JP4662346B2 - 車両用動力伝達装置における潤滑装置 - Google Patents

車両用動力伝達装置における潤滑装置 Download PDF

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Description

本発明は、駆動源に歯車が連動してこの歯車が潤滑用オイルを攪拌するとき、上記歯車に与えられるオイルの攪拌抵抗を低減させるようにした車両用動力伝達装置における潤滑装置に関するものである。
上記潤滑装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車両用動力伝達装置において、駆動源に連動連結される複数歯車がケーシング内に設けられ、このケーシングの内底部に歯車潤滑用オイルが貯留されている。上記複数歯車のうちのいずれかの第1歯車により上記ケーシングの内底部から掻き上げられたオイルを捕捉して貯留するキャッチタンクが設けられ、このキャッチタンク内のオイルを上記ケーシングの内底部に自然流動により戻す戻しオリフィスが形成されている。
上記駆動源の駆動力は上記各歯車を通し減速された後、車輪に伝達され、車両が所望速度で走行可能とされる。この場合、上記歯車の回転により、上記ケーシングの内底部から掻き上げられたオイルによって、上記歯車同士の噛合部が潤滑される。
また、上記したように、掻き上げられたオイルの一部は上記キャッチタンクにより捕捉されて貯留され、これにより、上記ケーシングの内底部におけるオイルの液面が下降する。すると、上記歯車に与えられるオイルの攪拌抵抗が低減し、無用な動力損失の発生が防止される。
一方、上記駆動源の減速などにより低速回転に移行し、上記歯車の回転速度が低下した場合において、この歯車により掻き上げられてキャッチタンクに捕捉されるオイルの単位時間当りの流量(以下、これを単に「流量」という)が、上記戻しオリフィスを通りケーシングの内底部に戻される「流量」よりも少なくなったとする。すると、上記キャッチタンク内のオイルが上記戻しオリフィスを通り上記ケーシング内に流入して、このケーシングの内底部におけるオイルの液面が上昇する。
すると、上記したように、歯車の回転速度は低下するが、この歯車は深く油浴することになる。このため、この歯車によるオイルの掻き上げ量は十分多く確保されて、上記歯車同士の噛合部の潤滑は良好に保たれる。ここで、上記歯車は深く油浴するが、回転速度が低下しているため、オイルの攪拌抵抗は小さく抑制される。
また、上記キャッチタンク内の上部に貯留されたオイルを上記歯車用の軸受に向けて自然流動させる油路が形成されている。そして、上記したように、掻き上げられたオイルが上記キャッチタンク内の上部に貯留されると、このオイルが上記油路を通り上記軸受に供給されて、この軸受が潤滑されるようになっている。
特開2004−180477号公報
ところで、上記キャッチタンクは、その上端開口が上方に向かって大きく開いている。このため、車両の加速、減速時には、上記キャッチタンク内の上部に貯留されたオイルは、これに生じる慣性力による揺動で、このキャッチタンク内の上部から容易に溢出しがちとなる。そして、このように溢出した場合には、上記キャッチタンク内の上部から油路を通して軸受に供給されるべきオイルの量が不足して、その潤滑が不十分になるおそれを生じる。
一方、上記キャッチタンクは、各歯車の径方向外方域に配置されている。このため、上記キャッチタンクの占有空間を確保しようとして、このキャッチタンクを設けた動力伝達装置の部分の外面は、外方に突出しがちとなる。つまり、上記動力伝達装置が無用に大型になるおそれがあり、これは、特に小型化が求められる車両用動力伝達装置にとって好ましくない。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車両用動力伝達装置における潤滑装置において、歯車に与えられるオイルの攪拌抵抗を低減させるようにした場合に、車両の加速、減速時にも、上記オイルによる歯車用の軸受の潤滑が、より確実に達成されるようにすることである。
また、本発明の他の目的は、上記目的を達成する場合でも、上記動力伝達装置が大型にならないようにすることである。
請求項1の発明は、駆動源4に連動連結される複数歯車16,23,24をケーシング10内に設け、このケーシング10の内底部26に歯車潤滑用オイル27を貯留し、上記複数歯車16,23,24のうちのいずれかの第1歯車16により上記ケーシング10の内底部26から掻き上げられたオイル27を捕捉して貯留するキャッチタンク31を設け、このキャッチタンク31内のオイル27を上記ケーシング10の内底部26に自然流動により戻す戻しオリフィス34,35,35′を形成した車両用動力伝達装置における潤滑装置において、
上記キャッチタンク31が、上方に向かって開口し、上記第1歯車16により掻き上げられたオイル27を捕捉するオイル捕捉部39と、このオイル捕捉部39よりも下側に位置してオイル27を貯留可能とするオイル貯留部40と、このオイル貯留部40に併設され、かつ、上記オイル捕捉部39よりも下側に位置する他のオイル貯留部41,41′とを備え、上記オイル捕捉部39の内底部のオイル27を上記オイル貯留部40内に自然流動させる供給通路42を形成し、上記オイル貯留部40の内底部のオイル27を上記歯車23,24用の軸受21に向けて自然流動させるようにし、一方、上記オイル捕捉部39から溢出したオイル27を上記他のオイル貯留部41,41′が貯留するようにし、この他のオイル貯留部41,41′内のオイル27を上記オイル貯留部40内に自然流動させる連通路43を形成し、上記オイル貯留部40の内底部のオイル27が上記連通路43を通り上記他のオイル貯留部41,41′に流動することを防止する流動防止体44を設けたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記第1歯車16の径方向外方、かつ、この第1歯車16に対し軸方向で偏位した他の歯車24の軸方向外方の領域23に上記キャッチタンク31を配置したものである。
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記ケーシング10の内底部26に向けて上記他のオイル貯留部41,41′の内底部を連通させるよう、この内底部に上記戻しオリフィス35,35′を形成したものである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明によれば、上記第1歯車により掻き上げられたオイルの一部が、上記キャッチタンクに捕捉されて貯留されると、上記ケーシングの内底部におけるオイルの液面が下降する。そして、上記キャッチタンクに捕捉されるオイルの「流量」と、上記戻しオリフィスを通り上記キャッチタンクからケーシングに流出する「流量」とがバランスしたとき、上記ケーシングの内底部におけるオイルの液面の高さがある一定の低いところに位置させられる。これにより、上記第1歯車に与えられるオイルの攪拌抵抗が低減し、無用な動力損失の発生が防止される。
また、上記の場合、第1歯車により掻き上げられたオイルが上記オイル捕捉部に捕捉されると、この捕捉されたオイルは、上記供給通路を通って、一旦、オイル貯留部内に貯留され、この貯留状態は上記流動防止体によって、より確実に維持される。このため、車両の加速、減速時などに上記オイル貯留部内のオイルが揺動しても、このオイルがこのオイル貯留部内から溢出する、ということは抑制される。
そして、上記したように、オイル貯留部内に貯留されたオイルは上記歯車用の軸受に向けて自然流動させられる。よって、車両の加速、減速時にも、上記オイルによる歯車用の軸受の潤滑は、より確実に達成される。
請求項2の発明は、上記第1歯車の径方向外方、かつ、この第1歯車に対し軸方向で偏位した他の歯車の軸方向外方の領域に上記キャッチタンクを配置している。
ここで、上記領域は一般的に余剰空間として存在するものであり、上記発明によれば、上記領域が上記キャッチタンクの配置に利用されている。このため、第1歯車に与えられるオイルの攪拌抵抗を低減させようとしてキャッチタンクを設けた場合に、このキャッチタンクによって上記動力伝達装置が大型になる、ということは防止される。
請求項3の発明は、上記ケーシングの内底部に向けて上記他のオイル貯留部の内底部を連通させるよう、この内底部に上記戻しオリフィスを形成している。
このため、上記他のオイル貯留部内のオイルは、上記他の戻しオリフィスを通り、常時、上記ケーシング内に流入可能とされている。よって、上記駆動源の減速などにより低速回転に移行し、上記第1歯車の回転速度が低下して、この第1歯車により掻き上げられ上記他のオイル貯留部に捕捉されるオイルの「流量」が減少すれば、上記掻き上げにより他のオイル貯留部内に満たされていたオイルが上記他の戻しオリフィスを通りケーシング内に流入することにより、このケーシングの内底部におけるオイルの液面が、より速やかに上昇させられる。
よって、上記した第1歯車の回転速度が低下した場合、上記ケーシングの内底部におけるオイルの液面の速やかな上昇により、上記歯車同士の噛合部の潤滑が、より良好に保たれる。
本発明の車両用動力伝達装置における潤滑装置に関し、歯車に与えられるオイルの攪拌抵抗を低減させるようにした場合に、車両の加速、減速時にも、上記オイルによる歯車用の軸受の潤滑が、より確実に達成されるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、駆動源に連動連結される複数歯車がケーシング内に設けられる。このケーシングの内底部に歯車潤滑用オイルが貯留され、上記複数歯車のうちのいずれかの第1歯車により上記ケーシングの内底部から掻き上げられたオイルを捕捉して貯留するキャッチタンクが設けられる。このキャッチタンク内のオイルを上記ケーシングの内底部に自然流動により戻す戻しオリフィスが上記キャッチタンクに形成される。
上記キャッチタンクは、上方に向かって開口し、上記第1歯車により掻き上げられたオイルを捕捉するオイル捕捉部と、このオイル捕捉部よりも下側に位置してオイルを貯留可能とするオイル貯留部と、このオイル貯留部に併設され、かつ、上記オイル捕捉部よりも下側に位置する他のオイル貯留部とを備えている。
上記オイル捕捉部の内底部のオイルを上記オイル貯留部内に自然流動させる供給通路が形成される。上記オイル貯留部の内底部のオイルは上記歯車用の軸受に向けて自然流動させられる。一方、上記オイル捕捉部から溢出したオイルは上記他のオイル貯留部に貯留される。この他のオイル貯留部内のオイルを上記オイル貯留部内に自然流動させる連通路が形成される。上記オイル貯留部の内底部のオイルが上記連通路を通り上記他のオイル貯留部に流動することを防止する流動防止体が設けられている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図において、符号1は、自動車で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。また、下記する左右とは、上記前方に向かっての方向をいうものとする。
上記車両1は、車体2と、この車体2の前部に支持される左右一対の前車輪(不図示)と、上記車体2の後部に支持される左右一対の後車輪3,3と、上記車体2に支持され電動機で例示される駆動源4と、この駆動源4の出力軸に取り付けられる出力ギヤ5と、この出力ギヤ5に上記後車輪3,3を連動連結させる動力伝達装置6とを備えている。
上記動力伝達装置6は、上記左右後車輪3,3を互いに連動連結させる公知の差動装置7と、この差動装置7を上記駆動源4に連動連結させる減速装置8とを備えている。
上記差動装置7は、その外殻を構成して上記車体2に支持されるケーシング10と、このケーシング10内に収容され、車両1の幅方向に延びる第1軸心11回りに回転可能となるよう左右一対の軸受12,12により上記ケーシング10に支持されるデフケース13と、上記デフケース13に支持される左右一対のデフサイドギヤ14,14と、上記デフケース13に支持されて上記各デフサイドギヤ14に噛合する一対のデフピニオン15,15と、上記第1軸心11上に位置して上記デフケース13に取り付けられる第1歯車16とを備えている。この第1歯車16はリングギヤである。そして、上記各デフサイドギヤ14にそれぞれ上記後車輪3が車軸17により連動連結されている。
上記減速装置8は、その外殻を構成する上記ケーシング10と、このケーシング10内に収容され、車両1の幅方向に延びる第2軸心20回りに回転可能となるよう左右一対の軸受21,21により支持される回転軸22と、上記第2軸心20上に位置して上記回転軸22に一体的に形成され、上記第1歯車16に噛合する第2歯車23と、上記第2軸心20上に位置して上記回転軸22にスプラインにより取り付けられ上記出力ギヤ5と噛合する第3歯車24とを備えている。
上記第1、第2軸心11,20は互いに平行で、ほぼ同じ高さに配置されている。また、上記第1、第3歯車16,24に比べて上記第2歯車23は径小とされている。また、上記第1、第2歯車16,23に対し、他の歯車である第3歯車24は、その軸方向で偏位するよう配置され、上記第1、第2軸心11,20に沿った視線でみて(図1)、上記第1歯車16と第3歯車24との各一部分同士は互いに重なり合っている。
上記各歯車5,16,23,24同士の噛合部と各軸受12,21とを潤滑する潤滑装置25が設けられている。
即ち、上記ケーシング10の内底部26に上記第1−第3歯車16,23,24のための潤滑用オイル27が貯留されている。上記第1−第3歯車16,23,24が静止しているとき、上記オイル27の液面28の高さHは、上記各第1、第2軸心11,20とほぼ同じとされている(図1)。このため、上記第1−第3歯車16,23,24のそれぞれ下半分は、上記オイル27に油浴されている。
上記駆動源4が駆動すれば、その駆動力は、まず、上記出力ギヤ5を通して上記減速装置8の第3歯車24に伝達される。すると、上記第3歯車24、回転軸22、および第2歯車23が上記第2軸心20回りの一方向に回転Aさせられる。すると、上記駆動力は、上記第2歯車23から上記差動装置7の第1歯車16に伝達され、上記第1歯車16、デフケース13、およびデフピニオン15が上記第1軸心11回りの一方向に回転Bさせられる。そして、上記駆動力は、上記差動装置7から上記各車軸17を介し各後車輪3に伝達され、車両1が前進走行可能とされる。
上記の場合、第1−第3歯車16,23,24の回転A,Bにより、上記ケーシング10の内底部26から掻き上げられたオイル27によって、上記各歯車5,16,23,24同士の噛合部がそれぞれ潤滑される。
上記第1歯車16により上記ケーシング10の内底部26から掻き上げられたオイル27の一部を捕捉して貯留するキャッチタンク31が設けられている。このキャッチタンク31は、上記第1歯車16の径方向外方、かつ、他の歯車である上記第3歯車24の軸方向外方の余剰空間である領域32に配置され、上記キャッチタンク31は上記ケーシング10に一体的に形成されている。
上記キャッチタンク31の内底部のオイル27を上記ケーシング10の内底部26に自然流動により戻す戻しオリフィス34,35が形成されている。
上記回転軸22には、その第2軸心20上に油路38が形成され、この油路38は、上記回転軸22を軸方向に貫通している。上記油路38の一端部(左端部)は、上記左右の両軸受21,21のうちの一方(左方)の軸受21の内部通路を通り上記ケーシング10の内底部26に連通している。この場合、上記軸受21の内部通路は上記戻しオリフィス34,35のうち、一方の戻しオリフィス34に相当している(図2)。なお、この戻しオリフィス34に代え、もしくは、この戻しオリフィス34と共に、上記オイル貯留部40の内底部を上記ケーシング10の内底部26に直接連通させる戻しオリフィスを形成してもよく、この場合、この戻しオリフィスは、断面円形の孔としてもよい。
また、上記戻しオリフィス34,35のうち、他方である他の戻しオリフィス35は、上記ケーシング10の内底部26に向けて上記他のオイル貯留部41の内底部を連通させるよう、この内底部に形成されている。この場合、上記ケーシング10を構成する複数のケーシング部材同士の合い面に、上記他の戻しオリフィス35が溝形状として形成されている。これにより、上記ケーシング10に他の戻しオリフィス35を形成する場合に、煩雑な穴加工が不要とされている。
上記キャッチタンク31につき、より詳しく説明する。このキャッチタンク31は、上方に向かって開口し、上記第1歯車16により掻き上げられたオイル27を逸早く捕捉するオイル捕捉部39と、このオイル捕捉部39よりも下側に位置してその内部にオイル27を貯留可能とするオイル貯留部40と、上方に向かって開口し、上記オイル捕捉部39およびオイル貯留部40の組み合わせ部39,40の前側に併設され、かつ、上記オイル捕捉部39よりも下側に位置する他のオイル貯留部41とを備えている。
上記オイル捕捉部39の内底部のオイル27を上記オイル貯留部40内に自然流動させる供給通路42がキャッチタンク31に形成されている。上記オイル貯留部40内は閉じられた空間とされている。このオイル貯留部40の内底部は、上記第2、第3歯車23,24用の左右両軸受21,21のうち、上記一方(左方)の軸受21に対し上記油路38を通して連通し、また、他方(右方)の軸受21には直接に連通している。これにより、上記オイル貯留部40の内底部のオイル27は、上記第2、第3歯車23,24用の各軸受21に向けて自然流動させられる。また、上記オイル捕捉部39の上端開口から溢出したオイル27は、上記他のオイル貯留部41の上端開口を通しこの他のオイル貯留部41内に貯留される。
上記両オイル貯留部40,41の各内底部側を互いに連通させ、上記他のオイル貯留部41内のオイル27を上記オイル貯留部40内に自然流動させる連通路43がキャッチタンク31に形成されている。上記油路38の他端部(右端部)と上記連通路43とは互いにほぼ同じ高さに配置され、これら油路38と連通路43との間を仕切るように堰で例示される流動防止体44が設けられている。この流動防止体44は、上記オイル貯留部40の内底部のオイル27が上記連通路43を通り上記他のオイル貯留部41内に流動することを防止する。
具体的には、上記流動防止体44は、上記オイル貯留部40の内底面から上方に向かって一体的に突設されている。上記流動防止体44の上端縁は、上記油路38の他端部と連通路43とよりもわずかに上側に位置している。また、上記流動防止体44は、上記供給通路42の下流端よりも上記連通路43側に偏位している。
上記構成によれば、第1歯車16により掻き上げられたオイル27の一部が、上記キャッチタンク31に捕捉されて貯留されると、上記ケーシング10の内底部26におけるオイル27の液面28が下降する。そして、上記キャッチタンク31に捕捉されるオイル27の「流量」と、上記戻しオリフィス34を通り上記キャッチタンク31からケーシング10に流出する「流量」とがバランスしたとき、上記ケーシング10の内底部26におけるオイル27の液面28の高さLがある一定の低いところに位置させられる。これにより、上記第1歯車16および第3歯車24に与えられるオイル27の攪拌抵抗が低減し、無用な動力損失の発生が防止される。
一方、上記駆動源4の減速などにより低速回転に移行し、上記第1歯車16の回転速度が低下したときには、前記「背景技術」の項にて説明のように、上記キャッチタンク31内のオイル27が上記戻しオリフィス34,35を通り上記ケーシング10内に流入する。すると、このケーシング10の内底部26におけるオイル27の液面28が上昇して、上記歯車5,16,23,24同士の噛合部の潤滑が良好に保たれると共に、上記各軸受12,21の潤滑状態も良好に保たれる。
また、上記構成によれば、車両1の発進直後など、駆動源4の駆動に伴い、上記第1歯車16により掻き上げられたオイル27の一部が、上記キャッチタンク31のオイル捕捉部39に捕捉されると、この捕捉されたオイル27は、まず、上記供給通路42を通って、一旦、上記オイル貯留部40内に供給され、その内底部に貯留される。ここで、このオイル貯留部40の内底部に貯留されたオイル27が、上記連通路43を通って他のオイル貯留部41に流動することは、上記流動防止体44により防止される。
ここで、仮に、上記第1歯車16が低速回転である場合には、この第1歯車16により掻き上げられるオイル27の「流量」は少ない。このため、このように掻き上げられたオイル27は、主に上記オイル捕捉部39と供給通路42とを通し上記オイル貯留部40には流入するが、他のオイル貯留部41には流入し難く、この他のオイル貯留部41内にオイル27は十分には貯留されない。よって、上記オイル貯留部40に流入したオイル27は、上記連通路43を通してオイル貯留部41に流動しがちとなる。しかし、これでは、上記オイル貯留部40のオイル27が軸受21に向けて自然流動し、この軸受21を潤滑する、ということが阻害される。
そこで、上記事情に鑑みて、上記流動防止体44を設けたのであり、このため、上記したように第1歯車16が低速回転状態であるとしても、上記オイル貯留部40内に供給されて貯留されたオイル27は、その貯留状態が上記流動防止体44によって、より確実に維持される。そして、上記オイル27は、上記油路38と戻しオリフィス34とを順次通して上記ケーシング10の内底部26に戻される。この際、上記戻しオリフィス34を形成している上記一方(左方)の軸受21が潤滑される。また、これと同時に、上記オイル27により上記他方(右方)の軸受21が潤滑される。これにより、上記駆動源4の駆動開始の直後でも、上記両軸受21,21が効果的に潤滑される。
上記第1歯車16が高速回転し、この第1歯車16により掻き上げられてオイル捕捉部39に捕捉されるオイル27の「流量」が増加したとき、このオイル27は、上記供給通路42を通って上記オイル貯留部40に貯留された後、上記オイル捕捉部39の上端開口から溢出して上記他のオイル貯留部41にも貯留される。この際、上記両オイル貯留部40,41内のオイル27は、上記連通路43を通して互いに自然流動する。
ここで、前記したように、オイル貯留部40内は閉じられた空間である。このため、車両1の加速、減速時などに上記キャッチタンク31のオイル貯留部40内のオイル27の液面28が揺動しても、このオイル27が上記オイル貯留部40内から溢出する、ということは抑制される。
そして、上記したように、一旦、オイル貯留部40内に貯留されたオイル27は、上記歯車23,24用の軸受21に向けて自然流動させられる。よって、車両の加速、減速時にも、上記オイル27による歯車23,24用の軸受21の潤滑は、より確実に達成される。
また、上記したように、車両1の加速、減速時に、上記オイル貯留部40内のオイル27が溢出することは抑制されるため、この溢出により、オイル27が上記ケーシング10の内底部26に戻される、ということも抑制される。よって、上記ケーシング10の内底部26におけるオイル27の液面28が無意図的に上昇することは防止され、上記オイル27の攪拌抵抗の低減状態が良好に維持される。
また、前記したように、第1歯車16の径方向外方、かつ、この第1歯車16に対し軸方向で偏位した他の歯車である第3歯車24の軸方向外方の領域32に上記キャッチタンク31を配置している。
ここで、上記領域32は一般的に余剰空間として存在するものであり、上記構成によれば、上記領域32が上記キャッチタンク31の配置に利用されている。このため、第1歯車16に与えられるオイル27の攪拌抵抗を低減させようとしてキャッチタンク31を設けた場合に、このキャッチタンク31によって上記動力伝達装置6が大型になる、ということは防止される。
また、前記したように、ケーシング10の内底部26に向けて上記他のオイル貯留部41の内底部を連通させるよう、この内底部に上記戻しオリフィス35を形成している。
このため、上記他のオイル貯留部41内のオイル27は、上記他の戻しオリフィス35を通り、常時、上記ケーシング10内に流入可能とされている。よって、上記駆動源4の減速などにより低速回転に移行し、上記第1歯車16の回転速度が低下して、この第1歯車16により掻き上げられ上記他のオイル貯留部41に捕捉されるオイル27の「流量」が減少すれば、上記掻き上げにより他のオイル貯留部41内に満たされていたオイル27が上記他の戻しオリフィス35を通りケーシング10内に流入することにより、このケーシング10の内底部26におけるオイル27の液面28が、より速やかに上昇させられる。
よって、上記した第1歯車16の回転速度が低下した場合、上記ケーシング10の内底部26におけるオイル27の液面28の速やかな上昇により、上記歯車5,16,23,24同士の噛合部の潤滑が、より良好に保たれると共に、上記各軸受12,21の潤滑状態も良好に保たれる。
なお、図1中、二点鎖線で示すように、オイル貯留部41′の内底部をケーシング10の内底部26にまで延出させてもよい。この場合、このように延出させた上記オイル貯留部41′の内底部を、上記ケーシング10の内底部26に連通させる他の戻しオリフィス35′が形成される。
また、以上は図示の例によるが、上記駆動源4は内燃機関であってもよく、車体2の前部もしくは後部に搭載される補助動力源であってもよい。また、動力伝達装置6は歯車式変速装置であってもよい。また、この動力伝達装置6は遊星歯車式減速装置であってもよく、この場合、上記第1歯車16は、内歯を備えたリングギヤに相当する。
図2の1−1線矢視部分断面図である。 動力伝達装置の平面断面図である。 図2の3−3線矢視断面図である。
符号の説明
1 車両
4 駆動源
6 動力伝達装置
10 ケーシング
11 第1軸心
16 第1歯車
20 第2軸心
21 軸受
22 回転軸
23 第2歯車
24 第3歯車
25 潤滑装置
26 内底部
27 オイル
28 液面
31 キャッチタンク
32 領域
33 開口
34 戻しオリフィス
35,35′ 戻しオリフィス
38 油路
39 オイル捕捉部
40 オイル貯留部
41 他のオイル貯留部
41′ 他のオイル貯留部
42 供給通路
43 連通路
44 流動防止体
A 回転
B 回転
H 高さ
L 高さ

Claims (3)

  1. 駆動源に連動連結される複数歯車をケーシング内に設け、このケーシングの内底部に歯車潤滑用オイルを貯留し、上記複数歯車のうちのいずれかの第1歯車により上記ケーシングの内底部から掻き上げられたオイルを捕捉して貯留するキャッチタンクを設け、このキャッチタンク内のオイルを上記ケーシングの内底部に自然流動により戻す戻しオリフィスを形成した車両用動力伝達装置における潤滑装置において、
    上記キャッチタンクが、上方に向かって開口し、上記第1歯車により掻き上げられたオイルを捕捉するオイル捕捉部と、このオイル捕捉部よりも下側に位置してオイルを貯留可能とするオイル貯留部と、このオイル貯留部に併設され、かつ、上記オイル捕捉部よりも下側に位置する他のオイル貯留部とを備え、上記オイル捕捉部の内底部のオイルを上記オイル貯留部内に自然流動させる供給通路を形成し、上記オイル貯留部の内底部のオイルを上記歯車用の軸受に向けて自然流動させるようにし、一方、上記オイル捕捉部から溢出したオイルを上記他のオイル貯留部が貯留するようにし、この他のオイル貯留部内のオイルを上記オイル貯留部内に自然流動させる連通路を形成し、上記オイル貯留部の内底部のオイルが上記連通路を通り上記他のオイル貯留部に流動することを防止する流動防止体を設けたことを特徴とする車両用動力伝達装置における潤滑装置。
  2. 上記第1歯車の径方向外方、かつ、この第1歯車に対し軸方向で偏位した他の歯車の軸方向外方の領域に上記キャッチタンクを配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置における潤滑装置。
  3. 上記ケーシングの内底部に向けて上記他のオイル貯留部の内底部を連通させるよう、この内底部に上記戻しオリフィスを形成したことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の車両用動力伝達装置における潤滑装置。
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