JP2004245332A - 湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造 - Google Patents
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- F16D25/12—Details not specific to one of the before-mentioned types
- F16D25/123—Details not specific to one of the before-mentioned types in view of cooling and lubrication
Abstract
【課題】構成が比較的簡単で、通常の低速での使用状態における引き摺りトルクを減少させることができる湿式摩擦板係合装置の潤滑・冷却構造の提供。
【解決手段】湿式摩擦係合装置１０は、ハブ２０にスプライン嵌合された摩擦板３０とドラムＤにスプライン嵌合されたメイティングプレート４０とが交互に配置され、摩擦板３０とメイティングプレート４０とが係合することによりトルクが伝達される。ハブ２０の内面は、潤滑油Ｂがハブ２０の開口側先端２６から漏れやすいように、階段状のテーパ状にしてあり、その各段に、ハブ２０の径方向に油穴２４が配置されている。各油穴２４の入口周辺は窪んだ形状になっている。遠心力が比較的小さい低速回転時には、潤滑油Ｂがハブ２０の開口側先端２６から漏れて引き摺りトルクを減少させ、遠心力が大きい高速回転時には、軸心から飛散する潤滑油を確実に捕集して油穴２４から排出させる。
【選択図】 図１
【解決手段】湿式摩擦係合装置１０は、ハブ２０にスプライン嵌合された摩擦板３０とドラムＤにスプライン嵌合されたメイティングプレート４０とが交互に配置され、摩擦板３０とメイティングプレート４０とが係合することによりトルクが伝達される。ハブ２０の内面は、潤滑油Ｂがハブ２０の開口側先端２６から漏れやすいように、階段状のテーパ状にしてあり、その各段に、ハブ２０の径方向に油穴２４が配置されている。各油穴２４の入口周辺は窪んだ形状になっている。遠心力が比較的小さい低速回転時には、潤滑油Ｂがハブ２０の開口側先端２６から漏れて引き摺りトルクを減少させ、遠心力が大きい高速回転時には、軸心から飛散する潤滑油を確実に捕集して油穴２４から排出させる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用トランスミッション又は産業用又は建設機械用トランスミッションに用いられる湿式摩擦係合装置に効率よく冷却用潤滑油を供給して潤滑・冷却するための構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、湿式摩擦係合装置は、例えば、自動車用オートマチックトランスミッション、又は、産業用若しくは建設機械用トランスミッション等において、回転力を伝達したりその伝達を切ったりする装置として使用されている。
このような湿式摩擦係合装置は、図４に示すように、摩擦板３０、メイティングプレート４０が交互に配設されたドラムＤ内に、作動油Ａに押圧されて摩擦板３０、メイティングプレート４０を互いに圧接させるピストンＰと、このピストンＰを摩擦板３０、メイティングプレート４０から離れる方向に付勢するスプリングＳを受け止めるスプリング受けＳＲとが収納された構成になっている。
【０００３】
湿式摩擦係合装置１０Ａは、ピストンＰが摩擦板３０、メイティングプレート４０を押圧したとき係合状態になって回転力を伝達し、ピストンＰが摩擦板３０、メイティングプレート４０から離れたとき解放状態になって回転力の伝達を断つ。
湿式摩擦係合装置１０Ａが係合状態になるとき、摩擦板３０とメイティングプレート４０は、互いにスリップしながら圧接させられるため、発熱し、高温になる。このため、摩擦板３０、メイティングプレート４０は、循環する冷却用潤滑油Ｂによって冷却されるようになっている。
潤滑油Ｂは、ハブ２０内面の開口側先端２２に設けられた段差により、回転速度に拘らず先端から漏れないようになっており、回転速度に拘らず、全ての潤滑油Ｂが、潤滑油を流通させるためにハブ２０に径方向に設けられた油穴２４から排出される構造となっている。
【０００４】
ところが、このような湿式摩擦係合装置１０Ａでは、摩擦板３０、メイティングプレート４０の冷却効果を高めるためには、多量の潤滑油Ｂを供給しなければならず、オイルポンプ（図示省略）の駆動力を増大させなければならないという問題を有する。
【０００５】
又、冷却効果を高めるべく潤滑油Ｂの供給量を増やすと、湿式摩擦係合装置１０Ａの解放状態において、潤滑油Ｂが摩擦板３０又はメイティングプレート４０によって常時掻き回されることになるので、いわゆる「フリクションロス」のために、燃費が悪化するという問題も有する。
【０００６】
又、摩擦板３０、メイティングプレート４０の潤滑油Ｂによる冷却が必要なのは高速回転時であり、通常の使用状態である低速回転時においては潤滑油Ｂが過多となる場合が多い。そのため、通常の使用状態においては、使用される潤滑油Ｂの粘性により引き摺りトルクが発生し、引き摺り損失を招き、効率の低下の原因となっている。
【０００７】
これに対し、少ない潤滑油量で充分に湿式摩擦係合装置の係合部を冷却することのできる湿式クラッチの潤滑・冷却構造がある（例えば、特許文献１。）。
これは、潤滑油溜まりと潤滑油供給油路とを具えたもので、潤滑油を潤滑油供給路を介して潤滑油溜まりに供給するとともに、潤滑油溜まりの開口から排出するようにしたことを特徴とする。
なお、特許文献１では、発明の名称は「潤滑構造」となっているが、潤滑油は摩擦する部分の摩耗を防止するという潤滑のみを目的とするのではなく、熱を逃がすこと、すなわち、冷却をも目的として供給されるのであるから、正確には、「潤滑・冷却構造」というべきものである。
【０００８】
これによると、摩擦面には十分な冷却用潤滑油が供給されるとともに潤滑油に十分熱が伝えられ、また、潤滑油溜まり内の潤滑油は摩擦面より外径側から潤滑油溜まりの開口へと確実に移動し排出されるため、潤滑油に熱が溜まることがなく、この結果、少ない潤滑油量で充分に摩擦面を冷却することができるとされている。
また、潤滑油溜まりに摩擦係合要素の非係合時において開口し潤滑油溜まり内の潤滑油を排出する潤滑油排出口を設けることで、摩擦係合要素の非係合時におけるクラッチの引き摺りトルクが小さくなり、動力損失が減り、燃費を向上させることができるとされている。
【０００９】
【特許文献１】
特開平１０−００９２８７号公報（第２〜４頁）
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献１の潤滑・冷却構造は機能を実現させるための構成が複雑であり、また多くの構成要素が必要であるため、湿式摩擦板係合装置の小型化が困難となるという問題を有する。
本発明は、上述の問題に鑑み、構成が比較的簡単で、通常の使用状態における引き摺りトルクを減少させることが可能な湿式摩擦板係合装置の潤滑・冷却構造を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハブにスプライン嵌合された摩擦板と、ドラムにスプライン嵌合されたメイティングプレートとが交互に配置され、前記摩擦板とメイティングプレートとが係合することによりトルクが伝達されるようになっており、前記ハブに冷却用潤滑油を流通させる油穴が設けられている湿式摩擦係合装置において、前記ハブの内面がその開口側先端に向かって径が大きくなる階段状のテーパ状であり、各段に前記油穴が配置されていることを特徴とする湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造により、前記の課題を解決した。
【００１２】
【作用】
本発明によれば、ハブの内面を潤滑油がハブの開口側先端から漏れやすいように、開口方向に径が大きくなる階段状のテーパ状にすることで、低速回転時には多量の潤滑油が排出されるようになり、その結果、湿式摩擦板係合装置の通常の使用状態における引き摺りトルクを減少させることが可能となり、燃費を向上させることができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図１に基づいて説明する。
湿式摩擦係合装置１０は、図１に示すように、ハブ２０にスプライン嵌合された摩擦板３０とドラムＤにスプライン嵌合されたメイティングプレート４０とが交互に配置され、摩擦板３０とメイティングプレート４０とが係合することによりトルクを伝達する。
ドラムＤ内には、作動油Ａに押圧されて摩擦板３０、メイティングプレート４０を互いに圧接させるピストンＰと、このピストンＰを摩擦板３０、メイティングプレート４０から離れる方向に付勢するスプリングＳを受け止めるスプリング受けＳＲとが収納された構成になっている。
【００１４】
ハブ２０の内面は、潤滑油Ｂがハブ２０の開口側先端２６から漏れやすいように、階段状のテーパ状にしてあり、その各段に、ハブ２０の径方向に油穴２４が配置されている。各油穴２４の入口周辺は窪んだ形状となっている。
ハブ２０の内面が階段状でなく、単にテーパ状であると、軸心から飛散する潤滑油の殆どが開口側先端から漏れてしまう傾向になるが、このように、ハブ２０の内面を階段状のテーパ状とすることで、遠心力が比較的大きい高速回転時には、軸心から飛散する潤滑油を確実に捕集して油穴２４から排出させることが可能になる。
テーパの角度及び窪みの深さは、潤滑油量及び回転数の使用条件に応じて調整されるものであるが、テーパ角度は５〜１０°、窪みの深さは０．２〜１ｍｍの範囲にあることが好ましい。
【００１５】
この形状により、遠心力が比較的小さい低速回転時には、図２に示すように潤滑油Ｂは油穴２４からだけでなくハブ２０の開口側先端２６からも排出され、遠心力が比較的大きい高速回転時には、図３に示すように、潤滑油Ｂがハブ２０の開口側先端２６から漏れずに、殆ど油穴２４から排出される。
このように、低速回転時に、高速回転時と比べより多くの潤滑油Ｂが開口側先端から排出されるようにすることで、湿式摩擦板係合装置の通常の使用状態における引き摺りトルクを減少させ、燃費を向上させることが可能となる。
【００１６】
本発明の潤滑・冷却構造が組込まれたクラッチと従来のクラッチを使用した場合における、クラッチの回転数に対する引き摺り損失を図５に示す。
この図から、本発明の潤滑・冷却構造が組込まれているクラッチは、従来のクラッチと比べ、低速回転時における引き摺りトルクを減少させることに大きな効果があることが分かる。
【００１７】
【発明の効果】
本発明によれば、ハブの内面を、潤滑油がハブの開口側先端から漏れやすいように、開口方向に径が大きくなるテーパ状にすることで、湿式摩擦板係合装置の通常の使用状態である低速回転時における引き摺りトルクを減少させ、燃費を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の潤滑・冷却構造が組込まれた湿式摩擦係合装置の部分断面図。
【図２】図１の摩擦係合装置の低速回転時における潤滑油の流れを示す説明図。
【図３】図１の摩擦係合装置の高速回転時における潤滑油の流れを示す説明図。
【図４】従来の湿式摩擦係合装置の部分断面図。
【図５】本発明の潤滑・冷却構造が組込まれたクラッチと従来のクラッチの引き摺りトルクを示す図。
【符号の説明】
１０：湿式摩擦係合装置
２０：ハブ
２２：開口側先端
２４：油穴
３０：摩擦板
４０：メイティングプレート
Ｄ：ドラム
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用トランスミッション又は産業用又は建設機械用トランスミッションに用いられる湿式摩擦係合装置に効率よく冷却用潤滑油を供給して潤滑・冷却するための構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、湿式摩擦係合装置は、例えば、自動車用オートマチックトランスミッション、又は、産業用若しくは建設機械用トランスミッション等において、回転力を伝達したりその伝達を切ったりする装置として使用されている。
このような湿式摩擦係合装置は、図４に示すように、摩擦板３０、メイティングプレート４０が交互に配設されたドラムＤ内に、作動油Ａに押圧されて摩擦板３０、メイティングプレート４０を互いに圧接させるピストンＰと、このピストンＰを摩擦板３０、メイティングプレート４０から離れる方向に付勢するスプリングＳを受け止めるスプリング受けＳＲとが収納された構成になっている。
【０００３】
湿式摩擦係合装置１０Ａは、ピストンＰが摩擦板３０、メイティングプレート４０を押圧したとき係合状態になって回転力を伝達し、ピストンＰが摩擦板３０、メイティングプレート４０から離れたとき解放状態になって回転力の伝達を断つ。
湿式摩擦係合装置１０Ａが係合状態になるとき、摩擦板３０とメイティングプレート４０は、互いにスリップしながら圧接させられるため、発熱し、高温になる。このため、摩擦板３０、メイティングプレート４０は、循環する冷却用潤滑油Ｂによって冷却されるようになっている。
潤滑油Ｂは、ハブ２０内面の開口側先端２２に設けられた段差により、回転速度に拘らず先端から漏れないようになっており、回転速度に拘らず、全ての潤滑油Ｂが、潤滑油を流通させるためにハブ２０に径方向に設けられた油穴２４から排出される構造となっている。
【０００４】
ところが、このような湿式摩擦係合装置１０Ａでは、摩擦板３０、メイティングプレート４０の冷却効果を高めるためには、多量の潤滑油Ｂを供給しなければならず、オイルポンプ（図示省略）の駆動力を増大させなければならないという問題を有する。
【０００５】
又、冷却効果を高めるべく潤滑油Ｂの供給量を増やすと、湿式摩擦係合装置１０Ａの解放状態において、潤滑油Ｂが摩擦板３０又はメイティングプレート４０によって常時掻き回されることになるので、いわゆる「フリクションロス」のために、燃費が悪化するという問題も有する。
【０００６】
又、摩擦板３０、メイティングプレート４０の潤滑油Ｂによる冷却が必要なのは高速回転時であり、通常の使用状態である低速回転時においては潤滑油Ｂが過多となる場合が多い。そのため、通常の使用状態においては、使用される潤滑油Ｂの粘性により引き摺りトルクが発生し、引き摺り損失を招き、効率の低下の原因となっている。
【０００７】
これに対し、少ない潤滑油量で充分に湿式摩擦係合装置の係合部を冷却することのできる湿式クラッチの潤滑・冷却構造がある（例えば、特許文献１。）。
これは、潤滑油溜まりと潤滑油供給油路とを具えたもので、潤滑油を潤滑油供給路を介して潤滑油溜まりに供給するとともに、潤滑油溜まりの開口から排出するようにしたことを特徴とする。
なお、特許文献１では、発明の名称は「潤滑構造」となっているが、潤滑油は摩擦する部分の摩耗を防止するという潤滑のみを目的とするのではなく、熱を逃がすこと、すなわち、冷却をも目的として供給されるのであるから、正確には、「潤滑・冷却構造」というべきものである。
【０００８】
これによると、摩擦面には十分な冷却用潤滑油が供給されるとともに潤滑油に十分熱が伝えられ、また、潤滑油溜まり内の潤滑油は摩擦面より外径側から潤滑油溜まりの開口へと確実に移動し排出されるため、潤滑油に熱が溜まることがなく、この結果、少ない潤滑油量で充分に摩擦面を冷却することができるとされている。
また、潤滑油溜まりに摩擦係合要素の非係合時において開口し潤滑油溜まり内の潤滑油を排出する潤滑油排出口を設けることで、摩擦係合要素の非係合時におけるクラッチの引き摺りトルクが小さくなり、動力損失が減り、燃費を向上させることができるとされている。
【０００９】
【特許文献１】
特開平１０−００９２８７号公報（第２〜４頁）
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献１の潤滑・冷却構造は機能を実現させるための構成が複雑であり、また多くの構成要素が必要であるため、湿式摩擦板係合装置の小型化が困難となるという問題を有する。
本発明は、上述の問題に鑑み、構成が比較的簡単で、通常の使用状態における引き摺りトルクを減少させることが可能な湿式摩擦板係合装置の潤滑・冷却構造を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハブにスプライン嵌合された摩擦板と、ドラムにスプライン嵌合されたメイティングプレートとが交互に配置され、前記摩擦板とメイティングプレートとが係合することによりトルクが伝達されるようになっており、前記ハブに冷却用潤滑油を流通させる油穴が設けられている湿式摩擦係合装置において、前記ハブの内面がその開口側先端に向かって径が大きくなる階段状のテーパ状であり、各段に前記油穴が配置されていることを特徴とする湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造により、前記の課題を解決した。
【００１２】
【作用】
本発明によれば、ハブの内面を潤滑油がハブの開口側先端から漏れやすいように、開口方向に径が大きくなる階段状のテーパ状にすることで、低速回転時には多量の潤滑油が排出されるようになり、その結果、湿式摩擦板係合装置の通常の使用状態における引き摺りトルクを減少させることが可能となり、燃費を向上させることができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図１に基づいて説明する。
湿式摩擦係合装置１０は、図１に示すように、ハブ２０にスプライン嵌合された摩擦板３０とドラムＤにスプライン嵌合されたメイティングプレート４０とが交互に配置され、摩擦板３０とメイティングプレート４０とが係合することによりトルクを伝達する。
ドラムＤ内には、作動油Ａに押圧されて摩擦板３０、メイティングプレート４０を互いに圧接させるピストンＰと、このピストンＰを摩擦板３０、メイティングプレート４０から離れる方向に付勢するスプリングＳを受け止めるスプリング受けＳＲとが収納された構成になっている。
【００１４】
ハブ２０の内面は、潤滑油Ｂがハブ２０の開口側先端２６から漏れやすいように、階段状のテーパ状にしてあり、その各段に、ハブ２０の径方向に油穴２４が配置されている。各油穴２４の入口周辺は窪んだ形状となっている。
ハブ２０の内面が階段状でなく、単にテーパ状であると、軸心から飛散する潤滑油の殆どが開口側先端から漏れてしまう傾向になるが、このように、ハブ２０の内面を階段状のテーパ状とすることで、遠心力が比較的大きい高速回転時には、軸心から飛散する潤滑油を確実に捕集して油穴２４から排出させることが可能になる。
テーパの角度及び窪みの深さは、潤滑油量及び回転数の使用条件に応じて調整されるものであるが、テーパ角度は５〜１０°、窪みの深さは０．２〜１ｍｍの範囲にあることが好ましい。
【００１５】
この形状により、遠心力が比較的小さい低速回転時には、図２に示すように潤滑油Ｂは油穴２４からだけでなくハブ２０の開口側先端２６からも排出され、遠心力が比較的大きい高速回転時には、図３に示すように、潤滑油Ｂがハブ２０の開口側先端２６から漏れずに、殆ど油穴２４から排出される。
このように、低速回転時に、高速回転時と比べより多くの潤滑油Ｂが開口側先端から排出されるようにすることで、湿式摩擦板係合装置の通常の使用状態における引き摺りトルクを減少させ、燃費を向上させることが可能となる。
【００１６】
本発明の潤滑・冷却構造が組込まれたクラッチと従来のクラッチを使用した場合における、クラッチの回転数に対する引き摺り損失を図５に示す。
この図から、本発明の潤滑・冷却構造が組込まれているクラッチは、従来のクラッチと比べ、低速回転時における引き摺りトルクを減少させることに大きな効果があることが分かる。
【００１７】
【発明の効果】
本発明によれば、ハブの内面を、潤滑油がハブの開口側先端から漏れやすいように、開口方向に径が大きくなるテーパ状にすることで、湿式摩擦板係合装置の通常の使用状態である低速回転時における引き摺りトルクを減少させ、燃費を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の潤滑・冷却構造が組込まれた湿式摩擦係合装置の部分断面図。
【図２】図１の摩擦係合装置の低速回転時における潤滑油の流れを示す説明図。
【図３】図１の摩擦係合装置の高速回転時における潤滑油の流れを示す説明図。
【図４】従来の湿式摩擦係合装置の部分断面図。
【図５】本発明の潤滑・冷却構造が組込まれたクラッチと従来のクラッチの引き摺りトルクを示す図。
【符号の説明】
１０：湿式摩擦係合装置
２０：ハブ
２２：開口側先端
２４：油穴
３０：摩擦板
４０：メイティングプレート
Ｄ：ドラム
Claims (2)
- ハブにスプライン嵌合された摩擦板と、ドラムにスプライン嵌合されたメイティングプレートとが交互に配置され、前記摩擦板とメイティングプレートとが係合することによりトルクが伝達されるようになっており、前記ハブに冷却用潤滑油を流通させる油穴が設けられている湿式摩擦係合装置において、
前記ハブの内面がその開口側先端に向かって径が大きくなる階段状のテーパ状であり、各段に前記油穴が配置されていることを特徴とする、
湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造。 - 前記油穴の入口周辺が窪んだ形状である、請求項１の湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003036055A JP2004245332A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造 |
| US10/778,004 US6976567B2 (en) | 2003-02-14 | 2004-02-12 | Lubricating and cooling structure of wet type friction engagement apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003036055A JP2004245332A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004245332A true JP2004245332A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33021261
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003036055A Withdrawn JP2004245332A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 湿式摩擦係合装置の潤滑・冷却構造 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6976567B2 (ja) |
| JP (1) | JP2004245332A (ja) |
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| JP4588651B2 (ja) | 2006-02-24 | 2010-12-01 | トヨタ自動車株式会社 | 摩擦係合装置 |
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| DE102007035517A1 (de) * | 2007-07-28 | 2009-01-29 | Zf Friedrichshafen Ag | Kupplungsanordnung |
| US8459432B2 (en) * | 2008-02-28 | 2013-06-11 | Magna Powertrain, Inc. | Friction clutch and method to reduce drag loss in friction clutch |
| DE102011005132B4 (de) | 2011-03-04 | 2021-12-16 | Zf Friedrichshafen Ag | Anbindung einer als Lamellenbremse ausgeführten Wellenbremse an eine Getriebewelle eines Schiffsantriebs |
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