JP2000121901A - レンズ系光軸調整方法およびレンズ系光軸調整装置 - Google Patents

レンズ系光軸調整方法およびレンズ系光軸調整装置

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JP2000121901A
JP2000121901A JP10314002A JP31400298A JP2000121901A JP 2000121901 A JP2000121901 A JP 2000121901A JP 10314002 A JP10314002 A JP 10314002A JP 31400298 A JP31400298 A JP 31400298A JP 2000121901 A JP2000121901 A JP 2000121901A
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lens system
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illuminance
chart
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Yozo Toho
容三 東方
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ系の偏心を定量的に計測して光軸調整
を自動的に行なう。 【解決手段】 すでに光軸調整されたレンズF2 〜F4
に対してレンズF1 の偏心量を計測してXY微動ステー
ジ12を駆動する。このときの駆動量すなわちレンズF
1 の偏心補正量は、チャート24の2方向の直線パター
ンをレンズ系Fを介してセンサ5に投影し、チャート像
のX方向およびY方向の照度分布からコマフレア量を算
出し、予め計測された参照データと比較することで求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ用レンズや
8ミリビデオカメラ用レンズ等の光学エレメントの組立
時に用いられるレンズ系光軸調整方法およびレンズ系光
軸調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、カメラ用レンズや8ミリビデ
オ用レンズ等の光学エレメントのコンパクト化の要求が
高まるとともに、非球面レンズが多用されるようになっ
ている。このようなレンズ系では、1枚のレンズに許容
される偏心量は数ミクロン以内であり、部品(鏡筒、レ
ンズ)の加工精度だけではこのような光学性能の保証は
不可能であるため、レンズ系の組立時に光軸調整が必要
となっている。
【0003】例えば4枚の単晶レンズを玉枠等に取付け
る際には、各単晶レンズの光軸を一致させる必要があ
り、特に、APSカメラレンズの場合は、各レンズの光
軸を偏心量2〜3ミクロンの範囲内で同軸上に一致させ
ることが要求される。
【0004】図10は一従来例によるレンズ系光軸調整
装置を示すもので、この装置においては、光源100の
下方に投影レンズ101と解像度チャート102を設置
し、チャート像は調整対象となるレンズ系Lによりコリ
メータレンズ103を経てCCDカメラ104上に結像
される。レンズ系Lは組立中であって、単晶レンズL2
〜L4 はすでに玉枠Tに固定ずみであり、最上端の単晶
レンズL1 のみが固定していない状態にある。
【0005】チャート像がレンズ系Lを通過した際、単
晶レンズL2 〜L4 と単晶レンズL1 の光軸が一致して
いればカメラモニタ上のチャート像は解像されて観察さ
れる。チャート像が解像されずに観察された場合は、チ
ャート像が解像されるように単晶レンズL1 をXY方向
に微動調整し、調整が完了すれば単晶レンズL1 を玉枠
Tに接着剤で固定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例によれば、チャート像を作業者が目視で観察しながら
レンズの微動調整を行なうものであるため、解像の判断
には熟練を必要とし、量産性に欠ける。また、調整結果
も個人差があり、5ミクロン以下の目視による判断は難
しく、疲労等による判断間違いも生じるため、信頼性に
乏しかった。
【0007】本発明は上記従来の技術の有する未解決の
課題に鑑みてなされたものであり、レンズ系の偏心状態
を高速かつ高精度で検出し、レンズ系の光軸調整を自動
的に行なって、調整後のレンズをそのまま接着固定でき
る高性能なレンズ系光軸調整方法およびレンズ系光軸調
整装置を提供することを提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明のレンズ系光軸調整装置は、被調整レンズ系
を固定レンズ系の光軸に対して垂直に2次元的に微動さ
せる微駆動ステージ手段と、前記光軸に垂直な2方向の
直線パターンを有するチャートと、照明光によって前記
チャートの前記2方向の直線パターンを前記被調整レン
ズ系と前記固定レンズ系を経てセンサに投影して2つの
直線チャート像を得る投影光学系と、前記2つの直線チ
ャート像の照度分布を前記2方向にそれぞれ検出し、各
照度分布からその最強照度点を中心とするコマフレア量
を算出する演算手段と、前記コマフレア量から得られた
偏心補正量に基づいて前記微駆動ステージ手段を制御す
る制御手段を有することを特徴とする。
【0009】本発明のレンズ系光軸調整方法は、固定レ
ンズ系の光路に被調整レンズ系を保持する工程と、前記
光路に2方向の直線パターンを有するチャートを配設
し、前記被調整レンズ系と前記固定レンズ系を経て前記
2方向の直線パターンをセンサに投影する工程と、投影
された2つの直線チャート像の照度分布を前記2方向に
それぞれ検出し、最強照度点を中心とするコマフレア量
を算出する工程と、算出されたコマフレア量から得られ
た偏心補正量に基づいて前記被調整レンズ系を微動調整
する工程を有することを特徴とする。
【0010】コマフレア量を算出する工程において、最
強照度点を中心とする両側の照度分布の大小2つのスラ
イスレベルを定めて、各スライスレベルの近傍の4点の
照度値から前記両側の照度分布の近似勾配の比を求める
とよい。
【0011】コマフレア量を算出する工程において、最
強照度点を中心とする両側の照度分布の大小2つのスラ
イスレベルを定めて、各スライスレベルを挟む8点の照
度値から前記両側の照度分布の近似勾配の比を求めても
よい。
【0012】コマフレア量を算出する工程において、最
強照度点を中心とする両側の照度分布の大小2つのスラ
イスレベルを定めて、前記照度分布の近似曲線と各スラ
イスレベルの交点を結ぶ2つの直線の勾配の比を求めて
もよい。
【0013】
【作用】鏡筒に固定された固定レンズ系の光軸に対して
被調整レンズ系の光軸が不一致な偏心状態にあると、投
影光学系のセンサに投影される2つの直線チャート像の
少なくとも一方の照度分布が最強照度点を中心として左
右に不均一となるため、この不均一をコマフレア量とし
て定量化し、これに基づいて偏心補正量を求めて被調整
レンズ系を微動調整する。
【0014】すなわち、最強照度点の両側の照度分布の
近似勾配の比をコマフレア量として算出するもので、予
め、レンズ系の偏心量とコマフレア量との関係を測定し
て参照データを用意しておき、被調整レンズ系のコマフ
レア量を参照データと比較することで補正偏心量を求め
て微駆動ステージ手段を駆動し、被調整レンズ系を微動
させる。このようにして自動的に光軸調整を行なったの
ち、被調整レンズ系を鏡筒に接着等の方法で固定する。
【0015】2つの直線チャート像を解析する簡単な演
算によって、高速かつ高精度で偏心補正量を算出し、レ
ンズ系の光軸調整から接着・固定までを自動的に行なう
ことができる。これによって、カメラ用レンズ等の光学
系の高精度化と組立コストの低減等に大きく貢献でき
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0017】図1は一実施の形態によるレンズ系光軸調
整装置を示すもので、これは、レンズF1 〜F4 を有す
るレンズ系Fの鏡筒Kを支持する架台1と、その上方に
配設されたチャート投影ユニット2およびUV照射ユニ
ット3を有する。チャート投影ユニット2は、光源21
とその下方に配設された投影レンズ22とチャート24
を有し、チャート24は、フォーカス調整軸25を図示
しないモータによって駆動することで、光軸方向に移動
可能となっており、必要に応じてチャート像のフォーカ
スを調整する。
【0018】チャート投影ユニット2により投影された
チャート像は、レンズF1 〜F4 からなるレンズ系F
と、投影レンズ22とともに投影光学系を構成するコリ
メータレンズ4を経てセンサ5の撮像面に結像される。
【0019】ここで、レンズF2 〜F4 はすでに光軸調
整を終えて鏡筒Kに固定された固定レンズ系であり、レ
ンズF1 が光軸調整される被調整レンズ系である。該被
調整レンズ系は、1枚のレンズに限らず、複数のレンズ
によって構成されていてもよい。
【0020】レンズF1 は、フィンガ11によって下向
きに鏡筒Kに押えつけられており、かつ、光軸(Z軸)
に垂直なXY方向(2方向)に微駆動ステージ手段であ
るXY微動ステージ12によって移動(微動調節)でき
るように、レンズF1 のコバを斜めの角度を持って把持
されている。なお、鏡筒Kは架台1に固定保持されてい
る。
【0021】レンズ系Fの下方にはコリメータレンズ4
が設けられ、さらに下方に設けたセンサ5の撮像面にチ
ャート像を結像する。センサ5はCCDカメラあるいは
ラインセンサカメラ等の光電変換できるものを用いる。
カメラ制御部51はセンサ5のための電源、クロック等
を有し、画像処理装置6に時系列に変換されたチャート
像の信号を供給する。画像処理装置6は、時系列信号に
変換されたチャート像から後述するようにコマフレア量
の算出を行なう演算手段を有する。
【0022】UV照射ユニット3は、光軸調整作業の終
了後に、光軸上からチャート投影ユニット2が待避する
と同時に、レンズF1 の真上に移動し、その外周部に接
着剤を塗布してUV光を照射する。このようにして接着
剤を硬化させ、レンズF1 を鏡筒Kに固定する。
【0023】XY微動ステージ12は制御装置13の指
示によってX微動軸、Y微動軸用のモータを駆動してフ
ィンガ11をXY方向に微動する。XY微動ステージ1
2を制御する制御手段である制御装置13は、画像処理
装置6内の演算手段によって後述するように算出される
コマフレア量に基づく偏心量を解消するように、XY微
動ステージ12を動かす。
【0024】この工程を繰返すことによりレンズF1
光軸をレンズF2 〜F4 の光軸に合致させたのち、前述
のように、UV照射ユニット3をレンズ系Fの真上に移
動し、接着剤の塗布、UV照射によってレンズF1 の接
着固定を行なう。
【0025】図2は、図1の装置のチャート24を示す
平面図である。これは、センサ5上に明るく投影される
2方向の直線パターンであるチャートパターンPx ,P
y を有し、残りの部分は光を透過しない部分である。各
チャートパターンPx ,Pyのサイズは被調整レンズ系
の光学性能によるが、カメラレンズの場合は、空間周波
数で50本程度に相当する幅すなわち、各チャートパタ
ーンPx ,Py の短辺が10ミクロン程度、長辺は10
0ミクロン程度である。
【0026】なお、チャート24のXY方向と、XY微
動ステージ12のXY移動方向と、センサ5のXY方向
は、ほぼ一致するように装置各部を予め調整しておく。
【0027】図3は、センサ5に結像された2つの直線
チャート像であるチャート像P1 ,P2 を示す。これら
をカメラ制御部51を介して画像処理装置6に取り込
み、その中でチャート像P1 の測定ポイントS1 におけ
るY方向の照度分布を計算すると、図4の(a)に示す
グラフが得られる。同様に、チャート像P2 の測定ポイ
ントS2 におけるX方向の照度分布を計算すると図4の
(b)に示すグラフが得られる。これらの照度分布から
次に述べるコマフレア量の計算を画像処理装置6におい
て行なう。
【0028】測定ポイントS1 の照度分布からはY方向
の光軸ずれ(偏心)によるコマフレア量が算出され、測
定ポイントS2 の照度分布からはX方向の光軸ずれ(偏
心)によるコマフレア量が算出される。
【0029】図5は、コマフレア量の算出方法を原理的
に説明するもので、図4の測定ポイントS1 における照
度分布から以下のような手順でY方向のコマフレア量を
算出する。まず、照度分布のなかから最強照度点である
最大輝度点Aを探し出す。次に、予め設定された方法、
例えば最大照度値×0.9を求めて、これをスライスレ
ベル大の値とする。次に、例えば最大照度値×0.2を
求めて、これをスライスレベル小の値とする。
【0030】次に、大小2つのスライスレベルを表わす
2本の直線B1 ,B2 と照度分布との交点の交点C1
2 ,C3 ,C4 を探し出す。最大輝度点Aを境に、便
宜上照度分布を左右両側に分割し、左側の交点C1 ,C
2 を結ぶ直線D1 を定める。同様に、右側の交点C3
4 を結ぶ直線D2 を定める。次に、直線D1 および直
線D2 とスライスレベル小の直線B2 とがなす角度をθ
1 ,θ2 として、直線D1 ,D2 の勾配の比(tanθ
1 /tanθ2 )を計算し、この値Qy をY方向のコマ
フレア量の数値とする。
【0031】測定ポイントS2 を用いて上記と同様の処
理を行なうことで、X方向のコマフレア量Qx を表わす
数値が得られる。
【0032】レンズ系FのレンズF1 〜F4 の光軸が一
致したとき、コマフレア量Qy ,Qx の値は1.0とな
る。
【0033】図6は、実際の照度の測定値から交点C1
〜C4 を決定する方法の具体例を示す。図5のグラフ
は、照度分布のデータをもとに得られた連続的な近似曲
線で表わされているが、実際の照度分布は図6に示すよ
うに、センサ5のピッチごとに得られるような離散的な
データ列であり、大小スライスレベルとの交点となる照
度値を持つデータがない場合のほうが多い。従って、交
点C1 〜C4 を求めるのに次のように行なう。大小のス
ライスレベルB1 ,B2 が決まったら、照度分布を表わ
すデータ列の左側端からスライスレベル小の値と逐次大
小判別をしてゆき、はじめてスライスレベル小B2 の値
を越えた時のデータを交点C11とし、その照度値を照度
値M1 として左側の端から何個目のデータかをデータナ
ンバーN1として記憶する。同様に、スライスレベル大
1 の値と逐次大小判別をしてゆき、はじめてスライス
レベル大B1 の値を越えた時、そのデータを交点C12
して照度値M2 とデータナンバーN2 を記憶する。
【0034】続いて、右側のデータ列においてスライス
レベル大B1 の値と同様の逐次大小判別をしてゆき、今
度はスライスレベル大B1 の値より小さな値となった
時、その一つ前のデータを交点C13とし、照度値M3
データナンバーN3 を記憶する。さらに、スライスレベ
ル小B2 の値と逐次大小判別をしてゆき、スライスレベ
ル小B2 の値より小さな値となった時、その一つ前のデ
ータを交点C14とし、照度値M4 とデータナンバーN4
を記憶する。
【0035】これらのデータから、以下の式 {(M2 −M1 )/(N2 −N1 )}/{(M4 −M
3 )/(N4 −N3 )} によってQy =tanθ1 /tanθ2 の値を求めるこ
とができる。このようにして、各スライスレベルB1
2 の近傍の4点C11〜C14の照度値から近似勾配の比
を求めることで、コマフレア量を表わす数値が得られ
る。
【0036】図7は、レンズの偏心量と照度分布の関係
を説明するもので、同図の(a)は偏心量+30ミクロ
ン、(b)は偏心量0ミクロン、(c)は偏心量−30
ミクロンであるときの各照度分布を示す。図7の(a)
ではθ1 <θ2 、(b)ではθ1 =θ2 、(c)ではθ
1 >θ2 となり、コマフレア量を表わす数値Q=(ta
nθ1 /tanθ2 )は、図7の(a)ではQ<1.
0、(b)ではQ=1.0、(c)ではQ>1.0とな
り、予め偏心量とコマフレア量を表わす数値Qの関係を
調べてプロットすると図8に示すグラフが得られる。コ
マフレア量を表わす数値Qが1.0より大きいか、小さ
いかによって光軸調整の方向が決まり、1.0にどれだ
け近い値かを判断して、偏心補正量を求めてXY微動ス
テージ12の駆動量を制御する。この作業を繰返して光
軸調整の完了を判断することにより、自動的に光軸調整
を行なうことができる。
【0037】図9は光軸調整の工程を示すフローチャー
トである。まず、ステップ1で演算に用いるパラメータ
の初期化を行ない、機構部を初期位置に設定し、被調整
物(レンズ系F)をセットし、フィンガ11でレンズF
1 を下向きに鏡筒Kに押し付けて把持し、XY微動ステ
ージ12を動かしてレンズF1 を調整しろのほぼ中央に
位置決めする。
【0038】ステップ2においてフォーカス軸25を所
定の基準位置、ここではチャート24がレンズ系Fのほ
ぼ焦点距離にくる位置に設定する。ステップ3において
XY微動ステージ12のXY軸を動かしてレンズF1
基準位置に置く。通常前回の調整結果の位置を基準位置
とすることが多いが、予め定められた固定位置でもよ
い。
【0039】ステップ4でチャート像を用いて前述した
手順によってコマフレア量を表わす値(tanθ1 /t
anθ2 )を画像処理装置6において計算する。得られ
た値をQy とする。
【0040】ステップ5において、コマフレア量Qy
許容値以内かどうかを比較する。この許容値は装置固有
の値となるため予め測定しておく。すなわち、手動にて
モニタ等を用いて光軸合わせを行なったのち、X方向あ
るいはY方向にXY微動ステージ12を定量ずつ微動
し、コマフレア量を表わす値(tanθ1 /tan
θ2)を検出し、得られた値とステージ移動量をプロッ
トして図8に示すグラフを得る。このグラフから許容値
を定める。例えば、許容値の幅を±5ミクロンとするな
ら許容値はほぼ0.80<Qy <1.30、許容値の幅
を±2ミクロンとするなら、0.9<Qy <1.1と決
められる。
【0041】ステップ5でQy が許容値以内でなければ
y から偏心補正量を求めることができる。すなわち、
y =tanθ1 /tanθ2 であるから、Y方向の偏
心補正量は(1−Qy )のk倍となる。
【0042】kは装置固有の定数であり、予め測定して
おいた図8のグラフから決定することができる。すなわ
ち、図8のグラフを直線とみなした時の傾きをkとして
用いることができる。(1−Qy )のk倍だけXY微動
ステージ12のY軸を微動させてステップ4へもどる。
【0043】ステップ5でQy が許容値以内ならステッ
プ7へ進み、ステップ8,ステップ9でチャート像を使
って上記と同様にX方向の偏心を調整する。
【0044】調整が終了してステップ10へ来ると、Y
方向のコマフレア量の測定を確認のために行なう。通
常、X方向の調整とY方向の調整はレンズの性質上干渉
しないが、確認のためにY方向のコマフレア量の測定を
行なう。レンズF1 の製作誤差、組み込み誤差等の原因
でY方向のコマフレア量が許容値以内でなければ、ステ
ップ4へもどり再調整を行なう。Y方向のコマフレア量
が許容値以内ならステップ12でチャート投影ユニット
2が光軸上から待避し、ステップ13でUV照射ユニッ
ト3が光軸上に移動し、接着剤の塗布、UV光の照射を
行ないレンズF1を接着固定する。説明を簡単にするた
めに、X方向とY方向を別々に調整したが、2方向を同
時測定、同時調整することも可能であり、より一層効率
的である。
【0045】なお、フローチャート上では、3個所の繰
り返しループが無限のループの如く表記されているが、
通常行なわれるループ回数制限のソフトウエアカウンタ
の使用については、特に表記していないが用いられてい
ることは言うまでもない。
【0046】本実施の形態によれば、2方向の直線チャ
ート像のそれぞれの照度分布からX方向、Y方向のコマ
フレア量を検出し、レンズ(レンズ系)の偏心を自動的
に解消して接着固定を行なうことができる。コマフレア
量の検出は、チャート像の照度分布に対して2つのスラ
イスレベルを設け、離散データの大小比較により交点を
求めて、最大輝度点を中心に左右2本の直線を設け、そ
の正接の比を求めるものであるから、コマフレア量を短
時間に定量的に計測することができ、かつ、計測値から
調整方向を判別できる。しかも人による目視より計測誤
差が少ないという特筆すべき長所がある。
【0047】また、図6において4点C11〜C14の照度
値を用いる替わりに、照度分布に対して定められた大小
2つのスライスレベルと離散データの大小比較により、
各スライスレベルを挟む8点を求めて、挟まれたスライ
スレベルと挟んだ2点の照度分布の間を直線補間してス
ライスレベルと照度分布との交点を4点求め、最大輝度
点を中心に左右2本の直線による近似勾配の比からコマ
フレア量を求めてもよい。これによって、偏心補正量を
短時間に定量的に、しかもより一層精度よく算出するこ
とができる。
【0048】なお、図1の装置は、コリメータレンズ4
を用いているが、これは、装置をコンパクトにすること
と、チャート位置をレンズ系Fの焦点距離位置におくた
めである。この条件が無視できる場合は、コリメータレ
ンズ4を省略してもよい。
【0049】レンズ系の性質によっては、スプライン近
似等の多項式近似を用いて交点を求め、コマフレア量を
算出してもよい。この場合は、コマフレア量として近似
勾配の比を算出する替わりに、データ値の差分を用いて
も偏心調整を同様に行なうことができる。
【0050】これらはレンズ系のコマフレアの性質、計
算時間、生産タクト、要求精度に応じて、最適なものを
選択すればよい。
【0051】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0052】レンズ系(レンズ)の偏心状態を高速かつ
高精度で検出し、レンズ系の光軸調整を自動的に行なっ
て、調整後のレンズをそのまま接着固定できる。このよ
うなレンズ系光軸調整装置を用いることで、カメラレン
ズ等の光学エレメントの組立精度の向上と組立コストの
低減に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態を示す模式図である。
【図2】図1の装置のチャートのみを示す平面図であ
る。
【図3】センサ上に結像されたチャート像を示す図であ
る。
【図4】図3のチャート像の照度分布を示すもので、
(a)は図3の測定ポイントS1における照度分布、
(b)は図3の測定ポイントS2 における照度分布を示
すグラフである。
【図5】チャート像の照度分布からコマフレア量を算出
する方法を説明する図である。
【図6】交点の決定方法を示す図である。
【図7】偏心量と照度分布の関係を示すグラフである。
【図8】偏心量とコマフレア量の関係を調べた参照デー
タを示すグラフである。
【図9】光軸調整の工程を説明するフローチャートであ
る。
【図10】一従来例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 架台 2 チャート投影ユニット 3 UV照射ユニット 4 コリメータレンズ 5 センサ 6 画像処理装置 11 フィンガ 12 XY微動ステージ 13 制御装置 21 光源 24 チャート 25 フォーカス調整軸 51 カメラ制御部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被調整レンズ系を固定レンズ系の光軸に
    対して垂直に2次元的に微動させる微駆動ステージ手段
    と、前記光軸に垂直な2方向の直線パターンを有するチ
    ャートと、照明光によって前記チャートの前記2方向の
    直線パターンを前記被調整レンズ系と前記固定レンズ系
    を経てセンサに投影して2つの直線チャート像を得る投
    影光学系と、前記2つの直線チャート像の照度分布を前
    記2方向にそれぞれ検出し、各照度分布からその最強照
    度点を中心とするコマフレア量を算出する演算手段と、
    前記コマフレア量から得られた偏心補正量に基づいて前
    記微駆動ステージ手段を制御する制御手段を有するレン
    ズ系光軸調整装置。
  2. 【請求項2】 固定レンズ系の光路に被調整レンズ系を
    保持する工程と、前記光路に2方向の直線パターンを有
    するチャートを配設し、前記被調整レンズ系と前記固定
    レンズ系を経て前記2方向の直線パターンをセンサに投
    影する工程と、投影された2つの直線チャート像の照度
    分布を前記2方向にそれぞれ検出し、最強照度点を中心
    とするコマフレア量を算出する工程と、算出されたコマ
    フレア量から得られた偏心補正量に基づいて前記被調整
    レンズ系を微動調整する工程を有するレンズ系光軸調整
    方法。
  3. 【請求項3】 コマフレア量を算出する工程において、
    最強照度点を中心とする両側の照度分布の大小2つのス
    ライスレベルを定めて、各スライスレベルの近傍の4点
    の照度値から前記両側の照度分布の近似勾配の比を求め
    ることを特徴とする請求項2記載のレンズ系光軸調整方
    法。
  4. 【請求項4】 コマフレア量を算出する工程において、
    最強照度点を中心とする両側の照度分布の大小2つのス
    ライスレベルを定めて、各スライスレベルを挟む8点の
    照度値から前記両側の照度分布の近似勾配の比を求める
    ことを特徴とする請求項2記載のレンズ系光軸調整方
    法。
  5. 【請求項5】 コマフレア量を算出する工程において、
    最強照度点を中心とする両側の照度分布の大小2つのス
    ライスレベルを定めて、前記照度分布の近似曲線と各ス
    ライスレベルの交点を結ぶ2つの直線の勾配の比を求め
    ることを特徴とする請求項2記載のレンズ系光軸調整方
    法。
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