JP4524533B2 - 自動変速機のブレーキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機のブレーキ装置に関し、特に、ブレーキ摩擦部材を操作する油圧サーボのリターンスプリングの配設構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機において、そのギヤトレイン中のプラネタリギヤの所定のギヤを他のギヤに対する反力要素として作用させるべく、所定のギヤを変速機ケースに係止させるブレーキ装置が設けられる。こうしたブレーキ装置は、それが多板ブレーキとして構成される場合、ギヤに連結したブレーキハブと変速機ケース又はそれに固定した支持手段の支持部とに内外周を係合させた摩擦部材(ハブ又は支持部のいずれか一方に軸線方向可動にスプライン係合する多板のディスクと他方に軸線方向可動にスプライン係合する多板のセパレータプレートからなる)と、該摩擦部材を軸線方向に押圧して相互に係合させる操作手段としてのピストン・シリンダ機構からなる油圧サーボを備える構成とされ、前記支持部とピストンとの間に、油圧により押出されたピストンを戻りストロークさせるリターンスプリングが配設される。
【0003】
リターンスプリングは、ピストン側端部を直接ピストンの端面に当接させ、支持部側端部をリテーナを介してケース等の支持部に支持させるのが通例である。こうした支持形態を採る例として、特開2000−18289号公報に開示の従来技術がある。この従来技術では、油圧サーボが変速機ケースのコンバータハウジング側開口を塞ぐオイルポンプボディに内蔵されることから、オイルポンプボディの変速機ケースへの組付けの際に、リターンスプリングの伸長状態によりオイルポンプボディが浮き上がり、その位置決め設置の作業を困難にするのを防ぐべく、リターンスプリングの伸長を制限する手段が設けられている。この制限手段は、ピストンから延びる押圧部に嵌めたリターンスプリングのリテーナに対して、該リテーナより軸方向外側にスナップリングを嵌めて、ピストンから離れる方向へのリテーナの動きをスナップリングへの当接により制限することでリターンスプリングの伸長を規制する構成とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のようにリターンスプリングの両端をピストンの端面とケース等の支持部に支持させる構成では、ブレーキの摩擦部材が油圧サーボに対して離れている場合、リターンスプリングの軸長を必要以上に長くしなければならない。そこで、本発明は、リターンスプリングの軸長を必要最小限の長さに設定可能なブレーキ装置の構造を提供することを第1の目的とする。
【0005】
また、上記従来技術のような制限手段は、オイルポンプボディの組付け作業後は、変速機の機能とは関わらずに不要となるものであり、単に組付け作業だけのためにこうした構成を採ることは、必ずしも得策とはいえない。そこで、本発明は、こうした不要となる部材の配設を伴うことなく、組付けまでのリターンスプリングの伸長の制限を可能とする構成の自動変速機のブレーキ装置を提供することを第2の目的とする。
【0006】
ところで、自動変速機の一形態として、エンジン軸と同軸の第1軸上に変速機構を配し、それと並行する第2軸をカウンタ軸、更に第1軸及び第2軸と並行する第3軸をデフ軸とする3軸構成のものがある。こうした自動変速機では、エンジンの軸長と変速機構の軸長を合わせた軸長の略中央部にディファレンシャル装置が配置されることから、カウンタ軸からディファレンシャル装置のデフケースに動力を伝達する第3軸上のデフリングギヤが、軸方向位置で第1軸上の変速機構のエンジン寄りに位置することになる。そして、変速機構側でこのデフリングギヤの位置と重なる軸方向位置にブレーキ装置を配置した場合、ブレーキ装置の外径とデフリングギヤの外径が第1軸と第3軸の軸間距離の関係から極めて接近したものとなり、第2軸のカウンタ軸と第3軸のデフ軸間で、異なるエンジン出力の車種への対応のためにギヤ比を増やすような改変が、両者の径方向の干渉により不可能となる。本発明は、こうしたデフリングギヤ外径の変更にも対応可能なように、ブレーキ装置のデフリングギヤとの軸方向位置上の重合部の外径を可及的に小さくすることが可能なブレーキ装置の構造を得ることを更なる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的は、摩擦部材と、該摩擦部材を係脱操作する油圧サーボとを備え、摩擦部材の支持手段と油圧サーボのピストンとの間に複数のリターンスプリングが配設された自動変速機のブレーキ装置において、前記摩擦部材の支持手段は、自動変速機ケースに固定されると共に、前記摩擦部材をスプライン係合させる筒状部を有するブレーキドラムからなり、前記リターンスプリングは、前記摩擦部材側の端部がリテーナを介して前記ブレーキドラムに当接すると共に、前記ピストン側端部がリテーナを介して、ピストンから摩擦部材に向かって延びるアプライチューブ部の中間部に嵌まるスナップリングに支持されて、アプライチューブ部に沿って配設されたことを特徴とする構成により達成される。
【0008】
また、第2の目的は、前記アプライチューブ部に、その軸線方向に延びる窓孔が形成され、リターンスプリングは、摩擦部材側への伸長状態で端部をリテーナを介して窓孔の摩擦部材側端部に支持され、前記リテーナは、前記リターンスプリングの圧縮状態で前記ブレーキドラムに当接する構成により達成される。
【0009】
上記の構成において、油圧サーボは、自動変速機ケースのコンバータハウジング側開口を閉じるオイルポンプボディに内蔵され、前記ピストンと、そのアプライチューブ部は別体とされた構成とするのが有効である。
【0010】
上記の構成において、自動変速機は、その第1軸上にブレーキ装置が配置され、第1軸と並行する第2軸をカウンタ軸、第1及び第2軸と並行する第3軸をデフ軸とする3軸構成とされ、前記リターンスプリングは、第3軸上に配置されるディファレンシャル装置のリングギヤと軸線方向位置上で重なる位置に配置された構成とすることができる。
【0011】
上記の構成において、アプライチューブ部に沿うリターンスプリングの配設ピッチ円は、自動変速機の軸端方向からみて、ディファレンシャル装置のリングギヤの外形円と一部において重なり、リターンスプリングはアプライチューブ部の周方向に前記配設ピッチ円と外形円との重なり部を避けて分散配置された構成とすることもできる。
【0012】
上記の構成において、ピストンとアプライチューブ部の中間部との間のアプライチューブ部外周側スペースに、マニュアルシャフトを挿通させた構成を採ることもできる。
【0014】
上記の構成において、アプライチューブ部は、ピストン側が縮径され、窓孔は縮径部から摩擦部材方向に延在する構成を採ることもできる。
【0015】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1記載の構成では、ブレーキ装置の摩擦部材と油圧サーボとが離れて配置され、アプライチューブ部の軸長が長いときに、リターンスプリングを、その両端を摩擦部材の支持手段と油圧サーボのピストンに当接させるために敢えて長尺のスプリングとする必要がなくなる。しかも、アプライチューブ部の中間部とピストンとの間にスペースを確保することができるため、このスペースを利用した他のクラッチ、ブレーキ等の構成部材のアプライチューブ部外周側への径方向重合配置も可能となる。
【0016】
次に、請求項2記載の構成では、リターンスプリングをアプライチューブ部に完全に支持させることができるため、自動変速機への組込み前にリターンスプリングをピストン側にアセンブリ化することができる。したがって、この構成によりリターンスプリングの組付け作業が容易となり、併せてリターンスプリングをアセンブリ化したピストンの自動変速機への組込みも容易となる。
【0017】
更に、請求項3記載の構成では、ピストンをオイルポンプボディに予め組込んでおくことができるため、オイルポンプボディの位置決めの際の、ピストンのオイルポンプボディへの嵌め合わせが必要なくなり、オイルポンプボディの変速機ケースへの組込みが容易となる。特に、リターンスプリングの摩擦部材側端部をリテーナを介して窓孔の摩擦部材側端部に支持させた構成と組合せた場合、オイルポンプボディの位置決めの際に、リターンスプリングの荷重負荷が軽減され、あるいは作用しなくなるため、オイルポンプボディの変速機ケースへの組込みが一層容易となる。
【0018】
そして、請求項4記載の構成では、ブレーキ装置において複数のスプリングから構成されるリターンスプリングの位置は、周方向の配設位置を適宜設定可能であるため、リターンスプリングの位置をディファレンシャル装置のリングギヤの位置と軸線方向位置上で重なる位置とすることで、干渉を生じることなく第3軸上のディファレンシャル装置のリングギヤの位置と同様の軸方向位置にブレーキ装置を配置した変速機構を構成することができるため、干渉を避けるために配設位置をずらすことによる変速機軸長の増加を防ぐことができる。
【0019】
更に、請求項5記載の構成では、ブレーキ装置が配設された第1軸とディファレンシャル装置が配設された第3軸との軸距離を変更することなくディファレンシャル装置のリングギヤの外径をアプライチューブ部に接する寸前の外径まで拡径することができるため、カウンタ軸とデフ軸間のギヤ比設定を容易に変更することができる。
【0020】
また、請求項6記載の構成では、マニュアルシャフトがアプライチューブ部の外側を通る配置となるため、マニュアルシャフトを挿通させるためにアプライチューブ部に開口を設ける必要がなくなり、開口位置をマニュアルシャフトの挿通軸線に合わせて位置決めする組付け作業の複雑化を避けることができる。また、アプライチューブ部への開口の形成による強度低下を防ぐべく、アプライチューブ部を補強構造とする必要がなくなり、変速機の軽量化につながる。
【0022】
また、請求項記載の構成では、縮径部側で窓孔の端部が開いた構造とすることができるため、特にピストンとアプライチューブ部を別体とする構成との組合せにおいて、縮径部側を導入部とするリテーナの窓孔への導入が可能となり、アプライチューブ部へのリターンスプリングの組付けが容易となる。また、縮径部外側のスペースを利用したマニュアルシャフトの挿通も可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿い、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明を適用した自動変速機の第1軸の軸方向部分断面、図2は同自動変速機をコンバータハウジングがつながる開口側から軸線方向にみた正面を示す。図に示すように、自動変速機は、その第1軸上にブレーキ装置Bが配置され、第1軸と並行する第2軸をカウンタ軸、第1及び第2軸と並行する第3軸をデフ軸とする3軸構成とされている。
【0024】
ブレーキ装置Bは、摩擦部材1と、該摩擦部材を係脱操作する油圧サーボ2とを備え、摩擦部材1の支持手段3と油圧サーボ2のピストン21との間に複数のリターンスプリング4が配設されている。油圧サーボ2は、自動変速機ケースCのコンバータハウジング側開口を閉じるカバーとしてのオイルポンプボディPに内蔵され、ピストン21と、そのアプライチューブ部22は別体とされている。リターンスプリング4は、第3軸上に配置されるディファレンシャル装置DのリングギヤRと軸線方向の位置上で重なる位置に配置されている。
【0025】
リターンスプリング4は、そのピストン側端部を、ピストン21から摩擦部材1に向かって延びるアプライチューブ部22の中間部に支持させて、アプライチューブ部22に沿って配設されている。アプライチューブ部22には、その軸線方向に延びる窓孔22dが形成され、リターンスプリング4は、摩擦部材1方向への伸長状態で、摩擦部材側端部をリテーナ5を介して窓孔23の摩擦部材側端部に支持され、リテーナ5は、リターンスプリング4の圧縮状態で摩擦部材1の支持手段3当接部5aに当接する。
【0026】
アプライチューブ部22に沿う各リターンスプリング4の配設ピッチ円は、自動変速機の軸端方向からみて、ディファレンシャル装置Dの最大径のリングギヤR’の外形円(図2に破線で示す)と一部において重なり、リターンスプリング4はアプライチューブ部22の周方向に配設ピッチ円と外形円との重なり部を避けて分散配置されている。そして、付随的な構成として、ピストン21とアプライチューブ部22の中間部との間のアプライチューブ部外周側スペースに、マニュアルシャフトSが挿通されている。
【0027】
以下、各部について詳述する。摩擦部材1は、内周面にスプライン歯(図1において、第1軸を挟む上側の断面は、歯谷部を示し、下側の断面は、歯山部を示す)を形成し、両面に摩擦材を張付けたディスク11と、外周面にスプライン歯(図1において、第1軸を挟む上側の断面は、歯山部を示し、下側の断面は、歯谷部を示す)を形成したセパレータプレート12とを軸方向に交互に複数枚並べて構成され、一端側にバッキングプレートが配置され、他端側の摩擦部材1のアプライチューブ部22に面する側には、皿ばね状のプレッシャプレート13が配置されている。
【0028】
摩擦部材1の支持手段としてのブレーキドラム3は、一端側に内径方向に延びる径方向フランジ部を有し、他端側が開いた筒状とされ、図3に正面形状を示すように、筒状部の外径から外方に張出すスプライン部31を備えている。スプライン部31は、本形態では、4条を一群として3群に分け、周方向にほぼ均等に配置されている。径方向フランジ部の内周側には内周歯32が形成され、これらの内周歯32が、変速機ケースCにボルト止め固定したサポート壁C1に突出形成された突起に嵌め合わされて回り止め固定されている。こうした構成からなるブレーキドラム3と、その内周側に配置されたブレーキハブ6に対して、ブレーキドラム3側のスプライン部31にセパレータプレート12のスプライン歯を係合させ、ブレーキハブ6側のスプライン部にディスク11のスプライン歯を係合させて、摩擦部材1が配置されている。
【0029】
油圧サーボ2は、オイルポンプボディPに形成された環状のシリンダ20と、シリンダ20内に軸方向摺動自在に嵌合させ、内外周面をシリンダ壁に対してOリングでシールした環状のピストン21と、ピストン21から軸方向に延びるアプライチューブ部(以下、実施形態の説明においてアプライチューブという)22と、アプライチューブ22に支持したリターンスプリング4で構成されている。
【0030】
図4に詳細を示すアプライチューブ22は、全体として筒状に構成され、この形態では、摩擦部材1に面する端部側が筒状部22aから径方向外方に延びる径方向フランジ部22bとされて、摩擦部材1の全周に均等に当接する押圧面を構成し、筒状部22aのピストン21寄りの部分が縮径されてピストン21の径と整合する連結部を構成する。アプライチューブ22の筒状部22aは、剛性保持のために周方向に沿って各部分ごとに内外径方向に凹凸を有する波状とされ、その凸部側には、径方向フランジ部22bの近傍から縮径部に至る軸線方向に延びる窓孔22dが複数(本形態において12個)形成されている。なお、径方向フランジ部22bには、周方向3箇所から更に外径方向に張出す突起22cが形成され、これらがブレーキドラム3のスプライン部31に嵌るアプライチューブ22の回り止めを構成している。
【0031】
各リターンスプリング4は、円筒コイルスプリングとされ、それらの両端をリテーナ5、7で位置決め保持する構成とされている。摩擦部材1側のリテーナ5は、図5に軸線方向にみた正面形状を示すように、環状の板材の内周側を全周に渡り軸方向に折り曲げた構成により、環状フランジ部5aと、短筒状部5bを備える形状とされ、各リターンスプリング4との当接部が円筒コイルスプリングのコイル外径より若干大径の円形座部5cの形成によりリテーナ5全体の内外径に対して膨出する構成とされ、リテーナ5全体の内径は、アプライチューブ22の筒状部22aの凸部外径と符号する径とされている。なお、各リターンスプリング4の端部は若干縮径され、リテーナ5の各円形座部5cから切起こしたボス部のかしめによりリテーナ5に固定されている。
【0032】
ピストン側のリテーナ7も、図6に軸線方向にみた正面形状を示すように、摩擦部材1側のリテーナ5と実質同様に、環状フランジ部7aと、短筒状部7bを備える形状とされ、各リターンスプリング4との当接部が円筒コイルスプリングのコイル外径より若干大径の円形座部7cの形成によりリテーナ7全体の内外径に対して膨出する構成とされ、リテーナ7全体の内径は、アプライチューブ22の筒状部22aの凸部外径と符号する径とされている。このピストン側のリテーナ7には、更に後に記すスナップリングの外れ止め突起7dと回り止め突起7eが形成されている。円筒コイルスプリングのリテーナ7への当接部は、各円形座部7cから切起こしたボス部への嵌合により位置決め支持されている。更に、リテーナ7には、その環状フランジ部7aの外周側の一部の切欠き7fにより、最大外径のデフリングギヤR’との干渉を避ける構成が採られている。
【0033】
こうした構成からなる両リテーナ5, 7と各リターンスプリング4とは、組合されてアプライチューブ22の縮径部側から前記膨出部5c,7cを窓孔22dに嵌めて軸方向に送り込まれ、摩擦部材側のリテーナ5の端面が窓孔22dの奥端に当接した状態でピストン側のリテーナ7に荷重を負荷して適宜スプリング4を圧縮した状態で、アプライチューブ22の筒状部22aの外周に形成したリング溝にスナップリング8を嵌めることで、適宜の圧縮荷重負荷状態にセットされる。なお、スナップリング8は図7に形状を示すように縮径方向の弾性を有する通常の割リング形のものであるが、これをアプライチューブ22に嵌めることで、スナップリング8はその外周側4箇所をリテーナ7の外れ止め突起7dにより拡径不能に拘束され、かつ割れ目の両端8aをリテーナ7の回り止め突起7eへの当接により回り止めされ、振動等による外れや回転を阻止される。
【0034】
このようにして、リターンスプリング4をアプライチューブ22に完全に支持させることができるため、自動変速機への組込み前にリターンスプリング4をピストン側のアプライチューブ22とアセンブリ化することができる。したがって、この構成によりリターンスプリング4の組付け作業が容易となる。
【0035】
以上の構成からなるブレーキ装置Bは、コンバータハウジング側の開口から、先ずブレーキドラム3を導入してサポート壁C1に位置決め固定し、次に上記のようにリターンスプリング4を組付けたアプライチューブアセンブリを同様に導入して外向きフランジ部22bの突起22cとブレーキドラム3のスプライン部31とを位置合わせして嵌め合わせ、上記手順の適宜の段階で摩擦部材1の内周側とアプライチューブ22の内周側に全ての部材を組込んだ後に、オイルポンプボディPをコンバータハウジング側の開口にノックピン等で位置合わせして被せる手順で組付けられる。なお、上記の手順において、摩擦部材1はブレーキドラム3の導入前又はブレーキハブ6の組込み後に組込まれる。
【0036】
アプライチューブアセンブリの組込み状態では、リテーナ5のフランジ部5aがブレーキドラム3に当接した状態でアプライチューブアセンブリの軸方向位置が一応決まり、この状態でオイルポンプボディPを被せると、変速機ケースCの開口端面とオイルポンプボディPの内端面との間の隙間は、リターンスプリング4の荷重が作用しない状態で、ノックピンによる位置決めが可能な十分小さな隙間となる。したがって、オイルポンプボディPの位置決めはリターンスプリング4の荷重を受けない状態で、単にノックピンに合わせてオイルポンプボディPを被せるだけの極めて簡単な作業となる。
【0037】
この後、オイルポンプボディPをボルト締めすることでアプライチューブアセンブリがピストン21との当接で押込まれ、リテーナ5がブレーキドラム3に押されてアプライチューブ22上で相対的に他方のリテーナ7側に移動することでリターンスプリング4に圧縮荷重が設定される。こうしてオイルポンプボディPのボルト締めが終わった状態では、図1に示す状態となり、摩擦部材側のリテーナ5は窓孔22dの端部への支持状態からブレーキドラム3に当接支持された状態に移行する。これによりピストン21にはアプライチューブ22を介してリターンスプリング荷重が負荷される。
【0038】
次に、図1を参照してアプライチューブ22とデフリングギヤRの位置関係をみると、この形態では、図に実線で示すデフリングギヤRの歯先位置がブレーキドラム3の外径位置より外側にあるため、それより外径の小さなアプライチューブ22の外径との間に十分な余裕スペースが保たれている。したがって、デフリングギヤRの歯先径は、図に破線で示す最大径位置まで拡大することができる。そして、この状態では、リターンスプリング4の各中心を通る配設ピッチ円は、変速機を端部側からみて、図2に示すように、最大径のデフリングギヤR’の歯先径で作られる外形円と周方向の一部で重なることになるが、この位置へのリターンスプリング4の配置を避けることで、このラップ状態までデフリングギヤ径を拡大する余裕があることが分かる。
【0039】
また、図1を参照して、この実施形態では、アプライチューブ22のピストン21との連結部側がピストン径との整合のために縮径されているため、このアプライチューブ外周側スペースを利用してマニュアルシャフトSが挿通されている。周知のように、マニュアルシャフトSは、車両のシフト装置と自動変速機ケース内に変速制御とトルクコンバータ制御のために配設されるバルブボディ内のマニュアルバルブとを機構的に連結するリンク機構の一部としての回転軸部を構成する必須の部材で、通常、変速機ケースCを横断する方向に貫通させてケースに支持されるものである。こうした配置を採る必要があることから、変速機ケースC内に余剰スペースが生じないように配列される変速機構に対する、マニュアルシャフトSの挿通スペースの確保には苦慮するところであるが、この構成では、上記のようにアプライチューブ22とピストン21の連結のために必然に生じるアプライチューブ外周側スペースを利用したマニュアルシャフトSの配置が可能となるため、アプライチューブ22にマニュアルシャフトS挿通のための開口を設ける等の余分な処置を施すことなく、しかも余分なスペースを確保することなくマニュアルシャフトSが配設されている。
【0040】
以上、本発明の技術思想の理解の便宜のために、一実施形態を基に説明したが、本発明は、例示の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の個々の請求項に記載の事項の範囲内で、種々に具体的な構成を変更して実施することができるものである。例えば、ブレーキ装置を変速機構の後端側に配置する場合、自動変速機ケースの開口を閉じるカバーをリヤカバーとする形態を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した自動変速機のブレーキ装置配設部の部分断面図である。
【図2】自動変速機をコンバータハウジングがつながる開口側から軸線方向にみた正面図である。
【図3】ブレーキ装置のドラムを油圧サーボ側から軸線方向にみた正面図である。
【図4】ブレーキ装置の油圧サーボピストンのアプライチューブ部の横断面図である。
【図5】ブレーキ装置のリターンスプリング配置をドラム側リテーナと共に示す正面図である。
【図6】ブレーキ装置の油圧サーボ側リテーナを示す正面図である。
【図7】ブレーキ装置のスナップリングを示す正面図である。
【符号の説明】
B ブレーキ装置
1 摩擦部材
2 油圧サーボ
21 ピストン
22 アプライチューブ(アプライチューブ部)
22b 径方向フランジ部
22d 窓孔
3 ドラム(支持手段)
4 リターンスプリング
5 リテーナ
P カバー(オイルポンプボディ)
R リングギヤ
S マニュアルシャフト

Claims (7)

  1. 摩擦部材と、該摩擦部材を係脱操作する油圧サーボとを備え、摩擦部材の支持手段と油圧サーボのピストンとの間にリターンスプリングが配設された自動変速機のブレーキ装置において、
    前記摩擦部材の支持手段は、自動変速機ケースに固定されると共に、前記摩擦部材をスプライン係合させる筒状部を有するブレーキドラムからなり、
    前記リターンスプリングは、前記摩擦部材側の端部がリテーナを介して前記ブレーキドラムに当接すると共に、前記ピストン側端部がリテーナを介して、ピストンから摩擦部材に向かって延びるアプライチューブ部の中間部に嵌まるスナップリングに支持されて、アプライチューブ部に沿って配設されたことを特徴とする自動変速機のブレーキ装置。
  2. 前記アプライチューブ部に、その軸線方向に延びる窓孔が形成され、リターンスプリングは、前記摩擦部材側の端部をリテーナを介して窓孔の摩擦部材側端部に支持され、前記リテーナは、前記リターンスプリングの圧縮状態で前記ブレーキドラムに当接する、請求項1記載の自動変速機のブレーキ装置。
  3. 前記油圧サーボは、自動変速機ケースの開口を閉じるカバーに内蔵され、前記ピストンと、そのアプライチューブ部は別体とされた、請求項1又は2記載の自動変速機のブレーキ装置。
  4. 前記自動変速機は、その第1軸上にブレーキ装置が配置され、第1軸と並行する第2軸をカウンタ軸、第1及び第2軸と並行する第3軸をデフ軸とする3軸構成とされ、前記リターンスプリングは、第3軸上に配置されるディファレンシャル装置のリングギヤと軸線方向位置上で重なる位置に配置された、請求項1、2又は3記載の自動変速機のブレーキ装置。
  5. 前記アプライチューブ部に沿うリターンスプリングの配設ピッチ円は、自動変速機の軸端方向からみて、ディファレンシャル装置のリングギヤの外形円と一部において重なり、リターンスプリングはアプライチューブ部の周方向に前記配設ピッチ円と外形円との重なり部を避けて分散配置された、請求項4記載の自動変速機のブレーキ装置。
  6. 前記ピストンとアプライチューブ部の中間部との間のアプライチューブ部外周側スペースに、マニュアルシャフトを挿通させた、請求項1〜5のいずれか1項記載の自動変速機のブレーキ装置。
  7. 前記アプライチューブ部は、ピストン側が縮径され、窓孔は縮径部から摩擦部材方向に延在する、請求項記載の自動変速機のブレーキ装置。
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