JP4669582B2 - 配合及び配船計画作成システム、方法及びプログラム - Google Patents

配合及び配船計画作成システム、方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、複数銘柄の配合原材料(以下、単に原材料とも称する)を入荷して混合する配合計画及び複数銘柄の原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を作成するのに好適な配合及び配船計画作成システム、方法及びプログラムに関する。
本願は、2008年11月21日に、日本に出願された特願2008−298596号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
鉄鋼を始めとする多くの産業においては、契約した購入目標量に沿い購入した種々の性状を有する多種類の原材料を混合して、この混合後の原材料を使用して鉄鋼等の製品、半製品を製造する。この際、鉄鋼等の製品、半製品の性状を一定範囲内に納めつつ生産量を満足し、かつ、各原材料が製造現場で在庫切れを発生させないように、輸送計画(船の場合は配船計画と呼ぶ)及び配合計画を立てることが求められている。そして、配船計画及び配合計画を作成するに際しては、費用を重要な指標として計画の良し悪しが判断される。このため、輸送費用(船を雇う費用であるフレートと、船が港で契約期間以上に停泊した場合に支払う滞船料)、及び原材料の購入費用のミニマム化(最小化)が求められる。
しかし、原材料を荷揚げ(入荷)する船舶の配船計画が定まらないと、揚港に荷揚げされる原材料の銘柄と量が決定されない。この結果、原材料を荷揚げされた製鉄所で、どの銘柄をどれだけの量使えるかを決定できない、つまり配合計画を作成できない。一方、船舶の配船計画を作成するためには、原材料を荷揚げする揚港である製鉄所で、どの銘柄をどれだけの量使うかが決まっている必要がある。このように、配合計画と配船計画とはお互いに深く相関し合っているため、そのいずれかを独立して計画することが非常に難しい。
関連する技術として、特許文献1に開示の原料輸送配船計画用推論装置では、原材料の使用計画及び原料船の年間稼動計画を既知データとして読み込んだ後に、在庫切れを起こしそうな銘柄を優先的に船と紐付ける。この工程を繰り返すことで配船計画が作成される。
また、特許文献2に開示の物流計画作成装置では、シミュレート部で制約条件に基づいて各輸送手段の運行をシミュレートし、原料在庫量推移算出部で上記シミュレート結果に基づいて原料銘柄毎の在庫量の推移を算出する。この計算の結果が評価値算出部で評価される。
日本国特開平8−272402号公報 日本国特開平11−310313号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2はいずれも、原材料の使用計画及び原料船の年間稼動計画を既知データとして読み込んで配船計画を作成する。つまり、配合計画と配船計画とを相互に連係させて作成することは考慮されていない。
また、現実の輸送に際しては、異なる種別の傭船契約に基づいて運用される船舶、例えば連続航海船、不定期船、スポット船が使用されるが、特許文献1、2ではそういった船舶の種類までも含めた輸送費用のミニマム化は、考慮されていない。
更に、連続航海船及び不定期船といった契約では、対象船舶を必ず(最優先で)配船をする必要がある。一方、スポット船は、引取目標量、在庫状況に応じて適切に雇う船の大きさ、船数を決定する必要がある。しかし、特許文献1、2ではそういった傭船契約種別を考慮した船の船団構成までを考慮した送費用のミニマム化は、行われていない。つまり、例えば、1つの連続航海船と最大積載量75000トン(ton、t)の2つのスポット船で配船するのが良いのか、或いは1つの連続航海船と最大積載量50000トンの3つのスポット船で配船するのが良いのか、などの選択肢を考慮した配船計画の方法が、実際の業務では必要となる。雇う船の最大積載量、航路によって船の輸送費用は大きく変わってくるが、これらを考慮した配船は、上記文献では行われていない。
更に、配合計画で輸送費用を考慮せずに計画を作成した場合には、必要以上に輸送費用が高い原材料を使用する配合計画が作成される畏れがある。このような計画方法の場合、配合計画決定後にどのように輸送を工夫しても、輸送費用を最適化することは困難である。例えば、性状がほぼ同一の原材料X,Yがあり、揚港(製鉄所)A,Bでは原材料X,Yどちらでの使用も可能な場合を考慮する。揚港Aに原材料Xを輸送する費用が20$/トン、原材料Yを輸送する費用40$/トン、揚港Bに原材料Xを輸送する費用が40$/トン、原材料Yを輸送する費用20$/トンであるとする。この場合、本来揚港Aで原材料X、揚港Bで原材料Yを使用する計画を立てる方が輸送費用の観点からより有利な計画である。しかし、輸送費用が考慮されていない計画方法を用いた場合、揚港Aで原材料Y、揚港Bで原材料Xを使用する計画が作成される畏れがある。
加えて、実操業においては、使用予定銘柄の在庫状況が厳しい場合には、性状の近い銘柄(性状が規定した範囲に含まれる銘柄;一定の化学性質を共通して備える銘柄;互いに置き換えても使用可能な銘柄)を代替として使用することで、在庫切れの抑止が行われている。また、この代替使用を積極的に行うことで、フレートが高い船でしか輸送できない銘柄に変わり、性状の近い銘柄(性状が規定した範囲に含まれる銘柄)でフレートのより安い船で手配できる銘柄を輸送することで、輸送費用の削減を行っている。
このように、費用を考慮する場合には、配合原材料の購入費用はもちろん、その輸送費用も考慮して、計画を作成することが求められる。しかし、特許文献1及び特許文献2はいずれも、原材料の使用計画の段階において、上記事情までは考慮していない。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画、及び複数銘柄の原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を、相互に連係させて一括して作成できるようにすることを一つの目的とする。また、船舶の契約種類までも含めて輸送費用のミニマム化が考慮できるようにすることを別の一つの目的とする。
更に、性状の近い銘柄(性状が規定した範囲に含まれる銘柄)を考慮することで、銘柄毎に個別に考慮するのに比べて更なる在庫切れの抑制と輸送費用のミニマム化を可能にすることを目的とする。
(1) 上記目的を達成するための、本発明の一態様にかかるシステムは、複数の銘柄の配合原材料を、複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画と;
入荷した前記配合原材料を、それぞれの前記揚地で混合する配合計画と;
を作成する配合及び配船計画作成システムであって:
前記積地毎及び前記銘柄毎に予め設定された前記配合原材料の引取目標量に基づいて、第1の配合計画を作成する第1の配合計画作成部と;
作成された前記第1の配合計画に基づいて、前記配船計画を作成する配船計画作成部と;
作成された前記配船計画を格納するデータベース部と;
を備え
前記第1の配合計画作成部は:
前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータを取り込むデータ取込み部と;
前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ設定する数式モデル設定部と;
設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う最適化計算部と;
前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレートするシミュレータと;
前記シミュレータによるシミュレーション結果である配合計画を出力する出力部と;
を備え、
前記第1の配合計画作成部は、更に、作成された前記配合計画に従った前記配合原材料の使用予定量を算出し、
前記配船計画作成部は:
前記配合原材料の前記使用予定量、前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の購入費用、複数の種別の傭船契約に基づいて運用される複数の船舶がリストアップされた船舶リスト、各々の前記船舶の運航状況、及び、輸送費用、を含むデータを取り込むデータ取込み部と;
前記運航状況に基づいて前記船舶リストから配船対象の候補となる前記船舶を選択し、船舶財源リストを作成する船舶財源リスト作成部と;
前記船舶財源リストに含まれる前記船舶の運航制約、前記揚地での前記配合原材料の需給バランス制約、及び、引取目標量制約を表す数式モデルを設定する数式モデル設定部と;
設定された前記数式モデルを用いて、前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う最適化計算部と;
前記在庫状況の推移をシミュレートする在庫推移シミュレータと、前記運航状況の推移をシミュレートする船舶運航状況推移シミュレータと、を含み、前記最適化計算の結果に基づいて動作する、シミュレータと;
前記シミュレータによるシミュレーション結果である前記配船計画を出力する出力部と;
を備えることを特徴とする配合及び配船計画作成システムである。
(2) 上記目的を達成するための、本発明の別の一態様にかかる方法は、複数の銘柄の配合原材料を、複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画と;
入荷した前記配合原材料を、それぞれの前記揚地で混合する配合計画と;
を作成する配合及び配船計画作成システムであって:
前記積地毎及び前記銘柄毎に予め設定された前記配合原材料の引取目標量に基づいて、第1の配合計画を作成する第1の配合計画作成部と;
作成された前記第1の配合計画に基づいて、前記配船計画を作成する配船計画作成部と;
作成された前記配船計画を格納するデータベース部と;
を備え、
前記第1の配合計画作成部は:
前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータを取り込むデータ取込み部と;
前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ設定する数式モデル設定部と;
設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う最適化計算部と;
前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレートするシミュレータと;
前記シミュレータによるシミュレーション結果である配合計画を出力する出力部と;
を備え、
前記第1の配合計画作成部は、更に、作成された前記配合計画に従った前記配合原材料の使用予定量を算出し、
前記配船計画作成部は:
前記配合原材料の前記使用予定量、前記配合原材料の前記引取目標量、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われたグループ化配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の購入費用、複数の種別の傭船契約に基づいて運用される複数の船舶がリストアップされた船舶リスト、各々の前記船舶の運航状況、及び、輸送費用、を含むデータを取り込むデータ取込み部と;
前記運航状況に基づいて前記船舶リストから配船対象の候補となる前記船舶を選択し、船舶財源リストを作成する船舶財源リスト作成部と;
前記船舶財源リストに含まれる前記船舶の運航制約、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われた前記グループ化配合原材料の需給バランス制約、及び、引取目標量制約を表す数式モデルを設定する数式モデル設定部と;
設定された前記数式モデルを用いて、前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う最適化計算部と;
性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われた前記グループ化配合原材料の前記在庫状況の推移をシミュレートする在庫推移シミュレータと、前記運航状況の推移をシミュレートする船舶運航状況推移シミュレータと、を含み、前記最適化計算の結果に基づいて動作する、シミュレータと;
前記シミュレータによるシミュレーション結果である前記配船計画を出力する出力部と;
を備えることを特徴とする配合及び配船計画作成システムである。
) 上記(1)の配合及び配船計画作成システムでは、前記配合計画の作成と、前記配船計画の作成と、において、前記引取目標量および前記配合原材料の在庫状況に関して共通の制約条件が用いられてもよい。
(4) 上記(1)または(2)の配合及び配船計画作成システムにおいて、前記最適化計算部が、前記配合原材料の入荷量と前記引取目標量との関係に関して予め構築された目的関数に更に基づいて最適化計算を行ってもよい。
(5) 上記()または(4)の配合及び配船計画作成システムにおいて、前記データ取込み部により取り込まれる前記輸送費用には;船舶別・積港別・揚港別のフレートの情報と;前記銘柄別・揚港別フレートの情報と;が含まれてもよい。
) 上記(2)の配合及び配船計画作成システムは、 作成された前記配船計画に基づいて、第2の配合計画を作成する第2の配合計画作成部を更に備えてもよく、前記データベース部は前記第2の配合計画を更に格納してもよい。
) 上記()の配合及び配船計画作成システムにおいて、前記第2の配合計画作成部は:作成された前記配船計画に基づく前記配合原材料の入荷予定、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータを取り込む第2のデータ取込み部と;前記入荷予定を用い、前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ設定する第2の数式モデル設定部と;設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う第2の最適化計算部と;前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレートする第2のシミュレータと;前記シミュレータによるシミュレーション結果である配合計画を出力する第2の出力部と;を備えてもよい。
) 上記()の配合及び配船計画作成システムでは、前記第1の配合計画の前記需給バランス制約と、前記第2の配合計画の前記需給バランス制約と、において、需要に関して同一の制約条件を設定し;前記第1の配合計画の前記需給バランス制約において、供給に関して、引取目標量を制約条件として設定し;前記第2の配合計画の前記需給バランス制約において、供給に関して、船舶による原材料の入荷量を制約条件として設定してもよい。
) 上記()の配合及び配船計画作成システムでは、前記第1の配合計画の前記目的関数において、銘柄別・揚港別見做しフレートを用い;前記第2の配合計画の前記目的関数において、船舶別・積港別・揚港別フレートを用いてもよい。
10) 上記(1)または()の配合及び配船計画作成システムでは、作成された前記配合計画において、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われてもよい。
11) 上記目的を達成するための、本発明の別の一態様にかかる方法は、複数の銘柄の配合原材料を、複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画と;
入荷した前記配合原材料を、それぞれの前記揚地で混合する配合計画と;
を作成する配合及び配船計画作成方法であって:
前記積地毎及び前記銘柄毎に予め設定された前記配合原材料の引取目標量に基づいて、第1の配合計画作成部が第1の配合計画を作成する第1の配合計画作成工程と;
作成された前記第1の配合計画に基づいて、配船計画作成部が前記配船計画を作成する配船計画作成工程と;
作成された前記配船計画をデータベースに格納するデータベース格納工程と;
を備え
前記第1の配合計画作成工程は:
前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータをデータ取込み部が取り込むデータ取込み工程と;
前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ数式モデル設定部が設定する数式モデル設定工程と;
設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算部が最適化計算を行う最適化計算工程と;
前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレータがシミュレートするシミュレーション工程と;
前記シミュレーション工程によるシミュレーション結果である配合計画を出力部が出力する出力工程と;
を備え、
前記第1の配合計画作成工程は、更に、作成された前記配合計画に従った前記配合原材料の使用予定量を算出し、
前記配船計画作成工程は:
前記配合原材料の前記使用予定量、前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の購入費用、複数の種別の傭船契約に基づいて運用される複数の船舶がリストアップされた船舶リスト、各々の前記船舶の運航状況、及び、輸送費用、を含むデータをデータ取込み部が取り込むデータ取込み工程と;
前記運航状況に基づいて前記船舶リストから配船対象の候補となる前記船舶を選択し、船舶財源リストを船舶財源リスト作成部が作成する船舶財源リスト作成工程と;
前記船舶財源リストに含まれる前記船舶の運航制約、前記揚地での前記配合原材料の需給バランス制約、及び、引取目標量制約を表す数式モデルを数式モデル設定部が設定する数式モデル設定工程と;
設定された前記数式モデルを用いて、前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算部が最適化計算を行う最適化計算工程と;
前記在庫状況の推移を在庫推移シミュレータがシミュレートする在庫推移シミュレーション工程と、前記運航状況の推移を船舶運航状況推移シミュレータがシミュレートする船舶運航状況推移シミュレーション工程と、を含み、前記最適化計算の結果に基づいて動作する、シミュレーション工程と;
前記シミュレーション工程によるシミュレーション結果である前記配船計画を出力部が出力する出力工程と;
を備える
12) 上記目的を達成するための、本発明の別の一態様にかかる方法は、複数の銘柄の配合原材料を、複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画と;
入荷した前記配合原材料を、それぞれの前記揚地で混合する配合計画と;
を作成する配合及び配船計画作成方法であって:
前記積地毎及び前記銘柄毎に予め設定された前記配合原材料の引取目標量に基づいて、第1の配合計画作成部が第1の配合計画を作成する第1の配合計画作成工程と;
作成された前記第1の配合計画に基づいて、配船計画作成部が前記配船計画を作成する配船計画作成工程と;
作成された前記配船計画をデータベースに格納するデータベース格納工程と;
を備え
前記第1の配合計画作成工程は:
前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータをデータ取込み部が取り込むデータ取込み工程と;
前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ数式モデル設定部が設定する数式モデル設定工程と;
設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算部が最適化計算を行う最適化計算工程と;
前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレータがシミュレートするシミュレーション工程と;
前記シミュレーション工程によるシミュレーション結果である配合計画を出力部が出力する出力工程と;
を備え、
前記第1の配合計画作成工程は、更に、作成された前記配合計画に従った前記配合原材料の使用予定量を算出し、
前記配船計画作成工程は:
前記配合原材料の前記使用予定量、前記配合原材料の前記引取目標量、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われたグループ化配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の購入費用、複数の種別の傭船契約に基づいて運用される複数の船舶がリストアップされた船舶リスト、各々の前記船舶の運航状況、及び、輸送費用、を含むデータをデータ取込み部が取り込むデータ取込み工程と;
前記運航状況に基づいて前記船舶リストから配船対象の候補となる前記船舶を選択し、船舶財源リストを船舶財源リスト作成部が作成する船舶財源リスト作成工程と;
前記船舶財源リストに含まれる前記船舶の運航制約、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われた前記グループ化配合原材料の需給バランス制約、及び、引取目標量制約を表す数式モデルを数式モデル設定部が設定する数式モデル設定工程と;
設定された前記数式モデルを用いて、前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を最適化計算部が行う最適化計算工程と;
性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われた前記グループ化配合原材料の前記在庫状況の推移を在庫推移シミュレータがシミュレートする在庫推移シミュレーション工程と、前記運航状況の推移を船舶運航状況推移シミュレータがシミュレートする船舶運航状況推移シミュレーション工程と、を含み、前記最適化計算の結果に基づいて動作する、シミュレーション工程と;
前記シミュレーション工程によるシミュレーション結果である前記配船計画を出力部が出力する出力工程と;
を備える。
13) 上記目的を達成するための、本発明の別の一態様にかかるプログラムは、上記(1)または(2)の配合及び配船計画作成システムの各部分としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
本発明の各態様によれば、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画、及び複数銘柄の原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を、相互に連係させ、一括して作成することができる。特に、傭船契約の種別の異なる船舶を考慮して、輸送費用に関して構築された目的関数を用意し、この目的関数に基づいて最適化計算を行うことができる。このことにより、船舶の傭船契約の種類(連続航海船、不定期船、スポット船)、船団の構成を決める船舶を雇うか、雇わないか(船財源リストの作成)、までも含めた、輸送費用のミニマム化のための計画立案が可能になる。更には、配合計画段階においても、輸送費用をミニマム化することを考慮した計画の作成が可能となる。
加えて、性状の近い銘柄(性状が規定した範囲に含まれる銘柄)を考慮することで、銘柄毎に個別に考慮するのに比べて更なる在庫切れの抑制と輸送費用のミニマム化のための最適化が可能になる。
本発明の各実施形態に係る配合及び配船計画作成システムの概略構成を示す図である。 第1の、または第2の配合計画作成装置を含むシステム構成例を示す図である。 第1の、または第2の配合計画作成装置の基本的な構成を示すブロック図である。 第1の、または第2の配合計画作成装置の構成を示すブロック図である。 第1の、または第2の配合計画作成装置による配合計画作成処理を説明するためのフローチャートである。 配合計画作成の概要を説明するための図である。 利用するフレートを設定するテーブルの例を示す図である。 入荷量が引取目標量から一定幅以上離れないという制約を説明するための図である。 入荷量が引取目標量から一定幅以上離れないという制約を説明するための図である。 配合計画作成の手順を説明するための図である。 非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に代えて線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)を導入したときの処理を示すフローチャートである。 配合計画を旬毎に作成した例を示す図である。 配船計画作成装置による配船計画作成処理を説明するためのフローチャートである。 取り込みデータのうちの船舶リストを説明するための図である。 取り込みデータのうちの船舶運航状況を説明するための図である。 取り込みデータのうちのフレートリストを説明するための図である。 取り込みデータのうちの滞船料のリストを説明するための図である。 船舶の選択処理を説明するためのフローチャートである。 抽出した連続航海船について計画作成期間における積地と揚地の組み合わせのパターンを作成している様子を示す図である。 スポット船で補うべき原材料輸送量を説明するための図である。 スポット船の航路リストを説明するための図である。 時刻と在庫量との関係を示す図である。 引取量が引取目標量から一定幅以上離れないという制約を説明するための図である。 引取量が引取目標量から一定幅以上離れないという制約を説明するための図である。 マクロ最適化とミクロ最適化との関係を模式的に示した図である。 積地における負荷の平準化を目的とする目的関数について説明するための図である。 揚地における負荷の平準化を目的とする目的関数について説明するための図である。 配船計画の例を示す図である。 本発明の配合計画装置、配船計画装置として機能しうるコンピュータ装置のハードウェア構成例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。本実施形態では、複数の製鉄所に、世界中に点在する山元(積地)から鉱石や石炭等の配合原材料を船舶による輸送で入荷し、それらを混合する例を説明する。すなわち、この例では、複数銘柄の配合原材料が、複数の供給元から船舶にて複数の供給先に輸送され、複数の供給先に入荷する。そして、この配合原材料が、各供給先において配合されて使用される。この際に、この複数銘柄の配合原材料の配合計画、及びこの複数銘柄の配合原材料は、積地である複数の供給元から揚地である複数の供給先に船舶によって輸送される。この船舶による輸送の際の配船計画を作成するのに好適な配合及び配船計画作成について、以下説明する。
(システム構成)
図1は、本発明の実施形態1から4に係る配合及び配船計画作成システムの概略構成を示す図である。なお、図1には例えば第2の配合計画作成装置300が示されているが、実施形態1においては、これは使用されない。以下、複数の実施形態に概ね共通する構成、工程について、その概要を説明する。その後に、各実施形態に含まれる要素、工程について、詳細に記載する。
100は第1の配合計画作成装置であり、原材料の引取目標量に基づいて、複数銘柄の原材料を入荷して混合する配合計画を作成する。ここでは、製鉄所毎に原材料を配合する配合計画を作成する。これにより、各製鉄所において原材料を日々どれだけ使用していくかを示す、使用予定量が計画される。この第1の配合計画作成装置100が、本発明でいう第1の配合計画作成部として機能するものである。
200は配船計画作成装置であり、第1の配合計画作成装置100により作成された配合計画に基づいて、複数銘柄の原材料(鉱石や石炭等)を複数の積地(世界中に点在する山元)から複数の揚地(製鉄所)に輸送する配船計画を作成する。本実施形態では、製鉄所毎の輸送費用平準化ではなく、全製鉄所合計での輸送費用をミニマム化する配船計画を作成することを目的としている。更には、輸送費用に加えて、原材料の購入費用を含めた費用をミニマム化する配船計画を作成することを目的としている。この配船計画作成装置200が、本発明でいう配船計画作成部として機能するものである。
300は第2の配合計画作成装置であり、配船計画作成装置200により作成された配船計画に基づいて、複数銘柄の原材料を入荷して混合する配合計画を作成する。この第2の配合計画作成装置300が、本発明でいう第2の配合計画作成部として機能するものである。
400はデータベースであり、各装置100〜300が計画を作成する上で使用するデータや、各装置100〜300が作成した計画をコンピュータ500が参照可能、更には修正可能な方式で格納する。これにより、各装置100〜300が計画を作成する上で使用するデータや、各装置100〜300が作成した計画の一括管理が可能となり、最新情報の共有化を図ることができる。
500はコンピュータであり、データベース400に格納されたデータを参照、更新したり、データベース400にデータを格納したりする。なお、ここではコンピュータ500を一つしか図示していないが、本実施形態では、複数台のコンピュータがLANやインターネットを介して接続される。コンピュータ500には、例えばプロセスコンピュータ等と称される上位コンピュータや、各所(製鉄所、本社、船会社、山元等)に設置されたデータベース400にアクセス可能なコンピュータ端末等がある。
なお、図1に示すシステム構成は一例に過ぎず、それに限定されるものではない。例えば各装置100〜300がそれぞれ一つの装置として構成されるかのように図示したが、装置100〜300がそれぞれ複数の機器からなるコンピュータシステムで構成されるようにしてもかまわない。また、例えば第1の配合計画作成装置100及び第2の配合計画作成装置300が同様のアルゴリズムで配合計画を作成するような場合には、一つのコンピュータシステムが第1の配合計画作成装置100及び第2の配合計画作成装置300として機能するように構成してもよい。更には、本発明でいう第1の配合計画作成部、配船計画作成部、データベース部、第2の配合計画作成部が一つの装置として実現される場合も本発明の範疇にあるものとする。
(第1の実施形態)
(第1の配合計画作成装置100)
第1の配合計画作成装置100では、原材料の引取目標量に基づいて、複数銘柄の原材料を入荷して混合する配合計画を作成する。引取目標量とは、山元(積地)別、銘柄別の引取目標量(引取予定量)である。各山元とは、銘柄毎に、例えば年間といった期間中で、どれだけの量を引き取るかについて契約している。この期間中の引取量を、相当する期間に含まれる旬の数で割れば、旬毎の引取目標量が得られる。なお、本明細書において、旬は月を3つに分割した期間の単位を指す。
図2は、第1の配合計画作成装置100を含むシステム構成例を示す図である。図2に示すように、第1の配合計画作成装置100は、配合計画を作成するに際して、操業者によるデータ設定を受け付けるか、或いはデータベース400からデータを取り込む。この際、取り込まれるデータには、例えば以下のものが含まれる:配合計画を立案する上で必要となる計画作成期間、引取目標量、原材料の在庫状況、原材料の性状、原材料の単価を表す購入費用情報、船舶を利用する際の輸送費用情報を含む制約条件、及び前提条件。原材料の性状に関するデータは、例えば、石炭化度、各成分含有比率など、物理的、化学的な性状を含む。
第1の配合計画作成装置100は、多種類(複数銘柄)の原材料を入荷して混合する混合計画を、シミュレーションを実行して作成する。第1の配合計画作成装置100は、原材料の需給バランス制約、混合後の性状制約を満たすように、配合計画として各銘柄の使用量(配合割合)、入荷量を求める。詳細は後述するが、第1の配合計画作成装置100は、LP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法に則って構築された、原材料の需給バランス制約を表す数式モデル(「需給バランスモデル」とも称する)、及び、混合後の性状制約を表す数式モデル(「性状モデル」とも称する)を設定することにより配合計画の最適化を図る。
数式モデルの設定とは、数式モデルの展開とも呼ばれる一連の工程であり、以下に説明するような工程を含み、本実施形態の装置の各部、あるいは方法によって行われる。本実施形態において、数式モデルは、船舶数や港数などの各条件の変化に対応できるように、抽象的な形式で予め構築・定式化されている。この数式モデルに対して、各配列の添え字の最大数(例えば船舶数を表す)や、式中の係数及び定数の値などを、計画立案の条件に沿って具体的に定める。
表示部303では、第1の配合計画作成装置100で求められた各銘柄の使用量(配合割合)、入荷量、在庫推移グラフ、各種帳票を表示する。
操業者評価部304では、求められた配合計画を様々な観点(例えば、在庫推移、性状等)から操業者が評価し、満足のいく結果でなければ、必要に応じて配合割合等を修正する。その際に、必要に応じて目的関数の重みや評価の指標を変えたり、数式モデルを設定する対象期間・計画確定期間を変えたりする。また、全部の或いは指定した処理のみ使用量の固定をする等、操業者の意志を反映させた数式モデルの設定が可能である。そして、第1の配合計画作成装置100で再度配合計画を作成し直す。
図3は、第1の配合計画作成装置の基本的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、第1の配合計画作成装置100は、シミュレータ(在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312を含む)、本発明でいう数式モデル設定部として機能するモデル設定部(需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314を含む)、本発明でいう最適化計算部として機能する計画部315を含んで構成され、更に入出力部を併せ持つ。
在庫推移シミュレータ311は、各原材料の需給状態(在庫推移)を計算するシミュレータである。性状シミュレータ312は、原材料を混合した後の性状を計算するシミュレータである。在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312が互いに連動することで、原材料の在庫推移、混合後の性状を計算する。
本実施形態においては、例えば以下の情報を含む、入力データ316に基づいて数式モデルの設定処理を行う:配合計画を立案する上で必要となる計画作成期間、引取目標量、原材料の在庫状況、原材料の性状、原材料の単価を表す購入費用情報、及び船舶を利用する際の輸送費用情報等。配合計画の立案開始日時から予め設定された最適化期間分を対象として、予め設定した時間精度に基づいて、LP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理整数計画法等に則り、需給バランスモデル設定部313にて需給バランス制約(在庫制約)を表す数式モデルが設定され、性状モデル設定部314により性状制約を表す数式モデルが設定される。
需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314により設定された数式モデルを用いて、在庫を切らさないようにするとともに要求される性状を満足し、かつ、費用(原材料の購入費用及び輸送費用)をミニマム化して配合計画を作成するように、計画部315が最適化計算を行う。この最適化計算の結果に基づいて、在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312に対する計算指示を作成する。この計算指示を受けて、在庫推移シミュレータ311が、在庫推移をシミュレートし、性状シミュレータ312が計画に従って製造される製品・半製品の性状をシミュレートする。例えば、鉄鋼業においては、石炭を混合して焼き固めたコークス(製品)、鉄鉱石を還元して得られる銑鉄を精錬した溶鋼を凝固させたスラブ(半製品)等の性状をシミュレートする。
かかる第1の配合計画作成装置100によれば、従来のように予め決められたルールに基づいて計算指示が行われるのではなく、計画部315により行われた最適化計算の結果に基づいた計算指示を在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312に出力する。このため、そのときの事象に応じた最適な計算指示を確実に行うことが可能となる。
例えば、図7に示すように予め設定された計画確定期間分について、在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312によるシミュレーションが、行われる。このシミュレーションが終了すると、立案開始日が更新され、更新前の計画確定期間の最終状態、つまり更新後の立案開始日での在庫推移、性状の情報に基づいて、新たな最適化期間分の需給バランスモデル設定部313により在庫制約を表す数式モデルが設定され、性状モデル設定部314により性状制約を表す数式モデルが設定される。設定後の数式モデルは、計画部315に与えられる。このように、計画部315に、在庫推移、性状の情報に基づいて設定された数式モデルが与えられると、これを用いて、最適化計算が実行される。
以上のように、各シミュレータ(在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312)と、各モデル設定部(需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314)と、計画部315とを連動させた詳細なシミュレーションを実行することで、最適な配合計画を作成することができる。すなわち、本実施形態において行われるシミュレーションは、従来のような所定のルールに基づくシミュレーションではなく、最適化計算の結果に基づいて行われる。このため、1回のシミュレーションを実行するだけでも、理論的な最適解を確実に得ることが可能となる。この構成により、従来のようにシミュレーション結果を評価してシミュレーションを何回も繰り返して実行する必要がなく、シミュレーション結果317を迅速に、かつ、高精度に作成することができる。したがって、配合計画を作成する対象が大規模であっても実用時間内に作成することが十分に可能である。
また、従来法では、計画作成期間が長くなると、計算対象となる期間が長くなり、これにつれて、問題規模が急激に大きくなるため、求解が不可能になる問題があった。しかし、本手法では全計画作成期間を、これより短い最適化期間に分割することで、問題規模を小さくすることができる。このため、全体としての計画作成期間が長くなっても、問題を解くことが可能となる。上述のようにして得られたシミュレーション結果317を配合計画として出力する。
また、需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314により設定するモデルの規模が非常に大きい場合や、制約条件が非常に多くて複雑な場合でも、在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312に記載された需給バランス制約、性状制約のうち、配合計画作成に影響が大きく、重要な部分のみを抽出し、この抽出された部分のみを、需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314に取り込んでもよい。これによって、需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314の数式モデルの規模を適切な範囲にして、実用的な時間内で最適化計算を行うことができる。在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312は、考慮すべき需給バランス制約、性状制約を全て記載することができるので、1回のシミュレーションを実行して作成された配合計画は現実に実行可能となることが保証される。
上述したように、本実施形態においては、シミュレータ(在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312)とモデル設定部(需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314)と計画部315とを連動させて配合計画を作成する。このため、以下の効果が得られる:(1)シミュレーションを繰り返して実行せずに配合計画を作成することができる;(2)配合計画作成に影響が大きい重要な部分の制約のみを計画部315に取り込むことで、計算時間を短縮することができる;(3)大規模な問題を解くことが可能になる。
以下、第1の配合計画作成装置100の構成及びこの装置を用いて実行する配合計画作成方法の各ステップをより詳細に説明する。図4は、図3を用いて説明した第1の配合計画作成装置100の基本的な構成に対する、配合計画作成装置の詳細な構成を示す図である。また、図5は、この装置を用いて実行する配合計画作成方法の各ステップを示すフローチャートである。
配合計画作成の概要として、例えば図6に示すように、以下のような計算、調整の工程が含まれる:複数ある製鉄所(揚港)a〜cでの原材料(銘柄)の需給バランスを取ること;(各銘柄A〜Nの在庫を切らさない等)要求される性状を満足させること;かつ、費用(原材料の購入費用及び輸送費用)をミニマム化すること;前記の条件を満たすような配合計画として、製鉄所a〜c毎の各銘柄A〜Nの使用量(配合割合)、入荷量を決定すること。ここで、製鉄所毎の使用量の合計量である予定使用量は、入力データとして与えられる。このため、配合割合(%)=使用量/予定使用量×100となる。このため、使用量、配合割合の一方が決定されれば、他方が決定されることとなる。
(1)入力データの取り込み(図4の入力データ取込み部351、図5のステップS301)
本処理に必要な情報(引取目標量、原材料の在庫状況、原材料の性状、原材料の単価を表す購入費用情報、船舶を利用する際の輸送費用情報等)をオンラインにて読み込み、必要に応じて操業者が修正を加える。
ここで、入力データ取込み部351により取り込まれる引取目標量は、山元(積地)別、銘柄別の引取目標量(引取予定量)を表す情報である。各山元とは原材料の銘柄毎に、例えば年間等の期間において、どれだけの量の原材料を引き取るか(引取量)について契約している。この期間全体の引取量を月数で割れば、月毎の引取目標量が得られる。この引取目標量に近づけるように、入荷することが求められる。しかし、年間で数万トン程度の引取量の上下へのぶれは山元との交渉により、許容範囲内となる。また、契約によっては、所定の銘柄については所定の期間は引取しないといった契約も考えられる。そういった例外的な条件を、計算に含めてもよい。例えば、原材料Aのある月での引取目標量が5万トンの場合で、引取目標量からの上下へのぶれが年間で6万トン(月当たり5千トン)の場合を考える。この場合、当該月の入荷予定について、上限(入荷予定量上限)5万トン+5千トン、下限(入荷予定量下限)5万トン−5千トンの間の範囲が、許容範囲となる。
原材料の在庫状況は、計画作成期間の初日における製鉄所別、銘柄別の在庫量(トン数)を表す情報である。
原材料の性状は、原材料毎の成分等の性状を表す情報である。例えば、原材料である鉄鉱石の性状としては、Fe2O3、Fe3O4、SiO2、Al2O3等の原材料についての、性状情報が含まれる。
原材料の購入費用情報は、山元(積地)別、銘柄別の原材料の単価($/トン(ton、t))を表す情報である。
船舶を利用する際の輸送費用情報は、図15、16に示すように、船舶リストにリストアップされている船舶を利用する場合のフレート、及び、船舶リストにリストアップされている船舶を利用する場合の積揚港別の滞船料、を表す情報である。また、船舶を利用する際の輸送費用情報には、銘柄別・揚港(揚地)別見做しフレートを表す情報も含まれる。輸送費用は、本来上述した船舶別・積港別・揚港別フレートにより、一意的に定まるものである。しかし、第1の配合計画作成装置100の作業段階においては、入荷に関して、原材料を積載する船舶が決定されていない。これら積載する船舶が未決定の原材料に対して、原材料の輸送費用を見積もるために、銘柄別・揚港別のフレートが必要となる。ここで、銘柄別・揚港別フレートは、原材料を積載する船舶の選択等によって本来はフレートが異なるため、一意に決定することができない。そこで、銘柄別・揚港別フレートに替え、銘柄別・揚港別に、概算である見做しフレートの情報を取得する。銘柄別・揚港別見做しフレートとしては、例えば経験等に基づいて設定した銘柄別・揚港別フレート、或いは過去実績から統計的手法、例えば銘柄別・揚港別に過去実績のフレートを収集し、その平均値を銘柄別・揚港別フレートとして見做した銘柄別・揚港別見做しフレートが予めリストアップされている。
以上説明した入力データ取込み部351及びステップS301が、本発明でいう第1の配合計画作成部のデータ取込み部及びそれによる処理の例である。
(2)配合計画作成期間の設定(図4の計画作成期間設定部352、図5のステップS302)
配合計画を作成する期間を設定する。この作成期間は立案者の必要に応じて任意の期間を設定可能とする。ここでは、一例として10日間分を立案する。
(3)配合計画作成時間精度の設定(図4の時間精度設定部353、図5のステップS303)
配合計画を作成する時間精度並びにシミュレーション精度を設定する。この時間精度並びにシミュレーション精度は、立案者の必要に応じて個別に任意の精度を設定可能とする。例えば立案の細かな精度を必要とする計画作成期間の前半では精度を細かくし、粗い計画で十分な計画作成期間の後半では精度を粗くすることで、十分な精度と短い計算時間での、効率的な計画作成が可能になる。
(4)最適化期間の設定(図4の最適化期間設定部354、図5のステップS304)
配合計画を作成する最適化期間を設定する。この最適化期間は立案者の必要に応じて個別に任意の対象期間を設定可能とする。ここでは、一例として、計画作成期間を通して、最適化期間を3日間とする。
(5)計画確定期間の設定(図4の計画確定期間設定部355、図5のステップS305)
配合計画を確定する計画確定期間を設定する。この計画確定期間は、立案者の必要に応じて個別に任意の期間を設定可能とする。例えば、立案の細かな精度を必要とする計画作成期間の前半では計画確定期間を短くし、粗い計画で十分な計画作成期間の後半では計画確定期間を長くする。このことで、十分な精度を持ちながら短い計算時間で、効率的な計画作成が可能になる。ここでは、一例として、計画確定期間を1日に設定する。この場合は、数式モデルに対する解に基づいてシミュレートした結果得られる配合計画に対しては、計画作成期間を通して最初の1日分を確定する。
(6)配合計画の需給バランス制約を数式モデルに設定(図3の基本的構成図の需給バランスモデル設定部313、図4の需給バランスモデル設定部356、図5のステップS306)
入力データ取込み部351により取り込まれたデータの全部又は一部に基づいて、設定された最適化期間分を、設定された時間精度で、需給バランス制約を数式モデルに対して設定する。
各銘柄の使用量を表す変数を下記の(式1)に示すように定義する。また、銘柄の在庫量を表す変数を下記の(式2)に示すように定義する。また、各銘柄の入荷量を表す変数を下記の(式3)に示すように定義する。なお、式中の「所」は、本実施形態では揚地と対応する製鉄所を示す。
需給情報を基に設定した数式モデル、つまり需給バランス制約モデルを以下に示す。ここでは、各銘柄の在庫量が、一定の安全在庫量と呼ばれる値以上であることが要求される。この場合の制約は、下記の(式4)と表される。
また、各銘柄の在庫量は、前日の在庫量、前日の入荷量、前日の使用量より決定される。この場合の関係を表す制約式は、下記の(式5)と表される。つまり、当日の在庫量は、前日の在庫量と当日に入荷(荷揚)する量を足した値から、当日の使用量を引いた値となる。
また、各銘柄の使用量のある日の合計は、当該日の全銘柄合計に対して予定された使用量と一致する必要がある。この場合の関係を表す制約式は、下記の(式6)と表される。
また、各種原材料の購買に対する要因等に鑑み、操業者は、目標とする配合割合を設定し、この与えた目標とする配合割合に近い配合割合を実現する配合計画が作成されることを求める。つまり配合割合が操業者の想定と大きくかけ離れると、想定した購買量を満たせなくなったり、購買量を越えたり、また操業設備に無理な操業を及ぼすことが想定される。このため、目標として与えた配合割合に近い配合割合が出力されることが必要となる。上記機能を実現するための制約を以下に示す。つまり、銘柄の使用量から使用目標量(目標とする配合割合)(定数)を引いた値を、使用目標量からの溢れ量の変数として定義する。ここで、使用量と使用目標量が近い量を取る程良い計画であるため、この溢れ量は少ない程良い。上記理由のため、後述するように、この溢れ量が、目的関数の項目として追加され、最適化によってミニマム化される。同様に銘柄の使用目標量から使用量を引いた値を、使用目標量からの不足量の変数として定義する。ここで、使用量と使用目標量は近い量を取る程良い計画であるため、この不足量は少ない程良い。上記理由のため、後述するようにこの不足は、目的関数の項目として追加され、最適化によってミニマム化される。この場合、各銘柄の使用量、使用目標量、溢れ量、不足量との関係を表す制約式は下記の(式7)と表される。つまり、溢れが生じる場合は使用量から溢れ量を引き、不足が生じる場合は不足量を足すと、使用目標量と一致する。
更に、前日の配合割合とその翌日の配合割合が大きく乖離すると、操業に困難を来たす。つまり、別原材料を使用するための段取り時間の増加や、設備の故障の原因となる。このため、前日の配合割合とその翌日の配合割合が大きく乖離することがない配合計画が求められる。上記機能を実現するため、銘柄の当該日の使用量と前日の使用量との差について、上限量を表す変数を下記の(式8)に示すように定義する。
この変数を用いて上記を実現するための制約を下記の(式9)に示す。つまり、銘柄の当該日の使用量から当該日前日の使用を引いた値は、当該日の使用量と当該日前日の使用量との差以下とする。ここで、当該日の使用量と当該日前日の使用量とが近い量を取る程、好適な計画である。上記理由のため、後述するように、この溢れ量は、目的関数の項目として追加され、最適化によってミニマム化される。同様に、銘柄の当該日前日の使用量から当該日の使用を引いた値に関しても、制約式として定式化する。
また、各銘柄の入荷量は、入荷予定量として与えられた量の範囲内に入っていることが要求される。この場合の関係を表す制約式は、下記の(式10)、(式11)と表される。つまり、当該月に入荷する入荷量の合計は当該月の入荷予定量上限以下、入荷予定量下限以上になる必要がある。
また、第1の配合計画作成装置100では、引取目標量に基づいて、配合計画を作成する。後述するように、最適化(ステップS103〜S106)及びシミュレーション(S107)を含む一連の工程は、複数ループ反復して実行できる。初回ループでは、ステップS301で取り込んだデータに基づいて、後述する数式モデルの設定を行い、次回ループ以降では、シミュレータでのシミュレーション結果を反映させて、数式モデルの設定を行う。引取目標量制約に関しての数式モデル設定では、例えば以下の条件を考慮する:最適化する引取量(入荷量)が引取目標量から一定幅以上離れないこと;及び、引取の可否(前述したように所定の銘柄については所定の期間は引取しないといった事情もありうる)。ここで、引取量が引取目標量から一定幅以上離れないという制約を定式化する方法として、例えば図8Aに示すように、単に旬毎(或いは月毎)の引取目標量に対して、上下の許容範囲を設定し、入荷量がその許容範囲に含まれることを制約条件とする方法、または構成が考えられる。しかし、その場合、例えば入荷量が許容範囲の下限を満たしているが旬毎の引取目標量を下回る状況が続いたような場合、年間の累積入荷量は、年間の引取目標量を下回ることもありうる。そこで、図8Bに示すように、旬毎(或いは月毎)に立案開始日から該当する旬までの引取目標量累積及び引取量累積を算出し、引取目標量累積と引取量累積との差を小さくする(最小とする、上下限値を越えないようにする等)という制約を設定するのが好適である。上記制約式を定式化するために、旬毎の引取目量標累積からの溢れ量、不足量の変数を定義する。
また、各旬の引取量累積の変数を定義する。
まず、各銘柄の引取量累積を表す制約式は下記の(式12)と表される。つまり、引取量累積は、立案開始日から当該旬までの期間に入荷する量の合計となる。
各銘柄の引取目標量累積と溢れ量、不足量との関係を表す制約式は下記の(式13)と表される。つまり、引取累積量から溢れ量を引くか、或いは不足量を足すと引取目標累積量と一致する。ここで、引取累積量と引取目標累積量は近い量を取る程好適な計画であるため、この溢れ量、及び不足量は少ない程良い。上記理由のため、後述するように、この溢れ量、及び不足量は、目的関数の項目として追加され、最適化によってミニマム化される。
なお、上述した需給バランス制約は一例であり、他の制約に替えたり、他の制約を加えたりしてもよい。
(7)配合計画の性状制約を数式モデルに設定(図3の基本構成図の性状モデル設定部314、図4の線形化部357aを含む性状モデル設定部357、図5のステップS307、S307a)
入力データ取込み部351により取り込まれたデータの全部又は一部に基づき、設定された最適化期間及び時間精度を用いて、性状制約を数式モデルに設定する。鉄鉱石の配合計画を作成する場合に用いられる原材料の性状としては、例えば、以下のものが挙げられる:鉄分、SiO2、Al2O3、SiO2、等。石炭の配合計画を作成する場合の性状としては、例えば、以下のものが挙げられる:CSR(熱間反応後強度)、DI(コークス強度)、VM(揮発分)、膨張圧等。これらの性状が、要求される性状制約を満たす必要がある。混合後の性状モデルの一例を(式14)に示した。なお、(式14)では下限値Sを有する例を示すが、上限値を有する場合や、上限値及び下限値の両方を有する場合もありうる。
f(xA、xB、xC、・・・、xN)≧S・・・(式14)
A〜xN:原材料(銘柄)A〜Nの配合割合
S:下限値(定数)
ここで、多くの性状について、性状モデルに含まれる数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)は、下式(式15)に示すように、配合割合に対して線形となる。
f(xA、xB、xC、・・・、xN
=WA×XA+WB×XB+・・・+WN×XN・・・(式15)
A〜WN:銘柄毎の銘柄iに含まれる当該成分の性状
例えば、SiO2に関して、銘柄Aの配合割合が40%、銘柄AのSiO2成分が1%、銘柄Bの配合割合が60%、銘柄BのSiO2成分が2%の条件で混合した場合、混合後のSiO2成分の性状は、1×0.4+2×0.6=1.6%となる。
ところが、性状によっては、その性状を表す数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)が非線形となることがある。この場合、次に述べるように、線形化部357aで、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に代えて線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)を導入して数式モデルを定式化する。
線形化部357aでの処理について説明する。ある性状を表す数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)が非線形である場合、それに代えて線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)を導入する。この線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)は、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)の下限をなすもの、すなわち(式16)の関係が成立するものを考える。なお、(式16)は常に成立する必要はなく、必要な範囲で成立していればよい。
f(xA、xB、xC、・・・、xN)≧f´(xA、xB、xC、・・・、xN)・・・(式16)
例えば線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)として、(式17)に示す加重平均を考える。加重平均は、単一銘柄を100%使用した場合の性状を非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)から求め、配合割合を乗算して、使用銘柄分足し合わせた値である。
加重平均製鉄所=Σ[配合割合(=使用量(製鉄所、銘柄)/使用量合計(製鉄所))×単一銘柄100%時性状銘柄]・・・(式17)
説明を簡単にするため、銘柄Aの配合割合が90%、銘柄Cの配合割合が10%の例を考える。この場合、線形の数式f´(90、0、10、・・・、0)となる加重平均は、下式で表される。
f´(90、0、10、・・・、0)
=0.9×f(100、0、・・・、0)+0.1×f(0、0、100、・・・0)
過去の実績等からこの加重平均が(式16)を満たすことがわかっていれば、この加重平均を線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)として利用することができる。すなわち、加重平均≧Sを制約とすれば、(式14)が成立するものとみなすことで、定式化できる可能性が得られる。
線形化部357aでは、(式14)´に示すように、線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する下限値として、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する下限値Sよりも小さな仮下限値S´=S−s(s:オフセット値)を設定して、数式モデルを設定する。
f´(xA、xB、xC、・・・、xN)≧S´・・・(式14)´
以上は、混合後の性状制約が下限値を有する場合を例に説明した。なお、上述した性状制約は一例であり、他の制約に替えたり(混合後の性状制約が上限値を有する場合を含む)、他の制約を加えたりしてもよい。
以上説明した需給バランスモデル設定部356(図3の需給バランスモデル設定部313)及びステップS306、並びに、性状モデル設定部357(図3の性状モデル設定部314)及びステップS307、S307aが、本発明でいう第1の配合計画作成部の数式モデル設定部及びそれによる処理例である。
(8)固定化抽出処理(図4の固定化抽出処理部358、図5のステップS308)
図9に示すように、配船計画の項目である積港、積銘柄、積量、揚港、揚銘柄、揚量のうち固定化されているもの、すなわち変更できないものを抽出する。予め与えられる条件によって、各傭船に対して「積港」及び「積銘柄」が固定化されている場合は、船舶別・積港別・揚港別フレート(図15を参照)を用いる。つまり、これらの傭船は原材料を積載する傭船が決定されているため、船舶別・積港別・揚港別フレートを用いることで、最適化によって原材料を入荷する製鉄所が決定された時点で、正確な輸送費用計算が可能となる。
また、いずれの項目も固定化されていない場合や、「積港」だけが固定化されている場合は、銘柄別・揚港別見做しフレートを用いる。つまり、積港と積銘柄が決定されていない場合には、当該船舶に関する積港と積銘柄自体を変更可能にすることで、後述の最適化を用いて、当該積港と積銘柄より輸送費用の安い積港と積銘柄の有無を検討することが可能となる。この場合は、銘柄別・揚港別見做しフレートを用いることで当該船舶に関して、当該積港と積銘柄より輸送費用の安い積港と積銘柄に、当該船舶の積港と積銘柄を変更させた計画を後述する最適化により評価、検討させる。これにより輸送費用のより安い計画を作成することを可能としている。なお、同一の傭船に関しては、固定化が最もされていないレコードの状態をこの傭船の固定化状況と考える。この固定化抽出処理は、図5に示したタイミングである必要はなく、例えば配合計画作成を開始するときに行われるようにしてもよい。
ここで、本実施形態は、配船計画が存在しない場合、つまり立案開始日以降の配船計画が全く立てられておらず、最初から配合、配船計画を作成して行く場合を例にしてあるため、上記固定化の対象となる船舶情報は存在しない。しかし、本発明はこれを変形した実施形態にも適用できる。例えば、立案開始日から3ヶ月分の配合・配船計画を立案し、1月計画した後に、2ヶ月分は前回立案を参考にし、1ヶ月を全く新規に作成することで、新たな3ヶ月分の配合・配船計画を立案する、等のローリングを行いながら、配合・配船計画が立案されてもよい。このような運用においては、配合計画を立てる際には、計画作成期間の立案開始日に近い日付の一部に対して、配船計画が存在し、またその傭船の一部が固定化されており、計画作成期間の上記に対する残りの期間に対しては、配船計画が全く存在しない。この変形した実施形態において、配合計画を実施する際には、固定化対象となる船舶が存在することとなる。このような実施形態においては、上記固定化抽出処理を用いることで、既存の条件を尊重しつつ、配船及び配合計画の漸次向上を図ることができる。
(9)配合計画数式モデルを目的関数に基づいて最適化(図3の計画部315、図4の配合計画求解部359、図5のステップS309)
上記のように設定された線形及び整数制約式でなる需給バランスモデル、性状モデルを併せて配合計画数式モデルとし、予め構築した目的関数に基づきLP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法により最適化問題として問題を解くことにより、最適な使用量、入荷量を計算する。
ここでは、目的関数に関して線形式を用いた場合の例を示す。本実施形態では、費用(原材料の購入費用及び輸送費用)のミニマム化を目的としており、目的関数Jの一例を(式17)に示す。目的関数を用いて求解するに際して、購入費用情報及びステップS308において設定された輸送費用情報を用いる。
ここで、本実施形態は、第1の配合計画では、配船計画が存在しない場合、つまり立案開始日以降の配船計画が全く立てられておらず、最初から配合、配船計画を作成して行く場合を例にしてあるため、上記固定化の対象となる船舶情報は存在しない。このため、(式17)において、船舶別・積港別・揚港別フレートに関する項(右辺第2項)は存在しないこととなる。
また、第1の配合計画作成装置100では、原材料の入荷量と引取目標量との関係、すなわち最適化する原材料の入荷量が引取目標量から一定幅以上離れないことを目的としている。
例えば、旬単位の入荷量と旬毎の引取目標量との差のミニマム化を目的とした目的関数を構築する。或いは、引取量累積(入荷量累積)と引取目標量累積の差のミニマム化を目的とした目的関数を構築する。具体的には、各銘柄の入荷量を旬単位(或いは月単位)に集計し、それまでの累積を考える(入荷量累積)。また、各銘柄の引取目標量を旬単位(或いは月単位)に集計し、それまでの累積を目標値として設定する(引取目標量累積)。そして、入荷量累積と引取目標量累積の差のミニマム化を目的とするよう目的関数を構築する。つまり、引取目標量累積及び引取量累積を考え、引取目標量累積と引取量累積との差を小さくすることも目的としている。本実施例では、累積を考え、旬毎の引取目標累積量からの溢れ量、不足量の合計量をミニマム化する項目を目的関数に追加する。
なお、(式17)、(式18)は目的関数の一例であり、他の目的関数に替えたり、他の目的関数を加えたりしてもよい。
例えば、与えた目標とする配合割合に近い配合割合に配合計画を近づける必要があり、更に前日の配合割合とその翌日の配合割合が大きく乖離することがない配合計画を作成する必要がある場合は、使用目標量からの溢れ量、不足量、及び当該日の使用量と当該日前日の使用量との差をミニマム化する項目を目的関数に追加する。
以上の設定した式(数式モデル)を混合整数計画法にて解くことにより、需給バランスモデル、性状モデルを併せた配合計画数式モデルに対する最適解が得られる。
以上説明した配合計画求解部359(計画部315)及びステップS309が、本発明でいう第1の配合計画作成部の最適化計算部及びそれによる処理の例である。
(10)最適化計算による求解結果の判定(図4の求解結果判定部360、図5のステップS310、S311)
(式14)´を用いた最適化計算による求解結果が、非線形の数式を含む数式モデルf(xA、xB、xC、・・・、xN)≧Sを満たすか否かを判定する。その結果、非線形の数式を含む数式モデルf(xA、xB、xC、・・・、xN)≧Sを満たせば、この求解結果を、後述する性状シミュレータ362に対する計算指示としてシミュレーションを実行させる。上記求解結果が非線形の数式を含む数式モデルf(xA、xB、xC、・・・、xN)≧Sを満たさなければ、線形の数式を含む数式モデルf´(xA、xB、xC、・・・、xN)≧S´を調整する(図5のステップS311)。具体的には、仮下限値S´を微増させる。
図10は、ステップS307〜S310の処理、すなわち非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に代えて線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)を導入したときの処理を示すフローチャートである。ステップS401において、需給バランスモデル、性状モデル(非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に代えて線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)を導入して構築したもの)、目的関数Jに基づいて最適化計算を実行する。
この場合に、(式14)´に示したように、線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する下限値として、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する下限値Sよりも小さな仮下限値S´=S−s(s:オフセット値)を設定する。
次にステップS402において、線形の数式を含む数式モデルf´(xA、xB、xC、・・・、xN)≧S´を用いた最適化計算による求解結果が、非線形の数式を含む数式モデルf(xA、xB、xC、・・・、xN)≧Sを満たすか否かを判定する。すなわち、ステップS401の最適化計算による求解結果(各銘柄A〜Nの使用量(配合割合))を(式14)に代入し、(式14)が成立するか否かを判定する。
ステップS402の結果、(式14)が成立すれば、本処理を終了する(図10のステップS412に移行する)。それに対して、(式14)が成立しなければ、ステップS403に進んで、仮下限値S´を予め設定された増減幅で微増させて、再度ステップS401の処理を実行する。すなわち、(式14)が成立するまで、仮下限値S´を微増させて、最適化計算による求解を繰り返す収束計算を実行する。
なお、本実施形態では、混合後の性状制約が下限値を有する場合を例にして説明したが、上限値を有する場合も同様である。この場合、線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)は、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)の上限をなすものを考える。また、ステップS401では、線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する上限値として、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する上限値よりも大きな仮上限値を設定する。
(11)求解した解に基づいて在庫推移をシミュレーション(図3の在庫推移シミュレータ311、図4の在庫推移シミュレータ361、図5のステップS312)
上記配合計画数式モデルに対する解、及び、入力データ取込み部351により取り込まれたデータの全部又は一部に基づいて、配合の全部或いは一部を対象として、設定した計画確定期間分について、設定した計画作成精度で、シミュレーションを実行する。このシミュレーションでは、配合計画数式モデルには組込むことができなかった制約条件、例えば一定の規則に基づかない条件など、定式化が難しいもの、及び、操業のルール等も組み込んでシミュレートする。このことで、配合計画数式モデルに対する求解結果として出された解を実操業で問題なく使用可能な配合計画に変更する。これにより、実操業で求められる時間精度と、実操業に求められる細かな制約まで考慮した配合計画の立案が可能となる。
また、数式モデルでは取扱うことが難しい制約の一例として、配合割合が変わった場合の設備の段取りに掛かる段取時間等をシミュレーションに取り込み、正確にシミュレートすることで、実操業に求められる細かな制約まで考慮した配合計画の立案が可能となる。
(12)求解した解に基づいて性状をシミュレーション(図3の性状シミュレータ312、図4の性状シミュレータ362、図5のステップS313)
上記配合計画数式モデルに対する解、在庫推移シミュレータ361によりシミュレーションされた在庫推移、及び、入力データ取込み部351により取り込まれたデータの全部或いは一部に基づいて、配合の全部或いは一部を対象として、設定した計画確定期間分について、設定した計画作成精度で、性状のシミュレートをおこなう。シミュレーションの結果として、原材料の混合後の性状結果が得られる。このシミュレーションでは、配合計画数式モデルには組み込むことができなかった制約条件、操業のルール等も組み込んでシミュレートすることで、配合計画数式モデルに対する求解結果として出された解を実操業で問題なく使用可能な配合計画に変更する。これにより、実操業で求められる時間精度と、実操業に求められる細かな制約まで考慮した配合計画の立案が可能となる。
以上説明した在庫推移シミュレータ361(在庫推移シミュレータ311)及びステップS312、並びに、性状シミュレータ362(性状シミュレータ312)及びステップS313が、本発明でいう第1の配合計画作成部のシミュレータ及びそれによる処理の例である。
(13)配合計画の確定(図4の確定部363、図5のステップS314)
上記在庫推移シミュレーション、性状シミュレーションにより導き出された配合計画のうちで設定した計画確定期間分を確定する。図7に示すように、本実施形態では計画確定期間を1日と設定しているので、作成した配合計画の最初の1日分を確定する。作成した配合計画のうちで上記計画確定期間に入らなかった部分については、その計画は確定せずに破棄する。
(14)計画作成期間分、或いは計画確定期間分の計画が確定したか判定(図4の判定部364、図5のステップS315)
このステップの実行時点までに確定した計画確定期間が予め設定した計画作成期間の全体を含んでいるかを判断する。本実施形態では、計画作成期間が10日間であるので、第10ループで計画を確定した時点で計画確定期間分の計画が確定する。このため第10ループで計画を確定終了した時点で10日分の配合計画を作成して、処理を終了する。
(15)立案開始日の更新(図4の更新部365、図5のステップS316)
このステップの実行時点で確定した計画確定期間が予め設定した計画作成期間の全体を含んでいない場合、上記配合計画のうちで確定した配合計画期間直後の日時を新たな立案開始日として設定する。本実施形態では、図7に示すように、第1ループでは当初1日目0時であった立案開始日を2日目0時に、第2ループでは当初2日目0時であった立案開始日を3日目0時に更新する。
(16)配合計画の出力(図4の出力部366、図5のステップS317)
以上のようにして作成した配合計画は、出力部366により、表示部303に画面表示されたり、データベース400を含む外部機器にデータ送信されたりする。
以上説明した出力部366及びステップS317が、本発明でいう第1の配合計画作成部の出力部及びそれによる処理の例である。
以上のように、現在の在庫推移状態に応じて、需給バランス制約、性状制約について、まず所定の最適化期間分について、計画作成時間精度で数式モデルを設定し、設定した配合計画数式モデルを目的関数に基づいて求解し、求解した解に基づいて、在庫推移、混合後の性状をシミュレートし、シミュレーション結果から求められた配合計画のうちで、設定した計画確定期間分を確定し、計画確定期間直後の日時を新たな立案開始日時とすることにより、新たな計画対象期間分の配合計画を確定する一連の処理を順次、予め定めた回数だけ、繰り返して実行する。このことで、所望する計画作成期間分の配合計画を作成することができる。これにより、任意の時間精度を必要とする配合計画を高速かつ詳細に最適化することができ、しかも得られた結果をそのままで実操業に適用できる。
なお、上記実施形態では、図11に示すように、配合計画は一定の期間(例えば旬)毎に作成される。また、複数の性状α、βについて性状モデルが非線形となることがある。
図11において、Aは性状制約を満たしている((式14)が成立している)ことを、Bは性状制約を満たしていないことを意味する。すなわち、図11の例では、性状αについて複数旬(4月上旬及び下旬)で性状違反が発生しており、同様に性状βについて複数旬(4月上旬及び下旬)で性状違反が発生している。
この場合に、各旬及び各性状について別個に図10で説明した収束計算を行うと、以下の問題が生ずる。具体的にいえば、4月上旬で性状αについて収束計算を行い、続いて性状βについて収束計算を行い、また、4月下旬で性状αについて収束計算を行い、続いて性状βについて収束計算を行うのでは、計算処理に時間がかかってしまう。
そこで、対象の旬及び性状についてまとめて図10で説明した収束計算を行うようにする。例えば4月上旬及び下旬で性状α、βについてまとめて収束計算を行う(図10のステップS403で性状α、βの仮下限値の微増(或いは仮上限値の微減)を同時に行う)ことにより、高速化を図ることができる。
また、上記実施形態では、図10のステップS403で仮下限値S´を微増(或いは仮上限値を微減)させた後、再度ステップS401の処理を実行すると説明した。この場合に、収束計算が変化しても設定に変化のない数式モデル、具体的には上述した需給バランスモデルや元々線形の性状モデルは保持しておく。そして、仮下限値を微増(或いは仮上限値を微減)させて再度ステップS401の処理を実行する場合に、収束計算に従って変化のある数式モデル、具体的には仮下限値を微増させた(或いは仮上限値を微減させた)数式モデルのみ変更するような仕組とすることにより、高速化を図ることができる。
また、配合計画(例えば使用量(配合割合))として、年次計画、期計画、月次計画といった長期間の計画を立案することが多い。このように長期の配合計画を予め作成し、その配合計画を基準の配合計画とし、第1の配合計画作成装置100により作成されたより短期の配合計画が、基準となる配合計画から一定幅以上離れないようにすることも重要となる。
そこで、(式17)に示したような費用(原材料の購入費用及び輸送費用)に関して構築された目的関数Jに加え、予め作成された基準となる配合計画と一定幅以上離れないようにする条件に関して構築された目的関数J´を用いるようにしてもよい。目的関数J´の一例を(式20)に示す。
J´=Σ(|基準配合割合(銘柄)−配合割合(銘柄、日)|)→ミニマム化・・・(式20)
基準配合割合:基準となる配合計画における配合比
上記例では、月次計画において、期計画を基準となる配合計画として、日々の配合計画を作成する場合の一例を示した。この場合は、配合割合(銘柄、日)と基準配合割との差の銘柄毎、日毎に合計したものをミニマム化する。他の例として、期計画を立案する場合、年次計画を基準となる配合計画として計画を作成しても良い。この場合、月次計画では配合割合(銘柄、月)を決定するとした場合は、配合割合(銘柄、月)と基準配合割との差を銘柄毎、月毎に合計した値をミニマム化する。
なお、基準となる配合計画は、例えば過去の実績に基づいて作成され、その作成手法はどのようなものであってもよい。もちろん、本発明を適用した配合計画作成手法により長期間の計画を予め作成しておき、それを基準となる配合計画としてもよい。
(配船計画作成装置200)
配船計画作成装置200は、データベース400から、例えば以下のデータを取り込む:原材料の使用予定量(第1の配合計画作成装置100により作成された配合計画による使用量)、引取目標量、傭船契約の種別の異なる船舶がリストアップされた船舶リスト、船舶リストにリストアップされている船舶の運航状況、原材料の在庫状況、原材料の単価を表す購入費用情報、船舶リストにリストアップされている船舶を利用する場合の輸送費用情報。配船計画作成装置200は、取り込んだデータに基づいて、例えば3ヶ月(9旬)分の配船計画を作成する。ここで、旬は月を3つに分割した期間の単位を指す。配船計画として、具体的には、連続航海船、不定期船、スポット船に対する積揚地(積揚港)、積揚銘柄、積揚量、寄港順、着岸バース、入出港タイミング、及び雇うべきスポット船の船数と船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)等を決定する。
ここで、使用予定量は、第1の配合計画作成装置100により作成された配合計画による使用量である。使用予定量は、入荷量が設定された引取目標量にできるだけ近い量となり、尚且つ輸送費用を安くする条件を考慮して決定されている。このため、第1の配合計画作成装置100により作成された配合計画に基づく使用量を、配船計画作成装置200の入力データとして用いることで、配船計画を立てる際にも、輸送費用を考慮せず計画された使用量を用いるより、より安い輸送費用での配船計画の立案が可能となる。
例えば、性状がほぼ同一の原材料X,Yがあり、揚港(製鉄所)A,Bでは原材料X,Yどちらでの使用も可能な場合を考える。揚港Aに原材料Xを輸送する費用が20$/トン、原材料Yを輸送する費用40$/トンであり、揚港Bに原材料Xを輸送する費用が40$/トン、原材料Yを輸送する費用20$/トンである例を考慮する。この場合、配合計画を作成する際に輸送費用が考慮されていないと、揚港Aで原材料Y、揚港Bで原材料Xを使用する計画を立ててしまう畏れがある。しかし、輸送費用の観点からは、揚港Aで原材料X、揚港Bで原材料Yを使用する計画がより好ましい。本実施形態では、上記のような状況を回避することが可能となる。
図1に示すように、配船計画作成装置200において、201は船舶の運航、積地、揚地での設備、ヤード等を模擬したシミュレータである。シミュレータ201は、後述するマクロ最適化部202、ミクロ最適化部203により決定された入力情報を受け、これに基づいて詳細なシミュレーションを実行する。この入力情報は、連続航海船、不定期船、スポット船に対する積揚地(積揚港)、積揚銘柄、積揚量、寄港順、着岸バース、入出港タイミング、及び雇うべきスポット船の船数と船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)の情報を含む。本シミュレータは、在庫推移シミュレータ及び船舶運航状況推移シミュレータにより構成される。
在庫推移シミュレータは、各製鉄所における原材料の在庫推移を計算する。この在庫推移シミュレータでは、各製鉄所の原材料の使用予定量、船舶の原材料の銘柄毎の荷揚げ時刻を考慮し、詳細に原材料の銘柄毎の在庫推移を計算する。例えば、船舶に複数銘柄が積載され、1銘柄を荷揚げした後、2銘柄目を荷揚げする時点で、ヤード能力が溢れていた場合、ヤード上の原材料の在庫量が減り、ヤード能力に余裕が出来るまで時間を空けて荷揚げをする必要が生じる場合がある。このような事情等を考慮して、荷揚げ時刻に対応させて在庫の推移が正確にシミュレートされる。
船舶運航状況推移シミュレータは、積揚港の沖着日時(ETA:Estimated Time Of Arrival)、積揚港着岸の日時(ETB:Estimated Time Of Berthing)、積揚港出港の日時(ETD:Estimated Time Of Departure)を含む船舶の運航状況の推移を計算する。この船舶運航状況推移シミュレータでは、荷積能力、荷揚能力の他に、他岸壁に船舶が存在するかどうか(存在する場合には着岸できない)等、他船舶との干渉等も考慮し、詳細に船舶の運航状況をシミュレートする。例えば、船舶の荷揚げに使用するアンローダの基数は、荷揚げする銘柄が積載されているハッチの位置、同一揚港の別バースで荷役している船舶があるか、ないか等を考慮する。この荷揚げに使用するアンローダの基数により荷揚能力が影響される。一例として、1基のアンローダで荷揚げする場合は、1500t/hで100%能力で荷揚げを行える。また、2基のアンローダの場合は、1500t/h×2基で70%能力で荷揚げを行える。上記船舶運航状況推移シミュレータは、これらアンローダ基数等の条件による荷揚能力の変化を、シミュレーションに取り込み、正確にシミュレートする。このことで、実操業に求められる細かな制約まで考慮した、具体的な生産・物流計画の立案を可能とする。
202はマクロ最適化部であり、製鉄所の配合計画(上記の原材料の使用予定量)に支障をきたさないこと、及び、積み出し可能量を守ることを前提に、輸送費用のうちのフレートの合計金額を最も安価にすることを一つの目的として、以下の各条件を決定するように最適化を行う:連続航海船、不定期船、スポット船に対する積揚地(積揚港)、積揚銘柄、積揚量、寄港順、及び雇うべきスポット船の船数と船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)。マクロ最適化部202は、本発明でいう船舶財源リスト作成部として機能する船舶財源リスト作成部202a、本発明でいう数式モデル設定部として機能する数式モデル設定部202b、本発明でいう最適化計算部として機能する最適化計算部202cを備え、例えば9旬分を旬精度に演算する。
203はミクロ最適化部であり、マクロ最適化部202により最適化された計画において滞船料の合計金額を最も安価にする着岸バース、入出港タイミングを決定するように最適化を行って、シミュレータ201に対する指示を算出する。ミクロ最適化部203は、本発明でいう数式モデル設定部として機能する数式モデル設定部203a、本発明でいう最適化計算部として機能する最適化計算部203bを備え、例えば1旬分を分精度に演算する。
204は本発明でいうデータ取込み部として機能するデータ取込み部であり、データベース400から原材料の使用予定量、引取目標量、傭船契約の種別の異なる船舶がリストアップされた船舶リスト、船舶リストにリストアップされている船舶の運航状況、原材料の在庫状況、原材料の購入費用、船舶リストにリストアップされている船舶を利用する場合の輸送費用、積地での船舶停泊状況、荷積能力状況、設備修理・休止予定、揚地での船舶停泊状況、荷揚能力状況、設備修理・休止予定等のデータを取り込む。
205は本発明でいう出力部として機能する出力部であり、シミュレータ201によるシミュレーション結果として作成された配船計画、具体的には、連続航海船、不定期船、スポット船に対する積揚地(積揚港)、積揚銘柄、積揚量、寄港順、着岸バース、入出港タイミング、及び雇うべきスポット船の船数と船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)を画面表示したり、データベース400を含む外部機器にデータ送信したりする。
以下、本実施形態に係る配船計画作成装置200による配船計画作成処理の詳細を説明する。図12は、配船計画作成装置200を用いた配船計画作成方法における各処理のステップを説明するためのフローチャートである。本実施形態では、ユーザが設定した立案開始日から3ヶ月(9旬)を計画作成期間として配船計画を作成する。
(1)データの取込み(ステップS101)
配船計画作成装置200のデータ取込み部204は、データベース400から原材料の使用予定量、引取目標量、契約の種別の異なる船舶がリストアップされた船舶リスト、船舶リストにリストアップされている船舶の運航状況、原材料の在庫状況、原材料の購入費用、船舶リストにリストアップされている船舶を利用する場合の輸送費用、積地での船舶停泊状況、荷積能力状況、設備修理・休止予定、揚地での船舶停泊状況、荷揚能力状況、設備修理・休止予定等のデータを取り込む。
ここで、原材料の使用予定量は、第1の配合計画作成装置100で作成された配合計画から算出される、計画作成期間における製鉄所(揚地)別、原材料の銘柄別の使用予定量を表す情報である。原材料はその銘柄毎に、品質・性状等に違いがあるため、それぞれ銘柄毎に使用予定量を決め、配合される。
引取目標量は、山元(積地)別、銘柄別の引取目標量(引取予定量)を表す情報である。各山元とは銘柄毎に例えば年間どれだけの量を引き取るかについて契約しており、それを旬数で割れば旬毎の引取目標量が得られる。この引取目標量に近づけるように、配船することが求められる。ただし、配船計画との関係で、引取目標量からの数万トン程度の上下へのぶれは山元との交渉により、許容範囲内となる。また、契約によっては、所定の銘柄については所定の期間は引取しないといった契約も考えられる。このような契約に関する具体的な情報をデータに含めてもよい。
船舶リストは、図13に示すように、契約の種別の異なる船舶、ここでは具体的に連続航海船、不定期船、スポット船をリストアップした情報である。連続航海船の傭船契約は、契約期間において連続航海する契約である。このため、必ず(最優先で)配船することが求められる。不定期船の傭船契約は、契約期間において契約した航海数又は契約した航海期間のみ航海する契約である。このため、契約した航海数又は契約した航海期間内で必ず(最優先で)配船することが求められる。スポット船は、本実施形態の使用、または実行時点では未契約である。連続航海船及び不定期船を配船しても、目標とする引取量を満たせない、或いは揚地の在庫を充足できない場合に、これらスポット船にスポット的な航海を依頼することができる。連続航海船については、取込みデータ中に、傭船コード(船一隻一隻を特定するコード)、契約区分、契約期間(開始日及び終了日)、最大積載量、船名が記載される。不定期船については、傭船コード、契約区分、契約期間(開始日及び終了日)、契約の内容(契約した航海数又は契約した航海期間)、最大積載量、船名が記載される。これら連続航海船及び不定期船は船舶を個別にリストアップしているが、スポット船については、船舶の航行できる地域名と、船舶の船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)でリストアップし、傭船コード(地域名と大きさが記述される)、契約区分、最大積載量が記載される。
なお、船型とは、船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさを表す。スポット船の船型を表すPmaxはパナマ運河を通過できる船舶(一般にこの船型はパナマックスと呼ばれる)、Capeはケープ岬を通過できる船舶(一般にこの船型はケープサイズと呼ばれる)、VL(Very Large)はこれらより大きい大型船であることを意味する。ここで、通常パナマックスとは、長さ900フィート以内、幅106フィート以内の船で、最大積載可能量が6万〜8万トンクラスの船を指す。また通常ケープサイズとは、最大積載か能力が15万〜17万トンクラスの船を指す。スポット船については、配船計画を立てる段階で、この航行できる地域と船舶の大きさを基に、必要な船数、船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)を決定する。配船計画がある程度確定される段階になって、実際の船会社と交渉して、上記船型にマッチする船を契約する手続きが取られる。このため、配船計画を立てる段階では、まず未契約の状態(船会社と交渉する前の段階)で、必要な船数、船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)を決定することが求められる。
船舶運航状況は、図14に示すように、船舶リストにリストアップされている各船舶の運航状況の実績及び確定している予定を表す情報である。積荷から揚荷までを一つの航海として取り扱い、航海Noが付される。各航海について、積−積−揚、積−揚−揚のように、積港及び揚港は1港の場合も、複数港の場合もある。船舶リストにリストアップされている各船舶について、航海No.、積揚ドック区分、積揚連番、積揚港コード、バースコード、積揚港沖着の日時(ETA)、積揚港着岸の日時(ETB)、積揚港出港の日時(ETD)、航海時間が記載される。
例えば連続航海船Aの航海No.3とは、2008年3月7日20時に積港(X1港)沖に着き、2008年3月12日20時に積港(X1港)のコード「1」で表されるバースに着岸し、2008年3月14日20時に積港(X1港)を出港した後、46920分航海して、2008年4月16日10時に揚港(B港)沖に着き、2008年4月16日13時に揚港(B港)のコード「11」で表されるバースに着岸し、2008年4月18日14時に揚港(B港)を出港する航海である。また、この船は契約区分が連続航海であるため、連続航海船Aは、積−揚−積−揚の順に連続的に航海、寄港している。つまり連続航海船Aは、航海No.2の最後の揚港(D港)を2008年2月22日9時に出港した後、20820時間航海して、2008年3月7日20時に航海No.3の最初の積港(X1港)の沖に着いている。
立案開始日(配船計画を立案する対象期間の始めの日)が、立案を実行する日に対して、将来である場合は、第1の配合計画作成装置100で作成された配合計画から、原材料の在庫状況が算出される、立案開始日における製鉄所(揚地)別、銘柄別の在庫状況を表す情報である。また、立案開始日が立案を実行する日に対して、過去の場合は、各製鉄所がデータベース400にインプットした原材料の銘柄別の実績在庫状況を表す情報である。
原材料の購入費用情報は、山元(積地)別、銘柄別の原材料の単価($/トン(ton、t))を表す情報である。
輸送費用情報は、船舶リストにリストアップされている船舶を利用する場合のフレート、及び、船舶リストにリストアップされている船舶を利用する場合の積揚港別の滞船料を表す情報である。
図15には、フレートのリストの例を示す。同図に示すように、船舶リストにリストアップされている各船舶について、傭船コード、積港、1揚港、2揚港、3揚港、フレート($/トン)が記載されている。例えば連続航海船Aは、積港X1から揚港Aまで航海した場合のフレートが16.00であり、積港X1から揚港Aを経て揚港Bまで航海した場合のフレートが16.24である。なお、フレートのリストからもわかるように、一般的には、連続航海船を利用した方が不定期船やスポット船を利用するよりもフレートが安い。
図16には、滞船料のリストの例を示す。同図に示すように、船舶リストにリストアップされている各船舶について、傭船コード、揚ラン(t/Day)、デスデマレート($/日)が記載されている。揚ラン(Discharging Rate)とは、契約上の基準となる荷揚能力であり、1日で荷役ができる量を表す。その荷揚能力で荷を揚げると仮定した場合と比較して、実際の揚げ時間が早くなった場合は、デスデマレートで設定された金額を船会社から受け取ることができる。逆に遅くなればデスデマレートに設定された金額を船会社に支払うこととなる。デスデマレート(Despatch/Demurage Rate)とは、積・揚港において、早出(Despatch)、滞船(Demurage)が発生した場合に行われる、課金または払い戻しについて、契約上の料金レートを併せて指す用語である。本明細書の各式中では、デマレート(Demurage Rate)の記載も用いる。例えば、連続航海船Aが10000トンの荷揚げをした際に、ETAから11時間後にETDした場合を考える。揚ランは20000(t/Day)であるため、荷揚には12時間かかる見込みとなる。この場合に11時間で荷揚げすれば、デスデマレート16250($/日)で規定された金額の1時間分=16250/24$を船会社より受け取る。逆に、ETAから13時間後にETDした場合は、デスデマレート16250($/日)で規定された金額の1時間分=16250/24$を船会社に支払う。
(2)船舶財源リストの作成(ステップS102)
マクロ最適化部202の船舶財源リスト作成部202aは、ステップS101で取り込んだ船舶リスト(図13を参照)から、配船計画の以降の処理の対象となる、あるいは対象となる可能性のある船舶を選択し、船舶財源リストを作成する。
図17は、船舶の選択処理を説明するためのフローチャートである。船舶財源リスト作成部202aは、まず、船舶リスト(図13を参照)及び船舶運航状況(図14を参照)に基づいて、計画作成期間において運航予定の未定部分がある連続航海船を抽出する(ステップS201)。例えば立案開始日を2008年3月1日として3ヶ月分の配船計画を作成するとしたならば、図14に示すように、連続航海船Aは2008年4月18日以降が未定となっているので、連続航海船Aは抽出される。
そして、抽出した連続航海船Aについて計画作成期間における積地と揚地の組み合わせのパターンを全て作成する(ステップS202)。このとき、積地と揚地との距離等に基づいて特定の条件を設け、この条件を満たすパターンを全て作成しても良い。この場合、例えば明らかに不適な運行距離を持つパターン等を予め排除でき、シミュレーションの効率を上げられる。図18は、既に確定している航海No.3(図中「A−3」)に続けて、積港X2から揚港A(航海No.4)、積港X1から揚港B(航海No.5)のパターンを作成している様子を示す図である。パターンの作成に際して、各時刻は、標準的な航海時間(港間距離及びこの船舶Aの標準ノット)や標準的な積揚時間を使用して求めるようにしている。例えば、航海No.4における揚港Aの沖着時刻は、[航海No.4における積港X2の沖着時刻]+[標準積時間]+[港X2と港Aとの距離]/[船舶Aの標準ノットで求めることができる。もちろん連続航海船Aについて計画作成期間における積地と揚地の組み合わせは複数あるので、それら全て(あるいは上記の特定条件に合致するパターンを全て)のパターンを作成する。他の連続航海船についても同様の作業を行う。
次に、船舶リスト(図13を参照)及び船舶運航状況(図14を参照)に基づいて、計画作成期間において利用可能で未定部分がある不定期船を抽出する(ステップS203)。例えば、図13に示すように、不定期船5の配船予定年月は計画作成期間から外れているので、不定期船5は抽出されない。そして、連続航海船の場合と同様に、抽出した各不定期船について計画作成期間における積地と揚地の組み合わせのパターンを全て(あるいは特定条件に合致するパターンを全て)作成する(ステップS204)。
次に、船舶リスト(図13を参照)に基づいて、スポット船の候補を抽出する(ステップS205)。具体的には、まず計画作成期間における総引取目標量を計算する。また、ステップS201、S202で抽出した連続航海船及び不定期船の最大積載量の合計を計算する。これにより、スポット船で補うべき輸送量を、総引取目標量から、計画作成期間にはいる連続航海船及び不定期船の最大積載量の合計を減算することで、算出することができる(図19を参照)。このスポット船で補うべき輸送量に基づいて、各スポット船の最大積載量を参照し、何隻のスポット船が必要となるかを計算し、各スポット船の最少船数を求める。例えばスポット船で補うべき輸送量が250000トンである場合、豪州-PmaxSpotであれば250000÷75000=3.33で4隻必要となり、4隻の豪州-PmaxSpotを契約するスポット船の候補とする。同様に、2隻の豪州-CapeSpot、1隻の豪州-VLSpot、4隻のカナダ-PmaxSpot、2隻のカナダ-CapeSpot、1隻のカナダ-VLSpot、1隻の豪州-PmaxSpot及び1隻の豪州-CapeSpot、・・・のようにスポット船の最少船数が求まる。ここで求めたスポット船の最少船数は、当該傭船コードのスポット船のみで引取を補った場合に必要となる最少のスポット船数となる。後述するように、この最少船数より多くのスポット船が必要になる場合がある。
次に、船舶リスト(図13を参照)及び船舶運航状況(図14を参照)に基づいて、スポット船の候補を抽出する。ここでは、船舶運航状況で確定された予定がある場合には、当該船舶をスポット船の候補として抽出し、更に船舶リストの契約区分が未契約の傭船コードのそれぞれに対して、予め設定した日にち毎に、計画作成期間分のスポット船の候補を作成する。図20に、各傭船コードに対するスポット船の候補を作成する間隔を10日としたスポット船の航路リストの例を示す。
ここで、上記等間隔で作成した船数と、上記計算した最少船数を比較して、上記等間隔で作成した船数の方が少ない場合には、全てのスポット船の候補を雇ったとしても、引取目標量を満足する引取量を実現することが難しい場合がある。このため、上記計算した最少船数より船数が多くなるように、スポット船の候補を作成する間隔を狭めて、スポット船の候補を作成する。そして、連続航海船の場合と同様に、作成した各スポット船の候補について、計画作成期間における積地と揚地の組み合わせのパターンを全て(あるいは特定条件に合致する組み合わせのパターンを全て)作成する(ステップS206)。ここで、後述するマクロ最適化において、上記スポット船の各候補について雇う、雇わないが判断され、必要となる船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)、船数分のスポット船が決定される。例えば、豪州-PmaxSpot-航海No.3が、候補として作成された後、マクロ最適化にておいて、雇わないと計画されることもある。
(3)マクロ数式モデルの設定(ステップS103)
マクロ最適化部202の数式モデル設定部202bは、ステップS102で作成した船舶の運航制約、揚地での原材料の需給バランス制約、引取目標量制約を表すよう構築された数式モデルを設定する。設定を受ける数式モデルは、例えばLP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法に則ったモデルとして構築(定式化)されている。ここでは、例としてMIPの定式化に基づいた数式モデルを示す。ここで数式モデルの設定とは、船舶数や港数などの変化に対応できるように抽象的な形式で構築されている基礎数式モデルに対して、各配列の添え字の最大数(例えば船舶数を表す)や、式中の係数の値などを、実際の計画に沿って具体的に定めることを言う。
まず、当該船が、当該積港を選択する、選択しないかを示す変数を定義する。この変数は選択する場合を示す1、選択しない場合を示す0のいずれかの値を取る整数変数とする。後述する最適化によって得られるこの変数の値に基づいて、当該積港を選択するか、選択しないかが判断される。
例えば、図14に示す連続航海船Aが候補となる船として挙げられ、この船の航海No.4(図中「A−4」)において、当該船舶の寄航可能な積港がX1、X2の2つある場合には、各積港に対応するように、以下の2つの整数変数を定義する。ここで、これらの整数変数の第3の添え字であるETAは、ステップS102で計算された沖着時刻である。
もし、最適化の結果としてX1に寄航することが選択された場合は、変数は以下の値を取ることとなる。
また、当該船が、当該積港、当該揚港、当該寄航順(揚港の何番目に寄ったかを表す数字、例えば積港X1、揚港A、揚港Bの順に寄港した場合、揚港Bは寄航順2とする)を選択するか、選択しないか、を示す整数変数を定義する。つまり、当該積港に寄った後、当該揚港に、当該寄航順で寄港することを選択する場合、この変数は1の値を取る。一方、このような積港、揚港、寄航順の組み合わせを選択しない場合、この変数は0の値を取る。ここで扱う例では、最大2揚港まで寄航できる例を提示するが、寄航できる揚港数、寄航できる積港数は、それ以上の値を取っても構わない。
また、当該船が、当該積港で、当該銘柄を荷積する量を示す変数を定義する。
また、当該船が、当該積港、当該揚港、当該寄航順で、当該銘柄を荷揚げする量を示す変数を定義する。
更に、当該日、当該銘柄の、当該揚港での在庫量を示す変数を定義する。
「各船舶の積載量が最大積載量を超えないこと」、「積載量は全部荷揚げすること」、等の条件を示す制約式は、基礎となる数式モデルとして予め構築しておく。後述するように、最適化(ステップS103〜S106)及びシミュレーション(S107)を含む一連の工程は、複数ループ反復して実行できる。初回ループの最適化では、ステップS101で取り込んだデータに基づいて船舶の運航制約を数式モデルに設定する。第2次ループ(ステップS103〜S107)以降の最適化ではシミュレータ201が前回のループで行ったシミュレーション結果を反映させて、数式モデルを設定する。ここでは、各船舶の積載量が最大積載量を超えないこと、積載量は全部荷揚げすること、等を数式モデルとして設定する。
各船舶の積載量が最大積載量を超えないという制約は、下記の制約式(式21)と表される。
積載量は全部荷揚げするという制約は、下記の制約式(式22)と表される。
また、揚地での原材料の需給バランス制約としては、図21に示すような、「各銘柄の在庫量が常に安全在庫量以上確保されている」という制約条件が、数式モデルとして構築されている。初回ループの最適化では、ステップS101で取り込んだデータに基づいて、更に次ループ(ステップS103〜S107)以降はシミュレータ201でのシミュレーション結果を反映させて、この数式モデルが設定される。
まず、各銘柄の在庫量の推移を表す制約式は、下記の(式23)と表される。つまり、当日の在庫量から前日の在庫量と当日に荷揚する量を引いた値は、当日の使用予定量となる。
各銘柄の在庫量が常に安全在庫以上確保されているという制約は、下記の制約式(式24)と表される。
また、揚港で荷揚げされた原材料は、ヤードに積上げられるが、この荷揚げされる原材料の在庫量は、ヤード能力の上限以下になっていないと着岸できない。但し、ヤードに積上げられた原材料は、日にちが経過すれば、つまり船舶を待たせれば荷揚げすることができる。しかし、荷揚げ量がヤード能力を一定量以上超えていると、滞船時間が無視できないほど大きくなる。そこで、例えば「荷揚げ量について、ヤード能力の1%程度の超過まで許容する」という制約を定式化する。この制約は、下記の制約式(式25)と表される。
また、引取目標量制約について、初回ループでは、ステップS101で取り込んだデータに基づいて、更に次ループ(ステップS103〜S107)以降はシミュレータ201でのシミュレーション結果を反映させて、設定が行われる。引取目標量制約に関して、例えば、最適化する引取量(荷積量)が引取目標量から一定幅以上離れないこと、引取の可否(前述したように所定の銘柄については所定の期間は引取しないといった事情もありうる)、等が数式モデルに構築されている。ここで、引取量が引取目標量から一定幅以上離れないという制約を考える場合に、例えば図22Aに示すように、単に旬毎(或いは月毎)に引取目標量に対して上下限値を設定し、荷積量がその上下限値を超えないことを制約とすることが考えられる。しかしながら、その場合、例えば荷積量が下限値を満たしているが引取目標量を下回る状況が続いたような場合、年間で蓄積すると、引取割れが発生してしまうこともありうる。そこで、図22Bに示すように、旬毎(或いは月毎)にそれまで引取目標量累積及び引取量累積を考え、引取目標量累積と引取量累積との差を小さくする(最小とする、上下限値を越えないようにする等)制約を設定するのが好適である。上記制約式を定式化するために、旬毎の引取目標累積量からの溢れ量、不足量を示す変数を定義する。
また、各旬の引取量累積を示す変数を定義する。
まず、各銘柄の引取量累積を表す制約式は下記の(式26)と表される。つまり、引取量累積は、立案開始日から当該旬までの期間にETAが入っている船舶(航海)の荷揚量の合計となる。
各銘柄の引取目標量累積と溢れ量、不足量との関係を表す制約式は下記の(式27)と表される。つまり、引取累積量から、溢れが生じている場合は溢れ量を引き、不足が生じている場合は不足量を足すと、引取目標累積量と一致する。ここで、引取累積量と引取目標累積量は近い量を取る程良い計画であるといえる。つまり、この溢れ量、及び不足量は少ない程良い。上記理由のため、後述するようにこの溢れ量、及び不足量は、目的関数の項目として追加され、最適化によってミニマム化される。
ここで、目的関数としてフレートの合計金額のミニマム化を定式化するために、寄港順を示す整数変数を導入する。この寄港順変数は、特定の船舶が、積港として特定の積港、第一揚港として当該揚港1、第二揚港として特定の揚港2の組み合わせを選択する場合を示す1、この組み合わせの寄港順を選択しない場合を示す0、のいずれかの値を取る。
この論理関係を混合整数計画法の定式として記述する方法が、一般的に良く知られており、以下のように定式化することができる。
(4)マクロ数式モデル及び目的関数に基づいて最適化(ステップS104)
マクロ最適化部202の最適化計算部202cは、ステップS103で設定した数式モデルを用いて、輸送費用に関して構築された目的関数(評価関数)に基づいて最適化計算を行う。最適化計算に際しては、例えばLP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法により最適化問題として問題を解く。
ここでの最適化計算では、輸送費用のうちフレートの合計金額のミニマム化を目的とした目的関数を用い、下記の変数の値が決定される。これにより、フレートの合計金額を最も安価にする船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)、船数、積揚地(積揚港)、積揚銘柄、積揚量が選定される。
ここで、船舶に掛かるフレートは、積港から第一港目に寄航する揚港までの基準フレートと、上記に更に他の港に寄航した際に掛かる多港揚追加フレートの合計、ここでは、第一揚港から第二揚港に余分に寄航した際に発生する多港揚追加フレートの合計と、積載した量との積となる。
例えば、図15より連続航海船A−航海No.1がX1港から第一揚港Aに75000トンの荷を運んだ際には、基準フレート16.00となり、フレート(雇船費用)は16.00×75000=1,200,000となる。また、第二揚港としてAに寄った後、Bによると多港揚追加フレートは(16.24−16.00)=0.24となり、この際の雇船費用は(16.00+0.24)×75000=1,218,000となる。
以上より、マクロ最適化で用いる目的関数(以下マクロ目的関数と呼ぶ)を式で表すと、下記の式(式31)を得る。
ここで、マクロ最適化では、引取目標量累積及び引取量累積を考え、引取目標量累積と引取量累積との差を小さくすることも目的としている。このため、旬毎の引取目標累積量からの溢れ量、不足量の合計量をミニマム化する項目を目的関数に追加する。このため、目的関数を表す(式31)を下記の式(式32)に変更する。
マクロ最適化では、全体として傭船に関する問題を最適化する。
なお、フレートに関して目的関数を構築することを説明したが、フレートの合計金額及び原材料の購入費用の合計金額のミニマム化を目的とした目的関数としてもよい。既述したように原材料の引取目標量は契約により定められており、原材料の購入費用に大幅な変動はないが、その中でも原材料の購入費用の合計金額のミニマム化が可能になる。
上記の項目(3)、(4)で説明した如く、ミニマム化すべき式が目的関数、満足すべき各式が制約式として定式化されている。上記の制約式は線形等式、或いは不等式で表現されており、上記の目的関数は1次式で表されている。また、変数の中に整数となるべき変数が存在するモデルとして数式モデル、目的関数が構築されている。このように定式化された問題は、混合整数計画問題として一般に良く知られており、本問題は(解析的に)最適化することが可能である。
マクロ最適化に際しては、時間精度を旬精度として演算する。最適化期間は、最初のループ(ステップS103〜S107)では9旬、次ループ(ステップS103〜S107)では8旬、・・・、最後のループ(ステップS103〜S107)では1旬とする。時間精度は、旬精度として演算が行われる。そして、最適化期間(9旬〜1旬)のうちの最初の1旬を計画確定期間とし、その計画確定期間での演算結果をミクロ最適化部203に出力する。
(5)ミクロ数式モデルの設定(ステップS105)
ミクロ最適化部203の数式モデル設定部203aは、マクロ最適化部202で求めた計画確定期間の配船計画における船舶の運航制約のうち、滞船制約、及び、揚地での原材料の需給バランス制約を表す数式モデルを設定する。ここで用いられる数式モデルは、例えばLP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法に則って構築されている。ここでは、例としてMIPの定式化に基づいた数式モデルを示す。
マクロ最適化により、寄航する揚港が決定されている。ここで、揚港には船が着岸するために複数のバース(岸壁)が存在するため、当該揚港のいずれのバースに着岸するかを選択する変数を定義する。この変数は当該バースを選択する場合を示す1、選択しない場合を示す0のいずれかの値を取る整数変数とする。
また、当該船が当該バースに着岸するために沖待を開始する時刻(ETA)を示す変数を定義する。時刻はMIPで定式化するための変数として直接定義できないため、立案開始日からの経過分として定義する。つまり、立案開始日が1月1日0時0分の場合で、ETAが1月1日1時10分の場合は、70という値を取るとして定義する。また、この変数は整数変数ではなく、連続値を取る変数として定義する。
同様にETBを示す変数を定義する。
同様にETDを示す変数を定義する。
更に、当該分、当該銘柄の、当該揚港での在庫量を示す変数を定義する。
船舶の滞船制約についても、初回ループではステップS101で取り込んだデータに基づいて、更に次ループ(ステップS103〜S107)以降はシミュレータ201でのシミュレーション結果を反映させて設定する。船舶の滞船制約に関しては、揚港での船舶運行条件(ETB>ETA、ETD>ETB+荷揚時間等)、バースの条件(許容されるLOA(全長)、DRAFT(全深)、BEAM(全幅)、積揚能力、ヤード能力等)、等の条件が数式モデルとして構築されている。ここでは、これらの数式モデルが設定される。
マクロ最適化で揚港が決定された船舶は、当該揚港の何れかのバースに着岸する必要がある。このため、この制約は、下記の制約式(式33)と表される。つまり当該船に対して、着岸可能なバースの内で、必ず一つのバースが選択(変数の値が1)される必要がある。
ETBはETA以降となる必要がある。この制約は、下記の制約式(式34)と表される。
ETDはETB+荷揚時間以降となる必要がある。ここで、マクロ最適化により当該バースでの荷揚量は決定されているため、当該バースでの荷揚時間は、当該バースでの標準的な荷揚能力を用いると、荷揚時間=荷揚量/荷揚能力となる。以上より、上記制約は、下記の制約式(式35)と表される。
また、上記マクロ最適化と類似の、揚地での原材料の需給バランス制約が、ミクロ最適化(ステップS105〜S107)でも用いられる。この需給バランス制約条件も、初回ループのミクロ最適化ではステップS101で取り込んだデータに基づいて、次ループ以降のミクロ最適化ではシミュレータ201でのシミュレーション結果を反映させて、設定される。ミクロ最適化でも、図21に示すような、「各銘柄の在庫量が常に安全在庫量以上確保されている」という制約条件を表すように構築された数式モデルが設定される。ただし、ミクロ最適化では、用いられる時間精度がマクロ最適化と異なる。このため、ここで用いられる制約条件は、「当該時刻の在庫量から1分前の在庫量と当該時刻に荷揚する量を引いた値が、当該時刻1分間の使用予定量である」となる。
また、揚港で荷揚げされた原材料は、ヤードに積上げられるが、この荷揚げされた原材料の在庫量は、ヤード能力の上限以下になっていないと着岸できない。つまりETB時点での在庫量はヤード能力上限以下となる必要がある。この制約は、下記の制約式(式37)と表される。
(6)ミクロ数式モデル及び目的関数に基づいて最適化(ステップS106)
ミクロ最適化部203の最適化計算部203bは、ステップS105で設定した数式モデルを用いて、輸送費用に関して構築された目的関数(評価関数)に基づいて最適化計算を行う。最適化計算に際しては、例えばLP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法により最適化問題として問題を解く。
ここでの最適化計算では、滞船料の合計金額のミニマム化を目的とした目的関数を用い、船舶が着岸する/しないを表すδ(船舶、バース)、ETA時刻を表すETA(船舶、バース)、ETB時刻を表すETB(船舶、バース)、ETD時刻を表すETD(船舶、バース)といった変数を決定する。これにより、輸送費用を最も安価にするバース、入出港タイミングが選定される。
ここで、船舶に掛かる滞船料は、ETD−ETAと契約上の基準停泊時間とを比較し、基準停泊時間より、停泊が長い、つまり、ETD−ETA>基準停泊時間の場合には、デスデマレートとして契約された費用を支払い、逆の場合には、デスデマレートとして契約された費用を受取ることとなる。基準停泊時間は、契約上設定された荷揚能力である揚ランを用いて揚量/揚ランで計算される。例えば、連続航海船A−航海No.1が揚港で10000トンの荷揚げを行い、ETAからETDまで11時間掛かった場合は、基準停泊時間=10000/20000=0.5日、12時時間より1時間早いため、デスデマレートで設定された16250/24の金額を船会社より受取ることとなる。以上より、ミクロ最適化で用いる目的関数(以下ミクロ目的関数と呼ぶ)を式で表すと、下記の式(式38)を得る。
上記式では定数部分が含まれているが、ミニマム化において定数部分は影響を与えないため、下記の式(式39)が目的関数となる。
上記の項目(5)、(6)で説明した如く、ミニマム化すべき式が目的関数、満足すべき各式が制約式として定式化されている。上記の制約式は、線形等式、或いは不等式で表現され、上記の目的関数は1次式で表されている。また、変数の中に整数となるべき変数が存在するモデルとして数式モデル、目的関数が構築されている。このように定式化された問題は、混合整数計画問題として一般に良く知られており、本問題は(解析的に)最適化することが可能である。
ミクロ最適化に際しては、最適化期間を10日(1旬)とし、時間精度を分精度として演算する。
(7)シミュレーション(ステップS107)
シミュレータ201は、ミクロ最適化部203で求めた数式モデルに対する解に基づいてシミュレーションを実行して、計画確定期間(1旬)の配船計画を確定する。シミュレーションの時間精度は分精度とする。このシミュレーションでは、マクロ数式モデル、ミクロ数式モデルには組み込むことができなかった制約等も組み込むことで、実際に求められる細かな制約までも考慮した配船計画を作成することが可能となる。
例えば、マクロ・ミクロ最適化で取扱うことが難しい制約の一例として1隻の船舶の荷揚げに使用するアンローダの基数がある。この基数は、荷揚げする銘柄が積載されているハッチの位置、同一揚港の別バースで荷役している船舶があるか、ないか等により変わって来る。この荷揚げに使用するアンローダの基数により荷揚能力は変わって来る。例えば、「1基で荷揚げする場合は、1500t/hで100%能力で揚げられる」、または、「2基の場合は、1500t/h×2基で70%能力で揚げられる」等の状況が例示できる。マクロ・ミクロ最適化ではこれらのアンローダ基数まで考慮されていないため、最適化で計算された時間を、シミュレータによりアンローダ基数まで考慮して、最適化の時間のずれ等をシミュレーションに取込み、正確にシミュレートすることで、実操業に求められる細かな制約まで考慮した生産・物流計画の立案が可能となる。
シミュレータ201では、ミクロ最適化部203で船舶の入出港タイミングの入れ替え等による時間調整があった場合、それを波及的に反映させて時刻修正する。特に連続航海船では、ある港で時間調整があった場合その後の航海にも波及的に影響するので、シミュレータ201で時刻修正を行い、その後のマクロ最適化部202での処理に反映させるようにしている。
(8)立案開始日の更新(ステップS109)
ステップS108において計画作成期間(3ヶ月(9旬))分の計画が確定したかどうかを判定する。まだ確定していない場合、計画が確定した旬の次旬の初日、例えばN旬の計画が確定したならばN+1旬の初日を立案更新日として更新し(ステップS109)、ステップS103に戻る。ステップS103から始まる次ループでは、計画が確定した旬(N旬)における在庫推移や船舶の運航状況を更新して、次旬(N+1旬)の計画を確定させる。これを繰り返すことにより、計画作成期間(3ヶ月)分の計画が確定することになる(図23を参照)。
(9)配船計画の出力(ステップS110)
以上のようにして作成した配船計画は、出力部205により、不図示のモニタに画面表示されたり、データベース400を含む外部機器にデータ送信されたりする。
以上述べたように、マクロ最適化部202及びミクロ最適化部203では、まず入力データもしくは前ループから得られる、初期値(初期条件)に基づいて数式モデルを設定し、最適化計算を行い、シミュレータ201に対する指示を算出する。シミュレータ201は、計画確定期間(1旬)についてシミュレーションを終了すると、計画確定期間の最終状態での原材料の在庫推移、船舶の運航状況の推移の情報をマクロ最適化部202及びミクロ最適化部203に与える。マクロ最適化部202及びミクロ最適化部203は、その与えられた情報に基づいて数式モデルを設定し、最適化計算を行い、シミュレータに対する指示を算出する。このようにシミュレータ201と最適化部202、203を連動させることにより、計画作成期間(3ヶ月(9旬))の配船計画を作成することができる。
本実施形態に係る配船計画作成装置(方法)によれば、マクロ最適化部202及びミクロ最適化部203により行われた最適化計算の結果に基づいた計算指示をシミュレータ201(在庫推移シミュレータ、船舶運航状況推移シミュレータ)に出力する。このように、最適化計算の結果に基づいてシミュレーションが行われるものであるので、理論的な最適解を確実に得ることが可能となる。これにより、従来のようにシミュレーション結果を評価してシミュレーションを何回も繰り返して実行する必要がなく、シミュレーション結果を迅速かつ高精度に作成することができる。
また、シミュレータ201の規模が非常に大きい場合や制約条件が非常に多くて複雑な場合でも、シミュレータ201に記載された制約のうち、配船計画の作成に影響が大きい重要な部分のみを数式モデルに取り込むようにすることで、数式モデル設定部202b、103aの規模を適切な範囲にして、実用的な時間内で最適化計算を行うようにすることができる。シミュレータ201には、考慮すべき制約を全て記載することができるので、1回のシミュレーションを実行して作成された配船計画は現実に実行可能となることが保証される。
また、配船計画を作成する場合、ブラジル等の遠方より輸送される銘柄は、2ヶ月或いは3ヶ月に一度しか入荷されないといったこともあるため、長期間を考慮して配船計画を立てる必要がある。一方で、中国等頻繁に輸送される銘柄では数日で搬送される銘柄も存在する。更にバースの管理は、滞船料が発生することもあり、分単位で行われるため、分精度の計画が要求される。これらの要求に対して、マクロ最適化部202で船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)、船数、積揚地(積揚港)、積揚銘柄、積揚量、寄港順を選定し、ミクロ最適化部203で使用バース、入出港タイミングを選定するように演算の分担を行った。このため、負荷を抑えるとともに、高精度で求解可能となる。すなわち、マクロ最適化とミクロ最適化を連動させ、繰り返し実行することで、長期間(例えば3ヶ月)で特定する必要がある使用可能な船、積揚地、銘柄、量を長期間で考慮すると同時に、細かな時間精度が要求される使用バース、入出港タイミングは、短期間の(細かい)時間精度で最適化することを可能とした。
また、配船計画作成の際に、船型(船の最大積載量を基に定義される船舶の大きさ)、船数、積揚地(積揚港)、積揚銘柄、積揚量をユーザが個別に固定できるようにしてもよい。例えば所定の船舶を使用する、所定の積港を利用する等が予め決まっているような事情もあるからである。特に、引取目標量として設定した量に基づいて配船計画を立案した後で、山元との交渉が進み、引取量が確定されるが、この際には、引取量、積地(積港)、積銘柄、積量(荷積量)は、契約の都合上変更することが許されない。しかし、揚地に関しては、在庫状況を判断して、揚地、揚銘柄、揚量を変更する余地が残される場合が多い。このため、積地(積港)、積銘柄、積量を一括して固定化できるような操作を可能にすれば、ユーザにとって利便性が高くなる。
なお、ここまで述べた配船計画作成手法では、マクロ最適化部202の最適化計算部202cで輸送費用に関して構築された目的関数(評価関数)に基づいて最適化計算を行う例を説明したが、他の目的関数を加えてもよい。
例えば積地における負荷を平準化するために、同一の積地に入出港する船舶が同時期に集中したり、逆に船舶が入出港しない期間が続いたりすることを避ける、すなわち同一の積地では計画作成期間中にできるだけ均等に配船することが求められる。
そこで、図24に示すように、積地毎に全銘柄の引取量を旬単位(或いは月単位)に集計し、それまでの累積を考える(引取量累積)。また、積地毎に全銘柄の引取目標量を旬単位(或いは月単位)に集計し、それまでの累積を目標値として設定する(引取目標量累積)。そして、引取量累積と引取目標量累積の差のミニマム化を目的とした目的関数を構築する。
これにより、各旬(或いは各月)で積地の引取量が均等に近づき、換言すれば、均等配船が可能になる。
同様に、揚地における負荷を平準化するために、同一の揚地に入出港する船舶が同時期に集中したり、逆に船舶が入出港しない期間が続いたりすることを避ける、すなわち同一の揚地では計画作成期間中にできるだけ均等に配船することが求められる。
そこで、図25に示すように、揚地毎に全銘柄の荷揚量を旬単位(或いは月単位)に集計し、それまでの累積を考える(荷揚量累積)。また、揚地毎に標準荷揚能力量を旬単位(或いは月単位)に集計し、それまでの累積を目標値として設定する(揚地標準荷揚能力量累積)。そして、その差を残荷揚量と定義し、この残荷揚量のミニマム化を目的とした目的関数を構築する。
これにより、各旬(或いは各月)で揚地の荷揚量が均等に近づき、換言すれば、均等配船が可能になる。即ち、マクロ最適化においても、滞船を抑制することが可能となる。
以上により、複数銘柄の原材料を入荷して混合する配合計画、及び複数銘柄の原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を相互に連係させて一括で作成することが可能となる。また、これら計画においては、配合計画・配船計画を通して全体として輸送費用をミニマム化することが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態として、第2の配合計画作成装置300を導入する例を説明する。第2の配合計画作成装置300は、配船計画作成装置200により作成された配船計画に基づいて、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画を作成する。なお、第2の配合計画作成装置300の構成や基本的な処理動作は第1の配合計画作成装置100と同様であり、ここでも図2〜11を参照して説明する。
図2は、第2の配合計画作成装置300を含むシステム構成例を示す図である。図2に示すように、第2の配合計画作成装置300は、配合計画を作成するに際して、配合計画を立案する上で必要となる以下のような制約条件、前提条件のデータを操業者が設定するか、或いはデータベース400から取り込む:計画作成期間、原材料の入荷予定(配船計画作成装置200により作成された配船計画による入荷量)、原材料の在庫状況、原材料の性状、原材料の単価を表す購入費用情報、船舶を利用する際の輸送費用情報を含む。
第2の配合計画作成装置300は、多種類(複数銘柄)の原材料を入荷して混合する混合計画を、シミュレーションを実行して作成する。この混合計画は、原材料の需給バランス制約、混合後の性状制約を満たすような、各銘柄の使用量(配合割合)を含む。第2の配合計画作成装置300では、後述するように、LP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法に則って構築された、原材料の需給バランス制約を表す数式モデル(「需給バランスモデル」とも称する)、及び、混合後の性状制約を表す数式モデル(「性状モデル」とも称する)を、各条件に沿って設定し、求解することにより配合計画の最適化を図る。
ここで、第1の配合計画作成装置100では、入荷量は、入荷量の累積量が引取目標累積量と、大幅に外れないように、配合計画を作成した。しかし、第2の配合計画作成装置300において、入荷量は、配船計画作成装置200により船舶毎の荷揚量として予め決定されているため、既知の量となる。このため、第2の配合計画作成装置300では、入荷量は求める量ではなく、固定されている量となる。また、上記理由により引取目標量を考慮する必要はない。
また、第1の実施形態においては、第1の配合計画作成装置100により作成された使用計画を、配船計画作成装置200の入力データとして、配船計画を作成している。この場合、第1の配合計画作成装置100において、引取目標累積量に基づいて計画を作成している。このとき、例えば引取目標累積量が原材料Xに対して、5万トンと設定されており、使用計画、入荷計画共に引取目標累積量と同じ5万トンが累積量として、計画された場合を考える。上記使用計画を配船計画作成装置の入力データとして使用した場合、船舶リストに登録された船の最大積載量が4.5万トンの船1隻しか存在しない場合に、入荷量は4.5万トンとなり、下記の如く、在庫切れを発生する可能性がある。
在庫量=4.5万トン − 5万トン = −0.5万トン
上記の例は極端な例ではあるが、第1の配合計画作成装置100では、引取目標量を基に配合計画を作成し、作成された使用計画を基に配船計画を作成しているため、引取目標量と船舶の最大積載量がマッチしていない場合、上記の例のような現象は起こりえる。
そこで、より良い配合計画を作成するために、引取目標量ではなく、配船計画作成装置100により決定された配船計画を入力データとして、第2の配合計画作成装置300により、配合計画を修正する。これにより、上記のような微妙な引取目標量と船舶の最大積載量がマッチしていないために発生する可能性のある在庫切れを防ぐことが可能となる。
本実施形態では、船舶の運賃は考慮するが、バースでの着岸時刻など詳細な運航状況まで考慮することなく、引取目標量を元に第1の配合計画作成装置により計画された使用量を、配船計画側の在庫推移シミュレータ、及び船舶運航状況推移シミュレータによるシミュレーションの結果に現れる、詳細な配船事情まで考慮して、配合計画を再度更新できる。この作用により、配合計画の精度の向上に大きな効果が得られる。
表示部303では、第2の配合計画作成装置300で求められた各銘柄の使用量(配合割合)、入荷量、在庫推移グラフ、各種帳票を表示する。
操業者評価部304では、求められた配合計画を様々な観点(例えば、在庫推移、性状等)から操業者が評価し、満足のいく結果でなければ、必要に応じて配合割合等を修正する。その際に、必要に応じて目的関数の重みや評価の指標を変えたり、数式モデルを設定する対象期間・計画確定期間を変えたりする。また、全部の或いは指定した処理のみ使用量の固定をする等、操業者の意志を反映させた数式モデルの設定が可能である。そして、第2の配合計画作成装置300で再度配合計画を作成し直す。
図3は、第2の配合計画作成装置の基本的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、第2の配合計画作成装置300は、シミュレータ(在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312を含む)、本発明でいう数式モデル設定部として機能するモデル設定部(需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314)、本発明でいう最適化計算部として機能する計画部315を含んで構成され、更に入出力部を併せ持つ。
在庫推移シミュレータ311は、各原材料の需給状態(在庫推移)を計算するシミュレータである。性状シミュレータ312は、原材料を混合した後の性状を計算するシミュレータである。在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312が互いに連動することで、原材料の在庫推移、混合後の性状を計算する。
本実施形態においては、例えば以下の情報を含む、入力データ316に基づいて数式モデルの設定処理を行う:計画作成期間、原材料の入荷予定、原材料の在庫状況、原材料の性状、原材料の単価を表す購入費用情報、及び船舶を利用する際の輸送費用情報。配合計画の立案開始日時から予め設定された最適化期間分を対象として、予め設定した時間精度に基づいて、LP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理整数計画法等に則り、需給バランスモデル設定部313にて需給バランス制約(在庫制約)を表す数式モデルが設定され、性状モデル設定部314により性状制約を表す数式モデルが設定される。
需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314により設定された数式モデルを用いて、在庫を切らさないようにするとともに要求される性状を満足し、かつ、費用(原材料の購入費用及び輸送費用)をミニマム化して配合計画を作成するように、計画部315により最適化計算を行う。この最適化計算の結果に基づいて、在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312に対する計算指示を算出する。この計算指示を受けて、在庫推移シミュレータ311が在庫推移をシミュレートし、性状シミュレータ312が計画に従って製造される製品・半製品の性状をシミュレートする。例えば、鉄鋼業においては、石炭を混合して焼き固めたコークス(製品)、鉄鉱石を還元して得られる銑鉄を精錬した溶鋼を凝固させたスラブ(半製品)等の性状をシミュレートする。
かかる第2の配合計画作成装置300によれば、従来のように予め決められたルールに基づいて計算指示が行われるのではなく、計画部315により行われた最適化計算の結果に基づいた計算指示を在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312に出力する。このため、そのときの事象に応じた最適な計算指示を確実に行うことが可能となる。
また、例えば、図7に示すように予め設定された計画確定期間分について、在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312によるシミュレーションが、行われる。またこのシミュレーションが終了すると、立案開始日が更新され、更新前の計画確定期間の最終状態、つまり更新後の立案開始日での在庫推移、性状の情報に基づいて、新たな最適化期間分の需給バランスモデル設定部313により在庫制約を表す数式モデルが設定され、性状モデル設定部314により性状制約を表す数式モデルが設定され、計画部315に与えられる。この在庫推移、性状の情報が与えられると、計画部315は最適化計算を実行する。
第2の配合計画作成装置300においても、第1の実施形態で述べたように、シミュレータ(在庫推移シミュレータ311、性状シミュレータ312)とモデル設定部(需給バランスモデル設定部313、性状モデル設定部314)と計画部315とを連動させて配合計画を作成するようにした。このため以下の作用効果が得られる。(1)シミュレーションを繰り返して実行せずに配合計画を作成することができる。(2)配合計画作成に影響が大きい重要な部分のみを計画部315に取り込むようにすることで計算時間を短縮することができるとともに、(3)大規模問題を解くことが可能になる。
以下、第2の配合計画作成装置300の構成及びこの装置を用いて実行する配合計画作成方法の各ステップをより詳細に説明する。図4は、図3を用いて説明した第2の配合計画作成装置300の基本的な構成に対する、配合計画作成装置の詳細な構成を示す図である。また、図5は、この装置を用いて実行する配合計画作成方法の各ステップを示すフローチャートである。
配合計画作成の概要として、例えば図6に示すように、、以下のような計算、調整の工程が含まれる:複数ある製鉄所(揚港)a〜cでの原材料(銘柄)の需給バランスを取ること;(各銘柄A〜Nの在庫を切らさない等)要求される性状を満足させること;かつ、費用(原材料の購入費用及び輸送費用)をミニマム化すること;前記の条件を満たすような配合計画として製鉄所a〜c毎の各銘柄A〜Nの使用量(配合割合)、入荷量を決定すること。ここで、製鉄所毎に使用量の合計量である予定使用量は、入力データとして与えられる。このため、配合割合(%)=使用量/予定使用量×100となる。このため、使用量、配合割合の一方が決定されれば、他方が決定されることとなる。
(1)入力データの取込み(図4の入力データ取込み部351、図5のステップS301)
本処理に必要な情報(原材料の入荷予定、原材料の在庫状況、原材料の性状、原材料の単価を表す購入費用情報、船舶を利用する際の輸送費用情報等)をオンラインにて読み込み、必要に応じて操業者が修正を加える。
ここで、入力データ取込み部351により取り込まれる原材料の入荷予定には、配船計画(船舶1隻毎の積港、積港着の日時、積銘柄、積量、揚港、揚港着の日時、揚銘柄、揚量を含む項目について計画)といった、入荷量を表す情報が含まれる。例えば、図26に示す配船計画では、図13に示したような船舶リストにリストアップされている各船舶の運航予定が組まれている。配船計画では、船舶リストにリストアップされた船舶について、積港、積港着の日時、銘柄、積量、揚港、揚港着の日時、銘柄、揚量を含む項目について計画が立案されている。
例えば、図26に示す配船計画では、連続航海船Aの航海No.1は、2007年11月19日21時に積港(X1港)沖に着き、2007年12月13日21時に積港(X1港)のコード「1」で表されるバースに着岸し、2007年12月14日21時に積港(X1港)を出港する。この際に原材料の銘柄Aを40000トン、銘柄Bを35000トン積載する。その後、16980分航海して、2007年12月26日16時に揚港(A港)沖に着き、2007年12月27日1時に揚港(A港)のコード「4」で表されるバースに着岸し、2007年12月28日16時に揚港(A港)を出港する。この際に原材料の銘柄Aを25000トン、銘柄Bを15000トン荷揚げする。その後、3060分航海して、2007年12月30日19時に揚港(B港)沖に着き、2007年12月30日19時に揚港(B港)のコード「13」で表されるバースに着岸し、2008年1月1日23時に揚港(B港)を出港する。この際に原材料の銘柄Aを15000トン、銘柄Bを20000トン荷揚げする。上記例示した連続航海船Aの航海No.1においては、揚港(A港)に2007年12月27日、原材料の銘柄Aを25000トン、銘柄Bを15000トン、揚港(B港)に2007年12月30日、原材料の銘柄Aを15000トン、銘柄Bを20000トン、入荷したとする、配合計画作成装置の入力データとなる。
原材料の在庫状況、原材料の性状、原材料の単価を表す購入費用情報については、第1の実施形態で説明した第1の配合計画作成装置100の場合と同様である。
また、船舶を利用する際の輸送費用情報については、配船計画作成装置200により、将来に亘り計画された配船計画が、第2の配合計画作成装置300に入力データとして渡される。このため、銘柄別・揚港別見做しフレートを使用する必要はなく、船舶別・積港別・揚港別フレートを使用することができる。
以上説明した入力データ取込み部351及びステップS301が、本発明でいう第2の配合計画作成部のデータ取込み部及びそれによる処理の例である。
(2)配合計画作成期間の設定(図4の計画作成期間設定部352、図5のステップS302)
配合計画を作成する期間を設定する。この作成期間は立案者の必要に応じて任意の期間を設定可能とする。ここでは、一例として10日間分を立案する。
(3)配合計画作成時間精度の設定(図4の時間精度設定部353、図5のステップS303)
配合計画を作成する時間精度並びにシミュレーション精度を設定する。この時間精度並びにシミュレーション精度は、立案者の必要に応じて個別に任意の精度を設定可能とする。例えば立案の細かな精度を必要とする計画作成期間の前半では精度を細かくし、粗い計画で十分な計画作成期間の後半では精度を粗くすることで、十分な精度と短い計算時間での効率的な計画作成が可能になる。
(4)最適化期間の設定(図4の最適化期間設定部354、図5のステップS304)
配合計画を作成する最適化期間を設定する。この最適化期間は立案者の必要に応じて個別に任意の対象期間を設定可能とする。ここでは、一例として計画作成期間を通して、最適化期間を3日間とする。
(5)計画確定期間の設定(図4の計画確定期間設定部355、図5のステップS305)
配合計画を確定する計画確定期間を設定する。この計画確定期間は、立案者の必要に応じて個別に任意の期間を設定可能とする。例えば、立案の細かな精度を必要とする計画作成期間の前半では計画確定期間を短くし、粗い計画で十分な計画作成期間の後半では計画確定期間を長くする。このことで、十分な精度を持ちながら短い計算時間で、効率的な計画作成が可能になる。ここでは、一例として、計画確定期間を1日に設定する。この場合は、数式モデルに対する解に基づいてシミュレートした結果得られる配合計画に対しては、計画作成期間を通して最初の1日分を確定する。
(6)配合計画の需給バランス制約を数式モデルに設定(図3の需給バランスモデル設定部313、図4の需給バランスモデル設定部356、図5のステップS306)
入力データ取込み部351により取込まれたデータの全部又は一部に基づいて、設定された最適化期間分を設定された時間精度で需給バランス制約に基づいて数式モデルを設定する。
第1の配合計画作成装置100の場合と同様に、各銘柄の在庫量が一定の安全在庫量と呼ばれる値以上であることが要求される。この場合の制約は、上記の(式4)と表される。
また、各銘柄の在庫量は、前日の在庫量、前日の入荷量、前日の使用量より決定される。この場合の関係式を表す制約は、上記の(式5)と表される。つまり、当日の在庫量は、前日の在庫量と当日に入荷(荷揚)する量を足した値から、当日の使用量を引いた値となる。
また、各銘柄の使用量のある日の合計は、当該日の全銘柄合計に対して予定された使用量と一致する必要がある。この場合の関係を表す制約式は、上記の(式6)と表される。
また、各種原材料の購買に対する要因等に鑑み、操業者は、目標とする配合割合を設定し、この与えた目標とする配合割合に近い配合割合を実現する配合計画が作成されることを求める。つまり配合割合が操業者の想定と大きくかけ離れると、想定した購買量を満たせなくなったり、購買量を越えたり、また操業設備に無理な操業を及ぼすことが想定される。このため、目標として与えた配合割合に近い配合割合が出力されることが必要となる。上記機能を実現するための制約を以下に示す。つまり、銘柄の使用量から使用目標量(目標とする配合割合)(定数)を引いた値を、使用目標量からの溢れ量の変数として定義する。ここで、使用量と使用目標量が近い量を取る程、良い計画であるため、この溢れ量は少ない程良い。上記理由のため、後述するように、この溢れ量が、目的関数の項目として追加され、最適化によってミニマム化される。同様に銘柄の使用目標量から使用量を引いた値を、使用目標量からの不足量の変数として定義する。ここで、使用量と使用目標量は近い量を取る程良い計画であるため、この不足量は少ない程良い。上記理由のため、後述するようにこの不足は、目的関数の項目として追加され、最適化によってミニマム化される。この場合、各銘柄の使用量、使用目標量、溢れ量、不足量との関係を表す制約式は上記の(式7)と表される。つまり、溢れが生じる場合は使用量から溢れ量を引き、不足が生じる場合は不足量を足すと、使用目標量と一致する。
更に、前日の配合割合とその翌日の配合割合が大きく乖離すると、操業に困難を来たす。つまり、別原材料を使用するための段取り時間の増加や、設備の故障の原因となる。このため、前日の配合割合とその翌日の配合割合が大きく乖離することがない配合計画が、作成されることを求める。これを実現するための制約を上記の(式9)に示す。
なお、上述した需給バランス制約は一例であり、他の制約に替えたり、他の制約を加えたりしてもよい。
(7)配合計画の性状制約を用いて数式モデルを設定(図3の性状モデル設定部314、図4の線形化部357aを含む性状モデル設定部357、図5のステップS307、S307a)
入力データ取込み部351により取込まれたデータの全部又は一部に基づいて、設定された最適化期間及び時間精度を用いて、性状制約を用いて数式モデルを設定する。鉄鉱石の配合計画を作成する場合、性状としてはに用いられる原材料の性状としては、例えば、以下のものが挙げられる:鉄分、SiO2、Al2O3、SiO2、等。石炭の配合計画を作成する場合の性状としては、、以下のものが挙げられる:CSR(熱間反応後強度)、DI(コークス強度)、VM(揮発分)、膨張圧等。これらの性状が、要求される性状制約を満たす必要がある。混合後の性状モデルの一例を上記の(式14)に示した。なお、(式14)では下限値Sを有する例を示すが、上限値を有する場合、上限値及び下限値の両方を有する場合もありうる。
ここで、多くの性状について、性状モデルに含まれる数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)は、上記の(式15)に示すように、配合割合に対して線形となる。例えば、SiO2に関して、銘柄Aの配合割合が40%、銘柄AのSiO2成分が1%、銘柄Bの配合割合が60%、SiO2成分が2%の条件で混合した場合、混合後のSiO2成分の性状は、1×0.4+2×0.6=1.6%となる。
ところが、性状によっては、その性状を表す数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)が非線形となることがある。この場合、次に述べるように、線形化部357aで、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に代えて線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)を導入して数式モデルを定式化する。
線形化部357aでの処理について説明する。ある性状を表す数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)が非線形である場合、それに代えて線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)を導入する。この線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)は、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)の下限をなすもの、すなわち上記の(式16)の関係が成立するものを考える。なお、(式16)は常に成立する必要はなく、必要な範囲で成立していればよい。
例えば線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)として、上記の(式17)に示す加重平均を考える。加重平均は、単一銘柄を100%使用した場合の性状を非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)から求め、配合割合を乗算して、使用銘柄分足し合わせた値である。
説明を簡単にするため、銘柄Aの配合割合が90%、銘柄Cの配合割合が10%の例を考える。この場合、線形の数式f´(90、0、10、・・・、0)となる加重平均は、下式で表される。
f´(90、0、10、・・・、0)
=0.9×f(100、0、・・・、0)+0.1×f(0、0、100、・・・0)
過去の実績等から、この加重平均が(式16)を満たすことがわかっていれば、この加重平均を線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)として利用することができる。すなわち、加重平均≧Sを制約とすれば、(式14)が成立するものとみなすことで、定式化できる可能性が得られる。
線形化部357aでは、上記の(式14)´に示すように、線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する下限値として、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する下限値Sよりも小さな仮下限値S´=S−s(s:オフセット値)を設定して数式モデルを設定する。
以上は、混合後の性状制約が下限値を有する場合を例に説明した。なお、上述した性状制約は一例であり、他の制約に替えたり(混合後の性状制約が上限値を有する場合を含む)、他の制約を加えたりしてもよい。
以上説明した需給バランスモデル設定部356(需給バランスモデル設定部313)及びステップS306、並びに、性状モデル設定部357(図3の性状モデル設定部314)及びステップS307、S307aが、本発明でいう第2の配合計画作成部の数式モデル設定部及びそれによる処理例である。
(8)固定化抽出処理(図4の固定化抽出処理部358、図5のステップS308)
図9に示すように、配船計画の項目である積港、積銘柄、積量、揚港、揚銘柄、揚量のうち固定化されているもの、すなわち変更できないものを抽出する。予め与えられる条件によって、各傭船に対して「積港」及び「積銘柄」が固定化されている場合は、船舶別・積港別・揚港別フレート(図15を参照)を用いる。つまり、これらの傭船は原材料を積載する傭船が決定されているため、船舶別・積港別・揚港別フレートを用いることで、最適化によって原材料を入荷する製鉄所が決定された時点で、正確な輸送費用計算が可能となる。
また、いずれの項目も固定化されていない場合や、「積港」だけが固定化されている場合は、銘柄別・揚港別見做しフレートを用いる。つまり、積港と積銘柄が決定されていない場合には、当該船舶に関する積港と積銘柄自体を変更可能にすることで、後述の最適化を用いて、当該積港と積銘柄より輸送費用の安い積港と積銘柄の有無を検討することが可能となるこの場合は、銘柄別・揚港別見做しフレートを用いることで、当該船舶に関して、当該積港と積銘柄より輸送費用の安い積港と積銘柄に、当該船舶の積港と積銘柄を変更させることを後述する最適化により計画させる。これにより輸送費用のより安い計画を作成することを可能としている。なお、同一の傭船に関しては、固定化が最もされていないレコードの状態をこの傭船の固定化状況と考える。この固定化抽出処理は、図5に示したタイミングである必要はなく、例えば配合計画作成を開始するときに行われるようにしてもよい。
(9)配合計画数式モデルを目的関数に基づいて最適化(図3の計画部315、図4の配合計画求解部359、図5のステップS309)
上記構築された線形及び整数制約式でなる需給バランスモデル、性状モデルを併せて配合計画数式モデルとし、予め構築した目的関数に基づきLP(線形計画法)、MIP(混合整数計画法)、QP(2次計画法)等の数理計画法により最適化問題として問題を解くことにより、最適な使用量、入荷量を計算する。
ここでは、目的関数に関して線形式を用いた場合の例を示す。本実施形態では、費用(原材料の購入費用及び輸送費用)のミニマム化を目的としており、目的関数Jの一例を(式40)に示す。目的関数を用いて求解するに際して、購入費用情報及びステップS308において設定された輸送費用情報を用いる。
なお、(式40)は目的関数の一例であり、他の目的関数に替えたり、他の目的関数を加えたりしてもよい。例えば、与えられた目標とする配合割合に近い配合割合に配合計画を近づける必要があり、更に前日の配合割合とその翌日の配合割合が大きく乖離することがない配合計画を作成する必要がある場合を考える。この場合は、使用目標量からの溢れ量、不足量、及び当該日の使用量と当該日前日の使用量との差をミニマム化する項目を目的関数に追加する。
以上の定式化した式(数式モデル)を展開、設定して、混合整数計画法にて解くことにより、需給バランスモデル、性状モデルを併せた配合計画数式モデルに対する最適解が得られる。
以上説明した配合計画求解部359(計画部315)及びステップS309が、本発明でいう第2の配合計画作成部の最適化計算部及びそれによる処理の例である。
(10)最適化計算による求解結果の判定(図4の求解結果判定部360、図5のステップS310、S311)
(式14)´を用いた最適化計算による求解結果が、非線形の数式を含む数式モデルf(xA、xB、xC、・・・、xN)≧Sを満たすか否かを判定する。その結果、非線形の数式を含む数式モデルf(xA、xB、xC、・・・、xN)≧Sを満たせば、この求解結果に従い、後述する性状シミュレータ362に対する計算指示を作成して、シミュレーションを実行させる。非線形の数式を含む数式モデルf(xA、xB、xC、・・・、xN)≧Sを満たさなければ、線形の数式を含む数式モデルf´(xA、xB、xC、・・・、xN)≧S´を調整する(図5のステップS311)。具体的には、仮下限値S´を微増させる。
図10は、ステップS307〜S310の処理、すなわち非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に代えて線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)を導入したときの処理を示すフローチャートである。ステップS401において、需給バランスモデル、性状モデル(非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に代えて線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)を導入して構築したもの)、目的関数Jに基づいて最適化計算を実行する。
この場合に、(式14)´に示したように、線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する下限値として、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する下限値Sよりも小さな仮下限値S´=S−s(s:オフセット値)を設定する。
次にステップS402において、線形の数式を含む数式モデルf´(xA、xB、xC、・・・、xN)≧S´を用いた最適化計算による求解結果が、非線形の数式を含む数式モデルf(xA、xB、xC、・・・、xN)≧Sを満たすか否かを判定する。すなわち、ステップS401の最適化計算による求解結果(各銘柄A〜Nの使用量(配合割合))を(式14)に代入し、(式14)が成立するか否かを判定する。
ステップS402の結果、(式14)が成立すれば、本処理を終了する(図10のステップS412に移行する)。それに対して、(式14)が成立しなければ、ステップS403に進んで、仮下限値S´を予め設定された増減幅で微増させて、再度ステップS401の処理を実行する。すなわち、(式14)が成立するまで、仮下限値S´を微増させて、最適化計算による求解を繰り返す収束計算を実行する。
なお、本実施形態では、混合後の性状制約が下限値を有する場合を例にして説明したが、上限値を有する場合も同様である。この場合、線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)は、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)の上限をなすものを考える。また、ステップS401では、線形の数式f´(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する上限値として、非線形の数式f(xA、xB、xC、・・・、xN)に対する上限値よりも大きな仮上限値を設定する。
(11)求解した解に基づいて在庫推移をシミュレーション(図3の在庫推移シミュレータ311、図4の在庫推移シミュレータ361、図5のステップS312)
上記配合計画数式モデルに対する解、及び、入力データ取込み部351により取込まれたデータの全部又は一部に基づいて、配合の全部或いは一部を対象として、設定した計画確定期間分について、設定した計画作成精度でシミュレーションを実行する。このシミュレーションでは、配合計画数式モデルには組込むことができなかった制約条件、例えば一定の規則に基づかない条件など、定式化が難しいもの、及び、操業のルール等も組み込んでシミュレートする。このことで、配合計画数式モデルに対する求解結果として出された解を実操業で問題なく使用可能な配合計画に変更する。これにより、実操業で求められる時間精度と、実操業に求められる細かな制約まで考慮した配合計画の立案が可能となる。
また、数式モデルでは取扱うことが難しい制約の一例として、配合割合が変わった場合の設備の段取りに掛かる段取時間等をシミュレーションに取込み、正確にシミュレートすることで、実操業に求められる細かな制約まで考慮した配合計画の立案が可能となる。
(12)求解した解に基づいて性状をシミュレーション(図3の性状シミュレータ312、図4の性状シミュレータ362、図5のステップS313)
上記配合計画数式モデルに対する解、在庫推移シミュレータ361によりシミュレーションされた在庫推移、及び、入力データ取込み部351により取込まれたデータの全部或いは一部に基づいて、配合の全部或いは一部を対象として、設定した計画確定期間分について、設定した計画作成精度で、性状のシミュレートをおこなう。シミュレーションの結果として、原材料の混合後の性状結果が得られる。このシミュレーションでは、配合計画数式モデルには組み込むことができなかった制約条件、操業のルール等も組み込んでシミュレートすることで、配合計画数式モデルに対する求解結果として出された解を実操業で問題なく使用可能な配合計画に変更する。これにより、実操業で求められる時間精度と、実操業に求められる細かな制約まで考慮した配合計画の立案が可能となる。
以上説明した在庫推移シミュレータ361(在庫推移シミュレータ311)及びステップS312、並びに、性状シミュレータ362(性状シミュレータ312)及びステップS313が、本発明でいう第2の配合計画作成部のシミュレータ及びそれによる処理の例である。
(13)配合計画の確定(図4の確定部363、図5のステップS314)
上記在庫推移シミュレーション、性状シミュレーションにより導き出された配合計画のうちで設定した計画確定期間分を確定する。図7に示すように、本実施形態では計画確定期間を1日と設定しているので、作成した配合計画の最初の1日分を確定する。作成した配合計画のうちで上記計画確定期間に入らなかった部分については、その計画は確定せずに破棄する。
(14)計画作成期間分、或いは計画確定期間分の計画が確定したか判定(図4の判定部364、図5のステップS315)
このステップの実行時点までに確定した計画確定期間が予め設定した計画作成期間の全体を含んでいるかを判断する。本実施形態では、計画作成期間が10日間であるので、第10ループで計画を確定した時点で計画確定期間分の計画が確定する。このため第10ループで計画を確定終了した時点で10日分の配合計画を作成して、処理を終了する。
(15)立案開始日の更新(図4の更新部365、図5のステップS316)
このステップの実行時点で確定した計画確定期間が予め設定した計画作成期間の全体を含んでいない場合、上記配合計画のうちで確定した配合計画期間直後の日時を新たな立案開始日として設定する。本実施形態では、図7に示すように、第1ループでは当初1日目0時であった立案開始日を2日目0時に、第2ループでは当初2日目0時であった立案開始日を3日目0時に更新する。
(16)配合計画の出力(図4の出力部366、図5のステップS317)
以上のようにして作成した配合計画は、出力部366により、表示部303に画面表示されたり、データベース400を含む外部機器にデータ送信されたりする。
以上説明した出力部366及びステップS317が、本発明でいう第2の配合計画作成部の出力部及びそれによる処理の例である。
以上のように、現在の在庫推移状態に応じて、需給バランス制約、性状制約について、まず所定の最適化期間分について、計画作成時間精度で数式モデルを設定し、設定した配合計画数式モデルを目的関数に基づいて求解し、求解した解に基づいて、在庫推移、混合後の性状をシミュレートし、シミュレーション結果から求められた配合計画のうちで、設定した計画確定期間分を確定し、計画確定期間直後の日時を新たな立案開始日時とすることにより、新たな計画対象期間分の配合計画を確定する一連の処理を順次、予め定めた回数だけ、繰り返して実行する。このことで、所望する計画作成期間分の配合計画を作成することができる。これにより、任意の時間精度を必要とする配合計画を高速かつ詳細に最適化することができ、しかも得られた結果をそのままで実操業に適用できる。
なお、上記実施形態では、図11に示すように、配合計画は一定の期間(例えば旬)毎に作成される。また、複数の性状α、βについて性状モデルが非線形となることがある。図11において、Aは性状制約を満たしている((式14)が成立している)ことを、Bは性状制約を満たしていないことを意味する。すなわち、図11の例では、性状αについて複数旬(4月上旬及び下旬)で性状違反が発生しており、同様に性状βについて複数旬(4月上旬及び下旬)で性状違反が発生している。
この場合に、各旬及び各性状について別個に図10で説明した収束計算を行うと、以下の問題が生ずる。具体的にいえば、4月上旬で性状αについて収束計算を行い、続いて性状βについて収束計算を行い、また、4月下旬で性状αについて収束計算を行い、続いて性状βについて収束計算を行うのでは、計算処理に時間がかかってしまう。
そこで、第1の実施形態でも説明したように、対象の旬及び性状についてまとめて図10で説明した収束計算を行うようにする。例えば4月上旬及び下旬で性状α、βについてまとめて収束計算を行う(図10のステップS403で性状α、βの仮下限値の微増(或いは仮上限値の微減)を同時に行う)ことにより、高速化を図ることができる。
また、上記実施形態では、図10のステップS403で仮下限値S´を微増(或いは仮上限値を微減)させた後、再度ステップS401の処理を実行すると説明した。この場合に、収束計算が変化しても設定に変化のない数式モデル、具体的には上述した需給バランスモデルや元々線形の性状モデルは保持しておく。そして、仮下限値を微増(或いは仮上限値を微減)させて再度ステップS401の処理を実行する場合に、収束計算に従って変化のある数式モデル、具体的には仮下限値を微増させた(或いは仮上限値を微減させた)数式モデルのみ変更するような仕組とすることにより、高速化を図ることができる。
また、配合計画(例えば使用量(配合割合))として、年次計画、期計画、月次計画といった長期間の計画を立案することが多い。このように長期の配合計画を予め作成し、その配合計画を基準の配合計画とし、第1の配合計画作成装置100により作成されたより短期の配合計画が、基準となる配合計画から一定幅以上離れないようにすることも重要となる。
そこで、(式17)に示したような費用(原材料の購入費用及び輸送費用)に関して構築された目的関数Jに加え、予め作成された基準となる配合計画と一定幅以上離れないようにすることに関して構築された目的関数J´を用いるようにしてもよい。目的関数J´の一例を(式20)に示す。
上記例では、月次計画において、期計画を基準となる配合計画として、日々の配合計画を作成する場合の一例を示した。この場合は、配合割合(銘柄、日)と基準配合割との差の銘柄毎、日毎に合計したものをミニマム化する。他の例として、期計画を立案する場合、年次計画を基準となる配合計画として計画を作成しても良い。この場合、月次計画では配合割合(銘柄、月)を決定するとした場合は、配合割合(銘柄、月)と基準配合割との差を銘柄毎、月毎に合計した値をミニマム化する。
なお、基準となる配合計画は、例えば過去の実績に基づいて作成され、その作成手法はどのようなものであってもよい。もちろん、本発明を適用した配合計画作成手法により長期間の計画を予め作成しておき、それを基準となる配合計画としてもよい。
以上により、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画、及び複数銘柄の原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を相互に連係させて一括で作成することが可能となる。また、これら計画においては、配合計画・配船計画を通して全体として輸送費用をミニマム化することが可能となる。更に、第1の配合計画作成装置100により使用計画を作成し、この使用計画を入力データとして配船計画を作成する場合より、より確実に在庫切れを防ぐことができる配合計画・配船計画を作成できる。
(第3の実施形態)
上記第2の実施形態では、配船計画作成装置200において、各銘柄の在庫に関する制約(式24)として、個別の銘柄毎に安全在庫量を切らないことがある。しかし、実際の操業においては、性状が近い銘柄(規定した範囲に含まれる化学性質を共通して備える複数の銘柄:互いに置き換えても使用可能な銘柄)は、互いに置き換えて使用することで、融通を利かせている。例えば、原材料A,Bの在庫量がそれぞれ5万トン、0トンの場合、使用計画において原材料Aが0トン、Bが2万トンの場合、B銘柄のみ考慮すれば在庫切れが発生する。しかし、原材料A,Bの性状が、互いに置き換えても使用可能な関係である場合は、原材料Bを2万トン使用する代わりにAを2万トン使用する運用が行われている。こうすることで、在庫切れを防止できる。
例えば石炭の場合、「石炭化度が70%以下;70%より大きく90%以下;90%より大きい」等の、原材料の物理的、または化学的な性状に関する条件を用いて、銘柄のグループ化を行う。 また、このように銘柄をグループ化し、一つのものとして取り扱うことにより、変数を少なくして計算量を減らすことができる。
本実施形態においては、上記運用を実現する配合計画・配船計画の作成を実現することを目的とする。このため、配船計画作成装置200において、各銘柄の在庫に関する制約を個別の銘柄毎に安全在庫量を切らないものとして取り扱うのではなく、相互に代替可能な性状を持つ銘柄は、グループ化して取り扱う。つまり、グループ化された銘柄においては、グループとしての銘柄の在庫量が、グループとしての安全在庫量を切らないものとして、在庫制約を作成する。
つまり、配船計画作成装置200において、(式24)の代わりに、各グループ化された銘柄の在庫量が常にグループとしての安全在庫以上確保されていることを表す制約式を用いる。この制約式は、下記の(式42)と表される。
このように銘柄をグループ化して取扱うことで、フレートが高い船でしか輸送できない銘柄に変わり、同一銘柄でフレートのより安い船で手配できる銘柄を輸送することが可能となり、輸送費用を抑制できる。例えば、性状がほぼ同一の原材料X,Yがあり、揚港(製鉄所)Aでは原材料X,Yどちらでの使用も可能な場合を考える。揚港Aに原材料Xを輸送する費用が20$/トン、原材料Yを輸送する費用40$/トン、揚港Bに原材料Xを輸送する費用が40$/トン、原材料Yを輸送する費用20$/トン、初期在庫量は全て0、他製鉄所との引取の関係等何らかの理由により、揚港Aで原材料Xの使用が0トン、Yの使用が5万トン、揚港Bで原材料Xの使用が5万トン、Yの使用が0トンの配合計画が第1の配合計画作成装置100により作成された場合を考える。この場合、配船計画において個別に銘柄の在庫を維持する場合には、揚港Aに原材料Yを5万トン、揚港Bに原材料Xを5万トン入荷する配船が、在庫制約より導かれる。この場合は、40$/トン×5万トン×2の輸送費用が必要となる。しかし、代替可能な性状を持つ銘柄の群をグループとして考える場合には、揚港Aに原材料Xを5万トン、揚港Bに原材料Yを5万トン入荷する計画を配船計画で立てた場合も、揚港A,B共にXとYの合計の在庫量が0を下回らないこととなり、在庫制約を満たす。この場合の輸送費用は、20$/トン×5万トン×2となり、グループを考慮しない場合に比べて、半分の費用となる。
以上により、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画、及び複数銘柄の原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を相互に連係させて一括で作成することが可能となる。また、これら計画においては、配合計画・配船計画を通して全体として輸送費用をミニマム化することが可能となる。更に、第1の配合計画作成装置100により使用計画を作成し、この使用計画に関する入力データとして、代替可能な性状を持つ銘柄をグループとして考えることにより、在庫を切らさない配船計画を作成する場合と比較して、より輸送費用が安い配合計画・配船計画を作成することが可能となる。
(第4の実施形態)
第3の実施形態において、第1の配合計画作成装置100により使用計画を作成し、この使用計画を入力データとして、代替可能な性状を持つ銘柄をグループとして考え、在庫を切らさない配船計画を作成する実施形態を説明した。
しかし、実際の操業を行う上では、最終的な配合計画・配船計画としては、個別銘柄毎の在庫が確保されていることが必要となる場合が多い。つまり、上記第3の実施形態において、グループ間での入替を行った場合には、第1の配合計画作成装置100により作成された使用計画と、配船計画作成装置により作成された配船計画では、代替可能な銘柄グループとしての在庫切れは発生しない。しかし、個別の銘柄としては、銘柄間の使用と入荷にずれが生じるため、個別銘柄で在庫を見た場合に在庫が切れているように見え、操業者が扱い難いという問題が発生する。この問題を解決するための実施形態として、配船計画作成装置200により作成された配船計画を入力データとして、第2の配合計画作成装置300により、配合計画を作成することで、入荷に沿った配合計画を作成することが可能となる。この場合、代替可能な性状を持つ銘柄間での入替が行われているため、第2の配合計画作成装置300においても、性状制約に無理なく、配合計画を作成することが可能となる。更に、第1の配合計画作成装置100では、船舶が決定していない状態で、引取目標量を基に、使用計画を作成しているため、使用計画としては精度が良くない。しかし、第2の配合計画作成装置300では、配船計画作成装置により船舶が決定した状態、つまり入荷が決定した状態で使用計画を作成するため、より精度が良い使用計画が作成できる。
以上の構成または方法により、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画、及び複数銘柄の原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を相互に連係させて一括で作成することが可能となる。また、これら計画においては、配合計画・配船計画を通して全体として輸送費用をミニマム化することが可能となる。また、第1の配合計画作成装置100により使用計画を作成し、この使用計画を入力データとして配船計画を作成する場合と比較して、より輸送費用が安い配合計画・配船計画を作成することが可能となる。さらに、第2の配合計画作成装置300により使用計画を作成することで、より精度の良い使用計画を作成することが可能となる。
図27には、本発明の配合計画装置100、300或いは配船計画作成装置200として機能しうるコンピュータ装置2500のハードウェア構成例を示す。装置全体を制御する中央処理装置であるCPU2501、各種入力条件や結果等を表示する表示部2502、結果等を保存するハードディスク等の記憶部2503、制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、データ等を記憶するROM(リードオンリーメモリ)2504、CPU2501が処理を行うときに用いる作業領域であるRAM(ランダムアクセスメモリ)2505、及びキーボード、マウス等の入力部2506等により構成される。
また、上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、この各種デバイスと接続された装置或いはシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU或いはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。プログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
本発明は、以下の態様を更に含む。
(1) 複数の供給元から船舶にて複数の供給先に輸送されて入荷した複数銘柄の配合原材料を、各供給先において配合して使用する際に、当該複数銘柄の配合原材料の配合計画、及び当該複数銘柄の配合原材料を、積地である複数の供給元から揚地である複数の供給先に輸送する船舶の配船計画を作成する配合及び配船計画作成システムであって、配合原材料の、供給元毎及び銘柄毎に予め設定された引取目標量に基づいて、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画を作成する第1の配合計画作成手段と、前記第1の配合計画作成手段により作成された配合計画に基づいて、複数銘柄の配合原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を作成する配船計画作成手段と、前記配船計画作成手段により作成された配船計画を格納するデータベース手段とを備えたことを特徴とする配合及び配船計画作成システム。
(2) 前記第1の配合計画作成手段は、配合原材料の引取目標量、配合原材料の在庫状況、配合原材料の性状、配合原材料の購入費用情報、船舶を利用する際の輸送費用情報を含むデータを取り込むデータ取込み手段と、配合原材料の需給状態及び混合後の性状を計算するシミュレータと、配合原材料の需給バランス制約を表す数式モデル、及び、混合後の性状制約を表す数式モデルを構築する数式モデル構築手段と、前記数式モデル構築手段により構築された数式モデルを用いて、配合原材料の購入費用及び輸送費用に関して構築された目的関数に基づいて最適化計算を行い、前記シミュレータに対する指示を算出する最適化計算手段と、前記シミュレータによるシミュレーション結果である配合計画を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする上記(1)に記載の配合及び配船計画作成システム。
(3) 前記第1の配合計画作成手段の最適化計算手段では、更に、配合原材料の入荷量と引取目標量との関係に関して構築された目的関数に基づいて最適化計算を行うことを特徴とする上記(2)に記載の配合及び配船計画作成システム。
(4) 前記第1の配合計画作成手段のデータ取込み手段により取り込む輸送費用情報には、船舶別・積港別・揚港別フレートの情報と、銘柄別・揚港別フレートの情報とが含まれることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の配合及び配船計画作成システム。
(5) 前記第1の配合計画作成手段は、作成された配合計画による配合原材料の使用予定量を算出するものであり、前記配船計画作成手段は、前記第1の配合計画作成手段により作成された配合計画による配合原材料の使用予定量、引取目標量、契約の種別の異なる船舶がリストアップされた船舶リスト、前記船舶リストにリストアップされている船舶の運航状況、配合原材料の在庫状況、配合原材料の購入費用情報、前記船舶リストにリストアップされている船舶を利用する場合の輸送費用情報を含むデータを取り込むデータ取込み手段と、配合原材料の在庫推移を計算する在庫推移シミュレータ、及び、船舶運航状況の推移を計算する船舶運航状況推移シミュレータにより構成されるシミュレータと、前記船舶運航状況に基づいて前記船舶リストから船舶を選択し、必要な船舶財源を作成する船舶財源作成手段と、少なくとも前記船舶財源作成手段により作成された船舶の運航制約、揚地での配合原材料の需給バランス制約、及び引取目標量制約を表す数式モデルを構築する数式モデル構築手段と、前記数式モデル構築手段により構築された数式モデルを用いて、少なくとも輸送費用に関して構築された目的関数に基づいて最適化計算を行い、前記シミュレータに対する指示を算出する最適化計算手段と、前記シミュレータによるシミュレーション結果である配船計画を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の配合及び配船計画作成システム。
(6) 前記配船計画作成手段は、前記第1の配合計画作成手段により作成された配合計画による配合原材料の使用予定量、引取目標量、契約の種別の異なる船舶がリストアップされた船舶リスト、前記船舶リストにリストアップされている船舶の運航状況、前記性状が近い銘柄をグループ化して取り扱った配合原材料の在庫状況、配合原材料の購入費用情報、前記船舶リストにリストアップされている船舶を利用する場合の輸送費用情報を含むデータを取り込むデータ取込み手段と、前記性状が近い銘柄をグループ化して取り扱う配合原材料の在庫推移を計算する在庫推移シミュレータ、及び、船舶運航状況の推移を計算する船舶運航状況推移シミュレータにより構成されるシミュレータと、前記船舶運航状況に基づいて前記船舶リストから船舶を選択し、必要な船舶財源を作成する船舶財源作成手段と、少なくとも前記船舶財源作成手段により作成された船舶の運航制約、揚地での前記性状が近い銘柄をグループ化して取り扱う配合原材料の需給バランス制約、及び引取目標量制約を表す数式モデルを構築する数式モデル構築手段と、前記数式モデル構築手段により構築された数式モデルを用いて、少なくとも輸送費用に関して構築された目的関数に基づいて最適化計算を行い、前記シミュレータに対する指示を算出する最適化計算手段と、前記シミュレータによるシミュレーション結果である配船計画を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の配合及び配船計画作成システム。
(7) 前記配船計画作成手段により作成された配船計画に基づいて、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画を作成する第2の配合計画作成手段と、前記第2の配合計画作成手段により作成された配合計画を格納するデータベース手段とを備えたことを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の配合及び配船計画作成システム。
(8) 前記第2の配合計画作成手段は、前記配船計画作成手段により作成された配船計画による配合原材料の入荷予定、配合原材料の在庫状況、配合原材料の性状、配合原材料の購入費用情報、船舶を利用する際の輸送費用情報を含むデータを取り込むデータ取込み手段と、配合原材料の需給状態及び混合後の性状を計算するシミュレータと、配合原材料の需給バランス制約を表す数式モデル、及び、混合後の性状制約を表す数式モデルを構築する数式モデル構築手段と、前記数式モデル構築手段により構築された数式モデルを用いて、配合原材料の購入費用及び輸送費用に関して構築された目的関数に基づいて最適化計算を行い、前記シミュレータに対する指示を算出する最適化計算手段と、前記シミュレータによるシミュレーション結果である配合計画を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする上記(7)に記載の配合及び配船計画作成システム。
(9) 前記第1の配合計画作成手段により作成された配合計画を、性状が近い銘柄をグループ化して取り扱うことを特徴とする上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の配合及び配船計画作成システム。
(10) 複数の供給元から船舶にて複数の供給先に輸送されて入荷した複数銘柄の配合原材料を、各供給先において配合して使用する際に、当該複数銘柄の配合原材料の配合計画、及び当該複数銘柄の配合原材料を、積地である複数の供給元から揚地である複数の供給先に輸送する船舶の配船計画を作成する配合及び配船計画作成方法であって、第1の配合計画作成手段が、配合原材料の、供給元毎及び銘柄毎に予め設定された引取目標量に基づいて、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画を作成するステップと、配船計画作成手段が、前記第1の配合計画作成手段により作成された配合計画に基づいて、複数銘柄の原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を作成するステップと、前記配船計画作成手段により作成された配船計画をデータベース手段に格納するステップとを有することを特徴とする配合及び配船計画作成方法。
(11) 上記(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の配合及び配船計画作成システムの各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
本発明によれば、複数銘柄の配合原材料を入荷して混合する配合計画、及び複数銘柄の原材料を複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画を、相互に連係させ、一括して作成することができる。特に、傭船契約の種別の異なる船舶を考慮して、輸送費用に関して構築した目的関数を用意し、この目的関数に基づいて最適化計算を行うことができる。このことにより、船舶の傭船契約の種類(連続航海船、不定期船、スポット船)、船団の構成を決める船舶を雇うか、雇わないかまでも含めた、輸送費用のミニマム化のための計画立案が可能になる。更には、配合計画段階においても、輸送費用をミニマム化することを考慮した計画の作成が可能となる。
100:第1の配合計画作成装置
200:配船計画作成装置
201:シミュレータ
202:マクロ最適化部
202a:船舶財源リスト作成部
202b:数式モデル設定部
202c:最適化計算部
203:ミクロ最適化部
203a:数式モデル設定部
203b:最適化計算部
204:データ取込み部
205:出力部
300:第2の配合計画作成装置
303:表示部
304:操業者評価部
312:性状シミュレータ
313:需給バランスモデル設定部
314:性状モデル設定部
315:計画部
351:入力データ取込み部
352:計画作成期間設定部
353:時間精度設定部
354:最適化期間設定部
355:計画確定期間設定部
356:需給バランスモデル設定部
357:性状モデル設定部
357a:線形化部
358:固定化抽出処理部
359:配合計画求解部
360:確認部
361:在庫推移シミュレータ
362:性状シミュレータ
363:確定部
364:判定部
365:更新部
366:出力部
400:データベース
500:コンピュータ

Claims (13)

  1. 複数の銘柄の配合原材料を、複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画と;
    入荷した前記配合原材料を、それぞれの前記揚地で混合する配合計画と;
    を作成する配合及び配船計画作成システムであって:
    前記積地毎及び前記銘柄毎に予め設定された前記配合原材料の引取目標量に基づいて、第1の配合計画を作成する第1の配合計画作成部と;
    作成された前記第1の配合計画に基づいて、前記配船計画を作成する配船計画作成部と;
    作成された前記配船計画を格納するデータベース部と;
    を備え
    前記第1の配合計画作成部は:
    前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータを取り込むデータ取込み部と;
    前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ設定する数式モデル設定部と;
    設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う最適化計算部と;
    前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレートするシミュレータと;
    前記シミュレータによるシミュレーション結果である配合計画を出力する出力部と;
    を備え、
    前記第1の配合計画作成部は、更に、作成された前記配合計画に従った前記配合原材料の使用予定量を算出し、
    前記配船計画作成部は:
    前記配合原材料の前記使用予定量、前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の購入費用、複数の種別の傭船契約に基づいて運用される複数の船舶がリストアップされた船舶リスト、各々の前記船舶の運航状況、及び、輸送費用、を含むデータを取り込むデータ取込み部と;
    前記運航状況に基づいて前記船舶リストから配船対象の候補となる前記船舶を選択し、船舶財源リストを作成する船舶財源リスト作成部と;
    前記船舶財源リストに含まれる前記船舶の運航制約、前記揚地での前記配合原材料の需給バランス制約、及び、引取目標量制約を表す数式モデルを設定する数式モデル設定部と;
    設定された前記数式モデルを用いて、前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う最適化計算部と;
    前記在庫状況の推移をシミュレートする在庫推移シミュレータと、前記運航状況の推移をシミュレートする船舶運航状況推移シミュレータと、を含み、前記最適化計算の結果に基づいて動作する、シミュレータと;
    前記シミュレータによるシミュレーション結果である前記配船計画を出力する出力部と;
    を備えることを特徴とする配合及び配船計画作成システム。
  2. 複数の銘柄の配合原材料を、複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画と;
    入荷した前記配合原材料を、それぞれの前記揚地で混合する配合計画と;
    を作成する配合及び配船計画作成システムであって:
    前記積地毎及び前記銘柄毎に予め設定された前記配合原材料の引取目標量に基づいて、第1の配合計画を作成する第1の配合計画作成部と;
    作成された前記第1の配合計画に基づいて、前記配船計画を作成する配船計画作成部と;
    作成された前記配船計画を格納するデータベース部と;
    を備え
    前記第1の配合計画作成部は:
    前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータを取り込むデータ取込み部と;
    前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ設定する数式モデル設定部と;
    設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う最適化計算部と;
    前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレートするシミュレータと;
    前記シミュレータによるシミュレーション結果である配合計画を出力する出力部と;
    を備え、
    前記第1の配合計画作成部は、更に、作成された前記配合計画に従った前記配合原材料の使用予定量を算出し、
    前記配船計画作成部は:
    前記配合原材料の前記使用予定量、前記配合原材料の前記引取目標量、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われたグループ化配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の購入費用、複数の種別の傭船契約に基づいて運用される複数の船舶がリストアップされた船舶リスト、各々の前記船舶の運航状況、及び、輸送費用、を含むデータを取り込むデータ取込み部と;
    前記運航状況に基づいて前記船舶リストから配船対象の候補となる前記船舶を選択し、船舶財源リストを作成する船舶財源リスト作成部と;
    前記船舶財源リストに含まれる前記船舶の運航制約、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われた前記グループ化配合原材料の需給バランス制約、及び、引取目標量制約を表す数式モデルを設定する数式モデル設定部と;
    設定された前記数式モデルを用いて、前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う最適化計算部と;
    性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われた前記グループ化配合原材料の前記在庫状況の推移をシミュレートする在庫推移シミュレータと、前記運航状況の推移をシミュレートする船舶運航状況推移シミュレータと、を含み、前記最適化計算の結果に基づいて動作する、シミュレータと;
    前記シミュレータによるシミュレーション結果である前記配船計画を出力する出力部と;
    を備えることを特徴とする配合及び配船計画作成システム。
  3. 前記配合計画の作成と、前記配船計画の作成と、において、前記引取目標量および前記配合原材料の在庫状況に関して共通の制約条件が用いられることを特徴とする請求項1に記載の配合及び配船計画作成システム。
  4. 前記最適化計算部が、前記配合原材料の入荷量と前記引取目標量との関係に関して予め構築された目的関数に更に基づいて最適化計算を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配合及び配船計画作成システム。
  5. 前記データ取込み部により取り込まれる前記輸送費用には;
    船舶別・積港別・揚港別のフレートの情報と;
    前記銘柄別・揚港別フレートの情報と;
    が含まれることを特徴とする請求項又は4に記載の配合及び配船計画作成システム。
  6. 作成された前記配船計画に基づいて、第2の配合計画を作成する第2の配合計画作成部を更に備え、
    前記データベース部は前記第2の配合計画を更に格納することを特徴とする請求項に記載の配合及び配船計画作成システム。
  7. 前記第2の配合計画作成部は:
    作成された前記配船計画に基づく前記配合原材料の入荷予定、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータを取り込む第2のデータ取込み部と;
    前記入荷予定を用い、前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ設定する第2の数式モデル設定部と;
    設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を行う第2の最適化計算部と;
    前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレートする第2のシミュレータと;
    前記シミュレータによるシミュレーション結果である配合計画を出力する第2の出力部と;
    を備えることを特徴とする請求項に記載の配合及び配船計画作成システム。
  8. 前記第1の配合計画の前記需給バランス制約と、前記第2の配合計画の前記需給バランス制約と、において、需要に関して同一の制約条件を設定し;
    前記第1の配合計画の前記需給バランス制約において、供給に関して、引取目標量を制約条件として設定し;
    前記第2の配合計画の前記需給バランス制約において、供給に関して、船舶による原材料の入荷量を制約条件として設定する;
    ことを特徴とする請求項に記載の配合及び配船計画作成システム。
  9. 前記第1の配合計画の前記目的関数において、銘柄別・揚港別見做しフレートを用い;
    前記第2の配合計画の前記目的関数において、船舶別・積港別・揚港別フレートを用いる、ことを特徴とする請求項に記載の配合及び配船計画作成システム。
  10. 作成された前記配合計画において、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われることを特徴とする請求項1又はに記載の配合及び配船計画作成システム。
  11. 複数の銘柄の配合原材料を、複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画と;
    入荷した前記配合原材料を、それぞれの前記揚地で混合する配合計画と;
    を作成する配合及び配船計画作成方法であって:
    前記積地毎及び前記銘柄毎に予め設定された前記配合原材料の引取目標量に基づいて、第1の配合計画作成部が第1の配合計画を作成する第1の配合計画作成工程と;
    作成された前記第1の配合計画に基づいて、配船計画作成部が前記配船計画を作成する配船計画作成工程と;
    作成された前記配船計画をデータベースに格納するデータベース格納工程と;
    を備え
    前記第1の配合計画作成工程は:
    前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータをデータ取込み部が取り込むデータ取込み工程と;
    前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ数式モデル設定部が設定する数式モデル設定工程と;
    設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算部が最適化計算を行う最適化計算工程と;
    前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレータがシミュレートするシミュレーション工程と;
    前記シミュレーション工程によるシミュレーション結果である配合計画を出力部が出力する出力工程と;
    を備え、
    前記第1の配合計画作成工程は、更に、作成された前記配合計画に従った前記配合原材料の使用予定量を算出し、
    前記配船計画作成工程は:
    前記配合原材料の前記使用予定量、前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の購入費用、複数の種別の傭船契約に基づいて運用される複数の船舶がリストアップされた船舶リスト、各々の前記船舶の運航状況、及び、輸送費用、を含むデータをデータ取込み部が取り込むデータ取込み工程と;
    前記運航状況に基づいて前記船舶リストから配船対象の候補となる前記船舶を選択し、船舶財源リストを船舶財源リスト作成部が作成する船舶財源リスト作成工程と;
    前記船舶財源リストに含まれる前記船舶の運航制約、前記揚地での前記配合原材料の需給バランス制約、及び、引取目標量制約を表す数式モデルを数式モデル設定部が設定する数式モデル設定工程と;
    設定された前記数式モデルを用いて、前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算部が最適化計算を行う最適化計算工程と;
    前記在庫状況の推移を在庫推移シミュレータがシミュレートする在庫推移シミュレーション工程と、前記運航状況の推移を船舶運航状況推移シミュレータがシミュレートする船舶運航状況推移シミュレーション工程と、を含み、前記最適化計算の結果に基づいて動作する、シミュレーション工程と;
    前記シミュレーション工程によるシミュレーション結果である前記配船計画を出力部が出力する出力工程と;
    を備えることを特徴とする配合及び配船計画作成方法。
  12. 複数の銘柄の配合原材料を、複数の積地から複数の揚地に輸送する配船計画と;
    入荷した前記配合原材料を、それぞれの前記揚地で混合する配合計画と;
    を作成する配合及び配船計画作成方法であって:
    前記積地毎及び前記銘柄毎に予め設定された前記配合原材料の引取目標量に基づいて、第1の配合計画作成部が第1の配合計画を作成する第1の配合計画作成工程と;
    作成された前記第1の配合計画に基づいて、配船計画作成部が前記配船計画を作成する配船計画作成工程と;
    作成された前記配船計画をデータベースに格納するデータベース格納工程と;
    を備え
    前記第1の配合計画作成工程は:
    前記配合原材料の前記引取目標量、前記配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の性状、前記配合原材料の購入費用、及び、前記配合原材料の輸送費用を含むデータをデータ取込み部が取り込むデータ取込み工程と;
    前記配合原材料の需給バランス制約、及び、前記配合原材料の混合後の性状制約を表す数式モデルをそれぞれ数式モデル設定部が設定する数式モデル設定工程と;
    設定された前記数式モデルを用いて、前記購入費用及び前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算部が最適化計算を行う最適化計算工程と;
    前記最適化計算の結果に基づいて動作し、前記配合原材料の需給状態の推移、及び、前記配合原材料の混合後の前記性状の推移をシミュレータがシミュレートするシミュレーション工程と;
    前記シミュレーション工程によるシミュレーション結果である配合計画を出力部が出力する出力工程と;
    を備え、
    前記第1の配合計画作成工程は、更に、作成された前記配合計画に従った前記配合原材料の使用予定量を算出し、
    前記配船計画作成工程は:
    前記配合原材料の前記使用予定量、前記配合原材料の前記引取目標量、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われたグループ化配合原材料の在庫状況、前記配合原材料の購入費用、複数の種別の傭船契約に基づいて運用される複数の船舶がリストアップされた船舶リスト、各々の前記船舶の運航状況、及び、輸送費用、を含むデータをデータ取込み部が取り込むデータ取込み工程と;
    前記運航状況に基づいて前記船舶リストから配船対象の候補となる前記船舶を選択し、船舶財源リストを船舶財源リスト作成部が作成する船舶財源リスト作成工程と;
    前記船舶財源リストに含まれる前記船舶の運航制約、性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われた前記グループ化配合原材料の需給バランス制約、及び、引取目標量制約を表す数式モデルを数式モデル設定部が設定する数式モデル設定工程と;
    設定された前記数式モデルを用いて、前記輸送費用に関して予め構築された目的関数に基づいて最適化計算を最適化計算部が行う最適化計算工程と;
    性状が規定した範囲に含まれる複数の前記銘柄の前記配合原材料がグループ化されて取り扱われた前記グループ化配合原材料の前記在庫状況の推移を在庫推移シミュレータがシミュレートする在庫推移シミュレーション工程と、前記運航状況の推移を船舶運航状況推移シミュレータがシミュレートする船舶運航状況推移シミュレーション工程と、を含み、前記最適化計算の結果に基づいて動作する、シミュレーション工程と;
    前記シミュレーション工程によるシミュレーション結果である前記配船計画を出力部が出力する出力工程と;
    を備えることを特徴とする配合及び配船計画作成システム。
  13. 請求項1または請求項2に記載の配合及び配船計画作成システムの各部分としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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