JP4670708B2 - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP4670708B2
JP4670708B2 JP2006099105A JP2006099105A JP4670708B2 JP 4670708 B2 JP4670708 B2 JP 4670708B2 JP 2006099105 A JP2006099105 A JP 2006099105A JP 2006099105 A JP2006099105 A JP 2006099105A JP 4670708 B2 JP4670708 B2 JP 4670708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hub
oil
rotating member
clutch
automatic transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006099105A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007271016A (ja
Inventor
信悟 魚住
博 加藤
将宏 井田
和彦 杉田
直樹 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2006099105A priority Critical patent/JP4670708B2/ja
Publication of JP2007271016A publication Critical patent/JP2007271016A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4670708B2 publication Critical patent/JP4670708B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/0427Guidance of lubricant on rotary parts, e.g. using baffles for collecting lubricant by centrifugal force
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0467Elements of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0473Friction devices, e.g. clutches or brakes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0482Gearings with gears having orbital motion
    • F16H57/0484Gearings with gears having orbital motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion

Description

本発明は、クラッチおよびブレーキからなる複数の摩擦係合要素を有する変速装置を備えた自動変速機に関するものである。
自動車等の車両に使用される自動変速機として、特許文献1に記載されているように、有底円筒状のドラムと、このドラム内に配設される摩擦係合要素と、ドラムのボス部上に摺動可能に配設されるとともに、ドラムとともにシリンダ室を形成し、このシリンダ室に供給される圧油により摩擦係合要素を押圧可能なピストンとを有するクラッチと、ドラムに形成されたハブ部の外周に配設される摩擦係合要素とを備えたものがある。かかる特許文献1に記載のものにおいては、ドラムがフローフォーミングによって形成されるようになっているため、製造コストがアップする問題がある。
特開平10―296365号公報
上記した問題を解決できるドラム成形方法として、ダイキャスト鋳造法によってドラムを成形することが考えられる。しかしながら、ドラムをダイキャスト鋳造によって成形するものでは、外周に摩擦係合要素を配設したハブ部に離型のための抜き勾配を設ける必要があり、このために、ハブ部の内周にハブ部の端部に向かって径が拡大する勾配が成形されることになる。
このために、ハブ部の半径方向に貫通した油穴を介してハブ部の内周側から摩擦係合要素を潤滑するための油を供給する場合、ハブ部の内周に供給された油が抜き勾配に沿ってハブ部の端部側に多く流れ、ハブ部の端部側と反対側に位置する油穴によって、潤滑油の供給が不均一となるという問題があった。
このような事態を避けるために、ダイキャスト鋳造後に、ハブ部の内周に成形された抜き勾配を切削加工によって除去したり、あるいはハブ部の内周端部にスナップリング等からなる堰を設けて油だまりを確保するなどして、摩擦係合要素への潤滑油の供給を均一にすることも考えられるが、何れの考えも製造工程が増加し、コストアップ要因となる。
本発明は、クラッチドラム等の回転部材をダイキャスト鋳造する際の型抜きを改善することにより、コストアップすることなしに、摩擦係合要素に十分な潤滑油を均一に供給できるようにした自動変速機を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、クラッチおよびブレーキからなる複数の摩擦係合要素を有する変速装置を備え、該変速装置が、ダイキャスト鋳造にて成形される有底円筒状の回転部材を有する自動変速機において、前記回転部材は、底部と、該底部より軸方向に延びる外周壁と、該外周壁より内径に前記底部より前記回転部材の開口方向と反対の方向に延び外周に前記摩擦係合要素の摩擦要素をスプライン係合するハブ部材と、該ハブ部材より内径に前記底部より前記回転部材の開口方向に延びた水平壁部を有し、前記ハブ部材は、少なくとも一部を軸方向において前記底部に重なるように配設されるとともに、前記底部には、前記ハブ部材の内径に対応する位置に軸方向に貫通するダイキャスト鋳造時の型抜き用穴を円周上複数形成し、該型抜き用穴に対応する前記ハブ部材の内周の周方向の一部に、前記回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜させた傾斜面を形成し、前記変速装置は、前記ハブ部材の径方向内周側に、前記摩擦要素を潤滑する潤滑油を供給する油供給手段を有し、前記ハブ部材は、前記油供給手段より供給された潤滑油を前記摩擦要素に供給する少なくとも1つの油穴を有することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記回転部材の底部の前記型抜き用穴より内周側はトルク伝達を行わないことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記回転部材は、前記複数の摩擦係合要素のうちの1つであるクラッチの油圧サーボを形成するクラッチドラムであり、該クラッチドラム内に摺動可能に嵌合されたピストンと前記底部と前記水平壁部とによって、前記クラッチドラムに、前記型抜き用穴の径方向内周側で前記油圧サーボのシリンダ油室を形成したことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記回転部材は、前記底部より軸方向に延びる外周壁および内周壁を有し、前記底部は、前記型抜き用穴の径方向内周側に第1壁部を備え、前記ハブ部材は該第1壁部の外周側において、該第1壁部の軸方向の両側に跨って延在されていることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記回転部材の外周壁には、前記型抜き用穴を介して前記回転部材内に流入した油を前記回転部材の外部に排出する排出穴が半径方向に開口されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記油供給手段は、油供給源から供給された潤滑油を前記ハブ部材の内周に向けてガイドするガイド部を備えた案内部材を有していることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6において、前記ハブ部材の内周面は前記型抜き用穴より所定量離れた所定位置より前記回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜した第1の傾斜面と、前記所定位置より前記回転部材の開口方向とは反対の方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜した第2の傾斜面とを有することを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記ハブ部材の内周に前記回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜させた第1の傾斜面を成形するとともに、前記ハブ部材の軸方向における前記回転部材の開口方向の反対方向の終端部の内周に突起状の堰を一体的に形成したことを特徴とするものである。
請求項1に係る発明によれば、ダイキャスト鋳造にて成形される有底円筒状の回転部材が、底部と、底部より軸方向に延びる外周壁と、外周壁より内径に底部より回転部材の開口方向と反対の方向に延び外周に摩擦係合要素の摩擦要素をスプライン係合するハブ部材と、ハブ部材より内径に底部より回転部材の開口方向に延びた水平壁部を有し、ハブ部材は、少なくとも一部を軸方向において回転部材の底部に重なるように配設されるとともに、ハブ部材の内周の周方向の一部に、回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜させた傾斜面を形成した。
この構成により、ハブ部材の内周に油を供給した場合に、抜き勾配によって油がハブ部材の端部側より逃げてしまうことを防止でき、これによって、ハブ部材の内周に油を確実に保持できるようになり、摩擦係合要素への潤滑油量を増加することが可能となる。
また、回転部材の底部には、軸方向に貫通するダイキャスト鋳造時の型抜き用穴を円周上複数形成し、型抜き用穴に対応するハブ部材の内周の周方向の一部に、回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜させた傾斜面を形成したので、型抜き用の穴の形成によって、ハブ部材の内周に容易に開口方向向きの傾斜面を形成することができる。
しかも、変速装置は、ハブ部材の径方向内周側に、摩擦要素を潤滑する潤滑油を供給する油供給手段を有し、ハブ部材は、油供給手段より供給された潤滑油を摩擦要素に供給する少なくとも1つの油孔を有するので、油供給手段によってハブ部材の内周に供給された油を傾斜面に沿って回転部材の底部の油穴よりハブ部材の外周側の摩擦係合要素に確実に供給できるようになり、摩擦係合要素を的確に潤滑することができる。
請求項2に係る発明によれば、回転部材の底部の型抜き用穴より内周側をトルク伝達させないことにより、内周側の部材の高い剛性が不要となり、型抜き用穴の形成による影響が少なくできる。
請求項3に係る発明によれば、回転部材は、クラッチの油圧サーボを形成するクラッチドラムであり、クラッチドラム内に摺動可能に嵌合されたピストンと底部と水平壁部とによって、クラッチドラムに、型抜き用穴の径方向内周側で油圧サーボのシリンダ油室を形成したので、型抜き用穴が形成されたクラッチドラムの底部は、油圧サーボを配設する機能を有しておればよく、トルク伝達には直接関与しない部位である。従って、クラッチドラムの底部に型抜き用穴を形成しても、強度上何ら問題になることはない。また、ハブ部材と軸方向に重なる位置にシリンダ油室を形成することによって、ハブ部材の内周側の空間をデッドスペースとすることなく、コンパクトな自動変速機を達成することができる。
請求項4に係る発明によれば、回転部材の底部は、型抜き用穴の径方向内周側に第1壁部を備え、第1壁部の軸方向の両側に跨ってハブ部材が軸方向に延在されているので、上記した抜き勾配をもつ傾斜面によって、油供給手段より油が直接供給できないハブ部材の端部と反対側の部位にも油を確実に供給できるようになる。これによって、摩擦係合要素への潤滑作用に影響を及ぼすことなく、ハブ部材を含む回転部材の軸方向寸法を小さくすることができる。
請求項5に係る発明によれば、回転部材の外周壁には、型抜き用穴を介して回転部材内に流入した油を前記回転部材の外部に排出する排出穴が半径方向に開口されているので、ハブ部材の内周に供給された油を、型抜き用穴および排出穴を介して回転部材の外部に容易に排出することができ、油のスムーズな流れを実現することができる。
請求項6に係る発明によれば、油供給手段は、油供給源から供給された潤滑油をハブ部材の内周に向けてガイドするガイド部を備えた案内部材を有しているので、案内部材により、第1の傾斜面(前方側への傾斜)と第2の傾斜面(後方側への傾斜)の境目に潤滑油を供給することにより、摩擦要素全体に均等に潤滑油を供給することができる。
請求項7に係る発明によれば、ハブ部材の内周面は型抜き用穴より所定量離れた所定位置より回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜した第1の傾斜面と、当該所定位置より回転部材の開口方向とは反対の方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜した第2の傾斜面とを有するので、案内部材により、第1の傾斜面と第2の傾斜面の境目に潤滑油を供給することにより、摩擦要素全体に均等に潤滑油を供給可能となる。
請求項8に係る発明によれば、ハブ部材の内周に回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜させた第1の傾斜面を成形するとともに、ハブ部材の軸方向における回転部材の開口方向の反対方向の終端部の内周に突起状の堰を一体的に形成したので、堰によってハブ部材の内周への油の保持作用を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は、例えばフロントエンジンリヤドライブタイプの車両に用いて好適な自動変速機10を示す。当該自動変速機10は、車体に取付けられた変速機ケース11内にトルクコンバータ12および変速装置13を備えている。トルクコンバータ12は、図略のエンジンの回転が出力される駆動軸14と連結されたポンプインペラ15、ポンプインペラ15の回転に伴って回転され、変速装置13に回転を入力する入力軸16と連結されたタービンランナ17、ワンウェイクラッチ18上に取付けられたステータ19、所定の条件が成立したときに係合されて駆動軸14と入力軸16との間を連結するロックアップクラッチ20等からなっている。変速装置13は入力軸16より入力された回転を変速して駆動輪に連結された出力軸21に出力する。
なお、自動変速機10の入力軸16および出力軸21は、車両の進行方向に対して同軸とされている。また、トルクコンバータ12は、車両の進行方向に対して前方側に配設されるとともに、出力軸21は車両の進行方向に対して後方側に配設されている。本実施の形態において、自動変速機10の軸方向におけるトルクコンバータ12側(車両の進行方向前方側)を「前方」、出力軸21側(車両の進行方向後方側)を「後方」と呼称する。
変速装置13は、変速機ケース11内に同軸上に順次支承された入力軸16、減速用プラネタリギヤ25、複数のプラネタリギヤから構成されるプラネタリギヤセット26、出力軸21、摩擦係合要素としての第1ないし第3のクラッチC1〜C3ならびに第1および第2のブレーキB1、B2にて構成されている。
入力軸16の回転を減速してプラネタリギヤセット26に回転を伝達する減速用プラネタリギヤ25は、変速機ケース11に常時固定されて回転を規制されたサンギヤS1、入力軸16に直結されたリングギヤR1、サンギヤS1およびリングギヤR1に噛合するピニオンP1を支承するキャリヤCR1とによって構成されている。
プラネタリギヤセット26は、一例として、シングルピニオンプラネタリギヤとダブルピニオンプラネタリギヤとを組み合わせたラビニヨ式のギヤセットで構成されている。
プラネタリギヤセット26の小径の第1サンギヤS2は、第1のクラッチC1により減速用プラネタリギヤ25のキャリヤCR1に係脱可能に連結され、大径の第2サンギヤS3は、第1のブレーキB1により変速機ケース11に係脱可能に連結されるとともに、第3のクラッチC3により減速用プラネタリギヤ25のキャリヤCR1に係脱可能に連結される。第1サンギヤS2にはショートピニオンP2が噛合され、また、第2サンギヤS3にはロングピニオンP3が噛合され、ショートピニオンP2とロングピニオンP3は互いに噛合されている。これらショートピニオンP2およびロングピニオンP3は直結構造のキャリヤCR2にそれぞれ回転可能に支承されている。リングギヤR2はロングピニオンP3に噛合されるとともに、出力要素として出力軸21に連結されている。
キャリヤCR2は、第2クラッチC2により入力軸16に係脱可能に連結される。また、キャリヤCR2は、第2ブレーキB2により変速機ケース11に係脱可能に連結されるとともに、第2ブレーキB2に並列に配設されたワンウェイクラッチF1によって一方向の回転が規制されている。
以上のように構成された自動変速機10は、第1ないし第3クラッチC1〜C3、第1および第2ブレーキB1、B2を選択的に係脱し、入力軸16、出力軸21、減速用プラネタリギヤ25およびプラネタリギヤセット26の各要素を選択的に連結、あるいは固定することにより、前進6段、後進1段のギヤ比を成立することができる。
次に、前記した構成の自動変速機10の動作について説明する。図3において、Pはパーキングレンジ、REVは後進レンジ、Nはニュートラルレンジ、1STは前進レンジの1速、2NDは前進レンジの2速、3RDは前進レンジの3速、4THは前進レンジの4速、5THは前進レンジの5速、6THは前進レンジの6速を表す。なお、前記各レンジは、シフトレバー等の選速手段を操作することによって選択される。
また、図3において、各ギヤ段に対応するクラッチ、ブレーキの欄に○が付されている場合、クラッチおよびブレーキの係合状態を示し、無印であれば、開放状態を示している。
前進レンジの1速において、第1クラッチC1が係合されると、入力軸16から入力回転が減速プラネタリギヤ25のリングギヤR1に入力され、減速プラネタリギヤ25によって減速された減速回転が、キャリヤCR1より第1クラッチC1を介してプラネタリギヤセット26の第1サンギヤS2に入力される。これに伴って、ワンウェイクラッチF1によりキャリヤCR2の回転が規制され、その結果、リングギヤR2から最大の減速比で減速させられた回転が出力軸21に出力される。
また、前進レンジの2速において、第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合されると、入力軸16から入力回転が減速プラネタリギヤ25のリングギヤR1に入力され、減速プラネタリギヤ25によって減速された減速回転が、キャリヤCR1より第1クラッチC1を介してプラネタリギヤセット26の第1サンギヤS2に入力される。このとき、第1ブレーキB1の係合に伴って、第2サンギヤS3が固定されるので、リングギヤR2から1速の減速比より小さい減速比で減速させられた回転が出力軸21に出力される。
また、前進レンジの3速において、第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合されると、入力軸16から入力回転が減速プラネタリギヤ25のリングギヤR1に入力され、減速プラネタリギヤ25によって減速された減速回転が、キャリヤCR1より第1クラッチC1を介してプラネタリギヤセット26の第1サンギヤS2に入力されるとともに、キャリヤCR1より第3クラッチC3を介して第2サンギヤS3に入力され、プラネタリギヤセット26が直結状態になる。従って、第1および第2サンギヤS2、S3に入力される減速回転がそのままリングギヤR2に伝達され、リングギヤR2から2速の減速比より小さい減速比で減速された回転が出力軸21に出力される。
また、前進レンジの4速において、第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合されると、入力軸16から入力回転が減速プラネタリギヤ25のリングギヤR1に入力され、減速プラネタリギヤ25によって減速された減速回転が、キャリヤCR1より第1クラッチC1を介してプラネタリギヤセット26の第1サンギヤS2に入力されるとともに、入力軸16から入力回転が第2クラッチC2を介してキャリヤCR2に入力される。従って、第1サンギヤS2に入力された回転、およびキャリヤCR2に入力された回転の中間の減速比、すなわち、3速の減速比より小さい減速比で減速させられた回転がリングギヤR2から出力軸21に出力される。
また、前進レンジの5速において、第2クラッチC2および第3クラッチC3が係合されると、入力軸16から入力回転が減速プラネタリギヤ25のリングギヤR1に入力され、減速プラネタリギヤ25によって減速された減速回転が、第3クラッチC3を介してプラネタリギヤセット26の第2サンギヤS3に入力されるとともに、入力軸16から入力回転が第2クラッチC2を介してキャリヤCR2に入力される。その結果、リングギヤR2から入力軸16の回転に対してわずかに増速された回転が出力軸21に出力される。
また、前進レンジの6速において、第2クラッチC2および第1ブレーキB1が係合されると、入力軸16から入力回転が第2クラッチC2を介してプラネタリギヤセット26のキャリヤCR2に入力される。このとき、第1ブレーキB1の係合に伴って、第2サンギヤS3が固定されるので、リングギヤR2から入力軸16の回転に対してさらに増速された回転が出力軸21に出力される。
また、後進レンジにおいて、第3クラッチC3および第2ブレーキB2が係合されると、入力軸16から入力回転が減速プラネタリギヤ25のリングギヤR1に入力され、減速プラネタリギヤ25によって減速された減速回転が、第3クラッチC3を介してプラネタリギヤセット26の第2サンギヤS3に入力される。このとき、第2ブレーキB2の係合に伴って、キャリヤCR2が固定されるので、リングギヤR2から入力軸16の回転に対して逆転された回転が出力軸21に出力される。
次に、自動変速機10の要部について説明する。図1において、29は、変速装置13の軸方向に延在させられ、変速機ケース11に固定されたステータシャフト、30はオイルポンプである。オイルポンプ30は、変速機ケース11に固定されたオイルポンプボディ31と、オイルポンプボディ31を閉塞するオイルポンプカバー32と、オイルポンプボディ31に回転可能に嵌装されたドリブンギヤ33と、ドリブンギヤ33の内周に収納されたドライブギヤ34とによって構成されている。
オイルポンプボディ31の内周には、上記したトルクコンバータ12のポンプインペラ15に一体的に連設されたインペラハブ35が回転可能に支持され、インペラハブ35がドライブギヤ34に連結されている。これによって、ドライブギヤ34はエンジンの回転によって、インペラハブ35と一体的に回転駆動されるようになる。
オイルポンプカバー32の筒状部38内にはステータシャフト29が嵌入され、ステータシャフト29内に上記した入力軸16が回転可能に配設されている。また、ステータシャフト29の後端の径方向外方には上記した減速プラネタリギヤ25が配設され、ステータシャフト29の後端外周にサンギヤS1がスプライン係合されている。
減速プラネタリギヤ25の径方向外方には、第3クラッチC3が配設されている。第3クラッチC3は、外側のセパレートプレート39と内側のフリクションプレート40を交互に配設することによって形成された摩擦要素(摩擦材)41、ならびに油圧サーボ42を備えている。
油圧サーボ42は、オイルポンプカバー32の筒状部38に対してメタルブッシュ44によって回転自在に支持された回転部材としてのクラッチドラム45、クラッチドラム45内に摺動可能に嵌合された環状のピストン46、ピストン46内においてクラッチドラム45上に配設され、スナップリングにより軸方向後方への移動が規制されたキャンセルプレート47、およびピストン46とキャンセルプレート47との間に配設され、キャンセルプレート47をクラッチドラム45に向けて付勢するスプリング48を備え、クラッチドラム45とピストン46との間にシリンダ油室49が形成されている。
クラッチドラム45は、変速機ケース11の内周面に沿って軸方向に延びる外周壁51、オイルポンプカバー32の筒状部38に沿って軸方向に延びる内周壁52、および外周壁51および内周壁52と一体的に形成され、ほぼ径方向に延びる底部53を備えた有底円筒状を呈している。そして、底部53は、図4に示すように、内周壁52の前端(図1における左端)から径方向に延びる第1壁部55、第1壁部55の外周縁部から後方に向けて延びる水平壁部56、水平壁部56より斜め後方に向けて延びる傾斜壁部58からなっている。
そして、第3クラッチC3のセパレートプレート39の外周はクラッチドラム45の外周壁51の内周面にスプライン係合され、フリクションプレート40の内周は減速プラネタリギヤ25のキャリヤCR1に接続される連結部材の外周面にスプライン係合され、セパレートプレート39とフリクションプレート40がピストン46の摺動によって摩擦係合されることにより、クラッチドラム45と減速プラネタリギヤ25のキャリヤCR1とが連結されるようになっている。
クラッチドラム45の底部53の内周縁部には、前方(図1における左方)に向けて突出する環状の突起部61が形成され、突起部61の径方向外方に、オイルポンプカバー32の筒状部38の径大部62に隣接して、樹脂製のザイテルワッシャ63が配設されている。
油圧サーボ42のシリンダ油室49は、クラッチドラム45の内周壁52に形成された油路65、スリーブ43に形成された油路66、筒状部38およびステータシャフト29に形成された油路67、68、ならびに油圧調整弁等が配設された油圧回路を介してオイルポンプ30の吐出ポートに接続されている。
これにより、油圧調整弁等を制御することによって、オイルポンプ30よりシリンダ油室49に対して油が給排され、ピストン46を軸方向に移動させ、ピストン46と対向した配設された第3クラッチC3を係脱するようにしている。
クラッチドラム45と変速機ケース11との間には、第1ブレーキB1が配設され、前進レンジの2速および6速において第1ブレーキB1を係合させることによって、クラッチドラム45を変速機ケース11に対して固定させるようになっている。そのために、クラッチドラム45の底部53の径方向における外周壁51より内径の所定の位置、本実施の形態においては、図4に示すように、傾斜壁部58に、底部53と一体に前方に向けて突出されたハブ部材としての環状のブレーキハブ70が形成されている。この場合、ブレーキハブ70は、クラッチドラム45の底部53に形成された第1壁部55の軸方向の両側に跨って延在されている。また、ブレーキハブ70の径方向位置は、ピストン46の先端の径方向位置にほぼ等しくされ、ブレーキハブ70の前端の軸方向位置は、内周壁52の前端の軸方向位置にほぼ等しくされている。
クラッチドラム45の底部53の前端面(図1における左端面)の円周方向における複数の位置には、径方向に延在させて、かつ、第1壁部55に沿ってリブ71が円周上等角度ピッチで形成されている。
図4および図5に示すように、ブレーキハブ70と水平壁部56との間には、傾斜壁部58を貫いて型抜き用穴73が後方(図1の右方)から前方(図1の右方)に貫通されている。型抜き用穴73は、リブ71の各間に複数ずつ設けられている。具体的には、リブ71の各間に2つずつの型抜き用穴73A、73Bが円周方向に離間して形成され、これら2つの型抜き用穴73A、73Bの間に傾斜壁部58がリブ状に形成(残存)されている。
型抜き用穴73は、クラッチドラム45の回転軸線に直交する断面が略矩形状を呈し、その略矩形状の半径方向外面および内面、ならびに円周方向の両側面は、ダイキャスト成形後の離型時に後方(図1の右方)に型抜きが可能なように、後方に向かうに従って半径方向および円周方向の幅寸法がそれぞれ漸次大きくなる勾配が付与された形状に形成されている。その結果、ブレーキハブ70の内径の一部に、すなわち、型抜き用穴73に対応する円周方向位置に、ブレーキハブ70の前端面(図1における左端面)に向かって径が縮小する勾配が付与された傾斜面75が形成されることになる。
第1ブレーキB1は、外側のセパレートプレート77と内側のフリクションプレート78を交互に配設することによって形成された摩擦要素(摩擦材)79、ならびに油圧サーボ80を備えている。
そして、第1ブレーキB1のセパレートプレート77の外周は変速機ケース11の内周面にスプライン係合され、フリクションプレート78の内周はブレーキハブ70の外周面にスプライン係合され、セパレートプレート77とフリクションプレート78が油圧サーボ80のピストン81の摺動によって摩擦係合されることにより、クラッチドラム45を変速機ケース11に連結して固定するようにしている。
次に、上記した第1ブレーキB1を潤滑する構成について説明する。オイルポンプカバー32の筒状部38に形成した径大部62と隣接する部分には、油溝82が形成され、油溝82は図略の潤滑油供給油路および油圧回路に接続されている。これにより、オイルポンプ30より油圧回路を介して供給された油は、油溝82を通り、突起部61およびザイテルワッシャ63の前端面と径大部62の後端面(図1における右端面)との間の隙間を通り、ザイテルワッシャ63より径方向外方に供給され、ブレーキハブ70の内周面に向けて供給される。
ブレーキハブ70には、内周面に供給された油を第1ブレーキB1の摩擦要素79に供給する複数の油穴83が半径方向に貫通して設けられ、この油穴83は、ブレーキハブ70の軸方向および円周方向の複数の位置に形成されている。また、筒状部38の径大部62の後端面と環状ワッシャ63の前端面との間には、板状の案内部材84が挟持されている。案内部材84は内周面の近傍において前方に向けて折り曲げられ径大部62の上端部に形成された切欠88に係止された回り止め用係止片86、および外周面から斜め後方に向けて折り曲げられ油をブレーキハブ70の内周面に向けてガイドするガイド部87を有している。上記した油溝82、および案内部材84のガイド部87等によって、ブレーキハブ70の内周面に向けて油を供給する油供給手段を構成している。
上記した実施の形態において、オイルポンプ30より図略の潤滑油供給油路および油圧回路を介して油が供給されると、当該油は、油溝82を通り、突起部61および環状ワッシャ63の前端面と径大部62の後端面(図1における右端面)との間の隙間を通り、ザイテルワッシャ63より径方向外方に供給される。この際、油は、案内部材84のガイド部87によってブレーキハブ70の内周面に向けてガイドされ、ブレーキハブ70に形成された油穴83を介してブレーキハブ70の外周面側に送られ、摩擦要素79を潤滑する。
この際、ブレーキハブ70の内周面には、ブレーキハブ70の前端面(図1における左端面)に向けて径が縮小する抜き勾配が付与された傾斜面75が形成されているので、ブレーキハブ70の内周面に供給された油は、傾斜面75の勾配によってブレーキハブ70の後端側(図1における右側)、すなわち、案内部材84のガイド部87によってブレーキハブ70の内周面に直接油を供給することができないブレーキハブ70の後端側に位置する油穴83にも油が十分に供給されるようになり、ブレーキハブ70の外周面全体に油を供給できるようになる。
その結果、第1ブレーキB1の摩擦要素79全体に油を均等に供給でき、第1ブレーキB1の摩擦要素79を的確に潤滑できるようになる。また、ブレーキハブ70を、クラッチドラム45の底部53に形成された第1壁部55の軸方向の両側に跨って延在しても、第1ブレーキB1への潤滑に支障を及ぼさないので、ブレーキハブ70を含むクラッチドラム45の軸方向寸法を小さくすることができるようになる。
なお、ブレーキハブ70の内周面に供給された油は、油穴83よりブレーキハブ70の外周面側に送られるとともに、ブレーキハブ70の内周面に沿って前端面(図1における左端面)側および後端面(図1における右端面)側に向かって流れる。前端面側に流れた油は、クラッチドラム45の外部に排出され、また、後端面側に流れた油は、型抜き用穴73を通って第3クラッチC3側に流れる。そして、第3クラッチC3側に流れたクラッチドラム45内の油は、クラッチドラム45の外周壁51に形成された排出穴89を介してクラッチドラム45の外部に排出され、変速機ケース11の下部に形成された開口90を通って図略のオイルパンに回収される。
このように、ブレーキハブ70の内周面に供給された油は、ブレーキハブ70の内周面の前後方向およびブレーキハブ70の外周面側にそれぞれ分散されるようになるため、ブレーキハブ70の内周面に供給された油が一部に偏って流れることがなく、油の流れをスムーズに行うことができるようになる。
なお、クラッチドラム45への型抜き用穴73の形成によって、その部位における強度の面で不利となる得るが、型抜き用穴73が形成されたクラッチドラム45の底部53は、油圧サーボ42を配設する機能を有しておればよく、トルク伝達には直接関与しない部位であり、トルク伝達はクラッチドラム45の外周壁51およびブレーキハブ70で行われるため、強度上問題になることはない。また、ブレーキハブ70と軸方向に重なる位置にシリンダ油室49を形成することによって、ブレーキハブ70の内周側の空間をデッドスペースとすることなく、コンパクト化が図れる。
次に、上記した構成のクラッチドラム45をダイキャスト鋳造によって成形する方法について、図6および図7に基づいて説明する。
91、92は、クラッチドラム45を成形する一対の金型を示し、第1の金型91はクラッチドラム45の内面形状を画定するものであり、第2の金型92はクラッチドラム45の外面形状を画定するものである。これら第1および第2の金型91、92は、互いに離間可能に当接され、両金型91、92の間にクラッチドラム45を成形するためのキャビティ93が形成される。そして、キャビティ93内に溶湯が注入され、溶湯が冷却、固化されることにより、クラッチドラム45がダイキャスト鋳造によって成形される。その後、金型91、92を図6のX1およびX2方向にそれぞれ型抜き(離型)させることにより、クラッチドラム45を取り出すことができる。
クラッチドラム45の内面形状を画定する第1の金型91には、ブレーキハブ70の内周に、ブレーキハブ70の端部に向かって径が縮小する傾斜面75を成形するための第1型部94が円周方向に間隔を有して複数突設されている。第1型部94はダイキャスト鋳造後の離型時に、第1の金型91の型抜きが行えるように、ブレーキハブ70の端部に向かって先細りとなる僅かな勾配が付与されている。一方、クラッチドラム45の外面形状を画定する第2の金型92には、図7に示すように、第1型部94の各間において第1型部94に当接する第2型部95が円周方向に間隔を有して複数突設され、この第2型部95によってブレーキハブ70の内周に、ブレーキハブ70の端部に向かって径が拡大する図略の傾斜面が成形される。なお、図7中の93A、93Bは、第1型部94と第2型部95との間に形成されるリブ71、74成形用のキャビティを示す。
上記したクラッチドラム45のダイキャスト鋳造時において、第1型部94の先端を、図6に示すように、ダイキャスト鋳造すべきブレーキハブ70の端部まで延在させることにより、すなわち、第1型部94をブレーキハブ70の内周面の軸方向全長にわたって設けることにより、ダイキャスト鋳造にて成形されたブレーキハブ70の型抜き用穴73に対応する円周方向部位に、ブレーキハブ70の内周面の軸方向全長にわたって、ブレーキハブ70の前端面に向けて径が縮小する勾配が付与された傾斜面75を成形できる。
このように、本実施の形態によれば、特別に製造工程を増加させることなく、ブレーキハブ70の内周面には、第1の金型91の第1型部94によって、ブレーキハブ70の前端面に向けて径が縮小する勾配が付与された複数の傾斜面75を円周方向に成形できるとともに、これら傾斜面75の円周方向の各間にそれと逆勾配の傾斜面を成形できるようになる。
なお、クラッチドラム45が上記したようにダイキャスト鋳造にて成形された後、内周壁52に油路65が、ブレーキハブ70に油穴83が、外周壁51に排出穴89等が機械加工によって形成され、図4に示すクラッチドラム45が完成される。
図8は、図6で示した方法とは異なるダイキャスト鋳造にてクラッチドラム45を成形する実施の形態を示すもので、上記した第1型部94の先端と、この第1型部94の先端と第2の金型92との当接位置を、図8に示すように、成形すべきブレーキハブ70の内周面の軸方向の所定位置、すなわち、型抜き用穴73より所定量離れた所定位置P1に定めたものである。これによれば、ダイキャスト鋳造にて成形されるブレーキハブ70に、型抜き用穴73に対応する円周方向部位の内周面の軸方向の所定位置P1を境にして、その位置P1よりクラッチドラム45の開口方向(図1の右方向)側には第1型部94によって第1の傾斜面75A、すなわち、ブレーキハブ70の前端面に向けて径が縮小する勾配が付与された傾斜面75Aが成形され、前記位置P1よりクラッチドラム45の開口方向と反対の方向(図1の左方向)側には、第2の金型92の型抜きのための第1の傾斜面75Aと逆勾配の第2の傾斜面75Bが同時に成形されるようになる。
これによれば、ブレーキハブ70の軸方向に互いに逆勾配の第1および第2の傾斜面75A、75Bを同時に成形でき、しかも、第1傾斜面75Aおよび第2傾斜面75Bの長さの比を任意に設定することができる。
さらに、第1型部94の先端を、図9に示すように、ブレーキハブ70の端部の僅かに手前まで延在させて、第2の金型92との間に僅かに隙間を設けることにより、第1の金型91の第1型部94の先端と第2の金型92との間に突起状の堰97を形成することもできる。
これによれば、クラッチドラム45のダイキャスト鋳造時に上記した傾斜面75と同時に堰97を形成することができ、堰97を形成するための工程あるいは部品点数を増加させることなく、クラッチハブ70の内周面への油の保持作用を高めることができるようになる。
なお、第1型部94の先端をどこに定めるかは、摩擦要素79の枚数や、案内部材84のガイド部87によるブレーキハブ70の内周への油の供給部位、さらには、第1ブレーキC1の摩擦要素材79への油の供給量等、潤滑全体のバランスを考慮して任意に設定することができ、これによって、第1ブレーキC1の最適な潤滑を可能にできるようになる。
上記した実施の形態においては、クラッチドラム45の底部53を、内周壁52の前端から径方向に延びる第1壁部55、第1壁部55の外周縁部から後方に向けて延びる水平壁部56、水平壁部56より斜め後方に向けて延びる傾斜壁部58によって構成したが、底部53は基本的には外周壁51と内周壁52とを連結できるとともに、油圧サーボ42のシリンダ油室49を型抜き用穴73の径方向内周側で形成できるものであればよく、実施の形態にものに限定されるものではない。
また、上記した実施の形態においては、回転部材としてのクラッチドラム45に、ハブ部材としてのブレーキハブ70を形成したが、クラッチドラムを他の回転部材に対して選択的に固定するために、クラッチドラムと他の回転部材との間にクラッチを配設することもでき、この場合には、クラッチドラム45にハブ部材としてのクラッチハブを形成すればよく、ハブ部材はブレーキ用あるいはクラッチ用に特定されるものではない。
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はこのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得ることは勿論である。
本発明の実施の形態を示す自動変速機の要部断面図である。 本発明の実施の形態における自動変速機の概念図である。 図2における自動変速機の各ギヤ段におけるブレーキおよびクラッチの係合状態を示す図である。 クラッチドラムを示す断面図である。 図4の5矢視図である。 クラッチドラムの製造方法を示す図である。 図6の7−7線に沿って切断した断面図である。 クラッチドラムの別の製造方法を示す図である。 クラッチドラムのさらに別の製造方法を示す図である。
符号の説明
10・・・自動変速機、11・・・変速機ケース、12・・・トルクコンバータ、13・・・変速装置、16・・・入力軸、21・・・出力軸、35、79・・・摩擦要素、36・・・油圧サーボ、45・・・回転部材(クラッチドラム)、41・・・ピストン、44・・・シリンダ油室、51・・・外周壁、52・・・内周壁、53・・・底部、55・・・第1壁部、56・・・水平壁部、58・・・傾斜壁部、65〜67・・・油路、70・・・ハブ部材(ブレーキハブ)、71、74・・・リブ、73・・・型抜き用穴、75・・・傾斜面、82・・・油溝、83・・・油穴、84・・・案内部材、87・・・ガイド部、89・・・排出穴、91、92・・・金型、93・・・キャビティ、94・・・第1型部、95・・・第2型部、C1〜C3・・・クラッチ、B1、B2・・・ブレーキ。

Claims (8)

  1. クラッチおよびブレーキからなる複数の摩擦係合要素を有する変速装置を備え、該変速装置が、ダイキャスト鋳造にて成形される有底円筒状の回転部材を有する自動変速機において、
    前記回転部材は、
    底部と、
    該底部より軸方向に延びる外周壁と、
    該外周壁より内径に前記底部より前記回転部材の開口方向と反対の方向に延び外周に前記摩擦係合要素の摩擦要素をスプライン係合するハブ部材と、
    該ハブ部材より内径に前記底部より前記回転部材の開口方向に延びた水平壁部を有し、
    前記ハブ部材は、少なくとも一部を軸方向において前記底部に重なるように配設されるとともに、
    前記底部には、前記ハブ部材の内径に対応する位置に軸方向に貫通するダイキャスト鋳造時の型抜き用穴を円周上複数形成し、
    該型抜き用穴に対応する前記ハブ部材の内周の周方向の一部に、前記回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜させた傾斜面を形成し、
    前記変速装置は、
    前記ハブ部材の径方向内周側に、前記摩擦要素を潤滑する潤滑油を供給する油供給手段を有し、
    前記ハブ部材は、前記油供給手段より供給された潤滑油を前記摩擦要素に供給する少なくとも1つの油穴を有することを特徴とする自動変速機。
  2. 請求項1において、前記回転部材の底部の前記型抜き用穴より内周側はトルク伝達を行わないことを特徴とする自動変速機。
  3. 請求項2において、前記回転部材は、前記複数の摩擦係合要素のうちの1つであるクラッチの油圧サーボを形成するクラッチドラムであり、該クラッチドラム内に摺動可能に嵌合されたピストンと前記底部と前記水平壁部とによって、前記クラッチドラムに、前記型抜き用穴の径方向内周側で前記油圧サーボのシリンダ油室を形成したことを特徴とする自動変速機。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記回転部材は、前記底部より軸方向に延びる外周壁および内周壁を有し、前記底部は、前記型抜き用穴の径方向内周側に第1壁部を備え、前記ハブ部材は該第1壁部の外周側において、該第1壁部の軸方向の両側に跨って延在されていることを特徴とする自動変速機。
  5. 請求項4において、前記回転部材の外周壁には、前記型抜き用穴を介して前記回転部材内に流入した油を前記回転部材の外部に排出する排出穴が半径方向に開口されていることを特徴とする自動変速機。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記油供給手段は、油供給源から供給された潤滑油を前記ハブ部材の内周に向けてガイドするガイド部を備えた案内部材を有していることを特徴とする自動変速機。
  7. 請求項6において、前記ハブ部材の内周面は前記型抜き用穴より所定量離れた所定位置より前記回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜した第1の傾斜面と、前記所定位置より前記回転部材の開口方向とは反対の方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜した第2の傾斜面とを有することを特徴とする自動変速機。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記ハブ部材の内周に前記回転部材の開口方向に向かうにつれて径が広がる方向に傾斜させた第1の傾斜面を成形するとともに、前記ハブ部材の軸方向における前記回転部材の開口方向の反対方向の終端部の内周に突起状の堰を一体的に形成したことを特徴とする自動変速機。
JP2006099105A 2006-03-31 2006-03-31 自動変速機 Expired - Fee Related JP4670708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099105A JP4670708B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 自動変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099105A JP4670708B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 自動変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007271016A JP2007271016A (ja) 2007-10-18
JP4670708B2 true JP4670708B2 (ja) 2011-04-13

Family

ID=38674025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006099105A Expired - Fee Related JP4670708B2 (ja) 2006-03-31 2006-03-31 自動変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4670708B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011002216B3 (de) * 2011-04-21 2011-12-01 Simonswerk, Gesellschaft mit beschränkter Haftung Anordnung von zwei Bauteilen, insbesondere Bandteilen

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61179444U (ja) * 1985-04-26 1986-11-08
JPH05231446A (ja) * 1992-02-20 1993-09-07 Toyota Autom Loom Works Ltd 湿式多板クラッチ
JPH06272749A (ja) * 1993-03-16 1994-09-27 Aisin Seiki Co Ltd 車両用自動変速機
JPH10296365A (ja) * 1997-04-30 1998-11-10 Jatco Corp 内歯・外歯を有する一体型ドラム成形方法
JPH10299791A (ja) * 1997-04-30 1998-11-10 Jatco Corp 内歯・外歯を有する一体型ドラムとその成形方法
JP2002130329A (ja) * 2000-10-27 2002-05-09 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機
JP2004245332A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Dainatsukusu:Kk 湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造
JP2005133794A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Nsk Warner Kk 湿式多板クラッチ用のハブ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61179444U (ja) * 1985-04-26 1986-11-08
JPH05231446A (ja) * 1992-02-20 1993-09-07 Toyota Autom Loom Works Ltd 湿式多板クラッチ
JPH06272749A (ja) * 1993-03-16 1994-09-27 Aisin Seiki Co Ltd 車両用自動変速機
JPH10296365A (ja) * 1997-04-30 1998-11-10 Jatco Corp 内歯・外歯を有する一体型ドラム成形方法
JPH10299791A (ja) * 1997-04-30 1998-11-10 Jatco Corp 内歯・外歯を有する一体型ドラムとその成形方法
JP2002130329A (ja) * 2000-10-27 2002-05-09 Aisin Aw Co Ltd 自動変速機
JP2004245332A (ja) * 2003-02-14 2004-09-02 Dainatsukusu:Kk 湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造
JP2005133794A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Nsk Warner Kk 湿式多板クラッチ用のハブ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007271016A (ja) 2007-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5152162B2 (ja) 変速機構の潤滑構造
EP2088344B1 (en) Automatic transmission
JP4259521B2 (ja) 車両用自動変速機
JP4776352B2 (ja) 自動変速機における潤滑装置
JP6288050B2 (ja) 構造体のケース及びその製造方法
US8011487B2 (en) Clutch outer member for multi-plate clutch
JP2006077888A (ja) クラッチハブ
US9709133B2 (en) Speed change device
ITMI20071692A1 (it) Dispositivo di innesto, in particolare frizione a dischi a bagno d'olio per un veicolo a motore
JP3747913B2 (ja) 摩擦係合装置の潤滑構造
JP4670708B2 (ja) 自動変速機
JP4337788B2 (ja) 自動変速機の摩擦係合装置
JP5081248B2 (ja) 潤滑油路内のベアリング配設構造
JP2006322602A (ja) スラストワッシャを用いた支持装置
JPS6145116A (ja) 多板式摩擦係合装置
JP6658225B2 (ja) 遊星歯車装置
JP2009197914A (ja) 車両用トランスミッションのオイルポンプ駆動用スプロケット支持構造
US8316640B2 (en) Drain structure of torque converter
JP2008275032A (ja) 摩擦係合装置
JP4453188B2 (ja) 自動変速機
JP2009121631A (ja) 自動変速機のピストン装置
JP4401709B2 (ja) マニュアルトランスミッションの潤滑構造
JP7305526B2 (ja) 変速機
JP2002130438A (ja) 自動変速機
JP2017180812A (ja) 遊星歯車装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101221

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110103

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees