JP4661596B2 - 前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ - Google Patents

前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプロジェクタユニット(投写光学ユニット)を水平方向及び/又は垂直方向に配置し、これらの複数のプロジェクタユニットからの投写画像をスクリーンに拡大投写することにより1つの大画面画像を表示することのできるマルチプロジェクションディスプレイが知られている(例えば、特許文献1〜9参照。)。このようなマルチプロジェクションディスプレイは、通常のプロジェクタに比較して、高精細かつ高輝度の画像を表示することができるため、映画館、美術館、博物館、セミナー会場、集会場、ミニシアター、公共機関、企業などの業務用分野やアミューズメント、ホームシアターなどの家庭用分野において今後広く普及されていくことが期待されている。
【0003】
ところで、このようなマルチプロジェクションディスプレイにおいては、各プロジェクタユニットからの投写画像がスクリーン上で滑らかに接続されていないと、各プロジェクタユニットからの投写画像間における整合性をとることができず、境目が目立って著しく画像品質を低下させてしまうことになる。
【0004】
このため、特許文献1及び2に開示されたマルチプロジェクションディスプレイにおいては、各プロジェクタユニットからの投写画像がスクリーン上で互いに重ならないようにするとともにそのつなぎ目を小さくするようにして上記問題を解決している。
【0005】
しかしながら、このようなマルチプロジェクションディスプレイにおいては、設置の際などに、各プロジェクタユニットからの投写画像間のつなぎ目をなくしたり、これらの投写画像同士が矛盾なく接続されるようにしたりするのは容易ではないという問題があった。
【0006】
このため、特許文献3〜9に開示されたマルチプロジェクションディスプレイにおいては、隣接するプロジェクタユニットからの投写画像をスクリーン上で一部重複させるとともにこれらの重複領域において投写画像を滑らかに接続するようにして上記問題を解決している。
【0007】
しかしながら、このようなマルチプロジェクションディスプレイにおいては、各プロジェクタユニットからの投写画像がスクリーン上でいかに表示されているかが正確に分からないと、これらの投写画像をスクリーン上で滑らかに接続することができないため、特許文献3〜6に開示されたマルチプロジェクションディスプレイにおいては、監視カメラやデジタルカメラ等の撮像装置を視聴者側に設置して、スクリーン上に表示される各プロジェクタユニットからの投写画像(調整用画像)を撮影して、これらの投写画像がスクリーン上でいかに表示されているのかを正確に測定できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】
特開平8−82854号公報
【特許文献2】
特開平8−94974号公報
【特許文献3】
特開2001−339672号公報
【特許文献4】
国際公開第99/31877号パンフレット
【特許文献5】
特開平9−326981号公報
【特許文献6】
特開2001−251651号公報
【特許文献7】
特開平6−178327号公報
【特許文献8】
特開平9−211386号公報
【特許文献9】
米国特許第5956000号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献3〜6に開示されたマルチプロジェクションディスプレイにおいては、撮像装置を視聴者側に設置して調整用画像の撮影を行うようにしているため、調整作業が終了すると撮像装置の後片付け(撤収作業)が行われる。このため、調整作業を再び行う際には、再度撮像装置を設置することになるが、その際にはマルチプロジェクションディスプレイに対して正確な位置に撮像装置を設置する必要があり、さらには、この撮像装置の設置作業は通常人手で行われるため、調整作業が煩雑になり調整時間も長くなるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、調整作業を容易にするとともに調整時間を短くすることができるマルチプロジェクションディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上述した目的を達成すべく鋭意努力を重ねた結果、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの筐体に撮像素子を設置すれば、上述した問題が解決され、その結果、調整作業を容易にするとともに調整時間を短くすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
(1)本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイは、光源からの光を画像情報に応じて変調して投写する複数のプロジェクタユニットと、筐体に設置され、スクリーンに投写された投写画像の所定領域を撮影する撮像装置と、前記複数のプロジェクタユニットのそれぞれに入力する画像情報(以下「単位画像情報」という。)を生成する単位画像情報生成部と、前記撮像装置の撮影結果に基づいて前記単位画像情報の補正を行う単位画像情報補正部とを有することを特徴とする。
【0013】
このため、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの筐体に撮像装置を設置して投写画像を撮影するようにしたため、撮像装置を一旦前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの筐体に正しく設置すれば、従来のように調整作業終了後に撮像装置を後片付けする必要がなくなるため、投写画像の撮影の度に撮像装置を設置し直す必要がなくなり、その結果、調整作業が容易になり調整時間も短くて済むようになる。
【0014】
また、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの筐体に撮像装置を設置したため、スクリーンに対して正しい位置に撮像装置を設置することが容易になり、従来よりも正確かつ容易に投写画像の撮影を行うことができるようになるという効果もある。
【0015】
また、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの筐体に撮像装置を設置したため、各プロジェクタユニットに対する撮像素子の正しい位置情報を容易に取得できるようになり、従来よりも正確に投写画像の解析を行うことができるようになるという効果もある。
【0016】
また、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの筐体に撮像装置を設置したため、撮像装置によって撮影した結果を処理するための制御回路をすべて筐体内に収納することが容易になり、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの移動、設置が容易になるという効果もある。
【0017】
このため、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイは、比較的小型の業務用用途や家庭用用途にも好適に用いることができる前面投写型マルチプロジェクションディスプレイとなる。
【0018】
撮像装置における撮像素子は、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの筐体の内部に設置することもできるし、筐体の前面、上面、側面などの筐体の外側に取り付けて設置することもできる。
【0019】
(2)上記(1)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記光源を発光させない又は弱く発光させた状態で前記スクリーンを撮影して外光の状態を評価する外光状態評価部をさらに有し、前記外光状態評価部による評価結果を考慮して、光源の発光光量を制御することが好ましい。
【0020】
このように構成することにより、外光が強い状態のときには、それに応じて光源の発光光量を強くして、撮影の際の外光の影響を弱めるようにすることができる。
【0021】
(3)上記(2)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記外光状態評価部は、前記光源における少なくとも2段階以上の発光光量のもとで前記スクリーンを撮影して外光の状態を評価する機能を有することが好ましい。
【0022】
一般に外光が画質に与える影響は非線形であるため、光源における少なくとも2段階以上の発光光量のもとでスクリーンを撮影して外光の状態を評価することにより、撮影の際の外光の影響をさらに弱めることができるようになる。
【0023】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記撮像装置は、撮影範囲の変更が可能であることが好ましい。
【0024】
このように構成することにより、高倍率の撮影や広い範囲の撮影を行うことが可能になり、様々な撮影モードでの投写画像の撮影を効率的に行うことが可能になる。
【0025】
また、この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの、スクリーンに対する位置関係に関する情報をも取得できるようになり、この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイをスクリーンに対してより正しい位置関係で設置することが可能になる。
【0026】
撮影範囲の変更は、撮像装置の位置や姿勢を変化させたり、撮像装置におけるレンズなどの光学系の構成を変化させたりすることにより、行うことができる。
【0027】
この場合、撮像装置は、ズーム機能とオートフォーカス機能をさらに有するものであることが好ましい。前者の場合には、撮影範囲や倍率を適宜変更できるので、撮影の自由度や柔軟性が向上する。後者の場合には、自動的にフォーカス調整がなされるので、利便性が向上する。
【0028】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記撮像装置は、複数の撮像素子を有することが好ましい。
【0029】
このように構成することにより、撮影する対象によって撮影に用いる撮像素子を適宜選択することができるため、撮影時間を短縮することができ、その結果、調整時間をさらに短縮することができる。また、撮影の精度を高めることができ、その結果、調整の精度をさらに高めることができる。
【0030】
また、一つの撮像素子当たりの撮影面積を小さくすることができるため、比較的解像度の低い安価な撮像素子を用いて投写画像を撮影することが可能になり、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの価格をそれほど高くしてしまうこともない。
【0031】
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記撮像装置は、前記スクリーンの全体を撮影可能であることが好ましい。
【0032】
このように構成することにより、画面全体の色バランスや輝度バランスを容易に向上させることができる。
【0033】
また、この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの、スクリーンに対する位置関係に関する情報をも取得できるようになり、この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイをスクリーンに対してより正しい位置関係で設置することが可能になる。
【0034】
上記(1)〜(6)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記単位画像情報補正部は、前記プロジェクタユニットにより投写された調整用単位画像を撮影した結果に基づいて前記単位画像情報の補正を行うことが好ましい。
【0035】
単位画像情報補正部は、通常の画像を撮影した結果に基づいて単位画像情報の補正を行うこともできるが、このように調整用単位画像を撮影した結果に基づいて単位画像情報の補正を行うことにより、より正確な補正を迅速に行うことができるようになる。
【0036】
調整用単位画像としては、白色又は単色のベタ画像、単色の格子模様をはじめ、単位画像情報の補正を行うのに好適な種々の単位画像を用いることができる。
【0037】
この場合、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイに予め調整用画像情報を記憶させておき、調整作業時にはこの調整用画像情報を用いて単位画像情報生成部に調整用単位画像を生成させるようにしてもよい。さらにまた、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイに予め調整用単位画像情報を記憶させておき、調整作業時にはこの調整用単位画像情報をそのまま用いることにしてもよい。
【0038】
また、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイには調整作業を行う度に(DVDなどにより)調整用画像情報を入力し、この調整用画像情報を用いて単位画像情報生成部に調整用単位画像情報を生成させるようにしてもよい。また、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイには調整作業を行う度に調整用単位画像情報を直接入力するようにしてもよい。
【0039】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記単位画像情報補正部は、前記プロジェクタユニットにより投写される単位画像の形状、位置及び/又は傾きについての補正を行うことが好ましい。
【0040】
このように構成することにより、各プロジェクタユニットからの投写画像の形状、位置及び/又は傾きを適正化して、各プロジェクタユニットからの投写画像間における整合性を高めることができるようになる。
【0041】
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記単位画像情報補正部は、前記プロジェクタユニットにより投写される単位画像の輝度及び/又は色についての補正を行うことが好ましい。
【0042】
このように構成することにより、各プロジェクタユニットからの投写画像の輝度及び/又は色を適正化して各プロジェクタユニットからの投写画像間における整合性を高めることができるようになる。
【0043】
(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記単位画像情報補正部は、前記複数のプロジェクタユニットにおける各画素毎に輝度及び/又は色についての補正を行うことが好ましい。
【0044】
このように構成することにより、各プロジェクタユニットからの投写画像間における整合性をさらに高めることができるため、原画像情報に極めて忠実な画像をスクリーンに投写することができるようになる。
【0045】
この場合、単位画像情報補正部は、複数のプロジェクタユニットにより投写される複数の調整用単位画像によって形成される全体としての調整用画像と、元の調整用画像との比較を行って、各プロジェクタユニットにおける各画素毎に輝度及び/又は色について単位画像の補正を行う機能を有するものであることが好ましい。
【0046】
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記単位画像情報補正部は、前記撮影結果に基づいて決定された補正パラメータを用いて前記単位画像情報の補正を行うことが好ましい。
【0047】
このように構成することにより、撮影結果に基づいて一旦補正パラメータが決定された後は、この補正パラメータを用いて単位画像情報を容易に補正することができるようになる。
【0048】
(11)上記(10)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記補正パラメータを記憶する補正パラメータ記憶部をさらに有することが好ましい。
【0049】
このように構成することにより、撮影結果そのものを記憶する場合に比べて必要とする記憶容量をより少ないものにすることができる。また、単位画像情報を補正するときの計算量も少なくすることができる。
【0050】
(12)上記(10)又は(11)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、所定の場合に調整用画像の撮影を行って前記補正パラメータの取得を自動的に行う補正パラメータ自動取得装置をさらに有することが好ましい。
【0051】
このように構成することにより、例えば、補正パラメータの再決定(再取得)が必要な時期になると(例えば、再取得後3月経過すると)補正パラメータ自動取得装置が自動的に動作して補正パラメータを再取得するようにしたり、毎日決まった時刻になると(例えば、午前4時になると)補正パラメータ自動取得装置が自動的に動作して補正パラメータを再取得するようにしたりすることができるようになり、利用者の手をわずらわすことなく滑らかな画像品質を維持することができるようになり、利便性が向上する。
【0052】
また、光源や電気光学変調装置の特性が経時変化によって変化したとしても、この特性変化に対応した補正パラメータを自動的に取得することができるため、経時変化によって画質が劣化するのを常に抑制することができるようになる。
【0053】
(13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイに含まれる光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正を行う光学補正装置をさらに有することが好ましい。
【0054】
このように構成することにより、一旦光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正が行われた後は滑らかな画像品質が得られる。この補正は光学的に行われるため、調整作業によって画質を劣化させることもない。
【0055】
光学要素としては、プロジェクタユニットそのもの、プロジェクタユニットの投写レンズなどがある。
【0056】
この場合、光学要素の位置及び/又は姿勢についての光学的な補正をまず行い、その後、再度撮像装置による撮影を行い、その撮影結果に基づいて補正パラメータを決定するようにすることがさらに好ましい。
【0057】
このようにすれば、まず大きな補正を光学的に行い、その後、細かな補正を純電子的に行うようにすることができ、単位画像情報補正部が単位画像情報の補正を行う際に生じる画質の劣化を最小限のものにすることができる。
【0058】
(14)上記(13)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、所定の場合に調整用画像の撮影を行って前記光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正を自動的に行う光学要素自動補正装置をさらに有することが好ましい。
【0059】
このように構成することにより、例えば、光学要素の補正が必要な時期(例えば、再取得後3月経過時)になったり、毎日決まった時刻(例えば、午前4時)になったりすると、光学要素自動補正装置が自動的に動作して光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正を行うことができるようになり、利用者の手をわずらわすことなく滑らかな画像品質を維持することができるようになり、利便性が向上する。
【0060】
(15)上記(2)又は(3)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記外光状態評価部は、所定の場合に前記スクリーンの撮影を行って外光の状態を自動的に評価する機能を有することが好ましい。
【0061】
所定の場合とは、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの電源を入れたときや、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの電源が入っているときの30分毎などが例示される。
【0062】
(16)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記光源は、固体光源であることが好ましい。
【0063】
このように構成することにより、点灯するとすぐに安定した発光状態が得られる固体光源を用いているため、各プロジェクタユニット毎にスクリーンに投写される投写画像を撮影するまでの時間を大幅に短縮することができるようになる。その結果、各プロジェクタユニットからの投写画像間における整合性を取るための調整作業時間を大幅に短縮することができるようになり、利便性が大きく向上する。
【0064】
また、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、固体光源を自在に点灯状態にしたり非点灯状態にしたりすることができるため、機構を複雑にするシャッターを不要にすることもできる。そのうえ、固体光源は点灯すると瞬時に安定した点灯状態になるため、すぐに撮影を開始することができ、また、シャッターを動作させるための時間も不要になり、調整時間をさらに短縮することもできる。
【0065】
また、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、外光の強度に応じて固体光源の出力を可変とすることができるため、外光の強度に比較して常に適切な強度の光で調整作業を行うことができる。このため、常に正確な投写画像の撮影を行うことができるようになる。この場合、固体光源の出力を高くしたり低くしたりしても、その色温度はほとんど変化しないため、撮影結果に悪影響を与えることもない。
【0066】
上記(16)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記固体光源が、LED光源、半導体レーザ光源、固体レーザ光源又はEL光源であることが好ましい。
【0067】
このように構成することにより、すぐに安定した点灯状態が得られ調整が容易であるとともに、十分な輝度と演色性をもった前面投写型マルチプロジェクションディスプレイが得られる。
【0068】
(17)上記(16)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記固体光源の発光光量を、前記プロジェクタユニット毎に独立に制御する固体光源制御部をさらに有することが好ましい。
【0069】
前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、光源や電気光学変調装置における特性のばらつきによって、プロジェクタユニット毎に輝度特性や色特性が異なるのが現状である。このため、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、これら輝度特性や色特性の違いを、各プロジェクタユニット毎に電気光学変調装置に印加する電圧を調整することにより吸収している。その結果、これらの前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、この調整を行うことにより電気光学変調装置における階調資源を使用する必要が生じてしまい、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイが本来有している実効階調数が低下したりダイナミックレンジが狭くなったりするという問題があった。
【0070】
これに対して、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、これら輝度特性や色特性の違いを、固体光源の発光光量をプロジェクタユニット毎に制御することにより吸収することができるようになる。このため、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、電気光学変調装置における階調資源を使用する必要がなくなるため、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイが本来有している実効階調数が低下したりダイナミックレンジが狭くなったりすることがなくなる。
【0071】
この場合、プロジェクタユニット毎の輝度特性の違いを吸収するためには、最も輝度レベルの低いプロジェクタユニット以外のプロジェクタユニットにおける固体光源の発光光量を、このプロジェクタユニットにおける輝度レベルが、最も輝度レベルの低いプロジェクタユニットにおける輝度レベルに揃うように、低下させるようにするのが好ましい。
【0072】
また、プロジェクタユニット毎の色特性の違いを吸収するためには、上記した調整を色光毎に行うようにするのが好ましい。
【0073】
なお、本発明の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、光源として高圧水銀ランプやメタルハライドランプを用いた場合とは異なり、電圧を低くしたり高くしたりしても発光光量が小さくなったり大きくなったりするだけで、その色温度はほとんど変化しないため、そのための画質劣化もない。
【0074】
上記(17)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記固体光源制御部は、前記固体光源の発光光量を動的に制御する機能を有することが好ましい。
【0075】
このように構成することにより、全体的に暗い画面を表示させるような場合(例えば、映画の夜のシーンを表示させるような場合)には、電気光学変調装置の光透過率を低くするのに代えて又はそれに加えて固体光源の発光光量を小さくすることにより、画面全体を暗くすることができるようになる。また、全体的に明るい画面を表示させるような場合(例えば、映画の昼の屋外のシーンを表示させるような場合)には、電気光学変調装置の光透過率を高くするのに代えて又はそれに加えて固体光源の発光光量を大きくすることにより、画面全体を明るくすることができるようになる。このため、従来よりも実効階調数やダイナミックレンジを大きくとることができ、黒レベルの優れた高画質の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイとなる。
【0076】
この場合、固体光源制御部が固体光源の発光光量の動的な制御をプロジェクタユニット毎に行うようにすれば、明るい画面と暗い画面とが一画面中に存在するような画像を表示させるような場合に、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイが本来有している実効階調数やダイナミックレンジを超える表現能力を発揮できるようになり、さらに高画質の表示を行うことができるようになる。
【0077】
上記(17)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記固体光源制御部は、前記固体光源に供給する電圧を前記プロジェクタユニット毎又は前記電気光学変調装置毎に制御する機能を有することが好ましい。
【0078】
このように構成することにより、プロジェクタユニット毎又は電気光学変調装置毎に固体光源の発光光量を容易に小さくしたり大きくしたりすることができるようになる。
【0079】
上記(17)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記固体光源制御部は、固体光源の発光期間を前記プロジェクタユニット毎又は前記電気光学変調装置毎に制御する機能を有することも好ましい。
【0080】
このように構成することによっても、プロジェクタユニット毎又は電気光学変調装置毎に固体光源の発光光量を容易に小さくしたり大きくしたりすることができるようになる。
【0081】
上記(17)に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記電気光学変調装置は、一の単位画面情報について2回以上の書込みを行う液晶装置であって、前記固体光源制御部は、1フレーム中における固体光源の発光を、前記液晶装置の少なくとも1回目の書込み期間を避けて行わせる機能を有することが好ましい。
【0082】
電気光学変調装置として液晶装置を用いた前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、液晶装置がホールド型の表示装置であるため、インパルス型の表示装置であるCRTの場合とは異なり、いわゆる尾引き現象のために滑らかな動画表示が得られないという問題がある(この尾引き現象については、「ホールド型ディスプレイにおける動画表示の画質」(電子情報通信学会技報、EID99−10、第55〜60ページ(1999−06))参照。)。
【0083】
これに対して、上記の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、一の単位画面情報について2回以上の書込みを行うことによりフリッカを目立たないようにすることができる、いわゆるn倍速駆動(但し、nは2以上の自然数。)の液晶装置を用いるとともに、この液晶装置の少なくとも1回目の書込み期間を避けて固体光源の発光を行わせるようにしたため、投写画像を間欠的にスクリーンに投写できるようになる。このため、ホールド型の欠点である尾引き現象を緩和することができ、滑らかで良質な動画表示を行うことができるようになる。
【0084】
また、上記の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、固体光源の発光を、液晶分子がまだ十分に応答していない状態にある1回目の書込み期間を避けて行わせるようにしたため、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおけるコントラストをさらに向上させることができるという効果もある。
【0085】
上記の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいては、前記電気光学変調装置は、複数の画面領域毎に順次画像の書込みを行う液晶装置であって、前記固体光源制御部は、1フレーム中における固体光源の発光を、前記液晶装置の画像の書込み期間を避けて行わせる機能を有することも好ましい。
【0086】
このため、上記の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、1フレーム中などにおいて複数の画面領域毎に順次画像の書込みを行うことによりフリッカを目立たないようにすることができる液晶装置を用いるとともに、この液晶装置の画像の書込み期間を避けて固体光源の発光を行わせるようにしたため、投写画像を間欠的にスクリーンに投写できるようになる。このため、ホールド型の欠点である尾引き現象を緩和することができ、滑らかで良質な動画表示を行うことができるようになる。
【0087】
また、上記の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイによれば、固体光源の発光を液晶装置の画像の書込み期間を避けて行わせるようにしたため、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおけるコントラストをさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの構成を示す図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおけるプロジェクタユニットの構成を示す図である。
【図3】図3は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【図4】図4は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【図5】図5は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【図6】図6は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図7】図7は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図8】図8は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図9】図9は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図10】図10は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図11】図11は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図12】図12は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図13】図13は、実施形態2に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの構成を示す図である。
【図14】図14は、実施形態2に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図15】図15は、実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【図16】図16は、実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図17】図17は、実施形態4に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの構成を示す図である。
【図18】図18は、実施形態4に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【図19】図19は、実施形態5に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの構成を示す図である。
【図20】図20は、実施形態5に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【図21】図21は、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【図22】図22は、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図23】図23は、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図24】図24は、実施形態7に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図25】図25は、実施形態8に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【図26】図26は、実施形態9に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの動作を説明するために示す図である。
【図27】図27は、実施形態10に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの動作を説明するために示す図である。
【図28】図28は、実施形態11に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
[実施形態1]
【実施例1】
【0089】
図1は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの構成を示す図である。図1(a)は、正面図であり、図1(b)は側方から見た断面図であり、図1(c)は、スクリーン上に投影された投写画像を示す図である。図2は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおけるプロジェクタユニットの構成を示す図である。図3〜図5は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【0090】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100は、図1に示すように、筐体102内に配置された4つのプロジェクタユニット130からの投写画像が、投写面としてのスクリーンSCRに投写される前面投写型マルチプロジェクションディスプレイである。この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100は、図1(a)及び図1(b)に示すように、例えば台104の上に設置されて使用される。
【0091】
各プロジェクタユニット130は、図2に示すように、固体光源としてのLED光源132R,132G,132B、電気光学変調装置としての3枚の液晶装置134R,134G,134B、クロスダイクロイックプリズム136及び投写レンズ138を有し、LED光源132R,132G,132Bからの照明光を単位画像情報A〜A(図3参照。)又は調整用単位画像情報B〜B(図4参照。)に基づいて液晶装置134R,134G,134Bにより変調して投写レンズ138により投写するものを用いている。
【0092】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100は、図3〜図5に示すように、単位画像情報生成部120、単位画像情報補正部150、画像処理部146及び光学補正装置154を有する制御部110と、4つのプロジェクタユニット130,30,130,130と、撮像装置140と、映像信号受信部160と、調整用画像情報記憶部122と、補正パラメータ記憶部152とを備えている。
【0093】
単位画像情報生成部120は、原画像情報Aに基づいて複数の単位画像情報A〜Aを生成する機能(図3参照。)及び調整用画像情報Bに基づいて調整用単位画像情報B〜Bを生成する機能(図4参照。)を有している。
【0094】
撮像装置140は、スクリーンSCR上に投写された調整用画像の所定領域を撮影する撮像素子142と、撮像素子142からのアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換素子144とを有している。
【0095】
画像処理部146は、撮像装置140の撮影結果についての画像処理を行って、調整用画像情報Bなどとの比較を行って、その結果を単位画像情報補正部150に出力する機能を有している。
【0096】
単位画像情報補正部150は、撮像装置140の撮影結果に基づいて、複数のプロジェクタユニット130のうち互いに隣接するプロジェクタユニットにより投写される単位画像間における境目がスクリーンSCR上で目立たないように、単位画像情報の補正を行う機能を有している。これにより、補正された単位画像情報A1*〜An*が各プロジェクタユニット130に出力されることになる(図5参照。)。
【0097】
補正パラメータ記憶部152は、単位画像情報補正部150で単位画像情報の補正を行う際に決定された補正パラメータを記憶する機能を有している。
【0098】
調整用画像情報記憶部122は、撮像装置140で撮影対象となる調整用画像に関する情報を記憶する機能を有している。
【0099】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、撮像装置140は、図1(a)及び図1(b)に示すように、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100の筐体102の内部(前面のすぐ内側)に設置され、投写画像を撮影する撮像素子142を有している。
【0100】
このため、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100によれば、撮像装置140を一旦前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100の筐体102の内部に正しく設置すれば、従来のように調整作業終了後に撮像装置を後片付けする必要がなくなるため、投写画像の撮影の度に撮像装置140を設置し直す必要がなくなり、その結果、調整作業が容易になり調整時間も短くて済むようになる。
【0101】
また、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100によれば、スクリーンSCRに対して正しい位置に撮像装置140を設置することが容易になり、従来よりも正確かつ容易に調整用画像の撮影を行うことができるようになるという効果もある。
【0102】
また、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100によれば、各プロジェクタユニット130に対する撮像素子142の正しい位置情報を容易に取得できるようになり、従来よりも正確に投写画像の解析を行うことができるようになるという効果もある。
【0103】
また、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100によれば、撮像装置140によって撮影した結果を処理するための制御回路をすべて筐体102内に収納することが容易になり、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100の移動、設置が容易になるという効果もある。
【0104】
このため、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100は、比較的小型の業務用用途や家庭用用途にも好適に用いることができる前面投写型マルチプロジェクションディスプレイとなる。
【0105】
なお、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、撮像装置140における撮像素子142は、筐体102の内部(前面のすぐ内側)に設置された場合について説明したが、本発明はこれに限られず、筐体102の前面、上面、側面などの筐体102の外側に取り付けて設置することもできる。
【0106】
また、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100によれば、プロジェクタユニット130の光源として、点灯するとすぐに安定した発光状態が得られるLED光源132R,132G,132Bを用いているため、各プロジェクタユニット130毎にスクリーンSCR上に投写される調整用画像の所定領域を撮像装置140で撮影するまでの時間を大幅に短縮することができるようになる。その結果、各プロジェクタユニット130からの投写画像間における整合性を取るための調整作業時間を大幅に短縮することができるようになり、利便性が大きく向上する。
【0107】
また、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100によれば、LED光源132R,132G,132Bを自在に点灯状態にしたり非点灯状態にしたりすることができるため、上記した特許文献3で用いていたシャッターを不要にすることもできる。そのうえ、LED光源132R,132G,132Bは、点灯すると瞬時に安定した点灯状態になるため、すぐに撮影を開始することができ、また、シャッターを動作させるための時間も不要になり、調整時間をさらに短縮することもできる。
【0108】
また、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100によれば、固体光源として、LED光源132R,132G,132Bを用いているため、その点灯状態が安定していることに加えて、十分な輝度と演色性をもった前面投写型マルチプロジェクションディスプレイとなる。
【0109】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、撮像装置140は、撮影範囲Sの変更が可能である。このため、高倍率の撮影や広い範囲の撮影を行うことが可能になり、様々な撮影モードでの投写画像の撮影を効率的に行うことが可能になる。
【0110】
また、この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100の、スクリーンSCRに対する位置関係に関する情報をも取得できるようになり、この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100をスクリーンSCRに対してより正しい位置関係で設置することが可能になる。
【0111】
撮影範囲Sの変更は、撮像装置140の位置や姿勢を変化させたり、撮像装置140におけるレンズなどの光学系の構成を変化させたりすることにより、行うことができる。
【0112】
この場合、撮像装置140は、ズーム機能とオートフォーカス機能をさらに有するものであることが好ましい。前者の場合には、撮影範囲Sや倍率を適宜変更できるので、撮影の自由度や柔軟性が向上する。後者の場合には、自動的にフォーカス調整がなされるので、利便性が向上する。
【0113】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、撮像装置140は、スクリーンSCRの全体を撮影可能である。このため、画面全体の色バランスや輝度バランスを容易に向上させることができるようになる。
【0114】
また、この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100の、スクリーンSCRに対する位置関係に関する情報をも取得できるようになり、この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100をスクリーンSCRに対してより正しい位置関係で設置することが可能になる。
【0115】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、単位画像情報補正部150は、各プロジェクタユニット130により投写された調整用単位画像を撮影した結果に基づいて単位画像情報の補正を行うことが好ましい。
【0116】
単位画像情報補正部150は、通常の画像を撮影した結果に基づいて単位画像情報の補正を行うこともできるが、このように調整用単位画像を撮影した結果に基づいて単位画像情報の補正を行うことにより、より正確な補正を迅速に行うことができるようになる。
【0117】
調整用単位画像としては、白色又は単色のベタ画像、単色の格子模様をはじめ、単位画像情報の補正を行うのに好適な種々の単位画像を用いることができる。
【0118】
この場合、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100に予め調整用画像情報を記憶させておき、調整作業時にはこの調整用画像情報を用いて単位画像情報生成部120に調整用単位画像を生成させるようにしてもよい。さらにまた、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100に予め調整用単位画像情報を記憶させておき、調整作業時にはこの調整用単位画像情報をそのまま用いることにしてもよい。
【0119】
また、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100には調整作業を行う度に(DVDなどにより)調整用画像情報を入力し、この調整用画像情報を用いて単位画像情報生成部120に調整用単位画像情報を生成させるようにしてもよい。また、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100には調整作業を行う度に調整用単位画像情報を直接入力するようにしてもよい。
【0120】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、単位画像情報補正部150は、各プロジェクタユニット130により投写される単位画像の形状、位置及び/又は傾きについての補正を行う機能を有している。このため、各プロジェクタユニット130からの投写画像の形状、位置及び/又は傾きを適正化して、各プロジェクタユニット130からの投写画像間における整合性を高めることができるようになる。
【0121】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、単位画像情報補正部150は、各プロジェクタユニット130により投写される単位画像の輝度及び/又は色についての補正を行う機能を有している。このため、各プロジェクタユニット130からの投写画像の輝度及び/又は色を適正化して各プロジェクタユニット130からの投写画像間における整合性を高めることができるようになる。
【0122】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、単位画像情報補正部150は、複数のプロジェクタユニット130,130,130,130における各画素毎に輝度及び/又は色についての補正を行う機能を有している。このため、各プロジェクタユニット130からの投写画像間における整合性をさらに高めることができるため、原画像情報に極めて忠実な画像をスクリーンSCRに投写することができるようになる。
【0123】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、単位画像情報補正部150は、複数のプロジェクタユニット130,130,130,130により投写される複数の調整用単位画像によって形成される全体としての調整用画像と、元の調整用画像との比較を行って、各プロジェクタユニットにおける各画素毎に輝度及び/又は色について単位画像の補正を行う機能を有している。
【0124】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、単位画像情報補正部150は、撮影結果に基づいて決定された補正パラメータを用いて単位画像情報の補正を行うこととしている。このため、撮影結果に基づいて一旦補正パラメータが決定された後は、この補正パラメータを用いて単位画像情報を容易に補正することができるようになる。
【0125】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、補正パラメータを記憶する補正パラメータ記憶部152をさらに有している。このため、撮影結果そのものを記憶する場合に比べて必要とする記憶容量をより少ないものにすることができる。また、単位画像情報を補正するときの計算量も少なくすることができる。
【0126】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、所定の場合に調整用画像の撮影を行って補正パラメータの取得を自動的に行う補正パラメータ自動取得装置(図示せず。)をさらに有している。このため、例えば、補正パラメータの再決定(再取得)が必要な時期になると(例えば、再取得後3月経過すると)補正パラメータ自動取得装置が自動的に動作して補正パラメータを再取得するようにしたり、毎日決まった時刻になると(例えば、午前4時になると)補正パラメータ自動取得装置が自動的に動作して補正パラメータを再取得するようにしたりすることができるようになり、利用者の手をわずらわすことなく滑らかな画像品質を維持することができるようになり、利便性が向上する。
【0127】
また、LED光源132R,132G,132Bや液晶装置134R,134G,134Bの特性が経時変化によって変化したとしても、この特性変化に対応した補正パラメータを自動的に取得することができるため、経時変化によって画質が劣化するのを常に抑制することができるようになる。
【0128】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100に含まれる光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正を行う光学補正装置154をさらに有している。このため、一旦光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正が行われた後は滑らかな画像品質が得られる。この補正は光学的に行われるため、調整作業によって画質を劣化させることもない。
【0129】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、光学要素の位置及び/又は姿勢についての光学的な補正をまず行い、その後、再度撮像装置140による撮影を行い、その撮影結果に基づいて補正パラメータを決定するようにすることがさらに好ましい。このようにすれば、まず大きな補正を光学的に行い、その後、細かな補正を純電子的に行うようにすることができ、単位画像情報補正部150が単位画像情報の補正を行う際に生じる画質の劣化を最小限のものにすることができる。
【0130】
実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、所定の場合に調整用画像の撮影を行って光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正を自動的に行う光学要素自動補正装置(図示せず。)をさらに有している。このため、例えば、光学要素の補正が必要な時期(例えば、再取得後3月経過時)になったり、毎日決まった時刻(例えば、午前4時)になったりすると、光学要素自動補正装置が自動的に動作して光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正を行うことができるようになり、利用者の手をわずらわすことなく滑らかな画像品質を維持することができるようになり、利便性が向上する。
【0131】
図6〜図12は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【0132】
図3〜図12を用いて、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100が、どのようにして各プロジェクタユニット130からの投写画像の形状、位置及び/又は傾きを補正することができるのかを説明する。また、どのようにして各プロジェクタユニット130からの投写画像の輝度及び/又は色を補正することができるのかを説明する。
(調整前の表示状態)
【0133】
調整前の表示状態を説明する。
【0134】
図3を参照して、映像信号受信部160からの原画像情報Aが単位画像情報生成部120に入力されると、単位画像情報生成部120が原画像情報Aに基づいて単位画像情報A〜Aを生成する。各プロジェクタユニット130は、この単位画像情報A〜Aに応じた単位画像をスクリーンSCR上に投写する。従って、スクリーンSCR上には、各プロジェクタユニット130からの単位画像に係る投写画像が投写されることになる。このとき、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100は調整前の段階であるため、図6(i)に示すような歪んだ投写画像(Ia0,Ib0,Ic0,Id0)が投写されることになる。
(調整作業1(光学補正装置154による、単位画像の形状、位置及び/又は傾きについての調整作業))
【0135】
調整作業1を説明する。
【0136】
図4を参照して、調整用画像情報記憶部122からの調整用画像情報Bが単位画像情報生成部120に入力されると、単位画像情報生成部120が調整用画像情報Bに基づいて調整用単位画像情報B〜Bを生成する。各プロジェクタユニット130は、調整用単位画像情報B〜Bに応じた単位画像をスクリーンSCR上に投写する。従って、このとき、前面投写型マルチプロジェグションディスプレイ100は調整前の段階であるため、上記と同様に、図6(i)に示すような歪んだ投写画像(Ia0,Ib0,Ic0,Id0)が投写されることになる。
【0137】
次に、撮像装置140の撮像素子142を用いて図6(i)に示した調整用画像に係る各投写画像(Ia0,Ib0,Ic0,Id0)の所定領域を撮影する。その後、光学補正装置154が、その撮影結果に基づいて、各プロジェクタユニット130の筐体の位置及び/又は姿勢についての光学的な補正を行う。なお、本発明においては、プロジェクタユニット130の筐体に代えて、プロジェクタユニット130の投写レンズ138などの位置及び/又は姿勢について光学的な補正を行うようにすることもできる。
【0138】
調整用画像情報記憶部122からの調整用画像情報Bを単位画像情報生成部120に再度入力すると、各プロジェクタユニット130は、この調整用単位画像情報B〜Bに応じた単位画像をスクリーンSCR上に投写するが、このとき、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、さきの撮影結果に基づいて各プロジェクタユニット130の筐体の位置及び/又は姿勢についての補正が行われているため、スクリーンSCR上には、図6(ii)に示すように歪みの軽減された投写画像(Ia1,Ib1,Ic1,Id1)が投写されることになる。
(調整作業2(単位画像情報補正部150による、単位画像の形状、位置及び/又は傾きについての調整作業))
【0139】
調整作業2を説明する。
【0140】
次に、撮像装置140の撮像素子142を用いて図6(ii)に示した調整用画像に係る各投写画像(Ia1,Ib1,Ic1,Id1)を撮影する。その後、単位画像情報補正部150が、その撮影結果に基づいて、単位画像情報の補正を行う際に用いる補正パラメータを決定する。そして、決定された補正パラメータは、補正パラメータ記憶部152に記憶され、爾後、この補正パラメータに基づいて原画像情報から複数の単位画像情報が生成されることになる。
【0141】
これにより、映像信号受信部160からの原画像情報Aが単位画像情報生成部120に入力されると、単位画像情報生成部120が原画像情報Aに基づいて単位画像情報を生成することになるが、この際単位画像情報は補正パラメータにより補正され、単位画像情報A1*〜An*を生成する。従って、各プロジェクタユニット130は、単位画像情報A1*〜An*に応じた単位画像をスクリーンSCR上に投写する。このとき、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100はすでに調整されているため、図6(iii)に示すように、各プロジェクタユニット130からの投写画像(Ia2,Ib2,Ic2,Id2)は精度よく位置合わせされることになる。
【0142】
なお、これらの調整作業1及び2においては、例えば図7(投写された各単位画像間で傾きがある場合)又は図8(投写された各単位画像間で傾きがない場合)に示したように、隣接する2つのプロジェクタユニットにおける調整用画像の基準線を一致させるような補正をしたり、1つのプロジェクタユニットにおける調整用画像の基準線を撮影する作業をしたりすることがある。
【0143】
これらの場合においては、隣接する2つのプロジェクタユニットにおける光源のみを点灯させたり、1つのプロジェクタユニットにおける光源のみを点灯させたりする必要がある。
【0144】
しかしながら、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100によれば、各プロジェクタユニット130の光源として、点灯するとすぐに安定した発光状態が得られるLED光源132R,132G,132Bを用いているため、上記のような調整作業にかかる時間を大幅に短縮することができるようになる。
(調整作業3(単位画像情報補正部150による、単位画像の輝度及び/又は色についての調整作業))
【0145】
調整作業3を説明する。説明を簡単にするために、隣接する2つのプロジェクタユニット(仮に、PJU,PJUとする。)における重なり領域における調整に絞って説明する。
【0146】
まず、図9に示すように、隣接するプロジェクタユニットPJU,PJUからの投写画像(Ia2,Ib2)が滑らかに接続されるように、その重なり領域において重み関数を単位画像情報の画素値に積算する。このとき、重み関数としては、図10に示すように、γ補正を考慮した重み関数とする。そうすることによって、図11に示すように、隣接するプロジェクタユニットPJU,PJUからの投写画像が滑らかに接続されるようになる。その結果、図12に示すように、隣接する2つのプロジェクタユニットPJU,PJUからの投写画像が良好に合成されて滑らかに接続されるようになる。
【0147】
すなわち、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100においては、原画像(図12(a))に係る原画像情報に基づいて2つの単位画像情報が生成される際に、これらの単位画像(図12(b))がスクリーンSCR上で滑らかに接続されるように(図12(c))、これらの単位画像が生成されるため、隣接する2つのプロジェクタユニットPJU,PJUからの投写画像が良好に合成されて滑らかに接続されるようになるのである。
[実施形態2]
【実施例2】
【0148】
図13は、実施形態2に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの構成を示す図である。図14は、実施形態2に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。
【0149】
実施形態2に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ200は、図13に示すように、各プロジェクタユニット130からの投写光束の光軸がスクリーンSCRのスクリーン面に垂直になるように構成されている。
【0150】
このため、各プロジェクタユニット130からの単位画像はほとんど台形歪みを有していない。その結果、実施形態2に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ200における作用効果を示す図は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100において示した図6とは異なり、図14のようになる。
【0151】
しかしながら、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ200においては、撮像装置140が、筐体102の内部(前面すぐ内側)に設置されているため、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100の場合と同様の効果が得られる。
[実施形態3]
【実施例3】
【0152】
図15は、実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。図16は、実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。図16(a)は単位画像が台形歪みを有する場合の作用効果を示す図であり、図16(b)は単位画像が台形歪みを有しない場合の作用効果を示す図である。
【0153】
実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300は、図15に示すように、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100とは制御部の構成が異なる。すなわち、実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300における制御部310は、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100における制御部110の構成から光学補正装置154を除いたものである。
【0154】
しかしながら、実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300によれば、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの筐体の内部(前面すぐ内側)に設置された撮像装置140を有しているため、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100の場合と同様の効果が得られる。
【0155】
また、実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300は、光学補正装置を用いることなく単位画像の補正を行うことができるため、構造を簡略化することができるようになり、コスト低減及び信頼性向上を図ることができるという効果もある。この前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300は、スクリーンとの位置関係が固定化された据え置きタイプの前面投写型マルチプロジェクションディスプレイとして特に好適に用いることができる。
【0156】
なお、実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300においては、光学補正装置を用いずに、専ら単位画像情報補正部150の働きによって単位画像情報の補正を行うため、その調整方法について説明する。
(調整前の表示状態)
【0157】
図15を参照して、映像信号受信部160からの原画像情報Aが単位画像情報生成部120に入力されると、単位画像情報生成部120が原画像情報Aに基づいて単位画像情報A〜Aを生成する。各プロジェクタユニット130は、この単位画像情報A〜Aに応じた単位画像をスクリーンSCR上に投写する。従って、スクリーンSCR上には、各プロジェクタユニット130からの単位画像に係る投写画像が投写されることになる。このとき、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300は調整前の段階であるため、図16(a)の(i)及び図16(b)の(i)に示すような歪んだ投写画像(Ia0,Ib0,Ic0,Id0)が投写されることになる。
(調整作業1(単位画像情報補正部150による、単位画像の形状、位置及び/又は傾きについての調整作業))
【0158】
調整作業1を説明する。
【0159】
調整用画像情報記憶部122からの調整用画像情報Bが単位画像情報生成部120に入力されると、単位画像情報生成部120が調整用画像情報Bに基づいて調整用単位画像情報B〜B(図示せず。)を生成する。各プロジェクタユニット130は、調整用単位画像情報B〜Bに応じた単位画像をスクリーンSCR上に投写する。従って、このとき、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300は調整前の段階であるため、上記と同様に、図16(a)の(i)及び図16(b)の(i)に示すような歪んだ投写画像(Ia0,Ib0,Ic0,Id0)が投写されることになる。
【0160】
次に、撮像装置140の撮像素子142を用いて図16(a)の(i)及び図16(b)の(i)に示した調整用画像に係る各投写画像(Ia0,Ib0,Ic0,Id0)を撮影する。その後、単位画像情報補正部150が、その撮影結果に基づいて、単位画像情報の補正を行う際に用いる補正パラメータを決定する。そして、決定された補正パラメータは、補正パラメータ記憶部152に記憶され、爾後、この補正パラメータに基づいて原画像情報から複数の単位画像情報が生成されることになる。
【0161】
これにより、映像信号受信部160からの原画像情報Aが単位画像情報生成部120に入力されると、単位画像情報生成部120が原画像情報Aに基づいて単位画像情報を生成することになるが、この際単位画像情報は補正パラメータにより補正され、単位画像情報A1*〜An*(図示せず。)を生成する。従って、各プロジェクタユニット130は、単位画像情報A1*〜An*に応じた単位画像をスクリーンSCR上に投写する。このとき、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300はすでに調整されているため、図16(a)の(ii)及び図16(b)の(ii)に示すように、各プロジェクタユニット130からの投写画像(Ia2,Ib2,Ic2,Id2)は精度よく位置合わせされることになる。
(調整作業2(単位画像情報補正部150による、単位画像の輝度及び/又は色についての調整作業))
【0162】
調整作業2を説明する。説明を簡単にするために、隣接する2つのプロジェクタユニット(仮に、PJU,PJUとする。)における重なり領域における調整に絞って説明する。なお、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100を説明するために用いた図9〜図12を再び用いて説明する。
【0163】
まず、図9に示すように、隣接するプロジェクタユニットPJU,PJUからの投写画像(Ia2,Ib2)が滑らかに接続されるように、その重なり領域において重み関数を単位画像情報の画素値に積算する。このとき、重み関数としては、図10に示すように、γ補正を考慮した重み関数とする。そうすることによって、図11に示すように、隣接するプロジェクタユニットPJU,PJUからの投写画像が滑らかに接続されるようになる。その結果、図12に示すように、隣接する2つのプロジェクタユニットPJU,PJUからの投写画像が良好に合成されて滑らかに接続される。
【0164】
すなわち、実施形態3に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ300においては、原画像(図12(a))に係る原画像情報に基づいて2つの単位画像情報が生成される際に、これらの単位画像(図12(b))がスクリーンSCR上で滑らかに接続されるように(図12(c))、これらの単位画像が生成されるため、隣接する2つのプロジェクタユニットPJU,PJUからの投写画像が良好に合成されて滑らかに接続されるようになるのである。
[実施形態4]
【実施例4】
【0165】
図17は、実施形態4に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの構成を示す図である。図17(a)は、正面図であり、図17(b)は側方から見た断面図であり、図17(c)は、スクリーン上に投影された投写画像を示す図である。図18は、実施形態4に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。なお、図17中の符号S,Sは、各撮像素子142の撮影範囲を示している。
【0166】
実施形態4に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ400は、図17及び図18に示すように、撮像装置440が、スクリーンSCRに投写された投写画像の所定領域を撮影する複数の撮像素子142,・・・,142を有している。このため、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100の有する効果に加えて、以下の効果を有する。
【0167】
すなわち、撮影する対象によって撮影に用いる撮像素子を適宜選択することができるため、撮影時間を短縮することができ、その結果、調整時間をさらに短縮することができる。また、撮影の精度を高めることができ、その結果、調整の精度をさらに高めることができる。
【0168】
また、一つの撮像素子当たりの撮影面積を小さくすることができるため、比較的解像度の低い安価な撮像素子を用いて投写画像を撮影することが可能になり、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの価格をそれほど高くしてしまうこともない。
[実施形態5]
【実施例5】
【0169】
図19は、実施形態5に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの構成を示す図である。図20は、実施形態5に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。
【0170】
実施形態5に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ500は、図19及び図20に示すように、プロジェクタユニット130及び撮像素子142が、制御部510における高さ調整装置170の出力に基づいて上下方向に移動自在に構成された上下可動ユニット106に取り付けられている。
【0171】
このため、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100で得られる効果に加えて、以下の効果を有する。
【0172】
すなわち、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ500を設置する際に、撮像装置140による撮影結果に基づいて、スクリーンSCRに対する前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ500の位置が相対的に低いと判断した場合には、各プロジェクタユニット130の姿勢を上方向に回動するのではなく、高さ調整装置170の出力に基づいて上下可動ユニット106を上方向に移動させることによりに、スクリーンSCRに対する前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ500の位置を調整することができる。
【0173】
このため、台形歪みを新たに発生させることなく、スクリーンSCRに対する前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ500の位置を正しく調整することができる。その結果、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ500を新たに設置したり、別の場所に再設置したりする場合においても、画像品質を劣化させることとなく、容易に設置作業を行うことができるという効果がある。
[実施形態6]
【実施例6】
【0174】
図21は、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。図22及び図23は、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。図22(a)は実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの全画面において最大輝度の白表示をさせた場合を示し、図22(b)は実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの全画面において最大輝度の白表示をさせた場合を示す。図23(a)は最も輝度レベルの高いプロジェクタユニットにおける液晶装置による輝度調整を説明するために示す図であり、図23(b)は最も輝度レベルの高いプロジェクタユニットにおける固体光源制御部による輝度調整を説明するために示す図である。
【0175】
実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600は、図21に示すように、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100の構成に加えて、各プロジェクタユニット130毎にLED光源の発光光量を制御する固体光源制御部180をさらに有している。この固体光源制御部180は、各液晶装置毎にLED光源の発光光量を制御する機能も有している。
【0176】
このため、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600によれば、実施形態1に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ100が有する効果に加えて、以下の効果を有する。
【0177】
すなわち、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600によれば、図22(b)に示すように、LED光源の発光光量をプロジェクタユニット130毎に独立に制御することができるようになるため、プロジェクタユニット130毎の輝度特性や色特性の違いを、LED光源の発光光量を制御することにより吸収することができるようになる。このため、図23に示すように、液晶装置における階調資源を使用する必要がなくなるため、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイが本来有している実効階調数が低下したりダイナミックレンジが狭くなったりすることがなくなる。
【0178】
また、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600によれば、LED光源の発光光量を液晶装置毎に独立に制御することができるようになるため、プロジェクタユニット130毎の色特性の違いをも、LED光源の発光光量を制御することにより吸収することができるようになる。
【0179】
実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600においては、図22(b)に示すように、プロジェクタユニット130毎の輝度特性の違いを吸収するためには、最も輝度レベルの低いプロジェクタユニット(単位投写画像Icを投写するプロジェクタユニット)以外のプロジェクタユニット(単位投写画像Ia,Ib,Idを投写するプロジェクタユニット)におけるLED光源の発光光量を、これらのプロジェクタユニットにおける輝度レベルが、最も輝度レベルの低いプロジェクタユニットにおける輝度レベルに揃うように、低下させている。
【0180】
実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600においては、このLED光源の発光光量を各色光毎に制御している。
【0181】
実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600においては、固体光源制御部180は、プロジェクタユニット130毎及び/又は液晶装置毎に、LED光源に供給する電圧をそれぞれ独立に制御するものであっても、LED光源の発光期間をそれぞれ独立に制御するものであってもよい。いずれの場合も、LED光源の発光光量を容易に小さくしたり大きくしたりすることができるようになる。
[実施形態7]
【実施例7】
【0182】
図24は、実施形態7に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。図24(a)は全体的に明るい画像を表示するプロジェクタユニットにおける投写光量を示し、図24(b)は全体的に暗い画像を投写するプロジェクタユニットにおける投写光量を示す。
【0183】
実施形態7に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ700(図示せず。)は、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600の場合と同様に、各プロジェクタユニット毎にLED光源の発光光量を制御する固体光源制御部780(図示せず。)を有している。また、固体光源制御部780は、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600の場合と同様に、各液晶装置毎にLED光源の発光光量を制御する機能も有している。
【0184】
実施形態7に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ700においては、固体光源制御部780が、上記の機能に加えて、LED光源の発光光量を動的に制御する機能をも有している。
【0185】
このため、実施形態7に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ700によれば、実施形態6に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ600が有する効果に加えて、以下の効果を有する。
【0186】
すなわち、図24(b)に示すように、全体的に暗い画像を表示させるような場合(例えば、映画の夜のシーンを表示させるような場合)には、液晶装置の光透過率を低くするのに代えて又はそれに加えてLED光源の発光光量を小さくすることにより、画面全体を暗くすることができるようになる。また、図24(a)に示すように、全体的に明るい画像を表示させるような場合(例えば、映画の昼の屋外のシーンを表示させるような場合)には、液晶装置の光透過率を高くするのに代えて又はそれに加えてLED光源の発光光量を大きくすることにより、画面全体を明るくすることができるようになる。
【0187】
このため、従来よりも実効階調数やダイナミックレンジを大きくとることができ、黒レベルの優れた高画質の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイとなる。
[実施形態8]
【実施例8】
【0188】
図25は、実施形態8に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの作用効果を説明するために示す図である。ある画像を4分割した場合を示す。
【0189】
実施形態8に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ800(図示せず。)は、実施形態7に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ700の場合と同様に、各プロジェクタユニット毎に、かつ、液晶装置毎にLED光源の発光光量を制御する固体光源制御部880(図示せず。)を有している。また、固体光源制御部880は、実施形態7に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ700の場合と同様に、LED光源の発光光量を動的に制御する機能をも有している。
【0190】
実施形態8に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ800においては、固体光源制御部880が、上記の機能に加えて、LED光源の発光光量の動的な制御をプロジェクタユニット毎に行う機能を有している。
【0191】
このため、実施形態8に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ800によれば、実施形態7に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ700が有する効果に加えて、以下の効果を有する。
【0192】
すなわち、図25に示すように、明るい画面と暗い画面とが一画面中に存在するような画像を表示させるような場合に、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイが本来有している実効階調数やダイナミックレンジを超える表現能力を発揮できるようになり、さらに高画質の表示を行うことができるようになる。
[実施形態9]
【実施例9】
【0193】
実施形態9に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ900(図示せず。)は、実施形態8に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ800の場合と同様に、各プロジェクタユニット毎に、かつ、液晶装置毎にLED光源の発光光量を制御する固体光源制御部980(図示せず。)を有しており、この固体光源制御部980は、LED光源の発光光量をプロジェクタユニット毎に動的に制御する機能を有している。
【0194】
実施形態9に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ900は、液晶装置として、一の単位画面情報について2回以上の書込みを行う液晶装置を有している。そして、実施形態9に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ900においては、固体光源制御部980は、1フレーム中における固体光源の発光を、液晶装置の少なくとも1回目の書込み期間を避けて行わせる機能を有している。
【0195】
図26は、実施形態9に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの動作を説明するために示す図である。図26(a)は液晶装置が2倍速駆動の液晶装置である場合を示し、図26(b)は液晶装置が3倍速駆動の液晶装置である場合を示し、図26(c)は液晶装置が4倍速駆動の液晶装置である場合を示す。
【0196】
実施形態9に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ900によれば、図26に示すように、一の単位画面情報について2回以上の書込みを行う、いわゆるn倍速駆動(但し、nは2以上の自然数。)の液晶装置を用いるとともに、固体光源の発光を液晶装置の少なくとも1回目の書込み期間を避けて行わせるようにしたため、投写画像を間欠的にスクリーンに投写できるようになる。このため、ホールド型の欠点である尾引き現象を緩和することができ、滑らかで良質な動画表示を行うことができるようになる。
【0197】
また、1回目の書込み期間においては液晶分子がまだ十分に応答していない状態にあるため、液晶装置のコントラストを高めるのは容易ではないが、実施形態9に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ900によれば、このような1回目の書込み期間を避けて固体光源の発光を行わせるようにしたため、液晶装置ひいては前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおけるコントラストをさらに向上させることができるという効果もある。
[実施形態10]
【実施例10】
【0198】
図27は、実施形態10に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの動作を示す図である。実施形態10に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ1000(図示せず。)は、実施形態8に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ800と同様に、各プロジェクタユニット毎に、かつ、液晶装置134R,134G,134B毎にLED光源の発光光量を制御する固体光源制御部1080(図示せず。)を有しており、この固体光源制御部1080は、LED光源の発光光量をプロジェクタユニット毎に動的に制御する機能を有している。
【0199】
実施形態10に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ1000は、液晶装置として、1フレーム中において複数の画面領域毎に順次画像の書込みを行う液晶装置134R,134G,134Bを有している。そして、実施形態10に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ1000においては、固体光源制御部1080は、1フレーム中におけるLED光源の発光を、液晶装置134R,134G,134Bの画像の書込み期間を避けて行わせる機能を有している。
【0200】
このため、実施形態10に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ1000によれば、LED光源の発光を液晶装置134R,134G,134Bの画像の書込み期間を避けて行わせるようにしたため、前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおけるコントラストをさらに向上させることができるという効果もある。
[実施形態11]
【実施例11】
【0201】
図28は、実施形態11に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイの概要を示すブロック図である。実施形態11に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ1100においては、LED光源を発光させない又は弱く発光させた状態でスクリーンを撮影して外光の状態を評価する外光状態評価部190をさらに有している。
【0202】
そして、固体光源制御部1180は、外光状態評価部190による評価結果を考慮して、LED光源の発光光量を制御する機能を有する。
【0203】
このため、実施形態11に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ1100によれば、外光が強い状態のときには、それに応じてLED光源の発光光量を強くして、撮影の際の外光の影響を弱めるようにすることができる。
【0204】
実施形態11に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ1100においては、制御部1110における外光状態評価部190は、LED光源における少なくとも2段階以上の発光光量のもとでスクリーンを撮影して外光の状態を評価する機能をも有する。
【0205】
このため、実施形態11に係る前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ1100によれば、一般に外光が画質に与える影響は非線形であるため、LED光源における少なくとも2段階以上の発光光量のもとでスクリーンを撮影して外光の状態を評価することにより、撮影の際の外光の影響をさらに弱めることができるようになる。

Claims (18)

  1. 光源からの光を画像情報に応じて変調して投写する複数のプロジェクタユニットと、
    筐体に設置され、スクリーンに投写された投写画像の所定領域を撮影する撮像装置と、
    前記複数のプロジェクタユニットのそれぞれに入力する画像情報(以下「単位画像情報」という。)を生成する単位画像情報生成部と、
    前記撮像装置の撮影結果に基づいて前記単位画像情報の補正を行う単位画像情報補正部と
    前記光源を発光させない又は弱く発光させた状態で前記スクリーンを撮影し、前記光源を少なくとも2段階以上の発光光量で発光させた状態で前記スクリーンを撮影し、外光の状態を評価する外光状態評価部と、を有し、
    前記外光状態評価部による評価結果を考慮して、前期光源の発光光量を制御することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  2. 請求項1に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記撮像装置は、撮影範囲の変更が可能であることを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  3. 請求項1又は2に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記撮像装置は、複数の撮像素子を有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記撮像装置は、前記スクリーンの全体を撮影可能であることを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記単位画像情報補正部は、前記プロジェクタユニットにより投写される単位画像の形状、位置及び/又は傾きについての補正を行うことを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記単位画像情報補正部は、前記プロジェクタユニットにより投写される単位画像の輝度及び/又は色についての補正を行うことを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記単位画像情報補正部は、前記複数のプロジェクタユニットにおける各画素毎に輝度及び/又は色についての補正を行うことを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記単位画像情報補正部は、前記撮影結果に基づいて決定された補正パラメータを用いて前記単位画像情報の補正を行うことを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  9. 請求項に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記補正パラメータを記憶する補正パラメータ記憶部をさらに有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  10. 請求項又はに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    所定の場合に調整用画像の撮影を行って前記補正パラメータの取得を自動的に行う補正パラメータ自動取得装置をさらに有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前面投写型マルチプロジェクションディスプレイに含まれる光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正を行う光学補正装置をさらに有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  12. 請求項11に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    所定の場合に調整用画像の撮影を行って前記光学要素の位置及び/又は姿勢についての補正を自動的に行う光学要素自動補正装置をさらに有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  13. 請求項1に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記外光状態評価部は、所定の場合に前記スクリーンの撮影を行って外光の状態を自動的に評価する機能を有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記光源は、固体光源であることを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  15. 請求項14に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記固体光源の発光光量を、前記プロジェクタユニット毎に独立に制御する固体光源制御部をさらに有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  16. 請求項14に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記固体光源の発光光量を、前記プロジェクタユニット毎に独立に、かつ、動的に制御する固体光源制御部をさらに有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  17. 請求項14に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記電気光学変調装置は、一の単位画像情報について2回以上の書込みを行う電気光学変調装置であり、1フレーム中における前記固体光源の発光を、前記電気光学変調装置の少なくとも1回目の書込み期間を避けて行わせる機能を有する固体光源制御部をさらに有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
  18. 請求項14に記載の前面投写型マルチプロジェクションディスプレイにおいて、
    前記電気光学変調装置は、1フレーム中において複数の画面領域毎に順次画像の書込みを行う電気光学変調装置であり、
    1フレーム中における前記固体光源の発光を、前記電気光学変調装置の書込み期間を避けて行わせる機能を有する固体光源制御部をさらに有することを特徴とする前面投写型マルチプロジェクションディスプレイ。
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