JP2009099797A - 半導体薄膜の結晶化方法、薄膜半導体装置の製造方法及び液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

半導体薄膜の結晶化方法、薄膜半導体装置の製造方法及び液晶表示装置の製造方法 Download PDF

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茂之 四元
Tomoya Kato
智也 加藤
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東  和文
Masakiyo Matsumura
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Abstract

【課題】結晶化するためのエネルギー線のエネルギー量のばらつきが不規則に発生しても比較的安定した大きさの結晶化領域や良質の2次元結晶を得ることの可能な半導体薄膜の結晶化方法、良好な特性を有する薄膜半導体装置の製造方法及び液晶表示装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】非単結晶半導体薄膜に周期的な強度分布を有するパルスエネルギー線を照射して、前記半導体薄膜の照射された部分を溶解し、前記パルスエネルギー線の遮断後凝固させることにより、前記パルスエネルギー線照射領域内のエネルギー強度が極小である付近に発生する結晶核から放射状に結晶を成長させて2次元結晶化領域を形成する半導体薄膜の結晶化方法であって、前記パルスエネルギー線の照射は、前記半導体薄膜の第1の照射位置に第1のエネルギー線を照射する第1の照射工程と、前記第1の照射位置からずらし、少なくとも前記結晶核を含む第2の照射位置に第2のエネルギー線を照射する第2の照射工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図10

Description

本発明は、半導体薄膜の結晶化方法、薄膜半導体装置の製造方法及び液晶表示装置の製造方法に係り、特に、位相変調レーザ光を用いた半導体薄膜の結晶化方法に関する。
近年、平面表示装置の一つとして液晶表示パネルが広く普及している。液晶表示パネルの中でも、画素ごとにスイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)を設けたTFT−LCDが多く採用され、携帯端末、モニター、テレビなどに使用されている。TFT−LCDのうち、TFTの活性層として多結晶シリコン薄膜を採用し、TFTの駆動能力を高めたものも実用化されている。この多結晶シリコンTFTの採用により、LCDパネルの駆動回路の一部をガラス基板上に形成することが可能になり、部品点数の削減によるコスト削減や狭額縁化などの効果を得ることが出来る。
多結晶シリコン薄膜の形成には、非晶質シリコンにエキシマレーザ光を照射して当該領域を溶融し、結晶化するエキシマレーザアニール法が実用化されている。この方法では、被処理基板が溶融温度に上昇するが、狭い領域に瞬間的な加熱温度となるため熱損傷を与えずに非晶質シリコンを結晶化することが出来るので、安価なガラス基板を使用することが出来るとともに、粒径0.1から1μm程度の多結晶シリコンを形成することができる。
しかし、回路の高集積化、低消費電力、高速化などのためには、多結晶シリコンの高品質化が重要であり、前述の粒径1μm程度の多結晶シリコンでは、TFTのチャネル領域に結晶粒界が存在するために移動度が低下し、また、同一基板上に同一プロセスで形成されたTFT間に性能のばらつきが発生してしまう。
このため、多結晶シリコンの大粒径化を目的とした結晶化技術の開発が行われている。大粒径化の手段として、例えばSLS法がある。SLS法では、図16に示すように、光源から出射されたレーザ光は、照明光学系を通してメタルマスクを照明し、メタルマスクにより所定の光強度分布にされたレーザ光が投影光学系を通してサンプルを照射する。メタルマスクで形成された光強度分布の一例を図17に示す。図17(a)は、遮光部101と透過部102を有するメタルマスクを示し、図17(b)はこのメタルマスクを通過したレーザ光の光強度分布103を示す。
このようなSLS法では、メタルマスクの遮光部101と透過部102の境界に対応する領域に固体のシリコン(または非晶質シリコン)と溶融シリコンの界面(固液界面)が発生して、そこから透過部の中心へ向かって結晶が成長する。
大粒径化の他の例として、本出願人が開発中の位相変調エキシマレーザ結晶化法がある(例えば、特許文献1、2、及び3参照)。その一例を図18に示す。位相変調エキシマレーザ結晶化法では、光強度分布の形成に図19(a)に示す位相変調素子(位相シフター)を使用する。位相変調素子で形成された光強度分布の一例を図19(b)に示す。位相変調素子201は、石英などの透明基板に凹凸を形成して入射光を位相変調する光学素子である。この位相変調素子201を通過したレーザ光は、図19(b)に示すような逆ピークパターン状の光強度分布202に形成される。
特開2005−56949号公報 特開2005−64079号公報 特開2005−317938号公報
前述のSLS法では、入射するレーザ光の半分近くを金属マスクの遮光部101で遮光するために、レーザ光の利用効率が低く、そのため結晶化の処理時間が長くなるという問題がある。また、結晶粒の面方位がばらつくために、TFTの特性にもばらつきが生じてしまう。
これに対し、位相変調エキシマレーザ結晶化法では、入射するレーザ光を遮光することなく光強度の最小・最大の比を位相変調素子の位相差によって入射光を位相変調して逆ピークパターン状の光強度分布202を形成することが出来る。加えて、位相変調エキシマレーザ結晶化法は、結晶粒の長さや幅方向など、所望する結晶形状に合わせた位相変調素子を作製することが出来るという利点がある。
しかし、一般に、エキシマレーザは、パルスごとのエネルギー量のばらつきが大きく、このエネルギー量のばらつきが不規則に発生する。このようなエキシマレーザ光を非単結晶半導体膜に照射することは、非単結晶半導体膜に形成される結晶化領域の大きさ、形状、品質に悪影響を及ぼすという問題がある。特に、液晶表示装置の表示回路の形成のため、ガラス基板に直接非晶質シリコン膜を形成し、このシリコン膜にレーザ光を照射して結晶化し、薄膜トランジスタを形成する場合、1m角のガラス基板1枚に対して数万発のレーザ光を照射する必要がある。
従って、パルスごとにエネルギー量がばらつくエキシマレーザ光による結晶化は、高画質の表示装置を製造できないという問題がある。
位相変調エキシマレーザ結晶化法では、照射された部分の光強度が最も弱い場所において非晶質シリコンが完全に溶融するようにフルエンス(エネルギー密度)を設定する場合があるが、このフルエンスの設定は、光路中に設けた減衰器によって調整する。光強度が最も弱い場所に結晶核が発生するので、この点が結晶成長の開始点となる。ところが、レーザ発振器のエネルギーがばらついて設定より低いフルエンスのパルスが照射されると、結晶核となるべき光強度の最小の部分で非晶質シリコンが完全に溶融せず、その部分に微細な結晶粒の集合領域が発生してしまう。このような微細な結晶粒の集合領域に作製されたTFTは、移動度が低下するなど特性が良好でなく、TFT間の特性もばらついてしまうと言う問題がある。
さらに上記したように、本出願人は、位相変調エキシマレーザ結晶化法を工業化するための量産技術を開発中である。位相変調エキシマレーザ結晶化法でパルスごとのエネルギー量のばらつきが大きく、しかも不規則に発生するエキシマレーザ出力のばらつき対策として本出願人は、特許文献4に記載された方法を出願している。即ち、この方法は、エキシマレーザの出力変動を検出し、検出された照射領域にエキシマレーザ光を再照射して適性な結晶化領域を得る方法である。
特開2006−110583号公報 本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、結晶化するためのエネルギー線のエネルギー量のばらつきが不規則に発生しても比較的安定した大きさの結晶化領域や良質の2次元結晶を得ることの可能な半導体薄膜の結晶化方法、良好な特性を有する薄膜半導体装置の製造方法及び液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、非単結晶半導体薄膜に周期的な強度分布を有するパルスエネルギー線を照射して、前記半導体薄膜の照射された部分を溶解し、前記パルスエネルギー線の遮断後凝固させることにより、前記パルスエネルギー線照射領域内のエネルギー強度が極小である付近に発生する結晶核から放射状に結晶を成長させて2次元結晶化領域を形成する半導体薄膜の結晶化方法であって、前記パルスエネルギー線の照射は、前記半導体薄膜の第1の照射位置に第1のエネルギー線を照射する第1の照射工程と、前記第1の照射位置からずらし、少なくとも前記結晶核を含む第2の照射位置に第2のエネルギー線を照射する第2の照射工程とを含むことを特徴とする半導体薄膜の結晶化方法を提供する。
このような半導体薄膜の結晶化方法において、前記第1のエネルギー線と、前記第2のエネルギー線とは、等しい周期の強度分布を有するものとすることができる。
前記第1および第2のエネルギー線として、エキシマレーザ光を用いることができる。
前記第1および第2のエネルギー線の光強度分布を、位相変調素子によって形成することができる。
また、前記第1および第2のエネルギー線の一つのパルス光により照射される前記非単結晶半導体薄膜には、前記第1および第2の各エネルギー線により照射される被照射面が、同一面積の方形状で且つ僅かに位置づれしており、結晶化された領域の形状が重畳した2次元結晶化領域が形成されるものとすることができる。
本発明の第2の態様は、上述した半導体薄膜の結晶化方法により、前記非単結晶半導体薄膜を結晶化して形成された結晶化領域に薄膜トランジスタを形成する工程を具備することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の第3の態様は、上述した半導体薄膜の結晶化方法により、前記非単結晶半導体薄膜を結晶化して形成された結晶化領域に液晶駆動用薄膜トランジスタを形成する工程を具備することを特徴とする液晶表示装置の製造方法を提供する。
本発明の第3の態様は、非単結晶半導体薄膜を溶融する光強度のパルスレーザ光ビームを出射するレーザ光源と、このレーザ光源の出射光路に設けられレーザ光ビームの面内光強度を均一化するホモジナイザと、このホモジナイザの出射光路に設けられ均一化されたレーザ光ビームを位相変調してV字型の光強度分布のレーザ光を出射する位相シフタと、この位相シフタの出射光路に設けられた結像光学系と、この結像光学系の結像位置で且つ予め定められた照射位置に位置合わせするように被結晶化基板を支持するX−Y−Z−θテーブルとを具備し、前記X−Y−Z−θテーブルは、前記被結晶化基板の予め定められた第1の結晶化位置が第1のパルスレーザ光を受光する位置に移動制御する第1の移動制御機構と、前記第1の移動制御機構が前記被結晶化基板を第1の結晶化位置に移動させた後、前記レーザ光源を制御してパルスレーザ光を出射制御する制御回路と、第1のパルスレーザ光を前記被結晶化基板が受光後、第1のパルスレーザ光照射により生じた結晶核を含む第2のパルスレーザ光を受光する位置に移動制御する第2の移動制御機構とを備えることを特徴とする結晶化装置を提供する。
本発明によれば、結晶化するためのエネルギー線のエネルギー量のばらつきが不規則に発生しても比較的安定した大きさの結晶化領域や良質の2次元結晶成長領域を得ることができる。さらに、第1のエネルギー線と第2のエネルギー線とを照射位置をずらして照射しているため、中央部の結晶核領域も結晶化することができる。
以下、本発明半導体薄膜の結晶化方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
第1の実施形態
この実施形態の半導体薄膜の結晶化方法は、非晶質半導体薄膜または多結晶半導体薄膜などの非単結晶半導体薄膜に周期的な強度分布を有するパルスエネルギー線を照射して、この照射領域の中央部の結晶核から放射状に結晶を成長させて2次元結晶化領域を形成する半導体薄膜の結晶化方法であって、上記パルスエネルギー線の照射は、上記半導体薄膜の第1の照射位置に第1のエネルギー線を照射する第1の照射工程と、上記第1の照射位置からずらし少なくとも上記結晶核を含む第2の照射位置に第2のエネルギー線を照射する第2の照射工程とからなる方法である。
図1(a)は、1枚の非単結晶半導体薄膜1に対して第1のエネルギー線の照射領域2を順次位置を換えて照射し結晶化する第1の照射工程を説明するための平面図である。図1(b)は、1発の第1のエネルギー線を非単結晶半導体薄膜1に照射したとき多数の方形状2次元結晶化領域3がマトリックス状に形成されている状態を説明するための平面図である。図1(c)は、図1(b)の一つの2次元結晶化領域3が結晶核4から放射状に結晶成長している状態を説明するための平面図である。
第1の照射工程により形成された2次元結晶化領域3の結晶核4近傍には、エネルギー線のエネルギー量のばらつきによって、微細な結晶粒5の集合領域6が形成される場合がある。この集合領域6は、トランジスタを形成しても特性のバラツキが発生し良好な特性のトランジスタを製造することが困難である。2次元結晶化領域3の結晶核4は、2次元結晶化領域3の中央部に形成されるため、結晶化領域にしたい。
この要求を満足するために第2の照射工程を実施する。図2は、第1の照射工程に対する第2の照射工程との関係を説明するための平面図である。図2(a)は、図1(a)の第1の照射工程により非単結晶半導体薄膜1全面に照射された照射領域2上に一定の距離を設けて(位置をずらして)第2の照射工程により照射領域8が形成された状態を説明するための平面図である。図2(a)の実施例は、照射領域2のX軸方向に一定の距離を設けて(位置をずらして)第2の照射工程を実行した例である。他の実施例は、照射領域2のY軸方向に一定の距離を設けて(位置をずらして)第2の照射工程を実行してもよい。
図2(b)は、図1(b)の1発の第1のエネルギー線を非単結晶半導体薄膜1に照射したときマトリックス状に形成された多数の方形状2次元結晶化領域3に上記第2の照射工程により位置をずらしてマトリックス状に形成された多数の方形状2次元結晶化領域9が関連付けて図示された平面図である。
図2(c)は、図2(b)の一つの2次元結晶化領域10が結晶核4から放射状に結晶成長している状態を説明するための平面図である。
第1の照射工程による照射領域2と、第2の照射工程による照射領域8との位置ずれの距離は、第1の照射工程により形成された2次元結晶化領域3の微細な結晶粒5の集合領域6を含むように第2の照射工程による照射領域8を形成する距離である。
即ち、第2の照射工程による照射領域8は、微細な結晶粒5の集合領域6を溶融することを目的として再結晶化する領域である。第2の照射工程による照射領域8の大きさは、第1の照射工程による照射領域2と同一大きさでもよいし、小さい照射領域でもよいが、少なくとも微細な結晶粒5の集合領域6を含む領域である。
第1のエネルギー線例えばパルスエキシマレーザ光は、1発の光ビ―ム形状が図1(a)に示すように方形状例えば1辺が2mm角程度の光ビームで、この2mm角程度の光ビーム内に例えば160000個の結晶化領域3がマトリックス状に形成される。
第1のエネルギー線は、例えば四角形状のパルスレーザ光を1発照射毎にX−Y方向に照射位置を変えて照射して四角形状結晶化領域3をマトリックス状に形成する方式である。1発のレーザ光の光路には,ホモジナイザおよび結像光学系間に位相変調素子が設けられており、この位相変調素子でレーザ光が位相変調されて、図1(b)に示すように方形例えば1辺が5μmの四角形状の結晶化領域3が160000個整列されて形成される。
図1(b)に示されている1つの四角形状結晶化領域3は、図1(c)に拡大して示すように四角形状の2次元結晶化領域3の中心に結晶核4が存在し、この結晶核4から放射状に結晶成長する2次元結晶化領域3である。この結晶核4の周囲には、微結晶粒5の集合領域6が形成され、機能素子例えば薄膜トランジスタのチャネル領域を形成できない。
この実施形態では、図2(a)に示すようにパルスレーザ光を先行する第1のレーザ光を照射して形成された第1の結晶化領域1から僅かずらして第2のレーザ光が集合領域6を含む領域に照射して形成された第2の結晶化領域2を形成することである。この結果、非単結晶半導体薄膜には、図2(b)に示されているような第1の照射領域に形成された結晶化領域3から僅か例えばX方向づれた点線で示す位置に結晶化領域9が形成される。
この結果、各結晶化領域3には、第1のレーザ光の照射により形成された結晶核4および周囲に存在していた微細な結晶粒5の集合領域6は、第2のレーザ光の照射により溶融し、結晶化される。即ち、結晶核4および微細な結晶粒5の集合領域6が存在しない図2(c)に示すような結晶化領域10が形成される。
第1および第2のレーザ光の照射領域のずれ量は、第2のレーザ光の照射領域が少なくとも上記晶核4および周囲に存在していた微細な結晶粒5の集合領域6を含むことである。このように照射することによりレーザ光の照射領域に結晶核4や微結晶粒5の集合領域6の存在しない2次元結晶粒10を得ることができる。
次に、上記実施形態の半導体薄膜に2次元結晶化領域を形成する結晶化方法を実現するための結晶化装置の実施例を図面を参照して説明する。図1および図2と同一部分には、同一符号を付与して説明し、その詳細な説明は、重複するので省略する。
図3は、結晶化装置の構成を説明するための光学系の構成図である。また、図4は、図3の照明系の内部構成例を説明するための光学系の構成図である。この結晶化装置は、入射光束を位相変調して2次元結晶化領域を形成するための所定の光強度分布を有する光束を形成するための位相変調素子21と、絞り22を介して位相変調素子21を照明するための照明系23と、位相変調素子21の位相パターン面と被処理基板25とを光学的に共役に配置している結像光学系24と、被処理基板25を支持しX−Y−Z−θ方向に移動して位置合わせおよび結晶化領域に移動するステージ26とを備えている。
照明系23は、たとえば図4に示す光学系で248nmの波長を有する光を供給するKrFエキシマレーザ光源23aを備えている。光源23aは、被処理基板25と一体に設けられる被結晶化処理体の光波長吸収特性の高い光を放出する光源であり、上記の他XeClエキシマレーザ光源やYAGレーザ光源である。光源23aから供給されたレーザ光ビームは、ビームエキスパンダ23bに入射してビームサイズが拡大された後、ホモジナイザの第1フライアイレンズ23cに入射する。こうして、第1フライアイレンズ23cの後側焦点面には複数の光源が形成され、これらの複数の光源23aからの光束は第1コンデンサー光学系23dを介して、第2フライアイレンズ23eの入射面を重畳的に照明する。
その結果、第2フライアイレンズ23eの後側焦点面には、第1フライアイレンズ23cの後側焦点面よりも多くの複数の光源が形成される。第2フライアイレンズ23eの後側焦点面に形成された複数の光源からの光束は、第2コンデンサー光学系23fおよび絞り22を介して、位相変調素子21を重畳的に照明する。ここで、第1フライアイレンズ23cおよび第1コンデンサー光学系23dは、第1ホモジナイザを構成し、この第1ホモジナイザにより光源23aから供給されたレーザ光ビームについて位相変調素子21上での入射角度に関する均一化が図られる。
また、第2フライアイレンズ23eおよび第2コンデンサー光学系23fは第2ホモジナイザを構成し、この第2ホモジナイザにより第1ホモジナイザからの入射角度が均一化されたレーザ光について位相変調素子21上での面内各位置での光強度に関する均一化が図られる。なお、第1フライアイレンズ23cまたは第2フライアイレンズ23eに代えて、一対のシリンドリカルフライアイレンズを用いることもできる。ここで、シリンドリカルフライアイレンズは、ある平面において屈折力を有し且つその平面と直交する平面において無屈折力の複数のシリンドリカルレンズ要素により構成されている。
こうして、照明系23は、ほぼ均一な光強度分布を有するレーザ光ビームにより位相変調素子21を照射する。位相変調素子21で位相変調されたレーザ光ビームは、結像光学系24を介して、被処理基板25に入射する。ここで、結像光学系24は、位相変調素子1の位相パターン面と被処理基板25とを光学的に共役に配置している。換言すれば、被処理基板25は、位相変調素子21の位相パターン面と光学的に共役な面(結像光学系24の像面)に設定されている。結像光学系24は、正レンズ群24aと正レンズ群24bとの間に開口絞り24cを備えている。
開口絞り24cは、開口部(光透過部)の大きさの異なる複数の開口絞りを有し、これらの複数の開口絞り24cは光路に対して交換可能に構成されていてもよい。あるいは、開口絞り24cは、開口部の大きさを連続的に変化させることのできる虹彩絞りを有していてもよい。いずれにしても、開口絞り24cの開口部の大きさ(ひいては結像光学系4の像側開口数NA)は、後述するように、被処理基板25の半導体膜上において所要の光強度分布を発生させるように設定されている。なお、結像光学系24は、屈折型の光学系であってもよいし、反射型の光学系であってもよいし、屈折反射型の光学系であってもよい。
また、被処理基板25は、図5に示すように、基板例えばガラス基板25a上に順次、下層絶縁膜25b、被結晶化半導体薄膜25c、キャップ膜25dの順に成膜することにより構成されている。すなわち、被処理基板25は、たとえば液晶ディスプレイ用板ガラスの上に化学気相成長法(CVD)により下地絶縁膜25b、非単結晶膜例えば非晶質シリコン膜25cおよびキャップ膜25dが順次形成されたものである。
下地絶縁膜25bは、非晶質シリコン膜25cとガラス基板25aが直接接触してガラス基板25aからNaなどの異物が非晶質シリコン膜25cに混入するのを防止し、非晶質シリコン膜25cの溶融温度が直接ガラス基板25aに伝熱されるのを防止するための膜である。非晶質シリコン膜25cは、結晶化される半導体膜である。
キャップ膜25dは、非晶質シリコン膜25cが横方向に結晶成長させるための結晶化のための略V字状断面の光強度分布の入射光の一部を吸収して発生した熱と、結晶化のための入射光を受光して受光領域が溶融したときの非晶質シリコン膜25cからの熱の一部が伝わることにより加熱される熱とを蓄熱するための膜である。このキャップ膜25dの蓄熱効果は、パルスレーザ光ビームの入射が遮断されたタイミングで、非晶質シリコン膜25cの被照射面において高温部が相対的に急速に降温しようとするが、この降温勾配を緩和させ、大粒径の横方向の結晶成長を促進させる機能を有する。被処理基板25は、真空チャックや静電チャックなどにより基板ステージ26上において予め定められた所定の位置に位置決めされて保持されている。
次に、均一化された入射光束を位相変調して2次元結晶化領域を形成するための所定の光強度分布を有する光束を形成するための位相変調素子21の構成を図6を参照して説明する。2次元結晶化領域を形成するための所定の光強度分布とは、2次元結晶化領域の中心部に結晶核を発生させるために最小光強度となり、この最小光強度からラッパ状に緩やかな勾配で光強度が上昇する略V字状断面の光強度分布のアレイである。略V字状断面の光強度分布のアレイとは、一発の光ビームによりラッパ状光強度分布がマトリックス状に配列された光強度分布である。
位相変調素子21は、大きさ例えば5μm角の2次元結晶粒アレイを半導体薄膜に形成するための光変調光学素子であり、所定の周期で二次元的にマトリックス状に配置されて互いに同じパターンを有する複数の単位領域21aにより構成されている。図6には、位相変調素子21の構成を理解しやすくするために、隣り合う2つの正方形状の単位領域21aを示している。各単位領域21aの一辺は、結像光学系24の像面における換算値で5μmである。以下、位相変調素子21の寸法については、結像光学系24の像面における換算値で示す。
単位領域21aは、一定の位相を有する基準面(図中空白の部分)21aaと、単位領域21aの中心近傍に配置された第1位相領域21abおよび第2位相領域21acと、第1位相領域21abおよび第2位相領域21acの周囲に配置された複数のドット領域21adとを備えている。ここで、第1位相領域21abおよび第2位相領域21acは、半径が0.5μmの円を4等分して得られる扇形形状のパターンであり、その頂点同士が単位領域21aの中心で接するように配置されている。
結像光学系24の実際のフォーカス位置に位置決めされた被処理基板25の表面には図7に示すような光強度分布が形成される。
位相変調素子21の単位領域21aの横断線A−Aに対応する横断線に沿って図7(a)に示すような光強度分布が形成され、図中左側の単位領域1aの図中右上がりの対角線B−Bに対応する斜線に沿って図7(b)に示すような光強度分布が形成され、図中右側の単位領域1aの図中左上がりの対角線C−Cに対応する斜線に沿って図7(c)に示すような光強度分布が形成される。図7を参照すると、実施例1の位相変調素子1を介して得られる光強度分布にはほとんど異方性がないことがわかる。
また、図7(a)を参照すると、第1位相領域21abと第2位相領域21acとの接点(単位領域1aの中心)に対応して光強度の最も小さいボトムピークが形成されることがわかる。また、第1位相領域21abおよび第2位相領域21acの作用により、ボトムピークから周囲に向かって放射状に光強度が急激に増大する逆ピーク状の分布が形成される。また、複数のドット領域21adの作用により、逆ピーク状の分布から周囲に向かって放射状に緩やかに光強度が増大する傾斜状分布が形成される。位相変調素子21の位相段差パターンは、例えば石英ガラス基板に所要の位相に対応する厚さ分布を形成することにより製造することができる。石英ガラス基板の厚さの変化は、選択エッチングやFIB(Focused Ion Beam)加工により形成することができる。
このようにして1発のレーザ光ビームを被処理基板25に照射することにより、同時に図1(b)に示されているように2次元結晶化領域3のアレイが被処理基板25の非晶質シリコン膜25cに形成される。2発目のレーザ光ビームを図2(a)に示されているように所定距離ずらして照射することにより、図1(c)に示されているような微細な結晶粒5の集合領域6の無い2次元結晶化領域が形成される。以上のようにして結晶化装置が構成されている。
次に、結晶化方法の実施形態を説明する。図1乃至図7と同一部分には、同一符号を付与して説明し、その詳細な説明は、重複するので省略する。
図8(a)に位相変調素子(位相シフター)21を用いて形成したパルスレーザ光の光強度分布の断面を、(b)に、(a)に示す光強度分布のパルスレーザ光をキャップ膜25dを介して非晶質半導体層例えば非晶質シリコン膜25cに照射して形成された結晶粒3の平面の模式図を、(c)に(b)図の結晶粒3をA−A線で切断したときの断面の模式図をそれぞれ示す。
図8(a)に示す略V字状断面の光強度分布11では、結晶成長開始点に対応する光強度の弱い部分12は、非晶質シリコン膜25cが完全溶融する閾値13よりも高いフルエンスに設定されている。光源22aからレーザ光が設定どおりのフルエンスで照射された場合には、非晶質シリコン膜25cの受光領域が完全に溶融し、図8(b)に示すように、結晶成長開始点(結晶核)4から周辺に向かって放射状に横方向に結晶が成長する。結晶成長開始点4から四方へ向かって2次元に結晶成長した結晶粒は、結晶成長末端部で隣の結晶粒と衝突して結晶成長が止まり、図8(b)及び(c)に示すように、方形状結晶粒15が敷き詰められた状態に結晶成長される。
一方、光源22a(レーザ発振器)の出射エネルギーのばらつきにより設定より低いエネルギーのレーザ光が照射されると、図9(a)の光強度分布16に示されているように、光強度の弱い部分17は非晶質シリコン膜25cが完全溶融するフルエンスの閾値13よりも低くなる場合がある。このとき、光強度の弱い照射部分17に対応する領域18では多数の結晶核がランダムに発生し、多数の微小な結晶粒5の集合領域6が形成される。そして、その周辺から外側へ向かって結晶粒19が横方向成長する。このように、従来の位相変調エキシマレーザ結晶化法では、レーザの出力がばらついた場合に、非晶質シリコン膜25cに均一な多結晶シリコン薄膜を形成することができない。さらに、微小な結晶粒5の集合領域6には、薄膜トランジスタを形成することができない。
これに対し、本発明の第1の実施形態では、図9に示すような、従来の方法でレーザ照射する工程を第1の工程として、その後、第2のレーザ照射工程を行う。第2のレーザ照射工程では、第1のレーザ照射工程で使用したものと同じ位相シフターを使用して形成された光強度分布のレーザを用いるが、図9(a)に示すように位置をずらして照射する。
即ち、本実施形態では、図9(a)に示すような光強度分布の第1のレーザ光を照射する第1のレーザ照射工程において、図9(b)及び(c)に示すように微小結晶が発生した場合に、図10(a)に示すような強度分布31の第2のレーザ光を照射している。
光強度分布31の第2のレーザ光は、光強度の最も弱い部分32を、第1のレーザ光の照射位置に対し、相対的に例えば被処理基板25をずらしている。図10(b)は、第1のレーザ照射工程において結晶化された非晶質シリコン膜シリコン薄膜の断面を示す、図9(c)と同様の図である。
このときのずれ量は、特に限定されないが、レーザ光の光強度分布の周期の1/2以下であることが望ましい。本実施形態では、2μm〜3μm程度とした。なお、ずれ量は、位相変調素子21のパターンの周期や、試料の膜構成(非晶質シリコンの膜厚など)によって適分部宜調整することが望ましい。
また、第1のレーザ照射工程と第2のレーザ照射工程の照射位置ずれの方向は、試料が配置されるxyzステージ26が移動するx方向でもy方向でもよく、また斜めの方向であってもよい。即ち、二次元の方向(横方向)のいずれであっても、第1のレーザ照射工程の照射位置集合領域6を含むように第2のレーザ照射工程の照射位置を選択すればよい。
図11(b)に第2のパルスレーザ光を照射した後の多結晶シリコン膜の断面を示す。第2のパルスレーザ照射工程では、図10(a)(図11(a))に示すような設定どおりの光強度分布31のレーザ光が照射されて、第1のパルスレーザ照射工程で形成された多結晶シリコン膜が完全溶融する。その後、パルスレーザ光の遮断期間になるとレーザ光の照射領域の温度が略V字状断面の光強度分布を維持して降温する。光強度分布の弱い最低温度部分46の照射部に先ず結晶核40が発生して、そこから光強度分布の強い照射位置方向に順次固液界面が移動即ち結晶46が横方向に成長する。その結果、図11(b)に示すように、良好な大結晶粒の多結晶膜を形成することが出来る。
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態は、第2のレーザ光が、図12(a)に示すように、閾値13よりもフルエンスの低い部分42を含む光強度分布41を有する場合を示す。即ち、レーザ光のエネルギーのばらつきにより、第2のレーザ光の光強度分布41が、閾値13よりもフルエンスの低い部分42を含むことが考えられる。このような場合でも、図12(b)に示すように、第1のパルスレーザ光照射工程において良好な結晶43が形成されていれば、第2のパルスレーザ光照射工程において、第2のパルスレーザ光の照射位置をずらすことにより、閾値13よりもフルエンスの低い部分42に対応する領域においても、良好な結晶が得られる。
即ち、このような第2のパルスレーザ光の照射により、図13(b)に示すように、閾値13よりも高いエネルギーの部分で横方向に成長し、結晶44が形成される。閾値13より低い部分42に対応する領域45では、完全溶融しないために、横方向成長はしないが、もともと良質な結晶43があった領域であるため、図9(c)に示す従来例の領域23に比較して良好な結晶となっている。
このように、本発明の第2の実施形態によれば、光源22aのレーザ発振器のエネルギーばらつきによって、設定よりも低いエネルギー部分を含む光強度分布の第2のレーザ光が照射された場合でも、良好な結晶シリコンを得ることが出来る。
以上の第1及び第2の実施形態では、第1のレーザ光と第2のレーザ光のいずれか一方が、閾値13より低い部分を含む光強度分布を有する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、第1のパルスレーザ光と第2のパルスレーザ光の双方が、閾値より低い部分を含む光強度分布を有する場合についても適用可能である。即ち、第1のパルスレーザ光の照射により閾値より低い部分に対応する位置に生じた、完全溶融せず、微小結晶が発生した集合領域6も、照射位置をずらすことにより、第2のパルスレーザ光の閾値より高い部分に相当する領域となり、図9(c)に示す従来例の領域23に比較して良好な結晶となる。また、第1のパルスレーザ光の照射により閾値より高い部分に対応する位置には、既に良好な結晶が形成されているため、この領域が第2のレーザ光の閾値より低い部分に対応していても、図2(c)に示す従来例の領域23に比較して良好な結晶となる。
第3の実施形態
本発明を薄膜半導体装置の製造方法に適用した第3の実施形態について、図14を参照して説明する。
図14(a)に示すように、絶縁材料、例えば、アルカリガラス、石英ガラス、プラスチック、ポリイミド等からなる透明な矩形状の基板25a(図では一部のみが示されている)の平坦な一面上に下地層となる下地絶縁膜25b、非晶質半導体薄膜25c、及びキャップ膜25dを順次、化学気相成長法やスパッタ法等の公知の成膜技術を用いて形成する。下地絶縁膜25bは、例えば、50nmの厚さのSiN膜302aと300nmの厚さのSiO膜302bとの積層膜により構成されている。
SiN膜302aは、ガラス等からなる基板301からの不純物が非晶質半導体薄膜303に拡散するのを防止し、また、SiO膜302bは、SiN膜302aからの窒素が非晶質半導体薄膜25cに拡散するのを防止する役割を果たす。
非晶質半導体薄膜25cは、例えば、厚さが約50nmないし200nmであり、Si,Ge,SiGeのような半導体により構成され、本実施例ではSiにより構成されている。
キャップ膜25dは、入射光の一部光を吸収する感度を有する膜で例えば,膜厚約300nmのSiO膜、SiON膜、SiN膜、またはこれらの積層構造膜である。
次いで、図14(b)に示すように、非晶質半導体薄膜25cの表面の所定の領域に、キャップ膜25dを介して、第1のパルスレーザ光の照射として、位相変調素子21(位相シフタ)により光変調された第1のパルスレーザ光105を照射する。次に、被処理基板25を2μmだけ横方向にシフトさせて、第2のパルスレーザ光108により、第2のパルスレーザ光の照射を行う。第1のパルスレーザ光105及び第2のパルスレーザ光108の少なくともいずれか一方は、図9(a)に示すような、閾値13より低い部分を含む光強度分布を有するレーザ光である。
このような照射位置をずらした第1及び第2のパルスレーザ光の照射により、照射領域305は、アニール処理されて溶融し、非晶質半導体薄膜25cが良好な多結晶半導体薄膜又は単結晶薄膜に変換される。
結晶化領域である照射領域305は、早いスイッチング特性が要求される駆動回路用TFTを形成するための領域である。一方、非照射領域306は、高い耐電圧が要求される画素用TFTを形成するための領域である。その後、エッチングによりキャップ膜25dを除去して、図14(c)に示すように、半導体薄膜25cを露出させる。
次に、フォトリソグラフイ技術を用いて、照射領域305と非照射領域306とを選択的にエッチングして2つの第1の島状領域305aと1つの第2の島状領域306aとを形成する。これら島状領域305a,306a上を含む基板上、(正確には、下地層25b上)に、SiOからなり、厚さが約20nmないし300nmのゲート絶縁膜307を、上記と同様の成膜技術を用いて形成する。
このゲート絶縁膜307の島状領域305a,305bの中央部と対向する部分の上に、それぞれゲート電極308を形成する。これらゲート電極308は、シリサイドやMoWの層をパターンニングすることにより形成され得る。
次に、図14(d)に示すように、前記ゲート電極308をマスクとして、不純物イオン309を島状領域305a,306aの中に注入し、間にチャネル領域を挟んで、ソース領域とドレイン領域とを形成する。このときに、チャネル領域内で電流の流れる方向の断面が前記(001)面となるようにソース領域とドレイン領域との位置を設定する。この設定は、基板に形成された方位指示指標に基づいて容易になされる。前記不純物イオンは、NチャネルMOSトランジスタを形成するのであれば、N型の不純物、例えばリンであり、PチャネルMOSトランジスタを形成するのであれば、P型の不純物、例えばホウ素である。この結果の装置を窒素雰囲気でアニール(450℃、1時間)して、注入された不純物を活性化する。
次に、ゲート電極308上も含むゲート絶縁膜307の上に、例えば、SiOからなる層間絶縁膜310を形成する。この層間絶縁膜310並びにゲート絶縁膜307の、前記島状領域305a,306aの不純物がドープされた領域(ソース領域並びにドレイン領域)上の部分を選択エッチングにより除去してコンタクト孔を形成する。
次に、図14(e)に示すように、前記層間絶縁膜310の上に、コンタクト孔を介して前記ソース領域並びにドレイン領域と電気的に接続されたソース電極311a並びにドレイン電極311bを形成して、薄膜半導体装置を完成させる。
第4の実施形態
図15(a)及び(b)は、第3の実施形態により得た薄膜半導体装置を使用して製造された液晶表示装置の一例を示す。
液晶表示装置400は、対向して配置された1対の透明基体421,422、の間に液晶層423を介在させてなる。透明基体421の対向面には対向電極427が形成され、透明基体422の対向面には画素電極424が形成されている。
1対の透明基体421,422としては、例えばガラス板を用いることができる。これら透明基体421,422は、枠状のシール材410により封止されている。液晶層423は、1対の透明基体421,422の間のシール材410により囲まれた領域に充填されている。
透明基体422の対向面に形成された画素電極424は、行方向および列方向にマトリックス状に設けられ、これら複数の画素電極424のそれぞれには複数のTFT430が電気的に接続されている。また、これら複数のTFT430には走査配線425及び信号配線426が電気的に接続されている。
走査配線425は、画素電極424の行方向に沿って設けられ、これら走査配線425の一端は、透明基体422の一側縁部に設けられた複数の走査配線端子(図示せず)にそれぞれ接続されている。複数の走査配線端子は、それぞれ走査線駆動回路441に接続されている。
信号配線426は、画素電極424の列方向にそれぞれ沿って設けられている。これら信号配線426の一端は、透明基体422の一端縁部に設けられた複数の信号配線426の端子(図示せず)にそれぞれ接続されている。複数の信号配線426端子はそれぞれ信号線駆動回路442に接続されている。
走査線駆動回路441および信号線駆動回路442は、それぞれ液晶コントローラ443に接続されている。液晶コントローラ443は、例えば外部から供給された画像信号及び同期信号を受け取り、画素映像信号Vpix、垂直走査制御信号YCT、及び水平走査制御信号XCTを発生する。
透明基体421の内面には、複数の画素電極424に対向する一層の膜状の透明な対向電極427が設けられている。透明基体421の内面には、複数の画素電極424と対向電極427とが互いに対向する複数の画素部に対応させてカラーフィルタを設けるとともに、画素部の間の領域に対応させて遮光膜を設けてもよい。
1対の透明基体421,422の外側には、図示しない偏光板が設けられている。また、透過型の液晶表示装置400では、透明基体422の外側に図示しない面光源が設けられている。なお、液晶表示装置400は、反射型或いは半透過反射型であってもよい。
以上説明した第4の実施形態においては、半導体装置としてTFTについて説明したが、半導体薄膜を用いた他の半導体素子、例えば、ダイオードについても本発明は適用可能である。
また、半導体素子を使用する表示装置として液晶表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、有機EL表示装置にも適用できる。
更に、均一な光強度分布を有する入射レーザ光を最小光強度点を有する光強度分布のレーザ光として射出する光学変調素子として、光の回折、干渉を利用した位相シフタを実施の形態では説明したが、例えば、光の反射並びに/もしくは吸収を利用して上記機能を奏させる他の形式の光学変調素子を使用することもできる。このような光学変調素子は、例えば、基板に溝を形成する代わりに、溝に対応する個所に吸収膜もしくは反射膜を設けた位相シフタであってもよい。
本発明方法の実施形態を説明するための第1のパルスレーザ光を照射することによる2次元結晶化領域を形成する工程を説明するための被処理基板の平面図。 図1の第1のパルスレーザ光を照射した後、第2のパルスレーザ光の照射法を説明するための被処理基板の平面図。 図1、図2の2次元結晶化領域を形成する結晶化装置を説明するための光学的構成図。 図3の照明光学系の構成例を説明するための光学的構成図。 図3の被処理基板の構成を説明するための断面図。 図3の位相変調素子のパターン例を説明するための平面図。 図6の位相変調素子により変調されたレーザ光の光強度分布図。 図1の2次元結晶化領域を形成する工程の実施例を説明するための位相変調素子により形成された、レーザ光の設定通りの光強度分布及び横方向に結晶が成長した半導体薄膜の上面及び断面を模式的に示す図である。 図8の他の実施例説明図であり、位相変調素子により形成された、エネルギー強度のばらつきにより設定よりも低い部分を有する光強度分布及び横方向に結晶が成長した半導体薄膜の上面及び断面を模式的に示す図である。 図8の他の実施例説明図であり、設定よりも低い部分を有する光強度分布の第1のレーザ光の照射後に、照射位置をずらして設定通りの光強度分布の第2のレーザ光を照射する工程を説明する図である。 図8の他の実施例説明図であり、第2のレーザ光の照射後の状態を示す図である。 図8の他の実施例説明図であり、設定通りの光強度分布の第1のレーザ光の照射後に、照射位置をずらして設定よりも低い部分を有する光強度分布の第2のレーザ光を照射する工程を説明する図である。 図8の他の実施例説明図であり、第2のレーザ光の照射後の状態を示す図である。 図8の他の実施例説明図であり、薄膜半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。 図14の他の実施例説明図であり、液晶表示装置を示す図である。 従来のSLS法による結晶化の説明図である 図16のメタルマスクにより形成される光強度分布の一例である。 図16の他の従来の位相変調エキシマレーザ結晶化法の説明図である。 図18の位相変調素子で形成される光強度分布の一例である。
符号の説明
11,21,31,41…光強度分布、12,22,32,42…光強度の弱い部分、13…閾値、14,40…結晶成長開始点、15,24,34,43,44,46…結晶粒、23,33…微小な結晶粒、45…比較的良好な結晶粒。

Claims (8)

  1. 非単結晶半導体薄膜に周期的な強度分布を有するパルスエネルギー線を照射して、前記半導体薄膜の照射された部分を溶解し、前記パルスエネルギー線の遮断後凝固させることにより、前記パルスエネルギー線照射領域内のエネルギー強度が極小である付近に発生する結晶核から放射状に結晶を成長させて2次元結晶化領域を形成する半導体薄膜の結晶化方法であって、前記パルスエネルギー線の照射は、前記半導体薄膜の第1の照射位置に第1のエネルギー線を照射する第1の照射工程と、前記第1の照射位置からずらし、少なくとも前記結晶核を含む第2の照射位置に第2のエネルギー線を照射する第2の照射工程とを含むことを特徴とする半導体薄膜の結晶化方法。
  2. 前記第1のエネルギー線と、前記第2のエネルギー線とは、等しい周期の強度分布を有していることを特徴とする請求項1に記載の半導体薄膜の結晶化方法。
  3. 前記第1および第2のエネルギー線は、エキシマレーザ光であることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の半導体薄膜の結晶化方法。
  4. 前記第1および第2のエネルギー線の光強度分布は、位相変調素子によって形成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体薄膜の結晶化方法。
  5. 前記第1および第2のエネルギー線の一つのパルス光により照射される前記非単結晶半導体薄膜には、前記第1および第2の各エネルギー線により照射される被照射面が、同一面積の方形状で且つ僅かに位置づれしており、結晶化された領域の形状が重畳した2次元結晶化領域が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体薄膜の結晶化方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体薄膜の結晶化方法により、前記非単結晶半導体薄膜を結晶化して形成された結晶化領域に薄膜トランジスタを形成する工程を具備することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体薄膜の結晶化方法により、前記非単結晶半導体薄膜を結晶化して形成された結晶化領域に液晶駆動用薄膜トランジスタを形成する工程を具備することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  8. 非単結晶半導体薄膜を溶融する光強度のパルスレーザ光ビームを出射するレーザ光源と、
    このレーザ光源の出射光路に設けられレーザ光ビームの面内光強度を均一化するホモジナイザと。
    このホモジナイザの出射光路に設けられ均一化されたレーザ光ビームを位相変調してV字型の光強度分布のレーザ光を出射する位相シフタと、
    この位相シフタの出射光路に設けられた結像光学系と、
    この結像光学系の結像位置で且つ予め定められた照射位置に位置合わせするように被結晶化基板を支持するX−Y−Z−θテーブルと
    を具備し、
    前記X−Y−Z−θテーブルは、
    前記被結晶化基板の予め定められた第1の結晶化位置が第1のパルスレーザ光を受光する位置に移動制御する第1の移動制御機構と、
    前記第1の移動制御機構が前記被結晶化基板を第1の結晶化位置に移動させた後、前記レーザ光源を制御してパルスレーザ光を出射制御する制御回路と、
    第1のパルスレーザ光を前記被結晶化基板が受光後、第1のパルスレーザ光照射により生じた結晶核を含む第2のパルスレーザ光を受光する位置に移動制御する第2の移動制御機構と
    を備えることを特徴とする結晶化装置。
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