JP4659316B2 - キトサン粉末含有固形製剤およびその製造方法 - Google Patents

キトサン粉末含有固形製剤およびその製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は大腸内放出性の固形製剤、詳しくは経口投与したときに胃又は小腸では崩壊することなく通過し、大腸において崩壊することにより薬物が放出されるように設計された大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤、並びに胃で一部崩壊し薬物の一部が放出された後、小腸では崩壊することなく薬物を放出し、小腸通過後大腸で加速的に崩壊することにより残留する薬物の放出が達成される徐放性のキトサン粉末含有固形製剤に関する。
背景技術
キトサンは甲殻類や昆虫類の外骨格などに多く含まれる多糖キチンを濃アルカリ溶液でN−脱アセチル化して得られる天然高分子であり、現在、キトサンはそれ自体の大腸菌に対する特異的な分解性のため大腸内放出性基剤として用いられている。大腸内で特異的に薬物を放出するキトサン製剤については、これまでにいくつかの製剤が知られている。
例えば、特開平4−69333号公報には、固形薬剤上に、キトサンからなる層と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート又はヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレートを主材としてなる腸溶性コーティング層とを、順次被覆形成してなることを特徴とする大腸内放出性固形製剤が記載されている。
また、特開平7−2701号公報には、微細セルロース、微細セルロースに対し、20〜200重量%の脱アセチル化度が40〜60モル%である水溶性キトサンからなることを特徴とする小腸を通過し、大腸で崩壊する組成物およびその製造法が記載されている。
キトサンは、通常、酸性の水溶液にのみ可溶であり、有機溶媒にはほとんど溶けないため、大腸内放出性の固形製剤を製造する過程において、何らコーティングされていない固形製剤にキトサンを被覆するには、キトサンを酸性水溶液に溶解する必要がある。しかし、被覆後にこの溶液に含まれる酸を完全に除去することは難しく、被覆したキトサン膜中に酸が残存することは避けられないことから、この酸によりキトサン皮膜の耐水性が低下したり、酸による薬物への影響が問題となっている。このような欠点を解決するために、前記特開平4−69333号公報においては、キトサン層の内側に腸溶性コーティングを予め形成させることが提示されているが、この方法ではコーティング工程が増加するので必ずしも望ましいものではない。
また、前記特開平7−2701号公報においては、脱アセチル化度40〜60%の水溶性キトサンを用いることでキトサンの溶解に使用する酸による種々の弊害を回避している。しかし、そのような水溶性キトサンを用いた場合、後述する本発明の固形製剤が可能な大腸での薬物の溶出性等を制御することは困難である。
発明の開示
本発明者らは、より簡便な方法で薬物の放出性を制御できる大腸内放出性の固形製剤について種々検討した結果、薬物含有固形物に、(1)キトサン粉末が分散した水不溶性高分子、(2)腸溶性高分子を順次被覆することにより、大腸で特異的に薬物を放出し、大腸における薬物の溶出性を制御できるキトサン粉末含有固形製剤を見出した。さらに、薬物含有固形物にキトサン粉末が分散した水不溶性高分子を被覆することのみで胃で一部崩壊し薬物の一部が放出された後、小腸を通過後大腸で加速的に崩壊することにより残留する薬物の放出が達成される徐放性のキトサン粉末含有固形製剤を見出した。
本発明によれば、薬物含有固形物に、(1)キトサン粉末が分散した水不溶性高分子、および(2)腸溶性高分子が順次被覆されてなることを特徴とする大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤、およびキトサン粉末が分散したコーティング用水不溶性高分子で薬物含有固形物を被覆し、これを腸溶性高分子で被覆することを特徴とする大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤の製造方法、並びに上記大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤を製造するための固形製剤であって、且つ、徐放性である固形製剤、詳しくは、薬物含有固形物に、キトサン粉末が分散した水不溶性高分子が被覆されてなることを特徴とする徐放性のキトサン粉末含有固形製剤およびその製造方法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
「薬物含有固形物」とは、薬物又は薬物と製剤用担体成分との混合物を意味し、その形態は、コーティング可能な粉末状、顆粒状、ペレット状、カプセル、錠形態のいずれの形態でもよいが、ペレット状、カプセルおよび錠形態が好ましい。
製剤用担体成分には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤などの製剤化において通常使われる製剤化成分が含まれる。
本発明で用いられるキトサンは、カニやエビの甲殻や昆虫の外皮、イカや貝などの軟体動物の器官、キノコなどの菌類の細胞壁などに含まれる、N−アセチル−D−グルコサミンがβ(1−4)結合した直鎖型の多糖類であるキチンを脱アセチル化処理して得られるものであって、通常約60%以上、例えば約60%〜約100%、脱アセチル化したものである。食品用、医療用キトサンとして市販されているものはいずれも使用することができるが、好ましくは約75%〜約98%脱アセチル化したものである。
水不溶性皮膜を形成する水不溶性高分子(以下、「水不溶性基剤」と称することもある)としては、当分野で常用されているものがいずれも使用でき(医薬品添加剤要覧、1992年11月25日発行、薬事時報社;Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms,Drugs and the Pharmaceutical Sciences Vol.36,p.161−167(1989)参照)、具体的には、例えば、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル・コポリマー〔オイドラギットRS又はオイドラギットRL(ロームアンドファーマ社)〕、メタアクリル酸メチル・アクリル酸エチル・コポリマー〔オイドラギットNE30D(ロームアンドファーマ社)〕等の水不溶性アクリル酸系共重合体、エチルセルロース〔例えば、エトセル(信越化学)〕、メチルセルロース〔例えば、メトセル(信越化学)〕、酢酸セルロース等の水不溶性セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等の水不溶性ビニル誘導体、或はこれらを2種以上組み合せたものが挙げられる。これらのうち、エチルセルロース、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル・コポリマー(オイドラギットRS)、メタアクリル酸メチル・アクリル酸エチル・コポリマー(オイドラギットNE30D)が好ましい。
これら水不溶性高分子を溶媒に溶解させ、それにキトサン粉末を分散させて水不溶性皮膜形成用コーティング液を調製する。
また、上記水不溶性皮膜形成用コーティング液中に一般的に滑沢剤、流動化剤又は凝集防止剤として用いられている成分、タルク、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、モノステアリン酸グリセリン等を加えることもできる。
水不溶性高分子を溶解させる溶媒としては、水不溶性基剤の性質によって選択されるべきであるが、例えばエタノール、ジクロルメタン、エタノール/ジクロルメタン混液等が挙げられる。これらのうちエタノールが好ましい。
他に水系のコーティング液も使用可能であり、例えばエチルセルロース〔例えば、アクアコート(FMC社)〕やメタアクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体〔例えば、オイドラギットNE30D(ロームアンドファーマ社)〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体〔例えば、オイドラギットRS30D、オイドラギットRL30D(ロームアンドファーマ社)〕などの水分散型の水系コーティング液にキトサンを分散させた水系コーティング液とすることができる。
上記水不溶性皮膜の厚さは特に制限はなく、製剤形、含有薬物の種類、含量、さらにはキトサンの配合量等によっても異なるが、通常、約0.05μm〜約5mm、好ましくは約0.1μm〜約3mm、さらに好ましくは約0.2μm〜約2mmの範囲である。
大腸放出性固形製剤として使用する場合、キトサン粉末と水不溶性高分子の配合比は、通常配合可能な比率であればいずれでもよいが、好ましくは約1:20〜約20:1(重量比、以下同じ)であり、約1:10〜約10:1がさらに好ましく、約1:4〜約4:1が特に好ましい。
また、徐放性固形製剤として使用する場合、キトサン粉末と水不溶性高分子の配合比は、通常配合可能な比率であればいずれでもよいが、好ましくは約1:20〜約20:1であり、約1:10〜約10:1がさらに好ましく、約1:4〜約4:1が特に好ましい。
いずれの場合も用いられるキトサン粉末の粒子径は、通常700μm以下であり、例えば約700μm〜0.05μmの範囲、好ましくは約500μm〜約0.1μm、より好ましくは約300μm〜約0.1μmの範囲である。平均粒子径は、通常約0.5μm〜約400μm、好ましくは約1μm〜約200μmである。なお、キトサン粉末の粒子径は、篩を通過する粒度で示すこともあり、例えば、60メッシュ(250μm)〜80メッシュ(177μm)の篩を通過するものを用いるのが好ましい。
腸溶性皮膜を形成する腸溶性高分子(以下、「腸溶性基剤」と称することもある)としては、当分野で常用されるものがいずれも使用でき、例えばカルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート〔HPMCAS(信越化学)〕、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート〔HPMCP(信越化学)〕、セルロースアセテートフタレート、セラック、アクリル酸系共重合体(例えば、オイドラギットL100−55の如きメタアクリル酸エチルアクリレートやオイドラギットL100、S100の如きメタアクリル酸メチルメタアクリレートなど)から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。好ましい腸溶性基剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)およびメタアクリル酸エチルアクリレート(オイドラギットL100−55)が挙げられる。これら腸溶性基剤を、前記水不溶性皮膜形成用コーティング液に用いた同様の溶媒中に溶解させて腸溶性皮膜形成用コーティング液を調製する。
また、上記腸溶性皮膜形成用コーティング液中に一般的に滑沢剤、流動化剤又は凝集防止剤として用いられている成分、タルク、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、モノステアリン酸グリセリン等を加えることもできる。
腸溶性皮膜の膜厚も特に制限はなく、製剤形、含有薬物の種類、含量、キトサン配合量等によっても異なるが、通常、約0.05μm〜約5mm、好ましくは約0.1μm〜約3mm、さらに好ましくは約0.2μm〜約2mmの範囲である。
本発明に用いられる薬物は、水可溶性、水難溶性、そのほかいずれの性質を有するものでもよく、その種類は特に限定されないが、例えば、過敏性大腸炎に有効な5−アミノサリチル酸(5−ASA)、その他タンパク製剤やインシュリンなどが挙げられる。
本発明の大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤をさらに詳しく説明する。
本発明の大腸内放出性固形製剤は、第11図Aに模式的に示されるように、中心に薬物含有固形物を含み、その周りにキトサンおよび水不溶性高分子からなる水不溶性皮膜を形成させ、さらにその周りを腸溶性高分子からなる腸溶性皮膜を形成させることによって調製される。具体的には、キトサン粉末を各種水不溶性高分子含有溶液に分散させた水不溶性皮膜形成用コーティング液を、例えば、カプセル、錠剤又はペレットの如き薬物含有固形物にコーティングし、更に最外層に腸溶性皮膜形成用コーティング液を塗布して腸溶性皮膜を形成させる。各コーティング液に用いた溶媒は皮膜形成後、得られた固形製剤の自然乾燥によって、または装置内で約30℃〜約80℃、好ましくは約40℃〜約60℃の加熱乾燥によって除去される。
好ましい形態としては、薬物又は薬物と製剤用担体との混合物を封入したカプセル又は錠剤にキトサン粉末を各種水不溶性高分子に分散させた皮膜をコーティングし、さらにその周りに腸溶性コーティングを行うことによって得られるキトサン粉末含有固形製剤が挙げられる。
さらに好ましい形態としては、粒状の結晶セルロース〔例えば、セルフィア(旭化成)〕や精製白糖球状顆粒、白糖・デンプン球状顆粒〔例えば、各種ノンパレル(フロイント産業)〕の如き市販の粒子物質をコーティング装置に仕込み、これに薬物又は薬物と製剤用担体との混合物を被覆して薬物含有固形物を調製し、その周りにキトサン粉末を各種水不溶性高分子に分散させた皮膜をコーティングし、さらにその周りに腸溶性コーティングを行うことによって得られるキトサン粉末含有固形製剤が挙げられる。
本発明の大腸内放出性固形製剤は下記のような製剤的な特徴を有する。
胃内で薬物放出せず、大腸での薬物放出を制御
この固形製剤は、最外層に腸溶性皮膜を施すことによって胃を通過するまでは薬物は放出されず、小腸ではじめて腸溶性皮膜が溶ける性質を有する。ヒトの場合、製剤の小腸通過時間は3±1時間と一定しているため、大腸放出のためにはこのラグタイムが前記時間に少し遅延した時間を加えた範囲、すなわち2時間〜5時間程度であることが望ましいとされる。そして、本発明の製剤は小腸に達した後は、前述の一定のラグタイム後に薬物を徐々に放出し、大腸到達後はキトサン自体その大腸菌に対する特異的な分解性のため、皮膜のキトサン部分が特異的に分解され、薬物放出が更に加速されるように設計されている。また、本発明の固形製剤の特徴は、水不溶性高分子の種類とグレード、キトサン粉末の添加割合とグレードおよび粒子径等によって大腸到達後の薬物の放出も自由に制御することができることである。薬物によっては大腸内での過量放出によって副作用の発生も考えられるが、本発明の固形製剤はそのような場合にも自由に設計・制御できる点で有用である。
ラグタイムなしに大腸で薬物放出
通常、キトサンが大腸に到達してから分解されるまでに一定のラグタイムを必要とするが、本発明の大腸内放出性固形製剤を用いると、胃通過後、更に一定時間経過後に薬物透過性となった水不溶性皮膜部分を通して薬物が放出されるため、大腸到達後、薬物が放出されるまでにラグタイムが発生しない利点を有する。
薬物の大腸への送達を時間的および部位特異的に制御
キトサン粉末を分散した水不溶性皮膜(以下、「キトサン粉末分散型皮膜」と称することもある)の特徴は、薬物の大腸送達を時間的制御とキトサンの性質を生かした部位特異的制御の両方の制御で可能にしたことである。これまで、時間的制御、大腸特異的制御のいずれか単独での制御は広く行われているが、大腸での薬物の放出の確実性に欠けていた。従来のこのような製剤に比べ、本発明の固形製剤は水不溶性高分子とキトサンのグレードや組み合わせの比率、キトサンのグレード、粒子径および皮膜全体の膜厚により、大腸内においても上部、中部、下部等の薬物放出の制御および薬物放出速度の制御が可能である。また、水不溶性高分子および腸溶性高分子を適宜選択することにより大腸のみならず、小腸内での放出も可能である。
本発明の他の態様は、第11図Bに示すように、薬物含有固形物にキトサンおよび水不溶性高分子を含有する水不溶性皮膜のみを施し、腸溶性皮膜を施さない徐放性のキトサン粉末含有固形製剤である。
徐放性のキトサン粉末含有固形製剤の製造方法としては、腸溶性皮膜形成を除く以外は、上記大腸内放出性固形製剤の製法をそのまま使用することができる。すなわち、薬物含有固形物、例えば、薬物を含有するカプセル、錠剤、ペレットなどに、キトサン粉末を分散した水不溶性皮膜形成用コーティング液を塗布して製造される。
本発明の徐放性のキトサン粉末含有固形製剤は上記大腸放出性キトサン粉末含有固形製剤の原料として有用なばかりか、以下に示す製剤的な有用性を有する。
胃内での薬物放出
前述の如くキトサンは弱酸性の液によく溶ける性質があり、従って、酸性の液、即ち、胃内でも溶解するため、腸溶性皮膜のない本固形製剤においては、胃内ではキトサン分散水不溶性皮膜中に分散したキトサンの一部が溶け、薬物の一部が胃内で放出される。一方、通常の水不溶性皮膜のみのコーティングによる徐放性製剤の場合、皮膜のみのコーティングで長時間の徐放を達成するには、薬物放出までにラグタイムが生じてしまうことが多い。本発明の徐放性のキトサン粉末含有固形製剤では、キトサンが胃内で溶けるため、通常の水不溶性皮膜のみのコーティング製剤の問題点を克服できる。
小腸での薬物放出
一方、小腸内のpHは中性であるため、本発明の徐放性のキトサン粉末含有固形製剤は、通常、小腸内ではキトサンは溶解せず、小腸内での薬物放出は胃内での薬物放出とほぼ同じ速度で放出が行われる。
大腸内での薬物放出
その後、本発明の徐放性のキトサン粉末含有固形製剤が大腸に到達した時点で、胃内で溶けなかったキトサンが大腸内の細菌等によって分解をうけ、表面の膜自体はさらにポーラスになるため、即ち、表面の膜自体の空隙が増加するので、薬物放出速度は加速する。一般に大腸内では小腸等に比べて水分が少ないため、通常の水不溶性皮膜のみのコーティングによる徐放性製剤の場合には大腸内での放出が遅くなり、十分な放出が得られないが、本固形製剤は水分が少ない大腸内においてキトサンの特異的性質により薬物放出が加速されるため、通常の水不溶性皮膜のみのコーティング製剤の問題点を克服できる。
徐放性固形製剤としてのキトサン粉末分散型皮膜の特徴は、胃内、小腸内および大腸内での薬物の溶出についての時間的制御とキトサンの性質を生かした部位特異的制御の両方の制御で可能にしたことである。これまで、徐放性製剤としての時間的制御は広く行われているが、大腸での薬物の放出の確実性に欠けていた。従来のこのような製剤に比べ、本発明の徐放性の固形製剤は水不溶性高分子とキトサンのグレードや組み合わせの比率、キトサンのグレード、粒子径および皮膜全体の膜厚により、胃内、小腸内ばかりか、大腸内においても上部、中部、下部等の薬物放出の制御および薬物放出速度の制御が可能である。
以下に本発明の大腸放出性の固形製剤および腸溶性皮膜を施していない固形製剤又は徐放性の固形製剤についての実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
大腸放出性のペレット製剤の製造
ノンパレル103(精製白糖球状顆粒、16/24メッシュ;フロイント産業製品)1450gにアセトアミノフェン45gをヒドロキシプロピルメチルセルロース2910〔TC−5E(信越化学製品)〕の水溶液を結合液として粉末コーティングし、薬物芯を製する。この薬物芯360gにキトサン〔フローナックC−100M(共和テクノス製品);脱アセチル化度91.6%、粒度100メッシュ(=150μm)80%通過〕30gを分散させた5w/w%エチルセルロースエタノール溶液1500gをコーティングし、キトサン分散エチルセルロース被覆製剤を得る。この製剤に腸溶性基剤であるHPMCAS(信越化学製品)をエタノール/水(8/2)の混液に溶解させたコーティング液(5w/w%)を3000gコーティングし、ペレット状の固形製剤を得る。
実施例2
大腸放出性のカプセル製剤の製造
ゼラチン2号カプセル(1カプセル約65mg)に、1カプセルあたり、乳糖で希釈したアセトアミノフェン30倍散200mgを充填し、このカプセル(1カプセルあたり約265mg)250gに、キトサン〔フローナックC−100M(共和テクノス製品)〕8gを分散させた4w/w%エチルセルロースエタノール溶液100gをコーティングし、キトサン分散エチルセルロース被覆製剤を得る。この製剤に腸溶性基剤であるHPMCAS(信越化学製品)をエタノール/水(8/2)の混液に溶解させたコーティング液(5w/w%)を1000gコーティングし、カプセル製剤を得る。
実施例3a〜3c
キトサン分散エチルセルロースで被覆されたカプセル製剤の製造
ゼラチン2号カプセル(1カプセル約65mg)に、1カプセルあたり、乳糖で希釈したアセトアミノフェン30倍散200mgを入れ、このカプセル(1カプセルあたり約265mg)250gにキトサン〔フローナックC−100M(共和テクノス製品)〕をそれぞれ(a)8g、(b)4g、(c)2g分散させた4w/w%エチルセルロースエタノール溶液(エチルセルロース:キトサン=4/8,4/4,4/2)をコーティングし、3種類(3a,3b,3c)のキトサン分散エチルセルロース被覆カプセル製剤を得る。
実施例4a,4b
キトサン分散オイドラギットRSで被覆されたカプセル製剤の製造
ゼラチン2号カプセル(1カプセル約65mg)に、1カプセルあたり、乳糖で希釈したアセトアミノフェン30倍散200mgを入れ、このカプセル(1カプセルあたり約265mg)250gに(a)キトサン〔フローナックC−100M(共和テクノス製品)〕8gを分散させた4w/w%オイドラギットRSエタノール溶液(オイドラギットRS:キトサン=4/8)および(b)その倍量(オイドラギットRS:キトサン=8/16)をコーティングした2種類(4a,4b)のキトサン分散オイドラギットRS被覆カプセル製剤を得る。
実施例5a,5b
キトサン分散オイドラギットRSで被覆されたカプセル製剤の製造
ゼラチン2号カプセル(1カプセル約65mg)に、1カプセルあたり、乳糖で希釈したアセトアミノフェン30倍散200mgを入れ、このカプセル(1カプセルあたり約265mg)250gに(a)キトサン〔フローナックC−100M(共和テクノス製品)〕16gを分散させた4w/w%オイドラギットRSエタノール溶液(オイドラギットRS:キトサン=8/16)および(b)キトサン〔フローナックC−60M(共和テクノス製品);脱アセチル化度89.9%、粒度60メッシュ(=250μm)99.6%通過〕16gを分散させた4w/w%オイドラギットRSエタノール溶液(オイドラギットRS:キトサン=8/16)をコーティングし、2種類(5a,5b)のキトサン分散オイドラギットRS被覆カプセル製剤を得る。
実施例6
キトサン分散オイドラギットRSで被覆された徐放性のペレット製剤の製造
ノンパレル103(16/24メッシュ、平均粒子径:0.83mm;フロイント産業製品)1450gにアセトアミノフェン900gをTC−5E水溶液を結合液として粉末コーティングし、薬物芯(平均粒子径:0.99mm)を製する。この薬物芯360gにキトサン(製品名:フローナックC−100M(共和テクノス製品))168gを分散させた4w/w%オイドラギットRSエタノール溶液2100gをコーティングし、キトサン分散オイドラギットRS被覆製剤(平均粒子径:1.3mm)を得る。
実施例7
大腸放出性のペレット製剤の製造
実施例6で得られるキトサン分散オイドラギットRS被覆製剤に腸溶性基剤であるオイドラギットL100−55をエタノールに溶解させ(5w/w%)、更にステアリン酸マグネシウムを80g分散させたコーティング液を1500gコーティングし、ペレット状の固形製剤(平均粒子径:1.4mm)を得る。
溶出試験
実施例1〜実施例5bの製剤について、第十三改正日本薬局方の溶出試験第1液(pH1.2)(以下、単に「第1液」と称する)および/又は同第2液(pH6.8)(以下、単に「第2液」と称する)を用いてパドル法により溶出試験を行い、薬物の溶出挙動を観察した(溶出試験液900ml、37℃、パドル回転数100rpm)。それらの結果を、それぞれ、第1図から第6図に示す。
実施例6および7の製剤について、順次、第1液中で2時間、第2液中で3時間、以後pH4.0で溶出試験に付し、薬物の溶出挙動を観察した(溶出試験液900ml、37℃、バスケット回転数100rpm)。それらの結果を、それぞれ第7図および第9図に示す。
胃液の疑似モデルである第1液において2時間以上実質的に薬物の溶出が起こらず、腸液の疑似モデルである第2液で2〜5時間で実質的な溶出が起こり、その後良好な溶出が達成される製剤、すなわち、胃内で2時間以上滞留しても溶出が起こらず、腸に移行した後、2時間から5時間で溶出を開始し、一定の時間でほとんど溶出されるような製剤を、本発明の目的を満たす製剤と評価した。
in vivo血中濃度測定試験
Wistar系雄性ラット(約200g)6匹に、実施例6または実施例7のペレット製剤(それぞれ9mgおよび12mg;アセトアミノフェンとして2mg相当量)を投与した後、一定時間毎に採血し、血漿中のアセトアミノフェン濃度を測定した。それらの結果を、それぞれ、第8図および第10図に示す。
第1図によれば、実施例1の製剤は第1液では4時間後でもほとんど薬物の溶出が起こらず、第2液では溶出するまでに4時間のラグタイムを有し、4時間後から徐々に溶出が始まり、20時間後には約100%溶出しているので上記の基準を満たす良好な製剤である。第2図によれば、実施例2の製剤は第1液では2時間後でもほとんど溶出せず、第2液では溶出するまでに3時間のラグタイムを有し、3時間後から徐々に溶出が始まり、18時間後には約95%溶出しているので上記の基準を満たす良好な製剤である。
以下の第3図〜第6図によって示される実験においては、腸内での挙動のみを観察するために腸溶性皮膜のない製剤を用い、腸内(大腸内を含む)のpHに近い第2液を用いた。
第3図によれば、実施例3cの製剤に対してキトサンの量を2倍、4倍と増した実施例3bおよび3aの製剤は、第2液において薬物の溶出率がキトサンが増加に対し一定の比率で増加している。すなわち、キトサンの量をこのように設定することにより8時間後において溶出率を約30%〜約65%に制御することができる。
従って、第3図からはキトサンの量を変化させることにより、さらに腸溶性皮膜を施した本発明の製剤が大腸に到達したときの溶出率を制御できることが示唆される。
第4図によれば、水不溶性高分子としてエチルセルロースを用いた実施例3aの製剤は、約2時間後に薬物の溶出が始まり、10時間後に溶出率が約70%に達する。一方、水不溶性高分子としてオイドライギットRSを用いた実施例4aの製剤は、約1時間半後に溶出が始まり、5時間後に溶出率が約80%に達している。
従って、第4図からは水不溶性基剤の種類を変えることにより、さらに腸溶性皮膜を施した本発明の製剤が大腸に到達したときの溶出率を制御できることが示唆される。
第5図によれば、実施例4aの製剤は、約2時間後に薬物の溶出が始まり、約5時間後に溶出率が約80%に達する。一方、水不溶性皮膜の量を実施例4aの製剤の倍にした実施例4bの製剤は、第2液では約4時間後に溶出が始まり、徐々に増加し、20時間後に溶出率が約90%に達している。
従って、第5図からはキトサン粉末分散水不溶性皮膜の厚さを変化させることにより、さらに腸溶性皮膜を施した本発明の製剤が大腸に到達したときの溶出率を制御できることが示唆される。
第6図によれば、粒子径が60メッシュ(粒度:60メッシュ(=250μm)99.6%通過)であるキトサンを用いた実施例5bの製剤は、約2時間半後に薬物の溶出が始まり、約10時間後に溶出率が約55%に達し、その後徐々に溶出し、20時間後には溶出率が約90%に達している。一方、粒子径が60メッシュより細かなキトサン(粒子径:100メッシュ;粒度:100メッシュ(=150μm)80%通過)を用いた実施例5aの製剤は、第2液では約4時間後に溶出が始まり、10時間後に溶出率が約30%に達し、その後も溶出を続け、20時間後には溶出率が約85%達している。
従って、第6図からは分散させるキトサンの粒子径を変化させることにより、さらに腸溶性皮膜を施した本発明の製剤が大腸に到達したときの溶出率を制御できることが示唆される。
上記第3図〜第6図の説明から明らかなように、水不溶性基剤とキトサン粉末の比率、水不溶性皮膜の種類、皮膜量、キトサンの粒子径により、薬物の溶出性を制御できるので、所望の大腸内放出性の固形製剤を設計することができる。
第7図、第8図は徐放性製剤として使用する場合の薬物溶出に関するものである。第7図によれば、実施例6で得られる腸溶性皮膜コーティング前の製剤は第1液中で放出が始まり、その後交換した第2液中において一定の割合で薬物を放出し、その後置かれた弱酸性の条件下では速やかに溶出している。
第8図によれば、動物実験(in vivo)において、水不溶性高分子に分散して存在するキトサンの効果を示す胃内での薬物放出並びに大腸での薬物放出の効果を示す血漿中薬物濃度プロファイルが得られると共に、薬物放出が12時間持続することが示された。
第9図によれば、実施例7の製剤は第1液では2時間後でもほとんど溶出せず、その後交換した第2液中においても溶出するまでに約3時間のラグタイムを有し、その後の弱酸性の条件下では速やかに約100%溶出していることが示された。従って、実施例7の製剤は上記の基準を満たす良好な製剤である。
第10図によれば、動物実験(in vivo)において、血漿中薬物濃度がペレット投与後8時間で最大となり、大腸特異的な放出を示すと共に、薬物放出が持続することが示された。
産業上の利用可能性
本発明の大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤は、溶媒として酸を使用しないので残留する酸による影響がなく、キトサン分散型皮膜により薬物の大腸送達を時間的制御とキトサンの性質を生かした部位特異的制御の両方の制御で可能にする優れた大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤である。また、本発明の大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤の製造方法は、簡便で大量に製造し得る優れた製造方法である。さらに、腸溶性皮膜コーティング前の固形製剤は、本発明の大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤を製造するための固形製剤として有用であるばかりか、それ自体で徐放性の効果があり、キトサンの性質を生かした徐放性製剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の大腸放出性ペレット製剤について、局方第1液および第2液を用いてパドル法による溶出試験に付した場合の薬物の溶出率と時間との関係を示す。
第2図は、実施例2の大腸放出性カプセル製剤について、局方第1液および第2液での同様の溶出試験における薬物の溶出率と時間との関係を示す。
第3図は、キトサン粉末分散水不溶性皮膜でのキトサン粉末の添加割合を1倍、1/2倍および1/4倍と変化させた実施例3a〜3cのカプセル製剤について、局方第2液での同様の溶出試験における薬物の溶出率と時間との関係を示す。
第4図は、水不溶性基剤の種類を変えた実施例3a(水不溶性基剤:エチルセルロース)および実施例4a(水不溶性基剤:オイドラギットRS)のカプセル製剤について、局方第2液での同様の溶出試験における薬物の溶出率と時間との関係を示す。
第5図は、キトサン粉末分散水不溶性皮膜の皮膜量を変えた実施例4aおよび4bのカプセル製剤について、局方第2液での同様の溶出試験における薬物の溶出率と時間との関係を示す。
第6図は、水不溶性皮膜に分散させているキトサン粉末の粒子径がそれぞれ100メッシュ(100M)と60メッシュ(60M)であるものを使用した実施例5aおよび5bのカプセル製剤について、局方第2液での同様の溶出試験における薬物の溶出率と時間との関係を示す。
第7図は、実施例6の徐放性ペレット製剤について、局方第1液、第2液およびpH4.0での同様の溶出試験における薬物の溶出率と時間との関係を示す。
第8図は、実施例6の徐放性ペレット製剤をラットに投与し、得られた血漿中薬物濃度時間曲線を示す。
第9図は、実施例7の大腸放出性ペレット製剤について、局方第1液、第2液およびpH4.0での同様の溶出試験における薬物の溶出率と時間との関係を示す。
第10図は、実施例7の大腸放出性ペレット製剤をラットに投与し、得られた血漿中薬物濃度時間曲線を示す。
第11図のAは大腸内放出性のキトサン粉末含有固形製剤の模式図を示し、第11図のBは徐放性のキトサン粉末含有固形製剤の模式図を示す。

Claims (9)

  1. 薬物含有固形物に、キトサン粉末が分散した水不溶性高分子が被覆されてなることを特徴とするキトサン粉末含有固形製剤。
  2. 水不溶性高分子がエチルセルロース、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル・コポリマー又はメタアクリル酸メチル・アクリル酸エチル・コポリマーである請求項1記載の固形製剤。
  3. 更に腸溶性高分子が被膜されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の固形製剤。
  4. 腸溶性高分子がヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート又はメタアクリル酸・アクリル酸エチル・コポリマーである請求項3に記載の固形製剤。
  5. キトサン粉末と水不溶性高分子の重量比が約1:10〜約10:1である請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形製剤。
  6. キトサン粉末と水不溶性高分子の重量比が約1:4〜約4:1である請求項5記載の固形製剤。
  7. 固形製剤がペレット、カプセル又は錠剤である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固形製剤。
  8. 下記(1)〜(2)の工程を含むキトサン粉末含有固形製剤の製造方法:
    (1)キトサン粉末を水不溶性高分子含有液に分散させる工程、及び
    (2)前記(1)で得られる分散液を薬物含有固形物にコーティングする工程。
  9. 請求項8の工程(2)で得られる固形製剤に腸溶性皮膜形成用コーティング液を塗布する工程を更に含む請求項8記載の製造方法。
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