JP4659192B2 - タレット刃物台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、NC(数値制御)旋盤等の旋盤において使用される旋回可能なタレットを有する刃物台に関するものであり、特に、油圧ユニットが必要なくなるとともに、クランプ・アンクランプ時のクランプ部材、タレットを駆動する電動モータの位置制御、速度制御を行うことで高速かつ円滑に割り出しを行うことが可能なタレット刃物台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
NC旋盤においては、旋回可能なタレットを有する刃物台(タレット刃物台)が使用されている。本出願人は、このようなタレット刃物台として、特開平10−315014号公報において、タレットクランプ用の駆動源を刃物台の外部に設けるようにしたタレット刃物台に関する技術を提案した。このタレット刃物台では、刃物台の外部にタレットの旋回駆動機構、旋回駆動源、クランプ駆動源等の機構が設けられているので、これらの駆動源、駆動機構が発生する熱による刃物台本体等の熱変位が少なくなり、加工精度を向上させることができた。
【0003】
また、このタレット刃物台では、旋回駆動機構をベルト・プーリ機構としたので、旋回駆動機構を歯車機構とした場合のような、歯車機構による騒音も発生せず、作業環境が良好となる。さらに、旋回駆動機構のための強制潤滑系統が不必要となり、潤滑油の廃油による作業環境の悪化がなくなるとともに、廃油処理が不要となってNC旋盤のランニングコストを低減させることができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−315014号公報に記載されたタレット刃物台では、クランプ駆動源としては、油圧シリンダを使用していた。このような油圧シリンダを動作させるためには、圧力油を供給する油圧ユニットが必要となる。油圧ユニットは通常、ポンプ駆動用電動機を常時稼働させておき圧力油の圧力が所定値以上にならないように圧力制御弁から圧力油を逃がすように構成されている。このため、油圧ユニットによる電力消費が大きい、油圧ユニットの騒音や振動により作業環境が悪化する、油圧ユニットの振動や熱が旋盤に伝わり加工精度が悪化するというような問題点があった。
【0005】
さらに、油圧シリンダによってクランプ部材を駆動してタレット刃物台をクランプすると、クランプ時に大きな異音(衝突音)や振動を発生することがあった。このような異音や振動の発生は、対向主軸工作機械、1主軸2刃物台の工作機械等において、他方の刃物台での加工に影響を与えるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、タレット刃物台の旋回駆動源およびクランプ駆動源としての油圧シリンダをなくし、油圧ユニットを不要として、油圧ユニットによる電力消費をなくすとともに、騒音、振動や発熱をなくして作業環境および加工精度を向上させることができ、さらに、クランプ機構の凹凸部接触時の速度を制御して衝撃を緩和させクランプ時の異音、振動の発生を防止することができるタレット刃物台を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のタレット刃物台は、刃物台本体と、前記刃物台本体に旋回可能に支持され、外周側の所定の位置に工具を取り付けるための工具取付部が形成されたタレットと、前記タレットと前記刃物台本体との間に跨って係合および離脱可能に設けられ、係合したときに前記刃物台本体に対して前記タレットを所定の位置に位置決めする位置決め手段と、前記刃物台本体に設けられ、前記タレットを所定の角度位置に旋回させるタレット旋回用モータと、前記刃物台本体に設けられ、前記刃物台本体に対して前記タレットをクランプおよびクランプ解除するクランプ・アンクランプ用モータと、前記クランプ・アンクランプ用モータの出力軸の回転運動を、前記位置決め手段の係合・離脱方向の進退移動に変換するねじ機構とを有する。前記位置決め手段は、前記刃物台本体に固定され固定凹凸部を備えた固定部材と、前記タレットに固定され旋回凹凸部を備えた旋回部材と、前記固定凹凸部と前記旋回凹凸部とに同時に嵌合することが可能なクランプ凹凸部を備えたクランプ部材とからなるものであり、前記ねじ機構は、互いに螺合するねじ軸およびナットの一方が前記クランプ・アンクランプ用モータの出力軸に結合され、前記ねじ軸およびナットの他方は前記ねじ軸の軸線方向の移動を伝達する伝達機構に結合されたものである。前記クランプ部材は、前記伝達機構に結合され、前記ねじ軸の軸線方向に進退移動されるものである。前記伝達機構は、前記ねじ機構が発生した前記ねじ軸の軸線方向の駆動力を増大させ、この増大させた駆動力を前記クランプ部材に伝達する増力機構を含むものである。
【0008】
また、上記のタレット刃物台において、前記ねじ機構は、ねじ軸とナットがボールを介して作動するボールねじを含むものであることが好ましい。
【0009】
また、上記のタレット刃物台において、前記クランプ・アンクランプ用モータは、前記位置決め手段の動作速度を所定動作位置で変更制御することが可能なものであることが好ましい。
【0010】
また、上記のタレット刃物台において、前記増力機構は、ボール部材と、前記ボール部材に当接する傾斜面を備えた当接部材とを含むものであることが好ましい。
【0011】
また、上記のタレット刃物台において、前記クランプ・アンクランプ用モータおよび前記タレット旋回用モータは、前記位置決め手段と前記タレットの一方の動作を他方の動作位置に関連付けて同時に制御を行うことが可能なものであることが好ましい
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、NC(数値制御)旋盤における本発明のタレット刃物台の側面図である。図1は、タレット刃物台のタレット3を正面とした場合の右側から見た側面図である。刃物台本体1はクロススライド2上に固設され、クロススライド2はNC旋盤のベッド等の固定部材上に設けられたガイドレール22に沿って案内されるボールガイド本体21により滑らかに移動可能である。タレット刃物台は、ガイドレール22とボールガイド本体21で構成される直動ころがり案内により直線移動可能に案内されるとともに、図示しないサーボモータ、ボールねじ等の駆動機構により、刃物台全体が工作物への切り込み方向に移動でき、加工工具31,32を工作物の中心軸に対して接近離反させることが可能となっている。
【0015】
刃物台本体1には、タレット3が旋回可能に支持されており、タレット3の周辺部に取り付けられた加工工具を、加工位置に割り出し、かつ、加工位置でクランプすることができる。タレット3の周辺部には、複数の工具取付部が形成されており、その工具取付部に種々のバイト等の外径工具31、内径工具32が取り付けられている。ノズル73は、切削油剤を各加工工具に向けて噴出するためのものである。切削油剤路がタレット3内、刃物台本体1内等に形成されており、加工位置に割り出された加工工具近傍のノズル73より切削油剤が加工工具の刃先部近傍に噴出される。
【0016】
電動モータであるクランプ・アンクランプ用モータ4は、所望の加工工具を加工位置に位置決めまたは割り出し可能にするためにタレット3をクランプ状態またはアンクランプ状態にするためのものである。クランプ・アンクランプ用モータ4としてはサーボモータ、インバータ制御されたモータ等が使用できるが、位置制御、速度制御の可能なサーボモータ等の制御モータが好ましい。また、ブレーキ40は、クランプ状態でクランプ・アンクランプ用モータ4を制動し、クランプ状態を保持するためのものである。クランプ・アンクランプ用モータ4は刃物台本体1の外側に取り付けられており、かつ、タレット3の支持面とは反対側の外面に取付部材41を介して取り付けられている。
【0017】
クランプ・アンクランプ用モータ4をこのようにタレット3と離して配置することにより、クランプ・アンクランプ用モータ4で発生した熱がタレット3まで伝導しにくくなり、工具位置の熱変位量が減少する。クランプ・アンクランプ用モータ4は、周囲の空気によって直に冷却されるようになっており、発生した熱が空冷で除去されるようになっている。また、クランプ・アンクランプ用モータ4と刃物台本体1との間に断熱効果のある部材をはさむとさらに好適となる。
【0018】
図2は、タレット3の旋回機構およびクランプ機構を示す断面図である。図2は、図1における上方向から見た断面図である。刃物台本体1には、取付面部11が一体的に延在して形成されている。その取付面部11には旋回駆動モータ5が取り付けられている。旋回駆動モータ5は、タレット3を駆動して旋回運動させるためのものであり、所定の加工工具を加工位置または加工位置近傍に割り出すものである。旋回駆動モータ5としてはサーボモータ、インバータ制御されたモータ等が使用できるが、位置制御の可能なサーボモータ等の制御モータが好ましい。旋回駆動モータ5が取付面部11に取り付けられ、刃物台本体1とは分離して設けられているので、旋回駆動モータ5で発生した熱が刃物台本体1およびタレット3まで伝導しにくくなり、加工工具位置の熱変位量が減少する。
【0019】
タレット3は、刃物台本体1にボルト121で固定されたタレット支持軸12の軸部122により旋回可能に支持されている。タレット3は、軸線方向には移動しないように支持されている。なお、軸受部にはオイレス軸受を使用したり、グリス溜まりを設けることにより、強制潤滑が不要となる。また、タレット3には歯付プーリ33がボルト37により固定されており、タレット3と歯付プーリ33とは一体となって回転する。
【0020】
一方、刃物台本体1の外部に設けられた旋回駆動モータ5の出力軸51には歯付プーリ52が固定されており、歯付プーリ52と歯付プーリ33との間には歯付ベルト53が巻き回されている。この歯付ベルトと歯付プーリによるベルト・プーリ機構により、旋回駆動モータ5の回転出力がタレット3に伝達される。タレット3の外周側から歯付プーリ33により旋回駆動され、刃物台内部に旋回駆動機構を持たないため、駆動機構の発生熱による熱変位も少なく、刃物台内部の歯車機構への強制潤滑の必要もなくなる。また、歯車機構がないために駆動機構の発生する騒音も減少する。
【0021】
クランプ・アンクランプ用モータ4はタレット3を所定の角度位置でクランプしたり、アンクランプ(クランプ解除)するための駆動源である。また、ブレーキ40は、クランプ状態でクランプ・アンクランプ用モータ4の出力軸42の回転を阻止して、クランプ状態を保持するためのものである。クランプ・アンクランプ用モータ4の出力軸42は、結合部材42aを介してボールねじ軸43に結合されている。ボールねじ軸43にはボールナット44が螺合しており、そのボールナット44は第1伝達部材46に固定されている。なお、ボールナット44を出力軸42に結合し、ボールねじ軸43を第1伝達部材46に固定するようにしてもよい。
【0022】
第1伝達部材46は、ボールねじ軸43の軸方向の移動のみが可能とされており、軸回りの回転はピン481(図3参照)により規制されている。したがって、ボールねじ軸43の回転により、第1伝達部材46は図2の矢印方向に駆動される。第1伝達部材46の矢印方向後方(クランプ・アンクランプ用モータ4側の方向)への移動は、ボール部材47を含む後述する増力機構により駆動力が増大されて、第2伝達部材48に伝達される。第2伝達部材48の移動は連結棒45を介してクランプ部材35を駆動する。連結棒45は、刃物台本体1および固定部123に設けられた貫通孔を通して、第2伝達部材48とクランプ部材35とを連結固定するものであり、図2には示されていないが、円周方向に均等に複数本(例えば、3本)の連結棒45が設けられている。
【0023】
タレット支持軸12の外周位置には、環状の固定部123がボルト124により刃物台本体1に固定されている。後述のように、固定部123および歯付プーリ33の互いに隣接する位置に凹凸部が設けられており、クランプ部材35に設けられた凹凸部が両者の凹凸部に同時に嵌合し、固定部123と歯付プーリ33とを連結してタレット3をクランプ状態とすることが可能である。クランプ部材35を前方(タレット3側の方向)に移動させて、クランプ部材35と固定部123、歯付プーリ33との連結を解除すれば、タレット3を旋回駆動モータ5およびベルト・プーリ機構により旋回させることが可能となる。
【0024】
図3は、クランプ力伝達機構の拡大図である。前述のように、クランプ・アンクランプ用モータ4の出力軸42に接続されたボールねじ軸43にはボールナット44が螺合しており、そのボールナット44は第1伝達部材46に固定されている。第1伝達部材46は、ボールねじ軸43の軸方向の移動のみが可能とされており、軸回りの回転はピン481により規制されている。したがって、クランプ・アンクランプ用モータ4の出力軸42およびボールねじ軸43を正逆方向に回転駆動することにより、ボールナット44および第1伝達部材46を矢印方向に往復移動させることができる。
【0025】
第1伝達部材46の前方(図3の左方向)部分には円錐面状の傾斜面461が形成されており、その傾斜面461には複数個のボール部材47が当接している。ボール部材47は、第2伝達部材48の円筒部に設けられた半径方向の収納孔内に収納されており、半径方向に移動することが可能である。また、タレット支持軸12には環状の当接部材49が固定されている。当接部材49には円錐面状の傾斜面491が形成されており、この傾斜面491にボール部材47が当接する。
【0026】
第1伝達部材46が後方(図3の右方向)に移動すると、傾斜面461に当接するボール部材47は、半径方向外方に移動する。傾斜面461の前後方向に対する傾斜角を角度αとする。仮に、第2伝達部材48が前後方向に移動しないものとすると、ボール部材47の半径方向の移動量は、第1伝達部材46の後方への移動量のtan(α)倍となる。したがって、伝達される駆動力は1/tan(α)倍となり、角度αが小さいほど駆動力が増力される。
【0027】
そして、ボール部材47が半径方向外方に移動すると、ボール部材47は当接部材49の傾斜面491に沿って移動するので、後方に引き戻される動きを生じる。ボール部材47の後方への移動は第2伝達部材48の後方移動を伴う。傾斜面491の半径方向に対する傾斜角を角度βとすると、ボール部材47の後方への移動量は、ボール部材47の半径方向の移動量のtan(β)倍となる。したがって、伝達される駆動力は1/tan(β)倍となり、角度βが小さいほど駆動力が増力される。
【0028】
このように、第1伝達部材46に伝達された後方への駆動力は、傾斜面461、ボール部材47および傾斜面491によって増力され、第2伝達部材48に伝達される。その増力の倍率は、これらの傾斜面の傾斜角である角度αおよび角度βによって決定される。第2伝達部材48が後方に駆動されると、第2伝達部材48の運動は連結棒45を介してクランプ部材35(図2参照)を駆動し、タレット3をクランプ状態とする。クランプ状態では、ブレーキ40(図2参照)を作動させ、クランプ・アンクランプ用モータ4の出力軸42の回転を阻止して、クランプ状態を保持する。
【0029】
クランプ部材35によるクランプ力を所望の値に制御するためには、クランプ・アンクランプ用モータ4の位置データとクランプ力との関係、または、クランプ・アンクランプ用モータ4の駆動トルク値とクランプ力との関係を予め求めておく。そして、この関係に基づいてクランプ・アンクランプ用モータ4を制御することにより所望のクランプ力にすることができる。
【0030】
タレット3をアンクランプ状態とするには、ブレーキ40を解除し、クランプ・アンクランプ用モータ4をクランプ時とは逆方向に回転駆動して、ボールナット44および第1伝達部材46を前方に移動する。それとともに、ボール部材47が第1伝達部材46の凹部463内に移動する。そして、第1伝達部材46の前方の端面462が、第2伝達部材48の当接面482に当接して、第2伝達部材48を前方に移動させる。第2伝達部材48が前方に移動されると、連結棒45を介してクランプ部材35も前方に移動され、タレット3をアンクランプ状態とする。
【0031】
このように、タレット3のクランプ時の駆動力を、第1伝達部材46の傾斜面461、ボール部材47、当接部材49の傾斜面491、第2伝達部材48からなる増力機構によって、増力してクランプ部材35に伝達するようにしたので、クランプ・アンクランプ用モータ4として大駆動力の大型のモータを必要とせず、タレット刃物台のコストの低減化に貢献する。また、この増力機構は構成が簡素で信頼性が高く、さらに、クランプ状態でのセルフロックが可能であるので、ブレーキ40も小型のものでよい。
【0032】
図4は、タレット3のクランプ機構の部分拡大図である。タレット3はタレット支持軸12の軸部122(図2参照)に旋回可能に支持されており、歯付プーリ33によって旋回駆動される。この歯付プーリ33の内周側端面部には旋回凹凸部34が設けられている。旋回凹凸部34は円周方向に均等に複数個(例えば、タレット3の割り出し数の整数倍)の凹部および凸部を有するものである。タレット支持軸12の外周に固定された固定部123には、旋回凹凸部34に隣接して、固定凹凸部13が形成されている。固定凹凸部13にも旋回凹凸部34と同じ角度間隔で凹部および凸部が設けられている。
【0033】
また、連結棒45の先端に固定されたクランプ部材35の、固定凹凸部13および旋回凹凸部34に対向する面には、複数個(例えば、タレット3の割り出し数の整数倍)の凹部および凸部を有するクランプ凹凸部36が設けられている。クランプ凹凸部36は、固定凹凸部13と旋回凹凸部34との位相がそろった状態で、固定凹凸部13および旋回凹凸部34にちょうどはまり合う相補形状の凹凸部となっている。このことにより、タレット3の所定の角度ごとの位置決めが可能になっている。
【0034】
タレット3が所定の回転位置に割り出され、連結棒45およびクランプ部材35が後方(図4の右方向)に駆動されると、クランプ凹凸部36と固定凹凸部13および旋回凹凸部34とが嵌合し、タレット3は回転不能に位置決めされ、クランプ状態となる。連結棒45およびクランプ部材35が前方(図4の左方向)に駆動されると、クランプ凹凸部36と固定凹凸部13および旋回凹凸部34との嵌合が外れ、タレット3が割り出し動作可能なアンクランプ状態となる。
【0035】
以上のように、タレット3をクランプ状態またはアンクランプ状態とするときのクランプ部材35の駆動をサーボモータ等の電動モータによって行うようにしたので、油圧ユニットを不要として、工作機械の消費エネルギーの低減化が実現でき、油圧ユニットによる騒音、振動、発熱をなくして作業環境および加工精度を向上させることができた。
【0036】
また、クランプ部材35の駆動を電動モータとねじ機構によって行うようにするとともに、クランプ・アンクランプ用モータ4を速度制御可能なサーボモータ等の制御モータとしたので、クランプ部材35の移動位置に応じてクランプ部材35の移動速度を制御することができる。これにより、クランプ部材35のクランプ凹凸部36が固定凹凸部13および旋回凹凸部34と接触する前にクランプ部材35の速度を減速するようにして、クランプ時の異音の発生を防止することができる。さらに、クランプ凹凸部36が固定凹凸部13および旋回凹凸部34から離れるときのクランプ部材35の移動速度も減速した速度にしてもよい。
【0037】
また、それ以外の位置におけるクランプ・アンクランプ動作の移動速度を高速とすることができるので、クランプ・アンクランプ時間の短縮化が可能となる。このようにして、動作時間を短縮化し異音等の発生しない円滑なクランプ・アンクランプ動作を実現することができる。さらに、クランプ部材35を駆動するためのねじ機構がボールねじを使用したものであるから、クランプ終了時にねじの食い付きを生じることがなく、ねじの食い付きによってクランプ解除に支障を来すようなことが防止できる。
【0038】
さらに、クランプ・アンクランプ用モータ4、旋回駆動モータ5を位置制御可能なサーボモータ等の制御モータとすることにより、移動中のクランプ部材35の位置およびタレット3の旋回位置を常に把握できるので、NC装置等により、クランプ部材35の移動とタレット3の旋回移動とを、互いに関連付けて同時に制御することができ、動作時間を短縮することができる。例えば、タレット3の旋回移動が完全に停止する前にクランプ部材35のクランプ動作を開始したり、クランプ部材35がクランプ解除側のストローク端に達する前にタレット3の旋回移動を開始することができる。このようにして、タレット3のクランプ時間および割り出し時間を短縮することができる。さらに、クランプ部材35の位置を常に把握できるので、クランプ・アンクランプ状態を検出するための検出器が不要となり、信頼性も向上する。
【0039】
また、タレット3の旋回駆動源である旋回駆動モータ5が刃物台本体1の外部に設けられており、タレット3の旋回駆動機構であるベルト・プーリ機構も刃物台本体1の外側に設けられている。さらに、クランプ用駆動源であるクランプ・アンクランプ用モータ4も刃物台の外部に取り付けられている。このため、これらの駆動源や駆動機構で発生した熱が外部に発散しやすく、刃物台の内部には熱の発生源がないために、工具位置の熱変位量が著しく減少する。また、刃物台内部での強制潤滑の必要がなく、廃油の処理等のコストが減少する。さらに、タレット3の旋回駆動機構が、ベルト・プーリ機構のため発生する騒音が極めて少ない。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
【0041】
タレットのクランプおよびアンクランプをクランプ・アンクランプ用モータとねじ機構によって行うようにしたので、油圧ユニットを不要として、工作機械の消費エネルギーの低減化が実現でき、油圧ユニットによる騒音や振動をなくして作業環境および加工精度を向上させることができた。また、クランプ部材の移動位置に応じてクランプ部材の速度を制御することができ、クランプ時の異音、振動の発生を防止することができる。
【0042】
また、クランプ部材の移動とタレットの旋回移動とを、互いに関連付けて同時に制御することができ、動作時間を短縮することができる。また、クランプ部材の位置を常に把握できるので、クランプ・アンクランプ状態を検出するための検出器が不要となり、信頼性も向上する。さらに、クランプ・アンクランプ用モータが刃物台の外部に設けられているため、クランプ・アンクランプ用モータが発生した熱が外部に発散しやすく、加工工具位置の熱変位量が減少する。
【0043】
ねじ機構をボールねじ軸およびボールナットからなるボールねじ機構としたので、クランプ終了時にねじの食い付きが生じることがなく、ねじの食い付きによってクランプ解除に支障を来すようなことが防止できる。
【0044】
ねじ機構が発生した駆動力を増力機構によって増大させてクランプ部材に伝達するようにしたので、クランプ・アンクランプ用モータとして大駆動力の大型のモータを必要とせず、タレット刃物台のコストを低減することができる。
【0045】
増力機構をボール部材と傾斜面とを備えたものとしたので、増力機構の構成を簡素化して信頼性を向上させることができる。さらに、クランプ状態でのセルフロックが可能であるので、クランプ状態を保持するためのブレーキも小型のものでよい。
【0046】
クランプ・アンクランプ用モータを位置決め手段の動作速度を所定動作位置で変更制御することが可能なものとしたので、クランプ・アンクランプ動作の動作時間を短縮化することが可能となり、また、クランプ・アンクランプ動作における異音や振動等の発生を防止することができる。
【0047】
クランプ・アンクランプ用モータおよびタレット旋回用モータを位置決め手段とタレットの一方の動作を他方の動作位置に関連付けて同時に制御を行うことが可能なものとしたので、タレットの割り出しおよびクランプ・アンクランプ動作の全体の動作時間を短縮化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のタレット刃物台の側面図である。
【図2】図2は、タレットの旋回機構およびクランプ機構を示す断面図である。
【図3】図3は、クランプ力伝達機構の拡大図である。
【図4】図4は、タレットのクランプ機構の部分拡大図である。
【符号の説明】
1…刃物台本体
2…クロススライド
3…タレット
4…クランプ・アンクランプ用モータ
5…旋回駆動モータ
11…取付面部
12…タレット支持軸
13…固定凹凸部
21…ボールガイド本体
22…ガイドレール
31…外径工具
32…内径工具
33…歯付プーリ
34…旋回凹凸部
35…クランプ部材
36…クランプ凹凸部
40…ブレーキ
41…取付部材
42…出力軸
43…ボールねじ軸
44…ボールナット
45…連結棒
46…第1伝達部材
47…ボール部材
48…第2伝達部材
49…当接部材
51…出力軸
52…歯付プーリ
53…歯付ベルト
73…ノズル
122…軸部
123…固定部
461,491…傾斜面
462…端面
481…ピン
482…当接面

Claims (5)

  1. 刃物台本体(1)と、
    前記刃物台本体(1)に旋回可能に支持され、外周側の所定の位置に工具を取り付けるための工具取付部が形成されたタレット(3)と、
    前記タレット(3)と前記刃物台本体(1)との間に跨って係合および離脱可能に設けられ、係合したときに前記刃物台本体(1)に対して前記タレット(3)を所定の位置に位置決めする位置決め手段(33,35,123)と、
    前記刃物台本体(1)に設けられ、前記タレット(3)を所定の角度位置に旋回させるタレット旋回用モータ(5)と、
    前記刃物台本体(1)に設けられ、前記刃物台本体(1)に対して前記タレット(3)をクランプおよびクランプ解除するクランプ・アンクランプ用モータ(4)と、
    前記クランプ・アンクランプ用モータ(4)の出力軸(42)の回転運動を、前記位置決め手段(35)の係合・離脱方向の進退移動に変換するねじ機構(43,44)とを有し、
    前記位置決め手段は、前記刃物台本体(1)に固定され固定凹凸部(13)を備えた固定部材(123)と、前記タレット(3)に固定され旋回凹凸部(34)を備えた旋回部材(33)と、前記固定凹凸部(13)と前記旋回凹凸部(34)とに同時に嵌合することが可能なクランプ凹凸部(36)を備えたクランプ部材(35)とからなるものであり、
    前記ねじ機構は、互いに螺合するねじ軸(43)およびナット(44)の一方が前記クランプ・アンクランプ用モータ(4)の出力軸(42)に結合され、前記ねじ軸(43)およびナット(44)の他方は前記ねじ軸(43)の軸線方向の移動を伝達する伝達機構(45〜49)に結合されたものであり、
    前記クランプ部材(35)は、前記伝達機構(45〜49)に結合され、前記ねじ軸(43)の軸線方向に進退移動されるものであり、
    前記伝達機構(45〜49)は、前記ねじ機構(43,44)が発生した前記ねじ軸(43)の軸線方向の駆動力を増大させ、この増大させた駆動力を前記クランプ部材(35)に伝達する増力機構(46〜49)を含むものであるタレット刃物台。
  2. 請求項に記載したタレット刃物台であって、
    前記ねじ機構は、ねじ軸(43)とナット(44)がボールを介して作動するボールねじを含むものであるタレット刃物台。
  3. 請求項1,2のいずれか1項に記載したタレット刃物台であって、
    前記クランプ・アンクランプ用モータ(4)は、前記位置決め手段(33,35,123)の動作速度を所定動作位置で変更制御することが可能なものであるタレット刃物台。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載したタレット刃物台であって、
    前記増力機構は、ボール部材(47)と、前記ボール部材(47)に当接する傾斜面(461,491)を備えた当接部材(46,49)とを含むものであるタレット刃物台。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載したタレット刃物台であって、
    前記クランプ・アンクランプ用モータ(4)および前記タレット旋回用モータ(5)は、前記位置決め手段(33,35,123)と前記タレット(3)の一方の動作を他方の動作位置に関連付けて同時に制御を行うことが可能なものであるタレット刃物台。
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