以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる排泄物処理システム1の構成を示す図である。この図に示すように、排泄物処理システム1は、使用者3によって装着されるオムツカップ12と、オムツカップ12内部の排泄物または汚水を吸引し蓄積する排泄物処理装置14と、使用者3が横たわるマット10とを備えている。
図2に示すように、オムツカップ12は、使用者3に装着された状態では、股下が短く膝上丈の、いわゆるショーツを模した外観をなしており、その股間に位置する箇所には、汚物収集カップ120及び汚物収集パイプ122が設けられている。この汚物収集パイプ122には、図1に示す如く、排泄物処理装置14とオムツカップ12とを接続する汚物吸引ホース16が取り付けられる。すなわち、オムツカップ12内の排泄物および汚水は、排泄物処理装置14の吸引機構(後述)により、汚物収集パイプ122から汚物吸引ホース16を通して排泄物処理装置14に吸引され、この排泄物処理装置14に蓄積される。なお、排泄物処理装置14の詳細については、後に詳述することにし、先ず、オムツカップ12とマット10とについて説明する。
図3は、オムツカップ12の展開図である。この図に示すように、オムツカップ12は、汚物収集カップ120から前方に延在し使用者3の臍下付近を覆う腹当て部12aと、汚物収集カップ120から後方に延在し、使用者3の臀部を覆う背当て部12bを有している。すなわち、オムツカップ12は、一般的なショートパンツ(ショーツ)の両腰脇付近を大腿部方向に裂くと共に、汚物収集カップ120の取付用に股間周辺がくり抜かれ、このくり抜かれた箇所に汚物収集カップ120が取付けられた形状と略等しい形状を有している。このオムツカップ12の腹当て部12aおよび背当て部12bは、通気性が良く、なおかつ、水分を通さない素材(例えばPTFE:ポリテトラフロロエチレン)から形成されており、使用者3が長時間装着し続けても、発汗によるムレが防止されるようになっている。なお、オムツカップ12の素材として、ウェットスーツなどに用いられる伸縮性のある発泡合成樹脂(例えば、発泡ネオプレーン系)からなる素材を用い、フィット性を高めるようにしても良い。
また、背当て部12bの左側部12bLと右側部12bRには、合計4つの止着部126が夫々取り付けられている。止着部126の上面(図面上面)には、夫々ベルクロワファスナー(いわゆる、マジックテープ(登録商標))が貼着されており、止着部126が腹当て部12aの表面に係止する構成となっている。
使用者3にオムツカップ12を装着する場合には、汚物収集カップ120を股間にあてがう一方、従来のオシメをはかすように、背当て部12bを臀部に、腹当て部12aを臍下付近にあてがい、腰および大腿部に巻き付けるべく背当て部12bの両側部12bL、12bRに設けられた止着部126を腹当て部12aの上面まで運んで貼付固定する。
また、このオムツカップ12にあっては、腹当て部12aおよび背当て部12bのうち、使用者3の腹に巻き付く箇所の縁部128a、128b、および、使用者3の大腿部に巻き付く箇所の縁部128c、128dには、ゴムバンドが設けられており、使用者3が装着した際の気密性が高まるようになっている。
次いで、汚物収集カップ120の構成について詳述する。図4は汚物収集カップ120の側面図であり、また、図5はその断面図である。これらの図に示すように、汚物収集カップ120は、曲線見を帯びた略コの字状に一体的に形成されており、その図面下方には、汚物収集パイプ122が一体成形されている。この汚物収集カップ120は、ある程度の弾性を有したプラスチックなどから形成されており、多少の押圧力が加わったとしても、その押圧力を吸収可能となっている。
また、図5に示すように、この汚物収集カップ120の側壁には、洗浄水を噴射するための洗浄ノズル130a、130b、130cが設けられており、各洗浄ノズル130a、130b、130cには、洗浄水チューブ132を介して排泄物処理装置14から洗浄水が供給される構成となっている。洗浄ノズル130aは、汚物を汚物収集パイプ122が設けられている方へ押し流すためのものであり、オムツカップ12の背面(使用者3の臀部に対向する面)に設けられ、その噴射口の方向が汚物収集パイプ122を向くように設定されている。洗浄ノズル130bは、使用者3の肛門を洗浄するためのものであり、汚物収集パイプ122付近に設けられ、その噴射口の方向は、洗浄水が使用者3の肛門に向けて噴射されるように設定されている。また、洗浄ノズル130cは、女性使用者3の陰部を洗浄するためのものであり、使用者3の下腹部に相当する位置付近に設けられ、その噴射口の方向は、洗浄水が女性使用者3の陰部に向けて噴射されるように設定されている。なお、洗浄水は、使用者3の不快感を招かぬよう適度な温度の温水であることが望ましい。このように、オムツカップ12には、女性の陰部(特に、尿内、ちつ等)を洗浄するための洗浄ノズル130cが設けられているため、排尿後も陰部を清潔に保ち、不快感を覚えることのないようになっている。なお、使用者3が男性である場合を考慮して、洗浄水チューブ132と洗浄ノズル130cとの間に開閉弁などを設け、洗浄ノズル130cからの洗浄水噴射を選択的に行う構成としても良い。
また、上述の洗浄水チューブ132には、洗浄水のみならず空気が供給される構成となっている。すなわち、洗浄水により使用者3の各部位を洗浄した後、空気(乾燥空気)を吹き付けることにより、乾燥させるようになっている。このように、空気は、使用者3の各部位を乾燥させるためのものであるから、洗浄ノズル130aからの空気噴射は省くことが可能である。また、洗浄水チューブ132からオムツカップ12内に空気が供給されることにより、この空気をオムツカップ12内から逃がすための通気孔134がオムツカップ12の側壁に穿たれている。
このような構成の下、使用者3が排泄した後、排泄物処理装置14から洗浄水チューブ132に洗浄水が供給され、洗浄ノズル130a、130b、130cの各々から洗浄水が噴射される。これにより、使用者3の肛門および陰部が洗浄される一方で、排泄物が汚物収集パイプ122の方へ流される。次いで、排泄物処理装置14は、洗浄水チューブ132に空気を供給する前に、この洗浄水チューブ132内に残留する洗浄水を吸引して水抜した後に、洗浄水チューブ132に空気を供給する。これにより、使用者3の肛門および陰部の乾燥が行われる。なお、使用者3が男性である場合など、陰部の乾燥が必要ない場合には、洗浄ノズル130bからの空気噴射、すなわち、肛門の乾燥のみを行う構成としても良い。
また、汚物収集パイプ122は、図5に示すように、オムツカップ12の底部から一端落ち込む、いわゆるU字状形成を成している。この構成において、排泄物は、洗浄ノズル130aからの洗浄水により、汚物収集パイプ122の底部122aに向かって洗浄水や尿などと共に集められた後、排泄物処理装置14により汚物吸引ホース16を経由して吸引排出される。
ここで、排泄物処理装置14が吸引を開始すると、汚物収集パイプ122がU字形状をなしているため、サイフォンの原理により、汚水や洗浄水などは、吸引が停止したとしても、オムツカップ12より低い箇所に置かれた排泄物処理装置14のタンクなどに溜められることとなる。これにより、汚物の吸引が不十分であったとしても、オムツカップ12内に汚水などが残るのが防止される。この汚物収集パイプ122は、排泄物などの液状物ばかりでなく、空気も流通できるような構造を有し、排泄物処理装置14が汚物を空気の圧力差で吸引しても管径が小さくならないような剛性をもった屈曲管で形成されている。
ところで、上述のように、汚物収集パイプ122は、U字形状をなしているため、図6に示すように、使用者3の股間から図面下方に突出することとなる。従って、使用者3がオムツカップ12を装着してベッドなどに仰向けで横たわると、この汚物収集パイプ122や汚物収集カップ120の背面部(使用者3の臀部に位置する部分)により、使用者3の臀部が浮き上がってしまい、使用者3の寝心地が悪くなる。
そこで本実施形態では、図7に示すように、使用者3が横たわるマット10には、汚物収集パイプ122および汚物収集カップ120の背面部を収容するための収容貫通穴102が形成されている。このマット10は、図8に示すように、略円柱形に膨張するように構成されたエアーセル100がマット10の長さ方向に適宜数(図示例では26本)並設されて構成されている。より具体的には、マット10の長尺方向の両端には、他とは寸法の違うエアーセル100a、100b(例えば、48mm×825mm)が配置され、これらのエアーセル100a、100bとの間に、エアーセル100d、100e(76mm×825mm)が交互に並設されて、寸法が1920mm×825mmのマット10が構成される。
また、マット10の図面左右両側の各々には、このマット10の長尺方向に伸びる空気導入帯108a、108bが設けられている。空気導入帯108a、108bの各々の一端(図示例では、図面下端)には、排泄物処理装置14に内蔵されたエアコンプレッサからの空気が注がれる空気注入口112が設けられており、この空気注入口112から注入された空気がエアーセル100b、100d、100eの各々に導かれるよう構成されている。
さらに詳述すると、マット10にあっては、図面上方(使用者3の頭部方向)に位置する4本のエアーセル100a、100cを除き、100dには、空気導入帯108aから空気が導入され、エアーセル100eおよび100bには、空気導入帯108bから空気が導入される。また、使用者3の頭部に相当する箇所のエアーセル100、すなわち、エアーセル100a、100cの空気圧は、常に略一定圧に維持されており、これにより、枕が載置されたときのグラツキを抑え、使用者3が不快感を覚えることのないようになっている。
また、このマット10にあっては、図面左側に配置された空気導入帯108aと連通するエアーセル100dと、図面右側に配置された空気導入帯108bと連通するエアーセル100eとが交互に並設されると共に、図面下端にエアーセル100bが並設されている。すなわち、マット10にあっては、空気の導入経路の異なるエアーセル100d、100eが交互に配置される構成となっているため、空気導入帯108a、108bに注入される空気圧の各々を適宜変更することにより、空気圧の互いに異なるエアーセルが交互に配置することになる。例えば、空気導入帯108a、108bの各々に注入される空気圧を交互に間欠的に増減させ、エアーセル100d、108eを膨張、収縮させれば、使用者3とマット10とが当接する場所を変えることができ、床ずれを防止することができる。
また、このマット10の図面上下端には、固定穴110aが穿たれた縁110が設けられており、この固定穴110aに紐などを通し、ベッドの枠などに結び付けることにより、ベッド上にマット10を固定するようになっている。
さらに、上述のように、マット10のうち、使用者3の臀部から股間に相当する箇所には、オムツカップ12の汚物収集パイプ122および汚物収集カップ120の背面部を収容するための収容貫通穴102が形成されている。この収容貫通穴102は、マット10をくり抜いて成るものであるため、収容貫通穴102が形成されている箇所のエアーセル100d、100eの各々は、収容貫通穴102により左右に分断されても、収容貫通穴102の両側で空気の導通が図れる構成となっている。具体的には、図9に示すように、収容貫通穴102によって分断された各エアーセル100d、100eには、収容貫通穴102を挟んだ両側での空気の導通を図るためのバイパスチューブ104が設けられている。
次いで、排泄物処理装置14について説明する。
図10は、排泄物処理装置14の構成を示す模式図である。この図において、排泄タンク200は、排泄物および汚物(洗浄水など)を貯留するものであり、上述のように、汚物吸引ホース16を介してオムツカップ12の汚物収集パイプ122に接続されている。排泄タンク200の底部付近には、このタンク内に貯留された汚物および排泄物の重量を検出する重量センサ201が設けられており、排泄タンク200に貯留されている排泄物および汚物の量が重量として検出される。また、排泄タンク200の上部の出口には、液体を除去し気体のみを通過させるセパレータ202が設けられ、このセパレータ202(すなわち、排泄タンク200の出口)は、空気管140、ミストフィルタ203、空気管141、2方弁204、空気管142を経てエアコンプレッサ205の吸込口に接続されている。一方、エアコンプレッサ205の吐出口は、空気管143、ドライヤー206、脱臭・殺菌器207、空気管144、3方弁208、空気管145、温風ヒータ209、空気管146を経てオムツカップ12の通気孔134(図5参照)に接続され、オムツカップ12内に空気が供給される。なお、3方弁208のCOMポートには空気管144が接続され、NOポートには空気管145が接続されている。
オムツカップ12の汚物収集カップ120から排泄物などを吸引する吸引工程にあっては、2方弁204が開くと共に、3方弁208が空気管144、145を導通する方向に開く。そして、排泄タンク200内は、エアコンプレッサ205によって空気が吸引されて負圧に保たれ、汚物収集カップ120から汚物吸引ホース16、排泄タンク200、エアコンプレッサ205に向かって空気が流れる一方、エアコンプレッサ205の吐出口から空気管143〜146を通って、オムツカップ12に空気が循環する。
さらに詳述すると、排泄タンク200が負圧に保たれると、セパレータ202により、排泄タンク200内の空気だけが空気管140に導かれ、ミストフィルタ203によって空気中の水分が除去されて、湿度の低い空気がエアコンプレッサ205の吸込口に流入する。また、エアコンプレッサ205の吐出口から吐出された空気は、ドライヤー206によって乾燥され、脱臭・殺菌器207により、空気に含まれる臭気の除去と除菌とが行われ、そして、温風ヒータ209により、所定温度(例えば60℃)に加温されてオムツカップ12内に導かれ、オムツカップ12内が衛生に保たれると共に、冷えた空気の流入により温度が下がるのが防止されている。ここで、温風ヒータ209には、サーミスタと温度ヒューズ(共に不図示)が設けられており、ヒータが所定温度まで温められると、温風ヒータ209がオフになるように構成されている。また、排泄物処理装置14は、エアコンプレッサ205に近接して配置される冷却ファン216を備え、この冷却ファン216により、エアコンプレッサ205が空冷される。
また、排泄物処理装置14は、洗浄水を貯留する洗浄水タンク210を備えている。洗浄水タンク210の底部には、貯留されている洗浄水を暖める温水ヒータ211が設けられ、また、洗浄水タンク210の内部には、貯留洗浄水の水温を検出するサーミスタ212と、貯留洗浄水の量を検出するフロートセンサ(水位計)213とが設けられており、貯留洗浄水の量と、その水温とを監視可能になっている。
洗浄水タンク210の上部には、図示せぬ注入口が設けられており、この洗浄水タンク210に洗浄水を給水する場合には、その注入口から注入する。また、洗浄水タンク210の下部には、水抜コック(活栓)214を備える水管147が接続されており、洗浄水タンク210から洗浄水を抜く場合には、水抜コック214を開き、水管147から洗浄水を外部に流出させる。さらに、洗浄水タンク210の側面のうち底面に近い箇所に設けられた出口は、水管148、ウォータポンプ215、水管149を経てオムツカップ12の洗浄ノズル130a、130b、130cに接続されている。使用者3の各部位を洗浄する洗浄工程にあっては、ウォータポンプ215により洗浄水タンク210から洗浄水が水管148、149を経てオムツカップ12に送水され、各洗浄ノズル130a、130b、130cから噴射される。また、この洗浄工程にあっては、オムツカップ12内から洗浄水を吸引するために、上述した吸引工程も合わせて行われる。
また、上述のように、排泄物処理装置14は、使用者3の各部位の洗浄後に、洗浄ノズル130a、130b、130cの各々から乾燥空気を噴射し、乾燥する構成となっている。具体的には、上述の3方弁208のNCポートは、空気管150、分岐管170、空気管151、オリフィス217、空気管152、2方弁218、空気管153、温風ヒータ219、空気管154を経て、水管149に介挿された分岐管171に接続されている。ここで、オリフィス217は、空気管151を流れる空気の流量を検出するものであり、温風ヒータ219は、空気を加熱乾燥させるものである。この温風ヒータ219には、図示せぬサーミスタと温度ヒューズとが内蔵され、空気が適度な温度に加温されるようになっており、この空気が水管149を通って洗浄ノズル130a、130b、130cの各々に導かれる。
一方、空気管142には分岐管172が介挿され、また、空気管146には分岐管173が介挿されている。分岐管172の分岐先は、空気管155、3方弁220、空気管156、2方弁221、空気管157を順に経て分岐管173に接続される。ここで、3方弁220のCOMポートは空気管155に接続され、NOポートは空気管156に接続される。すなわち、エアコンプレッサ205の吸込口は、空気管142の分岐管172、173を順に経てオムツカップ12に接続され、オムツカップ12内の空気を、排泄タンク200を経由させずに、このオムツカップ12から直接吸込み可能な構成となっている。
この構成において、使用者3の各部位を洗浄した後に乾燥させる乾燥工程にあっては、ウォータポンプ215による洗浄後に、水管149に残留する洗浄水を吸引して洗浄水タンク210に戻す。そして、2方弁204を閉じる一方、2方弁221、3方弁220のNOポート、3方弁208のNCポートおよび2方弁218を開いた状態で、エアコンプレッサ205により、オムツカップ12からの空気を空気管146、分岐管173、空気管157、156、155、分岐管172、空気管143、144、150、151〜154、水管149の順に循環させて、温風ヒータ219によって加熱された乾燥空気を使用者3の各部位に向けて吹き付ける。このように、乾燥工程にあっては、乾燥した循環空気が排泄タンク200を経るのが禁止されるため、使用者3に吹き付けられる乾燥空気は、より清潔なものとなる。
また、排泄物処理装置14には、上述のマット10(図8参照)に空気を注入するための機構が設けられている。具体的には、3方弁220のNCポートには、空気管162とストレーナ225とが順に接続され、また、分岐管170には、空気管158、2方弁222、空気管159、バッファタンク223、空気管160、レギュレータ224、空気管161が順に接続され、さらに、空気管161の出口側がマット10の空気注入口112(図8参照)に接続される構成となっている。ストレーナ225の入口側(空気管162の接続側と反対側)は、開放端となっており、このストレーナ225は、吸込まれた空気から異物を除去する。
この構成において、マット10に空気を注入する場合には、3方弁220のNCポートおよび2方弁222が開いた状態である共に、2方弁218が閉じた状態において、エアコンプレッサ205を動作させて、ストレーナ225から空気を取り込み、この空気をマット10に注入する。このように、本実施形態にかかる排泄物処理装置14にあっては、マット10に空気を注入するためのエアコンプレッサを、汚物および排泄物を処理するためのエアコンプレッサと共用する構成となっているため、本体サイズをコンパクトにすることができると共に、マット10への空気注入のための装置を別途用意する必要がない。
また、排泄物処理装置14本体には、操作者が操作するための操作パネル300が設けられている。図11は、操作パネル300の一例を示す図である。この図において、電源スイッチ300aは、排泄物処理装置14の電源投入/切断を指示するための押下式スイッチであり、タイマー運転スイッチ300bは、操作者の操作に関係なく、所定時間毎に、吸引工程、洗浄工程および乾燥工程の一連の工程を自動で行わせることを指示するための押下式スイッチである。動作モードランプ300eは、排泄物処理装置14の動作モードが、操作者の操作に応じて動作する手動モードであるか、あるいは、所定時間毎に自動で動作するタイマー(自動)モードであるかを報知するための表示ランプである。さらに、動作モードランプ300eには、タイマーモードとして設定可能な時間間隔(例えば、2時間、4時間、6時間)に対応して複数の表示ランプが設けられており、タイマーモード動作時には、タイマー運転スイッチ300bの押下によって選択された設定時間に対応する表示ランプが点灯し、その動作時間間隔が報知される。温水設定スイッチ300cは、洗浄水タンク210に貯留されている洗浄水の温度を設定するための押下式スイッチである。温水表示パネル300fは、温水設定スイッチ300cの操作により、洗浄水の温水設定が行われている間は、その設定された温度を表示し、また、温水設定以外では、サーミスタ212の検出値に基づき現在の洗浄水の温度を表示する。圧力設定スイッチ300dは、マット10の空気圧を設定するためのスイッチである。給水ランプ300gは、洗浄水タンク210に貯留されている洗浄水の水量が不足していることを報知するための表示ランプであり、温水ランプ300iは、洗浄水の水温が設定された温度に達していないことを報知するための表示ランプである。また、満杯ランプ300hは、排泄タンク200に貯留されている排泄物および汚物の量が所定量をこえていること、すなわち、排泄物を新たに貯留する余裕がないことを報知するための表示ランプである。
また、本実施形態の排泄物処理システム1は、操作者(使用者3)などが排泄物処理装置14に対して無線により指示信号を送信して操作するためのリモートコントローラ302を備えている。図12に示すように、リモートコントローラ302は、吸引/停止ボタン302aと、洗浄ボタン302bと、乾燥ボタン302cとを備えている。吸引/停止ボタン302aは、吸引工程の開始、あるいは、吸引工程、洗浄工程および乾燥工程の各工程の停止を指示するための操作ボタンである。また、洗浄ボタン302bは、洗浄工程の開始を指示するための操作ボタンであり、乾燥ボタン302cは、乾燥工程の開始を指示するための操作ボタンである。このように、リモートコントローラ302による操作を可能としたのは、操作者が使用者3であって、寝たきりの人である場合に、その操作者が操作し易くするためである。
次いで、本実施形態の動作について説明する。上述したように、排泄物処理装置14は、吸引工程、洗浄工程および乾燥工程の一連の工程を操作者の操作指示があった場合に行う手動モードと、所定時間毎に自動で行う自動モードとの2つの動作モードを有している。
図13は、手動モード動作時の排泄物処理装置14の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、排泄物処理装置14は、電源スイッチ300aの操作により、本体の電源が投入されると(ステップSa1)、洗浄水タンク210に貯留されている洗浄水の水量および温度と、排泄タンク200に貯留されている排泄物の量をチェックするためのチェック処理を行う(ステップSa2)。図14は、チェック処理の処理手順を示すフローチャートである。この図に示すように、排泄物処理装置14は、先ず、フロートセンサ213の検出値に基づいて、洗浄水タンク210に蓄えられている洗浄水の水量が、使用者3を洗浄するのに十分であるか否かをチェックし(ステップSb1)、水量が不十分である場合には(ステップSb1:NO)、操作者に洗浄水の給水を促すべく給水ランプ300gを点灯させ警報した後に(ステップSb2)、リモートコントローラ302からの操作受付を禁止し(ステップSb3)、再度、洗浄水量をチェックすべく、処理手順をステップSb1に戻す。ここで、洗浄水量が十分であるかは、洗浄1回に要する水量(例えば600cc)を基準に判断され、この基準に満たない場合には、洗浄水量が不十分であると判断される。
さて、洗浄水量が十分であれば(ステップSb1:YES)、排泄物処理装置14は、温水ヒータ211を稼動させて洗浄水を加温し(ステップSb4)、サーミスタ212に検出値に基づいて、洗浄水の温度が所定温度(予め設定された温度など)に達しているか否かをチェックする(ステップSb5)。このチェックの結果、洗浄水の温度が設定温度に達していなければ(ステップSb5:NO)、排泄物処理装置14は、温水ランプ300iを点灯させて操作者に温水が適温でない旨を警報した後(ステップSb6)、リモートコントローラ302からの操作受付を禁止し(ステップSb7)、再度、水温を検出すべく処理手順をステップSb5に戻す。
また、洗浄水の温度が設定温度以上である場合(ステップSb5:YES)、排泄物処理装置14は、重量センサ201の検出値に基づいて排泄タンク200に、新たに排泄物を貯留するための余裕があるかをチェックする(ステップSb8)。このチェックの結果、排泄タンク200に余裕がなければ(ステップSb8:NO)、排泄物処理装置14は、満杯ランプ300hを点灯させて排泄タンク200が排泄物などで満杯である旨を操作者に警報した後(ステップSb9)、リモートコントローラ302からの操作受付を禁止し(ステップSb10)、再度、この排泄タンク200に余裕があるかをチェックすべく処理手順をステップSb8に戻す。一方、排泄タンク200に新たに排泄物などを貯留する余裕がある場合には(ステップSb8:YES)、排泄物処理装置14は、チェック処理を終了する。なお、排泄タンク200に余裕があるか否かは、排泄1回分の容量(例えば1000cc)を基準に判断され、空き容量が基準に満たない場合には、空き容量に余裕がないものと判断される。
このように、本実施形態では、電源投入後であって、吸引工程、洗浄工程または乾燥工程の各工程が行われる前に、洗浄水の水量や温度、排泄タンク200の空き容量など、各工程を実施する上で問題となり得る要素が予めチェックされ、問題があれば、各工程の実施を指示する操作受付が禁止されるため、これらの工程の実施が禁止される。これにより、各工程を実施中に、排泄タンク200に排泄物や汚物を貯留しきれないなどの問題が発生することが予防される。
具体的には、チェック処理により、吸引工程および洗浄工程が1回行われた場合に貯留され得る汚物および排泄物分の容量が排泄タンク200に確保されている場合にだけ、吸引工程から乾燥工程までが行われるため、これら一連の工程中に排泄タンク200の空き容量が全く無くなることが防止される。また、チェック処理により、1回の洗浄工程を行うに要する洗浄水が洗浄水タンク210に確保されている場合にだけ、吸引工程から乾燥工程までが行われるため、これら一連の工程中に洗浄水タンク210内の洗浄水が空になることが防止される。
次いで、図13に示すように、排泄物処理装置14は、リモートコントローラ302からの吸引指示を受け取ると(ステップSa3)、オムツカップ12から排泄物を吸引する吸引工程を行う(ステップSa4)。この吸引工程にあっては、2方弁204および3方弁208のNOポートが開状態となっており、図15に示すように、排泄物処理装置14は、冷却ファン216を始動し(ステップSc1)、次いで、エアコンプレッサ205を始動した後に(ステップSc2)、温風ヒータ209を始動する(ステップSc3)。これにより、エアコンプレッサ205の吸引により、オムツカップ12内が減圧され、排泄物が排泄タンク200に向けて吸引されると共に、温風ヒータ209によって加温された空気がオムツカップ12内に吹き込まれることとなる。
そして、図13に示すように、排泄物処理装置14は、リモートコントローラ302から洗浄指示があるまで、吸引工程を続け(ステップSa5:NO)、洗浄指示があった場合には(ステップSa5:YES)、洗浄工程を行う(ステップSa6)。なお、吸引工程の次に行われるべき工程は、洗浄工程であるため、吸引工程が行われている間は、誤動作を防ぐべく乾燥工程の操作受付は禁止されている。さて、図16に示すように、洗浄工程にあっては、排泄物処理装置14は、先ず、ウォータポンプ215を所定時間(例えば、20秒)の間だけ稼動させて(ステップSd1)、洗浄水タンク210に貯留されている洗浄水を水管149に接続された洗浄ノズル130a〜130cから噴射させ、使用者3の各部位(肛門や陰部など)を洗浄する。このとき、ステップSa4の吸引工程において、エアコンプレッサ205が既に稼動されているため(図15:ステップSc2参照)、オムツカップ12内から洗浄水が吸引され、排泄タンク200に貯留される。次いで、排泄物処理装置14は、温風ヒータ209を停止させた後に(ステップSd2)、エアコンプレッサ205を停止させて(ステップSd3)、洗浄水の吸引を終了して洗浄工程を終了する。ここで、温風ヒータ209による無駄な空気加熱を防ぎ電力消費量を抑えるために、温風ヒータ209は、そのヒータの温度が所定温度(例えば60℃)に達するか、あるいは、ウォータポンプ215が稼動し始めてから所定時間経過(例えば15秒)した後であって、ウォータポンプ215が停止する前に停止(電源オフ)することが望ましい。ウォータポンプ215が停止する前に温風ヒータ209を停止するのは、そのヒータの余熱により、十分に空気を加熱させることができるからである。
次いで、図13に示すように、排泄物処理装置14は、乾燥工程を行う(ステップSa7)。この乾燥工程にあっては、図17に示すように、排泄物処理装置14は、乾燥空気が排泄タンク200を経由せずに自装置14内を循環するように、乾燥空気の循環経路を形成する。具体的には、排泄物処理装置14は、2方弁204を閉じ(ステップSe1)、2方弁221を開け(ステップSe2)、2方弁218を開け(ステップSe3)、そして、3方弁208のNCポートを開ける(ステップSe4)。これにより、オムツカップ12から空気管146、分岐管173、空気管157、156、155、分岐管172、空気管143、144、150、151〜154、水管149の順に空気を循環させる経路が形成される。次いで、排泄物処理装置14は、エアコンプレッサ205を所定時間(例えば420秒)の間だけ稼動させて(ステップSe5)、空気を循環させ、また、温風ヒータ219を所定時間(例えばエアコンプレッサ205が稼動した時から415秒)だけ稼動させる(ステップSe6)。これにより、温風ヒータ219によって加熱された乾燥空気が洗浄ノズル130a〜130cから使用者3の各部位(肛門や陰部など)に吹き付けられ、乾燥が行われる。なお、エアコンプレッサ205よりも先に、温風ヒータ219をオンにしても良く、また、両者を略同時にオンにしても良い。さらに、温風ヒータ219による無駄な空気加熱を防ぐために、温風ヒータ219は、そのヒータの温度が所定温度(例えば60℃)に達するか、あるいは、ウォータポンプ215が稼動し始めてから所定時間経過(例えば415秒)した後であって、ウォータポンプ215が停止する前にオフにすることが望ましい。
ここで、洗浄および乾燥が行われる時間は予め設定されているが、状況によっては、洗浄あるいは乾燥が不十分となる恐れがある。そこで、排泄物処理装置14は、図13に示すように、リモートコントローラ302から、洗浄指示を再度受け付けたか否かを判断し(ステップSa8)、洗浄指示がなかった場合には(ステップSa8:NO)、乾燥指示を再度受け付けたか否かを判断する(ステップSa9)。そして、洗浄指示があった場合には、(ステップSa8:YES)、排泄物処理装置14は、再度洗浄工程を行うべく、処理手順をステップSa6に戻す。また、乾燥指示があった場合には(ステップSa9:YES)、排泄物処理装置14は、再度、乾燥工程を行うべく、処理手順をステップSa7に戻す。そして、排泄物処理装置14は、乾燥指示を受け付けなかった場合に(ステップSa9:NO)、冷却ファン216を停止して(ステップSa10)、処理を終了する。
さて、上述したように、本実施形態の排泄物処理装置14は、動作モードとして手動モードの他に、予め設定された設定時間毎(例えば2時間、4時間、6時間毎)に、吸引工程、洗浄工程および乾燥工程の一連の工程を自動で行う自動モードを有する。この自動モードにあっては、所定時間(例えば30分)毎に吸引工程のみが行われる一方で、上述の設定時間毎に、吸引工程から乾燥工程に至る一連の工程が行われる。このように、吸引工程から乾燥工程までの一連の工程が行われる時間サイクル(以下、「第1の時間サイクル」と称する)よりも短い時間サイクル(以下、「第2の時間サイクル」と称する)で吸引工程のみが行われるのは、一連の工程が行われた直後などに、使用者3が排泄した場合に、その排泄物がオムツカップ12に固着してしまうのを防ぐためである。以下、この自動モード時の動作について説明する。
図18は、自動モード時の排泄物処理装置14の処理手順を示すフローチャートである。この図に示すように、自装置14の電源が投入され(ステップSf1)、タイマー運転スイッチ300bの押下により、自動運転モード(タイマー運転)が指示され、吸引工程から乾燥工程までを自動で実行する際の第1の時間サイクル(例えば2時間、4時間、6時間など)の設定を受取ると(ステップSf2)、排泄物処理装置14は、上述した手動モードと同様のチェック処理(図14参照)を行う(ステップSf3)。これにより、後に行われる吸引工程、洗浄工程および乾燥工程において、問題が生じるのが防止される。
次に、排泄物処理装置14は、吸引工程のみを行う第2の時間サイクル(例えば30分)が経過後に(ステップSf4:YES)、吸引工程を行う(ステップSf5)。図19は、吸引工程における処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、排泄物処理装置14は、上述の手動モードにおける吸引工程(図15参照)と同様に、先ず冷却ファン216を稼動させ(ステップSg1)、次いで、エアコンプレッサ205を稼動し(ステップSg2)、温風ヒータ209をオンして(ステップSg3)、吸引を開始する。そして、排泄物処理装置14は、所定時間(例えば数十秒)が経過するまで吸引を行い(ステップSg:NO)、この所定時間が経過後(ステップSg4:YES)、エアコンプレッサ205を停止し(ステップSg5)、冷却ファン216を停止し(ステップSg6)、そして、温風ヒータ209をオフにして(ステップSg7)、吸引工程を終了する。次に、排泄物処理装置14は、操作者によって設定された設定時間(すなわち、吸引工程から乾燥工程までを行う第1の時間サイクル)が経過したかを判断し(ステップSf6)、この判断結果が否定的であれば(ステップSf6:NO)、再度、吸引工程のみを行う第2の時間サイクルが経過するのを監視すべく、処理手順をステップSf4に戻す。
一方、ステップSf6における判断結果が肯定的であれば(ステップSf6:YES)、排泄物処理装置14は、先の吸引工程に引き続き、洗浄工程を行う(ステップSf7)。この洗浄工程において、排泄物処理装置14は、先ず、図20に示すように、オムツカップ12内に洗浄水が噴射された場合に、その洗浄水を吸引すべく、冷却ファン216を稼動させ(ステップSh1)、エアコンプレッサ205を稼動させ(ステップSh2)、そして、温風ヒータ209をオンにして(ステップSh3)、オムツカップ12内を減圧する。次に排泄物処理装置14は、ウォータポンプ215を所定時間(例えば20秒)だけ稼動させて(ステップSh4)、使用者3の各部位(肛門や陰部など)を洗浄した後、温風ヒータ209をオフにし(ステップSh5)、エアコンプレッサ205を停止して(ステップSh6)、洗浄工程を終了する。
次に、排泄物処理装置14は、図17に示す手動モード時の乾燥工程と同じ手順にて乾燥工程を行った後(ステップSf8)、冷却ファン216を停止する(ステップsf9)。そして、排泄物処理装置14は、今回の一連の処理により、洗浄水タンク210に貯留されている洗浄水の量や水温、排泄タンク200に貯留されている排泄物量が変化したため、再度、チェック処理を行うべく、処理手順をステップSf3に戻す。
さて、上述したように、排泄物処理装置14には、マット10に空気を注入するための機構が設けられている。以下、この機構によりマット10に空気を注入する際の処理手順について説明する。図21は、マット10への空気注入動作時の処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、自装置14の電源が投入されると(ステップSi1)、排泄物処理装置14は、上述したチェック処理(図14参照)を行う(ステップSi2)。そして、圧力設定スイッチ300dが操作され、マット10への空気注入が指示されると(ステップSi3)、排泄物処理装置14は、ストレーナ−225から空気を吸込み、マット10に吐出すべく、2方弁204を閉じて(ステップSi4)、排泄タンク200との空気の流路を断ち、3方弁220のNCポートを開け(ステップSi5)、ストレーナ225から空気を吸込み可能にする。そして、排泄物処理装置14は、エアコンプレッサ205の吐出口をマット10に接続すべく、3方弁208のNCポートを開け(ステップSi6)、次いで、2方弁221を開け(ステップSi7)、2方弁218を閉じた後に(ステップSi8)、2方弁222を開ける(ステップSi9)。そして、排泄物処理装置14は、冷却ファン216を始動させた後(ステップSi10)、エアコンプレッサ205を稼動させて(ステップSi11)、空気をマット10に注入する。排泄物処理装置14は、マット10の空気圧が設定値以上になるまで空気注入を続け(ステップSi12:NO)、マット10の空気圧が設定値以上になった場合に(ステップSi12:YES)、エアコンプレッサ205を停止し(ステップSi13)、次いで冷却ファン216を停止し(ステップSi14)、マット10への空気注入を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、オムツカップ12に通気性の良い素材を用いたため、使用者3の肌がムレてしまうのが防止される。また、オムツカップ12は、陰部に対して洗浄水を噴射するための洗浄ノズル130cを備えるため、使用者3が女性である場合には、排泄後の使用者3の陰部を洗浄することができ、清潔に維持することができる。さらにまた、マット10には、使用者3の臀部から股間に相当する箇所には、オムツカップ12の汚物収集パイプ122および汚物収集カップ120の背面部を収容するための収容貫通穴102が形成されているため、使用者3がマット10に横たわったときに臀部が浮き上がってしまうといったことが防止され、寝心地が悪くなるのが防止される。
また、排泄物処理装置14は、電源投入後であって、吸引工程、洗浄工程または乾燥工程の各工程が行われる前に、洗浄水の水量や温度、排泄タンク200の空き容量など、各工程を実施する上で問題となり得る要素を予めチェックし、問題があれば、各工程の実施を指示する操作受付を禁止し、これらの工程の実施が禁止される。これにより、各工程を実施中に、排泄タンク200に排泄物や汚物を貯留しきれないなどの問題が発生することが予防される。
特に、本実施形態によれば、チェック処理により、吸引工程および洗浄工程が1回行われた場合に貯留され得る汚物および排泄物分の容量が排泄タンク200に確保されている場合にだけ、吸引工程から乾燥工程までが行われるため、これら一連の工程中に排泄タンク200の空き容量が全く無くなることが防止される。また、チェック処理により、1回の洗浄工程を行うに要する洗浄水が洗浄水タンク210に確保されている場合にだけ、吸引工程から乾燥工程までが行われるため、これら一連の工程中に洗浄水タンク210内の洗浄水が空になることが防止される。
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様にすぎず、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の範囲内で任意に変形可能であることは勿論である。
例えば、上述した手動モードあるいは自動モード動作時において、排泄物処理装置14は、吸引工程または洗浄工程中に排泄タンク200の空き容量に余裕が無くなった場合に、吸引工程から乾燥工程までの一連の工程が終了した後に、満杯ランプ300hを点灯させて操作者に警報すると共に、排泄タンク200の空き容量に余裕ができるまで、吸引工程の指示受け付けをキャンセルするように構成されても良い。
また例えば、上述した手動モードあるいは自動モード動作時において、排泄物処理装置14は、洗浄工程中に洗浄水タンク210に貯留されている洗浄水の残量が所定値よりも少なくなった場合には、乾燥工程が完了した後に、給水ランプ300gを点灯させて操作者に警報すると共に、洗浄水が給水されるまで、吸引工程から乾燥工程までの一連の指示受け付けをキャンセルするように構成されても良い。