JP2008262994A - 結晶化方法および結晶化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー照射の位置ずれを最小に抑えることができる結晶化方法および結晶化装置を提供する。
【解決手段】結晶化方法は、装置パラメータおよびステップ移動量補正テーブルを読み出し可能に保存しておき、XYステージ機構の上に基板を載置し、撮像手段により基板上のマークを検出し、マークの検出位置に基づいてレーザー光学系1-7と基板50とを相対的に位置合せし、入力されたレシピに応じて装置パラメータを読み出し、読み出した装置パラメータに従ってレーザー光学系から所定のレーザー光を半導体膜に照射し、ステップ移動量補正テーブル46,47を読み出し、読み出したステップ移動量補正テーブルを用いてXYステージ機構10の動作を制御し、基板のステップ移動量を補正し、補正されたステップ移動量だけ基板を移動させたところで、装置パラメータに従ってレーザー光学系から所定のレーザー光を半導体膜に照射し、前記ステップ移動量補正とレーザー照射とを繰り返し実行する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、低温ポリシリコン用アモルファスシリコンのような非単結晶半導体膜にレーザ光を照射して結晶化させる結晶化方法および結晶化装置に関する。
液晶表示装置(Liquid-Crystal-Display:LCD)の表示画素を選択するスイッチング素子などに用いられる薄膜トランジスタ(Thin-Film-Transistor:TFT)は、非晶質シリコン(amorphous-Silicon)や多結晶シリコン(poly-Silicon)を用いて形成されている。
多結晶シリコンは、結晶粒の集合からなるため、例えばTFTトランジスタをこの多結晶シリコンに形成した場合、チャネル領域内に結晶粒界が形成され、この結晶粒界が障壁となり単結晶シリコンに比べると電子または正孔の移動度が低くなる。また、多結晶シリコンを用いて形成された多数の薄膜トランジスタは、チャネル領域に形成される結晶粒界数が各薄膜トランジスタ間で異なり、これがバラツキとなって液晶表示装置であれば表示ムラの問題となる。そこで、電子または正孔の移動度を向上させ且つチャネル部における結晶粒界数のバラツキを少なくするために、少なくとも1個のチャネル領域を形成できる大きさの大粒径結晶粒の結晶化シリコンを生成する結晶化方法として位相制御ELA(Excimer Laser Annealing)法が非特許文献1および特許文献1において提案されている。
表面科学Vol.21,No.5,pp278−287,2000 特開2005−317938号公報
位相制御ELA法を用いてLCD駆動回路のTFTを製造する場合は、レーザー光の照射と被処理基板のステップ移動とを繰り返してシリコン膜を次々に結晶化させるために、光学系と被処理基板との位置決め精度が非常に重要になる。光学系と被処理基板との位置決め精度が低いと、レーザー照射領域の一部が隣りのレーザー照射領域と重なる重ね打ち(オーバーラップショット)を生じやすくなり、不合格品が増加して製造歩留まりが低下する。このオーバーラップショットの発生を防ぐために、図10に示すように縦横隣り合うレーザー照射領域44の相互間にマージンc1,c2をそれぞれ設けている。回路密度を高めるため、あるいは製造歩留まりを向上させるためには、これらのマージンc1,c2を必要最小限度まで狭くする必要がある。
しかし、従来装置のXYステージ機構は、使用中において種々の機械的な不具合や劣化を生じるため、マージンc1,c2を小さくすることには限界がある。すなわち、時間の経過とともに、ステージおよび載置台の歪みや反り、ボールネジ機構およびリニアスライダの磨耗劣化、モータの劣化などを生じるため、被処理基板と光学系との位置決め精度が大きく低下する。材料や製造方法を鋭意改善しているにもかかわらず、現状では初期の位置決め精度を最小±1μm程度まで追い込むのが限界である。
また、XYステージ機構では、ステージを片持ち支持しているので、これをステップ移動させるとステージがゆらゆら揺れ動く所謂コギングを生じる。このコギングが生じると、被処理基板と光学系との位置合せ精度がさらに低下する。そこで、ステージを支持案内するガイドを設けてコギングを抑制するなどの対策をとってはいるが、現状では位置決め精度は最小±1μm程度までが限界である。
さらに、計測系に起因する位置決め精度の低下もある。すなわち、位置検出用の距離センサ(レーザ干渉計)が劣化すると、被処理基板と光学系との位置決め精度が低下する。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ステップ移動する被処理基板と光学系との位置合せ精度を向上させることができる結晶化方法および結晶化装置を提供することを目的とする。
本発明に係る結晶化方法は、ステップ移動する被処理基板に設けられた非単結晶半導体膜へレーザー光を照射して前記非単結晶半導体膜のレーザ光照射領域を順次結晶化させる結晶化装置による結晶化方法において、
(a)前記結晶化のための条件として前記結晶化装置が固有に有する各種の装置パラメータおよびステップ移動量補正テーブルをそれぞれ作成し、これらの装置パラメータおよびステップ移動量補正テーブルを読み出し可能に記憶部に保存しておき、
(b)前記結晶化装置のXYステージ機構の上に被処理基板を載置し、撮像手段により前記被処理基板上のアライメントマークを検出し、該アライメントマークの検出位置に基づいて前記結晶化装置のレーザー光学系と被処理基板とを相対的に位置合せし、
(c)結晶化のためのプロセスレシピを入力し、入力されたプロセスレシピに応じて前記記憶部から前記装置パラメータを読み出し、読み出した前記装置パラメータに従って前記レーザー光学系から所定のレーザー光を前記非単結晶半導体膜に照射し、
(d)前記記憶部から前記ステップ移動量補正テーブルを読み出し、読み出した前記ステップ移動量補正テーブルを用いて前記XYステージ機構の動作を制御して、被処理基板のステップ移動量を補正し、
(e)前記補正されたステップ移動量だけ被処理基板を移動させたところで、前記装置パラメータに従って前記レーザー光学系から所定のレーザー光を前記非単結晶半導体膜に照射し、
(f)前記工程(d)と(e)を繰り返し実行する、ことを特徴とする。
本発明に係る結晶化装置は、ステップ移動する被処理基板に設けられた非単結晶半導体膜へレーザー光を照射して前記非単結晶半導体膜のレーザ光照射領域を順次結晶化させる結晶化装置であって、レーザー光源を有する照明光学系と、被処理基板をX方向およびY方向に移動可能に支持するXYステージ機構と、前記照明光学系から前記XYステージ機構までの光路に設けられ、レーザー光の位相を変調する位相シフタと、前記照明光学系を通過したレーザー光を前記XYステージ機構上の被処理基板の非単結晶半導体層に結像させる結像光学系と、前記XYステージ機構の上に載置された予め定められた基準マークを撮像する撮像手段と、複数の前記基準マークが付された基準基板を前記XYステージ機構の上に載置し、この基準基板と前記照明光学系とを相対的に位置合せし、前記撮像手段により前記基準マークを順次撮像し、これらの撮像データからX方向のずれ量ΔxおよびY方向のずれ量Δyをそれぞれ求め、求めたずれ量Δx,Δyを記録・保存することにより作成されたステップ移動量補正テーブルと、前記ステップ移動量補正テーブルから該当する番地のずれ量Δx,Δyを読み出し、読み出したずれ量Δx,Δyに基づいて前記XYステージ機構に制御信号を送り、前記XYステージ機構の動作を制御し、被処理基板のステップ移動量を番地ごとに修正する制御手段と、を具備することを特徴とする。
本明細書中の用語を次のように定義する。
「結晶化」とは、結晶化対象膜が溶融し、この融液が凝固する過程において結晶核を起点として結晶成長することをいう。
「ラテラル成長」とは、結晶化対象膜が溶融し、その融液が凝固する過程において、結晶粒の成長が膜面に沿って横方向に進行することをいう。
「プロセスレシピ」とは、製造しようとする製品の仕様(設計)に基づいて製品ごとに設定される種々の処理条件のことをいう。
「装置パラメータ」とは、結晶化のためのレシピに応じて結晶化装置が固有に有する結晶化のための最適条件のことをいう。
「光強度分布(ビームプロファイル)」とは、結晶化するために非単結晶半導体膜に入射される光の二次元の強度分布のことをいう。換言すれば、照射光(照明光)の検出面における光の強度(明るさ)分布のことをいう。
「レーザフルエンス」とは、ある位置でのレーザー光のエネルギ密度を表わす尺度であり、単位面積当たりのエネルギ量を時間積分したものをいい、具体的には光源または照射領域において計測されるレーザー光の平均強度のことをいう。「平均レーザフルエンス」とは、ある処理面積内で均一化したレーザフルエンスを指す。
「アッテネータ」とは、レーザー光の強度を減衰させる光学素子をいう。アッテネータは、被処理基板が焼き付きを生じないようにレーザー光の光強度レベルを調整する機能を有するものである。
「位相シフタ」とは、光の位相を変調するための空間強度変調光学素子のことをいい、フォトリソグラフィプロセスの露光工程で使用される位相シフトマスクとは区別されるものである。位相シフタは、入射レーザ光を逆ピークパターン状の光強度分布に変調する手段であり、例えば石英基材にエッチングにより段差が形成されたものである。
「ホモジナイザ」とは、入射光を複数に分割し、これらの分割光を収束させて、特定の面で光強度を均一化する光学素子のことをいう。
本発明によれば、結晶化装置が固有に有する位置ずれ量、とくにXYテーブル機構が固有に有する位置ずれ量を予め測定し、それらの測定結果を用いてステップ移動量補正テーブルを作成し、このステップ移動量補正テーブルを用いることにより、被処理基板と光学系とを位置ずれ量±0.5μm以内の高精度に位置決めすることができる。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための種々の実施の形態について説明する。次に、本発明の実施の形態の概要を説明する。
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について説明する。図において同一部分には同一符号を付与し、その詳細な説明は、重複する場合省略する。図1に示すように、結晶化装置1は、プロジェクション型エキシマレーザ結晶化装置(PJELA装置)であり、光源2、アッテネータ3、ホモジナイザを含む照明光学系4、位相シフタ5(又は6)、結像光学系7、XYステージ機構10、電源ユニット19、CCDカメラ20、位相シフタ交換機構27及び制御器30などを備えている。
XYステージ機構10のXYステージ上の予め定められた位置には、被処理基板50が位置合せして載置されるようになっている。被処理基板50の構成は、例えば図17(a)に示すもので、図1にはガラス基板51と結晶化対象膜53が示されている。
本実施形態の装置では光源2としてXeCl等のUV領域のエキシマレーザ発振器を用いる。光源2から発振されたレーザ光60は、光源2の光軸に沿ってアッテネータ3、照明光学系4、位相シフタ5(又は6)、結像光学系7を順次通過してXYステージ機構10上の被処理基板50を照射し、結晶化対象膜53の照射された領域を結晶化する。結晶化対象膜53は、非単結晶半導体膜、例えば非晶質シリコン膜である。光源2の電源回路は信号ラインL2により制御器30の出力側に接続されている。制御器30は、光源2から出射されるレーザ光60の発振タイミング、パルス幅、パルス間隔、出力の大きさなどを制御する。
本装置の照明光学系4は、例えば凹レンズ、凸レンズ、開口マスク、ホモジナイザ、位相シフタ5(又は6)などの光学部材を同一光軸上に配置することにより構築される。ホモジナイザ(図示せず)は、レーザ光60を入射角度と光強度とに関してホモジナイズ(均一化)するための光学部材であり、照射領域におけるレーザ光60を平準化する機能を備えている。すなわち、ホモジナイザを通過したレーザ光60は入射角度と光強度がホモジナイズ(均一化)される。さらに、ホモジナイズされたレーザ光60は、位相シフタ6により位相変調される。制御器30は、アッテネータ3、位相シフタ交換機構27、XYステージ機構10をそれぞれ制御する。
位相制御ELA法において、一般にキャップ膜54の膜厚は30nm以上500nm以下の範囲で良好な蓄熱作用を発揮する。特にプロジェクション方式の結晶化方法では、キャップ膜54として、光吸収性を持たせたSiO膜とSiO2膜の2層構造のものと、SiO膜のみの単層構造のものとを用いることができる。SiO2膜は、非晶質シリコン膜とSiO膜との間に設けられる膜である。光吸収特性を持たせたSiO膜のキャップ膜は、大粒径の結晶化領域を可能にする。
キャップ膜54の膜厚は80nm以上400nm以下の範囲とすることが好ましい。キャップ膜厚が80nm未満になると、蓄熱効果が低下するからである。一方、キャップ膜厚が400nmを超えると、レーザ光の減衰が過大になり、所望のエネルギレベルのレーザ光が結晶化対象膜53に到達し難くなるからである。
次に、図2〜図4を参照してXYステージ機構の概要を説明する。
XYステージ機構10は、図2に示すように、被処理基板50が載置される載置台11と、載置台11を支持するXステージ12aと、Xステージ12aを支持するYステージ12bと、Xリニアガイド12cと、Yステージ12bを支持するベース14bと、Yリニアガイド14cと、X駆動モータ13と、Y駆動モータ15と、複数のストッパ16x,16yとを備えている。載置台11の平面サイズは被処理基板50の平面サイズとほぼ同じである。載置台11の上面中央には図示しない真空ポンプに連通する吸着パッド11aが開口し、被処理基板50を吸着保持するようになっている。吸着パッドにはゴム等の高い可撓性をもつ材料が用いられ、被処理基板50を傷付けないようにしている。
X駆動モータ13の回転軸にはボールナットが取り付けられ、ボールナットはボールスクリュウに螺合し、ボールスクリュウはXステージ12aに回転可能に支持され、さらにXステージ12aはX方向に延び出る複数本のXリニアガイド12cに摺動案内可能に支持されている。同様に、Y駆動モータ15の回転軸にはボールナットが取り付けられ、ボールナットはボールスクリュウに螺合し、ボールスクリュウはYステージ12bに回転可能に支持され、さらにYステージ12bはY方向に延び出る複数本のYリニアガイド14cに摺動案内可能に支持されている。これらの駆動モータ13,15には、回転トルクと回転速度を高精度に制御することができるサーボモータを用いることができる。
また、図3に示すように、XYステージ機構10は、載置台11をZ軸まわりに回転させるθ回転駆動モータ17を載置台11の下方に有している。θ回転駆動モータ17には、回転角を高精度に制御することができるステッピングモータを用いることができる。さらに、XYステージ機構10は、載置台11をZ方向に昇降移動させるZ駆動機構(図示せず)を備えている。Z駆動機構は、図示しないモータ、ボールスクリュウ、ボールナット、リニアガイドを有する。
X駆動、Y駆動、Z駆動、θ回転駆動用の各モータ13,15,17の電源スイッチは、電源ユニット19の給電回路にそれぞれ接続され、さらに電源ユニット19は信号ラインL5によって制御器30の出力側に接続されている。制御器30は、X駆動、Y駆動、Z駆動、θ回転駆動用の各モータ13,15,17をそれぞれ制御する。本実施形態のXYステージ機構10においては、X駆動機構およびY駆動機構の機械的な位置合せ精度を最小±1μmとする。
次に、結晶化装置の光学系を説明する。
レーザー光源2として例えば248nm波長のエキシマレーザー光を出射するKrFエキシマレーザー発振器を用いることができる。なお、レーザー光源2として、XeClエキシマパルスレーザー発振器やYAGレーザー発振器のような他のレーザー発振器を用いることもできる。光源2から出射されたレーザー光60は、ビームエキスパンダを介して拡大された後に、第1のフライアイレンズに入射する。第1のフライアイレンズの後側焦点面には、複数の光源が形成され、これらの複数の光源からの光束は第1のコンデンサ光学系を介して第2のフライアイレンズの入射面を重畳的に照明する。その結果、第2フライアレンズの後側焦点面には、第1フライアイレンズの後側焦点面よりも多くの複数の光源が形成される。第2フライアイレンズの後側焦点面に形成された光源からの光束は、第2のコンデンサ光学系を介して位相シフタ6を重畳的に照明する。
ここで、第1フライアイレンズおよび第1コンデンサ光学系は第1のホモジナイザを構成し、この第1のホモジナイザにより位相シフタ6上での入射角度に関する均一化が図られる。
また、第2フライアイレンズおよび第2コンデンサ光学系は第2のホモジナイザを構成し、この第2のホモジナイザにより位相シフタ6上での面内各位置での光強度(レーザフルエンス)に関する均一化が図られる。このようにして照明光学系4は、実質的に均一な光強度分布を有するレーザ光を位相シフタ6に照射する。
位相シフタ6として、例えば図15の(a)に示すように、平行に並ぶ複数の直線状の段差6cを有するラインアンドスペース型(In-plane-cross-coupled型)を用いることができる。位相シフタ6は、石英などの透明体からなり、段差6aにおいてレーザ光60に位相差を生じさせる。位相シフタ6は、この位相差によりレーザ光60にフレネル回折を生じさせ、レーザ光60を光強度変調する。その結果、位相シフタ6は、図15の(b)に示すように単調増加と単調減少を繰り返すパターン86の光強度分布を形成する。この繰り返しパターン86の光強度分布(ビームプロファイル)は、例えば最小光強度から最大光強度に光強度が連続的に変化する逆ピークパターン状の光強度分布が一つ又は複数例えば1レーザ光の面内で数十個が二次元状に配列された光である。
結像光学系7は、位相シフタ6とXYステージ機構10との間に配置され、位相シフタ6で位相変調されたレーザ光を所望の倍率に縮小するための複数のテレセントリックレンズを備えている。結像光学系7における縮小倍率は、例えば1/10〜1/100の範囲から選択することができる。結像光学系7は、被処理基板50の入射面(キャップ膜54の表面)よりも少し内部に入り込んだところに焦点深度が設定され、結晶化対象膜53に結像するようにされている。
次に、図5を参照して本装置の制御系について説明する。
結晶化装置1は制御手段および記録手段としてプロセスコンピュータからなる制御器30を備えている。制御器30は、入力インターフェース31、システムバス32、CPU33、メモリ(記録装置)34、出力インターフェース35および表示装置を備えている。
入力インターフェース31にはCCDカメラ20、ビームプロファイラ28、および入力装置29が接続され、出力インターフェース35にはレーザー光源2、アッテネータ3、位相シフタの位置合せ機構27、基板ステージの駆動電源ユニット19および表示装置(図示せず)がそれぞれ接続されている。入力インターフェース31および出力インターフェース35は、システムバス32を介してCPU33およびメモリ34にそれぞれ接続されている。
メモリ34は、キイボード等の入力装置29から入力される補正テーブル等を含む装置パラメータを記憶・保持するための記録装置である。CPU33は、入力装置29から入力されるレシピに応じて、またCCDカメラ20およびビームプロファイラ28および入力装置29から直接入力される各検出データに応じてメモリ34から装置パラメータを随時読み出し、演算処理し、所定の指令信号を装置各部に出力インターフェース35を介して送る制御手段である。
表示装置は、制御器30から出力されてくる各種データをLCD画面やCRT画面に表示するものであり、例えば図12に示すように、第1表示部にはテーブル化された装置パラメータが列記して表示され、第2表示部には被処理基板G上のレーザー照射位置座標を示す基板マップ図形が表示されるようになっている。さらに表示装置の画面において、第3表示部には照射レーザー光のビームプロファイル波形(図15の(b)参照)が表示され、第4表示部には位置ずれ量Δx,Δyの各補正テーブル46,47(図14の(a),(b)参照)が表示されるようになっている。なお、表示装置には、レーザー照射装置1に何らかの異常が発生したときに警報を発するアラーム機構を取り付けることが望ましい。アラーム機構は、例えば表示装置の画面に赤ランプを点滅させるようにしてもよいし、スピーカから警報音や音声を発するようにしてもよい。
次に、図6〜図9、および図10〜図14を参照してステップ移動量補正テーブルを作成する方法について詳しく説明する。
先ず図7に示す基準基板SGをXYステージ機構10の載置台11の上に載置する(工程S1)。基準基板SGは、被処理基板50と実質的に同サイズのガラス基板の上にシリコン膜を成膜したものである。基準基板SGのシリコン膜上には多数の基準マーク40が付されている。基準マーク40は、例えば図8に示すような図形(例えば、十字クロスマーク)とすることができる。これらの基準マーク40は、被処理基板50において結晶化されるべき素子形成領域44と1対1に対応する幾何学的位置にそれぞれ配置されている。基準マーク40は、X方向およびY方向にそれぞれ所定の等ピッチ間隔で格子状に配置されている。基準マーク40の相互間隔は、図10に示すように素子形成領域44の幅a(又はb)とマージンc1(又はc2)とを足した和L1(=a+c1)によって与えられる。なお、本実施形態においては、素子形成領域44の幅a(又はb)を2mm(2×103μm)とし、マージンc1(又はc2)を0.5±0.1μmとしている。また、基準基板SGにおいて基準マーク40のX方向の配列数を920個とし、Y方向の配列数を730個としている。ちなみに、被処理基板50のシリコン膜53に変調レーザー光を照射する場合は、1ショットのレーザー照射領域(素子形成領域)44のなかには400(20×20)個の繰り返しパターン86(図15の(b)参照)を含ませることができる。したがって、1枚の被処理基板50(サイズ920mm×730mm)には最大67160000(=400×930×730/(2×2))個までの結晶化シリコン(大サイズ単結晶)を形成することが可能である。
図6の(a)に示すように、CCDカメラ20を用いて載置台11上の基準基板SGの基準マーク40を撮像することと、XYステージ機構10を用いて基準基板SGをステップ移動させることとを繰り返して(ステップ&リピートの実行)、基準基板SG上の番地ごとに位置ずれ量Δx,Δyを次々に測定し、測定した位置ずれ量Δx,Δyをテーブル化する。すなわち、測定開始時には、図13の(a)に示すように、最初の番地(行番号1/列番号1)に位置する基準マーク40の中心点42がカメラ視野21の中心点22と重なるように、XYステージ機構10を用いて基準基板SGを光学系に対して零点補正の位置合せをする(工程S2)。
次に、XYステージ機構10により基準基板SGをX方向に1ステップストローク分だけステップ移動させ、例えば図13の(b)に示す画像を撮像し、その撮像データに基づいて2番目の番地(行番号1/列番号2)に位置する基準マークの中心点42とカメラ視野の中心点22との位置ずれ量Δx,Δyを求める。次いで、さらに基準基板SGをX方向に1ステップストローク分だけステップ移動させ、例えば図13の(c)に示す画像を撮像し、その撮像データに基づいて3番目の番地(行番号1/列番号3)に位置する基準マークの中心点42とカメラ視野の中心点22との位置ずれ量Δx,Δyを求める。次いで、さらに基準基板SGをX方向に1ステップストローク分だけステップ移動させ、例えば図13の(d)に示す画像を撮像し、その撮像データに基づいて4番目の番地(行番号1/列番号4)に位置する基準マークの中心点42とカメラ視野の中心点22との位置ずれ量Δx,Δyを求める。
このようにして次々に基板SGのステップ移動と位置ずれ量Δx,Δyの測定とを繰り返して、1行目の最後に位置するn番地マークの撮像が完了すると、基準基板SGをY方向に1ステップストローク分だけステップ移動させ、撮像対象を1行目から2行目に移行させ、n+1番地マークから2n番地マークまでの位置ずれ量Δx,Δyを求める。このようにステップ移動&撮像動作を繰り返して、最後のm×n番地マーク(行番号m/列番号n)まで位置ずれ量Δx,Δyを求める(工程S3)。
CCDカメラ20から基準マーク(アライメントマーク)の撮像信号を実測位置の測定信号として制御器30に送り、この制御器30のCPU33に上記測定信号が入力されると、CPU33は以下の手順で位置ずれ量Δx,Δyを求める。
先ず、CPU33は上記測定信号からカメラ視野21の中心点22(原点(0,0))から基準マーク40の中心点42の位置座標(Xm,Ym)までの距離Dを求め、次いで中心点42-22線分とX軸との回転角度θを求める。求めた距離Dと回転角度θおよび所定の三角関数式を用いてX方向とY方向の位置ずれ量Δx,Δyをそれぞれ予め定められた複数の位置ごとに求める。カメラ視野21の範囲は、隣りの基準マーク40を認識しない範囲とする。本実施形態ではカメラ視野の大きさを5mm角としている。CPU33は,求めた位置ずれ量Δx,Δyをテーブル化して、例えば図14の(a)(b)に示すようなステップ移動量補正テーブル46,47のデータとして、メモリ34に記録・保存する(工程S4)。
以上のような手順と方法を用いて得たステップ移動量補正テーブル46,47は、実際に被処理基板50の非晶質シリコン膜を結晶化する際に、被処理基板50をステップ移動させるたびにメモリ34から随時読み出され、レーザー光照射位置の補正に用いられる。すなわち、制御器30は、補正テーブル46,47から該当する番地の位置ずれ量Δx,Δyを読み出し、読み出したΔx,Δyに基づいてXYステージ機構10のX方向駆動機構およびY方向駆動機構にそれぞれ制御信号を送り、被処理基板50の位置を補正する。この結果、多数枚の被処理基板50について品質管理された結晶化プロセスを実行することができる。
次に、上記のプロジェクション型エキシマレーザー結晶化装置(PJELA装置)1を用いて実際に被処理基板上の非晶質シリコン膜53を結晶化する実施例について説明する。
PJELA装置1の主スイッチをONすると、自動的に制御器30のCPU33が装置パラメータのデータ読み出しを行い、種々の装置パラメータが一覧表となって表示装置の画面上に表示される。XYステージ機構10のホーム位置において、被処理基板50を載置台11の上に載置する(工程S5)。XYステージ機構10が被処理基板50を保持した状態でホーム位置から照射位置に移動する。このとき被処理基板50のシリコン膜53の非結晶化エリアをレーザー照射位置に移動させ、シリコン膜53の非結晶化エリアにレーザー光を照射(ダミー照射)して位置決め用の基準点を設定した(工程S6)。この基準点を用いて被処理基板50とレーザー光学系2〜7とを位置合せした。この位置合せ工程において、被処理基板50とレーザー光学系2〜7とのX方向とY方向の位置精度をそれぞれ±0.1μmとした。なお、ダミー照射による基準点の代わりにアライメントマーク40を用いて、図6の(b)に示すようにして被処理基板50を光学系2〜7に位置合せするようにしてもよい。
さらに、読み出した装置パラメータに含まれる目標ギャップ値に基づいて、制御器30が図示しないハイトセンサからの検出信号を用いてXYステージ機構10のZ方向動作を制御して、被処理基板50と結像光学系7との間のギャップを目標ギャップ値に一致させる。このとき使用される装置パラメータは、前回使用したときに最適であった装置パラメータであっても良いし、シミュレーションによって理想的と想定される値であってもよい。この位置合せ工程において、被処理基板50上でのZ方向の位置精度を±1μmとした。
次に、読み出した装置パラメータに基づいてアッテネータ3が自動調整される。すなわち、ビームプロファイラで測定した光強度と予め設定した目標の光強度とを比較してアッテネータ操作量を計算し、アッテネータ3に操作信号を出力して測定した強度が目標の強度になるようにフィードバックしながらアッテネータ3の角度を高精度に調整する。
例えば、光強度の最小値が臨界フルエンスを超えるビームプロファイルとなるように、アッテネータ3を調整する。臨界フルエンスは、結晶化対象膜である非晶質シリコン膜53を融点以上に加熱することができるフルエンスである。一方、光強度の最小値が臨界フルエンスを下回るビームプロファイルでは、部分的に結晶化されない領域が発生するので、好ましくない。
ダミー照射による基準点またはアライメントマーク40がカメラ視野21内に入るように、XYステージ機構10により被処理基板50を移動させ、その移動量を記録する。メモリ34からステップ移動量補正テーブル46,47と前記被処理基板の移動量とを読み出し、これらに基づいて被処理基板のステップ移動量を補正するための補正量を算出する(工程S7)。算出した補正量にしたがってXYステージ機構10の駆動を制御しつつ、被処理基板50をステップ移動させる(工程S8)。
最初の番地(行番号1/列番号1)に位置するシリコン膜53にレーザー光60を照射する(工程S9)。レーザー光60は、結晶化対象膜53に入射し、その照射部のみを溶融し結晶化させる。結晶化対象膜53は薄いため、直ちに照射部分で厚さ方向に溶融し、フルエンスが最小となる逆ピーク点を起点として溶融部分の降温が開始されて凝固(結晶化)が開始する。この凝固位置は、ビームプロファイルの勾配に応じて順次凝固点が移動する。この凝固点の移動により、ラテラル方向(膜53の厚みに直交する方向)に結晶粒が成長する。この結晶粒のラテラル成長は、キャップ膜54の蓄熱効果により降温勾配が長期的にわたって維持されるので、結晶化が促進されるので、最終凝固後の結晶粒のサイズが大きくなり、照射部において広範囲の単結晶化が実現される。
このような結晶化工程S9は、結晶化対象膜53の予め定められた領域に対して行われる。被処理基板50の全面にわたって結晶化工程を行う場合は、図14(a)(b)に示す補正テーブル46,47を参照してXYステージ機構10と光学系2〜7とを相対的に移動させることにより、位置ずれ量Δx,Δyを小さく抑えることができるか、又はこれを無くすことができる。こうすることにより、隣り合う照射領域がオーバーラップする所謂重ね打ち照射をすることなく、図11に示す照射領域44相互間のマージン(間隙)C1,C2を小さく(狭く)することができる。
制御器30は、レーザー照射領域がエンドポイントのm×n番地に到達したか否かを判定する(工程S10)。その判定結果がNOの場合は、工程S7に戻って演算を実行し、ステップ移動の補正量を算出し、その算出結果に基づいてXYステージ機構10により被処理基板50をX方向に1ステップストローク分だけステップ移動させる。被処理基板50におけるレーザー照射領域のステップ移動は、図10中に示す矢印49の方向に従う。
このようにしてX−Yステップ移動工程S8とレーザー照射工程(結晶化工程)S9とを繰り返すことにより、大面積の非晶質シリコン膜53を次々に結晶化することができる。この様子は表示装置の画面上に表示されるので、オペレータは被処理基板50上のどの領域がレーザー照射されているのかをリアルタイムに知ることができる。また、照射中のレーザ光の光強度分布波形も表示装置の画面上に表示されるので、オペレータはどのような光強度分布波形の変調レーザー光が照射されているのかをリアルタイムに知ることができる。
結晶化工程S9では、光源となるKrFエキシマレーザ装置1からは波長248nmのレーザ光60が出射される。レーザー光60は、先ずアッテネータ3において誘電体の多層膜コーティングフィルタの角度を調節してレーザフルエンスが光学的に変調される。次に図示しない偏光素子によって目標のシグマ値に調整され、所定幅に絞られたレーザー光60が図示しないホモジナイザに入射する。ホモジナイザは2組(それぞれx方向とy方向)の小レンズ対からなる光学素子であり、このホモジナイザによってレーザー光は複数の発散ビームに分割される。なお、1ショットのパルス継続時間は例えば30ナノ秒である。分割されたビームの各中軸光線は、コンデンサレンズ(凸レンズ)によってマスクの中心に集まる。また、それぞれのビームは、僅かに発散型になっているために、マスクの開口の全面を照明する。分割された微小出射領域を出た全ての光線群が、それぞれマスク面上の全ての点を照射するので、レーザー出射面上の光強度に面内揺らぎがあっても、マスク面の光強度は均一になる。マスク面の各領域を通過する光線群の中心光線、すなわちホモジナイザの中心部分のレンズ対を通ってきた発散光線群は、マスク面近傍の凸レンズによって平行光線になってから、テレセントリック型の縮小レンズを通って位相シフタ5に入射する。
位相シフタ5では、均一化された光強度をもつレーザー光60の位相を変調し、所定繰り返しパターンの光強度分布(ビームプロファイル)をもつ位相変調光とする。位相変調光は、最小光強度から最大光強度に光強度が連続的に変化する逆ピークパターン状の光強度分布が例えば1レーザー光の面内で数十個が二次元状に配列された光である。位相変調光は、位相シフタ5から結像光学系7に入射し、所望の倍率に調整された後に、さらにXYステージ機構10の上に置かれた被処理基板50に入射する。
工程S10の判定結果がYESの場合は、エンドポイントが検出されたものとして、レーザー照射を停止し、XYステージ機構10とともに被処理基板50をホーム位置に戻し、結晶化処理を終了する。
次回からはPJELA装置1の主スイッチをONすると、自動的にコンピュータ30が装置パラメータのデータ読み出しを行い、種々の装置パラメータが一覧表となって表示装置の画面上に表示される。ここで読み出される装置パラメータは、位置ずれ量Δx,Δyの各補正テーブル46,47、ビームプロファイルおよび結晶化対象膜の膜厚を少なくとも含むものである。また、読み出される装置パラメータは、前回の結晶化に使用した条件を一部又は全部含むものであってもよい。
図16の(a)は、横軸にX方向の測定位置(mm)をとり、縦軸にX方向ずれ量Δx(μm)をとって、ステップ移動量補正テーブル46を用いて位置合せ補正した場合のレーザー照射位置のばらつきの結果を示す特性図である。
図16の(b)は、横軸にY方向の測定位置(mm)をとり、縦軸にY方向ずれ量Δy(μm)をとって、ステップ移動量補正テーブル47を用いて位置合せ補正した場合のレーザー照射位置のばらつきの結果を示す特性図である。
図16の(a)と(b)から明らかなように、ステップ移動量補正テーブル46,47を利用して被処理基板のステップ移動量の補正操作を行うことにより、ステップ移動工程S8における被処理基板上でのX方向とY方向の位置精度を±0.5μm以内に抑えることができた。
次に、図17を参照して本発明の薄膜トランジスタ(TFT)の構成およびその製造方法について説明する。上述の結晶化方法により大結晶粒化したシリコン膜を有する基板を利用して以下のように薄膜トランジスタを作製した。
被処理基板50は、図17の(a)に示すように、ガラス基板51上に順次積層された下地保護膜52、結晶化対象膜53、キャップ膜54を有している。ガラス基板51は、例えばコーニング社の#1737基板に代表されるような、低アルカリガラス基板を用いることが望ましい。下地保護膜52は、酸化シリコン(SiO2)または窒化シリコンを主成分として含む絶縁膜、例えば膜厚300nmの酸化シリコン膜であり、さらに、ガラス基板Gに密接して形成されていると好ましい。上記下地保護膜52は、ガラス基板Gから結晶化対象膜53に不純物が拡散しないように阻止する作用をする膜である。
結晶化対象膜53は、下地保護膜52の上に例えばプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD)を用いて平均膜厚200nmに成膜された非晶質シリコン膜(a-Si)である。キャップ膜54は、絶縁性の酸化シリコン(SiO2)等からなり、結晶化対象膜53の全面を覆い、レーザ光が結晶化対象膜53に及ぼす熱的な作用をコントロールする膜である。
図17の(b)に示すように、結晶化対象膜53の適所、例えば四隅にレーザ光59を照射し、結晶化対象膜53に複数のアライメントマーク40を形成する。
図17の(c)に示すように、アライメントマーク40を用いて光学系に対して被処理基板50を位置合せし、図14(a)(b)の補正テーブル46,47を用いて被処理基板50のステップ移動量を補正し、レーザー光60を結晶化対象膜53に照射して結晶化させた。
図17の(d)に示すように、結晶化したシリコン膜53上のキャップ膜54をエッチングにより除去する。
次に、非晶質シリコン膜の結晶化された領域61に位置合わせして半導体回路例えば図17の(e)に示す薄膜トランジスタを以下のようにして作製する。
まず活性領域の形状を規定するためにフォトリソグラフィを用いてパターニングし、平面視野内でチャネル領域65およびソース領域64およびドレイン領域66に略対応する所定パターンのSiアイランドを形成した。
次に、チャネル領域65、ソース領域64およびドレイン領域66上にゲート絶縁膜67を形成する。ゲート絶縁膜67は、酸化シリコン(SiO2)あるいは酸窒化シリコン(SiON)を主成分とする材料で、厚さ30〜120nmの酸化シリコン膜を形成する。ゲート絶縁膜67の形成は、例えば、プラズマCVD法で、SiH4とN2Oを原料とした酸化シリコン膜を50nmの厚さで形成してゲート絶縁膜とした。
次に、ゲート絶縁膜67上にゲート電極を形成するための導電層を形成した。導電層は、Ta、Ti、W、Mo、Al等の元素を主成分とする材料を用い、スパッタ法や真空蒸着法などの公知の成膜法を用いて形成した。例えばAl−Ti合金とした。フォトリソグラフィを用いてゲート電極用金属層をパターニングし、所定パターンのゲート電極68を形成した。
次に、ゲート電極68をマスクとして不純物を注入することによりソース領域64およびドレイン領域66を形成した。例えば、Pチャネル型TFTを形成する場合、イオン注入法を用いて例えばボロンイオン等のP型不純物の注入を行う。この領域のボロン濃度は、例えば1.5×1020〜3×1021となるようにした。このようにしてPチャネル型TFTのソース領域64およびドレイン領域66を構成する高濃度p型不純物領域を形成する。このとき、n型不純物の注入を行えばnチャネル型TFTが形成されることはいうまでもない。
次いで、イオン注入法により注入した不純物元素を活性化するために熱処理工程を行う。この工程は、ファーネスアニール法、レーザーアニール法、ラピッドサーマルアニール法などの方法で行うことができる。本実施の形態では、ファーネスアニール化法で活性化工程を行った。加熱処理は、窒素雰囲気中において300〜650℃の温度域で行うことが望ましく、本実施例では500℃で4時間の熱処理を行った。
次に、ゲート絶縁膜67の上に層間絶縁膜71を形成した。層間絶縁膜71は窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜またはそれらを組み合せた積層膜で形成すれば良い。また、膜厚は200〜600nmとすれば良く、本実施例では400nmとした。
次に、層間絶縁膜における予め定められた所定の位置にコンタクトホールを開口する。そして、コンタクトホールの内部および層間絶縁層の表面上に導電層を形成し、所定の形状にパターニングする。本実施例ではこのソース・ドレイン電極69,70を、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続して形成した3層構造の積層膜とした。このようにして図17の(e)に示す薄膜トランジスタ63を得た。
以下、上述の実施形態で得られるような薄膜トランジスタを実際にアクティブマトリクス型液晶表示装置に適用した例について説明する。図18は薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型表示装置の一例を示す図である。表示装置100は一対の絶縁基板101,102と両者の間に保持された電気光学物質103とを備えたパネル構造を有する。電気光学物質103としては液晶材料が広く用いられている。下側の絶縁基板101には画素アレイ部104と駆動回路部とが集積形成されている。駆動回路部は垂直駆動回路105と水平駆動回路106とに分かれている。
また、絶縁基板101の周辺部上端には外部接続用の端子部107が形成されている。端子部107は配線108を介して垂直駆動回路105及び水平駆動回路106に接続している。画素アレイ部104には行状のゲート配線109と列状の信号配線110が形成されている。両配線の交差部には画素電極111とこれを駆動する薄膜トランジスタ112が形成されている。薄膜トランジスタ112のゲート電極は対応するゲート配線109に接続され、ドレイン領域は対応する画素電極111に接続され、ソース領域は対応する信号配線110に接続されている。ゲート配線109は垂直駆動回路105に接続する一方、信号配線110は水平駆動回路106に接続している。
画素電極111をスイッチング駆動する薄膜トランジスタ112及び垂直駆動回路105と水平駆動回路106に含まれる薄膜トランジスタは、本発明に従って作製されたものであり、従来に比較して移動度が高くなっている。従って、駆動回路ばかりでなく更に高性能な処理回路を集積形成することも可能である。
なお、本実施形態ではプロジェクション方式の照射装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プロキシミティ方式の照射装置にも本発明を適用することができる。
以上、種々の実施の形態を挙げて説明したが、本発明は上記各実施の形態のみに限定されるものではなく、種々変形および組み合わせることが可能である。
本発明は、液晶表示装置(LCD)の表示画素を選択するスイッチング素子などに用いられる薄膜トランジスタ(TFT)の結晶化に利用でき、特にレーザーアニール結晶化装置の位置決めに利用できる。
結晶化装置の全体の概要を示す構成ブロック図。 XYステージ機構の概略平面図。 XYステージ機構の概略側面図。 XYステージ機構の概略側面図。 結晶化装置の制御系統を示す制御ブロック図。 ずれ量Δx,Δy測定時のカメラ、基準基板および被処理基板を模式的に示す斜視図。 基準基板を模式的に示す平面図。 基準マーク(アライメントマーク)の一例を示す図。 本発明に係る結晶化方法を示すフローチャート。 被処理基板上におけるずれ量Δx,Δy測定の走査方向を示す概略平面図。 被処理基板上のレーザー照射領域(レーザースポット)を模式的に示す拡大平面図。 表示装置の画面上に表示されたプロセスレシピの一例を示す図。 (a)〜(d)は、ずれ量Δx,Δyを測定する際のカメラ視野を模式的にそれぞれ示す図。 (a)はX方向のステップ移動量補正テーブルの一例を示す図、(b)はY方向のステップ移動量補正テーブルの一例を示す図。 (a)は位相シフタの側面図、(b)はビームプロファイルの波形図、(c)は結晶化された膜の組織の一例を示す顕微鏡写真、(d)は結晶化された膜に対応する各素子形成区画を示す平面模式図。 (a)は補正テーブルを用いたときの被処理基板のX方向ずれ量Δxの測定結果を示す特性図、(b)は補正テーブルを用いたときの被処理基板のY方向ずれ量Δyの測定結果を示す特性図。 (a)〜(e)は本発明の結晶化方法を利用した薄膜トランジスタの製造工程を示す工程断面図。 表示装置を模式的に示す斜視図。
符号の説明
1…結晶化装置、2…レーザー光源、3…アッテネータ(光強度調整手段)、
4…照明光学系、5,6…位相シフタ、7…結像光学系、
10…XYステージ機構、11…載置台、11a…吸着パッド、
12a…Xステージ、12b…Yステージ、
12c,14c…リニアガイド、13,15…モータ(コアレスリニアモータ)、
16x,16y…ストッパ、
19…電源ユニット、
20…CCDカメラ(撮像手段)、21…カメラ視野、22…カメラ視野の中心点、
27…位相シフタ交換機構、
28…ビームプロファイラ、29…入力装置(キイボード)、
30…制御器、
SG…基準基板、
40…基準マーク(アライメントマーク)、42…マークの中心点、
44…レーザー照射領域(素子形成領域、結晶化領域)、
46,47…ステップ移動量補正テーブル、
50…被処理基板、
51…ガラス基板、52…下地保護膜、53…結晶化対象膜、54…キャップ膜。

Claims (6)

  1. ステップ移動する被処理基板に設けられた非単結晶半導体膜へレーザー光を照射して前記非単結晶半導体膜のレーザ光照射領域を順次結晶化させる結晶化装置による結晶化方法において、
    (a)前記結晶化のための条件として前記結晶化装置が固有に有する各種の装置パラメータおよびステップ移動量補正テーブルをそれぞれ作成し、これらの装置パラメータおよびステップ移動量補正テーブルを読み出し可能に記憶部に保存しておき、
    (b)前記結晶化装置のXYステージ機構の上に被処理基板を載置し、撮像手段により前記被処理基板上のアライメントマークを検出し、該アライメントマークの検出位置に基づいて前記結晶化装置のレーザー光学系と被処理基板とを相対的に位置合せし、
    (c)結晶化のためのプロセスレシピを入力し、入力されたプロセスレシピに応じて前記記憶部から前記装置パラメータを読み出し、読み出した前記装置パラメータに従って前記レーザー光学系から所定のレーザー光を前記非単結晶半導体膜に照射し、
    (d)前記記憶部から前記ステップ移動量補正テーブルを読み出し、読み出した前記ステップ移動量補正テーブルを用いて前記XYステージ機構の動作を制御して、被処理基板のステップ移動量を補正し、
    (e)前記補正されたステップ移動量だけ被処理基板を移動させたところで、前記装置パラメータに従って前記レーザー光学系から所定のレーザー光を前記非単結晶半導体膜に照射し、
    (f)前記工程(d)と(e)を繰り返し実行する、ことを特徴とする結晶化方法。
  2. 前記工程(a)において、
    前記ステップ移動量補正テーブルは、
    複数の基準マークが付された基準基板を前記XYステージ機構の上に載置し、
    前記基準基板と前記結晶化装置のレーザー光学系とを位置合せし、
    所定のステップ移動量を設定し、
    前記基準基板を前記設定ステップ移動量だけ移動させ、
    撮像手段により前記基準マークを順次撮像し、これらの撮像データに基づいてX方向のずれ量ΔxとY方向のずれ量Δyをそれぞれ求めることにより作成される、ことを特徴とする請求項1記載の結晶化方法。
  3. 前記非単結晶半導体膜のレーザ光照射領域を結晶化するためのプロセスレシピに応じて、前記設定ステップ移動量を設定することを特徴とする請求項2記載の結晶化方法。
  4. 所定の期間が経過するたびに、前記ステップ移動量補正テーブルを更新することを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. ステップ移動する被処理基板に設けられた非単結晶半導体膜へレーザー光を照射して前記非単結晶半導体膜のレーザ光照射領域を順次結晶化させる結晶化装置であって、
    レーザー光源を有する照明光学系と、
    被処理基板をX方向およびY方向に移動可能に支持するXYステージ機構と、
    前記照明光学系から前記XYステージ機構までの光路に設けられ、レーザー光の位相を変調する位相シフタと、
    前記照明光学系を通過したレーザー光を前記XYステージ機構上の被処理基板の非単結晶半導体層に結像させる結像光学系と、
    前記XYステージ機構の上に載置された予め定められた基準マークを撮像する撮像手段と、
    複数の前記基準マークが付された基準基板を前記XYステージ機構の上に載置し、この基準基板と前記照明光学系とを相対的に位置合せし、前記撮像手段により前記基準マークを順次撮像し、これらの撮像データからX方向のずれ量ΔxおよびY方向のずれ量Δyをそれぞれ求め、求めたずれ量Δx,Δyを記録・保存することにより作成されたステップ移動量補正テーブルと、
    前記ステップ移動量補正テーブルから該当する番地のずれ量Δx,Δyを読み出し、読み出したずれ量Δx,Δyに基づいて前記XYステージ機構に制御信号を送り、前記XYステージ機構の動作を制御し、被処理基板のステップ移動量を番地ごとに修正する制御手段と、
    を具備することを特徴とする結晶化装置。
  6. 前記非単結晶半導体膜を結晶化するためのプロセスレシピに応じて、前記設定ステップ移動量を設定することを特徴とする請求項5記載の装置。
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