JP2011197465A - ガラス偏光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】可視光赤色領域において優れた透過率および消光比を有するガラス偏光子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、熱処理によってハロゲン化銀粒子を分散析出させたホウケイ酸塩ガラスを加熱延伸した後、ガラス中に配向、伸長されたハロゲン化銀粒子の少なくとも一部を還元して金属銀粒子を析出させて製造されるガラス偏光素子に適用される。そして、波長が580〜680nmの可視光赤色領域において、金属銀粒子の長手方向と直交する偏光面をもつ光の平均透過率が85%以上であり、消光比が33dB以上であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、熱処理によってハロゲン化銀粒子を分散析出させたホウケイ酸塩ガラスを加熱延伸した後、ガラス中に配向、伸長されたハロゲン化銀粒子の少なくとも一部を還元して金属銀粒子を析出させて製造されるガラス偏光素子に適用される。そして、波長が580〜680nmの可視光赤色領域において、金属銀粒子の長手方向と直交する偏光面をもつ光の平均透過率が85%以上であり、消光比が33dB以上であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明はガラス偏光素子、特に可視光赤色領域において良好な偏光特性を示すガラス偏光素子に関する。
ガラス偏光素子は特定の偏光面を有する光を選択的に通過させる機能を備え、各種光学系で広く使用されている。例えば、光通信用デバイスおよび投写型液晶ディスプレイ等の液晶ディスプレイに使用される。
投射型液晶表示装置は、大型画面を表示する映像表示装置として広く利用されている。リア型投射型液晶表示装置は大型テレビとして、フロント型液晶表示装置は主にパソコンデータのプレゼンテーションに使用される。投射型液晶表示装置は投射光学系を利用して小さな液晶素子上の画像を大画面に拡大投影するものであり、例えば非特許文献1に示されている。
図1は、一般的な投射型液晶表示装置の構成を示す。光源4の光は光学部品5〜16により赤(R)、緑(G)および青(B)の成分に分離され、それぞれに対応する液晶素子2R、2Gおよび2Bに導かれる。各液晶表示素子2R、2Gおよび2Bは入射側に入射側偏光素子1R、1Gおよび1Bを、出射側に出射側偏光素子3R、3Gおよび3Bを備えている。赤、緑および青に対応する、入射側偏光素子および出射側偏光素子から成る一組の偏光素子は、液晶素子を通過した特定の偏光方向の光を選択的に通過させる機能を持つ。この機能により液晶素子2R、2Gおよび2Bを通過した三原色の光は、光強度変調された画像信号となる。これら3原色光は、更に合成プリズム17で光合成され、更に拡大投射レンズ系18を通してスクリーン19に投影される。
偏光素子に要求される偏光特性は、ある特定の偏光面をもつ光信号を透過させ、それと直交する偏光面を持つ不要光信号を阻止する性質を持つ事である。すなわち、希望する特定の偏光面を持つ光に対し大きな透過率を有し、これと直交する偏光面を持つ光に対しては、小さな透過率を持つ事が望ましい。
これらの透過率の比は消光比と呼ばれ、偏光素子の性能を表現する性能指数として広く利用されている。投射型液晶表示装置に適用する偏光素子に対しては、光信号に対する大きな透過率と大きな消光比が要求される。投射型液晶表示装置の場合、偏光素子に要求される性能は、使用する波長の光に於いて75%以上の透過率と400:1以上の消光比を持つことが望ましいと言われている(特許文献1:特開2004−77850号公報)。もちろん、偏光素子に要求される透過率および消光比の値は偏光素子を適用する装置に依存して決められる。近年においては、更に高い透過率と消光性能が要求されている。
偏光ガラスにおいて可視光領域の透過率を向上させようとした場合、小さな粒子径を持つ塩化銀粒子を用いる必要がある。塩化銀粒子の粒子径が大きい場合、散乱効果が大きくなり短波長域における透過率の低下を招く。このため、塩化銀粒子径の大きなガラスを延伸して製造された偏光ガラスは、可視光領域(短波長領域)において85%以上の透過率を実現することが困難となる。また、塩化銀粒子径の大きなガラスを大きな張力で延伸し、透過率を向上させようとした場合は、直交透過率が最も低くなる波長領域が長波長側へ移動するため、可視光赤色領域で満足の行く偏光特性を実現することが困難となる。
また、目的のアスペクト比を有する銀微粒子を作製するためには、粒子径が小さいものほど大きな張力を必要とする。これは、粒子径が小さくなるほどガラスを延伸した際に粒子に応力が作用し難いためである。
本発明のガラス偏光素子はガラス中に配向分散した形状異方性を有する金属微粒子の表面プラズモン共鳴を利用する。この点に関し、特許文献2(米国特許4,479,819号公報)から引用した図2を参照して説明する。Aは球状の金属微粒子による表面プラズモン共鳴吸収に対応する。一方、棒状に延伸された形状異方性を有する金属微粒子の共鳴吸収は、入射光の偏光面と形状異方性を有する金属微粒子の相互関係により異なる特性を示す。偏光面が金属粒子の長手方向に平行な場合、Bの特性を示す。特性Aに比較して、共鳴吸収の波長はより長波長に移動していることがわかる。この共鳴吸収波長は金属微粒子の長径と短径の比に依存し、この比が大きいほど共鳴吸収波長はより大きくなる事が知られている(非特許文献2参照)。一方、長手方向に直交する偏光面を持つ光に対しては特性Cで表す性質を示す。
特許文献3(特開2007−219498号公報)には、可視光偏光子の製造方法が示されているが、工業的に有用な透過率を実現することができない。特許文献4(特開2007−178977号公報)には可視領域において良好な偏光子が開示されているが、これも工業的に有用な透過率を実現することができない。特許文献5(特開2007−171982号公報)には、広帯域なコントラストを有する偏光子が開示されている。
可視光領域における透過率は、金属粒子の散乱の影響を受けるため一般に低下する。赤外線領域の光線に適用する偏光子の場合、透過させる光は散乱の影響を受ける領域から遠く離れた波長なので、金属粒子の散乱の影響は無視可能なレベルに小さく、実用上の問題にならない。これに対して、可視光の偏光素子を実現する場合、散乱の影響は無視出来ないレベルとなる。
本発明は、ハロゲン化銀を分散析出したガラス材料を出発材料とする点で従来の技術を基礎とするが、可視光領域の光に対し優れた特性を有するものとなっている。
投射型液晶表示装置では、光源に水銀ランプが使用されており、また可視光光源は、多くの場合紫外光の成分をも含む。ハロゲン化銀の微粒子を析出させたガラスは、紫外光をガラスに照射すると可視域から近赤外域に渡る吸収帯が生じてガラスが着色し、紫外光を遮断すると照射前の状態に戻る特性を有し、フォトクロミックガラスの名で広く知られている。本発明の可視域用偏光ガラスとしてはフォトクロミズムが発現しない材料を選択することが好ましい。
フォトクロミズムを示さない偏光ガラスに関する先行技術としては、CuOを殆ど含有しないか母ガラス組成を限定した技術(モル比で(R2O−Al2O3): B2O3 <0.25)(特許文献6:特公平2−40619号公報);実質的にCuOを含まずかつガラス中の銀を酸化状態に保つために有効な量のCeO2を加える技術(特許文献7:特許第2628014号公報);および実質的にCuOを含まず、K2Oを多く含みかつBaOを加えてガラスの塩基性を強めた組成に限定して銀の金属銀への還元を防止した技術(特許文献8:特許第3549198号公報)がある。
また、投射型液晶表示装置においては、材料の複屈折の影響を極力排除することも重要な課題となる。これは、投射型液晶表示装置においては偏光子全面に均一な光が照射されるわけではなく、偏光子中心部の温度が外周部と比較して高く、あらゆる方向への応力が生じ、これが複屈折を生じさせている。したがって、光の入射面に対して二面の還元層を備えた偏光子においては、一面の還元層を通過した光の偏光が還元層と還元層の間のガラスに発生する応力複屈折によって乱され、その乱れた偏光が、もう一面の還元層を通過する際に吸収に差が生じてしまい色むらとなってスクリーン上に現れる。
さらに、上記色むらは偏光軸角度も影響しており、面内において軸角度差が小さいことが要求される。これは、液晶を通過した偏光光と該偏光子の偏光軸角度にずれが生じると、金属粒子と平行する偏光光の透過率が増大する(吸収が低下する)ことに起因する。図3に偏光軸角度ずれによる金属粒子と平行する偏光光の透過率変化の測定結果を示す。この結果より、軸角度が1度以上ずれることによって実用上問題が生じることが明らかとなった。
西田 信夫、大画面ディスプレイ(シリーズ先端ディスプレイ技術7)、共立出版、東京、2002年発行
S.LinkおよびM.A.El−Sayed、J.Phys.Chem.B103(1999)8410〜8426ページ
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、可視光赤色領域において優れた透過率および消光比を有するガラス偏光子を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、ノンフォトクロミックな特性を有するガラス偏光子を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、高消光比を達成しつつ色むらを低減可能なガラス偏光子を提供することにある。
本発明は、熱処理によってハロゲン化銀粒子を分散析出させたホウケイ酸塩ガラスを加熱延伸した後、ガラス中に配向、伸長されたハロゲン化銀粒子の少なくとも一部を還元して金属銀粒子を析出させて製造されるガラス偏光素子に適用される。そして、波長が580〜680nmの可視光赤色領域において、金属銀粒子の長手方向と直交する偏光面をもつ光の平均平行透過率が85%以上であり、消光比が33dB以上であることを特徴とする。ここで、「平行透過率」は、50dB以上の消光比を有する偏光プリズムの偏光軸とガラス偏光子中の偏光軸を平行位にセットして測定される透過率のことである。
好ましくは、熱処理によってガラス中に分散析出する前記ハロゲン化銀粒子の平均粒径を、50〜150nmとする。
また、ガラス原料に対してガラス酸化物組成0.5〜5質量%に相当する分を硝酸塩で導入し、溶融することによって得られるホウケイ酸塩ガラス(アルカリアルミノホウケイ酸塩ガラス)を採用することが好ましい。
好ましくは、光の入射する面、一面にのみ還元層を設ける。
更に、ガラス偏光素子内の面内偏光軸角度分布を±1.0°以内とすることが好ましい。
以上のような本発明によれば、可視光赤色領域において優れた透過率および消光比を有する偏光ガラスを製造することが可能となる。このような性能を有し、且つ耐熱性及び耐光性(特に耐紫外線性)に優れたガラス偏光子を投射型液晶表示装置に適用する事により、小型でより明るい表示装置が実現可能になる。勿論、本発明は広く光学系一般に利用可能であり、その効果が投射型液晶表示装置に限定されるものではない。
熱処理によってガラス中に分散析出する前記ハロゲン化銀粒子の平均粒径を、50〜150nmとすれば、600nm付近の透過率が向上した高消光比のガラス偏光子を実現することが可能になる。
また、ガラス原料に対してガラス酸化物組成0.5〜5質量%に相当する分を硝酸塩で導入し、溶融することによって得られるホウケイ酸塩ガラス(アルカリアルミノホウケイ酸塩ガラス)を採用することによって、ガラス中に銀がイオンとして熔解し、ノンフォトクロミックなガラスを得る事ができる。すなわち、従来技術で銀の酸化剤として用いられるCuOやCeO2を加えず、且つ、母ガラスの組成を限定することなく、ノンフォトクロミックなガラスを得ることが可能となる。
また、光の入射する面、一面にのみ還元層を設ける。例えば、一面の還元層の厚みを厚くし、もう一面の還元層を排除することにより、高消光比を有する色むらの発生しない偏光子を得ることができる。
更に、ガラス偏光素子内の面内偏光軸角度分布を±1.0°以内とする。例えば、延伸時における延伸倍率を3倍以上とすることにより、面内の軸角度分布を1.0°以内に制御可能となる。延伸時において、延伸されたガラスの中心部と周辺部の冷却速度に差が生じ、中心部のガラスが周辺部へ引っ張られる現象が生じる。これが、面内の軸角度分布の原因となる。冷却速度の差を充分に小さくするためには、延伸倍率を3倍以上に設定することが必要であり、3倍以上に設定することにより面内の軸角度分布を±1.0°以内に抑えることが可能となる。このように、本発明においては、偏光軸角度を小さくすることにより、色むらを低減することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明を実施するための製造技術は、公知の赤外線用偏光ガラスを製造する技術を基に、プリフォーム製造工程を工夫することにより行われる。
まず、所定の組成のガラスバッチを準備する。この時、下記の事項に注意して組成及び原料を選定する。可視光領域で使用する偏光子に適用するガラスは、光照射により透過率が劣化する、いわゆるフォトクロミック特性を持たないガラスを選定する必要がある。このためには、ガラス原料は酸化銅の不純物混入を厳密に避けるなどの工夫が必要になる。また、銀およびハロゲンの添加量は最終的に透過率と消光比を両立可能な量に選択する。
準備したガラスバッチを溶解し、型に注ぎ入れることにより板状のガラスを作製する。次に、本発明の製造技術では、熱処理によりハロゲン化銀を析出させる。この時、熱処理は軟化点より少なくとも30℃低い温度、好ましくは40℃低い温度で行う。熱処理時間は、透過率が目的のバラツキ内に入るよう調整する。
次に、プリフォームを延伸する。延伸工程では、ハロゲン化銀粒子が適切なアスペクト比を有するように、ガラスの粘度を108.5〜12Poiseに調整しプリフォームを延伸する。また、延伸は延伸後のガラスシートの幅が元のプリフォーム幅の3の1以下になるように行う。
ガラスシートは、420℃から450℃の温度で0.5〜48時間還元処理される。還元処理を行う時間は、目的とする消光比により異なるが、可視光赤色用偏光子においては粒子径が50〜150nmと小さいため、厚み方向においてより深くのハロゲン化銀粒子まで還元させなければならない。従って、5時間以上還元することが好ましい。
還元されたガラスシートは、反射防止膜を成膜して本発明の偏光素子が完成する。
(実施例)
塩化銀粒子を35nm、50nm、100nm、150nm、300nmとなるように熱処理を施し、それぞれ3倍の延伸倍率で延伸を行った。延伸後のガラスシートは20×18mmサイズに切断し、両面を研磨した。研磨後440℃、20時間の条件下で水素還元処理を施し、還元処理後片面の還元層を研磨により除去した。片面の還元層を除去したガラス偏光子の両面にARコートを施し、その後偏光透過率を測定した。
塩化銀粒子を35nm、50nm、100nm、150nm、300nmとなるように熱処理を施し、それぞれ3倍の延伸倍率で延伸を行った。延伸後のガラスシートは20×18mmサイズに切断し、両面を研磨した。研磨後440℃、20時間の条件下で水素還元処理を施し、還元処理後片面の還元層を研磨により除去した。片面の還元層を除去したガラス偏光子の両面にARコートを施し、その後偏光透過率を測定した。
ここで、「ARコート」とは反射防止用のコーティングであり、例えば、表面にフッ化マグネシウムなどを真空蒸着させて形成される透明な薄膜がある。通常は、ARコートを施すことにより透過率が約7%程度向上する。
偏光透過率の測定結果を表1に、透過スペクトルを図4に消光性能スペクトルを図5に示す。塩化銀粒径が、50から150nmにおいて良好な偏光特性が実現されている。表1から明らかなように、本発明によれば、平行透過率90%以上、消光比35dB以上を得ることができた。なお、本発明によれば、ARコートを施していない状態でも、平均透過率85%以上、消光比33dB以上が得られることが確認されている。
また、これらのガラスおよび延伸倍率を2倍で作製した偏光子の面内の偏光軸角度分布を測定した結果の頻度分布を図6に示す。延伸倍率を3倍とすることにより、面内の偏光軸角度分布が1度以下で作製できていることがわかる。
次に、複屈折の影響を調べるため作製されたガラス偏光子を投射映像機器に搭載し、スクリーン上の画面を観察したところ、図7に示すように色ムラは観察されなかった。
さらに、得られたガラス偏光子に、500Wキセノンランプを40cm離して15分間照射し、照射によるガラスの色の変化を目視観察すると共に、照射前後の650nmにおける透過率の変化を測定して、フォトクロミック特性の有無を判断した。その結果、照射前後で何ら変化が観察されず、フォトクロミック特性を示さないことが確認された。これは本発明によるガラス偏光子が、紫外及び可視短波長の光照射を受けても偏光特性の劣化や透過率特性の低下を引き起こすことがないことを意味する。
(比較例1)
塩化銀粒子を50nmとなるように熱処理を施し、3倍の延伸倍率で延伸を行った。延伸後のテープは20×18mmサイズに切断し、両面を研磨した。研磨後440℃、20時間の条件下で水素還元処理を施し、両面に還元層を形成した。ガラス偏光子の両面にARコートを施した。
塩化銀粒子を50nmとなるように熱処理を施し、3倍の延伸倍率で延伸を行った。延伸後のテープは20×18mmサイズに切断し、両面を研磨した。研磨後440℃、20時間の条件下で水素還元処理を施し、両面に還元層を形成した。ガラス偏光子の両面にARコートを施した。
複屈折の影響を調べるため作製されたガラス偏光子を投射映像機器に搭載し、スクリーン上の画面を観察したところ、図8に示すように四隅に色ムラが見られた。実施例(図7)および比較例1(図8)の比較により、両面に還元層を形成した際実用上問題となる色ムラが発生することが明らかとなった。
(比較例2)
0.2重量%のNa2Oが硝酸塩原料であるNaNO3(硝酸ナトリウム)から導入され、その他硝酸塩原料は一切使用せずに調合された原料バッチを溶融して得られた前記同組成のガラスから同様の条件で作製されたガラス偏光子においては、キセノンランプの照射に伴って明らかにフォトクロミック特性が観察された。ガラス偏光子内部の還元されていない塩化銀粒子が感光して650nmにおける透過率の低下が引き起こされたと考えられる。
0.2重量%のNa2Oが硝酸塩原料であるNaNO3(硝酸ナトリウム)から導入され、その他硝酸塩原料は一切使用せずに調合された原料バッチを溶融して得られた前記同組成のガラスから同様の条件で作製されたガラス偏光子においては、キセノンランプの照射に伴って明らかにフォトクロミック特性が観察された。ガラス偏光子内部の還元されていない塩化銀粒子が感光して650nmにおける透過率の低下が引き起こされたと考えられる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想を逸脱しない範囲で種々の設計変更等が可能である。
Claims (7)
- 熱処理によってハロゲン化銀粒子を分散析出させたホウケイ酸塩ガラスを加熱延伸した後、ガラス中に配向、伸長されたハロゲン化銀粒子の少なくとも一部を還元して金属銀粒子を析出させて製造されるガラス偏光素子において、
波長が580〜680nmの可視光赤色領域において、伸張された金属銀粒子の長手方向と直交する偏光面をもつ光の平均透過率が85%以上であり、消光比が33dB以上であることを特徴とするガラス偏光素子。 - 熱処理によってガラス中に分散析出する前記ハロゲン化銀粒子の平均粒径が、50〜150nmであることを特徴とする請求項1に記載のガラス偏光素子。
- 前記ホウケイ酸塩ガラスが、ガラス原料としてガラス酸化物組成0.5〜5質量%に相当する分を硝酸塩で導入し、溶融することによって得られるアルカリアルミノホウケイ酸塩ガラスであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のガラス偏光素子。
- 光の入射する面、一面にのみ還元層を有することを特徴とする請求項1,2又は3に記載のガラス偏光素子。
- ガラス偏光素子内の面内偏光軸角度分布が±1.0°以内であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のガラス偏光素子。
- 両面に反射防止膜が形成され、
波長が580〜680nmの可視光赤色領域において、伸張された金属銀粒子の長手方向と直交する偏光面をもつ光の平均透過率が90%以上であり、消光比が35dB以上であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のガラス偏光素子。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載のガラス偏光素子を用いた投射型液晶映像機器。
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