JP4574481B2 - 自動変速機のドラムクラッチ - Google Patents

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本発明は、自動変速機のドラムクラッチに関するものである。
従来のドラムクラッチには、クラッチドラムの内側にクラッチピストンを配してシリンダ室を形成する一方、このクラッチピストンの背面に凹部を形成すると共に当該凹部の内側に遠心キャンセルプレートを配して前記シリンダ室の最外径位置よりもその最外径位置が外側になる遠心キャンセル室を形成したものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平2-296072号公報
かかる構成によれば、ドラムクラッチの径方向においてシリンダ室が占める割合を小さくするため、シリンダ室を、クラッチピストンの押圧部の半径方向内側に軸方向重なるようにレイアウトして、軸方向寸法の短縮化が図っている。また、上記文献1に開示したドラムクラッチ(以下、「従来クラッチA」という。)は、クラッチドラムの筒状部内側面に、摩擦要素を介して直結・切断が行われるクラッチハブの外側面が対向配置されるため、結果として、遠心キャンセルプレートはクラッチハブの内径側に設けられることになるから、外径寸法の規制がなく、比較的大径にすることができる。
加えて、従来クラッチAは、遠心キャンセルプレートの内径側に切り欠き溝を設け、この切り欠き溝から遠心キャンセル室内の作動油をドレンさせることにより、遠心キャンセル室の有効径を減少させることなく余分な遠心キャンセル油の排出を可能としている。
しかしながら、上記従来クラッチAは、その回転メンバが高回転メンバであったり、高回転領域での使用頻度が高い使用状況下では、遠心キャンセルプレートに大きな遠心力が作用してその応力が切り欠き溝に集中するため、遠心キャンセルプレートに対する強度の確保が困難になるという問題がある。
これに対し、従来クラッチAを基に、遠心キャンセルプレートの内径側を切り欠くのではなく、単純に排出孔を設けることも考えら得るが、通常、遠心キャンセルプレートの内径側には、スナップリングを保持するための凹部や、スプリングの倒れを防止するための張り出し部などが形成されており、これらを避けて油の排出機能を妨げないだけの排出孔を形成することは非常に困難である。
また、他の従来クラッチとして、遠心キャンセルプレートの内径側に固着された回転シャフトに油路を形成し、この油路に通じるように、遠心キャンセルプレートの背面に溝を設けたものもある(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001-41261号公報
上記文献2に開示したドラムクラッチ(以下、「従来クラッチB」という。)によれば、その回転メンバが高回転メンバであったり、高回転領域での使用頻度が高い使用状況下においても、遠心キャンセルプレートに対する強度を確保することができる。
しかしながら、従来クラッチBでは、遠心キャンセル室の最外径位置がシリンダ室の最外径位置よりも外側にあるため、遠心キャンセル室に作用する遠心油圧の方がシリンダ室に作用する遠心油圧よりも常に過剰となる。このため、従来クラッチBの回転メンバが低回転であったり、低回転領域での使用頻度が高い使用状況下では、過剰となる遠心油圧がそれ程大きくならないために有効であるが、回転メンバが高回転であったり、高回転領域での使用頻度が高いクラッチに使用した場合には、過剰となる遠心油圧が非常に過大になるため、クラッチの作動油として大きな油圧を与える必要があり、油圧増加によりフリクションが増加して燃費の悪化を招く。
即ち、従来クラッチBの構造を、回転メンバが高回転メンバであったり、高回転領域での使用頻度が高いクラッチに採用した場合、実際にクラッチピストンを作動させるシリンダ室の最外径位置が遠心キャンセル室の最外径位置よりも内側にあるため、燃費の悪化を招くという新たな問題が発生する。
本発明は、上述した事実認識の基になされたものであり、その解決すべき課題は、遠心キャンセル室を内蔵したドラムクラッチであって、特に、遠心キャンセル室の最外径位置がクラッチピストンのシリンダ室の最外径位置よりも外側になるドラムクラッチに関して、燃費の悪化を招くことなく、遠心キャンセルプレートの強度を確保することにある。
請求項1に係る発明は、底部と当該底部から軸方向に伸びる筒状部とを有し、回転メンバに連結するクラッチドラムと、このクラッチドラムの筒状部内側面に対向配置される外側面を有して他の回転メンバに繋がるクラッチハブと、このクラッチハブの外側面と前記クラッチドラムの筒状部内側面との間に配した摩擦要素と、前記クラッチドラムの内側に摺動可能に配置され、当該クラッチドラムの前記底部との間にシリンダ室を形成するクラッチピストンと、前記クラッチピストンとの間に遠心キャンセル室を形成する遠心キャンセルプレートと、前記遠心キャンセルプレートと前記クラッチピストンとの間に配置され、一端側が前記クラッチピストンと当接し、他端側は前記遠心キャンセルプレートに設けられた座部に着座し、前記クラッチピストンを前記シリンダ室方向へ付勢する複数のリターンスプリングと、
前記リターンスプリングの中心にあたる部分を打ち抜いて前記リターンスプリングの他端を一体的にかしめて、かしめ孔を形成すると共にその背面が前記遠心キャンセルプレートに当接している環状のスプリングリテーナと、
で構成したドラムクラッチであって、
前記シリンダ室の最外周位置よりもその最外周位置が外側になる遠心キャンセル室を備えた自動変速機のドラムクラッチにおいて、
前記座部は、前記かしめ孔と、該かしめ孔のうちの少なくとも1つと重なり合うように周方向に伸びる長孔を有し、
前記リターンスプリングの環状のスプリングリテーナのかしめ孔と前記遠心キャンセルプレートの前記座面の長孔とで、前記遠心キャンセル室の内部と外部とを連通する貫通孔を形成し該貫通孔から前記遠心キャンセル室内部の油を外部へ排出するようにしたことを特徴とするものである。
請求項1に係る発明は、遠心キャンセル室の最外径位置がシリンダ室の最外径位置よりも外側に設けられ、軸方向寸法の短縮を図った自動変速機のドラムクラッチにおいて、遠心キャンセル室の油を外部に排出させるにあたり、遠心キャンセルプレートの座部の、複数のリターンスプリングの軸中心に対応する位置に貫通孔を設ける。
かかる構成によれば、遠心キャンセル室の油を逃がす構造が切り欠き溝ではなく、貫通孔であるから、切り欠き溝よりも応力集中が小さく済むため、遠心キャンセルプレートの強度を確保しやすく耐久性が向上する。しかも、請求項1に係る発明は、スプリングリテーナに形成された既存のかしめ孔から遠心キャンセルプレートに設けた貫通孔を通して遠心キャンセル室の油を排出する構成であるから、内周側の狭い領域で、かつスナップリングを保持するための凹部や、スプリングの倒れを防止するための張り出し部などを避けて孔を形成する必要が無く、比較的容易に形成できる。
加えて、請求項1に係る発明によれば、クラッチドラム及びクラッチハブが高回転であったり、高回転領域での使用頻度が高い使用状況下であっても、遠心キャンセル室に作用する遠心油圧の方がシリンダ室に作用する遠心油圧よりも過剰とはならないから、クラッチの作動油として大きな油圧を与える必要がなく、燃費の悪化を招かない。
従って、請求項1に記載の発明によれば、大きな設計変更や燃費の悪化を招くことなく、遠心キャンセル室をその外部に通じさせる油路を形成するにあたっての自由度を確保すると共に、遠心キャンセルプレートの強度の向上を図ることができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、座部を遠心キャンセルプレートとは別体で構成するスプリングリテーナについて、複数のコイルスプリングを打ち抜きにより一体にかしめる際にかしめ孔が形成される点に着目し、本発明に係る貫通孔を、前記かしめ孔と、前記かしめ孔のうちの少なくとも1つと重なり合うように方向に伸びる長孔とで構成することが好ましい。この場合、スプリングリテーナと遠心キャンセルプレートとを合わせるときに、かしめ孔と長孔との位置合わせが不要であるから、組み付け作業性に優れた生産性の高いクラッチを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第一形態である自動変速機のドラムクラッチ100の上半分を側面から示す拡大断面図である。また、図2(a),(b)はそれぞれ、本発明に係る後述の遠心キャンセルプレート140を示す背面図及びそのX−X断面図である。
図1において、符号10は、遊星歯車機構GのサンギアSを一体に備える第一回転シャフト(回転メンバ)であり、本形態では、入力回転要素をなす。この第一回転シャフト10は、中空シャフトであって、その内部に、出力回転要素をなす第二回転シャフト20を相対回転可能に保持する。
符号110は、その内周部が第一回転シャフト10の一端部11に溶接された中空のコネクティングプレートである。符号111は、このコネクティングプレート110の外縁部に固定されるクラッチハブである。このクラッチハブ111の外側面にはスプラインが形成されており、該スプラインにクラッチドラム100の軸線Oに沿ってスライド可能に保持される複数のドライブプレート(摩擦要素)C1が設けられている。なお、本形態において、クラッチハブ111は、コネクティングプレート110と別体で構成しているが、一体に構成してもよい。
符号120は、その内周部が第二回転シャフト20の一端部21に溶接されたクラッチドラムである。このクラッチドラム120は、その内周部がシャフト端部21に溶接された底部121を有し、その内側には、シャフト端部21を包囲する環状の周壁122が一体に形成されている。底部121は更に、その外縁部に、回転シャフト220(軸線O)に沿って折り返されてドラム周壁122を包囲し、外周面にシールリング24を有する筒状部123が一体に形成されている。このドラム筒状部123の内側面は、クラッチハブ110の外側面に対向配置され、更に、その内側面にはスプラインが形成されており、該スプラインに軸線Oに沿ってスライド可能に保持される複数のドリブンプレート(摩擦要素)C2がドライブプレートC1と互い違いになるように設けられている。
符号130は、クラッチドラム120との間にシリンダ室R1を形成し、このシリンダ室R1に充填・排出される作動油の圧力(クラッチ圧)により当該クラッチドラム120内を摺動するクラッチピストンである。
クラッチピストン130は、第二回転シャフト端部21の外側面のシールリング24上を摺動可能に保持される筒状の内側摺動部131と、このピストン内側摺動部131と一体に繋がりドラム底部121の内側面に対向配置される第一受圧部132と、この第一受圧面132と一体に繋がりドラム周壁122の頂部と当接可能な第二受圧部133と、この第二受圧部133と一体に繋がりドラム周壁122のシールリング124上を摺動可能に保持される外側摺動部134とを有する。これにより、クラッチドラム120とクラッチピストン130との間には、シャフト端部21に設けた油路22から作動油が充填・排出されるシリンダ室R1が形成される。そして、このシリンダ室R1の、軸線Oからの最外径位置r1は、外側摺動部134の内周面位置となる。
ピストン外側摺動部134には、更に軸線Oに直交する径方向軸線に沿って伸びてドリブンプレートC2に向かって折り曲がる押圧部135が一体に繋がる。この押圧部135がドリブンプレートC2を押圧することにより、互いに離間して解放状態にあるドライブプレートC1とドリブンプレートC2との締結が行われる。このように、シリンダ室R1を、クラッチピストン130の押圧部135の半径方向内側に軸方向に重なるように配置することで軸方向寸法の短縮を図っている。
また、ピストン外側摺動部134の背面には、シャフト端部21を包囲する環状の周壁136が一体に繋がる。符号140は、第二回転シャフト端部21の外側面とピストン背面側周壁136の内側面とで区画された環状の凹部でクラッチピストン130に対して摺動可能に保持される遠心キャンセルプレートである。この遠心キャンセルプレート140は、その側面からリブ141が一体に軸方向他方側へ突出し、このリブ141がスナップリングS1の半径方向の広がりを抑えることにより、軸方向他方側への移動が規制される。また、遠心キャンセルプレート140は、その外縁部にシールリング142を備え、シリンダ室R1と対向する側には、シャフト端部21に設けた油路23から、油圧のかかっていない、例えば潤滑油が充填・排出される遠心キャンセル室R2が形成される。そして、遠心キャンセル室R2の、軸線Oからの最外径位置r2は、周壁136の内周面位置となり、シリンダ室R1よりも外径側となる。
遠心キャンセル室R2内には、スプリングリテーナアッシィ150が組み付けられている。このスプリングリテーナアッシィ150は、クラッチピストン130の第一受圧部132の軸線O周りに同軸配置され、クラッチピストンを一方側に付勢する複数のリターンスプリング151と、このリターンスプリング151の中心にあたる部分を打ち抜いて当該リターンスプリング151を一体にかしめて固定保持し、遠心キャンセルプレート140の座部を構成する環状のスプリングリテーナ152とからなる。
このため、スプリングリテーナアッシィ150は、リターンスプリング151の一端がクラッチピストン130の背面に設けた凹部の内底面、即ち、第一受圧部132の背面に着座する一方、スプリングリテーナ152の背面が遠心キャンセルプレート140の一方側側面に接触し、該遠心キャンセルプレート140を介してスナップリングS1により軸方向移動が規制される。
これにより、ドラムクラッチ100は、ドライブプレートC1とドリブンプレートC2とを締結すべくクラッチピストン130をドリブンプレートC2に向かって動作させるにあたり、シリンダ室R1内に通路22を通して作動油を供給する一方、遠心キャンセル室R2内にも通路23を通して油を供給すれば、クラッチドラム120の回転によりシリンダ室R1内に生じた遠心油圧を遠心キャンセル室R2内に生じた遠心油圧により相殺あるいは低減することができる。
しかしながら、本形態のように、遠心キャンセル室R2の最外径位置がシリンダ室R1の最外径位置よりも外径側にある場合には遠心キャンセル室R2内に生じた遠心油圧が過剰となり、クラッチピストン130の締結動作に必要なシリンダ室R1内に生じるクラッチ締結圧に影響を及ぼして応答性などが悪化することもある。
そこで、本形態では、複数のコイルスプリング151を打ち抜きにより一体にかしめる際にスプリングリテーナ152にかしめ孔1が形成される点に着目し、遠心キャンセル室R2内の油を排出にあたり、遠心キャンセルプレート140のかしめ孔1と整列する半径方向位置であって、コイルスプリング151の軸中心Osに対応する位置に、遠心キャンセル室R2内部を外界(遠心キャンセル室R2の外部)に通じさせる長孔2を設ける。なお、上記かしめ孔1と長孔2とで、本発明の貫通孔を構成している。
かかる構成によれば、遠心キャンセル室R2の遠心キャンセル油を逃がす構造が従来のような切り欠き溝ではなく、かしめ孔1に整列する長孔2であるから、切り欠き溝よりも応力集中が小さく済むため、遠心キャンセルプレート140の強度を確保しやすくなる。しかも、本形態は、スプリングリテーナ152に形成された既存のかしめ孔1から遠心キャンセルプレート140に設けた長孔2を通して遠心キャンセル室R2の油を排出する構成であるから、設計変更は遠心キャンセルプレート140だけで済み、ドラムクラッチ100全体を設計変更する必要がない。また、遠心キャンセルプレート140の内周側の狭い領域で、かつスナップリングを保持するためのリブ141や、スプリングの倒れを防止するための張り出し部などを避けて貫通孔を形成する必要が無く、比較的容易に形成できる。
加えて、本形態によれば、クラッチドラム120及びクラッチハブ111が高回転であったり、高回転領域での使用頻度が高い使用状況下であっても、遠心キャンセル室R2に作用する遠心油圧の方がシリンダ室R1に作用する遠心油圧よりも常に過剰とはならないから、ドラムクラッチ100の作動油として大きな油圧を与える必要がなく、燃費の悪化を招かない。
従って、本形態によれば、大きな設計変更や燃費の悪化を招くことなく、遠心キャンセル室R2を外界に通じさせる油路を形成するにあたっての自由度を確保すると共に、遠心キャンセルプレート140の強度の向上を図ることができる。
ここで、本形態を参照してクラッチドラムについての一般的な組み立て順序の概略を説明すると、概ね以下の4つの作業工程となる。
(作業工程1) クラッチドラム120の内側にクラッチピストン130を挿入して当該クラッチピストン130をドラム周壁122に摺動可能に嵌合させる。
(作業工程2) クラッチピストン130の背面に設けた凹部にスプリングリテーナアッシィ150を組み付ける。第一受圧部132の背面には、リターンスプリング151をそれぞれ着座させるための座部(図示省略)が形成されている。
(作業工程3) 遠心キャンセルプレート140を、スプリングリテーナアッシィ150を圧縮させながらクラッチピストンの凹部に挿入する。この場合、スプリングリテーナアッシィ150は、リターンスプリング151が前記座部にて着座するように位置合わせをしながら組み付けなければならない。
(作業工程4) 第二回転シャフト20の外周面に設けた溝にスナップリングS1を嵌合させて、遠心キャンセルプレート140に対する軸線O方向への移動を規制する。
しかしながら、長孔2を設けたドラムクラッチでは、作業工程3において、その長孔2を、スプリングリテーナ152に形成されたかしめ孔1に整列するように位置合わせをしながら組み付けなければならないため、組み立て作業性の点で改良の余地がある。
そこで、本形態では、図2に示すように、長孔2を、遠心キャンセルプレート140とスプリングリテーナアッシィ150とを合わせた状態において、スプリングリテーナ152に形成された複数のかしめ孔1のうちの少なくとも1つと重なり合うように軸線O周りに伸びる長孔とする。
図3(a)〜(c)はそれぞれ、本形態において、スプリングリテーナアッシィ150と遠心キャンセルプレート140とを異なる位相θで合わせた状態を示す背面図である。なお、図3において位相θは、図面上反時計回り方向を正とし、(a)は位相θ=0、(b)は位相θ>0、(c)は位相θ<0の状態を示す。
スプリングリテーナアッシィ150を形成する場合、各リターンスプリング151は、同一ピッチP1でスプリングリテーナ152にかしめられている。このため、遠心キャンセルプレート140に設けられる長孔2は、このピッチP1よりも広い幅L1を有するように形成する。かかる構成によれば、スプリングリテーナアッシィ150と遠心キャンセルプレート140とを位置合わせすることなくそのまま合わせても、図3に示すように長孔2に対してかしめ孔1の少なくとも1つは常に整列して、遠心キャンセル室R2を外界に通じさせることが可能となる。
この場合、スプリングリテーナアッシィ150と遠心キャンセルプレート140とを合わせるときに、かしめ孔1と長孔2との位置合わせが不要であるから、組み付け作業性に優れた生産性の高いクラッチを提供することができる。
長孔2は、少なくとも1つのかしめ孔1と整列するものであればよいため、その個数は少なくとも1つであればよい。また、長孔2の幅L1も、少なくともピッチP1よりも広ければよい。
図4は、本発明の参考技術である自動変速機のドラムクラッチ200を側面から示す要部断面図である。なお、本形態において、第一形態と同一部分は同一符号をもってその説明を省略する。
技術は、遠心キャンセルプレート140を打ち抜いて各リターンスプリング151を直接かしめたものである。即ち、本技術は、遠心キャンセルプレート140のかしめ部分がそのまま座部143を構成すると共に長孔2のみが遠心キャンセル室の油を外部に排出させる貫通孔を構成する。従って、本技術によれば、スプリングリテーナ152が使用することなく、少ない部品点数で、第一形態と同様の作用効果を奏することができる。
上述した形態は、本発明のドラムクラッチを例示するものに過ぎず、請求の範囲において、様々な変更を加えることができる。なお、本発明において、シリンダ室R1の最外径位置よりも外側に遠心キャンセル室R2の最外径位置がある場合は、遠心キャンセル室の遠心油圧が過剰となるため、遠心キャンセル室の有効径(最外径位置―外界と連絡する位置)を小さくしても、シリンダ室の遠心油圧をキャンセルするために必要な機能を確保できることはいうまでもない。
本発明であるドラムクラッチは、車両、船舶その他一般機械の動力伝達装置に含まれる自動変速機に採用が可能である。
本発明の第一形態である自動変速機のドラムクラッチの上半分を側面から示す拡大断面図である。 (a),(b)はそれぞれ、本発明に係る後述の遠心キャンセルプレートを示す背面図及びそのX−X断面図である。 (a)〜(c)はそれぞれ、本形態において、スプリングリテーナアッシィと遠心キャンセルプレートとを異なる位相θで合わせた状態を示す背面図である。 本発明の参考技術である自動変速機のドラムクラッチ200を側面から示す要部断面図である。
符号の説明
1 かしめ孔(貫通孔)
2 長孔(貫通孔)
10 第一回転シャフト(回転メンバ)
20 第二回転シャフト(他の回転メンバ)
100 クラッチドラム
110 コネクティングプレート
111 クラッチハブ
120 クラッチドラム
121 底部
122 ドラム周壁
123 ドラム筒状部
130 クラッチピストン
140 遠心キャンセルプレート
150 スプリングリテーナアッシィ
151 リターンスプリング
152 スプリングリテーナ(遠心キャンセルプレートの座部)

Claims (1)

  1. 底部と当該底部から軸方向に伸びる筒状部とを有し、回転メンバに連結するクラッチドラムと、
    このクラッチドラムの筒状部内側面に対向配置される外側面を有して他の回転メンバに繋がるクラッチハブと、
    このクラッチハブの外側面と前記クラッチドラムの筒状部内側面との間に配した摩擦要素と、
    前記クラッチドラムの内側に摺動可能に配置され、当該クラッチドラムの前記底部との間にシリンダ室を形成するクラッチピストンと、
    前記クラッチピストンとの間に遠心キャンセル室を形成する遠心キャンセルプレートと、
    前記遠心キャンセルプレートと前記クラッチピストンとの間に配置され、一端側が前記クラッチピストンと当接し、他端側は前記遠心キャンセルプレートに設けられた座部に着座し、前記クラッチピストンを前記シリンダ室方向へ付勢する複数のリターンスプリングと、
    前記リターンスプリングの中心にあたる部分を打ち抜いて前記リターンスプリングの他端を一体的にかしめて、かしめ孔を形成すると共にその背面が前記遠心キャンセルプレートに当接している環状のスプリングリテーナと、
    で構成したドラムクラッチであって、
    前記シリンダ室の最外周位置よりもその最外周位置が外側になる遠心キャンセル室を備えた自動変速機のドラムクラッチにおいて、
    前記座部は、前記かしめ孔と、該かしめ孔のうちの少なくとも1つと重なり合うように周方向に伸びる長孔を有し、
    前記リターンスプリングの環状のスプリングリテーナのかしめ孔と前記遠心キャンセルプレートの前記座面の長孔とで、前記遠心キャンセル室の内部と外部とを連通する貫通孔を形成し該貫通孔から前記遠心キャンセル室内部の油を外部へ排出するようにしたことを特徴とする自動変速機のドラムクラッチ。
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