JP4660996B2 - ズームレンズの調整方法、撮像装置の調整方法、ズームレンズ及び撮像装置 - Google Patents
ズームレンズの調整方法、撮像装置の調整方法、ズームレンズ及び撮像装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームレンズの調整方法、このズームレンズを有する撮像装置の調整方法、これらの方法で調整されたズームレンズ及び撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のレンズ群からなり、一部のレンズ群を光軸方向に移動させることにより焦点距離を変化させることができるズームレンズが提案されている。また、このようなズームレンズとして、固定群と移動群とから構成され、移動群を光軸方向に移動させることにより焦点距離の変化と焦点調節とを行う、いわゆるインナーフォーカス式のズームレンズが提案されている。
【0003】
このようなインナーフォーカス式のズームレンズは、高変倍率ズームレンズとして構成されるとともに、小型化、高画質化が図られ、ビデオカメラやいわゆるデジタルカメラ等の撮像装置を構成するに好適なズームレンズとして使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなズームレンズにおいては、一層の小型化を図るにあたっては、レンズの加工精度をより一層高くすることが必要となり、また、レンズの鏡筒に対する組み付けについても高い精度が要求される。
【0005】
しかし、レンズ面の加工精度や芯取精度などによるレンズ自体に付随する形状誤差、また、レンズ保持枠とレンズ外径の嵌合ガタなどによるレンズとレンズ保持枠とに付随する組み付け誤差、さらに、レンズ保持枠と鏡筒との組み付け誤差や、鏡筒部品の点数の多数化に伴う鏡筒構成部品の組み付け誤差などの組立て誤差等を要因として生じるレンズの相対位置ずれなどの部品加工上及び組立上の誤差(以下、偏心という。)を、レンズの小型化に合わせて小さくしていくことは困難である。
【0006】
また、結像性能の高画質化を図る場合においても、上記誤差を全く含まない、いわゆる設計性能に対する実際のレンズの性能劣化を厳しく抑える必要があり、小型化の場合と同様の問題を生ずる。
【0007】
特に、例えば、4群インナーフォーカスタイプのズームレンズでは、高変倍率を実現し易いという特徴の反面、高変倍率化を望めば望むほど、偏心に関して、高い精度が要求されることとなる。
【0008】
このとき、前述したような要因により偏心が大きく発生すると、結像面の傾斜による結像面内の各象限のデフォーカス(フォーカスずれ)が生じ、また、偏心によるコマ収差の発生によってMTF(Modulation Transfer Function:モジュレーション・トランスファ・ファンクション)のピークが変動し画像周辺部に部分的なデフォーカスが発生すること(以下、片ボケという。)が発生し、結像される画像に好ましくない影響を与える。
【0009】
そこで、従来、このような片ボケを、レンズ各群の相対位置の調整により軽減させることが一般的に行なわれている。例えば、群同士の相対偏心や、複数枚からなるレンズ群の群内のレンズの相対偏心について、反射偏心顕微鏡を用いて対象面の反射芯を測定しつつ、その反射芯同士のずれを合わせるようにレンズをシフトまたは傾斜させることにより、解消する方法である。
【0010】
そして、このようなズームレンズにおいては、このような偏心を調整するための機構が設けられている。偏心を調整するための機構としては、例えば、レンズを支持するレンズ枠のフランジ面を鏡筒部材に対してネジによって締結するとともに、これらレンズ枠及び鏡筒部材の間に調整用のスペーサを挟んだ構成のものがある。この構成においては、スペーサの厚みを変更することにより、鏡筒部材に対するレンズ枠の傾きを調整する。また、レンズ枠及び鏡筒部材の間に、調整用のスペーサではなく、例えばモールドからなる板バネを挟んだ構成もある。この構成においては、レンズ枠を鏡筒部材に対して締結するネジの締め付け量によって、鏡筒部材に対するレンズ枠の傾きを調整する。
【0011】
このようにして偏心を調整する方法の利点は、片ボケの発生原因である各レンズの相対偏心自体を解消することにより、像面傾斜と偏心コマ収差の両者を減少させることができ、本来の設計性能に近づけることができることである。
【0012】
しかし、このような偏心の調整方法においては、調整に先立って、調整対象となるレンズの姿勢を正確に把握することが前提となる。このようなレンズの姿勢を検出するには、対象とするレンズ全面の反射芯のずれを確認し、さらに反射芯ずれの原因である相対シフトと相対傾斜の量を算出することが必要であるので、調整には長時間を要する。
【0013】
また、検出した相対偏心を解消するためには、上述のように、レンズの姿勢を補正するための機構を設ける必要があり、鏡筒の構造が煩雑になる。
【0014】
そして、このようなレンズの姿勢を調整する機構についても、スペーサを用いた構成においては、スペーサーの挿入の際に、その都度固定ネジを外す手間がかかり、煩雑であるし、また、板バネとしてモールドの変形を使ったバネを用いた場合には、変位量を多く取れないことや、内部残留応力、ケミカルアタックによる破壊等の懸念があり、信頼性において問題がある。さらに、これら調整機構においては、調整を行うとき、調整に伴ってレンズの光軸方向の位置が移動し、フランジバック量に変動が生じてしまい再度の調整が必要となる。さらに、いずれの構成においても、群の内部に位置するレンズについての調整は困難であり、組立て後に調整が必要となった場合には、レンズ群を分解して調整しなくてはならなず、煩雑である。
【0015】
一方、作業性を考慮した調整方法としては、あるレンズの1面のみの反射芯と、調整対象であるレンズの1面の反射芯とのずれを合わせるという調整が考えられる。しかし、この調整方法においては、両者のレンズの反射芯ずれが、レンズの相対的な傾きに起因するものなのか、相対シフトに起因するものなのかの判断ができないため、調整で反射芯ずれを解消したとしても、厳密に相対偏心を調整することができず、効率的に片ボケを解消することが困難である。さらに、調整機構がシフト、もしくは、傾斜のどちらかにしか対応していない場合には、片方の偏心要素が残存することになり、好ましくない。
【0016】
そこで、これら反射芯測定による方法以外の調整方法として、組立て後に片ボケが生じたレンズに対して、片ボケの状態を判断し、この判断結果に合わせて1群の姿勢を変えて片ボケを解消する調整方法が考えられる。1群の姿勢を変えるための構成としては、例えば、薄い部材(スペーサ)等を1群と鏡筒の間に挟むことによって姿勢を変え、片ボケの状態を見て部材を挿入する箇所を変える方法や、また、1群の姿勢を容易に修正可能なように、偏心ピンやネジなどを用いて同様に調整する方法が挙げられる。
【0017】
この調整方法の利点は、姿勢を変動させる1群以外の組立て誤差要因に起因する偏心(厳密には1群内部に複数レンズが存在する場合は、その各々のレンズの相対位置誤差による偏心も含む)を調整することなしに、1群の調整のみにより、おおよそ片ボケを改善することができる点である。
【0018】
しかし、この調整方法も、前述の調整方法と同様に、最適な傾斜角度を短時間に決定することが困難であり、そのための時間的ロスが大きく、併せて、作業者の熟練が求められるので、効率的に片ボケを解消することが困難である。
【0019】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、従来の反射芯によるレンズ相対偏心調整のような煩雑な調整を事前に行なう必要がなく、効率よく、固定群(例えば、1群、または、3群)の傾きを調整することによって、テレ端付近及びワイド端付近における片ボケを解消することができ、高変倍率化、小型化、高画質化の実現に対して有効なズームレンズの調整方法を提供し、また、このようなズームレンズを用いた撮像装置の調整方法を提供し、さらに、このようなズームレンズ、このようなズームレンズを用いた撮像装置を提供しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明に係るズームレンズの調整方法は、固定群と移動群とを有し移動群の光軸方向への移動によって焦点距離の変化及び焦点調節が行われるズームレンズにおいて固定群の光軸に対する傾きを調整するにあたって、結像面内の4箇所以上の測定点における結像状態を測定し、これら各測定点についてそれぞれ結像状態が最良となるデフォーカス座標を特定し、特定されたデフォーカス座標のうちの3点によって決定される4つ以上の平面を規定し、固定群の光軸に対する傾きを調整することにより4つ以上の平面を一致させる場合における該固定群の傾き量を算出し、算出された固定群の傾き量を目標点として固定群の傾きを調整することを特徴とするものである。
【0023】
そして、本発明に係る撮像装置の調整方法は、固定群と移動群とを有し移動群の光軸方向への移動によって焦点距離の変化及び焦点調節が行われるズームレンズとこのズームレンズが形成する像を撮像する撮像素子とを有する撮像装置において、前記ズームレンズの固定群の光軸に対する傾きを調整するにあたって、撮像素子の受光面内の4箇所以上の測定点における結像状態を測定し、各測定点についてそれぞれ結像状態が最良となるデフォーカス座標を特定し、特定されたデフォーカス座標のうちの3点によって決定される4つ以上の平面を規定し、固定群の光軸に対する傾きを調整することにより4つ以上の平面を一致させる場合における該固定群の傾き量を算出し、算出された固定群の傾き量を目標点として、固定群の傾きを調整することを特徴とするものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0033】
図1に示すようなズームレンズにおいては、組立て直後の未調整の状態においては、レンズに対してさまざまな誤差要因が累積しており、図2に示す撮像画像の周辺部の測定点6p,7p,8p,9pにおいて、同一の結像性能を示すことはない。すなわち、図3のMTFデフォーカスカーブに示すように、撮像画像の周辺部4象限において、いわゆる片ボケが発生している。このような片ボケを生じているズームレンズは、撮影した画像の周辺部分において画質に差を生じており、好ましい結像性能ではない。
【0034】
このような撮像画像の周辺部における画質の差を解消するためには、前述の片ボケを解消し、撮像画像の周辺部でのMTF等の結像状態を示す評価値を均一にすることが必要である。
【0035】
この実施の形態においては、ズームレンズとして、図1に示すように、後述するようにX軸回り及びY軸回りの回転機構を有する正パワーの固定群である第1レンズ群1、ズーミング(変倍操作)のための移動群である負パワーの第2レンズ群2、後述するようにX軸回り及びY軸回りの回転機構を有する正パワーの固定群である第3レンズ群3、及び、フォーカシング(焦点調節操作)のための正パワーの移動群である第4レンズ群4を有して構成されている。
【0036】
また、このようなズームレンズの設計例を、以下の〔表1〕乃至〔表3〕に示す。以下の実施の形態において、具体的な数値の例は、ここで示す設計例に基づくものである。〔表1〕において、rは、面の曲率半径、dは、隣り合う2つの面の間隔、Ndは、d線における屈折率、νdはアッベ数である。
【0037】
【表1】
【0038】
このズームレンズにおいて、d5、d10、d13、d17は、ズーミング(変倍)及びフォーカシング(焦点調節)に伴って変化する。広角(ワイド)端から望遠(テレ)端に向けてズーミングがなされたときの、d5、d10、d13、d17の値を、以下の〔表2〕に示す。なお、この〔表2〕において、fは、全系の焦点距離、Fnoは、全系のFナンバーを示している。
【0039】
【表2】
【0040】
また、r4、r11及びr14は、非球面で構成されており、その形状は、以下の式によって定義される。
【0041】
X={C*(Y*Y)}/[1+√{1-(C*C)*(Y*Y)}]+A4*Y4+A6*Y6+A8*Y8+A10*Y10
この式において、Xは、非球面の光軸方向の座標を、Cは、曲率を、Yは、光軸Xからの距離を、A4,A6,A8,A10は、各次数の非球面係数を、それぞれ示している。
各次数の非球面係数を、以下の〔表3〕に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
ここで、ズームレンズの結像面上における座標系を、図2に示すように、撮像画像中心を通る横軸をx軸、撮像画像中心を通る縦軸をy軸と定義する。これらx軸及びy軸によって、撮像画像は、4つの象限に分けられる。そして、各象限に1箇所ずつの測定点6p,7p,8p,9pを設定する。
【0044】
これら各測定点6p,7p,8p,9pにおいて測定されるMTFは、ズームレンズの組立て直後のテレ(望遠)端において、図3に示すように、MTFデフォーカスカーブ6a,7a,8a,9aによって示される。なお、この図3において、MTFデフォーカスカーブ5aは、光軸近傍のMTFデフォーカスカーブである。また、図3において、6p,7p,8p,9pは、各MTFデフォーカスカーブのピーク位置を示している。
【0045】
このズームレンズについて、本発明に係るズームレンズの調整方法を実施することにより、各MTFデフォーカスカーブは、図4に示すように、各測定点6p,7p,8p,9pについて略々一致した状態となる。すなわち、この調整の実行後においては、4象限の各測定点6p,7p,8p,9pについて、MTFが最大となるフォーカス位置が揃えられることとなる。
【0046】
以下、本発明に係るズームレンズの調整方法の手順について説明する。
【0047】
まず、組立て直後の未調整のズームレンズについての各測定点6p,7p,8p,9pにおけるMTFデフォーカスカーブのピーク位置6p,7p,8p,9pについて、以下のように、ズームレンズに対して設けられた3次元座標系に対する絶対座標として定義する。
【0048】
画像左下のMTFピークデフォーカス位置8p:(x1,y1,z1)
画像右上のMTFピークデフォーカス位置7p:(x2,y2,z2)
画像左上のMTFピークデフォーカス位置6p:(x3,y3,z3)
画像右下のMTFピークデフォーカス位置9p:(x4,y4,z4)
ここで、例えば、8p(x1,y1,z1)、7p(x2,y2,z2)、6p(x3,y3,z3)を含む平面の法線ベクトル(a,b,c)は、については、次のように示すことができる。
【0049】
a=(y2z3−y3z2−y1z3+y1z2−y2z1+y3z1)/(x1y2z3−x1y3z2−x2y1z3+x3y1z2−x3y2z1+x2y3z1)
b=(z2−z1+a(x2z1−x1z2))/(y1z2−y2z1)
c=(y3−y2+a(x3y2−x2y3))/(y3z2−y2z3)
また、法線単位ベクトルを(l,m,n)とし、以下のように示す。
【0050】
t=√(a2+b2+c2)
lo=a/t
mo=b/t
no=c/t
n>0の場合には、l=lo、m=mo、n=no
n<0の場合には、l=−lo、m=−mo、n=−no
さらに、上述の計算式にしたがって、周辺4象限のMTFデフォーカスピーク位置4点から、任意の3点をセットとした4平面の法線単位ベクトルを算出し、以下のように定義する。
【0051】
6p、7p、8pの組の法線単位ベクトル:(l1、m1、n1)
6p、7p、9pの組の法線単位ベクトル:(l2、m2、n2)
6p、8p、9pの組の法線単位ベクトル:(l3、m3、n3)
7p、8p、9pの組の法線単位ベクトル:(l4、m4、n4)
ここで、さらに、定義した4平面の平均の法線単位ベクトル(L、M、N)を求める。
【0052】
l=l1+l2+l3+l4
m=m1+m2+m3+m4
n=n1+n2+n3+n4
T=√(l2+m2+n2)
法線単位ベクトル(L、M、N)は、以下に示される。
【0053】
(L、M、N)=(l/T、m/T、n/T)
さらに、第1レンズ群1に関するx軸回り調整量をθx°、Y軸回り調整量をθy°として、以下のように計算する。
【0054】
θx=(M/Px)・Qx・・・・(式1)
θy=(L/Py)・Qy・・・・(式2)
ここで、Px、Pyは、第1レンズ群1をx軸回りにQx°、y軸回りにQy°傾けた場合に発生するMTFデフォーカスカーブから計算されるL、Mの逆数である。
【0055】
ここで、例えば、ズームレンズ組立て直後のMTFデフォーカスカーブから検出した周辺4象限のMTFデフォーカスカーブのピーク位置の3次元座標が、以下に示す値であったとする。
【0056】
右上(0.63 ,0.4725,−0.004211)
左下(−0.63,−0.4725,−0.005111)
右下(0.63,−0.4725,−0.044909)
左上(−0.63,0.4725,0.021455)
このとき、3つの任意の座標が決定する4つの平面の法線ベクトルは、以下に示すようになる。
【0057】
右上、左下、右下(0.031541,−0.043006,0.998577)
右上、左下、左上(0.020357,−0.028095,0.999398)
右上、右下、左上(0.020346,−0.043018,0.998867)
左下、右下、左上(0.031557,−0.028087,0.999107)
さらに、これら4つの法線から計算した平均の単位法線ベクトルは、以下に示すようになる。
【0058】
(L,M,N)=(0.025951,−0.035553,0.999031)
このとき、誤差要因を全く含まないレンズ設計値に対して、第1レンズ群1をx軸回り、y軸回りにそれぞれ5分(1/12(°))傾けた場合のM、Lの逆数Px,Pyは、計算によって、以下のように定まる。
【0059】
Px=0.01376
Py=−0.013745
また、Qx、Qyは、以下の値である。
【0060】
Qx= 5/60(°)
Qy= 5/60(°)
これらを(式1)、(式2)に代入して、第1レンズ群1のx軸回り及びY軸回りの調整量θx、θyは、以下のように定まる。
【0061】
θx=−0.215316°
θy=−0.157338°
この調整量を、図1に示した組立て後のズームレンズに適用すると、図4に示すように、テレ(望遠)端付近におけるMTFデフォーカスカーブが、周辺4象限について略々一致し、その結果、高変倍率においても、良好に片ボケが補正された状態となる。
【0062】
上述のような本発明に係るズームレンズの調整方法は、片ボケそのものを直接コントロールしていることに他ならず、確実な調整方法である。
【0063】
また、この調整方法を実施するにあたっては、図5のフローチャートに示すように、所定回数に亘って調整を行っても良好な調整結果が得られない場合には、調整を中止し、他の方法による調整に移行するか、または、不良品として以降の工程を中止するなどの処置を行うようにする。
【0064】
すなわち、図5のステップst1で調整工程をスタートし、ステップst2に進んでMTFを測定し、ステップst3に進む。ステップst3では、調整量が所定値以下かを判別し、所定値以下であればステップst7に進み、所定値以下でなければステップst4に進む。ステップst4では、調整した回数が所定回数に達しているかを判別し、所定回数に達していればステップst8に進み、所定回数に達していなけばステップst5に進む。ステップst5では、測定されたMTFに基づいて調整量を決定し、ステップst6に進む。ステップst6では、ステップst5で決定された調整量にしたがって調整を実行し、この調整が何回めの調整であるかを記憶して、ステップst2に戻る。ステップst7では、調整は完了しているとして、ステップst9に進んでリターンする。ステップst8では、調整を中止し、ステップst9に進んでリターンする。
【0065】
なお、上述した実施の形態においては、片ボケの解消のための調整を、第1レンズ群1の傾きを調節することにより行っているが、この調整は、第3レンズ群3の傾きを調節することにより行うこととしてもよい。特に、ワイド(広角)端近傍の片ボケ解消を図る場合には、第3レンズ群3の傾きの調整によって行うことが効果的である。
【0066】
また、撮像画像の周辺4象限の測定点について測定されたMTF(評価値)の扱いについては、上述のように、それらMTFが最大となるフォーカス位置を揃えることを調整目標とすることに限定されず、撮像画像の周辺4象限の測定点についてのMTFの差を評価関数とし、その差が最小となる位置をもって、調整目標位置としてもよい。すなわち、この場合には、周辺4象限の測定点について、それぞれの最大のMTFそのものの値を揃えることになる。
【0067】
さらに、撮像画像の周辺4象限におけるMTFの総和を評価関数とし、図6に示すように、これらMTFの総和が最大となる位置をもって、調整目標位置としてもよい。特に、ワイド(広角)端近傍の片ボケを第3レンズ群3のx軸回り及びy軸回りの回転(傾き)により解消しよとする場合には、各測定点におけるMTFの総和が最大となるように調整することが有効である。
【0068】
この場合には、第3レンズ群3の調整量は、組み立て完了後の偏芯等の誤差を含んだズームレンズに対して、略々バランスのとれた位置に設定される。また、この場合のほうが、前述した4象限の測定点についてのMTFの差を最小にする方法に比べて、調整時の評価像面位置の誤差に対し寛容である。
【0069】
そして、上述した各実施の形態においては、片ボケを測定する評価値として、MTFデフォーカスカーブを測定しているが、他の実施の形態として、RMS(Root Mean Square:ルート・ミーン・スクエア)スポット径、白黒の万線チャート等を用いたCTF(Contrast Transfer Function:コントラスト・トランスファ・ファンクション)を評価値として用いて、周辺4象限の測定点についてのベストフォーカス位置を求めることとしてもよい。
【0070】
さらに、本発明に係るズームレンズの調整方法は、上述したような4群インナーフォーカスズームレンズに限るものではない。
【0071】
そして、本発明に係る撮像装置は、図7に示すように、上述したズームレンズと、このズームレンズの結像面上に配置された撮像素子10とを外筐体31内に収納して構成されている。外筐体31内において、第1レンズ群1は、後述するように傾き調整が可能なレンズ枠11によって支持されている。また、第3レンズ群3は、後述するように傾き調整が可能なレンズ枠24によって支持されている。第3レンズ群3の後方には、絞り32が設けられている。
【0072】
そして、この撮像装置においては、上述したようにズームレンズの調整を行うにあたって、撮像素子10からの出力に基づいて、該ズームレンズによる結像状態を示す評価値を測定することができる。
【0073】
なお、この撮像装置は、図8及び図9に示すように、ズームレンズ及び撮像素子10を外筐体31内に収納し、さらに、撮像素子10によって得られた情報信号の記録媒体に対する記録再生を行う記録再生装置33を外筐体31内に備えて構成される。
【0074】
この撮像装置においては、ズームレンズと撮像素子10とを所定の位置関係となるように外筐体31内において組み立てた後に、ズームレンズについての調整を行って、完成となる。この場合、ズームレンズ単体の調整のみならず、このズームレンズと撮像素子10との位置関係の要素も含めた調整が行われるので、その後にさらに撮像素子10の位置の調整を行う必要がない。
【0075】
次に、本発明に係るズームレンズにおけるレンズ群の傾きを調整するための機構について説明する。このズームレンズは、図10に示すように、レンズを保持するレンズ枠11と、このレンズ支持枠11を支持する円筒状の鏡筒部材13とを有している。このレンズ枠11に取付けられるレンズは、例えば、第1のレンズ群1、すなわち、固定群をなすレンズである。
【0076】
鏡筒部材13の前端面には、金属材料からなるリング状の板バネ12が取付けられている。この板バネ12は、3本の取付ネジ15により、鏡筒部材13の前端面に締結されている。そして、レンズ枠11は、図11に示すように、外周の3箇所に設けられた突起部11aを、板バネ12の外周の3箇所に設けられた切起こし部12aの穴部に挿入させることにより、鏡筒部材13に対して取り付けられている。レンズ枠11は、鏡筒部材13より離間する方向に移動されると、突起部11a及び切起こし部12aを介して板ばね12を変形させる(撓ませる)ので、この板ばね12の復元力により、鏡筒部材13の前端面に接近する方向に付勢される。
【0077】
そして、レンズ枠11には、3箇所に、調整ネジ16が螺入されるためのネジ孔11bが設けられている。これらネジ孔11bに螺入された3本の調整ネジ16は、先端側をこのレンズ枠11より鏡筒部材13側に突出させ、図10に示すように、板バネ12に設けられた透孔を貫通して、先端部を鏡筒部材13の前端面に当接させる。
【0078】
なお、鏡筒部材13は、合成樹脂材料によって形成することができるが、この場合には、前端面に調整ネジ16の先端部が当接することによる変形を防止するため、前端面に金属製の補強板14を取付けておく。また、レンズの傾きの調整後にレンズ枠11と鏡筒部材13の前端面との間に生じる隙間へのゴミの侵入を防ぐため、これらレンズ枠11と鏡筒部材13の前端面との間に、シールゴム17を挿入しておく。
【0079】
この状態で、レンズ枠11の3箇所のネジ孔11bに、それぞれ調整ネジ16をねじ込んでいくと、これら調整ネジ16の先端部が補強板4に当たる。そして、さらに調整ネジ16を締めて行くと、レンズ枠11は、調整ネジ16が鏡筒部材13の前端面を押すので、板バネ12を撓ませつつ、鏡筒部材13から離間する方向(前方)に変位する。このとき、レンズ枠11は、板バネ12によって鏡筒部材13側に付勢されるので脱落せず、3本の調整ネジ16のそれぞれの締込み量によって、光軸に対する傾きを調整することができる。
【0080】
そして、このズームレンズにおいて、レンズ枠11に保持されたレンズからなる固定群の光軸に対する傾きの調整は、この固定群の傾き量の目標点に対応する3本の調整ネジ16のレンズ枠11から鏡筒部材13側への突出量を算出し、この算出結果に基づいて3本の調整ネジ16のレンズ枠11からの突出量を調整し、レンズの光軸に対する傾きを調整することによって行うことができる。
【0081】
固定群の光軸に対する傾きの調整においては、レンズの中心位置が変位しないようにすることが好ましい。このズームレンズにおいては、初期状態としてそれぞれの調整ネジ16を同量だけ締め込み、固定群の傾きのない状態にしておき、その後に、各調整ネジ16を締め込む方向、または、緩める方向にそれぞれの所定の量だけ回して変位させることにより、レンズの中心位置を変位させずに、傾きを変えることが可能である。
【0082】
調整ネジ16の締め込み、または、緩めることによる固定群の光軸に対する傾きの変位量については、以下のようにして求めることができる。
【0083】
すなわち、図12に示すように、調整ネジ16の位置A,B,Cのレンズ中心からの距離を、それぞれ、(xa、Ya)、(xb、Yb)、(xc、Yc)とし、固定群のレンズをy軸回り(x方向)にθx、x軸回り(y方向)にθyだけ回転させる場合について考えると、レンズ枠11の調整ネジ16の位置A,B,Cにおける変位量Az,Bz,Czは、それぞれ下記の式のように表される。
【0084】
Az=(−xa・tanθx)+(−Ya・tanθy)
Bz=(xb・tanθx)+(Yb・tanθy)
Cz=(xc・tanθx)+(−Yc・tanθy)
このようにして、3箇所の調整ネジ16の締め込み量をそれぞれ変えることによって、レンズの光軸に対する全方向への傾きの調整が可能となる。そして、調整後においては、調整ネジ16をそれぞれ接着することによりレンズ枠11に対して固定し、調整後における変位が起こらないようにすることが可能である。
【0085】
なお、このズームレンズは、図13及び図14に示すように、調整ネジ16の先端部による鏡筒部材13の変形を防ぐための補強板を用いずに、これら調整ネジ16の先端部を板バネ12にあてるようにして構成してもよい。この場合には、板バネ12には、各調整ネジ16が挿通されるための透孔を設けるのではなく、各調整ネジ16の先端部が当接するための当接部12bを設けておく。そして、これら当接部12bに対して、切起こし部12aが変位可能となるように、これら当接部12bと切起こし部12aとの間には、スリットを設けておく。この場合には、調整ネジ16を締め込んだときには、当接部12bが調整ネジ16の先端部によって鏡筒部材13の前端部に対して押し付けられた状態で、切起こし部12aは、レンズ枠11とともに、鏡筒部材13の前端部より離間する方向に変位される。
【0086】
また、このズームレンズにおいては、図15及び図16に示すように、板バネ12は、取付ネジ15を用いることなく、レンズ枠11側に向けて形成された切起こし部12aと同様の切起こし部12cを鏡筒部材13側に向けて3箇所に形成しておき、これら切起こし部12cの穴部に鏡筒部材13の3箇所に設けた突起をそれぞれ挿入させることにより、鏡筒部材13に対して取り付けることとしてもよい。
【0087】
また、本発明に係るズームレンズにおけるレンズ群の傾きを調整するための機構としては、図17に示すように、レンズ25を保特するレンズ枠24に、レンズ25の光軸に直交する第1の方向に沿ってこのレンズ枠24の両側に突設された第1の支軸24a,24bと、レンズ25の光軸及び第1の方向に直交する第2の方向に沿ってレンズ枠24から突出された第2の支軸24cとをそれぞれ設けておき、これら第1及び第2の支軸24a,24b,24c回りにレンズ枠24を回動させる構成とすることもできる。
【0088】
すなわち、このズームレンズの固定群においては、レンズ25は、円環状のレンズ枠24に固定され取付けられている。そして、この固定群は、鏡筒部21を有している。この鏡筒部21の前端側には、内周がレンズ枠24の外周に対応された円筒状の鏡筒部材21aが形成されている。この鏡筒部材21aには、第1の調整リング(Y軸調整リング)22及び第2の支軸24cを支持する傾斜部23aを有する第2の調整リング(X調整リング)23がそれぞれ外嵌装されて取付けられ、それぞれがこの鏡筒部材21aの軸回りに円滑に回転可能となされている。
【0089】
レンズ枠24には、上述のように、レンズ25の光軸に直交する第1の支軸24a,24bと、レンズ25の光軸及び第1の支軸24a,24bに直交する第2の支軸24cとが突設されている。そして、鏡筒部材21aには、第1及び第2の支軸24a,24b,24cが挿入される3本の溝部(スリット)21dが、それぞれこの鏡筒部材21aの前端部よりこの鏡筒部材21aの軸方向に形成されている。すなわち、レンズ枠24は、第1及び第2の支軸24a,24b,24cを3本の溝部21dに対応させて挿入させつつ、鏡筒部材21a内に収納される。
【0090】
ここで、第1の支軸24a、24bが挿入される溝部21dは、これら第1の支軸24a、24bとの間に隙間を生じない幅に形成されており、これら第1の支軸24a、24bの軸方向及び溝部21dの方向に直交する方向へのレンズ枠24の移動が生じないようになされている。また、レンズ枠24には、各第1の支軸24a、24bの根元部分の付近に位置して、R状(円筒面状)の突起部24d,24eが形成されている。これら突起部24d,24eは、鏡筒部材21a内部に、第1の支軸24a、24bが挿入される溝部21dの近傍に位置して形成されたR状(円筒面状)の突起21e、21fに当接し、第1の支軸24a、24bの軸方向へのレンズ枠24の移動が生じないようにしている。このようにして、レンズ枠24は、鏡筒部材21aの軸に直交する方向への移動を規制されている。
【0091】
そして、第1の調整リング22は、第1の支軸24a,24bを支持する一対の傾斜部22a,22bを有している。すなわち、これら傾斜部22a,22bには、溝部21dを介して鏡筒部材21aより外方に向けて突出された第1の支軸24a,24bが当接される。
【0092】
また、第2の調整リング23は、第2の支軸24cを支持する傾斜部23aを有している。すなわち、この傾斜部23aには、溝部21dを介して鏡筒部材21aより外方に向けて突出された第2の支軸24cが当接される。
【0093】
レンズ枠24は、鏡筒部材21aに取付けられた付勢部材となる板バネ26により、各支軸24a,24b,24cをそれぞれに対応する斜面部22a,22b,23aに押し当てられている。
【0094】
そして、各調整リング22,23には、それぞれ外方側に向けて調整アーム22c,23cが突設されている。これら調整アーム22c,23cは、互いに異なる方向に向けられ、それぞれ鏡筒部21に形成された透孔21b,21cを介して外方側に臨んでいる。これら調整リング22,23は、鏡筒部21の外方側から、調整アーム22c,23cを介して、それぞれ鏡筒部材21aの軸回りに回動させることが可能となされている。
【0095】
初期状態においては、図18に示すように、各支軸24a,24b,24cがそれぞれに対応する斜面部22a,22b,23aの略々中央に位置しており、レンズ25が光軸に対して傾きのない状態となされている。このとき、各支軸24a,24b,24cがそれぞれに対応する斜面部22a,22b,23aに対して板バネ26によって付勢され押し付けられていることにより、レンズ枠24の位置決めがなされている。
【0096】
第1の調整リング22を回動させると、図19に示すように、各第1の支軸24a、24bを支持する斜面22a,22bが移動し、各第1の支軸24a、24bのうちの一方が前方側に変位され、他方が後方側に変位される。このとき、レンズ枠24は、図19中矢印θyで示すように、第2の支軸24c回りに回動されて、光軸に対して傾けられる。レンズ枠24の傾き量θyと、第1の調整リング22の回動角度θaとの間には、比例関係があるので、第1の調整リング22の回転方向及び回転角により、レンズ枠24の傾きの方向及び傾き量を調整することができる。
【0097】
第2の調整リング23を回動させると、図20に示すように、各第2の支軸24cを支持する斜面23aが移動し、第2の支軸24cが前方側、または、後方側に変位される。このとき、レンズ枠24は、図20中矢印θxで示すように、第1の支軸24a、24b回りに回動されて、光軸に対して傾けられる。レンズ枠24の傾き量θxと、第2の調整リング23の回動角度θbとの間には、比例関係があるので、第2の調整リング23の回転方向及び回転角により、レンズ枠24の傾きの方向及び傾き量を調整することができる。
【0098】
このように、x軸、y軸の2方向についての調整を、第1及び第2の調整リング22,23によって独立的に行うことができるので、各調整リング22,23の回転方向及び回転角を組み合わせることによって、レンズ枠24の光軸方向に対する全方向への傾きの調整を行うことができる。
【0099】
調整後においては、各調整アーム22c,23cを鏡筒部21に対して接着剤を用いて接着することにより固定し、調整後の変位が起こらないようにすることが可能である。
【0100】
この構造においては、調整時のレンズ25の回転中心を光軸上に位置させることが可能で、調整に伴うレンズ25の光軸方向の移動がなく、また、シフト方向の変位もほとんど発生しないため、調整に伴うフランジバックのずれや周辺の光量落ちなどの悪影響を少なくすることができる。
【0101】
また、各調整リング22,23の回動は、各調整アーム22c,23cを介して、鏡筒部21の外方側から行うことができるので、鏡筒部21の内方に配置されるレンズに対する調整も可能であり、鏡筒部21の組み立て後においても、外方側からの調整を容易に行うことができる。
【0102】
さらに、各調整アーム22c,23cの先端部と鏡筒部21の透孔21b,21cとの間の空隙を少なくすることにより、外部からのゴミの侵入を抑える構造とすることができる。
【0103】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係るズームレンズの調整方法及び撮像装置の調整方法においては、ビデオカメラの如き撮像装置などに使用される小型の高性能ズームレンズにおいて、従来より問題になっていた片ボケを容易に解消することができ、良好な画像の取得が可能であるズームレンズを提供することができる。
【0104】
また、本発明に係るズームレンズにおいては、組み立て後において、調整用部品の交換等の手間を要さずに、容易に、かつ、レンズ中心の位置を光軸方向に変位させずに、レンズの傾きの調整を行うことができる。したがって、調整によるフランジバックずれや周辺光量落ちなどの影響が生じない。
【0105】
すなわち、本発明は、煩雑な調整を事前に行なう必要がなく、効率よく、固定群(例えば、1群、または、3群)の傾きを調整することによって、テレ端付近及びワイド端付近における片ボケを解消することができ、高変倍率化、小型化、高画質化の実現に対して有効なズームレンズの調整方法を提供し、また、このようなズームレンズを用いた撮像装置の調整方法を提供し、さらに、このようなズームレンズ、このようなズームレンズを用いた撮像装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るズームレンズの調整方法が適用される本発明に係るズームレンズの構成を示す側面図である。
【図2】上記ズームレンズの調整方法において結像面上に設定される測定点の位置を示す正面図である。
【図3】上記ズームレンズの調整方法において調整前に得られるMTFデフォーカスカーブを示すグラフである。
【図4】上記ズームレンズの調整方法(各測定点のMTFの極大値のデフォーカス位置を一致させる)において調整後に得られるMTFデフォーカスカーブを示すグラフである。
【図5】上記ズームレンズの調整方法を実施する場合の手順を示すフローチャートである。
【図6】上記ズームレンズの調整方法(各測定点におけるMTFの総和を最大にする)において調整後に得られるMTFデフォーカスカーブを示すグラフである。
【図7】本発明に係るズームレンズの調整方法が適用される本発明に係る撮像装置の構成を示す側面図である。
【図8】上記撮像装置の外観を示す側面図である。
【図9】上記撮像装置の外観を示す正面図である。
【図10】上記ズームレンズの要部の構成(3本の調整ネジを有する構成)を示す分解斜視図である。
【図11】上記ズームレンズの要部の構成(3本の調整ネジを有する構成)を示す斜視図である。
【図12】上記ズームレンズの要部の構成(3本の調整ネジを有する構成)を示す三面図(正面図、側面図及び平面図)である。
【図13】上記ズームレンズの要部の構成(3本の調整ネジを有する構成)の他の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図14】上記ズームレンズの要部の構成(3本の調整ネジを有する構成)の他の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図15】上記ズームレンズの要部の構成(3本の調整ネジを有する構成)のさらに他の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図16】上記ズームレンズの要部の構成(3本の調整ネジを有する構成)のさらに他の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図17】上記ズームレンズの要部の構成(3本の支軸を有する構成)を示す分解斜視図である。
【図18】上記ズームレンズの要部の構成(3本の支軸を有する構成)を示す三面図(正面図、縦断面図及び横断面図)である。
【図19】上記ズームレンズ(3本の支軸を有する構成)において固定群を第2の支軸回りに回動させた状態を示す三面図(正面図、縦断面図及び横断面図)である。
【図20】上記ズームレンズ(3本の支軸を有する構成)において固定群を第1の支軸回りに回動させた状態を示す三面図(正面図、縦断面図及び横断面図)である。
【符号の説明】
1 第1レンズ群、2 第2レンズ群、3 第3レンズ群、4 第4レンズ群、10 撮像素子
Claims (10)
- 固定群と移動群とを有し移動群の光軸方向への移動によって焦点距離の変化及び焦点調節が行われるズームレンズにおいて、固定群の光軸に対する傾きを調整するにあたって、
結像面内の4箇所以上の測定点における結像状態を測定し、
上記各測定点についてそれぞれ結像状態が最良となるデフォーカス座標を特定し、
上記特定されたデフォーカス座標のうちの3点によって決定される4つ以上の平面を規定し、
上記固定群の光軸に対する傾きを調整することにより上記4つ以上の平面を略一致させる場合における該固定群の傾き量を算出し、
算出された上記固定群の傾き量を目標点として、上記固定群の傾きを調整する
ことを特徴とするズームレンズの調整方法。 - 測定点は、4箇所であって、光軸に対して定義された結像面上の4象限上に1箇所ずつ存在する箇所であり、
上記各測定点についての結像状態が最良となるデフォーカス座標は、該測定点におけるMTFが極大となる点として定義され、
上記特定されたデフォーカス座標のうちの3点によって決定される平面が4つの平面である
ことを特徴とする請求項1記載のズームレンズの調整方法。 - 測定点は、4箇所であって、光軸に対して定義された結像面上の4象限上に1箇所ずつ存在する箇所であり、
上記特定されたデフォーカス座標は、該測定点におけるRMSスポットサイズが極小となる点として定義され、
上記各測定点についての結像状態が最良となるデフォーカス座標のうちの3点によって決定される平面が4つの平面である
ことを特徴とする請求項1記載のズームレンズの調整方法。 - 測定点は、4箇所であって、光軸に対して定義された結像面上の4象限上に1箇所ずつ存在する箇所であり、
上記各測定点についての結像状態が最良となるデフォーカス座標は、所定のピッチを有するラインチャートを物体面に配置し、このラインチャートと共役な位置に画像検出用の光電変換手段を配置し、この光電変換手段からのラインチャート出力画像から計算したCTFデフォーカスデータが極大となる点として定義され、
上記特定されたデフォーカス座標のうちの3点によって決定される平面が4つの平面である
ことを特徴とする請求項1記載のズームレンズの調整方法。 - 光軸をZ軸、光軸に対して直行する直行座標をX軸、Y軸と定義し、
光軸に対して定義された結像面上の4象限内の各測定点を第1の測定点、第2の測定点、第3の測定点及び第4の測定点とし、これら第1乃至第4の測定点における結像状態が最良になるデフォーカス座標のうちの任意の3つの点が決定する4つの平面の法線単位ベクトルTi、Tii、Tiii、Tivの各X,Y,Z成分の平均値に関するユークリッド距離を1に正規化した平均の法線単位ベクトルをT(L、M、N)とした場合、
固定群に関するX軸回りの回転調整量θx及びY軸回りの回転調整量θyに関して、
θx=Kx×M
θy=Ky×L
(∵Kx、Kyは換算係数)
を満足するようなθxとθyとを用いて、上記固定群の傾きを調整する
ことを特徴とする
請求項1記載のズームレンズの調整方法。 - 固定群を、円筒状の鏡筒部材の端面に取付けられた金属材料からなるリング状の板バネと、レンズを保特し前記板ばねにより前記鏡筒部材の端面側に付勢されたレンズ枠と、このレンズ枠の3箇所に設けられたネジ孔に螺入され先端部を前記鏡筒部材の端面に当接させた3本の調整ネジとを用いて構成し、
固定群の光軸に対する傾きの調整は、この固定群の傾き量の目標点に対応する上記3本の調整ネジの上記レンズ枠から上記鏡筒部材側への突出量を算出し、この算出結果に基づいて前記3本の調整ネジの前記レンズ枠からの突出量を調整し、上記レンズの光軸に対する傾きを調整することによって行う
ことを特徴とする請求項1記載のズームレンズの調整方法。 - 固定群を、円筒状の鏡筒部材と、レンズを保特するレンズ枠と、前記レンズの光軸に直交する第1の方向に沿って前記レンズ枠の両側に突設された第1の支軸と、前記レンズの光軸及び前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って前記レンズ枠から突出された第2の支軸と、前記鏡筒部材の端部よりこの鏡筒部材の軸方向に形成され前記第1及び第2の支軸が挿入される溝部と、前記鏡筒部材に対してこの鏡筒部材の軸回りに回転可能に取付けられ前記第1の支軸を支持する一対の傾斜部を有する第1の調整リングと、前記鏡筒部材に対してこの鏡筒部材の軸回りに回転可能に取付けられ前記第2の支軸を支持する傾斜部を有する第2の調整リングと、前記レンズ枠を前記第1及び第2の調整リング側に付勢する付勢部材とを用いて構成し、
固定群の光軸に対する傾きの調整は、上記第1の調整リングを上記鏡筒部材に対して回動させることにより上記第1の支軸回りにレンズを回動させ、上記第2の調整リングを上記鏡筒部材に対して回動させることにより上記第2の支軸回りにレンズを回動させることによって行う
ことを特徴とする請求項1記載のズームレンズの調整方法。 - 調整を行うズームレンズとして、物体側より順に、正の屈折力の固定群である第1群、負の屈折力で変倍のために移動可能となされた移動群である第2群、正の屈折力の固定群である第3群、正の屈折力で変倍による焦点位置の補正及び焦点調節のために移動可能となされた移動群である第4群から構成されたズームレンズを対象とし、
上記第1群の傾きを調節することを特徴とする請求項1記載のズームレンズの調整方法。 - 調整を行うズームレンズとして、物体側より順に、正の屈折力の固定群である第1群、負の屈折力で変倍のために移動可能となされた移動群である第2群、正の屈折力の固定群である第3群、正の屈折力で変倍による焦点位置の補正及び焦点調節のために移動可能となされた移動群である第4群から構成されたズームレンズを対象とし、
上記第3群の傾きを調節することを特徴とする請求項1記載のズームレンズの調整方法。 - 固定群と移動群とを有し移動群の光軸方向への移動によって焦点距離の変化及び焦点調節が行われるズームレンズと、このズームレンズが形成する像を撮像する撮像素子とを有する撮像装置において、前記ズームレンズの固定群の光軸に対する傾きを調整するにあたって、
撮像素子の受光面内の4箇所以上の測定点における結像状態を測定し、
上記各測定点についてそれぞれ結像状態が最良となるデフォーカス座標を特定し、
上記特定されたデフォーカス座標のうちの3点によって決定される4つ以上の平面を規定し、
上記固定群の光軸に対する傾きを調整することにより上記4つ以上の平面を略一致させる場合における該固定群の傾き量を算出し、
算出された上記固定群の傾き量を目標点として、上記固定群の傾きを調整する
ことを特徴とする撮像装置の調整方法。
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