JP2009121631A - 自動変速機のピストン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動変速機の回転軸の軸方向に移動可能なピストンと、このピストンを作動する油室とを備えたピストン装置において、長時間放置により油室内に入り込んだ空気を早期に排出する。
【解決手段】自動変速機の回転軸の軸方向に移動可能なピストンと油室とを備え、前記油室の圧力で前記ピストンが軸方向に移動するように構成された自動変速機のピストン装置において、ピストンの半径方向に延びる複数の仕切壁401を設けて、油室40内を複数の領域40aに区画する。このように仕切壁401を設けて油室40内を複数の領域40aに細分化しておくと、クラッチ回転時にATF内に混入した気泡が動き回る範囲が小さくなり(図6(b)参照)、空気とATFとが早期に分離される。その結果として、油室40内の空気の全てが排出されるまでの時間が短くなってクラッチの係合特性が改善される。
【選択図】図6

Description

本発明は自動変速機のピストン装置に関する。
エンジン(内燃機関)を搭載した車両において、エンジンが発生するトルク及び回転速度を車両の走行状態に応じて適切に駆動輪に伝達する変速機として、エンジンと駆動輪との間の変速比を自動的に最適設定する自動変速機が用いられている。
車両に搭載される自動変速機としては、例えば、クラッチ及びブレーキ等と遊星歯車装置とを用いて変速比(ギヤ比)を設定する有段式変速機や、変速比を無段階に調整するベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)がある。
また、有段式の自動変速機としては、クラッチやブレーキ等の摩擦係合要素を係合・解放する油圧作動式ピストンを備えたものがある。このようなピストンを備えた自動変速機では、例えば、クラッチを構成する摩擦係合要素をクラッチドラムに支持し、そのクラッチドラムの前面側(もしくは背面側)にピストンを配置するとともに、それらクラッチドラムとピストンとの間に油室を形成してピストン装置を構成し、そのピストン装置の油室に供給する作動油(ATF:Automatic Transmission fluid)を制御することで、ピストンをクラッチドラムに対して移動させて摩擦係合要素の係合・解放を行っている。また、省スペース化を達成するために、1つのクラッチドラムに2組の摩擦係合要素を支持し、そのクラッチドラムの背面側及び前面側にそれぞれピストンを配置するとともに、その各ピストンとクラッチドラムとの間にそれぞれ油室を設けた構造の自動変速機もある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−320990号公報
ところで、上記したピストン装置を有する自動変速機では、長時間にわたって放置状態が継続されると、例えば図8(a)に示すように、ピストンを作動(押圧)する油室内のATFが漏れて油室内に空気が入ってしまう。そして、このような長時間放置状態の後にクラッチが回転すると、油室内のATFと空気とが混ざりあってATF中に気泡が混入し(図8(b)参照)、その後にクラッチ回転によって作用する遠心力によって空気層とATF層とに分離(図8(c)参照)されるが、この空気分離に多くの時間を要するため、クラッチの係合特性が悪化する場合がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、自動変速機の回転軸の軸方向に移動可能なピストンと、このピストンを作動する油室とを備えたピストン装置において、長時間放置により油室内に入り込んだ空気を早期に排出することができ、これによって、例えばクラッチの係合特性を改善することが可能な構造を提供することを目的とする。
本発明は、自動変速機の回転軸の軸方向に移動可能なピストンと油室とを備え、前記油室の圧力で前記ピストンが軸方向に移動するように構成された自動変速機のピストン装置において、前記油室内に、前記ピストンの半径方向(ピストンの軸線方向と直交する方向)に延びる複数の仕切壁が設けられており、それら複数の仕切壁によって当該油室が複数の領域に区画されていることを特徴としている。より具体的には、前記ピストンが、自動変速機のクラッチを係合・解放するピストンであることを特徴としている。
本発明によれば、ピストンを作動(押圧)する油室内に複数の仕切壁を設けて当該油室内を複数の領域に区画しているので、自動変速機を長時間放置したときに油室に入り込んだ空気を早期に排出することができる。この点について以下に説明する。
まず、ピストンを作動(押圧)する油室内にATFが入り込んだ状態で自動変速機のクラッチ等が回転すると、上記したように油室内のATFと空気とが混ざりあってATF中に気泡が混入する。このとき、油室内に仕切壁がない場合、油室内の全周にわたって気泡が動きながら回転し、その回転にて作用する遠心力によってATFが外側に集められて、油室内が空気層とATF層に分離されるが、この空気分離に多くの時間を要するため、クラッチの係合特性が悪化する場合がある。
これに対し、例えば図6(b)に示すように、油室40内に複数の仕切壁401を設けて油室40内を複数の領域40aに区画(細分化)しておくと、ATF内に混入した気泡が動き回る範囲が小さくなり、空気とATFとが早期に分離される。その結果、油室40の内側から全ての空気が排出されるまでの時間が短くなってクラッチの係合特性が改善される。
ここで、本発明において、ピストン装置を構成する油室内に設ける仕切壁を、ピストンの中心から半径方向に延びる直線に対して傾斜(具体的には回転方向と逆向きに傾斜)して配置してもよい。このように仕切壁を傾斜配置とすると、ATFを油室の外側に、より一層早く集めることが可能となり、空気とATFの分離に要する時間を更に短くすることができる。
本発明によれば、自動変速機の回転軸の軸方向に移動可能なピストンと、このピストンを作動する油室とを備えたピストン装置において、長時間放置により油室内に入り込んだ空気を早期に排出することができる。これによって、例えばクラッチの係合特性を改善することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用する自動変速機(トルクコンバータを含む)の一例を示すスケルトン図である。この例の自動変速機1はFF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に搭載される。
まず、トルクコンバータ200は、入力軸側のポンプインペラ201と、出力軸側のタービンランナ202と、トルク増幅機能を発現するステータ203と、ワンウェイクラッチ24とを備え、ポンプインペラ201とタービンランナ202との間で流体を介して動力伝達を行う。
トルクコンバータ200には、入力側と出力側とを直結状態にするロックアップクラッチ205が設けられており、このロックアップクラッチ205を完全係合させることにより、ポンプインペラ201とタービンランナ202とが一体回転する。また、ロックアップクラッチ205を所定のスリップ状態で係合させることにより、駆動時には所定のスリップ量でタービンランナ202がポンプインペラ201に追随して回転する。
自動変速機1は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置103を主体として構成される第1変速部1Aと、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置104及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置105を主体として構成される第2変速部1Bとを同軸線上に有し、入力軸100の回転を変速して出力軸106に伝達し、出力歯車107から出力する遊星歯車式多段変速機である。出力歯車107は、車両に搭載される差動歯車装置に直接的にもしくはカウンタ軸を介して連結される。なお、自動変速機1及びトルクコンバータ200は中心線に対して略対称的に構成されているので、図1では中心線の下半分を省略している。
第1変速部1Aを構成している第1遊星歯車装置103は、サンギヤS1、キャリアCA1、及び、リングギヤR1の3つの回転要素を備えており、サンギヤS1が入力軸100に連結される。さらに、サンギヤS1は、リングギヤR1が第3ブレーキB3を介してハウジングケース10に固定されることにより、キャリヤCA1を中間出力部材として入力軸100に対して減速回転される。
第2変速部1Bを構成している第2遊星歯車装置104及び第3遊星歯車装置105においては、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM1〜RM4が構成されている。
具体的には、第3遊星歯車装置105のサンギヤS3によって第1回転要素RM1が構成されており、第2遊星歯車装置104のリングギヤR2及び第3遊星歯車装置105のリングギヤR3が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成されている。さらに、第2遊星歯車装置104のキャリアCA2及び第3遊星歯車装置105のキャリアCA3が互いに連結されて第3回転要素RM3が構成されている。また、第2遊星歯車装置104のサンギヤS2によって第4回転要素RM4が構成されている。
第2遊星歯車装置104及び第3遊星歯車装置105は、キャリアCA2及びCA3が共通の部材にて構成されているとともに、リングギヤR2及びR3が共通の部材にて構成されている。さらに、第2遊星歯車装置104のピニオンギヤが第3遊星歯車装置105の第2ピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
第1回転要素RM1(サンギヤS3)は、中間出力部材である第1遊星歯車装置103のキャリアCA1に一体的に連結されており、第1ブレーキB1によってハウジングケース10に選択的に連結されて回転停止される。第2回転要素RM2(リングギヤR2及びR3)は、第2クラッチC2を介して入力軸100に選択的に連結される一方、ワンウェイクラッチF1及び第2ブレーキB2を介してハウジングケース10に選択的に連結されて回転停止される。
第3回転要素RM3(キャリアCA2及びCA3)は出力軸106に一体的に連結されている。第4回転要素RM4(サンギヤS2)は、第1クラッチC1を介して入力軸100に選択的に連結される。
以上の自動変速機2では、摩擦係合要素である第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、及び、ワンウエイクラッチF1などが、所定の状態に係合または解放されることによって変速段が設定される。
図2は、自動変速機1の各変速段を成立させるためのクラッチ及びブレーキの係合作動を説明する係合表であり、「○」は係合を、「×」は解放をそれぞれ表している。この図2に示すように、この例の自動変速機1において、クラッチC1を係合させると前進段の1速(1st)が成立し、この1速ではワンウェイクラッチF1が係合する。第1クラッチC1及びブレーキB1を係合させると前進段の2速(2nd)が成立する。第1クラッチC1及び第3ブレーキB3を係合させると前進段の3速(3rd)が成立する。
また、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を係合させると前進段の4速(4th)が成立する。第2クラッチC2及び第3ブレーキB3を係合させると前進段の5速(5th)が成立する。第2クラッチC2及び第1ブレーキB1を係合させると前進段の6速(6th)が成立する。一方、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を係合させると後進段(Rev)が成立する。
次に、自動変速機1の具体的な構造について説明する。図3は図1に示す自動変速機1の第2変速部1Bの縦断面図である。図4は図3の要部拡大図である。
自動変速機1は、ハウジングケース10にベアリングを介して相対回転可能に支持された入力軸100、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置104、ダブルピニオン型の第3遊星歯車装置105、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第2ブレーキB2、クラッチドラム2、第1ピストン3、及び、第2ピストン4などを備えている。
入力軸100には、軸心に対して垂直に延びるフランジ100aが形成されている。このフランジ100aの外周縁には円環状の基部材20が配置されている。基部材20はハウジングケース10に相対回転可能に支持されている。
クラッチドラム2は、基部材20に外装されたハブ部21と、このハブ部21から半径方向に延びる円環状の側壁22と、この側壁22の外周縁から軸方向に延びる円筒状の筒部23によって構成されている。クラッチドラム2のハブ部21は基部材20に溶接等によって固定されており、また、基部材20は入力軸100のフランジ100aに溶接等によって固定されている。従って、クラッチドラム2は入力軸100と一体となって回転する。
クラッチドラム2の筒部23の内側に、第1クラッチC1の構成部材である第1摩擦係合要素101、及び、第2クラッチC2の構成部材である第2摩擦係合要素102が配置されている。
第1摩擦係合要素101は、複数のアウタクラッチプレート(摩擦板)111及びその各アウタクラッチプレート111の間に配置された複数のインナクラッチプレート(摩擦板)112によって構成されている。
第1摩擦係合要素101を構成するアウタクラッチプレート111はクラッチドラム2の筒部23の内周面にスプライン嵌合されており、インナクラッチプレート112は第1クラッチハブ108の外周面にスプライン嵌合されている。第1摩擦係合要素101は、クラッチドラム2の筒部23に固定されたスナップリング113によって第2摩擦係合要素102側への移動(軸方向の移動)が規制されている。
また、第2摩擦係合要素102も、同様に、複数のアウタクラッチプレート(摩擦板)121及びその各アウタクラッチプレート121の間に配置された複数のインナクラッチプレート122(摩擦板)によって構成されている。
第2摩擦係合要素102を構成するアウタクラッチプレート121はクラッチドラム2の筒部23の内周面にスプライン嵌合されており、インナクラッチプレート122は第2クラッチハブ109の外周面にスプライン嵌合されている。第2摩擦係合要素102は、クラッチドラム2の筒部23に固定されたスナップリング123によって第1摩擦係合要素101側への移動(軸方向の移動)が規制されている。
クラッチドラム2の前面側(第1クラッチC1側)に、第1ピストン3が配置されている。第1ピストン3は入力軸100に対し軸方向に摺動自在に嵌め込まれている。第1ピストン3は略円板状の部材で、外周縁に押圧部材31が一体形成されている。第1ピストン3はクラッチドラム2と一体的に回転する。
以上の第1ピストン3とクラッチドラム2の側壁22との間に第1油室30が形成されており、この第1油室30内に、入力軸100に形成された油孔100bからATF(作動油)が供給されると、第1ピストン3がクラッチドラム2に対して離間する方向(第1摩擦係合要素101側)に移動し、この第1ピストン3の先端部の押圧部材31が第1摩擦係合要素101を押圧する。このようにして第1摩擦係合要素101が押圧されることにより、当該第1摩擦係合要素101を構成するアウタクラッチプレート111とインナクラッチプレート112とが互いに係合する(クラッチC1係合)。なお、第1ピストン3及び第1油室30によってピストン装置が構成されている。
第1ピストン3の前面側(クラッチC1側)には円環状のバランサ51が配置されている。バランサ51は入力軸100に外嵌されており、入力軸100に固定されたスナップリング81によって第1ピストン3に対して離間する方向への移動が規制されている。バランサ51と第1ピストン3との間にはリターンスプリング(圧縮コイルばね)71が配置されており、そのリターンスプリング71の弾性力によって、第1ピストン3がバランサ51に対して離間する方向(クラッチドラム2側)に付勢されている。そして、このようなバランサ51と第1ピストン3との間に、第1ピストン3の第1油室30の遠心油圧をキャンセルするキャンセル室(油室)61が形成されている。キャンセル室61は、バランサ51の内周部に形成された切欠き51aを通じて、バランサ51の前面側の空間に連通している。
クラッチドラム2の背面側(第1ピストンの反対側)に第2ピストン4が配置されている。第2ピストン4は、基部材20に対し軸方向に摺動自在に嵌め込まれている。第2ピストン4はクラッチドラム2と一体的に回転する。
第2ピストン4は、クラッチドラム2の外周部を覆う円筒状のシリンダ部材41と、そのシリンダ部材41の一端部に嵌め込まれた円環状の側壁42と、この側壁42をシリンダ部材41に固定するスナップリング44によって構成されている。シリンダ部材41の先端(他端)には、内側(回転中心側)に突出する押圧部材43が一体形成されている。
以上の第2ピストン4の側壁42とクラッチドラム2の側壁22との間に第2油室40が形成されており、この第2油室40内に、基部材20に形成された油孔20aからATF(作動油)が供給されると、第2ピストン4がクラッチドラム2に対して離間する方向(第1ピストン3とは逆の方向)に移動し、この第2ピストン4の先端部の押圧部材43が第2摩擦係合要素102を押圧する。このようにして第2摩擦係合要素102が押圧されることにより、当該第2摩擦係合要素102を構成するアウタクラッチプレート121とインナクラッチプレート122とが互いに係合する(クラッチC2係合)。なお、第2ピストン4と第2油室40によってピストン装置が構成されている。
第2ピストン4の背面側(第2油室40の反対側)には円環状のバランサ52が配置されている。バランサ52は基部材20に外嵌されており、基部材20に固定されたスナップリング82によって第2ピストン4に対して離間する方向への移動が規制されている。バランサ52と第2ピストン4の側壁42との間にはリターンスプリング(圧縮コイルばね)72が配置されており、そのリターンスプリング72の弾性力によって第2ピストン4がバランサ52に対して離間する方向(クラッチドラム2側)に付勢されている。そして、このようなバランサ52と第2ピストン4の側壁42との間に、第2油室40の遠心油圧をキャンセルするキャンセル室(油室)62が形成されている。キャンセル室62は、基部材20の外周に形成された複数の溝20bを通じてバランサ52の背面側の空間と連通している。
次に、この例の特徴部分について図5を参照して説明する。図5は、自動変速機1のポンプ装置を構成する第2油室40を半径方向に切断し、第2ピストン4側から見た模式断面図である。
図5に示すように、この例では、第2油室40内に、第2ピストン4の半径方向(第2ピストン4の軸方向と直交する方向)に延びる複数の仕切壁401・・401を設けて、第2油室40内を複数の領域40a・・40aに区画している点に特徴がある。
仕切壁401は、ピストン4の側壁42に一体形成されており、そのピストン4の側壁42から軸方向に第2ピストン4側に向けて突出する部材である。また、仕切壁401は第2油室40を完全に仕切るものではなく、各領域40a間においてATFの流通が可能となるような形態で形成されている。なお、仕切壁401はクラッチドラム2の側壁22に設けておいてもよい。
そして、このような仕切壁401を設けることにより、以下のような効果を奏することができる。
まず、図3及び図4に示す構造の自動変速機1において、長時間にわたって放置状態が継続されると、例えば図6(a)に示すように、クラッチドラム2と第2ピストン4との間の第2油室40内のATFが漏れて、第2油室40の内部に空気が入ってしまう。そして、このような長時間放置状態の後にクラッチが回転(クラッチドラム2及び第2ピストン4が回転)すると、第2油室40内のATFと空気とが混ざり合ってATF中に気泡が混入する。
このとき、第2油室40内に仕切壁がない場合、図8(b)に示すように、第2油室40内の全周にわたって気泡が動きながら回転し、その回転にて作用する遠心力によってATFが外側に集められて、第2油室40内が空気層とATF層に分離(図8(c))されるが、この空気分離に多くの時間を要するため、第2クラッチC2の係合特性が悪化する場合がある。
これに対し、図5に示すように第2油室40内に複数の仕切壁401を設けて、第2油室40内を複数の領域40aに区画(細分化)しておくと、図6(b)に示すように、クラッチ回転時にATF内に混入した気泡が動き回る範囲が小さくなり、空気とATFとが早期に分離される(図6(c))。その結果、第2油室40内の全ての空気が、第2油室40の内側から排出されるまでの時間が短くなり、第2クラッチC2の係合特性が改善される。
なお、以上の例では、第2ピストン4及び第2油室40によって構成されるピストン装置を例にとって、本発明を実施した具体的な構成について説明したが、第1ピストン3及び第1油室30によって構成されるピストン装置についても本発明を適用できることは勿論であり、この場合、第1油室30内に図5(もしくは後述する図7)に示すような形態の仕切壁を設ければよい。
−他の実施形態−
以上の図5に示す例では、仕切壁401を、第2ピストン4の回転中心から半径方向に延びる直線に沿う形態としているが、本発明はこれに限られることなく、例えば図7に示すように、仕切壁411を、第2ピストン4の回転中心Mから半径方向に延びる直線Lに対して傾斜(回転方向と逆向きに傾斜)して配置してもよい。このように仕切壁411を傾斜配置とすると、クラッチ回転時にATFを第2油室40の外側に、より一層早く集めることが可能となり、空気とATFの分離に要する時間を更に短くすることができる。
以上の例では、クラッチの係合・解放を行うピストン装置に本発明を適用した例を示したが、これに限定されない。例えば、油室の圧力で作動するピストンによってブレーキの係合・解放を行う構造の自動変速機であれば、そのブレーキ用のピストン及び油室によって構成されるピストン装置にも本発明を適用できる。
以上の例では、前進6段変速の自動変速機のピストン装置に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、他の任意の変速段の遊星歯車式自動変速機のピストン装置にも適用可能である。
また、本発明は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に搭載される自動変速機のピストン装置に限れらることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型車両、4輪駆動車に搭載される自動変速機のピストン装置にも適用できる。
本発明を適用する自動変速機の一例を示すスケルトン図である。 図1に示す自動変速機の作動表である。 本発明を適用する自動変速機の一部を示す縦断面図である。 図3の要部拡大図である。 第2油室を径方向に切断した模式断面図である。 本発明の実施形態の作用説明図である。 第2油室の変形例を示す模式断面図である。 従来の自動変速機のピストン装置の問題点を説明する図である。
符号の説明
1 自動変速機
100 入力軸
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
101 第1摩擦係合要素
102 第2摩擦係合要素
2 クラッチドラム
3 第1ピストン
30 第1油室
4 第2ピストン
40 第2油室
40a 領域
401 仕切壁

Claims (3)

  1. 自動変速機の回転軸の軸方向に移動可能なピストンと油室とを備え、前記油室の圧力で前記ピストンが軸方向に移動するように構成された自動変速機のピストン装置において、
    前記油室内に、前記ピストンの半径方向に延びる複数の仕切壁が設けられており、前記仕切壁によって当該油室が複数の領域に区画されていることを特徴とする自動変速機のピストン装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機のピストン装置において、
    前記仕切壁は、前記ピストンの中心から半径方向に延びる直線に対して傾斜していることを特徴とする自動変速機のピストン装置。
  3. 請求項1または2記載の自動変速機のピストン装置において、
    前記ピストンは、当該自動変速機のクラッチを係合・解放するピストンであることを特徴とする自動変速機のピストン装置。
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