JP2008041920A - 平面表示装置の製造方法および平面表示装置 - Google Patents

平面表示装置の製造方法および平面表示装置 Download PDF

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幹雄 本郷
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Abstract

【課題】
複数に分割した領域に、直交する2方向のいずれかの方向に横方向成長した半導体結晶薄膜あるいはレーザ非照射部を任意の配置で形成する。
【解決手段】
基板表面にバリア膜を介して非晶質半導体膜を形成し、全面をエキシマレーザアニールで多結晶化した後、線状に整形した連続発振レーザ光を連続配置した光スイッチを個別にON/OFFすることで任意の空間プロファイルを形成しながら第一の方向に走査し、任意の領域をラテラル成長多結晶膜とする。次いで、線状に整形した連続発振レーザ光を連続配置した光スイッチを個別にON/OFFしながら第二の方向に走査し、任意の領域をラテラル成長多結晶膜とする。この時、任意の領域にレーザを照射しなくても良い。これにより、第一の方向にラテラル成長した多結晶膜、第二の方向にラテラル成長した多結晶膜、連続発振レーザ非照射膜(エキシマレーザアニール多結晶膜)を任意の領域に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁基板の一主面上に形成された半導体膜をレーザ光(以下、単にレーザとも言う)でアニールする平面表示装置(Flat Panel Display Device)の製造方法及びこれにより得られる平面表示装置に係り、特に非晶質状態にあり又は粒状多結晶からなる当該半導体膜をレーザ光で照射することにより、当該半導体膜に略帯状の結晶粒を成長させ且つ拡大させる工程、これにより帯状結晶粒から成る多結晶構造に改質された当該半導体膜にアクティブ素子を形成する工程に好適な平面表示装置の製造方法、及び平面表示装置の構造を提供する。
現在、液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置は、ガラスや溶融石英などの基板上に絶縁膜を介して形成された非晶質シリコン膜または多結晶シリコン膜で構成された画素トランジスタ(薄膜トランジスタ)のスイッチングにより画像を生成している。このように薄膜トランジスタ(アクティブ素子)を含む画素回路が主面に形成された基板はアクティブ・マトリクス基板、あるいは単にアクティブパネルとも称される。このような基板上に画素回路の薄膜トランジスタを駆動するドライバ回路を同時に形成することが可能になれば、飛躍的な製造コスト低減および信頼性向上が期待できる。しかし、ドライバ回路を構成するトランジスタ(薄膜トランジスタ)の能動層を形成するシリコン膜が非晶質シリコンの場合、移動度に代表される薄膜トランジスタの性能が低く、高速・高機能が要求される回路の製作は困難である。
これら高速・高機能の回路を製作するためには、高移動度の薄膜トランジスタを必要とし、これを実現するためにシリコン薄膜の結晶性を改善する必要がある。この結晶性改善の手法として、従来からエキシマレーザアニールが注目を浴びている。この方法はガラスなどの絶縁基板上に絶縁膜を介して形成された非晶質シリコン膜にエキシマレーザを照射して、非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に変化させることで、移動度を改善するものである。しかしながら、エキシマレーザの照射により得られる多結晶膜は、その結晶粒径が数10〜数100nm程度であり、表示装置の画素トランジスタを駆動するドライバ回路などに適用するには、まだ性能不足である。
この問題を解決する従来技術として、「特許文献1」には時間的に振幅変調した連続発振レーザ光を、線状あるいは矩形状に集光して、非晶質シリコン又は多結晶シリコンから成る半導体膜の表面に高速に走査しながら照射することで、当該半導体膜にレーザ光の走査方向に結晶を横方向(ラテラル)成長させ、いわゆる帯状結晶を形成する方法が開示されている。これは、基板全面をエキシマレーザアニールにより多結晶化させた後、駆動回路が形成される領域のみに、形成するトランジスタの電流経路(ソース−ドレイン方向)と一致した方向にレーザ光を走査して結晶粒を横方向成長させ、結果的に電流経路を横切る結晶粒界が存在しないようにすることで、移動度を大幅に向上させるものである。
しかしながら、上記方法にも解決すべき課題がある。すなわち、結晶が成長した方向と、その直角方向では性能が大きく異なる点である。具体的には、結晶が成長した方向と電流の流れる方向が平行な場合、移動度は400cm/Vs以上が得られるのに対して、結晶が成長した方向と電流の流れる方向が直交する場合、移動度は200cm/Vs以下しか得られない。表示装置の駆動回路を設計する際に、すべてのTFTのソース−ドレイン方向を同一に配置することができれば問題ないが、設計に対する制約が厳しく実際的ではない。すなわち、駆動回路においては、TFTのソース−ドレイン方向が互いに直交する方向に配置されても同程度の高移動度が得られる技術が必要である。
この他、「特許文献2」には液晶マスクを使用し、各画素ごとにレーザ光をON/OFFしながら基板全面にレーザを照射するレーザ描画装置が、また「特許文献3」には液晶マスクを使用するレーザ光照射装置において液晶の過渡期間にレーザ光が照射されるのを防ぐ手段が開示されている。一方、非晶質シリコン又は多結晶シリコンから成る半導体膜の表面に線状又は矩形のレーザ光を投影する特許文献1に記載の技術の改良として、このレーザ光の半導体膜の表面における投影像を、その光軸を中心に回転させる手法が「特許文献4」に開示されている。
特開2003−124136号公報 特開2001−205846号公報 特開2005−111509号公報 特開2005−217213号公報
本発明は上記従来技術を改良するものである。即ち、「特許文献1」には連続発振レーザ光を線状あるいは矩形状に整形して、多結晶シリコン薄膜が形成したガラス基板(試料,Specimen)に対して、時間的に振幅変調をかけながらビームの短軸方向に走査することで、走査方向に帯状に引き伸ばされた結晶を成長させる方法が開示されている。この方法によれば、レーザ光の走査方向に対して、帯状結晶が形成された部分とエキシマレーザでアニールされたままの部分(レーザ非照射部)が任意に配置できる。しかし、線状ビームの長手方向に対してはレーザ光を照射するか、あるいは照射しないかの選択しかできず、改質すべき半導体膜が形成された基板(試料)の主面内で互いに交差するX方向及びY方向の夫々にレーザ光を走査させても、当該半導体膜の任意の領域に対して帯状結晶を任意の方向に成長させることができなかった。
また、「特許文献2」および「特許文献3」に記載されているレーザ描画装置およびレーザ光照射装置はともにレーザ光を一方向に走査しながら照射するもので、レーザ光を上記半導体膜(これが形成された基板主面)の上記X方向及び上記Y方向に夫々照射する手法は何ら考慮されていない。
一方、上記半導体膜(これが形成された基板主面)の機能領域毎に区切られた最小単位(たとえばTFT1個分)に応じて、これに投影される線状又は矩形状のレーザ光の長手寸法を調整し、このレーザ光で当該基板主面の全域を上記X方向及び上記Y方向に夫々走査することで、当該半導体膜に当該X方向及び当該Y方向のいずれかに沿って帯状結晶が成長した領域や、この連続発振レーザで照射されない非照射部を任意に配置できる。「特許文献4」は、この手法に好適な技術(光学系)を開示する。しかしながら、レーザ光の長手方向の寸法にもよるが、駆動回路部を処理するためには走査回数が多数必要で、スループットが極めて低下することは明白であり、現実的ではない。
本発明の目的は上記した問題点を解決し、半導体膜(これが形成された基板)に、その主面で互いに交差するX方向及びY方向のいずれかに沿って帯状結晶が成長する領域を夫々配置し、さらに帯状結晶が成長しない領域(例えば、エキシマレーザアニールのみで形成された多結晶領域)も任意に配置せしめる平面表示装置の製造方法、及びこれに好適な平面表示装置を提供することにある。
本発明である平面表示装置の製造方法は上記目的を達成するために、アニールに使用する線状のレーザ光の長手方向を空間的に振幅変調する。線状のレーザ・ビームには、連続発振されたレーザ光(CWレーザ)が用いられ、その光軸に交差する断面は線状又は矩形に成形される。例えば、半導体膜に投影される線状(矩形)のレーザ光の強度をその長手方向に均一にした後、当該長手方向に任意の分布(強弱のパターン)を与え、当該レーザ光で当該半導体膜(これが形成された基板)の主面を互いに交差する複数の方向(X方向及びこれに交差するY方向)に夫々走査する。具体的には、半導体膜に投影される線状のレーザ・ビームは、その長手方向沿いに半導体膜に形成される機能要素(たとえばTFT1個に相当する寸法)又はその群毎に分割される。分割された線状のレーザ・ビームは、分割される前と同様に線状(矩形)を呈し、その長手方向に並んで半導体膜に投影される。これら複数の線状のレーザ・ビーム(レーザ光)は、半導体膜の主面を互いに交差する複数の方向に夫々走査される工程において、各々が投影される半導体膜の機能要素の配置に応じた光スイッチの任意のオン・オフ動作(On/Off Action)により、半導体膜の主面に投影され又は当該主面への投影が遮られる。斯様にして半導体膜の主面を複数の線状レーザ・ビームで上記X方向及び上記Y方向に夫々走査することで、当該主面には形成すべき機能要素に応じて、X方向に成長した帯状結晶の領域、Y方向に成長した帯状結晶の領域、更には線状レーザ・ビームで照射されない(帯状結晶が成長しない)領域が出現する。線状レーザ・ビームで照射されない領域(以降、連続発振レーザ非照射部とも記す)は、エキシマレーザアニールで得られた通常の多結晶、又はレーザでアニールされない非晶質を呈する。
光スイッチは、これに入射したレーザ・ビーム(レーザ光)の断面に一次元又は二次元的な強度分布を生成するもので、斯様な強度分布を得たレーザ・ビームをその透過又は反射により後段の光学系へ出射する液晶セル(LCD:Liquid Crystal Cell)に代表される。また、Texas Instruments 社の登録商標:デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMDTM: Digital Micro- mirror Device)として知られる可動微小ミラーのアレイ(Array)や、Silicon Micro Machines社の登録商標:グレーティング光バルブ(GLVTM:Grating Light Valve)として知られる線状反射板の一次元配列からなる回折光バルブ(Diffractive Optical Valve)なども光スイッチとして利用できる。光スイッチで生成されるレーザ・ビーム断面の強度分布は、例えば、これに入射したレーザ・ビームの光スイッチからの出射と非出射とからなるパターンを呈する。
本発明による平面表示装置の製造方法の代表的な一例は、非晶質状態又は多結晶状態(所謂粒状多結晶状態)にある半導体膜が形成された基板の主面において「細長い断面(Elongated Cross-section)を有するレーザ光が投影される位置」を当該レーザ光の断面の長手方向に交差する方向に走査しながら当該半導体膜をレーザ光の照射によりアニールして、半導体膜に当該走査の方向に帯状に延びる単結晶領域を成長させて能動素子を形成する過程で、次の工程を備える。
第1工程:前記基板主面をその主面内の第1方向に前記レーザ光の投影位置で走査しながら、当該レーザ光の前記断面における強度をその断面の前記長手方向に並ぶ複数の要素毎に変調する。これにより、前記半導体膜の少なくとも一つの部分に前記帯状の単結晶領域を当該第1方向に成長させる。
第2工程:前記第1工程後に、前記基板をその前記主面に投影される前記レーザ光の光軸を中心に所定角度(例えば、90度)で回転させる。
第3工程:前記第2工程後に、前記基板主面をその主面内で前記第1の方向と前記所定角度で交差する第2方向に前記レーザ光の投影位置で走査しながら、当該レーザ光の前記断面における強度を断面の前記長手方向に並ぶ複数の要素毎に変調する。これにより、前記半導体膜の前記第1工程にて前記帯状の単結晶領域が形成された前記部分以外の少なくとも一つの部分に前記帯状の単結晶領域を該第2方向に成長させる。
上記第1乃至第3工程により、前記非晶質状態又は多結晶状態にある半導体膜に、前記帯状単結晶領域が前記第1方向に成長した前記少なくとも一つの部分からなる第1の改質部分と、前記帯状単結晶領域が前記第2方向に成長した前記少なくとも一つの部分からなる第2の改質部分とを夫々配置させる。
上述したレーザ光の「細長い断面」は、例えば、線状、矩形状、楕円状、長円状、短冊状を呈し、その面内には長手方向(長軸方向)とこれに交差する短手方向(短軸方向)とが定義される。また、この「細長い断面」は、例えば、レーザ発振器で発振されたレーザ光の断面(スポット)を回折光学素子で整形することで得られる。
前記第1工程及び前記第3工程において、断面を細長く整形されたレーザ光は、液晶セルにより当該レーザ光の細長い断面の前記長手方向に並ぶ複数の要素に分割され、当該レーザ光の強度は当該要素毎に変調される。液晶セルに代えて、これに入射する前記レーザ光の前記細長い断面の前記長手方向に複数のミラーが並設された可動微小ミラー(ミラー・アレイ)を用いてもよい。前記レーザ光を可動微小ミラーに入射させ、前記複数のミラーの各々の当該レーザ光の光軸に対する傾斜角度を制御すると、当該レーザ光の細長い断面の強度は、各々のミラーに応じた前記複数の要素の一つ毎に変調される。
液晶セルに代えて、これに入射する前記レーザ光の細長い断面の前記長手方向に複数の細長い反射体が並設されて成る回折光バルブを用いてもよい。この回折光バルブは、複数の反射体からなる平面でレーザ光(入射光)を反射し、当該平面に対する当該反射体の少なくとも一つの変位で当該レーザ光を回折する。この機能により、回折光バルブに入射したレーザ光の強度は、その細長い断面の長手方向に並ぶ前記複数の要素の各々で変調される。
本発明による平面表示装置の代表的な一例は:
(1)第1方向及びこの第1方向に交差する第2方向に広がる主面を有する基板;
(2)前記主面上に前記第1方向及び前記第2方向に沿い二次元的に配置されて表示部を成し且つその各々には画像信号を取り込む画素回路が設けられた複数の画素;
(3)前記表示部にて前記第1方向に延在し且つ前記第2方向に並設されて前記画素回路に前記画像信号を供給する複数の信号線;
(4)前記表示部にて前記第2方向に延在し且つ前記第1方向に並設されて前記画素回路による前記画像信号の取り込みを制御する走査信号を伝送する複数の走査線;及び
(5)前記主面上の前記表示部の外側に配置され且つ前記複数の信号線に前記画像信号を、前記複数の走査線に前記走査信号を、夫々出力する駆動回路を備え、
(6)前記駆動回路は前記基板主面に形成された半導体膜をチャネルとする複数のアクティブ素子を有し、
(7)前記複数のアクティブ素子は、前記第1方向に帯状に成長した単結晶領域を含むチャネルを備えた少なくとも一つの第1アクティブ素子、前記第2方向に帯状に成長した単結晶領域を含むチャネルを備えた少なくとも一つの第2アクティブ素子、及び非晶質構造又は当該単結晶領域のいずれよりも小さい結晶粒からなる粒状多結晶構造のチャネルを備えた第3アクティブ素子を含む。
本発明により、設計上の必要性に応じてTFTのソース−ドレイン方向をX方向あるいはY方向に設定できるだけでなく、エキシマレーザアニールの領域あるいは必要に応じて、非晶質シリコン薄膜をプリカーサ(Precursor)にすることで、非晶質シリコン薄膜領域を任意に設定することができ、スループットを低下させることなく、駆動回路の設計が容易で高性能の平面表示装置を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
以下、図に従って本発明を詳細に説明する。図1は本発明である平面表示装置の製造方法を実施するに好適な平面表示装置の製造装置の構成を説明する図である。本装置は、励起用LD(レーザダイオード)1と光ファイバ2で結合された連続発振レーザ光(以下、単にレーザ光とも称する)3を発生するレーザ発振器4、レーザ光3のON/OFFを行うシャッタ5、レーザ光3のエネルギを調整する透過率連続可変NDフィルタ6、レーザ発振器4から出力されたレーザ光3をその振幅の時間的な変調によりパルス化又はそのエネルギの時間的な強度(振幅)変調を実現するための変調器7と偏光ビームスプリッタ8、レーザ光3のビーム径を調整するビームエキスパンダ(あるいはビームリデューサ)9、レーザ光3のビーム形状を細長い形状(例えば線状、矩形状、楕円状、長円状)に整形し且つそのエネルギ分布を当該ビーム形状の長手方向に均一にするビーム整形器11、ビーム整形器11で細長い断面形状に整形されたビームをその長手方向に並ぶ複数の要素(スポット)に分割し且つその各要素のエネルギ密度を調整する光スイッチ14、光スイッチ14を通過したレーザ光を平行光にするチューブレンズ15、チューブレンズ15を通過したレーザ光の一部を反射するミラー16、ミラー16で反射されたレーザ光をビームプロファイラ18に結像する結像レンズ17、ミラー16を透過したレーザ光をステージ21上に載置された基板20(当該レーザで加工される表面)に投影する結像レンズ19から構成される。
光スイッチ14は、上述した複数の要素の各エネルギ密度を調整することで、ビーム整形器11で細長く整形されたレーザ光3の断面の長手方向に任意の強度分布を与える。このように、ビーム断面を構成する要素に応じて、当該ビーム断面における振幅が変り又は振幅が“0”にもなるレーザ光3は空間振幅変調されたレーザ光(Spatially-amplitude-modulated Laser Light)とも呼ばれる。この強度分布は、光スイッチ14から出射されたレーザ光3の一部が入射される上述のビームプロファイラ18で測定され、所望の分布を示すか否かが確認される。ビームプロファイラ18として、例えば、浜松ホトニクス株式会社製:LEPAS−12等が知られている。一方、この強度分布を示すレーザ光3のミラー16で反射されない残り(例えば、光スイッチ14から出射されたレーザ光3の大部分)は、その細長く整形され且つ空間振幅変調された断面状態(ビームスポット)を保ちながら、結像レンズ19を通して上記基板20の表面(主面とも記される)に投影される。結像レンズ19に当該レーザ光3の縮小投影機能を持たせることにより、レーザ発振器4で連続発振されたレーザ光3の断面積(スポット・サイズ)当たりの強度を、基板20の表面に投影される時点で概ね結像レンズ19の縮小率の逆数の二乗倍に高められる。光スイッチ14として、液晶パネルのように、これに入射されるレーザ光3の透過率又は反射率を上記要素毎に調整する光学素子を用いるとき、当該光学素子に入射するレーザ光3の断面積当たりの強度が小さいと、この光学素子自体の劣化も生じ難くなる。
一方、基板20の表面における結像レンズ19でのレーザ光3の投影位置は、基板20の表面に投影されたレーザ光3の当該基板20の表面で反射された成分を、上記ミラー16と上記結像レンズ19との間に設けられたミラー23で反射させ、チューブレンズ24を通して撮像素子25に入射させる。この結像レンズ19、ミラー23、チューブレンズ24、並びに撮像素子25からなる光学系は、当該基板20の表面に、その加工箇所と結像レンズ19によるレーザ光3の照射位置とを合わせる(所謂レーザ光照射の「位置合わせ」)ために形成された像(例えば、アラインメントマーク)の撮像及び観察(認識)にも用いられる。この光学系による基板20の表面情報の撮像において、結像レンズ19には、これを透過するレーザ光3を平行化させる機能を持たせるとよい。図1に示す平面表示装置の製造装置は、以上の他に、モニタ26、画像処理装置27、本装置の各要素を制御する制御装置28も備える。
次に、各部の動作・機能について詳細に説明する。連続発振レーザ光3は被照射対象である非晶質あるいは多結晶シリコン薄膜に対して吸収のある波長、即ち紫外波長から可視波長の領域(例えば、λ=380〜800nm)に発振波長を持つCWレーザ(連続発振レーザ)が望ましく、より具体的にはArレーザあるいはKrレーザとその第二高調波、Nd:YAGレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YLFレーザ等の固体レーザの第二高調波及び第三高調波などが適用可能である。更には所謂疑似CW(パルス幅:数〜数10ピコ秒(10−12秒)、繰り返し周波数:数10〜数100MHz)でも良い。これらの中で、出力の大きさ及び出力の安定性を考慮すると、LD(レーザダイオード)からのレーザ光によりレーザ発振器4で励起されるNd:YAGレーザの第二高調波(波長532nm)あるいはNd:YVOレーザの第二高調波(波長532nm)が最も望ましい。以後の説明ではLDで励起されたNd:YVOレーザの第二高調波を使用した例について説明する。
レーザ発振器4で連続発振されたレーザ光(以降、連続発振レーザ光)3はシャッタ5によりON/OFFされる。即ち、レーザ発振器4は常に一定出力でレーザ光3を発振した状態におかれ、シャッタ5は通常には閉じた状態(OFF状態)として、レーザ光3はシャッタ5で遮られている。レーザ光3を照射する場合のみ、このシャッタ5を開く(ON状態)ことで、レーザ光3を出力させる。励起用レーザダイオード1からレーザ発振器4に入射されるレーザ光をON/OFFすることで、レーザ光3のON/OFFを行うことは可能だが、レーザ出力の安定性を確保するためには望ましくない。このほか、安全上の観点から緊急にレーザ光3の照射を停止したい場合にも、シャッタ5を閉じればよく、これにより発振器自体に悪影響を及ぼすことはない。
シャッタ5を通過したレーザ光3は出力調整に使用する透過率連続可変NDフィルタ6を透過して変調器7に入射される。透過率連続可変NDフィルタ6は、その透過率が指定された波長帯域にて平坦又は平坦に近いND(Neutral Density)特性を示し、これに入射する光は当該波長帯域にて特定の波長(エネルギ)が選択的に吸収されることなく、その振幅が一律に低下されて出射される。透過率連続可変NDフィルタ6としてはレーザ光が透過することで偏光方向が回転しないものが望ましい。ただし、後述するように変調器7として偏光方向の影響を受けないAOモジュレータを採用する場合には、その限りではない。変調器7としてはEOモジュレータ(電気光学変調器)が最も適している。EOモジュレータとして、例えば、レーザ光3が入射される結晶(電気光学結晶、圧電結晶)にドライバ(図示せず)を介して電圧を印加して駆動するポッケルス・セル(Pockels Cell)が用いられる。ポッケルス・セルは、当該結晶に電圧を印加することにより、この結晶内を伝播する光の速度にその偏光方向に応じた差(位相差)を与える。これにより、当該圧電結晶を透過するレーザ光3は、その偏光方向が回転された状態で圧電結晶から出射され、当該圧電結晶(変調器7)の次段に配置された偏光ビームスプリッタ8に入射される。偏光ビームスプリッタ8は、これに入射したレーザ光3のP偏光成分のみを通過させ、そのS偏光成分をその光軸に対して90度偏向させることでレーザ光3のON/OFF(あるいはパルス化)および出力の調整を行うことができる。ただし、変調器7による出力の調整は、本実施例における必須機能ではなく、単にレーザ光3のON/OFF(あるいはパルス化)を行うことができれば目的を達することができる。
変調器7(圧電結晶)は、これから出射されるレーザ光3が上記偏光ビームスプリッタ8に対してP偏光で入射するように当該レーザ光3の偏光方向を回転させる電圧V1と、S偏光で入射するように当該レーザ光3の偏光方向を90度回転させる電圧V2とが交互に印加され、あるいは当該電圧V1とV2との間の範囲で任意に変化する電圧が印加されることにより、偏光ビームスプリッタ8から出射されるレーザ光3を時間的に振幅変調する。なお、図1では変調器7と偏光ビームスプリッタ8を組み合わせることで説明したが、偏光ビームスプリッタの代替として各種偏光素子を用いることができる。また、図1では変調器7と偏光ビームスプリッタ8を独立した部品として示したが、各種偏光素子まで含めたものを変調器(EOモジュレータ)7として市販されている場合もあり、ポッケルス・セルと偏光ビームスプリッタ8(または各種偏光素子)を組み合わせたもの全体をEOモジュレータと称する場合もある。
また、変調器7の他の例として、AO(音響光学)モジュレータを使用することができる。一般的にAOモジュレータはEOモジュレータと比較して、駆動周波数が低く、また回折効率も70〜90%とEOモジュレータに比べて低いが、直線偏光でないレーザ光のON/OFF(あるいはパルス化)を行えるという独自の特徴もある。また、AOモジュレータを変調器7として用いると、透過率連続可変NDフィルタ6を透過する透過レーザ光の偏光方向が回転しても、何ら問題は生じない。このようにEOモジュレータ7(及び偏光ビームスプリッタ8)あるいはAOモジュレータなどの変調器を用いることにより、連続発振レーザ光から任意のタイミングで任意の波形(時間的なエネルギ変化)を有するレーザ光を得ることができる。即ち、所望の振幅変調を行うことができる。
振幅変調されたレーザ光3はビーム径を調整するためのビームエキスパンダ(Beam Expander)9でビーム径を調整され、ビーム整形器11に入射する。ビームエキスパンダは、ビームリデューサ(Beam Reducer)に置き換えてもよい。ビーム整形器11はレーザ光3を細長い形状のビームに整形するための光学素子である。通常、ガスレーザや固体レーザは、ガウス形のエネルギ分布を持っているため、そのままでは本発明のレーザアニールに使用することはできない。発振器出力が十分に大きければ、ビーム径を十分に広げ、中心部分の比較的均一な部分のみを切り出すことで、ほぼ均一なエネルギ分布を得ることができるが、ビームの周辺部分を捨てることになり、エネルギの大部分が無駄になる。この欠点を解決して、ガウス形の分布を均一な分布(トップフラット,図10の整形ビームのプロファイル62参照)に変換するために、ビーム整形器11を用いる。図10を参照して後述されるレーザ光のビームプロファイル61,62,63,64は、その断面の長さ方向に延びる横軸に対する当該レーザ光の強度(振幅)の変化として描かれる。
以下、図1および図10を用いて詳細に説明する。ビーム整形器11として回折光学素子を使用する。回折光学素子は石英などの基板にフォトエッチング工程により微細な段差を形成したもので、断面内にガウス分布のビームプロファイル61を示すレーザ光は当該回折光学素子に入射すると、その夫々の段差部分を透過する成分(当該レーザ光の一部)毎に回折パターンを生成する。回折光学素子は、その結像面で当該レーザ光の成分毎に生じた複数の回折パターンを合成し、結果的に結像面上でビーム断面内のエネルギ強度が長手方向に均一な線状あるいは矩形状に分布したプロファイル62を有する整形ビームが得られる。即ち、ここで用いる回折光学素子はガウス分布のレーザ光を入射することで、一方向(長手方向)に均一な分布で、かつその直角方向(短手方向)には均一あるいはガウス分布に集光されるように設計・製作されており、回折光学素子を使用した場合の長手方向の強度分布バラツキが±3%程度の均一な分布が得られる。
あるいは、ビーム整形器11として回折光学素子の代りに、パウエルレンズとシリンドリカルレンズの組み合わせ(図示せず)を用いることができる。パウエルレンズ(Powell Lens,例えば米国特許第4826299号参照)はシリンドリカルレンズの一種で、ガウス分布のビームプロファイル61を有するレーザ光を入射させた場合に、中心部分のエネルギ密度が高い部分は疎になるように、周辺部分のエネルギ密度が低い部分は密になるように投影面上に結像させる。その面と直角方向に対しては、パウエルレンズ単体ではエネルギ分布の変化がないままなので、シリンドリカルレンズで集光する。結果として、長手方向には均一なエネルギ分布を有し、短手方向にはガウス分布を有する線状あるいは矩形状のエネルギ分布のプロファイル62を有するビームを形成することができる。パウエルレンズを使用した場合の長手方向の強度分布バラツキが±5%程度の均一な分布が得られる。
ビーム整形器11の結像面に光スイッチ14を配置することで、線状のレーザビームを光スイッチ14に入射させる。光スイッチ14としては液晶セルを使用することができる。図10においては液晶セルを採用した場合を示している。ここで用いられる光スイッチ14としての液晶セルは、その面(レーザ光3が入射する)内に並ぶ上記複数の「要素」の光透過率のパターンを任意に設定可能な光透過型のマスクとして機能する。
光スイッチ14を通過したレーザ光3の断面(スポット)内において、後述する結像レンズ19等の光学系で基板20の表面の非照射領域(レーザ光3で照射させない領域)に投影され得る成分が、偏光ビームスプリッタ10により90度偏向されることで、当該レーザ光3はその断面にて所望のプロファイル63を有するように成形される。所望のプロファイル63を得て偏光ビームスプリッタ10から出射されたレーザ光は、チューブレンズ15により平行光に変換され、結像レンズ(投影レンズ)19により基板20上に当該結像レンズ19の倍率(チューブレンズと結像レンズの焦点距離比)の逆数の大きさに縮小投影される。投影されたビームのプロファイル64は光スイッチ14で形成されたプロファイル63に類似しているが、その断面内の長さは結像レンズ倍率の逆数倍となり、断面積当たりのエネルギ密度は当該結像レンズの倍率の二乗倍となる。即ち、20倍の結像レンズを使用した場合、光スイッチ14を通過したビーム寸法の1/20の大きさに縮小投影され、エネルギ密度は400倍となる。レーザ光を照射した状態で基板20を載置したステージ21を、線状ビーム短手方向に300〜1000mm/sの速度で定速走査することで、レーザ光が照射された部分のシリコン膜は溶融再凝固し、走査方向にラテラル成長(横方向成長)した結晶膜が得られる。
液晶セルとして0.7形XGA(対角寸法:0.7インチ、解像度:1024画素×768画素)を使用した場合を考える。表示領域の長さはおよそ14mm、1画素はおよそ14ミクロン(μm)である。通常の液晶表示装置では1画素がRGB3画素で構成されているが、本発明ではレーザ光は単一波長であるため、RGB3画素をまとめて1画素として取り扱っても良いし、RGB3画素をそれぞれ単独の画素として扱っても良く、あるいは14ミクロン角の画素で構成された液晶セルを使用しても良い。
現在市販されている連続発振YVOレーザ第二高調波4の最大出力は20W程度であり、途中の光学系での損失を考慮しても、1台の発振器で500〜1000ミクロン幅を、1走査でアニールすることができる。ビーム整形器11で長手方向14mm、短手方向60ミクロンの矩形に整形し、20倍結像レンズで縮小投影すると、基板20上では長手方向が700ミクロン、短手方向が3ミクロンの線状ビームが得られ、光スイッチ14の1画素は0.7ミクロンに相当する。ここで、光スイッチ14の20画素を1ブロックとして同時に駆動すると、基板20上では長手方向に14ミクロンピッチで空間的に振幅変調をかける事ができる。すなわち、700ミクロンの領域を50分割して(14ミクロンピッチで)レーザを照射するか照射しないかを設定できることになる。
一方、必要に応じてビーム整形器11を交換して光スイッチ14上で矩形状の均一強度分布ビームを形成し、光スイッチ14でアライメントマークの20倍拡大像を形成し、チューブレンズ15と結像レンズ19により基板20上に上記拡大像を1/20に縮小したアライメントマークを形成する。アライメントマークは非晶質シリコン薄膜上にレーザ光を照射して多結晶化させることで形成する。非晶質シリコン膜と多結晶シリコン膜では可視波長、特に450nm〜600nmの範囲での反射率が大きく異なるため、容易にマークとして検出することができる。異物発生を考慮する必要がない場合には、高エネルギ密度で照射することでシリコン膜をアブレーションにより除去し、アライメントマークを形成することもできる。アライメントマーク形状としては「○」「+」「T」「一|」「#」など、基板20を回転させた後、およびアニール工程後の最初のレジスト工程で、露光用フォトマスクの位置合わせに使用できる形状であれば良い。アライメントマークを形成するタイミングとしては、最初の方向(図2に示すX方向及びY方向の一方)へのアニールの前でも後でもかまわない。
また、必要に応じてチューブレンズ24、撮像素子25、モニタ26、画像処理装置27により、基板20表面の観察やアライメントマークの検出を行う。また、上記した各部品の動作や制御を制御装置28が行うことで、全自動処理を実施することができる構成となっている。尚、図1においてアライメントマーク検出光学系(チューブレンズ24、撮像素子25)はアニール光学系およびアライメントマーク形成光学系と同軸で設け、結像レンズ19を共用することで説明しているが、アライメント検出光学系を別途設けても良く、同じ効果が得られることは明らかである。
次に、図1で説明した製造装置を使用した、本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法について説明する。
図2は本発明の1実施例である表示装置の製造方法で製造するパネル30を示す平面図である。通常はガラスなどの絶縁基板20上にSiO、SiNなどのバリア層を介して非晶質シリコン膜が形成される。前記非晶質シリコン膜は所望の領域(アライメントマークが形成される領域)を除いてエキシマレーザが照射され、多結晶シリコン膜に改質される。
大型基板20内には数パネル〜数100パネルが形成されるが、ここでは1パネル分だけ示している。パネル30は画素部(表示部)31、走査線駆動回路部32、信号線駆動回路部33、周辺回路部34などから構成される。信号線駆動回路部33はその一部を拡大して示したように、本発明によりX方向にラテラル成長した帯状結晶領域35、Y方向にラテラル成長した帯状結晶領域36、連続発振レーザを照射しない領域(エキシマレーザで多結晶化したのみの領域)37に作り分ける事とし、駆動回路部をX方向にA〜F、Y方向に1〜5の座標で示す領域に分割して説明する。すなわち、図2における領域A1、A5、B3、C1、C5、D2、D3、D4、E1、E5、F3をX方向にラテラル成長した帯状結晶領域35に、領域A2、A4、B2、B4、C2、C4、D1、D5、E2、E4、F2、F4をY方向にラテラル成長した帯状結晶領域36に、領域A3、B1、B5、C3、E3、F1、F5を新たなレーザ照射を行わない(エキシマレーザのみを照射した)領域とする。
まず、図3に示すようにレーザを照射すべき領域を仮想的にA1からF5までの30領域に分割して考える。図3はレーザ光を照射する前の状態を示しており、全領域はエキシマレーザアニールにより形成された多結晶領域である。レーザ光をビーム整形器11でY方向が長手方向となるように線状に整形し、光スイッチ14により特定の領域にはレーザ光を照射し、それ以外の領域にはレーザ光が照射されないように、すなわち、透過するレーザ光の偏光方向を90度回転させて、偏光ビームスプリッタ10で90度偏向させることで、マスキングする。すなわち、図4におけるマスクパターン41を形成して相対的にレーザ光をX方向に一定速度で走査しながら、まずA列にレーザ光を照射する。ここで、図4におけるマスクパターン41、42、43は白抜き部分がレーザ光を透過し、黒塗り部分は遮光する状態を示している。
線状に整形されたレーザ光がA列を走査し終わると、光スイッチ14はマスクパターン41をマスクパターン42に切り替え、B列を照射する。B列を照射し終えると、マスクパターンをマスクパターン41に切り替え、順次マスクパターン43、41、42に切り替えながらレーザを照射する。この間、基板は一定速度で走査される。マスクパターンの切り替えは、ステージ21に設置したリニアエンコーダ、あるいはステージ21の駆動用モータに設置したロータリエンコーダなどによりステージ20の位置を検出して、設計位置と一致した時点で行うことで、高精度に行うことができる。これにより、図5に示すように、ハッチングで示した領域にレーザが照射され、図5におけるX方向にラテラル成長した帯状結晶領域35が得られ、白抜きの領域はエキシマレーザ照射により得られた多結晶膜のまま残る。
次に、基板20を左回り(反時計回り)に90度回転させる(ステージ21に回転機構がない場合には、外部で基板を回転させて、再度ステージ21上に載置する)と、レーザ照射領域は図6に示すような配置となる。前回と同様に、レーザ光をビーム整形器11で基板21に対してX方向が長手方向となるように線状に整形し、光スイッチ14により特定の領域にはレーザ光を照射し、それ以外の領域にはレーザ光が照射されないようにマスキングする。すなわち、図7におけるマスクパターン51を形成して相対的にレーザ光を基板21のY方向に走査し、1行目にレーザ光を照射する。ここで、図7におけるマスクパターン51、52、53は図4と同様に白抜き部分がレーザ光を透過し、黒塗り部分は遮光する状態を示す。線状に整形されたレーザ光が1行目を走査し終わると、光スイッチ14はマスクパターン51をマスクパターン52に切り替え、2行目を照射する。2行目を照射すると、マスクパターンをマスクパターン53に切り替え、順次マスクパターン52、51に切り替えながらレーザを照射する。この間、基板21は一定速度で走査される。これにより、図8に示すように、横向きのハッチングで示した領域にレーザが照射され、図8におけるY方向にラテラル成長した帯状結晶領域36が得られ、X方向、Y方向の走査時にレーザが照射されなかった領域(白抜きで表示)はエキシマレーザ照射により得られた多結晶膜のまま、あるいは非晶質シリコン薄膜を対象にした場合には非晶質膜のまま残る。レーザ照射が終了した基板を右回り(時計回り)に90度回転することで、図9に示す各アニール領域で構成される基板が完成する。この構成は図2に示した構成と全く同じであり。目的とするレーザ処理が実施できたことになる。すなわち、駆動回路領域に、X方向に横方向成長した帯状結晶領域、Y方向に横方向成長した帯状結晶領域、エキシマレーザアニールにより形成した多結晶領域を任意の配置に形成することができる。
なお、本実施例に好適なステージ21は、図10に示される如く、基板20を投影光学系(結像レンズ19)に対して直線的に動かす走査ユニット21aと、当該走査ユニット21a上に搭載され且つ基板20を当該投影光学系(結像レンズ19)の光軸に対して回転させる回転ユニット21bとを備える。走査ユニット21aは、その上に搭載される回転ユニット21bを、当該回転ユニット21b上に搭載される試料台21c及びこれに仮固定された基板20とともに直線的に動かす。走査ユニット21aは、これによる回転ユニット21bの直線的な移動方向の一つ(以下、第1移動方向)が、投影光学系(結像レンズ19)により試料台21cに仮固定された基板20の表面に投影されるレーザ光3のスポットの長手方向と交差するように、当該投影光学系と同じ定盤(又はその均等部材)に固定されると良い。上記走査ユニット21aは、上記回転ユニット21bを上記第1移動方向以外に、これに交差する(望ましくは直交する)「別の移動方向(以下、第2移動方向)」にも直線的に動かす駆動機構と、この駆動機構の動作による試料台21c(基板20)の投影光学系に対する変位を検出するエンコーダを備える。上記投影光学系又はこれを含む平面表示装置の製造装置の複数基を上記走査ユニット21aに対して、「上記回転ユニット21bの第2移動方向」に並べ、上記レーザ光3による上記基板20のアニール処理を一括して行うとき、当該走査ユニット21aの駆動機構は当該回転ユニット21bを第1移動方向のみに移動させるだけでも良い。
一方、回転ユニット21bは、走査ユニット21aにより投影光学系(結像レンズ19)に対して上記第1移動方向又は上記第2移動方向に移動され、この移動が停止されている期間に、走査ユニット21aの主面(回転ユニット21bの搭載面)内で所定の角度で回転する。この回転動作の中心は、走査ユニット21aの主面の中央に位置する軸としても、回転ユニット21b(基板20)の一角としてもよい。
上述のように、本実施例において、基板20と投影光学系(結像レンズ19)との相対的な位置の走査は、投影光学系に対する基板20の移動及び回転により行われる。しかし、この走査は、上記投影光学系又はこれを含む平面表示装置の製造装置の光学系が固定される定盤を基板20(ステージ21)に対して移動させ、更には回転させても行える。
上記説明では、基板20上にバリア膜を介して成膜した非晶質シリコン薄膜にエキシマレーザを照射して多結晶化した後、帯状結晶を形成したが、非晶質シリコン薄膜の状態で実施すれば、非晶質領域、X方向に横方向成長した帯状結晶領域、Y方向に横方向成長した帯状結晶領域を任意の配置に形成することができる。
上記実施例において、光スイッチ14として液晶セルを用いた場合について説明してきたが、光スイッチ14として、液晶セルに代えて、Texas Instruments社の登録商標:デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMDTM)として知られる可動微小ミラーや、Silicon Micro Machines社の登録商標:グレーティング光バルブ(GLVTM)として知られる回折光バルブを用いても同様に、エキシマレーザアニールにより形成した多結晶領域、X方向に横方向成長した帯状結晶領域、Y方向に横方向成長した帯状結晶領域を任意の構成で配置することができる。DMDTMの詳細は、例えば特開平5−150173号公報(対応米国特許第5142405号)に、GLVTMの詳細はJ.I.Trisnadi他によるPhotonics West 2004−Micromachining and Microfabrication Symposium(January 26,2004)のInvited Paper:“Overview and applications of Grating Light ValveTM based optical write engines for high-speed digital imaging”に夫々記載され、これらの露光装置への応用は、特開2004−006440号公報(対応米国特許第6960035号)にも記載される。これらのいずれも、入射光の強度をその断面に一次元的又は二次元的に並ぶ要素毎に変調し、当該強度(振幅)変調された光を反射光として出射する。また、これらは光MEMS(MOEMS)の代表例としても知られる。
光スイッチ14として、液晶セル、上記可動微小ミラー(のアレイ)、上記回折光バルブ、又はこれらの均等物を用いたとしても、本実施例で上述したレーザ発振器4からステージ21(基板20)に到るレーザ光3の光学系は、先述した特許文献4(特開2005−217213号公報)に記載のそれより簡素となり、レーザ光3による基板20の表面のアニール動作における光学条件も調整し易くなる。従って、基板20の主面内に成長方向が互いに異なる複数の帯状結晶領域を形成するという工程が、高い再現性を以って実行できる。更に、特許文献4でアニールされるべき基板の近傍に配置されたイメージローテータ(Image Rotator)は、本発明では不要となるため、図1に示す平面表示装置の製造装置の複数基を、その投影光学系から出射されるレーザ光3の断面の長手方向に並べることも容易となる。本実施例で利用される光スイッチ14も、平面表示装置の製造装置の光学系においてイメージローテータと同様な空間を占めるが、その配置はイメージローテータのように制限されない。このため、本発明は線状に整形された複数のレーザ光3による基板20の一括アニールも可能とし、平面表示装置の量産工程におけるスループットを飛躍的に向上させる。
以下、本発明の別な実施例として、光スイッチ114としてSilicon Micro Machines社の登録商標:グレーティング光バルブ(GLVTM)として知られる回折光バルブを用いた場合について説明する。図11は本実施例で説明される平面表示装置の製造装置の構成を示す図であり、図1に示された実施例1の製造装置の液晶セルで例示された光スイッチ14が上記回折光バルブ114に、偏光ビームスプリッタ10が当該回折光バルブ114で回折された(正反射されない)光のその後段(チューブレンズ15)への入射を遮るフィルタ118に夫々置き換えられている。なお、図11に示される製造装置において、図1に示した実施例1の製造装置と同じ部品は、図1と同じ参照番号で夫々示される。図11に示される製造装置は、励起用LD(レーザダイオード)1と光ファイバ2で結合され且つ連続発振レーザ光(以下、単にレーザ光とも称する)3を発生するレーザ発振器4、レーザ光3のON/OFFを行うシャッタ5、レーザ光3のエネルギを調整する透過率連続可変NDフィルタ6、レーザ発振器4から出力されたレーザ光3を時間的に振幅変調してパルス化あるいはエネルギの時間的な強度(振幅)変調を実現するための変調器7と偏光ビームスプリッタ8、レーザ光3のビーム径を調整するビームエキスパンダ(あるいはビームリデューサ)9、レーザ光3のビーム形状を細長い形状(例えば線状、矩形状、楕円状、長円状)且つその長手方向にフラットトップのエネルギ分布を有するビーム形状に整形するビーム整形器11、ビーム整形器11で細長い形状に整形されたビームの長手方向を任意の強度分布に整形する光スイッチ114、光スイッチ114を通過したレーザ光の不要部分を遮光するフィルタ118、フィルタ118を透過したレーザ光を平行光にするチューブレンズ15、チューブレンズ15を通過したレーザ光の一部を反射するミラー16、ミラー16で反射したレーザ光を結像する結像レンズ17並びに結像されたレーザ光の強度分布を測定するビームプロファイラ18、及びミラー16を透過したレーザ光をステージ21上に載置された基板20上に縮小投影する結像レンズ19から構成される。結像レンズ19は、ビーム整形器11で細長い形状に整形され、且つ光スイッチ114で空間振幅変調され、且つフィルタ118で不要なレーザ光を取り除かれたレーザ光を基板20の表面(主面)に縮小投影する。図11に示される製造装置は、更に結像レンズ19により平行光に変換された基板20表面(特に、これに形成されたアライメントマーク)の像を撮像し観察するためのチューブレンズ24、撮像素子25、モニタ26、画像処理装置27、本製造装置の各要素を制御する制御装置28も備える。
次に、各部の動作・機能について詳細に説明する。連続発振レーザ光3は照射対象である非晶質あるいは多結晶シリコン薄膜に対して吸収のある波長、即ち紫外波長から可視波長の領域に発振波長を持つCWレーザ(連続発振レーザ)が望ましく、より具体的にはArレーザあるいはKrレーザとその第二高調波、Nd:YAGレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YLFレーザ等の固体レーザの第二高調波及び第三高調波などが適用可能である。更には所謂疑似CW(パルス幅:数〜数10ピコ秒、繰り返し周波数:数10〜数100MHz)でも良い。これらの中で、出力の大きさ及び出力の安定性を考慮すると、LD(レーザダイオード)からの光によりレーザ発振器4で励起されるNd:YAGレーザの第二高調波(波長532nm)あるいはNd:YVOレーザの第二高調波(波長532nm)が最も望ましい。以後の説明ではLDで励起されたNd:YVOレーザの第二高調波を使用した場合について説明する。
レーザ発振器4から発振された連続発振レーザ光3はシャッタ5によりON/OFFされる。即ち、レーザ発振器4は常に一定出力でレーザ光3を発振した状態におかれ、シャッタ5は通常には閉じた状態(OFF状態)として、レーザ光3はシャッタ5で遮られている。レーザ光3を照射する場合のみ、このシャッタ5を開く(ON状態)ことで、レーザ光3を出力させる。励起用レーザダイオード1をON/OFFすることで、レーザ光3のON/OFFを行うことは可能だが、レーザ出力の安定性を確保するためには望ましくない。このほか、安全上の観点から緊急にレーザ光3の照射を停止したい場合にも、シャッタ5を閉じればよく、これにより発振器自体に悪影響を及ぼすことはない。
シャッタ5を通過したレーザ光3は出力調整に使用する透過率連続可変NDフィルタ6を透過して変調器7に入射される(その機能は実施例1で詳述された)。透過率連続可変NDフィルタ6としては、これを透過するレーザ光の偏光方向を回転させないものが望ましい。ただし、後述するように変調器7として偏光方向の影響を受けないAOモジュレータを採用する場合には、その限りではない。変調器7としてはEOモジュレータが最も適している。EOモジュレータとして、例えば、実施例1でも詳述したように、結晶(例えば、電気光学結晶や圧電結晶)にドライバ(図示せず)を介して電圧を印加するポッケルス・セルが用いられる。電圧が印加された当該結晶は、これを透過するレーザ光3の偏光方向を回転させ、結晶の後方に置いた偏光ビームスプリッタ8は結晶(変調器7)から出射されるレーザ光のP偏光成分のみを通過させ、S偏光成分を90度偏向させる。この変調器7と偏光ビームスプリッタ8との動作の組み合わせにより、その次段(ビーム整形器11)へ出射されるレーザ光3のON/OFF(あるいはパルス化)およびその出力の調整が行われる。ただし、変調器7による出力の調整は、本実施例における必須機能ではなく、単にレーザ光3のON/OFF(あるいはパルス化)を行うことができれば目的を達せられる場合もある。
ポッケルス・セルの結晶(変調器7)には、これから出射されるレーザ光3の偏光方向を、当該レーザ光3が偏光ビームスプリッタ8に対してP偏光で入射するように回転させる電圧V1と、S偏光で入射するように当該P偏光のレーザ光3の偏光方向に比べて90度回転させるための電圧V2とが交互に印加され、あるいは当該電圧V1とV2との範囲で任意に変化する電圧を印加される。これにより偏光ビームスプリッタ8から出射されるレーザ光3は、時間的に振幅変調される。なお、図1では変調器7と偏光ビームスプリッタ8との組み合わせによるレーザ光3の時間的な振幅変調(基板20主面へのレーザ光3投影のON/OFF)を説明したが、偏光ビームスプリッタの代替として各種偏光素子を用いることができる。また、図1では変調器7と偏光ビームスプリッタ8を独立した部品として示したが、ポッケルス・セルとその後段に配置される各種偏光素子とを含めて一体化した市販の変調器(EOモジュレータ)7を用いてもよい。ポッケルス・セルと偏光ビームスプリッタ8(または各種偏光素子)を組み合わせて成る光学部品(光学モジュール)の全体は、一般的にEOモジュレータとも記される。
また、変調器7の他の例として、AO(音響光学)モジュレータを使用することができる。一般的にAOモジュレータはEOモジュレータと比較して、駆動周波数が低く、また回折効率も70〜90%とEOモジュレータと比較して効率が低いが、レーザ光が直線偏光でない場合でもON/OFF(あるいはパルス化)を行えるという利点があり、透過率連続可変NDフィルタ6を透過したレーザ光の偏光方向の回転に影響されない基板20のアニールを実現する。このようにEOモジュレータ7(及び偏光ビームスプリッタ8)あるいはAOモジュレータなどの変調器を用いることにより、連続発振レーザ光から任意のタイミングで任意の波形(時間的なエネルギ変化)を有するレーザ光を得ることができる。即ち、レーザ光3の所望の振幅変調を行うことができる。
振幅変調されたレーザ光3はビーム径を調整するためのビームエキスパンダ(あるいはビームリデューサ)9でビーム径を調整され、ビーム整形器11に入射する。ビーム整形器11はレーザ光3を細長い形状のビームに整形するための光学素子である。通常、ガスレーザや固体レーザは、ガウス形のエネルギ分布を持っているため、そのままでは本発明のレーザアニールに使用することはできない。発振器出力が十分に大きければ、ビーム径を十分に広げ、中心部分の比較的均一な部分のみを切り出すことで、ほぼ均一なエネルギ分布を得ることができるが、ビームの周辺部分を捨てることになり、エネルギの大部分が無駄になる。この欠点を解決して、ガウス形の分布を均一な分布(トップフラット,図12の整形ビームのプロファイル72参照)に変換するために、ビーム整形器11を用いる。
ビーム整形器11として回折光学素子を使用する。回折光学素子は石英などの基板にフォトエッチング工程により微細な段差を形成したもので、図12に示す様にガウス分布のビームプロファイル71を有するレーザ光110が回折光学素子111に入射すると、それぞれの段差部分を透過する当該レーザ光の各成分で形成される回折パターンが回折光学素子の結像面で合成される。その結果、レーザ光110は、回折光学素子111の結像面上で、その断面におけるエネルギ強度が長手方向に均一な線状あるいは矩形状に分布するプロファイル72を有する整形ビームに変換される。ここで、図12を参照して説明されるレーザ光のビームプロファイル71,72,73,74は、その断面の長さ方向に延びる横軸に対する当該レーザ光の強度(振幅)の変化として描かれる。本実施例の製造装置で用いられる回折光学素子111はガウス分布のレーザ光を入射することで、一方向(長手方向)に均一な分布で、かつその直交方向(短手方向)には均一あるいはガウス分布に集光されるように設計・製作されており、回折光学素子を使用した場合の長手方向の強度分布バラツキが±3%程度の均一な分布が得られる。
本実施例でも実施例1と同様に、ビーム整形器11として回折光学素子の代りに、パウエルレンズとシリンドリカルレンズの組み合わせ(図示せず)を用いることができる。パウエルレンズはシリンドリカルレンズの一種で、ガウス分布のビームプロファイル71を有するレーザ光を入射させた場合に、中心部分のエネルギ密度が高い部分は疎になるように、周辺部分のエネルギ密度が低い部分は密になるように投影面上に結像させる。その面と直角方向に対しては、パウエルレンズ単体ではエネルギ分布の変化がないままなので、シリンドリカルレンズで集光する。結果として、長手方向には均一なエネルギ分布を有し、短手方向にはガウス分布を有する線状あるいは矩形状のエネルギ分布のプロファイル72を有するビームを形成することができる。パウエルレンズを使用した場合の長手方向の強度分布バラツキが±5%程度の均一な分布が得られる。
ビーム整形器11の結像面に光スイッチ114を配置することで、線状のレーザビームを光スイッチ114に入射させる。図12は光スイッチ114として、上述した回折光バルブ(GLVTMとして知られる)を使用した場合を示している。ここで用いられる光スイッチ114としての回折光バルブは任意のパターンに設定可能な光反射型のマスクとして機能する。
ここで、本実施例の製造装置の光スイッチ114として用いられる回折光バルブの機能について、図13、図14を用いて説明する。回折光バルブの1画素は6枚の金属リボン112(反射体)で構成され、すべての金属リボン112が平面を形成している場合には、これに入射するレーザ光110を正反射して正反射光(Specular Light)117として出力する。このとき、レーザ光の光スイッチ114に対する入射角と反射角は等しく、入射角を45度に設定すると、反射角も45度となる。光スイッチ114で反射されたレーザ光(正反射光)117は入射光110に対して90度偏向され、フィルタ118を通過し、その後段の光学系(チューブレンズ15等)へ入射する。金属リボン112は、例えば細長い形状(例えば、矩形、短冊型)を呈する反射体であり、その複数個をその長手方向に交差する方向に並べて回折光バルブが構成される。
一方、金属リボン112に電圧を印加すると、上記平面に対して電圧が印加された金属リボン112が変位する。この現象を利用して、図14に示すように、金属リボン112を1枚おきに当該平面から変位させて、光スイッチ114に入射するレーザ光(入射光)110を回折させ、回折光116として光スイッチ114から出力させる。光スイッチ114における入射光110の回折光量は金属リボン112の変位量により変化するため、これに拠る入射光110の正反射光量は連続的に変化される。このように光スイッチ114から出力された回折光116は、その次段に配置されたフィルタ118で遮蔽されるため、その後段の光学系(チューブレンズ15等)に入射されない。
このように、本実施例で用いた回折光バルブも、これによる反射光の振幅変調が、これに入力される電気信号により可能なため、実施例1で述べた液晶パネルと同様に、本発明による製造装置の光スイッチ114として機能する。図13及び図14には、矩形又はこれに近い細長い形状の金属リボン112を、その長手方向に交差する方向(以下、並設方向)に複数枚(6枚として例示)並べて成る一画素分の回折光バルブが示される。しかし、当該並設方向に更に多くの金属リボン112を配置し、これらを所定数(例えば、上記6枚)毎に、並設方向に並ぶ複数の画素に分けてもよい。即ち、実施例1で記したように、ビーム整形器11で細長い断面形状に整形されて光スイッチ114に入射するレーザ光110の断面の長手方向沿いに複数の画素に相当する金属リボン112(回折光バルブ)を並設し、この金属リボン112を所定の群(回折光バルブ)毎に図13及び図14に示す如く動作させる。これにより、レーザ光(入射光)110の細長い断面は、金属リボン112の群(回折光バルブ)に応じてその長手方向に並ぶ複数の要素(スポット)に分割され、フィルタ118を通過する当該レーザ光の断面における強度(振幅)は各要素に対応する金属リボン112の群(回折光バルブ)の状態により決められたプロファイルを示す。このように上記並設方向に並ぶ回折光バルブで光スイッチ114に複数の画素を設けることにより、フィルタ118から出力されるレーザ光に任意の空間プロファイルを形成することができる。
上述したフィルタ118は光スイッチ114(複数の回折光バルブ)で正反射されるレーザ光を通過させ且つ回折されるレーザ光を遮る特性を有するが、このフィルタ118に代えて光スイッチ114で回折されるレーザ光を通過させ且つ正反射されるレーザ光を遮る特性を有するフィルタを用いても良い。この場合、複数の回折光バルブの各々における金属リボン112への電圧印加パターンは、上記フィルタ118を用いたときとON/OFFが逆転する。しかし、光スイッチ114(複数の回折光バルブ)で回折されるレーザ光のみをフィルタから出力させても、当該レーザ光の断面に任意の空間プロファイルを形成することができる。
光スイッチ114として、これに入射するレーザ光110の断面の長手方向に1080画素分に相当するの回折光バルブを並設した製造装置を以下に検討する。この光スイッチ114における表示領域(1080画素分の回折光バルブが並設される領域)の長さはおよそ34mm、1画素(当該回折光バルブの各々)はおよそ30ミクロンの大きさである。1画素は偶数個(例えば6個)の金属リボンで構成され、当該回折光バルブに電圧が印加されない状態(通常の平面状態)では、これに入射する光を正反射するが、これに電気信号が印加された場合に金属リボンが1個おきに変形して回折格子を形成し、入射光を回折させる。即ち、回折光バルブはその並設方向(入射光110の断面の長手方向)に延在するおよそ30ミクロンを1画素として、当該入射光を正反射し、又は正反射方向とは異なる方向に回折させて、正反射方向に出射される光をON/OFFする。しかも、ON/OFFの切り替えに要する時間は1マイクロ秒(10−6秒)以下であり、ON状態からOFF状態又はその逆に遷移する過渡状態における結晶の乱れが生じない。
現在市販されている連続発振YVOレーザ第二高調波4の最大出力は20W程度であり、途中の光学系での損失を考慮すると、1台の発振器で500〜1000ミクロン幅を、1走査でアニールすることができる。ビーム整形器111で長手方向に34mm及び短手方向に150ミクロンずつ延びる矩形に整形し、50倍結像レンズで縮小投影すると、基板20上では長手方向が680ミクロン、短手方向が3ミクロンの整形ビームが得られる。回折光バルブの1画素は0.63ミクロンに相当する。ここで、回折光バルブの10画素を1ブロックとして同時に駆動すると、基板20上では長手方向に6.3ミクロンのピッチで空間的に振幅変調をかける事ができる。すなわち、680ミクロンの領域を108分割して(6.3ミクロンピッチで)レーザを照射するか照射しないかを設定できることになる。
回折光バルブで、これに入射されるレーザ光の断面から基板20へのレーザ照射に不要な部分を回折して(又は正反射して)除去し、当該レーザ照射に必要な部分を正反射(又は回折)することで、図12に示す如く、回折光バルブ(光スイッチ114)に入射したレーザ光の断面に特定の強度(振幅)プロファイル73を与える。特定のプロファイル73に形成されたレーザ光は、チューブレンズ15により平行光に変換され、結像レンズ19により基板20上に結像レンズ倍率(チューブレンズと結像レンズの焦点距離比)の逆数倍の長さ(例えば、スポット径)に縮小されたプロファイル74を以って、基板20の表面(主面)に投影される。即ち、50倍のレンズを使用した場合、光スイッチ114で反射されたレーザ光は、その反射パターン寸法の1/50の大きさに縮小され且つその2500倍のエネルギ密度で縮小投影される。回折光バルブで空間的に振幅変調されたレーザ光で照射されている基板20が載置されたステージ21を、基板20に投影されている当該レーザ光の線状ビーム断面の短手方向に300〜1000mm/sの速度で走査すると、基板20の表面(主面)のレーザ光が照射された部分に形成されたシリコン膜は溶融して再凝固し、走査方向にラテラル成長した結晶膜に変化する。なお、レーザ光を50倍の結像レンズで一度に1/50に縮小するのが困難であれば、そのビーム寸法(ビーム径)を一旦1/10に縮小し、次に1/5に縮小するように、2回に分けて縮小しても良い。
図2に示す平面表示装置基板を製造する場合を考える。大型基板20内には数パネル〜数100パネルが形成されるが、ここでは1パネル分だけ示している。パネル30は画素部(表示部)31、走査線駆動回路部32、信号線駆動回路部33、周辺回路部34などから構成される。信号線駆動回路部33はその一部を拡大して示したように、本発明によりX方向にラテラル成長した帯状結晶領域35、Y方向にラテラル成長した帯状結晶領域36、連続発振レーザを照射しない領域(エキシマレーザで多結晶化したのみの領域)37に作り分ける事とし、駆動回路部をX方向にA〜F、Y方向に1〜5の座標で示す領域に分割して説明する。すなわち、図2における領域A1、A5、B3、C1、C5、D2、D3、D4、E1、E5、F3をX方向にラテラル成長した帯状結晶領域35に、領域A2、A4、B2、B4、C2、C4、D1、D5、E2、E4、F2、F4をY方向にラテラル成長した帯状結晶領域36に、領域A3、B1、B5、C3、E3、F1、F5を新たなレーザ照射を行わない(エキシマレーザのみを照射した)領域とする。
まず、図3に示すようにレーザを照射すべき領域を仮想的にA1からF5までの30領域に分割する。図3はレーザ光を照射する前の状態を示しており、全領域はエキシマレーザアニールにより形成された多結晶領域である。レーザ光をビーム整形器11でY方向が長手方向となるように線状に整形して、複数の回折光バルブからなる光スイッチ114により基板20の表面の特定領域を当該レーザ光で照射し、それ以外の領域はこのレーザ光で照射されないように、回折光バルブで正反射されたレーザ光のみを基板20に照射する。すなわち、図4におけるマスクパターン41を形成して相対的にレーザ光をX方向に一定速度で走査しながら、まずA列にレーザ光を照射する。ここで、図4におけるマスクパターン41、42、43の白抜き部分では回折光バルブで正反射されたレーザ光が基板20に到達し、黒塗り部分では回折光バルブの回折によりレーザ光が基板20に到達しない。
線状に整形されたレーザ光がA列を走査し終わると、回折光バルブはマスクパターン41をマスクパターン42に切り替え、B列を照射する。B列を照射し終えると、マスクパターンをマスクパターン41に切り替え、順次マスクパターン43、41、42に切り替えながらレーザを照射する。この間、基板は一定速度で走査される。マスクパターンの切り替えは、ステージ21に設置したリニアエンコーダ、あるいはステージ21駆動用モータに設置したロータリエンコーダなどによりステージ21の位置を検出して、設計位置と一致した時点で行うことで、高精度に行うことができる。これにより、図5に示すように、ハッチングで示した領域にレーザが照射され、図5におけるX方向にラテラル成長した帯状結晶領域35が得られ、白抜きの領域は基板20の表面に形成された非晶質膜(アモルファス−シリコン膜)全域へのエキシマレーザ照射により得られた多結晶膜のまま残る。
次に、基板を左回り(反時計回り)に90度回転させる(ステージ21に回転機構がない場合には、外部で基板を回転させて、再度ステージ21上に載置する)と、レーザ照射領域は図6に示すような配置となる。前回と同様に、レーザ光をビーム整形器111でY方向(基板21に対してはX方向)が長手方向となるように線状に整形し、回折光バルブにより特定の領域にはレーザ光を正反射させて照射し、それ以外の領域にはレーザ光を回折させてレーザ光が照射されないようにマスキングする。すなわち、図7におけるマスクパターン51を形成して相対的にレーザ光を基板21のY方向に走査し、1行目にレーザ光を照射する。ここで、図7におけるマスクパターン51、52、53は図4と同様に白抜き部分が回折光バルブで正反射されたレーザ光が基板20に到達する状態、黒塗り部分は回折光バルブでの回折によりレーザ光が基板に到達しない状態を示している。
線状に整形されたレーザ光が1行目を走査し終わると、回折光バルブはマスクパターン51をマスクパターン52に切り替え、2行目を照射する。2行目を照射すると、回折光バルブはマスクパターン53に切り替え、順次マスクパターン52、51に切り替えながらレーザを照射する。この間、基板は一定速度で走査される。これにより、図8に示すように、横向きのハッチングで示した領域にレーザが照射され、図8におけるY方向にラテラル成長した帯状結晶領域36が得られ、X方向、Y方向の走査時にレーザが照射されなかった領域(白抜きで表示)はエキシマレーザ照射により得られた多結晶膜のまま残る。レーザ照射が終了した基板を右回り(時計回り)に90度回転することで、図9に示す各アニール領域で構成される基板が完成する。この構成は図2に示した構成と全く同じであり。目的とするレーザ処理が実施できたことになる。すなわち、駆動回路領域にエキシマレーザアニールにより形成した多結晶領域、X方向に横方向成長した帯状結晶領域、Y方向に横方向成長した帯状結晶領域を任意の配置に形成することができる。
上記実施例において、光スイッチ114として回折光バルブを使用した場合について説明したが、基本的には液晶セルを用いた場合と同じで、エキシマレーザアニールにより形成した多結晶領域、X方向に横方向成長した帯状結晶領域、Y方向に横方向成長した帯状結晶領域を任意の構成で配置することができる。
上記説明では、基板20上にバリア膜を解して成膜した非晶質シリコン薄膜にエキシマレーザを照射して多結晶化した後、帯状結晶を形成したが、非晶質シリコン薄膜の状態で実施すれば、非晶質領域、X方向に横方向成長した帯状結晶領域、Y方向に横方向成長した帯状結晶領域を任意の配置に形成することができる。
更に、グレーティング光バルブ(GLVTM)に代表される回折光バルブは応答速度が1マイクロ秒以下であり、液晶表示装置に比べて1000倍以上速い特徴がある。光スイッチとして使用した場合のパターンの切り替えが早く、走査方向に対してレーザの照射領域を小さく設定することができる。
本実施例では、先述の実施例1及び実施例2に記した製造装置を用いて作成される平面表示装置の具体的な構成及びそれに好適な製造工程を説明する。
図15には、上記平面表示装置の一例として、アクティブ・マトリクス方式で駆動される有機エレクトロルミネセンス表示装置(以下、アクティブ型の有機EL表示装置)のパネル30における表示回路の概要が示される。上述したパネル内の表示部31には複数の画素PX(一点鎖線で囲まれた領域)がx方向及び当該x方向に交差するy方向に夫々沿って二次元的に配置される。このため、表示部31は画素アレイとも呼ばれる。複数の画素PXの各々には、ダイオードとして示された有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子)ELと、これを駆動させる画素回路が設けられる。画素回路は、少なくともスイッチング用トランジスタ(Switching Transistor)TFT1、容量素子CP、及び駆動用トランジスタ(Drive Transistor)TFT2を備える。表示部31の外側(パネル30の周縁)には、x方向に延在し且つy方向に沿って並設された複数の走査線SLの夫々に走査信号を出力する走査線駆動回路部32、y方向に延在し且つx方向に沿って並設された複数の信号線DLの夫々に画像信号を出力する信号線駆動回路部33、及び電流供給線PLを通して各画素の有機EL素子ELに駆動電流を供給する発光電源部341が設けられる。なお、本実施例で論じる“x方向及びy方向”は、実施例1や実施例2で用いた座標系の“X方向及びY方向”と若干異なるため、小文字で記される。
有機EL表示装置は、上記複数の画素PXの各々での画素回路による有機EL素子ELの発光動作により、当該表示部に画像を表示する。表示部31で表示する画像データは、信号線駆動回路部33から上記画像信号として信号線DLを通して画素PXの各々に送られる。走査線駆動回路部32は、走査線SLに順次走査信号を出力して、走査線SLの各々に対応する画素PXの一群(x方向に並ぶ)における上記画像信号取り込みを制御する。画素回路に設けられたスイッチング用トランジスタTFT1は、その制御電極(ゲート電極)に接続された走査線SLの一つに走査信号が印加されるとターン・オンされ、そのチャネルの一端に接続された信号線DLの一つから画像信号を、容量素子CPに取り込む。スイッチング用トランジスタTFT1の制御電極への走査信号印加が終了すると、スイッチング用トランジスタTFT1はターン・オフされる。スイッチング用トランジスタTFT1のターン・オフとともに、容量CPに取り込まれた画像信号(電荷)は、駆動用トランジスタTFT2の制御電極(ゲート電極)に電圧を印加する。これにより駆動用トランジスタTFT2はターン・オンされ、その制御電極に印加された電圧に応じた電流を電流供給線PLから有機EL素子ELへ供給する。駆動用トランジスタTFT2を通して有機EL素子ELの一端に流れ込んだ電流は、有機EL素子ELを発光させて、その他端から基準電位線CL(基準電位VREF、例えば、接地電位に接続される)へ流れ出る。有機EL素子ELの発光は、例えばスイッチング用トランジスタTFT1の次のターン・オンにより駆動用トランジスタTFT2がターン・オフされるまで、所定の期間(1フレーム、1サブフレーム等)に亘り持続される。
平面表示装置を代表するアクティブ型の液晶表示装置は、図15に示されるアクティブ型の有機EL表示装置のパネル30から発光電源部341及び電流供給線PLを、画素PXの各々から有機EL素子EL及び駆動用トランジスタTFT2を削除した表示回路を有すると説明しても過言でない。液晶表示装置の画素PXでは、画像信号が取り込まれる容量素子CPが液晶層(誘電体層)とこれを挟んで対向する一対の電極とで構成される。アクティブ型の液晶表示装置の各画素PXにおけるスイッチング用トランジスタTFT1を通した容量素子CPへの画像信号の取り込みは、アクティブ型の有機EL表示装置と概ね同様に行われる。従って、図16を参照して後述される信号線駆動回路部33やこれと類似した走査線駆動回路部32は、アクティブ型の液晶表示装置及び有機EL表示装置の夫々に適用され得る。
図16は、アクティブ型の液晶表示装置や有機EL表示装置(以下、アクティブ型の平面表示装置)に適用される信号線駆動回路部33の一部を拡大して示した回路図である。信号線駆動回路部33は、図15に例示されたアクティブ型の平面表示装置(パネル30)のx軸方向に延在する一辺沿いに複数の信号線DLの各々に対応したシフトレジスタ回路SRとバッファ回路BFとを順次並設して構成される。この一辺には位相の異なるクロック信号を伝送する3種類のクロック信号線CLK1〜3、ハイレベルの電圧を供給する電源線Vdd、ロウレベルの電圧を供給する電源線Vss、イネーブル信号(Enable Signal)を伝送するイネーブル信号線OEが夫々x方向に延在して形成される。図16に示される信号線駆動回路部33は、特開2006−058770号及びその対応米国特許出願公開No.2006/0038766A1に記載される表示装置用駆動回路を、これを構成するトランジスタが本発明による製造方法及び製造装置で形成され易くなるように改善したものである。図16において、シフトレジスタ回路SRの各々は破線の枠で囲まれた領域として示され、その縦続接続(Cascade Arrangement)がx方向に形成される。図16において、バッファ回路BFの各々は点線の枠で囲まれた領域として示される。複数の信号線の一つDL(n)に対応するシフトレジスタ回路SR(n)とバッファ回路BF(n)とを例にあげて、夫々の構成を以下に説明する。
シフトレジスタ回路SR(n)は、上記クロック信号線CLK1〜3で伝送される互いに位相の異なる複数のクロック信号の2つを端子Cin(1),Cin(2)で受け、その入力端(Input Port)IN(n)に入力された信号の位相を当該2つのクロック信号に夫々同期するようにシフトさせ、これを出力信号としてその出力端(Output Port)OUT(n)から出力する。シフトレジスタ回路の初段(First Stage)SR(1)の入力端IN(1)にはスタートパルスが、初段以外の各々SR(n)の入力端IN(n)…ここでの“n”は2〜N(信号線DLの総数)…にはその前段のシフトレジスタ回路SR(n−1)からの出力信号が夫々入力される。シフトレジスタ回路(その初段も含む)の各々は、6個のトランジスタ(P型チャネルを有するMOS)T1〜T6を有する。
図16に示されるシフトレジスタ回路SR(n)において、トランジスタT1,T2は出力回路を成し、端子Cin(1)からトランジスタT1の一端に入力される上記クロック信号の一つのロウレベル電圧を上記出力信号として、その出力端OUT(n)に出力する。トランジスタT3,T4は入力回路を、トランジスタT5,T6はリセット回路を夫々成す。これらの入力回路及びリセット回路は、上記入力端IN(n)に入力される信号(シフトレジスタ回路SR(n−1)からの出力信号)を受けて当該出力回路のトランジスタT1,T2の各々の制御電極に所定の電圧を印加して、上記端子Cin(1)に入力される上記クロック信号がハイレベル電圧からロウレベル電圧に変化したとき、当該ロウレベル電圧を上記出力端OUT(n)に出力させる。換言すれば、入力端IN(n)に上記信号が入力されないと、入力回路及びリセット回路はトランジスタT1,T2の制御電極に上記所定電圧を印加しないため、Cin(1)に入力されるクロック信号がロウレベル電圧に変化しても、出力回路は当該ロウレベル電圧を出力端OUT(n)に出力させない。
一方、バッファ回路BF(n)はインバータを構成するトランジスタT7,T8、出力回路を構成するトランジスタT9,T10、及び当該バッファ回路BF(n)に対応する上記シフトレジスタ回路SR(n)の上記出力端OUT(n)と当該トランジスタT9の制御電極との間に設けられるトランジスタT11を有する。この出力回路は、上記イネーブル信号線OEからトランジスタT9の一端に入力されるイネーブル信号のロウレベル電圧をバッファ回路BF(n)に対応する信号線DL(n)に出力する。イネーブル信号の電圧は上記複数のクロック信号よりも短い周期で変化するが、そのロウレベル電圧の出力回路から信号線DL(n)への出力は、上記インバータ及びトランジスタT9によるトランジスタT9,T10の制御電極への電圧印加により制御される。即ち、シフトレジスタ回路SR(n)の出力端OUT(n)からの出力電圧(上記クロック信号のロウレベル電圧)が、インバータのトランジスタT7の制御電極及びトランジスタT11の一端に入力されたときに限り、バッファ回路BF(n)の出力回路からイネーブル信号のロウレベル電圧が信号線DL(n)に出力される。図16には、信号線駆動回路部33の等価回路が描かれるが、走査線駆動回路部32の等価回路も信号線DL(n)を走査線SL(n)に置き換えることで、同様に描かれる。また、信号線駆動回路部33の等価回路には、シフトレジスタ回路SR(n)及びバッファ回路BF(n)の他に、これらに対応した信号線DL(n)に出力される上記画像信号を取り込み又は保持する記憶素子(記憶回路)が含まれるが、説明の簡素化のため図示されていない。なお、バッファ回路BF(n−1)に設けられた入力端IN(n−1)には、これに対応するシフトレジスタ回路(図示されず)の出力信号が入力される。
図16に示されるように、アクティブ型の平面表示装置に不可欠なシフトレジスタ回路SR及びバッファ回路BFの各々には複数のトランジスタが形成され、その数対では、2つのトランジスタが各々のソース領域(又はドレイン領域)で電気的に接続される。一方、平面表示装置の精細度の向上に伴い、平面表示装置のパネル30の周縁におけるシフトレジスタ回路SR及びバッファ回路BFの各々に利用できる面積は狭くなる。さらに、シフトレジスタ回路SR及びバッファ回路BFを成すトランジスタのチャネルとしてレーザ光の走査により帯状に成長させた擬似単結晶(Pseudo-Single Crystal)を用いるとき、当該レーザ光で照射される基板主面に形成された配線パターンも加熱されるため、その断線や変形も懸念される。
実施例1では、図2を参照して、基板主面を5行6列の領域に分け、この領域毎にレーザ光の走査方向を任意に設定する例を説明した。本実施例では、図16に示されるように、トランジスタT1〜T6のチャネルを全てy方向に延在させることにより最適に構成されるシフトレジスタ回路SRと、トランジスタT7〜T10のチャネルをx方向に且つトランジスタT11のチャネルをy方向に夫々延在させて最適に構成されるバッファ回路BFとを基板上に形成するに好適なプロセスが説明される。
以下に述べるトランジスタT1〜T11のいずれも、基板主面に形成された半導体の擬似単結晶(例えば、特許文献1:特開2003−124136号公報参照)からなるチャネルと、当該チャネル上に絶縁膜を介して配置される制御電極とを有する所謂トップゲート構造を呈し、当該擬似単結晶の制御電極の両側から突き出る各々の領域は不純物のドープによりソース領域又はドレイン領域となる。
図17は、図16に例示されたシフトレジスタ回路SRとバッファ回路BFとを備えた駆動回路の形成に好適な基板主面に対するレーザ光の走査方向を説明する平面図である。図17に示すアクティブ型の平面表示装置のパネル30には、図15に示された表示回路が形成され、そのA辺には走査線駆動回路部32が、B辺には信号線駆動回路部33が夫々配置される。走査線SLの延在方向に並ぶ画素は3つ毎に一つの画素単位をなし、当該画素単位に属する画素PXの各々は三原色(RGB)の一つを表示する。XGAクラスの平面表示装置では、一点鎖線で囲まれた表示領域31内に、3072個の画素PXがx方向に並び、768個の画素PXがy方向に並ぶ。従って、走査線駆動回路部32からは768本の走査線SL(1)〜SL(768)が、信号線駆動回路部33からは3072本の走査線DL(1)〜DL(3072)が、表示領域31内へ延在する。
図17に示されるパネル30の主面において、図16に示す信号線駆動回路部33のシフトレジスタ回路SRは、レーザ光がy方向沿いにB辺からD辺に向けて走査される領域360SRに形成される。信号線駆動回路部33のバッファ回路BFのx方向に隣接する一対(例えば、BF(n−1),BF(n))の各々のトランジスタT7〜T10は、レーザ光がx方向沿いにD辺からA辺に向けて走査される領域350BFに形成され、当該一対のバッファ回路BFの一方(例えば、BF(n))とこれに隣接する別のバッファ回路BF(BF(n+1))の各々のトランジスタT11は、レーザ光がy方向沿いにB辺からC辺に向けて走査される領域360BFに形成される。レーザ光照射領域360SRとレーザ光照射領域350BF並びに360BFとの間にはレーザ光で照射されない領域が存在し、上記電源線Vdd,Vssはこの領域をx方向に(B辺沿いに)延在して、レーザ光照射に因る変形や断線を免れる。
図17に示されるパネル30の主面において、走査線駆動回路部32のシフトレジスタ回路SR及びバッファ回路BFの形成領域も、これらにおけるレーザ光の照射方向が90度回転される以外、上述した信号線駆動回路部33と同様に説明される。即ち、走査線駆動回路部32のシフトレジスタ回路SRはレーザ光がx方向沿いにD辺からA辺に向けて走査される領域350SRに形成される。また、走査線駆動回路部32のバッファ回路BFは、その夫々に対応する走査線SLの1本おきに、レーザ光がy方向沿いにB辺からD辺に向けて走査される領域360BFに各々のトランジスタT7〜T10が形成される一対(第1の対)と、レーザ光がx方向沿いにD辺からA辺に向けて走査される領域350BFに各々のトランジスタT11が形成される別の一対(第2の対)とが交互に配置される。第1の対のバッファ回路BFの一方は、これに隣接する第2の対のバッファ回路BFの一方となり、第2の対のバッファ回路BFの一方は、これに隣接する第1の対のバッファ回路BFの一方となる。走査線駆動回路部32でも、レーザ光照射領域350SRとレーザ光照射領域350BF並びに360BFとを隔てるレーザ光で照射されない領域で、電源線Vdd,Vssがy方向に(A辺沿いに)延在する。
信号線駆動回路部33や走査線駆動回路部32のトランジスタを上述の如き基板(パネル30)主面へのレーザ光照射で形成することで、夫々のシフトレジスタ回路SR及びバッファ回路BFは下記の如く構成される。パネル30の一辺(信号線駆動回路部33ではB辺)沿いに並設される複数のシフトレジスタ回路SRの各々において、トランジスタT1〜T6の各々のチャネルは、当該一辺に交差する方向(信号線駆動回路部33ではy方向)に延在する複数の帯状単結晶粒から成る擬似単結晶構造を呈し、この延在方向(信号線駆動回路部33ではy方向)沿いに制御電極の両側から延在する擬似単結晶構造の各々の部分にはソース領域又はドレイン領域が形成される。この延在方向に並ぶトランジスタの第1対T1,T2、第2対T3,T6、及び第3対T5,T4には、夫々の対をなすトランジスタの一方(例えば、T1)のチャネルから他方(例えば、T2)のチャネルへ延在する一つの擬似単結晶構造が形成され、この擬似単結晶構造の当該チャネルに挟まれた部分には当該一対のトランジスタのソース領域又はドレイン領域が形成される。このように一つの擬似単結晶構造を一対のトランジスタで共有し得る長さに成長させる過程で帯状単結晶粒の成長が促進され、パネル30の周縁の限られた領域(その一辺と表示部31とで制限される)においてもキャリアの通過を妨げる粒界の少ないチャネルが実現される。また、上記パネル30の一辺(信号線駆動回路部33ではx方向)沿いに細長く延びるレーザ光のスポットでパネル30(基板)の主面を当該一辺に交差する方向に走査して、上記トランジスタの第1対T1,T2、第2対T3,T6、及び第3対T5,T4のチャネルの擬似単結晶構造を形成することにより、シフトレジスタ回路SRを構成するトランジスタT1〜T6の各々に一様な特性を高い再現性で与えられる。
上記パネル30の一辺(信号線駆動回路部33ではB辺)沿いに並設される複数のバッファ回路BFは、当該一辺の延在方向(信号線駆動回路部33ではx方向)に並ぶ一対におけるトランジスタT7〜T11の配置が当該一辺に交差する仮想的な線(信号線駆動回路部33では信号線DLのy方向に沿う延伸)を軸として互いに線対称となる。例えば、バッファ回路BF(n)にてA辺側に位置するトランジスタT7〜T10はこれに隣接するバッファ回路BF(n+1)にてC辺側に位置し、バッファ回路BF(n)にてC辺側に位置するトランジスタT11はこれに隣接するバッファ回路BF(n+1)にてA辺側に位置する。バッファ回路BFの各々において、トランジスタT7〜T10の各々のチャネルは、当該一辺の延在方向(信号線駆動回路部33ではx方向)に延在する複数の帯状単結晶粒から成る擬似単結晶構造を呈し、この延在方向(信号線駆動回路部33ではx方向)沿いに制御電極の両側から延在する擬似単結晶構造の各々の部分にはソース領域又はドレイン領域が形成される。また、この延在方向に並ぶトランジスタの第1対T7,T8及び第2対T9,T10には、夫々の対をなすトランジスタの一方(例えば、T7)のチャネルから他方(例えば、T8)のチャネルへ延在する一つの擬似単結晶構造が形成され、この擬似単結晶構造の当該チャネルに挟まれた部分には当該一対のトランジスタのソース領域又はドレイン領域が形成される。一方、トランジスタT11は、上述したシフトレジスタ回路SRのトランジスタT1〜T6と同様に構成される。
バッファ回路BFの各々には、その並設方向に沿って、当該並設方向に延在するチャネルを有するトランジスタT7〜T10が配置される第1領域と、当該並設方向に交差する方向に延在するチャネルを有するトランジスタT11が配置される第2領域とが並ぶ。例えば、バッファ回路BF(n)における第1領域と第2領域との配置に対し、これに隣接するバッファ回路BF(n−1),BF(n+1)の夫々における当該配置は並設方向に反転される。このような配置で、バッファ回路BF(n−1)及びバッファ回路BF(n)の第1領域を互いに近づけ、バッファ回路BF(n)及びバッファ回路BF(n+1)の第2領域を互いに近づけると、前者を形成するための領域350BF及び後者を形成するための領域360BFの面積が小さくなる。従って、これらの領域350BF,360BFに照射されるレーザ光の当該領域周辺に形成された配線パターンへの影響が殆んど無視できる。
図18は、図17に示した基板(パネル30)主面へのレーザ光照射を行う工程を模式的に示す図である。上述したパネル30はマザーガラス300の表面上に9個形成され、以下に説明するレーザアニール工程の後、マザーガラス300から切り出される。
投影光学系80は、マザーガラス300が搭載されたステージ21(図示せず)に対して並設された製造装置(図1他参照)の複数基の投影光学系(結像レンズ19等)からなり、これによりマザーガラス300の表面(主面)に投影されるレーザ光のビームスポット81とともに模式的に示される。ビームスポット81は、実施例1及び実施例2で記したビーム整形器11,111により、複数基の製造装置の各々で細長く整形されたレーザ光3を、その長手方向に並べて形成される。ビームロテータを用いる特許文献4に記載の技術に比べて、本発明による製造装置では、これを構成するビーム整形器11,111や光スイッチ14,114等の配置が制約されないため、複数基の製造装置の並設によりビームスポット81を長手方向に延ばせる。ビームスポット81の強度(振幅)分布82a、82bは、その短手方向(長手方向に交差する方向)に沿う横軸に対して、縦軸に沿って変化する強度として示される。ビームスポット81の強度分布82a、82bは、ビームスポット81の短手方向に、ビームスポット81とマザーガラス300(基板20)との相対的な位置を走査する方向に応じて反転される。
本発明による製造方法及び製造装置では、光スイッチ14,114により細長く形成されたレーザ光3の断面に、その長手方向に沿う一次元的な強度分布(オン/オフのパターン)を形成する。しかし、これに用いられる液晶セルやデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMDTM)として知られる可動微小ミラー・アレイは、当該レーザ光3の断面に、その短手方向に沿う強度分布(濃淡のパターン)を形成することもできる。可動微小ミラー・アレイは、これに入射するレーザ光の細長い断面において、その長手方向に一次元的に並ぶ複数のミラー(反射体)を備え、当該レーザ光(入射光)の光軸に対するミラーの表面の角度を変えて、当該レーザ光の断面に上述した一次元的な強度分布を形成する。本明細書において、このレーザ光の光軸に対するミラーの表面の角度は、当該ミラーで反射されたレーザ光が可動微小ミラー・アレイの後段の光学系を通してマザーガラス300(基板20)の主面に投影されるときにON角と記され、当該反射されたレーザ光がマザーガラス300(基板20)の主面に投影されないときにOFF角と記される。本実施例に推奨される可動微小ミラー・アレイでは、上記一次元的なミラー配列(One-dimensional Arrangement of the Mirrors)の複数本が、これに入射する上記レーザ光の細長い断面の前記長手方向に交差する方向(短手方向)に並べられる。ここで、レーザ光(入射光)の細長い断面の短手方向に第1ミラー、第2ミラー、及び第3ミラーが順次並設され、この3枚のミラーで当該レーザ光3の断面の長手方向に並ぶ「要素」の一つをその後段の光学素子(例えば、図1のチューブレンズ15)に入射させる可動微小ミラー・アレイ(光スイッチ14)を想定する。この可動微小ミラー・アレイの第1ミラー(上記短手方向の一端に位置する)がON角で傾斜される期間において、その他のミラーはON角の傾斜とOFF角の傾斜とを繰り返す。当該期間においてON角に傾斜される時間の比率は第2ミラー(上記第1ミラーに隣接する)、第3ミラー(上記短手方向の他端に位置する)の順に小さくなる。従って、当該3枚のミラーで反射されてマザーガラス300(基板20)の主面に投影される当該レーザ光3の上記「要素」の強度は、第1ミラーに対応する一端から第3ミラーに対応する他端に向けて減少する。このようにして、レーザ光3の断面の長手方向に形成された照射パターン(複数の要素の各々)には、その短手方向に沿う強度のグラデーション(Gradation)が与えられる。
図18の工程(a)では、図17に示した領域360SR,360BFが選択的にレーザ光で照射される。ビームスポット81は、マザーガラス300の主面に形成されるパネル30のB辺からD辺に向けて走査される。マザーガラス300は、投影光学系80の長手方向に交差する方向(図18の横方向)沿いにその右側から左側に移動する。ビームスポット81の長手方向の強度分布は実施例1にて説明した如く生成されるが、その短手方向の強度分布は領域360SR,360BFの特定の位置を照射するレーザ光の強度が照射開始後の一定期間で一定に、その後、減少するように調整される。また、当該位置におけるレーザ光の照射強度は、その開始から終了に掛けて徐々に減少させてもよい。この工程では、ビームスポット81の短手方向の強度分布82aが、右側から左側に向けて減少するように設定されている。
図18の工程(b)では、投影光学系80の左側に移動したマザーガラス300を時計回りに90度回転させた後、図17に示した領域350SR,350BFを選択的にレーザ光で照射する。ビームスポット81は、マザーガラス300の主面に形成されるパネル30のC辺からA辺に向けて走査される。マザーガラス300は、投影光学系80の長手方向に交差する方向沿いに、上記工程(a)とは反対の方向、即ち投影光学系80の左側から右側に移動する。このため、ビームスポット81の短手方向の強度分布82bも、左側から右側に向けて減少するように設定されている。
なお、本実施例では、シフトレジスタ回路SR及びバッファ回路BFに含まれるトランジスタ(アクティブ素子)T1〜T11の全てのチャネルを、帯状の単結晶領域を含む半導体膜に改質したが、その演算機能上、高速性を求められないもののチャネルは、実施例1や実施例2に倣い、斯様な改質を施さなくともよい。また、信号線駆動回路部33に設けられる記憶素子としてのトランジスタ(図示せず)、及び表示部31(画素PX)に設けられるトランジスタTFT1,TFT2も、そのチャネルと成る半導体膜に帯状の単結晶領域を形成するように改質しなくてもよい。これらの改質されない半導体膜(チャネル)は、非晶質構造(Amorphous Structure)又は上述した帯状の単結晶領域より小さい結晶粒からなる粒状多結晶構造(Granular Polycrystalline Structure)を呈する。
以上に記したように、マザーガラス300(基板20)が搭載されるステージ21に対して図1や図11に示すレーザ発振器4から結像レンズ19に到る光学系を複数基並設することで、平面表示装置のパネル30の生産スループットは飛躍的に向上する。また、光スイッチ14,114に入射光の二次元的な強度分布を生成させる機能を加えることで、投影光学系80とマザーガラス300(基板20)との相対的な位置の走査方向に応じて、マザーガラス300(基板20)に照射されるビームスポット81の強度分布を最適化できる。
本発明の平面表示装置の製造方法は、液晶表示装置あるいは有機EL表示装置などの平面表示装置の製造に適用することができる。
本発明を実施するに好適な平面表示装置の製造装置の構成を示す図である。 本発明の一実施例(実施例1)である平面表示装置の製造方法で製造する平面表示装置基板を説明する図である。 本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で製造する平面表示装置基板のレーザ照射前の状態を示す図である。 本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で使用する光スイッチの状態を示す図である。 本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で製造する平面表示装置基板の一回目のレーザ照射後の状態を示す図である。 図5で示した平面表示装置基板を90度回転した状態を示す図である。 本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で使用する光スイッチの状態を示す図である。 本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で製造する平面表示装置基板の二回目のレーザ照射後の状態を示す図である。 図8で示した平面表示装置基板を−90度回転した状態を示す図である。 本発明の一実施例である平面表示装置の製造方法で使用する光学系の主要部とレーザのエネルギプロファイルを示す図である。 本発明を実施するに好適な平面表示装置の製造装置の構成を示す図である。 本発明の別な実施例(実施例2)である平面表示装置の製造方法で使用する光学系の主要部とレーザのエネルギプロファイルを示す図である。 グレーティング光バルブ(GLVTM)として知られる回折光バルブの機能を説明する図である。 回折光バルブの機能を説明する図である。 本発明の別な実施例(実施例3)である平面表示装置の基板主面(パネル)における表示回路を概略的に示す図である。 図15に示した表示回路の信号線駆動回路部におけるトランジスタの配置を示す図である。 図15に示した表示回路(特に、駆動回路)の形成に好適な基板主面(パネル)のレーザアニールのパターンを示す図である。 図17に示したパターンを有する複数のパネルが主面に形成されるマザーガラスのレーザアニール工程を説明する図である。
符号の説明
1…レーザダイオード、2…光ファイバ、3…レーザ光、4…レーザ発振器、6…透過率連続可変フィルタ、7…変調器、9…ビーム径調整器、11…ビーム整形器、14…光スイッチ、15…チューブレンズ、19…投影レンズ、20…基板、21…ステージ、35…X方向にラテラル成長した領域、36…Y方向にラテラル成長した領域、61、71…入力ビームのプロファイル、63、73…光スイッチで形成されたビームのプロファイル、64、74…基板上に投影されたビームのプロファイル、114…光スイッチ(回折ライトバルブ)。

Claims (5)

  1. 非晶質状態又は多結晶状態にある半導体膜が形成された基板の主面において細長い断面を有するレーザ光が投影される位置を該レーザ光の断面の長手方向に交差する方向に走査しながら該半導体膜を該レーザ光の照射によりアニールして、該半導体膜に該走査の方向に帯状に延びる単結晶領域を成長させて能動素子を形成する平面表示装置の製造方法であって、
    前記基板主面を該主面内の第1方向に前記レーザ光の投影位置で走査しながら該レーザ光の前記断面における強度を該断面の前記長手方向に並ぶ複数の要素毎に変調して、前記半導体膜の少なくとも一つの部分に前記帯状の単結晶領域を該第1方向に成長させる第1工程と、
    前記第1工程後に、前記基板をその前記主面に投影される前記レーザ光の光軸を中心に所定角度で回転させる第2工程と、
    前記第2工程後に、前記基板主面を該主面内で前記第1の方向と前記所定角度で交差する第2方向に前記レーザ光の投影位置で走査しながら該レーザ光の前記断面における強度を該断面の前記長手方向に並ぶ複数の要素毎に変調して、前記半導体膜の前記第1工程にて前記帯状の単結晶領域が形成された前記部分以外の少なくとも一つの部分に前記帯状の単結晶領域を該第2方向に成長させる第3工程とを備え、
    前記非晶質状態又は多結晶状態にある半導体膜に、前記帯状単結晶領域が前記第1方向に成長した前記少なくとも一つの部分からなる第1の改質部分と、前記帯状単結晶領域が前記第2方向に成長した前記少なくとも一つの部分からなる第2の改質部分とを夫々配置させることを特徴とする平面表示装置の製造方法。
  2. 前記第1工程及び前記第3工程において、
    回折光学素子により前記レーザ光の断面を前記細長い断面に整形し、
    液晶セルにより前記レーザ光の前記細長い断面をその前記長手方向に並ぶ複数の要素に分割し且つ該要素毎に該レーザ光の強度を変調することを特徴とする請求項1に記載の平面表示装置の製造方法。
  3. 前記第1工程及び前記第3工程において、
    回折光学素子により前記レーザ光の断面を前記細長い断面に整形し、
    前記レーザ光を複数のミラーが該レーザ光の前記細長い断面の前記長手方向に並設された可動微小ミラーに入射させ、且つ該レーザ光の光軸に対する該ミラーの各々の傾斜角度を制御することにより該レーザ光の該細長い断面の強度を前記複数の要素毎に変調することを特徴とする請求項1に記載の平面表示装置の製造方法。
  4. 前記第1工程及び前記第3工程において、
    回折光学素子により前記レーザ光の断面を前記細長い断面に整形し、
    前記レーザ光を複数の細長い反射体が前記細長い断面の前記長手方向に並設されて成る回折光バルブに入射させ、且つ該レーザ光の該細長い断面に前記長手方向に並ぶ前記複数の要素の各々を前記複数の反射体からなる平面で反射させ又は該平面に対する該反射体の少なくとも一つの変位により回折させることにより、該要素毎の強度を変調することを特徴とする請求項1に記載の平面表示装置の製造方法。
  5. 第1方向及び該第1方向に交差する第2方向に広がる主面を有する基板、
    前記主面上に前記第1方向及び前記第2方向に沿い二次元的に配置されて表示部を成し且つその各々には画像信号を取り込む画素回路が設けられた複数の画素、
    前記表示部にて前記第1方向に延在し且つ前記第2方向に並設されて前記画素回路に前記画像信号を供給する複数の信号線、
    前記表示部にて前記第2方向に延在し且つ前記第1方向に並設されて前記画素回路による前記画像信号の取り込みを制御する走査信号を伝送する複数の走査線、及び
    前記主面上の前記表示部の外側に配置され且つ前記複数の信号線に前記画像信号を、前記複数の走査線に前記走査信号を夫々出力する駆動回路を備え、
    前記駆動回路は前記基板主面に形成された半導体膜をチャネルとする複数のアクティブ素子を有し、
    前記複数のアクティブ素子は、前記第1方向に帯状に成長した単結晶領域を含むチャネルを備えた少なくとも一つの第1アクティブ素子、前記第2方向に帯状に成長した単結晶領域を含むチャネルを備えた少なくとも一つの第2アクティブ素子、及び非晶質構造又は該単結晶領域のいずれよりも小さい結晶粒からなる粒状多結晶構造のチャネルを備えた第3アクティブ素子を含むことを特徴とする平面表示装置。
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