JP4674092B2 - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パネル型の表示装置に係り、特に絶縁基板の一主面上に形成された非晶質または粒状多結晶半導体膜にレーザ光(以下、単にレーザとも言う)照射によるアニールで結晶粒を略帯状に拡大する改質を施して、帯状多結晶半導体膜にアクティブ素子を作り込んだ絶縁基板を用いた表示装置の製造方法に関する。
現在、液晶表示装置や有機EL表示装置などの平面型すなわちパネル型の表示装置は、ガラスや溶融石英などの基板上に絶縁膜を介して形成された非晶質シリコン膜または多結晶シリコン膜で構成された画素回路のトランジスタ(薄膜トランジスタ)のスイッチングにより画像を形成している。画素回路を形成した基板はアクティブ・マトリクス基板、あるいは単にアクティブパネルとも称する。このような基板上に画素回路の薄膜トランジスタを駆動するドライバ回路を同時に形成することが可能になれば、飛躍的な製造コスト低減および信頼性の向上が期待できる。しかし、ドライバ回路を構成するトランジスタ(薄膜トランジスタ)の能動層を形成するシリコン膜が非晶質シリコンの場合、移動度に代表される薄膜トランジスタの性能が低く、高速・高機能が要求される回路の製作は困難である。
これら高速・高機能の回路を製作するためには、高移動度の薄膜トランジスタを必要とし、これを実現するためにシリコン薄膜の結晶性を改善する必要がある。この結晶性改善の手法として、従来からエキシマレーザアニール(ELA)が注目を浴びている。この方法は、ガラスなどの絶縁基板上に絶縁膜を介して形成された非晶質シリコン膜にエキシマレーザを照射して、非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に変化させることで、移動度を改善するものである。しかしながら、エキシマレーザの照射により得られる多結晶膜は、その結晶粒径が数10nm〜数100nm程度であり、表示装置の画素トランジスタを駆動するドライバ回路などに適用するには、まだ性能不足である。
この問題を解決する従来技術として、「特許文献1」には時間変調した連続発振レーザ光を線状に集光して高速に走査しながら照射することで、走査方向に結晶を横方向成長させ、いわゆる帯状結晶を形成する方法が開示されている。これは、基板全面をエキシマレーザアニールにより多結晶化させた後、駆動回路が形成される領域のみに、形成するトランジスタの電流経路(ドレイン−ソース方向)と一致した方向にレーザ光を走査して結晶粒を横方向成長させ、結果的に電流経路を横切る結晶粒界が存在しないようにすることで、移動度を大幅に向上するものである。
しかしながら、現時点での連続発振YAGレーザ第二高調波出力は20W程度が限界であり、1回の走査で処理できる幅に限界があるため、1m×1mあるいはそれ以上の大形基板に数10個〜数100個のアクティブ基板を形成するような場合、その全面に細長い形状に整形した連続発振レーザ光を照射することはスループットの観点からが極めて難しい。
そのため、高性能のトランジスタが必要とされる領域のみに選択的に照射することが必要である。その場合、細長い形状に整形した連続発振レーザ光を選択的に照射した領域に正確にトランジスタを形成するためには、アニール工程後のフォトプロセスにおいて、フォトマスクの位置合わせを行うためのアライメントマークの存在が不可欠である。「特許文献1」「特許文献2」にはアニールで使用するレーザを用いて、また「特許文献3」「特許文献4」にはアニールに用いるレーザと同軸に設置した別なレーザでアライメントマークを形成することが開示されている。
特開2003−124136号公報 特開2003−86505号公報 特開2004−55771号公報 特開2004−179474号公報
本発明は上記従来技術を改良するものである。即ち、「特許文献1」「特許文献4」にはアニールに用いるレーザを照射して基板上のシリコン膜を除去することで、アライメントマークを形成することが記載されている。しかしながら、シリコン膜の除去によりマークを形成することは異物を発生することであり、望ましくない。
また、「特許文献2」にはアニールに用いるレーザを断続的に照射して、結晶化により位置合わせ用マーカを形成することが記載されている。しかしながら、レーザを断続的に照射する旨の記載があるだけで任意の形状のマークを形成する点の考慮がなされていない。
さらに、「特許文献3」にはアニールに用いるレーザ発振器とは別なレーザ発振器を同軸で使用し、ドット状のステッパ用読み取りマークを形成する方法が開示されているが、マーク形成用レーザを設ける必要があるため、装置価格上昇を引き起こす要因となっていた。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、量産に適した平面表示装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の表示装置の製造方法は、基板上に形成した非晶質シリコン薄膜を、所望の領域以外を多結晶化させた後で残留している非晶質シリコン薄膜上にアニールに使用する連続発振レーザ光を、アライメントマークの形成されたマスク(レチクルとも称する)面に一定時間照射し、該マスクを透過したレーザ光を結像レンズ(チューブレンズ)により平行光に変換した後、対物レンズにより被アニール基板上の非晶質シリコン薄膜表面にマスクの縮小投影像として照射することを特徴とする。これにより、非晶質シリコン薄膜を照射部分のみ多結晶シリコン薄膜に変換することができ、アライメントマークを形成することができる。
本発明により、アライメントマークの形成に伴う異物発生による製造歩留まりを低下させること無く、また装置価格の上昇を抑えて、平面表示装置を製造することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を実施例の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明をするに好適な表示装置の製造装置の構成を説明する図である。この製造装置は、励起用LD(レーザダイオード)1と光ファイバ2で結合された連続発振レーザ光(以下、単にレーザ光とも称する)3を発生するレーザ発振器4、レーザ光3のON/OFFを行うシャッタ5、レーザ光3のエネルギを調整するための透過率連続可変NDフィルタ6、レーザ発振器4から出力されたレーザ光3を振幅変調してパルス化あるいはエネルギの時間的な強度(振幅)変調を実現するための変調器7と偏光ビームスプリッタ8を備える。
また、偏光ビームスプリッタ8からのレーザ光3のビーム径を調整するためのビームエキスパンダ(あるいはビームリデューサ)9、レーザ光3を細長い形状、例えば線状、矩形状、楕円状、長円状でかつフラットトップのエネルギ分布を有するビーム形状に整形するビーム整形器11および矩形或いは円形のフラットトップのエネルギ分布を有するビーム形状に整形するビーム整形器11’、ビーム整形器11で細長い形状に整形されたレーザ光3の長手方向を所定の寸法に調整するためのマスク14およびビーム整形器11’で矩形或いは円形のフラットトップのエネルギ分布に整形したレーザ光でアライメントマークを形成するための原図が形成されたマスク14’を備える。
そして、マスク14あるいはマスク14’の像を平行光に変換する結像レンズ(チューブレンズ)15、結像レンズ(チューブレンズ)15を通過したレーザ光の一部を反射するミラー16、ミラー16で反射したレーザ光を結像するための対物レンズ17、ビームプロファイラ(エネルギ分布測定器)18、ミラー16を透過したレーザ光をステージ21上に載置された基板20上に、ビーム整形器11で細長い形状に整形されたレーザビーム像あるいはビーム整形器11’で矩形或いは円形のフラットトップのエネルギ分布を有するレーザ光のマスク14’を透過したアライメントマーク像を縮小投影する対物レンズ19、対物レンズ19で基板20表面を(特にアライメントマーク)を撮像するための結像レンズ(チューブレンズ)24、撮像素子25、モニタ26、画像処理装置27、本製造装置の各要素を制御するための制御装置28から構成されている。なお、ビーム整形器11と11’、更にマスク14とマスク14’はそれぞれ同期して切り替え可能に設置してある。
次に、各部の動作・機能について詳細に説明する。連続発振レーザ光3は、この製造方法の対象である非晶質あるいは多結晶シリコン薄膜に対して吸収のある波長、即ち紫外波長から可視波長を持つことが望ましい。より具体的にはArレーザあるいはKrレーザとその第二高調波、Nd:YAGレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:YLFレーザの第二高調波及び第三高調波などが適用可能である。これらの中で、出力の大きさ及び安定性を考慮すると、LD(レーザダイオード)励起Nd:YAGレーザの第二高調波(波長532nm)あるいはNd:YVO4レーザの第二高調波(波長532nm)が最も望ましい。以後の説明では、LD励起Nd:YVO4レーザの第二高調波を使用した場合について説明する。
レーザ発振器4から発振された連続発振レーザ光3はシャッタ5によりON/OFFされる。即ち、レーザ発振器4は常に一定出力でレーザ光3を発振した状態におかれ、シャッタ5は通常には閉じた状態(OFF状態)として、レーザ光3はシャッタ5で遮られている。レーザ光3を照射する場合のみ、このシャッタ5を開く(ON状態にする)ことで、レーザ光3を出力させる。励起用レーザダイオード1をON/OFFすることで、レーザ光3のON/OFFを行うことは可能だが、レーザ出力の安定性を確保するためには望ましくない。このほか、安全上の観点から緊急にレーザ光3の照射を停止したい場合にも、シャッタ5を閉じればよく、これにより発振器自体に悪影響(発振器にダメージを生じたり、復帰後の作業再開に長時間を必要とするなど)を及ぼすことはない。
シャッタ5を通過したレーザ光3は出力調整に使用する透過率連続可変NDフィルタ6を透過して変調器7に入射される。透過率連続可変NDフィルタ6としてはレーザ光が透過することで偏光方向が回転しないものが望ましい。ただし、後述するように変調器7として偏光方向の影響を受けないAOモジュレータを採用する場合には、その限りではない。変調器7としてはEOモジュレータが最も適している。EOモジュレータはドライバ(図示せず)を介してポッケルス・セル(結晶)に電圧を印加することで、結晶を透過するレーザ光3の偏光方向を回転させ、結晶の後方に置いた偏光ビームスプリッタ8でP偏光成分のみを通過、S偏光成分を90度偏向させることでレーザ光3のON/OFF(あるいはパルス化)および出力の調整を行うことができる。ただし、変調器7による出力の調整は、本実施例における必須機能ではなく、単にレーザ光3のON/OFF(あるいはパルス化)を行えれば十分である。
偏光ビームスプリッタ8に対してP偏光で入射するようにレーザ光3の偏光方向を回転させるための電圧V1と、S偏光で入射するようにレーザ光3の偏光方向を回転させるための電圧V2を交互に、あるいはV1とV2の間の任意に変化する電圧を印加することで、レーザ光3を振幅変調する。なお、図1では変調器7と偏光ビームスプリッタ8を組み合わせることで説明したが、偏光ビームスプリッタの代替として各種偏光素子を用いることができる。なお、図1では変調器7と偏光ビームスプリッタ8を独立した部品として示したが、各種偏光素子まで含めたものを変調器(EOモジュレータ)7として市販されている場合もあり、ポッケルス・セルと偏光ビームスプリッタ8(または各種偏光素子)を組み合わせたもの全体をEOモジュレータと称する場合もある。
また、変調器7の他の例として、AO(音響光学)モジュレータを使用することができる。一般的にAOモジュレータはEOモジュレータと比較して、駆動周波数が低く、また回折効率も70〜90%とEOモジュレータと比較して効率が悪いが、レーザ光が直線偏光でない場合でもON/OFF(あるいはパルス化)を行える特徴があり、透過率連続可変NDフィルタ6として透過レーザ光の偏光方向が回転するものを使用した場合でも問題は生じない。このようにEOモジュレータ7(及び偏光ビームスプリッタ8)あるいはAOモジュレータなどの変調器7を用いることにより、連続発振レーザ光から任意のタイミングで任意の波形(時間的なエネルギ変化)を有するレーザ光を得ることができる。即ち、所望の振幅変調を行うことができる。
振幅変調されたレーザ光3はビーム径を調整するためのビームエキスパンダ(あるいはビームリデューサ)9でビーム径を調整され、ビーム整形器11に入射する。ビーム整形器11はレーザ光3を細長い形状のビームに整形するための光学素子である。通常、ガスレーザや固体レーザは、ガウス形のエネルギ分布を持っているため、そのままでは本発明のレーザアニールに使用することはできない。発振器出力が十分に大きければ、ビーム径を十分に広げ、中心部分の比較的均一な部分のみを切り出すことで、ほぼ均一なエネルギ分布を得ることができるが、ビームの周辺部分を捨てることになり、エネルギの大部分が無駄になる。この欠点を解決して、ガウス形の分布を均一な分布(トップフラット)に変換するために、ビーム整形器11を用いる。
ビーム整形器11として回折光学素子を使用することができる。回折光学素子は石英などの基板にフォトエッチング工程により微細な段差を形成し、それぞれの段差部分を透過するレーザ光が形成する回折パターンを結像面(マスク14面)で合成し、結果的に結像面(マスク14面)上で線状あるいは矩形状のエネルギ分布が得られるように作成されている。即ち、ここで用いる回折光学素子にガウス分布のレーザ光を入射することで、一方向(長手方向)に均一な分布で、かつその直角方向(短手方向)にはガウス分布に集光されるように設計・製作されている。回折光学素子を使用した場合の長手方向の強度分布はバラツキが±3%以内の均一な分布が得られる。
また、同様にビーム整形器11’として回折光学素子を使用することができる。ここで採用する回折光学素子はガウス分布のレーザ光を入射することで、矩形あるいは円形のフラットトップのエネルギ分布を有するビームが得られるように設計製作されている。この回折光学素子を使用した場合、強度分布はバラツキが±5%以内の均一な分布が得られる。
あるいは、細長い形状のビームに整形するためのビーム整形器11として回折光学素子の代りに、パウエルレンズとシリンドリカルレンズの組み合わせを用いることができる。パウエルレンズはシリンドリカルレンズの一種で、ガウス分布のレーザ光を入射させた場合に、中心部分のエネルギ密度が高い部分は疎になるように、周辺部分のエネルギ密度が低い部分は密になるように投影面上に結像させる。その面と直角方向に対しては、パウエルレンズ23単体ではエネルギ分布の変化がないままなので、シリンドリカルレンズで集光する。結果として、長手方向には均一なエネルギ分布を有し、短手方向にはガウス分布を有する細長い形状のビームがマスク14面上に形成されたことになる。パウエルレンズを使用した場合の長手方向の強度分布はバラツキが±5%程度の、均一な分布が得られている。
必要に応じて、長手方向のビーム周辺部のエネルギ密度変化が大きい部分、あるいは裾野部分(回折光学素子の場合には高次回折光)はマスク14により遮光することで、あるいは必要な寸法に整形することで、立ち上がりが急で所望の寸法を有する線状の光ビームが得られる。ここで得られた線状の光ビームは結像レンズ(チューブレンズ)15により平行光に変換され、対物レンズ19により基板20上に対物レンズ倍率の逆数の大きさに縮小投影される。即ち、10倍のレンズを使用した場合、マスク14で整形されたビーム寸法の1/10の大きさで投影される。レーザ光が照射された状態でステージ21を線状ビーム短手方向に高速走査することで、照射された部分のシリコン膜は溶融再凝固し、走査方向にラテラル(横方向)成長した結晶で構成された膜が得られる。
一方、ビーム整形器11をビーム整形器11'に、マスク14をマスク14’に切り替えることにより、それらを透過したレーザ光が、マスク14’に形成されている原画の、対物レンズ倍率の逆数の大きさで基板上に投影され、アライメントマークを形成することができる。
ここで、非晶質シリコン薄膜に連続発振レーザ光を照射した場合、アライメントマークとして使用できるような多結晶シリコン膜が形成できることを確認するための実験を行った。ガラス基板上に形成した膜厚50nmの非晶質シリコン膜に、ビーム径およそ700μmの連続発振レーザ光を1秒間だけ照射し、その時に形成される多結晶領域の直径を測定した結果を図16に示す。使用したレーザはLD励起連続発振YVO4レーザの第二高調波でビーム整形器を用いず、ガウス分布のまま照射した。
この図で、横軸は照射したレーザ光の最大パワー密度をKW/cm2単位で、縦軸は多結晶化領域の直径をμm単位で示してある。なお、最大パワー密度はビーム中心のパワー密度であり、平均パワー密度を2倍した値を用いている。
この図から明らかなように、およそ1.2kW/cm2以上で多結晶膜が得られ、パワー密度増加とともにスポット径が増加するが、スポット径は700μmで飽和する。しかしながら、2.1kW/cm2以上(図16中には点で表示)では照射部中心部にダメージが発生するため、その条件はアライメントマーク形成に使用できない。ダメージが発生した場合、アライメント時の位置合わせ誤差が生じたり、ダメージ部のシリコン薄膜が剥離して異物として周辺に飛散・付着して不良の原因になる。
即ち本実験では、照射時間が1秒の場合、最大パワー密度1.2〜2.1kW/cm2の条件(図16中にハッチングで表示した領域)で、ダメージのない多結晶膜が形成できた。照射時間を短くした場合、時間にほぼ反比例してパワー密度を増加することで、即ち照射エネルギ密度が一定となる条件で同様に多結晶膜が形成できた。また、ガラス基板への熱影響を低減するためにも、照射時間を短くするほうが良いこともわかった。ただし、連続発振レーザの出力が現状では20Wが限界であり、またアライメントマークとしての照射面積(例えば、100μm角の領域とする)を考慮すると、照射時間は0.1〜0.01秒の範囲が実用的である。この実験ではガウス分布のまま照射したが、実際にアライメントマークを形成する場合には、均一な分布のレーザ光が望ましく、そのために前述のビーム整形器11’を使用する。
図2は、本発明の平面表示装置の製造方法で形成するアライメントマークの一例を示す図である。また、図3は、本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で形成するアライメントマークの他の例を示す図である。マスク14’は一例として図2に示す様な枠41内に十字マーク42が形成されたもの、あるいは図3に示す様に枠43内に十字マーク42、45が形成されたものが使用される。
ここで、ハッチングを施した部分はレーザ光を透過する部分であり、結果的にレーザが照射される部分である。シャッタ5の開閉、あるいは変調器7による振幅変調により、一定時間例えば0.1秒程度の時間だけ連続発振レーザ光3を照射することで、非晶質シリコン膜のレーザが照射された部分のみ多結晶化し、図2あるいは図3に示したようなパターンが形成される。この場合は、図2および図3に示したハッチングを施した部分が多結晶化されことになり、非晶質シリコン膜部分とは可視光での明確な反射率の違いから、アライメントパターンとして認識可能となる。
図4は、本装置で非晶質シリコン膜にアライメントマークを形成する条件で連続発振レーザ光を照射して多結晶化した部分と、レーザを照射していない部分(非晶質シリコン部分)にレジストを塗布して、それぞれの部分の分光反射率を測定した結果を示している。図4において、横軸は測定波長、縦軸は反射率であり、実線は多結晶シリコン膜部分、破線は非晶質シリコン膜部分での反射率である。図4から明らかなように、可視波長領域、より具体的には450〜600nmの波長領域で、多結晶膜の反射率が相対的に非晶質部分より高く、非晶質部分とのコントラストを大きくとることができる。即ち、波長450〜600nmの領域の光で照明することで、非晶質シリコン膜領域に形成した多結晶シリコン膜のアライメントマークを、レジスト塗布後においても、明瞭に検出できることを示している。なお、図4において波長の変化によって反射率が変動しているのは、主にレジストによる干渉の影響である。
また、必要に応じて、本装置においても、結像レンズ(チューブレンズ)24、撮像素子25、モニタ26、画像処理装置28により、基板20表面の観察やアライメントマークの検出を行う。また、上記した各要素の動作や制御を制御装置28が行うことで、全自動処理を実施することができる構成となっている。なお、図1において、アライメントマーク検出光学系(結像レンズ(チューブレンズ)24、撮像素子25)はアニール光学系およびアライメントマーク形成光学系と同軸で設け、対物レンズ19を共用することで説明しているが、アライメント検出光学系を別途設けても良く、同じ効果が得られることは明らかである。
また、上記した説明では、横方向成長多結晶膜を形成するのに使用するレーザ発振器と、アライメントマークを形成するのに使用するレーザ発振器を共用することとしたが、アライメントマーク形成用レーザとして別置きのレーザ発振器から発振されたレーザ光を入射させ、光軸を結合することで共通の対物レンズで照射することができる。また、装置コストを無視しても良いなら、アライメントマーク形成専用のレーザ発振器と照射光学系を別に設置しても良い。
次に、本発明の表示装置の製造方法について詳細に説明する。図5は、本発明の一実施例としての表示装置の製造方法で処理する前の基板を示す平面図である。また、図6は、本発明の一実施例としての表示装置の製造方法でアライメントマークを形成した基板を示す平面図である。図7は、本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で所望部分に帯状結晶を形成するためのアニールを実施した基板を示す図である。図8は、本発明の表示装置の製造方法を用いて図7で実施した方向と90度回転して所望部分に帯状結晶を形成するためのアニールを実施した基板を示す図である。
ここで対象とする基板20はガラスなどの透明基板上にSiO2膜および/あるいはSiN膜からなる絶縁膜(下地膜)を介して非晶質シリコン膜が形成されている。この時の非晶質シリコン膜厚は30〜100nmである。この基板20はエキシマレーザアニール装置により、周辺部分あるいは特定の部分にレーザが照射されないように金属マスクなどで隠された状態で、周辺部分あるいは特定の部分以外の全面がアニールされる。通常、エキシマレーザ光は幅数100ミクロン、長さ数100mmの矩形状に整形されて、同一箇所に5〜30パルスが照射される条件で走査しながら照射される。長手方向の照射位置を調整して、あるいはエキシマレーザの照射を一定時間停止して、周辺部分あるいは特定の部分がアニールされないようにしても良い。以下の説明では、基板20の周辺部分を非晶質シリコン膜のまま残した場合について説明する。
エキシマレーザ照射の結果、図5に示す様に、基板20の周辺部は非晶質シリコン膜51がそのまま残り、周辺部以外はエキシマレーザの照射により溶融再凝固過程を経て多結晶シリコン膜52に変換される。この多結晶シリコン膜52は結晶粒径が数10〜数100nmの粒状結晶であり、これらの結晶で構成された膜で形成したTFTの移動度としては100cm2/Vs前後が得られる。これは、駆動回路用のTFTを形成するには性能不足であるが、画素のスイッチング用のTFTに使用するには十分な性能である。
次に、周辺部を除いて多結晶化された基板20は図1で説明した装置により処理される。基板20は図1のステージ21上に載置される。この時、基板20は概略の位置合わせを行うために、ステージ21上に設置された複数のピン(図示せず)に押し当てられる。これにより、±100ミクロン程度の位置合わせを行うことができる。以下、図1を参照して説明する。
概略の位置合わせを行った後、基板周辺部の非晶質シリコン膜51が残留している部分にアライメントマーク用のマスクパターンを投影する形でレーザ光を照射してアライメントマークを形成する。まず、ステージ21を移動させ、最初のアライメントマーク位置で停止させる。マスク14をアライメントマーク用マスク14’に切り替える。マスク14’に形成されているマークパターンは対物レンズ19倍率の逆数の大きさで基板20上に投影される。例えば5倍レンズを使用すれば1/5、10倍レンズを使用すれば1/10の大きさに投影される。
一般的に、形成すべきアライメントマークの大きさは数10ミクロン角〜数100ミクロン角の大きさであり、5倍の対物レンズを使用する場合には、その5倍の大きさのマークがマスク14’上に形成されている必要がある。200ミクロン角のアライメントマークを形成する場合を考える。マスク14’上には1mm角のマークパターンが形成されている。ここにビーム整形器11’で1mm角に整形されたレーザ光を照射し、基板20上にマスクパターンを縮小投影する。
マスク面に、10Wに調整された連続発振レーザ光を照射することで、基板20上ではおよそ25kW/cm2の平均パワー密度が得られ、0.1〜0.01秒の照射で、レーザ照射部の非晶質シリコン膜をダメージなく多結晶シリコン膜に変化できる。即ち、シャッタ5を開いた状態で変調器7のドライバ(図示せず)にアライメントマーク形成用の信号を入力することで、0.1〜0.01秒の信号を発生させ、変調器7で連続発振レーザ光を0.1〜0.01秒間だけ透過させる。これにより、マスクを透過したレーザ光が非晶質シリコン膜に照射されて、照射部分のみ、多結晶シリコン膜に変換される。この多結晶膜はラテラル成長した結晶である必要は無く、所謂微細結晶でよい。
ここでは、アライメントマーク形成用マスク14’にビーム整形器11’で必要なビーム形状(上述の場合では1mm角)に整形したが、ビーム整形器11’としてはマルチレンズアレイによるホモジナイザ、回折光学素子などを使用することができる。中でも、固体レーザのように可干渉性が高い場合には回折光学素子が最も適している。これにより均一なパワー密度分布のビームが得られ、精度の良いアライメントマークを形成することができる。
あるいは、ビーム整形器11で線状のビームを形成し、アライメントマーク形成用マスク14’に入射させ、アライメントマーク形成用マスク14’を一定速度vで走査させながら同時に基板20を対物レンズの倍率に応じた速度で(対物レンズが5倍の場合、v/5で)走査することで、アライメントマークを形成することができる。アニールを実施するレーザ出力および走査速度で照射すれば、アライメントマークはラテラル成長した結晶で形成されるが、マスク14’を高速で高精度に移動することはかなり難しい。アニールを実施するレーザ出力より十分低い出力で、適当な速度で走査しながら照射すれば、所謂微結晶で形成される。ラテラルに成長した結晶も微結晶も、いずれも多結晶状態であり、レーザ非照射部の非晶質状態とは反射率が異なるので、アライメントマークとして使用することができる。
最初のアライメントマークを形成した後、ステージ21を移動させ、2番目のアライメントマーク位置で停止させ、再びレーザ光を照射してアライメントマークを形成する。この手順を必要な回数だけ繰り返し、アライメントマークが必要な箇所に順にマークを形成する。これにより、図6に示す様に、基板20周辺部分に残留している非晶質シリコン膜部分51に、形成される予定の各パネル54、55、56等に対応したアライメントマーク57、58、59、60等が形成される。
なお、図6〜図8においては、基板20内に6個のパネルが形成される場合を例に説明しているが、その数に限定されることはない。例えば1m角の基板で公称2.5インチのパネルを製作する場合、数100パネルが製作可能であるが、図示が困難なため、ここでは6パネルで説明している。また、アライメントマークは図2あるいは図3に示した形状に拘らない。このアライメントマークは、アニール工程の後で最初に実施されるフォトレジスト工程でのフォトマスク(あるいはレチクル)の位置合わせに使用するもので、使用する露光装置(ステッパあるいはアライナ)で読み取れるマークであれば良い。ステッパの場合、アライメントマークを基板内に作りこむ全てのパネルに対応した数だけ形成しても良いし、最初のパネルに対応した対置だけに形成し、残りのパネルについてはステッパの移動精度で露光しても良い。全面を一括露光するアライナの場合には2箇所あるいは3箇所にアライメントマークを形成すれば十分である。
次に、図7に示したように、各パネルの駆動回路を含む周辺回路が形成される部分に、線状に整形したレーザ光を走査しながら照射し、エキシマレーザアニールにより多結晶シリコン膜に変換された部分52の一部を横方向(ラテラル)成長した帯状結晶膜61、62、63に変換する。駆動回路を含む周辺回路を形成する領域がパネルの1辺のみに集中している場合には基板を一定方向に走査するだけでよく、基板内に製作される全てのパネルの駆動回路を含む周辺回路部分にレーザを照射し、それらの部分に帯状結晶膜を形成して処理を終了する。
なお、上記説明において、アライメントマーク57、58、59、60などを形成してから、帯状結晶膜61、62、63を形成したが、アライメントマークと帯状結晶膜の位置関係が一定に保たれるならば、順序が変わっても問題ない。即ち、まず帯状結晶膜61、62、63を形成し、その後アライメントマーク57、58、59、60などを形成しても良い。ただし、以下に説明するように基板を回転させる場合あるいはレーザ光の走査方向を90度変更する場合には、基板を回転させる前あるいは走査方向を変更する前にアライメントマーク57、58、59、60などを形成する必要がある。
パネルの2辺に駆動回路を含む周辺回路が形成される場合、基板を90度回転させて回転させる前と同一方向に走査するか、あるいは線状に整形したレーザ光の長手方向と短手方向を90度回転させて回転させる前と直交する方向に走査する必要がある。これらの場合、特に基板を回転させた場合、基板の回転中心が基板を載置したときの位置精度(±100ミクロン程度)でしか保証されないため、レーザ照射前に正確なアライメントが必要になる。そこで、最初に形成したアライメントマークを必要に応じて複数箇所検出し、検出した座標を基準に基板をアライメントする。アライメント後に、線状に整形したレーザ光を照射しながら走査することにより、図8に示すように、先ほどとは直交する方向に横方向成長した帯状結晶膜領域65、66、67を形成することができる。
ここで、エキシマレーザアニールにより粒状多結晶膜が形成された領域に、連続発振レーザ光を線状に整形して短手方向(長手方向に直交する方向)に走査した場合に、レーザ光の走査方向に横方向成長した帯状結晶が形成されるまでの挙動を説明する。図9は、本発明のレーザアニール方法を説明する模式図である。図10は、整形ビームの照射により非晶質シリコン膜基板に帯状結晶が形成される様子を説明する模式図である。図9に示すように、細長い形状に集光したレーザ光101を粒状多結晶シリコン膜100上に走査しながら、点線で示したレーザ照射領域102に矢印で示した方向に走査しながら照射する。
適切なパワー密度で照射した場合、レーザ照射領域102以外の多結晶シリコン膜100はそのまま残るが、レーザ照射領域102内の多結晶シリコン膜は溶融する。その後、レーザ光101が通過することにより急速に凝固し結晶化する。この時、図10に示すように、照射開始部で最初に溶融した領域のシリコンから冷却・凝固が始まるが、レーザ照射領域102接している結晶粒たとえば104で示した結晶粒が種結晶となって、レーザ光の走査方向に結晶が成長する。
しかし、その成長速度は結晶の方位によって異なるため、最終的には最も成長速度の早い結晶方位を持つ結晶粒だけが結晶成長を続ける。即ち、図10に示すように、成長速度の遅い結晶方位をもつ結晶粒105は、周囲の成長速度の早い結晶方位をもつ結晶粒106、107の成長に抑えられ、結晶成長が止まる。また、成長速度が中程度の結晶方位を持つ結晶粒106は成長を続けるが、さらに成長速度の大きい結晶粒107、108の成長に抑えられ、やがて結晶成長が停止する。最終的には結晶成長速度の最も大きな結晶方位を持つ結晶粒107、108が成長を続ける。
ただし、無限に成長するのではなく、5〜50ミクロン程度の長さに成長すると、やがて新たに成長を開始した結晶粒に抑えられたり、複数の結晶粒に分割されたりするため、結果的に幅が0.2〜2ミクロン程度、長さ5〜50ミクロン程度の結晶粒が得られる。これら、最後まで結晶成長が続いた結晶粒107、108、109、110、111、112は、厳密な意味では独立した結晶粒であるが、ほとんど同じ結晶方位を有しており、溶融再結晶した部分はシリコン結晶が横方向成長し、帯状の結晶粒で構成される多結晶膜となる。この多結晶膜は実効的にほぼ単結晶(擬似単結晶)と見なすことができる。しかも、このレーザアニール後における表面の凹凸は10nm以下であり、極めて平坦な表面状態である。
レーザ光101を上記したように多結晶シリコン薄膜100に照射することにより、レーザ光101を照射した領域102が島状(タイル状)にアニールされ、特定の結晶方位を有する結晶粒のみが成長して、厳密な意味では多結晶状態であるが、ほぼ単結晶に近い性質を有する領域が形成されたことになる。このレーザ光101を照射した領域102の大きさは細長い形状に整形したレーザ光の長手方向の寸法と変調器7でレーザ光をON状態とする時間で決まる。
即ち、細長い形状に整形したレーザ光の短手方向寸法は2〜10ミクロンが適しており、長手方向の最大寸法はレーザ発振器の出力で決まる。連続発振YVO4レーザの第二高調波の場合、発振器一台あたりの出力は20W前後が最大であることから、光学系全体の光透過率を50%としても、走査速度を800mm/sとした場合で0.5〜1.0mm程度である。一般に、連続発振レーザ光が直線偏光であることを利用して、2台の発振器から発振されたレーザ光を、損失無く結合することが可能である。
即ち、図11は、2台の発振器から発振されたレーザ光を結合する原理を説明する図である。図11に示す様に、LD(レーザダイオード)231、241で光ファイバ232、242を通して励起されるYVO4レーザ発振器234、244から発振されるレーザ光233、243の一方243を、ミラー237を介して1/2波長板236で偏光方向を90度回転させ、偏光ビームスプリッタ235にS偏光243'として入射させ、90度偏向させる。他方のレーザ光233はそのまま偏光ビームスプリッタ235にP偏光として入射させ、透過させる。これにより、2本のレーザ光は1本のレーザ光239として取り扱うことができる。
偏光方向の影響を消去したい場合には、必要に応じて1/4波長板238を挿入すればよい。これにより、1台の発振器出力が20Wの場合でも、2台結合して40Wの発振器として取り扱うことができ、1回の走査でアニールできる幅(長手方向寸法)も1.0〜2.0mmが得られる。更に、高出力のレーザ発振器が開発されることにより、ビームの長手方向寸法を大きくすることができる。この寸法で不足する場合には、長手方向寸法分だけ移動しながら複数回の走査を繰り返すことで必要なアニール幅を、更には基板全面をアニールすることも可能である。
一方、図1の変調器7でレーザ光をON状態に持続する時間は任意に選択することができる。結晶の質、プロセス条件のマージンを優先させるならば、レーザ光の照射を持続させる走査距離を1〜10mm程度に限定するほうが望ましい。しかし、携帯電話の表示装置に使用する程度の小型表示装置の場合には、1パネル分の画素領域に相当する長さ数10mmを一括してレーザ光で走査しながらアニールしても、特に問題は無く、スループットの点から考えると、望ましい。
必要なアニールが完了すると、基板は次工程である最初のフォトエッチング工程に送られる。基板全面にフォトレジストが塗布され、上記したアニール工程で形成されたアライメントマークとフォトマスク(あるいはレチクル)のマーク位置をアライメントすることで、帯状結晶膜の形成された部分に正確に駆動回路をあるいは特定の部分含む周辺回路のトランジスタが形成されるように位置決めされ、露光、現像、エッチングの工程を経て、トランジスタが形成されるシリコン膜が島状に残される。
図12は、図10で形成した帯状結晶で薄膜トランジスタを形成する工程を説明する模式図である。図12に示す様に、アニールの後で実施されるフォトエッチング工程により島状のシリコン薄膜領域150、151を形成する。なお、図12においては、図示し易いように一つのアニール領域にひとつのトランジスタを形成するように示してあるが、実際にはひとつのアニール領域に複数のトランジスタ、場合によってはパネル全体を駆動する回路全体のトランジスタを形成する。同時に、最初のエッチング工程で正式なアライメントマークを形成し、以降のエッチング工程でのアライメントに使用しても良い。
図13は、完成した薄膜トランジスタを示す図で、図12の島状のシリコン薄膜領域150を例として示す。島状のシリコン薄膜領域150、151の形成後、所定領域に不純物拡散、ゲート絶縁膜形成などの工程を経て、ゲート電極153、ソース電極154、ドレイン電極155を形成して薄膜トランジスタ(TFT)が完成する。図13に示したように、帯状結晶粒の粒界方向(結晶の成長方向)をソース電極154、ドレイン電極155間の電流の流れる方向すなわちチャネル方向と一致させることで、電流は結晶粒界を横切ることが殆どないため、実質的に単結晶と考えて良い。この時のシリコン膜の移動度としては、400cm2/Vs以上、典型的には450cm2/Vsが得られる。
このようにして、トランジスタが完成した基板上に保護膜を形成し、更に配向膜を形成した後にラビングを行い、カラーフィルタを重ねてそれらの間に液晶を封入することで、液晶表示パネルが完成する。この液晶パネルに信号入力用の配線を接続し、バックライトと共にシャーシに組み込むことで、平面表示装置が完成する。この平面表示装置は携帯電話、PDA,デジタルスチールカメラ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビなどの表示部として使用される。
図14は、本発明による表示装置の製造方法の全体工程を説明する実施例としての液晶表示装置の製造工程を示すフローチャートである。図15は、図14における液晶表示装置の製造工程の中で横方向成長結晶膜を形成するためのレーザアニール工程を示すフローチャートである。図14に示すように、先ず、ガラス基板上に絶縁膜が形成され(P−1)、その上に非晶質シリコン(a-Si)膜が形成されて(P−2)、本発明のレーザアニール(P−3)が実施される。
本発明のレーザアニール(P−3)は、図15に示すように、ガラス基板がアニール室に搬送され(P−3A)、プリアライメント(P−3B)を行った後、アライメントマークが形成される(P−3C)。必要に応じ、形成したアライメントマークでアライメントを行う(P−3D)。先に述べた実施例に従えば、周辺回路部に時間変調した固体連続発振レーザ光を走査しながら照射し、横方向成長した多結晶膜に変換するアニールを行う(P−3E)。必要なアニールが終了すると、基板をレーザアニール装置から搬出し(P−3F)、次工程(図14の(P−4))へ送られる。
レーザアニール後、フォトエッチング工程(P−4)によりトランジスタ形成に必要なシリコン膜のみを残し、ゲート絶縁膜形成(P−5)、ゲート電極形成(P−6)、不純物拡散(P−7)、不純物拡散領域の活性化(P−8)、層間絶縁膜形成(P−9)、ソース・ドレイン電極形成(P−10)、保護膜(パシベーション膜)形成(P−11)を経てTFT基板が完成する。
この後、TFT基板に配向膜を形成し、ラビング工程を経たTFT基板にカラーフィルタ基板を重ね、TFT基板との間に液晶を封入するLCD(パネル)工程(P−12)、信号及び電源の端子を接続後、バックライト(図示せず)などと一緒にシャーシに組み込むモジュール工程(P−13)を経て、高速駆動回路および必要に応じてインタフェース回路などの高速回路をガラス基板上に形成した液晶表示装置(いわゆるシステム・オン・パネル)が完成する。
以上、説明したように、本発明の製造方法はアライメントマーク形成とアニールを同一のレーザ発振器で行うものであるため、装置価格の上昇を抑えることができる。また、アライメントマークはレーザ照射による非晶質膜から多結晶膜への変換を利用するため、異物の発生が無く、異物起因の不良を発生することがない。アライメントマーク形成にはマスクパターンを縮小投影するため、マスクパターンと同程度の高精度なアライメントマークを形成することができ、これによるアライメント誤差を抑えることができ、製造歩留まりの向上を図ることができる。
本発明の平面表示装置の製造方法は、液晶表示装置あるいは有機EL表示装置などの平面表示装置に限らず、その他の半導体装置の製造にも適用することができる。
本発明の平面表示装置の製造を実施するに好適な装置の構成を示す図である。 本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で形成するアライメントマークの一例を示す図である。 本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で形成するアライメントマークの他の例を示す図である。 レジストを塗布した非晶質シリコン膜および多結晶シリコン膜の分光反射率を示す図である。 本発明の一実施例としての表示装置の製造方法で処理する前の基板を示す平面図である。 本発明の一実施例としての表示装置の製造方法でアライメントマークを形成した基板を示す平面図である。 本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で所望部分に帯状結晶を形成するためのアニールを実施した基板を示す図である。 本発明の表示装置の製造方法を用いて図7で実施した方向と90度回転して所望部分に帯状結晶を形成するためのアニールを実施した基板を示す図である。 本発明のレーザアニール方法を説明する模式図である。 整形ビームの照射により非晶質シリコン膜基板に帯状結晶が形成される様子を説明する模式図である。 2台の発振器から発振されたレーザ光を結合する原理を説明する図である。 図10で形成した帯状結晶で薄膜トランジスタを形成する工程を説明する模式図である。 完成した薄膜トランジスタを示す図である。 本発明による表示装置の製造方法の全体工程を説明する実施例としての液晶表示装置の製造工程を示すフローチャートである。 図14における液晶表示装置の製造工程の中で横方向成長結晶膜を形成するためのレーザアニール工程を示すフローチャートである。 非晶質シリコン膜にビーム径およそ700μmの連続発振レーザ光を1秒間だけ照射した時のレーザ出力と形成される多結晶領域の直径の関係を示す図である。
符号の説明
1…………レーザダイオード、2…………光ファイバ、3…………レーザ光、4…………レーザ発振器、6…………透過率連続可変フィルタ、7…………変調器、9…………ビーム径調整器、11…………ビーム整形器、14,14’…………マスク、15…………結像レンズ(チューブレンズ)、19…………対物レンズ、20…………(ガラス)基板、21…………ステージ、51…………非晶質シリコン膜、52…………多結晶シリコン膜、54,55,56………パネル、 57、58、59、60…………アライメントマーク、
61,62,63,65,66,67…………帯状結晶膜、105…………横方向成長速度が遅い結晶粒、106…………横方向成長速度が中程度の結晶粒、107,108,109…………横方向成長速度が速い結晶粒。

Claims (5)

  1. 絶縁基板の主面上に非晶質半導体膜を形成し、所望の領域を非晶質半導体膜のまま残して、それ以外の部分に第一のレーザ光を照射して多結晶半導体膜に変換し、前記非晶質半導体膜に第二のレーザ光を照射して多結晶化することでアライメントマークを形成し、前記アライメントマークを形成するのに用いた第二のレーザ光を前記多結晶半導体膜の所望の領域に照射して横方向成長多結晶半導体膜を形成することを特徴とする平面表示装置の製造方法。
  2. 絶縁基板の主面上に非晶質半導体膜を形成する工程、
    前記絶縁基板の主面上に形成された非晶質半導体膜の周辺部を除いて第一のレーザを照射して多結晶半導体膜に変換する工程、
    前記基板上の主面上に残留している前記非晶質半導体膜に第二のレーザを照射してアライメントマークを形成する工程、
    前記多結晶半導体膜の所望の領域に、線状に整形した第三のレーザを当該線状の長手方向に直交する方向に走査して、前記多結晶半導体膜の所望の領域を横方向成長させる工程を含み、
    の各工程に続く最初のフォトエッチング工程で前記アライメントマークをフォトマスクの位置決めに使用することを特徴とする平面表示装置の製造方法。
  3. 絶縁基板の主面上に非晶質半導体膜を形成する工程、
    前記絶縁基板の主面上に形成された非晶質半導体膜の周辺部を除いて第一のレーザ光を照射して多結晶半導体膜に変換する工程、
    前記基板の主面上に残留している前記非晶質半導体膜にマスクパターンを透過した第二のレーザ光を投影光学系により縮小投影して照射してアライメントマークを形成する工程、
    前記多結晶半導体膜の所望の領域に、線状に整形した前記第二のレーザ光を投影光学系により縮小投影して当該線状の長手方向に直交する方向で走査して前記多結晶半導体膜の所望の領域を横方向成長させる工程を含み、
    前記の各工程に続く最初のフォトエッチング工程で、前記アライメントマークをフォトマスクの位置決めに使用することを特徴とする平面表示装置の製造方法。
  4. 請求項3において、前記第一のレーザ光を出力するレーザがエキシマレーザであることを特徴とする平面表示装置の製造方法。
  5. 請求項3において、前記第二のレーザ光を出力するレーザがLD励起YAGレーザあるいはLD励起YVO4レーザの連続発振レーザであることを特徴とする平面表示装置の製造方法。


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