JP2005133794A - 湿式多板クラッチ用のハブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 潤滑油の漏れ防止の堰部を簡易な製造工程により設けること、また、潤滑油をハブの外周側のフリクションプレート等に充分な潤滑油を供給すること。
【解決手段】 ハブ10の外筒部11の内周面の側面側の端部付近には、止め輪20が配置してあり、この止め輪20により、堰部が構成されている。また、ハブ10の外筒部11の内周面には、円周上、複数のリブ14が形成されており、当該リブ14と止め輪20とによって、複数の部屋Rが形成されている。従って、ハブ10の回転による遠心力を受けた潤滑油が油孔13を通じて外筒部11の外周へ潤滑油が流れるようになり、ハブ10の端部から潤滑油が漏れにくくなる。
【選択図】 図3
【解決手段】 ハブ10の外筒部11の内周面の側面側の端部付近には、止め輪20が配置してあり、この止め輪20により、堰部が構成されている。また、ハブ10の外筒部11の内周面には、円周上、複数のリブ14が形成されており、当該リブ14と止め輪20とによって、複数の部屋Rが形成されている。従って、ハブ10の回転による遠心力を受けた潤滑油が油孔13を通じて外筒部11の外周へ潤滑油が流れるようになり、ハブ10の端部から潤滑油が漏れにくくなる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、例えば、自動変速機等に用いられる湿式多板クラッチ用のハブに関する。
自動変速機等に用いられる湿式多板クラッチでは、例えば、複数枚のフリクションプレートがハブの外周に取付けてあり、複数枚のフリクションプレートの間には、夫々、複数枚のセパレータプレートが介装してあり、これらセパレータプレートは、クラッチケースまたは自動変速機のケースの内周に取付けてある。これらフリクションプレートとセパレータプレートとの間の空間には、潤滑油が供給されている。例えば、ピストンが駆動されると、フリクションプレートとセパレータプレートとが密着されて、摩擦伝動されるようになっている。
図9は、従来に係る湿式多板クラッチ用のハブの斜視図である。図10は、従来に係る湿式多板クラッチ用のハブの要部の断面図である。
湿式多板クラッチ用のハブ10は、軸方向に延びる筒状の外筒部11を有しており、この外筒部11の外周には、スプライン12が形成され、内外周を貫通する(径方向に延びた)油孔13が設けられている。また、外筒部11の内側には、補強用の複数個のリブ14が形成されている。
また、湿式多板クラッチ用のハブ10は、アルミダイキャスト製であり、外筒部11の内周面は、抜き勾配が必要であることから、端部側ほど径が大きくなるように、傾斜して形成されている。
しかし、外筒部11の内周面は、端部側ほど径が大きくなるように傾斜して形成されていると、潤滑油は、ハブ10の回転時に作用する遠心力によって、油孔13を介して径方向外方に流されるだけでなく、外筒部11の傾斜した内周面に沿って端部方向に流されて、外筒部11の端部から漏れるといったことがある。
このようなことから、特許文献1では、ハブの外筒部の内周側の端部に、堰部が一体的に形成されている。この堰部により、外筒部11の端部からの潤滑油の漏れが防止されている。
特開2000−120722号公報
しかしながら、上記特許文献1の構造では、アルミダイキャスト製の抜き勾配等の関係から、潤滑油の漏れ防止のために堰部を成形する工程が煩雑であり、製造工程が複雑化するといったことがあり、また、ハブの外筒部の内周側の端部に、単に、堰部を形成するだけでは、潤滑油をハブの外周側のフリクションプレート等に供給する潤滑油の供給量に偏りが生じ、潤滑油を均一に且つ十分に供給できないといったことがある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、潤滑油の漏れ防止の堰部を簡易な製造工程により設けることができ、また、潤滑油をハブの外周側のフリクションプレート等に充分な潤滑油を供給することができ、さらに、ハブの外周側への潤滑油の供給量の偏りを解消することができる湿式多板クラッチ用のハブを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る湿式多板クラッチ用のハブは、外周にスプラインが形成され、かつ内外周を貫通する油孔が設けられた外筒部を備えた湿式多板クラッチ用のハブにおいて、
前記外筒部の内周には、止め輪が配置されていることを特徴とする。
前記外筒部の内周には、止め輪が配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記外筒部の内周には、前記止め輪が配置されている位置まで延在するリブが形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記止め輪は、最も内径側に位置する前記油孔の開口部の中心よりさらに内径側まで突出していることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記止め輪は、合い口がないことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る湿式多板クラッチ用のハブは、外周にスプラインが形成され、かつ内外周を貫通する油孔が設けられた外筒部を備えた湿式多板クラッチ用のハブにおいて、
前記外筒部の内周には、リング状部材が配置されていることを特徴とする。
前記外筒部の内周には、リング状部材が配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記リング状部材は、止め輪により支持されていることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記リング状部材は、圧入によって取付けられていることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記リング状部材は、加締めによって取付けられていることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記リング状部材は、合成樹脂製であることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記リング状部材は、可撓性部分を備え、当該可撓性部分によって、前記外筒部の内周に弾性係合していることを特徴とする。
本発明の請求項11に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記止め輪又は前記リング状部材に隣接して、シール部材を設置したことを特徴とする。
本発明の請求項12に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記シール部材は、Oリング、又は、Dリングであることを特徴とする。
本発明の請求項13に係る湿式多板クラッチ用のハブは、外周にスプラインが形成され、かつ内外周を貫通する油孔が設けられた外筒部を備えた湿式多板クラッチ用のハブにおいて、
前記外筒部の内周側の開口端部付近、または前記リブ以外の部分を底深に形成したことを特徴とする。
前記外筒部の内周側の開口端部付近、または前記リブ以外の部分を底深に形成したことを特徴とする。
本発明の請求項14に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記底深に形成された部分は、前記外筒部の内周側の開口端部に向かって徐々に浅く形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項15に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記外筒部内周側の前記油孔の開口部が、当該油孔の他の箇所に比べて大きく形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項16に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記油孔のうち、前記外筒部内周面の大径部に開口部を有する油孔全体の正面側総断面積は、前記外筒部内周面の小径部に開口部を有する油孔全体の正面側総断面積より小さいことを特徴とする。
本発明の請求項17に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記油孔のうち、奥まった位置に配置されているものの油孔全体の正面側総断面積は、他の箇所に配置されているものより大きいことを特徴とする。
本発明の請求項18に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記油孔は、リブとリブとの間の中心よりリブ寄りに設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項19に係る湿式多板クラッチ用のハブは、前記油孔は、回転方向とは逆側に位置するリブ寄りに設けられていることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、ハブの回転による遠心力を受けた潤滑油が油孔を通じて外筒部の外周へ潤滑油が流れるようになり、ハブの端部から潤滑油が漏れにくくなる。また、製造容易な簡単な構成でありながら、このような効果が得られる。さらに、ハブ外周側のどの位置に対しても、潤滑油がほぼ均等に行き渡るようになる。
一方、油孔については、外筒部内周面の小径部、又は奥まった位置に設置されている油孔の正面側総断面積を他の箇所に設けられた油孔のものより大きくしている。なお、この「油孔の正面側断面積」とは、潤滑油が流れる方向(すなわち径方向)に対して油孔を垂直に切った断面の断面積を意味する。
以下、本発明の実施の形態に係る湿式多板クラッチ用のハブを図面を参照しつつ説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る湿式多板クラッチの断面図である。図2は、図1に示した湿式多板クラッチ用のハブの斜視図である。図3(a)は、図1に示した湿式多板クラッチ用のハブの要部の断面図である。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る湿式多板クラッチの断面図である。図2は、図1に示した湿式多板クラッチ用のハブの斜視図である。図3(a)は、図1に示した湿式多板クラッチ用のハブの要部の断面図である。
図1に示すように、湿式多板クラッチ1では、例えば、複数枚のフリクションプレート2の内径側端部がハブ10の外周に取付けてあり、複数枚のフリクションプレート2の間には、夫々、複数枚のセパレータプレート3が介装してあり、これらセパレータプレート3の外径側端部は、クラッチケース4の内周に取付けてある。これらフリクションプレート2とセパレータプレート3との間の空間には、潤滑油が供給されている。例えば、ピストン5が駆動されると、フリクションプレート2とセパレータプレート3とが密着されて、摩擦伝動されるようになっている。
湿式多板クラッチ用のハブ10は、軸方向に延びる筒状の外筒部11を有しており、この外筒部11の外周には、スプライン12が形成され、内外周を貫通する(径方向に延びた)油孔13が設けられている。また、外筒部11の内周面には、補強用の複数個のリブ14が軸方向に延在して形成されている。
本実施の形態では、ハブ10の外筒部11の内周面の側面側の端部付近には、止め輪20が配置してあり、この止め輪20により、堰部が構成されている。
また、ハブ10の外筒部11の内周面には、上記のように、円周上、複数のリブ14が形成されており、当該リブ14と止め輪20とによって、複数の部屋R(図2)が形成されている。
従って、ハブ10の回転による遠心力を受けた潤滑油が油孔13を通じて外筒部11の外周へ潤滑油が流れるようになり、ハブ10の端部から潤滑油が漏れにくくなる。
また、止め輪20を嵌め込む構造であるため、従来のように堰部を一体的に形成する場合に比べて、製造工程の簡略化を図ることができる。
また、図2に示すように、止め輪20の合口をリブ14に合わせることによって、合口からの潤滑油の漏れを防ぐことができる。
また、ハブの製造過程において、外筒部11の内周面には、図3(a)に示すような傾斜、いわゆる抜き勾配が形成される場合がある。このような場合には、少なくとも止め輪20の外筒部11内周面に対する高さ(A)を、最も内径側に開口部を有する油孔13の中心よりも内径側まで、突出させる必要がある。
すなわち、図3(a)中に示す止め輪の高さ(A)を確保する必要がある。尚、前記傾斜がない場合には、止め輪20の内径側への突出量は、0.5mm以上あればよい。
また、図2には。合口が存在するいわゆるC型の止め輪20を用いた例を示しているが、止め輪20は、このようなものに限定されるものではなく、二重巻の止め輪等の1.0巻き以上の止め輪のように、合口が存在しないものを用いることによって、堰部としてより優れた効果を得ることができる。
(第2実施の形態)
図3(b)は、本発明の第2実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
図3(b)は、本発明の第2実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
本実施の形態では、外筒部11の端部付近まで、リブ14を延在させ、このリブ14の先端部分に、リング状部材21を当接させて、止め輪20により、リング状部材21の抜け止めを行っている。
このような構成によって、リング状部材21が堰部の機能を発揮する。従って、ハブ10の回転による遠心力を受けた潤滑油が油孔13を通じて外筒部11の外周へ潤滑油が流れるようになり、ハブ10の端部から潤滑油が漏れにくくなる。また、リング状部材21を堰部として用いる構造であるため、従来のように堰部を一体的に形成する場合に比べて、製造工程の簡略化を図ることができる。
尚、外筒部11の内周面に傾斜がない場合、リング状部材21の内径側への突出量は、0.5mm以上あればよい。また、リング状部材21は、各種金属材料の他、合成樹脂を成形したものであっても良い。
(第3実施の形態)
図4(a)は、本発明の第3実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
図4(a)は、本発明の第3実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
本実施の形態を含め、以下に述べる実施の形態では、リング状部材21は、外筒部11の端部付近に設けられた凹溝22に配置されている。
本実施の形態では、外筒部11の端部付近までリブ14を延在させ、このリブ14の先端部分に、リング状部材21を当接させている。このリング状部材21は、圧入、加締め、又は、圧入と加締めの両方によって、取付けられている。
このような構成をとることによって、リング状部材21が堰部の機能を発揮する。従って、ハブ10の回転による遠心力を受けた潤滑油が油孔13を通じて外筒部11の外周へ潤滑油が流れるようになり、ハブ10の端部から潤滑油が漏れにくくなる。また、リング状部材21を堰部として用いる構造であるため、従来のように堰部を一体的に形成する場合に比べて、製造工程の簡略化を図ることができる。
(第4実施の形態)
図4(b)は、本発明の第4実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
図4(b)は、本発明の第4実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
本実施の形態では、可撓部分を備えたリング状部材21を用いたものである。可撓部分は、リング状部材21の外周フランジ23に設けられている。
この可撓部分は、リング状部材21を合成樹脂製のものとしたり、外周フランジ23に、スリットや切欠きなどを設けることによって構成しても良い。
また、この外周フランジ23の外周面には、突起24が設けられていて、外筒部11の内周面に設けられた凹溝25に嵌合する仕組みになっている。
リング状部材21を取付ける際、可撓部分(外周フランジ23)が撓んで、外筒部11の内周面を滑ることによって、突起24を凹溝25の位置まで移動させることが可能となる。
リング状部材21をこのような構成とすることによって、リング状部材21のハブ10への取付けを容易に行うことが可能になる。
また、ハブ10の回転による遠心力を受けた潤滑油が油孔13を通じて外筒部11の外周へ潤滑油が流れるようになり、ハブ10の端部から潤滑油が漏れにくくなる。また、リング状部材21を堰部として用いる構造であるため、従来のように堰部を一体的に形成する場合に比べて、製造工程の簡略化を図ることができる。
(第5実施の形態)
図4(c)は、本発明の第5実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
図4(c)は、本発明の第5実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
本実施の形態は、止め輪20に隣接して、シール部材30を配置したものである。
止め輪20の取付けは、上述した各実施の形態のいずれの場合にも適用することが可能である。
具体的には、止め輪20をリブ14に当接させて、その外側(リブ14の反対側)に、シール部材30を配置したものである。このシール部材30には、OリングやDリングを用いることができる。
このように、シール部材30を介在させることによって、止め輪20と外筒部11の内周面との間の隙間からの潤滑油の漏れを防ぐことが可能となり、より効率的に油孔13から潤滑油を供給することが可能となる。
図4(d)は、本発明の第5実施の形態の変形例に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
本変形例では、外筒部11の端部付近まで、リブ14を延在させ、このリブ14の先端部分に、リング状部材21を当接させて、止め輪20により、リング状部材21の抜け止めを行っている。
また、外筒部11に凹溝26が形成してあり、この凹溝26に、シール部材30が収納してあり、リング状部材21に当接させてある。このシール部材30には、OリングやDリングを用いることができる。
このように、シール部材30を介在させることによって、リング状部材21と外筒部11の内周面との間の隙間からの潤滑油の漏れを防ぐことが可能となり、より効率的に油孔13から潤滑油を供給することが可能となる。
本変形例では、リング状部材21を止め輪20を用いて固定しているが、第3実施の形態のように、リング状部材21をかしめによって固定してもよい。
(第6実施の形態)
図5(a)は、本発明の第6実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
図5(a)は、本発明の第6実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
本実施の形態では、外筒部11の内周側の開口端部付近又はリブ14以外の部分に、深底部40が形成してある。
即ち、外筒部11の内周面に、深底部40が形成してある。この深底部40は、端部に向けて徐々に内径が小さくなような傾斜が設けられている。
尚、前記傾斜がない場合には、深底部40の深さは、0.5mm以上あればよい。本実施の形態では、潤滑油が流れ込み難い奥まった箇所へも充分に潤滑油を供給することができるという効果がある。
(第7実施の形態)
図5(b)は、本発明の第7実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
図5(b)は、本発明の第7実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。
本実施の形態では、外筒部11の内周側の油孔13の開口部13aが、油孔13の他の箇所に比べて大きく形成されている。
ハブ10の端部付近に段部41を設け、リング状部材21を段部41及びリブ14に当接させ、これを止め輪20で支持することによって、堰部を構成している。
尚、油孔13の開口部13aを大きくすることは、上述した各実施例にも適用することが可能である。
(第8実施の形態)
図6は、本発明の第8実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。図7(a)(b)は、それぞれ、第8実施の形態のハブ外周面の展開図である。図8は、図3のBーB断面図である。
図6は、本発明の第8実施の形態に係る湿式多板クラッチのハブの要部の断面図である。図7(a)(b)は、それぞれ、第8実施の形態のハブ外周面の展開図である。図8は、図3のBーB断面図である。
図3(a)に示したハブ10のように、外筒部11の内周面に傾斜が形成されているものは、止め輪20付近に潤滑油が溜まりやすいため、内径の小さい部分に設けられた油孔(図3(a)中最も右側に位置する油孔)や、あるいは図6に示すように最も奥まった位置にある油孔13には、潤滑油が行き渡り難い。
そこで、本実施の形態では、図6において、図6中右側へ位置する油孔13の正面側総断面積を、図6中左側へ位置するものよりも大きくする。
また、例えば、図7(a)に示すように、外筒部11の内周面の内径が小さい箇所や、奥まった位置に設けられた油孔13の数を他の箇所よりも多く設置する。
また、図7(b)に示すように、外筒部11の内周面の内径が小さい箇所や、奥まった位置に設けられた油孔13の断面積そのものを大きくしたりする。
このようにすることによって、内径の小さい部分、あるいは奥まった位置に設けられた油孔13へ潤滑油が流れ込みやすくなり、ハブ10の外周側のどの位置にもほぼ均等に潤滑油を供給することが可能となる。また、油孔13の数、及び断面積の両方を任意に設定して、外筒部11の内周面の内径が小さい箇所や、奥まった位置にある油孔の正面側総断面積を大きくしてもよい。
また、図8に示すように、油孔13は、リブ14とリブ14との間の中心部よりリブ14側に設ける。ハブ10が回転すると、潤滑油がリブ14によって、堰とめられているため、潤滑油が回転方向に対して、逆側のリブ14に堰きとめられることになる。
例えば図8中の矢印の方向に回転している場合は、図中に示すように潤滑油が溜まる状態となる。従って、油孔13を回転方向に対して逆側のリブ14寄りに設ければ、潤滑油は、スムーズに油孔13に流れ込む。尚、ハブ10が両方向回転する使用のものについては、図8に示すように、リブ14の両側に油孔13を設けるとより大きな効果が得られる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
1 湿式多板クラッチ
2 フリクションプレート
3 セパレータプレート
4 クラッチケース
5 ピストン
10 ハブ
11 外筒部
12 スプライン
13 油孔
13a 開口部
14 リブ
20 止め輪
21 リング状部材
22 凹溝
23 外周フランジ
24 突起
25 凹溝
26 凹溝
R 部屋
30 シール部材
40 深底部
2 フリクションプレート
3 セパレータプレート
4 クラッチケース
5 ピストン
10 ハブ
11 外筒部
12 スプライン
13 油孔
13a 開口部
14 リブ
20 止め輪
21 リング状部材
22 凹溝
23 外周フランジ
24 突起
25 凹溝
26 凹溝
R 部屋
30 シール部材
40 深底部
Claims (19)
- 外周にスプラインが形成され、かつ内外周を貫通する油孔が設けられた外筒部を備えた湿式多板クラッチ用のハブにおいて、
前記外筒部の内周には、止め輪が配置されていることを特徴とする湿式多板クラッチ用のハブ。 - 前記外筒部の内周には、前記止め輪が配置されている位置まで延在するリブが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記止め輪は、最も内径側に位置する前記油孔の開口部の中心よりさらに内径側まで突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式多板クラッチ用ハブ。
- 前記止め輪は、合い口がないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチ用ハブ。
- 外周にスプラインが形成され、かつ内外周を貫通する油孔が設けられた外筒部を備えた湿式多板クラッチ用のハブにおいて、
前記外筒部の内周には、リング状部材が配置されていることを特徴とする湿式多板クラッチ用のハブ。 - 前記リング状部材は、止め輪により支持されていることを特徴とする請求項5に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記リング状部材は、圧入によって取付けられていることを特徴とする請求項5に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記リング状部材は、加締めによって取付けられていることを特徴とする請求項5に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記リング状部材は、合成樹脂製であることを特徴とする請求項5、請求項6、及び請求項8のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記リング状部材は、可撓性部分を備え、当該可撓性部分によって、前記外筒部の内周に弾性係合していることを特徴とする請求項5に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記止め輪又は前記リング状部材に隣接して、シール部材を設置したことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記シール部材は、Oリング、又は、Dリングであることを特徴とする請求項11に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 外周にスプラインが形成され、かつ内外周を貫通する油孔が設けられた外筒部を備えた湿式多板クラッチ用のハブにおいて、
前記外筒部の内周側の開口端部付近、または前記リブ以外の部分を底深に形成したことを特徴とする湿式多板クラッチ用のハブ。 - 前記底深に形成された部分は、前記外筒部の内周側の開口端部に向かって徐々に浅く形成されていることを特徴とする請求項13に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記外筒部内周側の前記油孔の開口部が、当該油孔の他の箇所に比べて大きく形成されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記油孔のうち、前記外筒部内周面の大径部に開口部を有する油孔全体の正面側総断面積は、前記外筒部内周面の小径部に開口部を有する油孔全体の正面側総断面積より小さいことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記油孔のうち、奥まった位置に配置されているものの油孔全体の正面側総断面積は、他の箇所に配置されているものより大きいことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記油孔は、リブとリブとの間の中心よりリブ寄りに設けられていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
- 前記油孔は、回転方向とは逆側に位置するリブ寄りに設けられていることを特徴とする請求項18に記載の湿式多板クラッチ用のハブ。
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