WO2013080246A1 - 結晶性基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、基板を基台に固定可能な範囲に基板の反り量を抑えつつ結晶粒径の大きな結晶化領域を得ることが可能な結晶性基板の製造方法を提供することを目的とするものである。本発明に係る結晶性基板の製造方法は、結晶化領域(50)を形成する工程において、レーザー光(30)の照射面積をSとし、レーザー光の照射時間をtとし、A及びBを任意の定数としたとき、レーザー光(30)の照射面積とレーザー光(30)の照射時間とが、t<A×S-Bを満たす。

Description

結晶性基板の製造方法
 本発明は、結晶性基板の製造方法に関するものである。
 有機EL(Electro Luminescence)表示装置又は液晶表示装置等のアクティブマトリクス駆動型の表示装置では、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)と呼ばれる薄膜半導体装置が用いられている。この種の表示装置では、各画素に、画素を駆動するために用いられる薄膜トランジスタ(駆動トランジスタ)及び画素を選択するために用いられる薄膜トランジスタ(スイッチトランジスタ)が形成されている。
 薄膜トランジスタは、基板上に、ゲート電極、半導体層(チャネル層)、ソース電極及びドレイン電極が形成されたものであり、チャネル層としてシリコン薄膜を用いることが一般的である。シリコン薄膜は、非結晶のシリコン薄膜(アモルファスシリコン薄膜)と、結晶性を有するシリコン薄膜(結晶性シリコン薄膜)とに大別される。
 従来の結晶性シリコン薄膜の形成方法の1つとして、連続発振レーザーを光源としてアモルファスシリコン薄膜にレーザー光を照射することにより薄膜を多結晶化させる方法がある(特許文献1及び2)。
特開2011-165717号公報 特開2003-229580号公報
 近年、より高速駆動かつ高精細なディスプレイの要望が高まり、薄膜トランジスタのオン電流特性のさらなる向上が要求されている。薄膜トランジスタのオン電流特性を向上させる手段の一つに、チャネル層となる結晶性半導体薄膜の結晶粒径を大きくすることが考えられる。例えば、レーザー照射によって非結晶性半導体薄膜を結晶化して結晶化領域を形成する場合、CWレーザー等の連続発振レーザーを光源として用いて結晶化の際のレーザー光の投入エネルギーを上げることによって結晶粒径の大きな結晶化領域を得ることができる。
 しかしながら、レーザー光の投入エネルギーを上げると、薄膜への入熱温度が上昇し、薄膜で発生した多くの熱が基板に伝達される。これにより、基板の温度が上昇し、その結果、基板の引っ張り応力による反りが発生する。この反りはレーザー光の投入エネルギーに比例して大きくなるため、結晶化領域の結晶粒径を大きくしようとすればするほど大きくなる。このように基板の反りが大きくなると、薄膜トランジスタ形成時において結晶化領域を有する薄膜が形成された基板(結晶性基板)を基台に固定する真空チャックが妨げられるため、チャネル層形成後の製造工程を行うことが困難になる。
 本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、基板を基台に固定可能な範囲に基板の反り量を抑えつつ結晶粒径の大きな結晶化領域を得ることが可能な結晶性基板の製造方法を提供することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る結晶性基板の製造方法は、基板を準備する工程と、前記基板上に薄膜を形成する工程と、前記薄膜に対してレーザー光を所定の速度で相対走査させて前記薄膜に前記レーザー光を照射し、前記薄膜の少なくとも所定領域を結晶化して結晶化領域を形成する工程と、を含み、前記結晶化領域を形成する工程において、前記レーザー光の照射面積をSとし、前記レーザー光の照射時間をtとし、A及びBを任意の定数としたとき、前記レーザー光の照射面積と前記レーザー光の照射時間とが、t<A×S-Bの式を満たすことを特徴とする。
 本発明に係る結晶性基板の製造方法によれば、基板を基台に固定可能な範囲に基板の反り量を抑えつつ結晶粒径の大きな結晶化領域を得ることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法における各工程を模式的に示す断面図及び平面図である。 図2Aは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、非結晶のシリコン薄膜にレーザー光を照射する際の様子を模式的に示す斜視図である。 図2Bは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程で用いられるレーザー光の強度分布(ビームプロファイル)を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法における基板の反り量を説明するための図である。 図4Aは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光の照射面積と基板の反り量との関係をレーザー光の照射時間毎に示す図である。 図4Bは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光の照射時間と基板の反り量との関係をレーザー光の照射面積毎に示す図である。 図4Cは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光の照射時間と照射面積との関係を基板の反り量毎に示す図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法におけるシリコン薄膜の構造の一例を示す断面図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程における、レーザー光の照射時間、パワー密度及びスキャン速度の組み合わせの一例を示す図である。 図7Aは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光のパワー密度及びスキャン速度の組み合わせ毎に結晶化領域の結晶性を示す図である。 図7Bは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、結晶化領域の結晶性を変化させたときの基板の反り量の変化を示す図である。 図8Aは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光のパワー密度及びスキャン速度の組み合わせ毎に結晶化領域の結晶性を示す図である。 図8Bは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光のパワー密度及びスキャン速度の組み合わせ毎に結晶化領域の結晶性を示す図である。 図8Cは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光のスキャン速度を380mm/sとし、シリコン薄膜の膜構造を変化させたときの基板の反り量の変化を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態の実施例に係るボトムゲート型の薄膜トランジスタの製造方法における各工程を模式的に示す断面図である。 図10は、本発明の実施の形態の実施例に係るトップゲート型の薄膜トランジスタの製造方法における各工程を模式的に示す断面図である。 図11は、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法を有機EL表示装置のアレイ基板の製造に用いる場合における、スイッチトランジスタの形成でのレーザー光の照射領域を示す図である。
 本発明の一態様に係る結晶性基板の製造方法は、基板を準備する工程と、前記基板上に薄膜を形成する工程と、前記薄膜に対してレーザー光を所定の速度で相対走査させて前記薄膜に前記レーザー光を照射し、前記薄膜の少なくとも所定領域を結晶化して結晶化領域を形成する工程と、を含み、前記結晶化領域を形成する工程において、前記レーザー光の照射面積をSとし、前記レーザー光の照射時間をtとし、A及びBを任意の定数としたとき、前記レーザー光の照射面積と前記レーザー光の照射時間とが、t<A×S-Bの式を満たすことを特徴とする。
 ここで、前記レーザー光の照射面積と前記レーザー光の照射時間とは、t<63.3×S-1.5の式を満たしてもよい。
 これにより、結晶化工程において、基板を基台に固定できる範囲に基板の反り量を抑えつつ結晶粒径の大きな結晶化領域を形成することができる。また、レーザー光の照射面積及び照射時間が上記の式を満たし、かつ照射時間が短くなるように照射面積を最適化することにより、レーザー光の照射時間を短くして結晶化工程におけるレーザー光の高速スキャンが可能になる。
 また、前記レーザー光の照射時間は、60マイクロ秒以下であってもよい。
 これにより、レーザー光の照射面積によらず、基板を基台に真空チャックして固定することができる。
 また、前記レーザー光の照射面積は、20%以上75%以下であってもよい。
 これにより、有機EL表示装置及び液晶表示装置の双方に用いることが可能な結晶性基板を製造することができる。
 (実施の形態)
 以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。また、図面において、実質的に同一の構成、動作、および効果を表す要素については、同一の符号を付す。
 本発明に係る結晶性基板の製造方法の一実施の形態として、結晶化領域を有するシリコン薄膜(結晶性シリコン薄膜)を基板上に形成して構成される結晶性シリコン基板の製造方法について、図1を用いて説明する。
 図1は、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法における各工程を模式的に示す断面図及び平面図である。図1において、(a2)~(e2)は平面図であり、(a1)~(e1)は、それぞれ(a2)~(e2)のX-X’線における断面図である。
 まず、図1の(a1)及び(a2)に示すように、基板10を準備し、基板10を基台(ステージ)11上に設置(固定)する(基板準備工程)。基板10としては、例えばガラス基板を用いることができる。ここで、基板の準備には、例えばガラス基板の表面に付着した付着物等を除去する洗浄工程、ガラス基板表面のアルカリ金属成分を除去するためのガラス基板表面エッチング工程、あるいはガラス基板に含まれているアルカリ金属成分が半導体膜などに拡散することを防止するためにSiN膜などのアンダーコート膜をガラス基板表面に形成する工程、などが一例として含まれていても構わない。また、基板10の設置は、例えば基板10の裏面を基台11の表面に真空チャックにより吸着させることにより行われる。
 次に、図1の(b1)及び(b2)に示すように、基板10の上方に、非結晶性のシリコン薄膜(アモルファスシリコン薄膜)13を形成する(薄膜形成工程)。例えば、厚みが30nm以上200nm以下のシリコン薄膜13を形成する。
 次に、図1の(c1)及び(c2)に示すように、非結晶のシリコン薄膜13を結晶化させるために所定の波長の光線を準備し、シリコン薄膜13に対して所定の光線を照射する準備を行う。所定の波長の光線としては、後述するように、所定の波長と所定の強度半値幅とを有するレーザー光30を用いており、シリコン薄膜13表面におけるレーザー光30の強度分布形状は、レーザー光30の走査方向(スキャン方向)40に短軸を有するとともに走査方向40に対して交差する方向に長軸を有する略矩形状である。これにより、シリコン薄膜13表面におけるレーザー光30の照射形状も、レーザー光30の走査方向40に短軸を有するとともに走査方向40に対して交差する方向に長軸を有する略矩形状となる。なお、図1の(c2)のレーザー光30の上方に図示される曲線は、レーザー光30の短軸方向における強度分布の一例を示すものであり、例えばガウシアン曲線の強度分布を有する。
 次に、図1の(d1)及び(d2)に示すように、シリコン薄膜13に対してレーザー光30を所定の一定速度で走査方向40に相対走査させて、シリコン薄膜13にレーザー光30を照射することにより、シリコン薄膜13の少なくとも所定領域(レーザー光30が照射された領域)を結晶化して結晶化領域50を形成する(結晶化工程)。レーザー光30が照射されたシリコン薄膜13の所定領域は、レーザー光30による熱エネルギーによってアニールされて結晶化し、例えば結晶性のシリコンとなる。なお、その後、シリコン薄膜13へのレーザー光30の照射を所定の位置まで続けることにより、図1の(e1)及び(e2)に示すように、シリコン薄膜13における結晶化が完了し、結晶性シリコン基板が形成される。
 次に、非結晶のシリコン薄膜13を結晶化する際の様子について、図2A及び図2Bを用いてさらに詳細に説明する。
 図2Aは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、シリコン薄膜13にレーザー光30を照射する際の様子を模式的に示す斜視図である。また、図2Bは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程で用いられるレーザー光30の強度分布を示す図である。
 図2Aに示すように、基板10上に形成されたシリコン薄膜13をレーザー光30によって結晶化させる際、レーザー光30は、シリコン薄膜13に対して走査方向40に相対走査させながら照射される。すなわち、レーザー光30及びシリコン薄膜13が形成された基板10の少なくともいずれか一方を移動させることで、シリコン薄膜13に対してレーザー光30を相対走査させる。本実施の形態では、レーザー光30を固定し、図2Aに示すように、シリコン薄膜13が形成された基板10をX軸方向の第1方向41に移動させることによって、シリコン薄膜13に対してレーザー光30を走査方向40(X軸方向における第1方向41とは反対方向の第2方向)に走査した。なお、X軸方向の走査が終わる毎に基板10をY軸方向に移動させてさらにX軸方向の走査を行い、X軸方向の走査を複数回繰り返して行うことによって、シリコン薄膜13の全領域に対してレーザー光30を照射させることができる。
 レーザー光30の光源は、連続発振型のレーザー(CWレーザー)であることが望ましい。CWレーザーは、連続的にレーザー光が発振されるため、パルスレーザーよりも高速化が可能である。また、CWレーザーは、パルスレーザーよりも走査速度が1桁以上速いため、スループットを容易に向上させることができる。また、レーザー光30は例えば波長が405nm~632nmのレーザー光であり、その光源は、例えば波長が532nmのグリーン光を発する半導体レーザーからなるCWレーザーである。
 レーザー光30は、図2Bに示すように、短軸(X軸)方向における光強度分布がガウシアン分布である凸形状の分布となるように、また、短軸方向に直交する長軸(Y軸)方向における光強度分布がトップフラット状の分布となるように、ビーム成形されている。なお、図2Bにおいて、レーザー光30の強度半値幅W1は、レーザー光30の短軸方向における強度分布の半値幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)を表している。また、図2Bにおいて、レーザー光30の強度長軸幅W2は、レーザー光の長軸方向における強度分布の長軸方向の幅(フラット幅)を表している。このように構成されたレーザー光30は、シリコン薄膜13に照射される際、レーザー光30の強度分布の短軸方向を走査方向40としてシリコン薄膜13に対して相対的に走査される。このように、図2Bに示す強度分布を有するレーザー光30をシリコン薄膜13に照射することにより、シリコン薄膜13の表面におけるレーザー光30の照射形状を略矩形状とすることができる。例えば、強度半値幅W1は32μmとされ、強度長軸幅W2は300μmとされ、強度長軸幅W2が強度半値幅W1よりも大きくなるように構成される。
 図2A及び図2Bで示したようにレーザー光30をシリコン薄膜13に対して照射するが、本願発明者は、レーザー光30の照射時間及び照射面積に応じて、基板10の反り量が変化することを見出した。
 なお、照射面積Sは、基板10の表面(上面)の全面積に対する基板10の表面のレーザー光30の照射面積(シリコン薄膜13の表面のレーザー光の照射面積)の割合である。例えば、基板10の表面の半分にレーザー光30が照射された場合には、照射面積Sは50%となる。
 また、レーザー光30の照射時間tは、レーザー光30の強度半値幅W1をレーザー光30のスキャン速度で除した値であり、レーザー光30の強度半値幅W1に等しい長さを走査方向40に持つ基板10の領域をレーザー光30で走査するのに要する時間である。言い換えると、レーザー光30の照射時間tは、シリコン薄膜13の単位領域をレーザー光30が照射するのに要する時間である。
 また、基板10の反り量は、図3に示すように、平坦な基板10がレーザー光30の照射により反ってその端部が浮き上がったときの浮き上がり量つまり基台表面から端部下面までの距離(図3のA)である。なお、基板10の両端で反り量が異なるときには、大きい方がその基板10の反り量とされる。
 以下、レーザー光30の照射条件と基板10の反り量との関係について、図4A~図8Cを用いて説明する。
 図4Aは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光30の照射面積と基板10の反り量との関係をレーザー光30の照射時間毎に示す図である。図4Bは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光30の照射時間と基板10の反り量との関係をレーザー光30の照射面積毎に示す図である。図4Cは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光30の照射時間と照射面積との関係を基板10の反り量毎に示す図である。
 なお、図4A~図4Cの測定では、基板10として6inchφの大きさと0.7mmの厚みとを持つものとした。また、シリコン薄膜13として図5の構造を持つものとし、モリブデンタングステン膜21の膜厚を50nm、シリコン窒化膜22の膜厚を65nm、酸化シリコン膜23の膜厚を85nm、アモルファスシリコン膜からなるシリコン薄膜13の膜厚を45nmとした。また、レーザー光30として32μmの強度半値幅W1と1.2mmの強度長軸幅W2と532nmの波長とを持つものとした。また、レーザー光30の照射時間、パワー密度及びスキャン速度は、図6で示される条件1~4(同等の結晶化温度が得られ、結果として同等の結晶性のシリコン薄膜13が得られる条件)のいずれかとした。そして、図6の各条件でレーザー光30の照射面積を100%、75%、50%及び25%と変化させた。
 図4Aから、基板10の反り量をyとし、レーザー光30の照射面積をxとしたとき、xとyの関係は、レーザー光30の照射時間が256μsecのときにy=239.5x+4.91の近似式で表され、レーザー光30の照射時間が84.2μsecのときにy=131.5x-0.08の近似式で表され、レーザー光30の照射時間が50μsecのときにy=82.9x-0.025の近似式で表され、レーザー光30の照射時間が35.5μsecのときにy=64.6x-1.0の近似式で表されることが分かる。
 図4Bから、基板10の反り量をyとし、レーザー光30の照射時間をxとしたとき、xとyの関係は、レーザー光30の照射面積が100%のときにy=17.9x-40.48の近似式で表され、レーザー光30の照射面積が75%のときにy=13.7x-32.03の近似式で表され、レーザー光30の照射面積が50%のときにy=9.51x-24.79の近似式で表され、レーザー光30の照射面積が25%のときにy=4.77x-12.5の近似式で表されることが分かる。
 図4Cから、レーザー光30の照射時間をyとし、レーザー光30の照射面積をxとしたとき、xとyの関係は、基板10の反り量が60μmのときにy=31.0x-1.4の近似式で表され、基板10の反り量が100μmのときにy=63.3x-1.5の近似式で表され、基板10の反り量が140μmのときにy=106.5x-1.6の近似式で表されることが分かる。
 図4Cから、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光30の照射面積S及び照射時間tが下記の式(1)を満たすようにレーザー光30を照射することで基板10の反り量を100μm以下とすることができる。基板10の反り量を100μm以下とすることで、6inchφの大きさの基板10を確実に基台11に真空チャックして固定することができる。
 t<63.3×S-1.5・・・(1)
 図4Cから、レーザー光30の照射面積Sがどのような値でもレーザー光30の照射時間tが60μsec(マイクロ秒)以下のときには、基板10の反り量を100μm以下とすることができる。従って、レーザー光30の照射時間tを60μsec以下とすることで、レーザー光30の照射面積Sによらず、6inchφの大きさの基板10を基台11に真空チャックして固定することができる。
 また、6inchφより大きな基板10、例えば8inchφの大きさの基板10であれば、基板10を基台11に真空チャックして固定するための基板10の反り量の許容範囲は、140μm以下となる。従って、この場合にはレーザー光30は照射面積S及び照射時間tが下記の式(2)を満たすように照射される。
 t<106.5×S-1.6・・・(2)
 従って、基板10の大きさによらず、式(1)の「63.3」及び式(2)の「106.5」を任意の定数Aとし、式(1)の「1.5」及び式(2)の「1.6」を任意の定数Bとして、照射面積S及び照射時間tが下記の式(3)を満たすようにレーザー光30を照射することで、基板10を基台11に固定できる範囲に基板10の反り量を抑えることができる。
 t<A×S-B・・・(3)
 ここで、基板10の大きさが例えばG6基板、G8基板のような大きさとなると、基板10自体の自重により、応力によって基板10に発生した反りが緩和されることも起こりえる。本願発明は基板10の反りを低減できるものであるから、このような場合においても発明の効果は発揮できることは言うまでもない。
 ここで、基板10の反り量はシリコン薄膜13の膜構造(膜質及び膜厚)及び結晶化領域50の結晶性に依存して変化し、結果としてレーザー光30の照射条件と基板10の反り量との関係は結晶化領域50の結晶性及びシリコン薄膜13の吸収率(膜構造)に依存して変化するとも考えられる。従って、以下では、シリコン薄膜13の吸収率と基板10の反り量との関係について図7A及び図7Bを用いて説明し、結晶化領域50の結晶性と基板10の反り量との関係について図8A~図8Cを用いて説明する。
 図7Aは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光30のパワー密度及びスキャン速度の組み合わせ毎に結晶化領域50の結晶性を示す図である。図7Bは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光30のスキャン速度を380mm/sとし、パワー密度を変化させたときの、つまり結晶化領域50の結晶性を変化させたときの基板10の反り量の変化を示す図である。
 なお、図7A及び図7Bの測定では、基板10として6inchφの大きさと0.7mmの厚みとを持つものとした。また、シリコン薄膜13として図5の構造を持つものとし、モリブデンタングステン膜21の膜厚を50nm、シリコン窒化膜22の膜厚を65nm、酸化シリコン膜23の膜厚を85nm、シリコン薄膜13の膜厚を45nmとした。また、レーザー光30として32μmの強度半値幅W1と1.2mmの強度長軸幅W2と532nmの波長とを持つものとした。また、レーザー光30の照射面積を100%とした。
 また、図7Bの3つの点のそれぞれは、図7Aの○で囲んだ結晶性が高く平均結晶粒径が大きな結晶大のレーザー照射条件での基板の反り量と、図7Aの○で囲んだ結晶性が中で平均結晶粒径が中の結晶中のレーザー照射条件での基板10の反り量と、図7Aの○で囲んだ結晶性が小さく平均結晶粒径が小さい結晶小のレーザー照射条件での基板10の反り量とを示している。
 また、図7Aの「a-Si」は非結晶性のシリコンを示し、「SPC」は平均結晶粒径が25nm以上35nm未満程度の結晶性のシリコンを示し、「Ex.&SPC」は平均結晶粒径が25nm以上60nm未満程度の結晶性のシリコンを示し、「p―Si&Ex.」は平均結晶粒径が35nm以上1μm以下程度の結晶性のシリコンを示し、「p―Si」は平均結晶粒径が60nm以上1μm以下程度の結晶性のシリコンを示し、「アブレ」は異常結晶状態のシリコンを示している。
 図7A及び図7Bから、基板10の反り量は結晶化領域50の結晶性に依存して変化しないことが分かる。
 図8A及び図8Bは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光30のパワー密度及びスキャン速度の組み合わせ毎に結晶化領域50の結晶性を示す図である。図8Cは、本発明の実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法の結晶化工程において、レーザー光30のスキャン速度を380mm/sとし、シリコン薄膜13の吸収率を変化させたときの基板10の反り量の変化を示す図である。
 なお、図8A及び図8Bの測定では、基板10として6inchφの大きさと0.7mmの厚みとを持つものとした。また、シリコン薄膜13として図5の構造を持つものとした。また、レーザー光30として32μmの強度半値幅W1と1.2mmの強度長軸幅W2と532nmの波長とを持つものとした。また、レーザー光30の照射面積を100%とした。
 また、図8Aの測定では、図5のモリブデンタングステン膜21の膜厚を50nm、シリコン窒化膜22の膜厚を85nm、酸化シリコン膜23の膜厚を65nm、シリコン薄膜13の膜厚を45nmとすることで、シリコン薄膜13をレーザー光30の吸収率が27.5%の低吸収率構造とした。これに対し、図8Bの測定では、シリコン薄膜13のモリブデンタングステン膜21の膜厚を50nm、シリコン窒化膜22の膜厚を80nm、酸化シリコン膜23の膜厚を75nm、シリコン薄膜13の膜厚を55nmとすることで、シリコン薄膜13をレーザー光30の吸収率が46.2%の高吸収率構造とした。
 また、図8Cの2つの点のそれぞれは、図8Aの○で囲んだ結晶中のレーザー照射条件(レーザー光30のパワー密度は70kW/cm)での基板10の反り量と、図8Bの○で囲んだ結晶中のレーザー照射条件(レーザー光30のパワー密度は60kW/cm)での基板10の反り量とを示している。
 また、図8A及び図8Bの「a-Si」、「SPC」、「Ex.&SPC」、「p―Si&Ex.」、「p―Si」及び「アブレ」は図7Aと同じものを示している。
 図8Cから、基板10の反り量はシリコン薄膜13の吸収率に依存して変化しないことが分かる。
 以上より、レーザー光30の照射条件と基板10の反り量との関係はシリコン薄膜13の吸収率及び結晶化領域50の結晶性に依存して変化しないことが明確になった。
 以上のように、本実施の形態の結晶性シリコン基板の製造方法によれば、結晶化工程において、照射面積及び照射時間が上記の式(3)を満たすようにレーザー光30が照射される。その結果、基板10を基台11に固定できる範囲に基板10の反り量を抑えつつ結晶粒径の大きな結晶化領域50を形成することができる。また、照射面積及び照射時間が上記の式(3)を満たし、かつ照射時間が短くなるように照射面積を最適化することにより、照射時間を短くして結晶化工程におけるレーザー光の高速スキャンが可能になる。
 (実施例)
 次に、本実施の形態に係る結晶性シリコン基板の製造方法をチャネル層の形成に用いた薄膜トランジスタの製造方法について説明する。
 本実施例に係る薄膜トランジスタの製造方法は、基板を準備する工程(基板準備工程)と、基板の上方にゲート電極を形成する工程(ゲート電極形成工程)と、基板の上方にゲート絶縁膜を形成する工程(ゲート絶縁膜形成工程)と、基板の上方に非結晶のシリコン薄膜を形成する工程(シリコン薄膜形成工程)と、基板の上方にソース電極及びドレイン電極を形成する工程(ソースドレイン電極形成工程)と、非結晶のシリコン薄膜にレーザー光を照射することにより非結晶のシリコン薄膜を結晶化して結晶化領域を形成する工程(シリコン薄膜結晶化工程)とを含む。
 シリコン薄膜結晶化工程は、上述の結晶性シリコン基板の製造方法における結晶化工程と同様の方法によって行うことができる。なお、シリコン薄膜結晶化工程によって得られる結晶化領域は、薄膜トランジスタのチャネル層となる。
 ここで、薄膜トランジスタには、ボトムゲート型とトップゲート型の2種類の構造がある。ボトムゲート型の薄膜トランジスタは、層構成が、下から順に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、チャネル層(シリコン半導体膜)となっている。一方、トップゲート型の薄膜トランジスタは、層構成が、下から順に、チャネル層、ゲート絶縁膜、ゲート電極となっている。以下、ボトムゲート型及びトップゲート型の各薄膜トランジスタの製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
 まず、本実施例に係るボトムゲート型の薄膜トランジスタの製造方法について、図9を用いて説明する。図9は、本実施例に係るボトムゲート型の薄膜トランジスタの製造方法における各工程を模式的に示す断面図である。
 図9の(a)に示すように、まず、基板60を準備し、基板60を基台に設置(固定)する(基板準備工程)。基板60としては、例えば、ガラス基板を用いることができる。なお、その後、基板60上に、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜等の絶縁膜からなるアンダーコート膜を形成してもよい。
 次に、図9の(b)に示すように、基板60の上方に、ゲート電極31をパターン形成する(ゲート電極形成工程)。例えば、基板60の上方の全面に、膜厚が10~500nmの範囲となるように、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、あるいはそれらを組み合わせた合金などのゲート金属膜をスパッタリング法によって成膜し、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングを施すことにより、ゲート金属膜をパターニングして所定形状のゲート電極31を形成する。
 次に、図9の(c)に示すように、基板60の上方に、ゲート絶縁膜32を形成する(ゲート絶縁膜形成工程)。例えば、ゲート電極31を覆うようにして、基板60の上方の全面に、膜厚が10~500nmの範囲となるように、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)等の絶縁膜からなるゲート絶縁膜32をプラズマCVD法によって成膜する。ここで、ゲート絶縁膜32は積層構造でも構わない。
 次に、図9の(d)に示すように、基板60の上方に、非結晶のシリコン薄膜33を形成する(シリコン薄膜形成工程)。例えば、ゲート絶縁膜32上に、膜厚が10~200nmの範囲となるように、非結晶のシリコン薄膜33としてアモルファスシリコン薄膜をプラズマCVD法によって成膜する。
 次に、図9の(e)に示すように、非結晶のシリコン薄膜33に対してレーザー光を相対走査させつつ、レーザー光をシリコン薄膜33の所定領域に照射することにより、非結晶のシリコン薄膜33を結晶化して結晶化領域35を形成する(シリコン薄膜結晶化工程)。この工程は、上述の結晶性シリコン基板の製造方法における結晶化工程と同様の方法によって行う。
 具体的には、照射面積及び照射時間が上記の式(3)を満たすようにレーザー光が非結晶のシリコン薄膜33に照射される。なお、図9の(e)では、非結晶のシリコン薄膜33の一部の領域を結晶化させているが、非結晶のシリコン薄膜33の全領域を結晶化させても構わない。
 次に、図9の(f)に示すように、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングを施すことにより、レーザー光が未照射の未結晶化領域を選択的にパターニングすることにより、非結晶のシリコン薄膜33を除去すると共に結晶化領域35を島状にパターン形成する。
 次に、プラズマCVDによる成膜時に、アモルファスシリコン薄膜にリン等の不純物をドーピングして、膜厚が10~100nmの範囲となるように、コンタクト層36となる不純物ドープのn層を形成する。その後、図9の(f)に示すように、コンタクト層36の上に、例えばMoW/Al/MoWの三層構造のソースドレイン金属膜37をスパッタリング法によって成膜する。
 次に、図9の(g)に示すように、基板60の上方に、ソース電極37S及びドレイン電極37Dを形成する(ソースドレイン電極形成工程)。例えば、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングを施すことにより、ソースドレイン金属膜37をパターニングすることにより、対向する一対のソース電極37S及びドレイン電極37Dを形成する。
 その後、ソースドレイン金属膜37をパターニングするときのレジストを残したままドライエッチングを施すことによりコンタクト層36を分離して、対向する一対のコンタクト層36を形成する。これにより、図9の(g)に示すように、ボトムゲート型の薄膜トランジスタを製造することができる。
 以上、本実施の形態に係るボトムゲート型の薄膜トランジスタの製造方法によれば、チャネル層となる結晶化領域35を形成する際において、レーザー光の照射面積及び照射時間が上記の式(3)を満たすようにレーザー光が照射される。その結果、基板60を基台に固定できる範囲に基板60の反り量を抑えつつ結晶粒径の大きな結晶化領域35を形成することができる。これにより、シリコン薄膜結晶化工程より後の工程において、基板60を基台に確実に固定し、ソース電極37S及びドレイン電極37D等の位置合わせずれを抑えることができる。その結果、製造ばらつきを抑えつつオン電流特性に優れた薄膜トランジスタを製造することができる。
 次に、本実施例に係るトップゲート型の薄膜トランジスタの製造方法について、図10を用いて説明する。図10は、本実施例に係るトップゲート型の薄膜トランジスタの製造方法における各工程を模式的に示す断面図である。
 図10の(a)に示すように、まず、基板60を準備し、基板60を基台に設置(固定)する(基板準備工程)。基板60としては、例えば、ガラス基板を用いることができる。
 次に、図10の(b)に示すように、基板60上に、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜等の絶縁膜からなるアンダーコート膜38を形成する。その後、同図に示すように、基板10の上方に、非結晶のシリコン薄膜33を形成する(シリコン薄膜形成工程)。例えば、アンダーコート膜38の上に、非結晶のシリコン薄膜33としてアモルファスシリコン薄膜をプラズマCVD等によって成膜する。
 次に、図10の(c)に示すように、非結晶のシリコン薄膜33に対してレーザー光を相対走査させつつ、レーザー光をシリコン薄膜33の所定領域に照射することにより、非結晶のシリコン薄膜33を結晶化して結晶化領域35を形成する(シリコン薄膜結晶化工程)。この工程は、上述の結晶性シリコン基板の製造方法における結晶化工程と同様の方法によって行う。
 具体的には、照射面積及び照射時間が上記の式(3)を満たすようにレーザー光が非結晶のシリコン薄膜33に照射される。なお、図10の(c)では、非結晶のシリコン薄膜33の一部の領域を結晶化させているが、非結晶のシリコン薄膜33の全領域を結晶化させても構わない。
 次に、図10の(d)に示すように、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングを施すことにより、レーザー光が未照射の未結晶化領域を選択的にパターニングすることにより、非結晶のシリコン薄膜33を除去すると共に結晶化領域35を島状にパターン形成する。
 その後、図10の(d)に示すように、基板60の上方に、ゲート絶縁膜32を形成する(ゲート絶縁膜形成工程)。例えば、島状の結晶化領域35を覆うようにして、基板60の上方の全面に、二酸化シリコン等の絶縁膜からなるゲート絶縁膜32をプラズマCVD等によって成膜する。
 次に、図10の(e)に示すように、基板60の上方に、ゲート電極31をパターン形成する(ゲート電極形成工程)。例えば、基板60の上方の全面にモリブデンタングステン(MoW)等のゲート金属膜をスパッタによって成膜し、フォトリソグラフィ及びウェットエッチングを施すことによりゲート金属膜をパターニングして、結晶化領域35の上方にゲート絶縁膜32を介して所定形状のゲート電極31を形成する。
 次に、図10の(f)に示すように、ゲート電極31をマスクとして結晶化領域35の両端部に不純物をライトドープすることにより、LDD(Lightly Doped Drain)領域39を形成する。
 次に、図10の(g)に示すように、基板60の上方に、パッシベーション膜70を形成する。例えば、ゲート電極31及びゲート絶縁膜32を覆うようにして、基板60の上方の全面に、二酸化シリコン等の絶縁膜からなるパッシベーション膜70をプラズマCVD等によって成膜する。その後、図10の(g)に示すように、LDD領域39を露出させるようにパッシベーション膜70にコンタクトホールを形成する。
 次に、図10の(h)に示すように、パッシベーション膜70のコンタクトホールを埋めるように、パッシベーション膜70上に一対のソース電極37S及びドレイン電極37Dを形成する。これにより、図10の(h)に示すように、トップゲート型の薄膜トランジスタを製造することができる。
 以上、本実施の形態に係るトップゲート型の薄膜トランジスタの製造方法によれば、チャネル層となる結晶化領域35を形成する際において、レーザー光の照射面積及び照射時間が上記の式(3)を満たすようにレーザー光が照射される。その結果、基板60を基台に固定できる範囲に基板60の反り量を抑えつつ結晶粒径の大きな結晶化領域35を形成することができる。これにより、シリコン薄膜結晶化工程より後の工程において、基板60を基台に確実に固定し、ゲート電極31、ソース電極37S及びドレイン電極37D等の位置合わせずれを抑えることができる。その結果、製造ばらつきを抑えつつオン電流特性に優れた薄膜トランジスタを製造することができる。
 以上、本発明の結晶性基板の製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態の限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
 例えば、本実施の形態において、基板上に形成する薄膜としてシリコン薄膜を例示したが、これに限られず他の半導体薄膜であってもよい。例えば、薄膜はゲルマニウム(Ge)又はSiGeからなる半導体薄膜であってもよい。
 また、本実施の形態では、レーザー光は、強度半値幅W1が強度長軸幅W2よりも小さくなるように構成したが、強度半値幅W1が強度長軸幅W2よりも大きくなるように構成しても構わない。この場合であっても、本実施の形態と同様にレーザー光の走査方向は変わらず、レーザー光の短軸と走査方向とが一致するようにレーザー光の走査を行う。
 また、本実施の形態では、シリコン薄膜に照射されたときのレーザー光の照射形状(強度分布形状)は長軸及び短軸を有する矩形状としたが、これに限らない。例えば、シリコン薄膜に照射されたときのレーザー光の照射形状(強度分布形状)は、楕円形状等のその他の長軸及び短軸を有する形状、あるいは、円形や正方形とすることもできる。
 また、本実施の形態によって製造される薄膜トランジスタ又は薄膜トランジスタのアレイ基板は、有機EL表示装置又は液晶表示装置等の表示装置に用いることができる。また、表示装置については、フラットパネルディスプレイとして利用することができ、テレビジョンセット、パーソナルコンピュータ又は携帯電話などの電子機器に適用することができる。
 例えば、本実施の形態によって有機EL表示装置の薄膜トランジスタのアレイ基板を製造する場合、両者で異なる特性が求められるトランジスタを1つのアレイ基板に配置する必要がある。つまり、オフ特性が求められるスイッチトランジスタと、オン特性が求められる駆動トランジスタとを同じアレイ基板に配置する必要がある。従って、スイッチトランジスタのチャネル層となる結晶化領域の形成におけるレーザー光の走査と、駆動トランジスタのチャネル層となる結晶化領域の形成におけるレーザー光の走査とでレーザー光の照射条件を変更することが好ましい。このような場合、図11に示されるように、スイッチトランジスタの形成において、スイッチトランジスタの配置に応じてレーザー光30の照射面積(結晶化領域50の面積)は決まるが、上記の式(3)を満たすようにレーザー光30の照射時間を設定することで基板を基台に固定できる範囲に基板の反り量を抑えることができる。同様に、駆動トランジスタの形成においても、駆動トランジスタの配置に応じてレーザー光30の照射面積は決まるが、上記の式(3)を満たすようにレーザー光30の照射時間を設定することで基板を基台に固定できる範囲に基板の反り量を抑えることができる。
 また、本実施の形態によって有機EL表示装置の薄膜トランジスタのアレイ基板を製造する場合、各画素でトランジスタの他に容量等を形成する必要があり、トランジスタを形成するための領域は基板の全面積に対して75%以下の面積となる。また、本実施の形態によって液晶表示装置の薄膜トランジスタのアレイ基板を製造する場合、各画素で1つのトランジスタが形成されるため、トランジスタを形成するための領域は基板の全面積に対して少なくとも20%の面積となる。従って、有機EL表示装置及び液晶表示装置の双方に用いることが可能なアレイ基板を製造する場合には、レーザー光の照射面積は、20%以上75%以下であることが好ましい。
 また、本実施の形態によって製造される結晶性シリコン基板は、薄膜トランジスタだけではなく、太陽電池又はイメージセンサ等の光電変換素子等、各種電子デバイスにも用いることができる。
 また、本実施の形態において、結晶性シリコン薄膜は、n型半導体であっても、p半導体であっても良い。
 また、本実施の形態において、レーザー光の投入エネルギーを上げるためにレーザー光として連続発振のレーザー光を用いるとしたが、これに限られず例えばパルスの間隔を小さくしたエキシマレーザー光等のパルスのレーザー光が用いられてもよい。
 本発明は、結晶性基板の製造方法に有用であり、特に薄膜トランジスタ、太陽電池あるいはセンサ等の結晶性シリコン薄膜を有する電子デバイス、又はテレビジョンセット、パーソナルコンピュータあるいは携帯電話などの表示装置又はその他電気機器等に有用である。
  10、60  基板
  11  基台
  13、33  シリコン薄膜
  21  モリブデンタングステン膜
  22  シリコン窒化膜
  23  酸化シリコン膜
  30  レーザー光
  31  ゲート電極
  32  ゲート絶縁膜
  36  コンタクト層
  37  ソースドレイン金属膜
  37S  ソース電極
  37D  ドレイン電極
  38  アンダーコート膜
  39  LDD領域
  40  走査方向
  41  第1方向
  35、50  結晶化領域
  70  パッシベーション膜

Claims (4)

  1.  基板を準備する工程と、
     前記基板上に薄膜を形成する工程と、
     前記薄膜に対してレーザー光を所定の速度で相対走査させて前記薄膜に前記レーザー光を照射し、前記薄膜の少なくとも所定領域を結晶化して結晶化領域を形成する工程と、を含み、
     前記結晶化領域を形成する工程において、
     前記レーザー光の照射面積をSとし、前記レーザー光の照射時間をtとし、A及びBを任意の定数としたとき、
     前記レーザー光の照射面積と前記レーザー光の照射時間とが、下記の式を満たす、
     結晶性基板の製造方法。
     t<A×S-B
  2.  前記レーザー光の照射面積と前記レーザー光の照射時間とは、下記の式を満たす、
     請求項1に記載の結晶性基板の製造方法。
     t<63.3×S-1.5
  3.  前記レーザー光の照射時間は、60マイクロ秒以下である、
     請求項1に記載の結晶性基板の製造方法。
  4.  前記レーザー光の照射面積は、20%以上75%以下である、
     請求項1に記載の結晶性基板の製造方法。
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