JP4659849B2 - 偏光ガラスおよび偏光ガラスの製造方法 - Google Patents

偏光ガラスおよび偏光ガラスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、偏光ガラスおよびその製造方法に関する。本発明は、特に、ハロゲン化金属を含むガラスプリフォームを延伸した偏光ガラスおよびその製造方法に関する。
光を直線偏光にする偏光子は、液晶テレビ、液晶プロジェクター等の映像機器をはじめ、光通信分野など広く用いられている。偏光子には、有機および無機異種相による吸収型偏光子、結晶系複屈折偏光子、無機多層薄膜系偏光子等があるが、上記映像機器には、主に有機吸収型偏光子が用いられている。
有機吸収型偏光子は、不要な偏光成分を吸収するので迷光が少なく、また、薄板状に容易に加工することができるので、組み込む機器の設計の自由度が高い。しなしながら、光や熱に対する耐性が低く、特に光源出力の大きな映像機器では、透過率およびコントラスト比などの光学性能の経時劣化が問題となる。これは、上記有機吸収型偏光子が、可視光の波長帯域(400nm〜800nm、以下において「可視域」と略称する)内のとりわけ緑色光の波長帯域(500nm〜600nm、以下において「緑色域」と略称する)の光を吸収したときに、当該有機吸収型偏光子に含まれる有機色素が光分解することによる。
これに対し、偏光ガラスに代表される無機吸収型偏光子は、上記有機吸収型偏光子のように光の吸収に起因する光学性能の経時劣化が生じにくく、耐熱性にも優れることから、上記映像機器への適用が期待されている。可視域において比較的良好な光学特性を有する無機吸収型偏光子としては、例えば特許文献1に開示されているようなガラス製偏光子が知られている。
特開平8−50205号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたガラス製偏光子においても、可視域における上記緑色域では実用上要求される光学特性(例えばTE波の透過率で75%以上およびコントラスト比で1000:1)を有するとは言い難く、緑色域で優れた光学特性を有する無機吸収型偏光子が求められている。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば偏光ガラスの製造方法であって、銀イオンおよびハロゲンイオンを含むガラスを溶解した後に、銀イオンおよびハロゲンイオンが分散したガラス内にハロゲン化銀粒子を析出させてガラスプリフォームを作製する析出工程と、ガラスプリフォームを所定温度で加熱延伸することにより、ハロゲン化銀粒子が延伸された延伸ハロゲン化銀粒子を含むガラスシートを作製する延伸工程と、ガラスシートをガラスの転移点温度以下かつ歪点温度以上の温度まで加熱してアニール処理するアニール工程と、アニール工程においてアニール処理したガラスシートにおける延伸ハロゲン化銀粒子を延伸銀粒子に還元する還元工程とを備え、析出工程において作製されたガラスプリフォームは、Gフィルターで透過される波長領域の光に対するhazeが0.3%から1.3%である偏光ガラスの製造方法が提供される。
また、上記析出工程において、ガラスを、ガラスの屈伏点温度の上下30℃の範囲にて少なくとも2時間保持した後、ガラスの軟化点温度より20℃低い温度からガラスの軟化点温度より30℃高い温度にて5時間以下の特定時間だけ保持することが好ましい。
また、上記還元工程において、ガラスシートを、ガラスのガラス転移点温度より少なくとも20℃低い温度にて0.5時間から4時間の間の特定時間だけ保持することが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第2の形態によれば、偏光ガラスであって、銀イオンおよびハロゲンイオンを含むガラスを溶解した後に、銀イオンおよびハロゲンイオンが分散したガラス内にハロゲン化金属粒子を析出させてガラスプリフォームを作製する析出工程と、ガラスプリフォームを所定温度で加熱延伸することにより、ハロゲン化銀粒子が延伸された延伸ハロゲン化銀粒子を含むガラスシートを作製する延伸工程と、ガラスシートをガラスの転移点温度以下かつ歪点温度以上の温度まで加熱してアニール処理するアニール工程と、アニール工程においてアニール処理したガラスシートにおける延伸ハロゲン化銀粒子を延伸銀粒子に還元する還元工程とを備え、析出工程において作製されたガラスプリフォームは、Gフィルターで透過される波長領域の光に対するhazeが0.3%から1.3%である製造方法により製造される偏光ガラスが提供される。

また、上記偏光ガラスは、Gフィルターで透過される波長領域の光に対するhazeが1%から3%であることが好ましい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、析出工程において、Gフィルターで透過される波長領域の光に対するhazeが0.3%から1.3%のガラスプリフォームを作製することにより、可視域において良好な光学特性を有する偏光ガラスを得ることができる。特に、緑色域(500nm〜600nm)において透過率で75%以上およびコントラスト比で1000:1の優れた光学特性を有する偏光ガラスを製造することができる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本実施形態にかかる偏光ガラスの製造方法(以下、「本製法」と略称する)は、少なくとも金属イオンおよびハロゲンイオンを含む母材ガラスを準備する準備工程と、金属イオンおよびハロゲンイオンが分散した母材ガラス内にハロゲン化金属粒子を析出させてガラスプリフォームを作製する析出工程と、析出工程で作製したガラスプリフォームを所定温度で加熱延伸することによりハロゲン化金属粒子が延伸された延伸ハロゲン化金属粒子を含むガラスシートを作製する延伸工程と、延伸工程で作製したガラスシートをガラスの転移点温度以下かつ歪点温度以上の温度まで加熱してアニール処理するアニール工程と、アニール工程においてアニール処理したガラスシート内の延伸ハロゲン化金属粒子を還元処理して延伸金属粒子に還元する還元工程とを備える。
準備工程では、例えば、ガラス原料とハロゲン化金属原料とを溶融混合した後に固化して母材ガラスとする。この場合において、ガラス原料として例えばアルミノホウケイ酸ガラスを、ハロゲン化金属原料として例えば塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)およびヨウ化銀(AgI)などの銀のハロゲン化物を用いることが好ましい。
また、上記準備工程において、ガラス原料に含まれるナトリウムを、他の金属イオンとイオン交換して当該金属イオンを注入することにより、母材ガラスを生成してもよい。イオン交換の一例は、母材ガラスを溶融塩に浸漬する方法である。浸漬に用いる塩の一例は、注入する金属イオンを含む適当な混合塩である。例えば銀イオンを注入する場合、硝酸銀とアルカリ金属硝酸塩との混合物等を用いることが好ましい。また、イオン交換の他の例は、注入する金属を母材ガラスに蒸着し、この蒸着膜に電圧を印加してイオン交換する方法である。
析出工程では、金属イオンおよびハロゲンイオンを含む母材ガラスを溶解した後に、母材ガラス内に分散された金属イオンおよびハロゲンイオンを所定粒径に析出させてガラスプリフォームを作製する。具体的には、まず、上記金属イオンおよびハロゲンイオンが分散されている母材ガラスを溶解した後、この溶解した母材ガラスを、板状もしくはブロック状に成形する。その後、この成形したガラスを加熱してハロゲン化金属粒子を析出させる。この析出において、ガラスの屈伏点温度の上下30℃の範囲にて少なくとも2時間保持した後、ガラスの軟化点温度より20℃低い温度からガラスの軟化点温度より30℃高い温度にて5時間以下の特定時間だけ保持する。この加熱により、上記成形したガラス内にハロゲン化金属粒子が析出する。ここで、析出するハロゲン化金属粒子析出するハロゲン化金属粒子は、例えば、AgCl、AgBrもしくはAgClBrの混晶と考えられる。次に加熱後のガラスを短冊形状に切り出してガラスプリフォームを作製する。
延伸工程では、上記析出工程においてその内部にハロゲン化金属粒子が析出したガラスプリフォームを加熱延伸する。図1は、延伸工程に用いる延伸装置100の構成を示す概略図である。図2は、延伸装置100における引張手段40の構成を示す概略図である。また、図3は、ガラスプリフォーム11が延伸工程において延伸される場合に、ガラスプリフォーム11内のハロゲン化金属粒子30が延伸される様子を示す概略図である。
図1に示すように、延伸装置100は、電気炉17と、電気炉17の内部に設けられてガラスプリフォーム11の長手方向の一端が固定されるガラス支持具15と、同じく電気炉17の内部に設けられたメインヒータ20、サブヒータ22、24、26、およびサイドヒータ28と、ガラスプリフォーム11の長手方向に関して上記の各種ヒータより下方に設けられた引張手段40とを備える。延伸工程では、まず、ガラスプリフォーム11は、メインヒータ20、サブヒータ22、24、26、およびサイドヒータ28で加熱される。次に、この加熱と並行して、ガラスプリフォーム11の長手方向の一端を固定するガラス支持具15を引張手段40の側にゆっくり移動させながら、引張手段40でガラスプリフォーム11の他端を長手方向に引っ張る。これにより、ガラスプリフォーム11は引張方向に応力が加えられて引き延ばされる。
延伸工程における上記加熱時において、ガラスプリフォーム11は、その幅方向の収縮が生じる延伸部13における短冊形状の正面から、延伸部13の幅方向の中心付近を加熱するメインヒータ20と、延伸部13における短冊形状の側方から、延伸部13の側面を加熱するサイドヒータ28と、メインヒータ20の上方に所定の間隔で配されるサブヒータ22、24及び26で加熱される。
メインヒータ20と、サブヒータ22、24及び26は、ガラスプリフォーム11よりやや幅が広い。また、メインヒータ20、サブヒータ22、24、26、およびサイドヒータ28の出力は、それぞれ独立して制御され、ガラスプリフォーム11およびガラスプリフォーム11に含まれるハロゲン化金属粒子30は、これらが良好に延伸される温度分布に加熱される。サブヒータ22、24、及び26は、延伸部13の上方を段階的に加熱する。
図2に示すように、引張手段40は、ガラスシート19の表裏面を挟む一対のローラ42、44と、これら一対のローラ42、44のそれぞれと一体的に回転する従動軸43、45と、これら従動軸43、45を機械的に同期して回転させる駆動軸46と、この駆動軸46に回転駆動力を与えるモータ47とを有する。従動軸43、45には互いにピッチの等しいねじり歯車が形成され、駆動軸46には従動軸43、45に形成されたねじり歯車にそれぞれ噛み合う歯車が形成される。
上記延伸工程により、図3に示すように、ガラスプリフォーム11およびその内部に含むハロゲン化金属粒子30は引き延ばされて、延伸された延伸ハロゲン化金属粒子32を内部に含んだガラスシート19が作製される。なお、上記延伸工程により作製されるガラスシート19の厚さの誤差は、延伸応力等の条件を最適に設定することにより、例えば±50μm以下にまで平坦化することができる。この場合、後述するアニール工程を経たガラスシート19を研磨する工程を省略することができるので、研磨する工程を入れた場合と比べて大幅なコストダウンとなる。
アニール工程では、上記延伸工程により作製されたガラスシート19を、ガラスの転移点温度以下かつ歪点温度以上の温度まで加熱して冷却する。ここで、アニール工程は、熱処理や切削加工などによって個体材料の内部構造に生じる残留応力(残留歪)の緩和を目的とした加熱および冷却の操作、所謂焼きなましを含む。本実施形態において、アニール工程は、上記ガラスシート19内部の残留歪を除去することを目的とした加熱および冷却の操作を含む。
アニール工程において、上記ガラスシート19の熱物性およびガラスシート19に含まれる延伸ハロゲン化金属粒子32の融点は、ガラスシート19の歪点温度と近い。よって、ガラスシート19の転移点温度以下かつ歪点温度以上の温度領域において、ガラスシート19内の延伸ハロゲン化金属粒子32は溶解していると考えられる。しかしながら、ガラスシート19自体は剛性状態を維持しており、延伸ハロゲン化金属粒子32は溶解した状態でも周囲のガラス相によって延伸された形状のまま保持される。
仮に、ガラスシート19を転移点温度以上まで加熱すると、ガラスが粘弾性状態となり、ガラスシート19内の延伸ハロゲン化金属粒子32が再球状化してアスペクト比が低下する。よって、消光比の低下など偏光ガラスとして所望の光学的特性を得ることが難しい。一方、ガラスシート19を歪点温度以下までしか加熱しないと、ガラスシート19内部の残留歪を除去しにくい。
本実施形態のアニール工程においては、アニール炉内でガラスシート19をガラスの転移点温度以下かつ歪点温度以上である温度に加熱後、およそ2時間保持し、その後、歪点温度よりも低い温度まで毎分1℃以下のペースでゆっくりと降温させてから炉内で自然放冷する。
還元工程では、上記アニール工程を経たガラスシート19内部の延伸ハロゲン化金属粒子32の少なくとも一部を還元処理して延伸金属粒子に還元することにより、ガラスシート19に偏光特性を与えて偏光ガラスとする。具体的には、例えば水素雰囲気である還元炉内にガラスシート19を載置して加熱することによって、ガラスシート19の表面から所望の厚さに含まれる延伸ハロゲン化金属粒子32内の金属イオンを還元する。この厚さは、還元温度(還元炉内の雰囲気温度)または還元時間によって制御することができる。
上記還元工程を経て製造された偏光ガラスは、上記のように延伸ハロゲン化金属粒子32が還元された延伸金属粒子を内部に含む。この延伸金属粒子は、形状が楕円体の金属粒子であり、偏光ガラスの内部に分散・配向して含まれる。この延伸金属粒子の金属の特性および形状は、偏光ガラスの偏光特性に大きな影響を及ぼす。以下に、金属の光学特性とその金属を含む偏光ガラスの偏光特性との関係について説明する。
偏光ガラスは、ガラスの内部または表面に分散・配向された金属の二色性を利用している。二色性は、偏光ガラスに入射した一つの光軸を持つ直線偏光に対する分光吸収係数と、その直線偏光と直交する直線偏光に対する分光吸収係数とが異なる性質であり、それぞれの分光吸収係数の差は、金属の種類によって異なる。したがって、偏光軸が直交する二つの直線偏光のうち一方の直線偏光に対しては吸収が少なく、他方の直線偏光に対してはより大きな吸収を示す金属が偏光ガラスに用いるのに適している。ここで、より大きな吸収には、金属のプラズマ共鳴吸収が大きく寄与する。すなわち、プラズマ共鳴吸収を示すエネルギーでは、入射した光の大部分は金属に吸収されるので、特定の金属が分散・配向された偏光ガラスにその金属がプラズマ共鳴吸収を示す波長の光を入射した場合、その光の透過率は低くなる。
このようなプラズマ共鳴吸収は、金属内でバンド間遷移が起きることによって生じると考えられる。また、プラズマ共鳴吸収は、金属の形状が球であるか楕円体であるかに関わらず生じる。また、プラズマ共鳴吸収を示す波長は、金属の形状が球である場合は、TE波およびTM波の区別なく特定の波長であるのに対し、金属の形状が楕円体である場合は、TE波とTM波とで異なる。ここで、TE波(S波)は、楕円体である金属の長軸に対して垂直に電場が振動する波であり、TM波(P波)は、楕円体である金属の長軸に対して平行に電場が振動する波である。
また、金属の形状が楕円体である場合は、TM波のプラズマ共鳴吸収を示す波長は、当該楕円体の長軸と短軸との比であるアスペクト比(長軸/短軸)が大きくなる、すなわち金属粒子が細長くなるのに伴って長波長側にシフトする。これに対し、TE波のプラズマ共鳴吸収を示す波長は、アスペクト比が大きくなるのに伴って、アスペクト比が1のときのプラズマ共鳴吸収を示す波長から僅かに短波長側にシフトするものの、ほぼ一定となる。よって、金属は、球状である場合は二色性を示さず、楕円体形状である場合は二色性を示す。
例えば上記金属が銀の場合、すなわち、上記延伸金属粒子として形状が楕円体である銀粒子を分散・配向した偏光ガラスでは、TM波は、380nmより長波長側の可視域でプラズマ共鳴吸収を示して透過率が低くなる。また、TE波は、380nm近傍でプラズマ共鳴吸収を示して透過率が低くなるとともに、可視域における特に緑色域よりも長波長側において透過率が高くなる。
これに対し、上記金属が銅の場合、すなわち、上記延伸金属粒子として形状が楕円体である銅粒子を分散・配向した偏光ガラスでは、TM波は、570nmより長波長側の可視域でプラズマ共鳴吸収を示して透過率が低くなる。また、TE波は、上記緑色域である570nm近傍でプラズマ共鳴吸収を示して透過率が低くなる。
以上により、銀を分散・配向した偏光ガラスは、銅を分散・配向した偏光ガラスと比べて、可視域における特に緑色域よりも長波長側において、TE波とTM波との透過率の比であるコントラスト比が高くなる。したがって、本実施形態の偏光ガラスの製造方法において、準備工程で準備する母材ガラスには、銀イオンを分散させることが好ましく、これにより、上記製造方法によって製造される偏光ガラスに延伸金属粒子として形状が楕円体である銀の粒子を分散・配向させることができる。
図4は、haze(ヘイズまたは曇度とよばれることもある)が種々異なるガラスプリフォーム11に、可視域の非偏光を透過したときの波長帯域と透過率の関係を示すグラフである。図5は、ガラスプリフォーム11のhazeと、当該ガラスプリフォーム11から製造される偏光ガラスのコントラスト比の関係を示すグラフである。なお、図4および図5に示す関係を得るために用いたガラスプリフォーム11は、本実施形態の製造方法の上記析出工程までの各工程を経て作製されたものであり、その厚さは2mmである。ここで、ガラスプリフォーム11のhazeの値は、ガラスプリフォーム11に光を透過したときの全透過光に占める散乱光の割合を百分率で示したものである。本実施形態においては、偏光ガラスの可視光の波長領域の振る舞いに着目するので、一例として、緑色の波長領域の光について、上記百分率を測定した。より具体的には、本実施形態において、ガラスプリフォーム11のhazeの値は、ガラスプリフォーム11にハロゲンランプから光を照射し、当該ガラスプリフォーム11を透過した光をGフィルターでフィルタリングして受光器で受光することにより測定した。ここで、ハロゲンランプは、可視光の波長領域を含む360nmから3000nm程度の波長領域の非偏光を照射する。また、図12に一例を示すように、Gフィルターは、緑色の光の波長領域、すなわち、520nmから590nmの領域に最大透過率を有するフィルターである。また、図5に示す偏光ガラスのコントラスト比は、中心波長が緑色域である可視域の光(TE波およびTM波)に対するコントラスト比である。
図4に示すように、ガラスプリフォーム11は、hazeが小さいほど可視域での透過率が高くなる。ガラスプリフォーム11が延伸工程および還元工程等を経て製造される偏光ガラスではコントラスト比に関係するTE波の透過率が重要であるが、この偏光ガラスにおけるTE波の透過率は、ガラスプリフォーム11の上記透過率と正の相関を有することが知られている。また、ガラスプリフォーム11と偏光ガラスとの厚さの違いおよび内部に含まれる金属粒子の形状の違いなどにより、可視域では、ガラスプリフォーム11の上記透過率は、偏光ガラスのTE波の透過率に比べて10%〜30%低くなる。以上により、本実施形態の製造方法で、少なくとも緑色域においてTE波の透過率が75%以上となる偏光ガラスを製造するためには、上記析出工程において上記透過率が60〜70%以上であるガラスプリフォーム11を作製することが好ましい。したがって、析出工程では、hazeがおよそ1.5%以下のガラスプリフォーム11を作製することが好ましい。
また、図5に示すように、ガラスプリフォーム11のhazeが小さいほど、当該ガラスプリフォーム11から製造される偏光ガラスのコントラスト比は高くなり、特にガラスプリフォーム11のhazeがおよそ2%よりも小さくなると、上記偏光ガラスのコントラスト比が急激に高くなる。また、偏光ガラスの緑色域におけるコントラスト比が1000:1以上となるガラスプリフォーム11のhazeは、およそ1.3%以下である。以上により、緑色域においてTE波の透過率が75%以上であり、かつ、コントラスト比が1000:1以上である偏光ガラスを製造するためには、上記析出工程においてhazeがおよそ1.3%以下のガラスプリフォーム11を作製することが好ましい。
また、上記析出工程では、上記のように母材ガラス内にハロゲン化金属粒子30を析出させるが、このハロゲン化金属粒子30の析出は、ハロゲン化金属粒子30の核生成と核成長とに段階が分かれる。すなわち、上記析出工程では、まず、母材ガラス内にハロゲン化金属粒子30の核を生成させるべく所定温度(核生成温度)に加熱して所定時間だけ保持した後、母材ガラス内に生成したハロゲン化金属粒子30の核を成長させるべく所定温度(核成長温度)に加熱して所定時間だけ保持する。これら核生成および核成長それぞれにおける温度および時間の条件は、析出するハロゲン化金属粒子30の数と粒径に大きく影響する。本実施形態の製造方法においては、上記核生成温度は母材ガラスの屈伏点温度の上下30℃の範囲であることが好ましく、この範囲の温度にて少なくとも2時間保持することにより、母材ガラス内にハロゲン化金属粒子30の核を効率よく生成させることができる。
また、上記核成長温度は、母材ガラスの軟化点温度以上であると核の成長速度が速いので好ましいが、核成長温度の上昇とともにガラスプリフォーム11のhazeが急激に高くなるので、hazeが必要以上に高くなる場合がある。また、核成長温度が母材ガラスの軟化点温度より大幅に低いと核の成長に時間がかかるので製造上好ましくない。以上により、母材ガラスの軟化点温度より20℃低い温度から母材ガラスの軟化点温度より30℃高い温度にて5時間以下の範囲で一定時間保持することが好ましい。
核生成と核成長の温度と時間が上記の範囲であれば、上記析出工程において、より多くのハロゲン化金属粒子30を析出させつつ、hazeがおよそ1.3%以下のガラスプリフォーム11を作製することができる。
図6は、ガラスプリフォーム11のhazeと、当該ガラスプリフォーム11に含まれるハロゲン化金属粒子30の平均粒径の関係を示すグラフである。また、図7は、ガラスプリフォーム11のhazeと、当該ガラスプリフォーム11から製造される偏光ガラスが延伸工程において加えられた引張応力の関係を示すグラフである。なお、図7に示すグラフにおける縦軸の応力は、偏光ガラスにおけるTM波のプラズマ共鳴吸収を示す波長の中心が550nmとなるように延伸工程においてガラスプリフォーム11に加えた引張応力である。
図6に示すように、hazeが15%以下での関係は不明であるが、hazeが小さくなるにつれて、ガラスプリフォーム11に含まれるハロゲン化金属粒子30の平均粒径も小さくなる。また、図6においてhazeが15%以上におけるグラフを延長することによりhazeが15%以下での関係を予測すると、上記のようなhazeがおよそ1.3%以下であるガラスプリフォーム11では、含まれるハロゲン化金属粒子30の平均粒径はおよそ25nm以下である。
また、図7に示すように、hazeが小さくなるに連れて、偏光ガラスが上記特性を有するべく延伸工程においてガラスプリフォーム11に加える引張応力は大きくなり、hazeがおよそ0.3%のときに上記引張応力はおよそ570kg/cmとなる。上記析出工程において作製されるガラスプリフォーム11は、700kg/cm以上の引張応力で延伸すると破断する確率が非常に高いので、製造される偏光ガラスの歩留まりを考慮すると、上記延伸工程においてガラスプリフォーム11に加える引張応力として実用的な上限はおよそ600kg/cmと考えられる。
一方で、図7に示すように、hazeが大きくなるに連れて、延伸工程においてガラスプリフォーム11に加える引張応力は小さくなり、hazeがおよそ1.3%のときに上記引張応力はおよそ300kg/cmとなる。以上により、緑色域においてTE波の透過率が75%以上であり、かつ、コントラスト比が1000:1以上である偏光ガラスを製造するためには、上記析出工程においてhazeがおよそ0.3%から1.3%のガラスプリフォーム11を作製し、当該ガラスプリフォーム11を上記延伸工程においてそのhazeに応じたおよそ300kg/cmから600kg/cmの引張応力で延伸することが好ましい。
表1は、上記還元工程における還元状態が偏光ガラスにおけるTE波の透過率、コントラスト比、および、TM波に対してプラズマ共鳴吸収を示す帯域幅に与える影響の概略を示す。
Figure 0004659849
表1において「強い還元」とは、還元温度が高く還元時間が長いことを意味し、「弱い還元」とは、上記「強い還元」とは逆に、還元温度が低く還元時間が短いことを意味する。表1に示すように、上記還元工程においてガラスシート19に対して強い還元を施すと、透過率が非常に低くなり好ましくない。したがって、偏光ガラスが可視域で優れた偏光特性を示すためには、上記還元工程においてガラスシート19に対して弱い還元を施しつつ、当該還元においてコントラスト比および帯域幅が良好となる温度および時間を選択する。ここで、還元時の温度がガラスシート19のガラス転移点温度より高い場合、ガラスシート19内で還元された延伸金属粒子が再球状化することによりコントラスト比が低くなるとともに上記帯域幅も狭くなる。
したがって、還元処理時の温度は、ガラスシート19のガラス転移点温度より低いことが好ましく、具体的にはガラスシート19のガラス転移点温度より少なくとも20℃低い温度であることが好ましい。上記温度および時間でガラスシート19を還元処理することにより、還元処理中にガラスシート19内の延伸金属粒子が再球状化することなく、ガラスシート19内の延伸ハロゲン化金属粒子の還元を迅速に進めることができる。また、還元処理の時間は、短すぎると偏光ガラスのコントラスト比が低くなるが、長すぎてもコントラスト比はある値から微増する程度である。したがって、上記還元処理の時間は、0.5時間〜4時間の間であることが好ましく、2時間〜3時間であればより好ましい。上記還元工程における還元処理の温度と時間を上記の範囲から組み合わせて選択すれば、透過率が高く、コントラスト比も高く、さらに帯域幅が広い、光学特性に優れた偏光ガラスを得ることができる。
さらに、本実施形態の偏光ガラスの製造方法では、準備工程から還元工程の各工程において上記条件を組み合わせて実施することにより、500nm〜800nmの波長帯域において、透過率が75%以上で、コントラスト比が1000:1以上で、それらを示す帯域幅が少なくとも100nmである偏光ガラスを製造することができる。さらに、上記準備工程において溶融するガラスは、可視域においてフォトクロミック特性を示すため、透過率がやや低下する傾向を示すが、上記還元工程において、延伸ハロゲン化金属粒子32の大半を延伸金属粒子に還元することにより、フォトクロミック特性を示しにくくすることができる。以上により、可視域において良好な光学特性を有する偏光ガラスを製造することができる。
ところで、上記製造方法により製造された偏光ガラスと、その偏光ガラスを製造するときに得られたガラスプリフォーム11との緑色域の非偏光を透過したときのhazeの関係を調べたところ、ガラスプリフォーム11のhazeが1.3%のとき、そのガラスプリフォーム11から得られた偏光ガラスのhazeはおよそ2%であった。また、ガラスプリフォーム11のhazeが0.6%のとき、そのガラスプリフォーム11から得られた偏光ガラスのhazeはおよそ1%であった。
ここで、上記のように、緑色域においてTE波の透過率が75%以上であり、かつ、コントラスト比が1000:1以上である偏光ガラスを製造するためには、析出工程においてhazeがおよそ0.3%から1.3%のガラスプリフォーム11を作製することが好ましい。したがって、当該ガラスプリフォーム11から得られる偏光ガラスの特性としては、個体差を考慮して、上記hazeが概ね1%から3%であることが好ましい。また、上記hazeが概ね1%から2%であればさらに好ましい。
以下、上記偏光ガラスの製造方法の効果を確認した実施例および従来の製造方法による比較例を示す。
重量%で、LiO:1.8wt%、NaO:5.5wt%、KO:5.7wt%、B:18.2wt%、Al:6.2wt%、SiO:56.3wt%、Ag:0.24wt%、Cl:0.16wt%、Br:0.16wt%、CuO:0.01wt%、ZrO:5.0wt%、TiO:2.3wt%を有するガラス原料を白金るつぼに入れて約1350℃でプリメルトを行った。プリメルトで得られたガラスをキャンディ大に砕いてカレットとして、再び白金るつぼに入れて約1450℃で本メルトを行い、グラファイトの型に流し込んで成形し、徐冷炉に入れてアニールを行った後、取り出し母材ガラスとした。なお、母材ガラスの転移点温度は約520℃、屈伏点温度は約605℃、軟化点温度は約700℃であった。なお、ハロゲン化銀粒子の融点は約450℃である。
次に、析出工程において、母材ガラスを、620℃で3時間核生成させた後、690℃で2時間核成長させた。得られたガラスのhazeは0.8%であった。そして、熱処理した母材ガラスを70×250×3mm(幅×長さ×厚さ)の実験用プリフォームに成形して、延伸工程を行った。延伸工程において、プリフォームを電気炉内に入れて、ガラスの粘度が約1×1010から1×1011ポイズとなるように加熱した。この状態でプリフォームの送り速度を1.5mm/分として、機械的に同期回転する2つのローラで延伸されたプリフォームを挟み、約500kg/cmの応力を加えながら、35mm/分の引き取り速度でプリフォームを延伸してガラスシートを作製した。このガラスシートを480℃で2時間のアニール後、切断して水素雰囲気に置き、470℃で2.5時間の還元工程を行った。これによって、幅約18mm、厚さ約0.7mmの偏光ガラスを得た。この偏光ガラスの透過率特性を測定したところ、図8に示すように、TM波のプラズマ共鳴吸収を示す波長の中心(CWL)が約570nmであった。また、500nm〜600nmの波長帯域における透過率は74%〜85%(平均80%)であり、コントラスト比(TE波(S波):TM波(P波))は5000:1、帯域幅は約300nmであった。さらに、超高圧水銀ランプを用いた耐光性試験(UHP試験)において、波長帯域500nm〜600nm、光束量3700ルーメンの光を、この偏光ガラスに24時間連続照射した後の透過率特性を測定したところ、フォトクロミック特有の吸収の増加は見られず、透過率、コントラスト比とも試験前と同じであった。
<比較例1>
上記実施例1で使用した母材ガラスを、620℃で1時間核生成させた後、690℃で4時間核成長の条件で熱処理を行った。得られたガラスのhazeは1.4%であった。そして、上記実施例1と同じ実験用プリフォームに成形して、CWLが約550nmとなるように、330kg/cmの応力で延伸工程を行った後、上記実施例1と同じ条件でアニールと還元工程を行い、幅約18mm、厚さ約0.7mmの偏光ガラスを得た。この偏光ガラスの透過率特性を測定したところ、図9に示すように、CWLは約550nmにあり、その帯域幅は約180nmであった。しかし、500nm〜600nmでの透過率とコントラスト比(TE波(S波):TM波(P波))は、それぞれ56%〜84%(平均70%)、900:1以下であり、上記実施例1で得た偏光ガラスと比べていずれも低かった。
<比較例2>
上記実施例1で使用した母材ガラスを、620℃で3時間核生成させた後、720℃で4時間核成長の条件で熱処理を行った。得られたガラスのhazeは7%であった。そして、上記実施例1と同じ実験用プリフォームに成形して、約500kg/cmの応力を印加して延伸工程を行った後、上記実施例1と同じ条件でアニールと還元工程を行い、幅約18mm、厚さ約0.7mmの偏光ガラスを得た。この偏光ガラスの透過率特性を測定したところ、図10に示すように、CWLが1415nmにあり、その帯域幅は約450nmであった。しかし、500nm〜600nmでの透過率とコントラスト比(TE波(S波):TM波(P波))は、CWLが1415nmにある影響で、それぞれ68%〜83%(平均77%)、5:1以下であった。
<比較例3>
上記実施例1で使用した母材ガラスを、上記比較例2と同じ条件で析出工程を行い、上記実施例1と同じ実験用プリフォームに成形して、CWLが約550nmとなるように、120kg/cmの応力で延伸工程を行った後、上記実施例1と同じ条件でアニールと還元工程を行い、幅約18mm、厚さ約0.7mmの偏光ガラスを得た。この偏光ガラスの透過率特性を測定したところ、図11に示すように、CWLが約550nmにあり、その帯域幅は約80nmであった。500nm〜600nmでの透過率は49%〜77%(平均65%)であり、コントラスト比(TE波(S波):TM波(P波))は、透過率が低く、500nm〜600nmの一部分がTM波のプラズマ共鳴吸収を示す波長帯域から外れていることから、600:1以下であった。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができることは当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
延伸工程に用いる延伸装置100の構成を示す概略図である。 延伸装置100における引張手段40の構成を示す概略図である。 ガラスプリフォーム11が延伸工程において延伸される場合に、ガラスプリフォーム11内のハロゲン化金属粒子30が延伸される様子を示す概略図である。 haze(曇度)が種々異なるガラスプリフォーム11に可視域の光(非偏光)を透過したときの波長帯域と透過率の関係を示すグラフである。 ガラスプリフォーム11のhazeと、当該ガラスプリフォーム11から製造される偏光ガラスのコントラスト比の関係を示すグラフである。 ガラスプリフォーム11のhazeと、当該ガラスプリフォーム11に含まれるハロゲン化金属粒子30の平均粒径の関係を示すグラフである。 ガラスプリフォーム11のhazeと、当該ガラスプリフォーム11から製造される偏光ガラスが延伸工程において加えられた引張応力の関係を示すグラフである。 実施例1で得た偏光ガラスの透過率特性を示す。 比較例1で得た偏光ガラスの透過率特性を示す。 比較例2で得た偏光ガラスの透過率特性を示す。 比較例3で得た偏光ガラスの透過率特性を示す。 Gフィルターの波長に対する透過率特性の一例を示す。
符号の説明
11 ガラスプリフォーム、13 延伸部、15 ガラス支持具、17 電気炉、19 ガラスシート、20 メインヒータ、22、24、26 サブヒータ、28 サイドヒータ、30 ハロゲン化金属粒子、32 延伸ハロゲン化金属粒子、40 引張手段、100 延伸装置、42 ローラ、43 従動軸、44 ローラ、45 従動軸、46 駆動軸、47 モータ

Claims (5)

  1. 偏光ガラスの製造方法であって、
    銀イオンおよびハロゲンイオンを含むガラスを溶解した後に、前記銀イオンおよび前記ハロゲンイオンが分散した前記ガラス内にハロゲン化銀粒子を析出させてガラスプリフォームを作製する析出工程と、
    前記ガラスプリフォームを所定温度で加熱延伸することにより、前記ハロゲン化銀粒子が延伸された延伸ハロゲン化銀粒子を含むガラスシートを作製する延伸工程と、
    前記ガラスシートを前記ガラスの転移点温度以下かつ歪点温度以上の温度まで加熱してアニール処理するアニール工程と、
    前記アニール工程においてアニール処理した前記ガラスシートにおける前記延伸ハロゲン化銀粒子を延伸銀粒子に還元する還元工程と
    を備え、
    前記析出工程において作製された前記ガラスプリフォームは、Gフィルターで透過される波長領域の光に対するhazeが0.3%から1.3%である偏光ガラスの製造方法。
  2. 前記析出工程において、前記ガラスを、前記ガラスの屈伏点温度の上下30℃の範囲にて少なくとも2時間保持した後、前記ガラスの軟化点温度より20℃低い温度から前記ガラスの軟化点温度より30℃高い温度にて5時間以下の特定時間だけ保持する請求項1に記載の偏光ガラスの製造方法。
  3. 前記還元工程において、前記ガラスシートを、前記ガラスのガラス転移点温度より少なくとも20℃低い温度にて0.5時間から4時間の間の特定時間だけ保持する請求項1または2に記載の偏光ガラスの製造方法。
  4. 偏光ガラスであって、
    銀イオンおよびハロゲンイオンを含むガラスを溶解した後に、前記銀イオンおよび前記ハロゲンイオンが分散した前記ガラス内にハロゲン化金属粒子を析出させてガラスプリフォームを作製する析出工程と、
    前記ガラスプリフォームを所定温度で加熱延伸することにより、前記ハロゲン化銀粒子が延伸された延伸ハロゲン化銀粒子を含むガラスシートを作製する延伸工程と、
    前記ガラスシートを前記ガラスの転移点温度以下かつ歪点温度以上の温度まで加熱してアニール処理するアニール工程と、
    前記アニール工程においてアニール処理した前記ガラスシートにおける前記延伸ハロゲン化銀粒子を延伸銀粒子に還元する還元工程と
    を備え、
    前記析出工程において作製された前記ガラスプリフォームは、Gフィルターで透過される波長領域の光に対するhazeが0.3%から1.3%である製造方法により製造される偏光ガラス。
  5. Gフィルターで透過される波長領域の光に対するhazeが1%から3%である請求項4に記載の偏光ガラス。
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