整処理を行う。2台の後部側受光装置15A,15Bの検出値についても同様に、検出値の誤差が生じないように出力ゲイン調整処理を行う。
さらに、多数のペレット群kについて選別処理を開始する前には、前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33の光量を調整する背景光量調整処理を行う。つまり、作業者が、操作パネル46を用いて、前部側の投射部材32及び後部側の投射部材33の光量を、正常物に対応する光量になるように変更調整するのである。このように背景光量が正常物の光量と同等になることで、検出箇所Jにペレットが存在しないときにも、受光手段10の受光量に基づいて異常物の存在を検出することがなく、エアー吹き付け装置7が不必要に作動して無駄な動作を実行することがない。
〔別実施形態〕(1)上記した実施形態では、拡散透過部材21,25の凸状曲面Qに沿って位置する照明用光源20,24を、夫々独立に形成されたライン状照明装置23,27を備えて構成した例を示したが、この構成に替えて、例えば、図12及び図13に示すように、照明用光源20,24を、拡散透過部材21,25の凸状曲面Qに沿うように略円弧状に一体的に形成された1つの照明装置60によって構成してもよい。尚、この構成では、照明用光源20,24が凸状曲面Qに沿うように一体的に形成されるものであるから、その中央部には、検出箇所Jから受光手段10に向けて光を通過させるための光通過孔73,74が形成されることになる。
又、図14に示すように、多角形状に一体的に形成された1つの照明装置61にて構成されるもの等でもよい。
(2)上記した実施形態では、複数の発光部23,27(ライン状照明装置23,27)の全てが拡散透過部材21,25の近くに寄った箇所で拡散透過部材21,25に沿って一列に並ぶ構成を採用した例を示したが、複数の発光部23,27が拡散透過部材21,25の近くに寄った箇所に拡散透過部材21,25に沿って位置する列と、受光装置14A,14B,15A,15Bに寄った箇所に拡散透過部材21,25に沿って位置する列とに分かれて並ぶ構成を採用して実施してもよい。
(3)上記した実施形態では、4個の発光部23,27(ライン状照明装置23,27)を備え、中発光部23a,27aよりも照射範囲が狭い上手側発光部23b,27b及び下手側発光部23c,27cとして1個の発光部を採用した例を示したが、数多くの発光部23,24を備え、中発光部23a,27aよりも照射範囲が狭い上手側発光部23b,27bとして、最上手側の1個と次に上手側の1個との計2個の発光部を採用し、下手側発光部23c、27cとして、最下手側の1個と次に下手側の1個との計2個の発光部を採用して実施してもよい。また、上手側発光部と下手側発光部の数を相違させて実施してもよい。
(4)上記した実施形態では、検出箇所Jに向かう側の側面に分割処理膜81が備えられた光透過体80を採用した例を示したが、図11に示すように、受光装置14A,14B,15A,15Bに向う側の側面に分割処理膜81が備えられ、検出箇所Jに向かう側の側面に反射防止膜82としてのARコートが備えられた光透過体80を採用してもよい。この場合、次の如き作用効果を備える。
前部側及び後部側の受光装置14A,14B,15A,15Bから検出箇所Jに向う光が、光透過体80を透過する際、分割処理膜81によって検出箇所Jに届く透過光と、検出箇所Jに届かない反射光とに分割処理されて、前部側及び後部側の受光装置14A,14B,15A,15Bから検出箇所Jに届く光が弱くなることにより、前部側及び後部側の受光装置14A,14B,15A,15Bのレンズの暗い箇所がペレットに写り込み難くい。
分割処理膜81は、検出箇所Jから前部側及び後部側の受光装置14A,14B,15A,15Bに向う光を、前部側及び後部側の受光装置14A,14B,15A,15Bに届く透過光と、前部側及び後部側の受光装置14A,14B,15A,15Bに届かない反射光とに分割処理する。しかし、反射防止膜82は、光透過体80の検出箇所Jに向かう側面での光の反射を抑制する。従って、検出箇所Jから前部側及び後部側の受光装置14A,14B,15A,15Bに向う光が分割処理膜81のために弱くなることを反射防止膜82によって抑制でき、前部側及び後部側の受光装置14A,14B,15A,15Bのレンズの暗い箇所をペレットに写り込み難くできながら、検出箇所Jから前部側及び後部側の受光装置14A,14B,15A,15Bに届く光を強くできる。
(5)上記した実施形態では、前記照明用光源20,24がLED発光素子を備えて構成されるものを示したが、照明用光源としては、LED発光素子に限らず、蛍光灯等の他の種類の照明用のランプを用いることができる。
(6)上記した実施例では、受光手段10に向けて光を投射する投射部材32,33が、LED発光素子を備えて構成されるものを示したが、投射部材としては、LED発光素子に限らず、所定の光反射率を備える反射板にて構成してもよい。
(7)上記した実施形態では、受光手段10として、装置横幅方向に沿って並ぶ状態で配備された2台の受光装置14A,14B,15A,15Bを備える構成としたが、検出箇所の横幅方向全幅に亘る1台の受光装置にて検出する構成としてもよい。
(8)上記した実施形態では、分離手段7によって異常物を飛ばして分離させるよう構成した例を示したが、正常物を分離手段によって飛ばして分離させるよう構成して実施してもよい。