JP2006208932A - 撮像レンズの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の撮像レンズの製造方法は、チャートをチャート表示部160の中央部および周辺部に配置する段階と、チャートの像を受光するための受光素子110を準備する段階と、チャートの像を受光素子110に受光させる段階と、受光素子110を光軸102xの方向に移動させ、複数のチャートのデフォーカス特性に基づいて、光軸に垂直な平面内における一部の光学系102の移動方向及び移動量を決定する段階と、前記決定された移動方向に向けて前記決定された移動量の値だけ光学系102を光軸に垂直な平面内で移動させる段階と、複数の光学系を互いに対して固定する段階とを含む。
【選択図】 図1
Description
特開平6−265766号公報(特許文献1)に開示されている第1タイプの従来技術では、レンズ系光軸調整装置は、第1レンズ系を固定し、第2レンズ系を微動させて、第1レンズ系の光軸と第2レンズ系の光軸を一致させるように構成している。この装置では、第1レンズ系と第2レンズ系に中心光線と、3本以上の輪帯光線を通過させる。これらの光線によりそれぞれ形成された像に対応する信号に基づいて、各像の照度を求める。この照度の分布から得られる中心光線の中心座標と、輪帯光線の重心座標の差を軸上コマ量として算出する。この軸上コマ量に応じて求めた微調心補正量に基づいて、第2レンズ系を繰り返し微動させて、第1レンズ系の光軸と第2レンズ系の光軸を自動的に一致させることができる。
特開2004−286958号公報(特許文献2)に開示されている第2タイプの従来技術では、第1のレンズ枠は、第2のレンズ枠に対して、光軸に垂直な基準面に沿ってシフト可能であり、かつ、各光学系の光軸の周りに回転可能である。光源からの光をチャート面を介して第3光学系、第4光学系を透過させる。この透過を第1光学系、第2光学系に透過させる。第1光学系が第2光学系に対して正しく調心されていれば、投影面上に光源の像が最も適正な状態で投影される。第1のレンズ枠のシフト調整および回転調整は、投影面に投影された投影像の解像度の解像品質を評価しながら行う。
特開2003−307661号公報(特許文献3)に開示されている第3タイプの従来技術では、偏芯確認チャートの中央部および四隅を切り出し、各部分の画像データを縦方向に3分割し、各画像データにおける輝度レベルを算出し、それらの平均値を求めている。そして、レンズの合焦位置を求めている。さらに、輝度値の補正係数を算出している。さらに、この補正係数に基づいて、合焦位置を基準にして、低域側の各解像度評価値、高域側の各解像度評価値が所定の範囲内になるようにレンズを移動させている。
上記の第1タイプの従来技術では、特に、非球面レンズを多数使用し、周辺部まで高い光学特性が要求されるような場合、周辺部の片ぼけなどを矯正するのが困難である。
上記の第2タイプの従来技術では、調心のために回転方向の調整も行うが、第1のレンズ枠の回転動作により性能のピーク位置を検出するためには、180度以上回転させる必要がある。このため、事前に接着剤を塗布する場合、回転調整によって接着剤が接着部を全周覆う。したがって、特開平11−231190号公報(特許文献4)に記載されているように、空気膨張などの影響を受けやすく、硬化時および硬化後の光学性能の変化を招くおそれがあった。すなわち、この方法では、調心後に接着剤を塗布しなければならないという制約が発生する。これは、φ7mm*5mm程度の部品用スペースしか許されず、接着剤塗布箇所の鏡筒の肉厚が0.5mm程度である携帯電話用レンズのような小型レンズにとっては、著しい不具合になっていた。また、第1のレンズ枠を回転動作させるために、回転動作調節用の機械が複雑で高価になり、調整時間が長くなる課題があった。また、鏡筒に回転用の構造が必要となり、部品点数の増加や、部品用スペースの増大につながっていた。これは、携帯電話用レンズのような小型レンズにとって、致命的な欠点になるおそれがあった。
上記の第3タイプの従来技術では、レンズを移動させるための判断および計算に必要なステップ数が非常に多く、タクト時間の面で問題となるおそれがあった。特に、携帯電話用レンズのような小型レンズの場合、その生産数量は調心部のタクト時間に大幅に依存している。一般的な携帯電話用レンズの生産台数である月産20万台を達成するには、自動調心機の稼動率を1日22時間、1ヶ月28日とすると、1台当たり11.88秒/台で鏡筒設置から調心および調心後の仮硬化までを行わなければならない。したがって、このような生産の場合、タクト時間を如何に短縮するかが特に重要な課題であった。
本発明の目的は、小型で構成がシンプルな製造装置を用いて、共通の光軸を有する複数の光学系を含む撮像レンズを製造することができる製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、共通の光軸を有する複数の光学系を含む撮像レンズを短時間で効率的に製造することができる製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、共通の光軸を有する複数の光学系を含む撮像レンズを短時間で効率的に製造することができる製造装置を提供することにある。
以下に、本発明の撮像レンズの製造装置の構成と作用について説明する。図1〜図3を参照すると、本発明の実施の形態において、共通の光軸を有する複数の光学系、例えば、第1光学系102、第2光学系104を含む撮像レンズ106を製造するためのレンズ製造装置100は、第1光学系102、第2光学系104を通るチャート(図示せず)の像を受光するための受光素子110と、受光素子110を第1光学系102、第2光学系104の光軸102xに沿う方向に移動させるためのZ方向移動装置120と、前記光軸102xに垂直な平面内において複数の光学系のうちの一部の光学系、例えば、第1光学系102を移動させるためのXY方向移動装置130と、前記複数の光学系のうちの残りの光学系、例えば、第2光学系104を支持するための光学系支持装置140とを備える。例えば、縦縞及び/又は横縞を含むように形成された複数のチャートがチャート表示部160に配置される。前記光軸102xがチャート表示部160の中心を通るように、チャート表示部160を配置するのが好ましい。
次に、本発明の撮像レンズの製造方法について説明する。本発明の方法は、共通の光軸を有する複数の光学系を含む撮像レンズの製造に関するものである。本発明の方法では、 コントラストを測定するためのチャートをチャート表示部の中央部および周辺部に配置する。図8を参照すると、チャート表示ユニット160aは、チャート表示部160の中央部に配置され、チャート表示ユニット160b〜160eは、チャート表示部160の周辺部にほぼ点対称に配置される。すなわち、チャートは、チャート表示部160において、中央部と、4箇所の周辺部とに配置されるのが好ましい。
次に、本発明の方法を用いて製造することができる撮像レンズの他の構造について説明する。図19を参照すると、本発明の方法を用いて製造することができる撮像レンズの他の第1構造が示されている。第1光学系502は、第1レンズ502aを含むように構成される。第2光学系504は、第2レンズ504aと第3レンズ504bを含むように構成される。第1光学系502は、前枠503によって支持される。第2光学系504は、後枠505によって支持される。UV接着剤塗布箇所505dは、前枠503の後端面の外周部付近と、後枠505の前端面の外周部付近との間に位置している。フランジバック調整用ねじ505fが、後枠505の外周部に形成される。第1レンズ502aの後面の外周部付近のリング状平面部の一部は、第2レンズ504aの前面のリング状平面部の一部に接触するように構成することができる。前述した本発明の方法を用いて、前枠503を後枠505に対してアライメント処理後、UV接着剤塗布箇所505dにUVを照射し、前枠503を後枠505に対して固定することができる。
次に、本発明の方法を用いて製造することができる撮像レンズを用いた撮像装置の一例として、携帯電話ユニットの構造について説明する。図21を参照すると、携帯電話ユニット600は、ユニット本体602を備える。複数の操作用キー610と、表示部612とがユニット本体602の上面に設けられる。本発明の方法を用いて製造することができる撮像レンズ620は、AFアクチュエータ622に固定される。撮像レンズ620の光学系が固定焦点である場合、AFアクチュエータ622を用いなくてもよいが、AFアクチュエータ622を用いると、ピント合わせの機能を向上させることができる。撮像レンズ620の外周に設けられた雄ねじ部(図示せず)を、AFアクチュエータ622の撮像レンズ支持部の雌ねじ(図示せず)にねじこむことによって、撮像レンズ620をAFアクチュエータ622に対して固定することができるように構成される。AFアクチュエータ622は、ユニット本体602に対して配置することができる。CCD・DSPモジュール630がユニット本体602に対して配置される。CCD・DSPモジュール630は、受光素子を構成するCCDと、CCDが受光した画像に関する信号の処理を高速化させるためのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)とを含んでいる。以上説明したように、「レンズモジュール」は、撮像レンズ620、AFアクチュエータ622、受光素子(CCD)およびデジタルシグナルプロセッサ(DSP)で構成されている。撮像レンズ620の光学系を通る光は、CCD・DSPモジュール630の内部に配置された受光素子(CCD(図示せず))に入射するように構成される。CCD・DSPモジュール630の内部に配置された受光素子に入射された被写体の像は、画像処理部(図示せず)によって演算処理され、表示部612に表示することができ、また、画像記録部(図示せず)に記録されるように構成される。
102 第1光学系
103 前枠
104 第2光学系
105 後枠
106 撮像レンズ
110 受光素子
120 Z方向移動装置
122 Z昇降ステージ
130 XY方向移動装置
140 光学系支持装置
150 前枠保持冶具
160 チャート表示部
Claims (13)
- 共通の光軸を有する複数の光学系を含む撮像レンズの製造方法において、
コントラストを測定するためのチャートをチャート表示部の中央部および周辺部に配置する段階と、
前記複数の光学系を通る前記チャートの像を受光するための受光素子を準備する段階と、
前記複数の光学系を通った前記チャートの像を前記受光素子に受光させる段階と、
前記受光素子を前記光軸方向に移動させ、複数のチャートのデフォーカス特性に基づいて、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量を決定する段階と、
前記決定された移動方向に向けて前記決定された移動量の値だけ前記複数の光学系のうちの一部の光学系を前記光軸に垂直な平面内で移動させる段階と、
前記複数の光学系を互いに対して固定する段階と、
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法であって、前記チャートは、前記チャート表示部の中央部と、周辺部の複数の箇所とに配置され、前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量を決定する段階は、前記受光素子を前記光軸方向に移動させ、前記周辺部に配置した複数のチャートのデフォーカス特性に基づいて、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量を決定することからなることを特徴とする方法。
- 請求項1又は2に記載の方法であって、さらに、
前記受光素子を前記光軸方向に移動させ、前記中央部および前記周辺部に配置した複数のチャートのデフォーカス特性に基づいて、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の調整が完了したかどうかを判断する段階を含み、
前記チャートは、前記チャート配置部の中央部と、4箇所の周辺部とに配置され、
前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の調整が完了したかどうかを判断する段階は、前記受光素子を前記光軸方向に移動させ、前記中央部に配置したチャートのコントラスト・ピーク値での、前記4箇所の周辺部に配置したチャートのコントラストの値に基づいて、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の調整が完了したかどうかを判断することからなることを特徴とする方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量は、第1の対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の比較と、前記第1の対角線方向と異なる方向である第2の対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の比較とにより決定されることを特徴とする方法。
- 請求項4に記載の方法であって、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量は、前記第1の対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の差に基づいて算出される第1ベクトルと、前記第2の対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の差に基づいて算出される第2ベクトルとを求め、前記第1ベクトルと前記第2ベクトルのベクトル和を求めることによって決定されることを特徴とする方法。
- 請求項4又は5に記載の方法であって、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向は、対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の比較において、像面位置が前ピン側にあるほうのチャート位置から、像面位置が後ピン側にあるほうのチャート位置へ向かって、前記複数の光学系のうちの一部の光学系を移動させる方向として決定されることを特徴とする方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、前記チャート表示部は、中心からの距離が異なる位置に配置されたチャートを含むように構成され、前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量を決定する段階は、前記受光素子を前記光軸方向に移動させ、前記中心に近い方の位置に配置されたチャートのデフォーカス特性に基づいて、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量を最初に決定することからなることを特徴とする方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、前記チャートのデフォーカス特性は、前記チャートのCTFを測定することによって求められることを特徴とする方法。
- 共通の光軸を有する複数の光学系を含む撮像レンズを製造するためのレンズ製造装置において、
コントラストを測定するための複数のチャートを含むチャート表示部と、
前記複数の光学系を通る前記チャートの像を受光するための受光素子と、
前記受光素子を前記光軸方向に移動させるためのZ方向移動装置と、
前記光軸に垂直な平面内において前記複数の光学系のうちの一部の光学系を移動させるためのXY方向移動装置と、
前記複数の光学系のうちの残りの光学系を支持するための光学系支持装置と、
前記複数の光学系を通った前記チャートの像を前記受光素子に受光させ、前記受光素子を前記光軸方向に移動させ、複数のチャートのデフォーカス特性とに基づいて、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量を決定し、前記決定された移動方向に向けて前記決定された移動量の値だけ前記複数の光学系のうちの一部の光学系を前記光軸に垂直な平面内で移動させるための光学系移動装置と、
を備えることを特徴とするレンズ製造装置。 - 請求項9に記載のレンズ製造装置であって、
前記受光素子を前記光軸方向に移動させ、前記中央部および前記周辺部に配置した複数のチャートのデフォーカス特性に基づいて、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の調整が完了したかどうかを判断することができるように構成され、
前記チャートは、前記チャート配置部の中央部と、4箇所の周辺部とに配置され、
前記レンズ製造装置は、前記受光素子を前記光軸方向に移動させ、前記中央部に配置したチャートのコントラスト・ピーク値での、前記4箇所の周辺部に配置したチャートのコントラストの値に基づいて、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の調整が完了したかどうかを判断することができるように構成される、
ことを特徴とするレンズ製造装置。 - 請求項9又は10に記載のレンズ製造装置であって、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量は、第1の対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の比較と、前記第1の対角線方向と異なる方向である第2の対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の比較とにより、前記光学系移動装置によって決定されるように構成されていることを特徴とするレンズ製造装置。
- 請求項11に記載のレンズ製造装置であって、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向及び移動量は、前記第1の対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の差に基づいて算出される第1ベクトルと、前記第2の対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の差に基づいて算出される第2ベクトルとを求め、前記第1ベクトルと前記第2ベクトルのベクトル和を求めることにより、前記光学系移動装置によって決定されるように構成されていることを特徴とするレンズ製造装置。
- 請求項11又は12に記載のレンズ製造装置であって、前記光軸に垂直な平面内における前記複数の光学系のうちの一部の光学系の移動方向は、対角線方向に配置された2つのチャートのコントラスト・ピーク値となる各像面位置の比較において、像面位置が前ピン側にあるほうのチャート位置から、像面位置が後ピン側にあるほうのチャート位置へ向かって、前記複数の光学系のうちの一部の光学系を移動させる方向として、前記光学系移動装置によって決定することができるように構成されることを特徴とするレンズ製造装置。
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