JP3907301B2 - タレット刃物台装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋盤等の工作機械に設置される回転刃物台装置に関し、特に、刃物台の旋回割出し動作により選択された工具を割出し位置に固定的に保持するために、旋回割出し後に刃物台の回転を阻止する係止手段を備えたタレット刃物台装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
旋盤等の工作機械において、加工作業の自動化及び高速化を促進するために、予め多数の工具を担持するとともに、所望の工具を旋回割出し動作により選択して、工作機械の加工作業位置に位置決めする回転式刃物台構造、すなわちタレット刃物台装置を備えたものは周知である。例えば、NC旋盤等の自動旋削機械で使用されるタレット刃物台装置は、一般に、回転主軸に対向して機台上に設置される工具送り台と、工具送り台上で所与の座標軸に沿って移動可能に設置される支持台と、支持台に回転可能に支持され、多数の工具を回転軸線の周囲に所定間隔で担持するタレットとから構成される。
【0003】
この種のタレット刃物台装置では、タレットを旋回割出し動作させた後、選択した工具によりワークに加工を施す間は、支持台上でタレットを強固に固定する必要がある。その目的で、一般にタレット刃物台装置は、支持台上の複数の割出し位置の各々でタレットを係止する係止手段を備える。従来、この係止手段は、タレットと支持台との各々に設けられた互いに係合可能な一対の係合部材と、それら係合部材を係合位置と離脱位置との間で相対移動させる係脱駆動機構とから構成される。係合部材としては、噛合いクラッチ状の構造を有する相互係脱自在なカップリングが一般に使用されている。この場合、係脱駆動機構は、タレット側の係合部材を支持台側の係合部材に対し軸方向へ移動させるように構成される。
【0004】
工具の選択手順としては、まず、1つの工具によるワーク加工が終了した段階で、タレットと共に支持台を工具送り台上で移動して、工具を加工作業位置から工具交換位置へ送る。次に、係脱駆動機構の駆動によりタレット側係合部材を移動して支持台側係合部材から脱離し、その状態で、別の回転駆動源によりタレットを回転して旋回割出しを行い、所望の工具を選択する。次いで、係脱駆動機構の駆動によりタレット側係合部材を支持台側係合部材に係合させて、選択した工具を割出し位置に固定的に保持する。その状態で、タレットと共に支持台を工具送り台上で移動して、選択した工具を工具交換位置から加工作業位置へ送る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
NC旋盤等の自動旋削機械は、主軸の回転駆動源、工具送り用の各軸駆動源、チャックの開閉駆動源等、制御対象の異なる複数の駆動源を備える。これら駆動源には、特に高速かつ高精度の応答を要求される部位(主軸、工具送り等)ではサーボモータが一般に使用されている。さらに近年、チャックの開閉駆動源や、前述したタレット刃物台装置のタレット回転駆動源のように従来、油圧又は空圧アクチュエータを用いていた部位にも、環境衛生や作動信頼性の点で有利なサーボモータが使用される傾向にある。
【0006】
しかしながら、前述したタレット刃物台装置の係脱駆動機構では、要求される動作が一方の係合部材を軸方向へ僅かに移動させるだけの単純な動作であることにも起因して、電動化が遅れ、多くは未だに油圧又は空圧アクチュエータが使用されている。油空圧アクチュエータは、騒音や大気汚染による作業環境の悪化、設備コストの上昇、機械の大型化、応答精度の低さ等の問題を一般に有するものである。特に、係脱駆動源として油圧シリンダを用いた場合は、作動油の温度変化により動作速度が容易に変化してしまうので、係合部材の係脱に要する時間が変動し、一連のタレット割出し動作の安定的制御が困難となるだけでなく、油圧シリンダ自体が相当の熱源となることから、その周辺の機械構成要素の動作に影響を及ぼす危惧がある。したがって、タレット刃物台装置の係脱駆動機構をも電動化することが所望されている。
【0007】
他方、駆動源を電動化したタレット刃物台装置は、タレット回転駆動源としてのサーボモータを支持台に設置し、またバイト等の固定工具だけでなくドリル等の回転工具も担持できる構成の場合には回転工具用のサーボモータも支持台に設置することになる。そして、係脱駆動機構の電動化の要求に答えるべく、係脱駆動源としてのサーボモータをさらに支持台に設置するような場合は、旋削機械上での所与の座標軸に沿った移動要素の1つである支持台部分の重量を不要に増加させ、応答精度の低下を生じるだけでなく、機械全体の寸法拡大、製造及び運転コストの上昇といった課題を生じる。
【0008】
したがって本発明の目的は、支持台上の割出し位置にタレットを固定的に保持しかつ固定を解除するための係脱駆動機構を、新たな電動機を追加することなく電動化でき、以て、騒音や大気汚染の軽減、応答精度の向上、製造及び運転コストの抑制等の効果を奏するとともに、搭載された工作機械の一層の小型化及び高性能化を促進できるタレット刃物台装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、工作機械上で所与の座標軸に沿って移動可能に設置される支持台と、支持台に回転可能に支持され、数の工具を回転軸線の周囲に所定間隔で担持する頭部及び頭部から軸線方向へ同心に延長される軸部を有するタレットと、支持台上の旋回割出し位置でタレットを支持台に対し固定的に保持する係止手段と、支持台に設置され、タレットに担持した回転工具を駆動する第1の電動機とを具備したタレット刃物台装置において、係止手段は、支持台に設置された固定側係合要素と、タレットに設置された可動側係合要素と、可動側係合要素を、固定側係合要素に係合してタレットの回転を阻止する係合位置と、固定側係合要素から離脱してタレットの回転を可能にする離脱位置との間で移動させる駆動機構とを備え、駆動機構が、タレットの軸部の外周上に設置されたねじ送り機構と、ねじ送り機構の回転側要素を回転させてタレットを支持台に対し軸方向へ移動させる第2の電動機とを含み、第2の電動機の駆動によるタレットの軸方向移動に連動して、第1の電動機をタレットに作用的に連結又は脱離するクラッチ手段であって、可動側係合要素が離脱位置にあるときに、第1の電動機をタレットに作用的に連結して、第1の電動機がタレットを回転して旋回割出しを行うようにするクラッチ手段を具備しクラッチ手段は、支持台に軸方向へ固定して回転可能に支持されるクラッチ歯車を備え、クラッチ歯車が、第1の電動機に接続されるとともに、タレットの軸方向移動に伴いタレットの軸部の後端領域に選択的に係合及び離脱し、回転工具がタレットの頭部の外周面に装着され、第1の電動機が、タレットの軸部を軸方向へ貫通する駆動軸と、駆動軸に同心固定されてタレットの頭部に収容される駆動歯車とを介して、回転工具を駆動することを特徴とするタレット刃物台装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明をその実施形態に基づき詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるタレット刃物台装置10が、NC旋盤等の自動旋削機械に搭載された状態で示されている。タレット刃物台装置10は、自動旋削機械の回転主軸12に対向して配置される。回転主軸12は、ハウジング状の主軸台14に搭載、収容され、旋削加工すべき棒材Wを掴持して、図示しない駆動源により回転駆動される。タレット刃物台装置10は、棒材Wの加工に必要な多数の工具を予め所定位置に担持するとともに、棒材Wの加工箇所に応じて所望の工具を旋回割出し動作により選択し、自動旋削機械の回転主軸12先端の加工作業位置に位置決めする。
【0013】
タレット刃物台装置10は、回転主軸12に対向して自動旋削機械の機台16上に設置される工具送り台18と、工具送り台18上で所与の座標軸に沿って移動可能に設置される支持台20と、支持台20に回転可能に支持され、多数の工具22を回転軸線の周囲に所定間隔で担持するタレット24とから構成される。図示実施形態では、工具送り台18が、回転主軸12の中心軸線に略平行なZ軸方向へ、図示しないZ軸送りモータの駆動により移動し、支持台20が、回転主軸12の中心軸線に略直交するX軸方向へ、図示しないX軸送りモータの駆動により移動する構成を有し、タレット24上で選択された各種工具22が両軸送り動作の下で棒材Wを所望形状に旋削するようになっている。
【0014】
図2及び図3は、支持台20に支持されるタレット24の構造を詳細に示す。タレット24は、円柱又は角柱状の外形を有する中空の頭部26と、頭部26の軸方向一端面から軸方向へ同心に延設される中空円筒状の軸部28とを備える。タレット24の頭部26は、支持台20の前端面(図で右端)から外方へ突出して配置され、その径方向外周面には、工具22を装着する複数の工具装着部30が所定の割出し角度毎に設けられる。それら工具装着部30は、図示のようにバイト等の固定工具22aをホルダ32を介して脱着可能に装着するための固定工具装着部30aと、ドリル等の回転工具22bをホルダ34を介して脱着可能に装着するための回転工具装着部30bとを備える。さらに回転工具装着部30bは、1つの割出し角度位置において、互いに軸方向へ離間した2か所に形成されている。
【0015】
回転工具22bは、頭部26及び軸部28の内部に設置される駆動軸36及び駆動歯車38を介して、一般に支持台20の後端(図で左端)に設置されるサーボモータ40によって駆動される。駆動軸36は、タレット24の軸部28を同心に貫通して、複数の軸受により軸部28及び支持台20に回転可能に支持される。駆動軸36はその後端36aで、歯車42を介してサーボモータ40の出力軸に連結される。2つの駆動歯車38は、タレット24の頭部26に設けた回転工具装着部30bの位置に対応して、駆動軸36の前端36b近傍にそれぞれ同心に固定される。各駆動歯車38は、外周にかさ状の歯を有し、回転工具装着部30bに装着された回転工具22bの後端に設けたかさ歯車44に、それぞれ作用的に噛合する。
【0016】
サーボモータ40の駆動により駆動軸36が回転すると、2つの駆動歯車38は同時に回転し、所望の回転工具装着部30bに装着した回転工具22bを駆動することができる。タレット24は、このような構成を有するので、頭部26の所望の割出し角度位置及び軸方向位置に回転工具装着部30bを容易に増設することができる。
【0017】
タレット24の軸部28は、支持台20のタレット受容空洞部46に回転可能及び軸方向移動可能に受容される。軸部28の前端(図で右端)領域は、支持台20のタレット受容空洞部46を画成する円筒内壁面46aに、径方向へのがたつきを生じないように摺動可能に支持される。軸部28の中央領域には、外周面に雄ねじが切られており、この雄ねじに螺合するように、雌ねじを有した後述するボールナット部材48が軸部28に装着されている。
【0018】
軸部28の後端(図で左端)領域は、後述するクラッチ歯車50の中心穴52に受容され、クラッチ歯車50に選択的に係合するようになっている。クラッチ歯車50は、歯車列54を介して、回転工具駆動源であるサーボモータ40に接続される。サーボモータ40は、タレット24の軸部28にクラッチ歯車50が係合している間は、クラッチ歯車50及び歯車列54を介してタレット24に回転力を付与する。したがってタレット刃物台装置10では、サーボモータ40の駆動により、タレット24が旋回割出し動作を遂行し、所望の工具装着部30に装着された所望の工具22を選択する。
【0019】
タレット刃物台装置10は、旋回割出し後のタレット24の不要な回転を阻止する係止手段として、支持台20に固定された環状固定カップリング要素56及びタレット24に固定された環状可動カップリング要素58からなる相互係合機構と、環状可動カップリング要素58を環状固定カップリング要素56に対し係合位置と離脱位置との間で移動させる駆動機構(後述する)とを備える。環状固定カップリング要素56は、噛合いクラッチ状の構造を有し、支持台20のタレット受容空洞部46の軸方向前方開口端の近傍に固定される。環状可動カップリング要素58は、同様に噛合いクラッチ状の構造を有し、タレット24の頭部26と軸部28との接続部位近傍に固定される。
【0020】
環状固定カップリング要素56の前端面(図で右端面)には、多数の歯60が所定ピッチで放射状に設けられ、環状可動カップリング要素58の後端面(図で左端面)には、歯60に噛合可能な多数の歯62が所定ピッチで放射状に設けられる。環状固定カップリング要素56と環状可動カップリング要素58とは、それらの歯60、62を互いに係合及び離脱可能に軸方向へ対面させて配置される。そして、タレット24が回転していない状態で、環状可動カップリング要素58がタレット24と共に軸方向へ移動することにより、環状固定カップリング要素56との係合及び離脱が行われるようになっている。
【0021】
図2に示す状態では、環状固定カップリング要素56の歯60と環状可動カップリング要素58の歯62とが互いに係合しており、環状固定カップリング要素56に対する環状可動カップリング要素58の回転が阻止され、したがって支持台20に対するタレット24の回転動作が防止されている。つまりこの状態で、環状可動カップリング要素58は、タレット24と共にその軸方向移動範囲内で最も後端(図で左端)の係合位置に置かれている。
【0022】
タレット24及び環状可動カップリング要素58が上記した係合位置にある間に、タレット24の頭部26に装着した工具22により、回転主軸12に掴持した棒材Wの加工が実施される。この間、タレット24は上記した相互係合機構によって、加工時に工具22に加わる応力に抗し、かつ加工精度を維持するに十分な強度で、支持台20に強固に固定的に保持されている。
【0023】
図示の係合位置から、タレット24及び環状可動カップリング要素58を前方(図で右方)へ移動して離脱位置に置くと、環状可動カップリング要素58の歯62が環状固定カップリング要素56の歯60から離脱する。その結果、環状固定カップリング要素56に対し環状可動カップリング要素58が自由に回転でき、したがって支持台20に対するタレット24の固定が解除されて、タレット24が旋回割出し可能な状態に置かれる。
【0024】
タレット24の旋回割出し用の回転駆動源は、前述したように回転工具用駆動源であるサーボモータ40を流用する構成となっている。したがって、回転工具22bの駆動時には、タレット24とサーボモータ40との作用的連結を遮断する必要がある。本実施形態では、前述したクラッチ歯車50の作用により、このような駆動対象の切替えを行っている。
【0025】
クラッチ歯車50は、後端(図で左端)に歯車部分を一体に有した中空円筒状部材であり、その中心穴52の内面後端領域に、軸方向へ延びる複数の内歯64が突設される。クラッチ歯車50は、軸受66を介して支持台20に回転可能かつ軸方向移動不能に支持される。他方、タレット24の軸部28には、その後端(図で左端)の外周面に、軸方向へ延びる複数の外歯68が、クラッチ歯車50の内歯64と略同一ピッチで突設される。タレット24の軸部28は、クラッチ歯車50に同心に配置され、中心穴52内でがたつきを生じることなく回転及び軸方向移動できるようになっている。
【0026】
タレット24が回転していない状態で、タレット24が軸方向へ移動すると、クラッチ歯車50の内歯64と軸部28の外歯68とが互いに軸方向へ摺動して係合及び離脱を行う。図示実施形態では、環状可動カップリング要素58がタレット24と共に前述した最後端(図で左端)の係合位置に置かれている間に、クラッチ歯車50の内歯64と軸部28の外歯68とが相互に離脱する(図2及び図3参照)。そして、タレット24及び環状可動カップリング要素58が前方(図で右方)へ移動して離脱位置に置かれると、クラッチ歯車50の内歯64と軸部28の外歯68とが相互に係合し、クラッチ歯車50がタレット24に作用的に連結される。
【0027】
このようにして、タレット刃物台装置10では、タレット24が支持台20に対し固定的に保持されている間は、サーボモータ40は本来の機能である回転工具22bの駆動にのみ使用され、タレット24の固定が解除された後には、サーボモータ40がタレット24を回転して旋回割出しを実施できるように構成される。なおこのとき、環状可動カップリング要素58が環状固定カップリング要素56から離脱したときと略同時に、タレット24の軸部28がクラッチ歯車50に係合するように、内歯64と外歯68との寸法及び位置関係を設定しておけば、加工作業から工具交換作業に移る間のタレット24の不要な自由回転が防止され、作業者が工具22により傷害を被ったり、工具22や周辺機器を破損したりする危惧が回避されるので、有利である。
【0028】
また、クラッチ歯車50にサーボモータ40の駆動力を伝達するための歯車列54は、回転工具22bに駆動力を伝達するための歯車42と共に駆動軸36にキー留めされる歯車70を含む。したがって、サーボモータ40の駆動力は、駆動軸36を介して回転工具22bとクラッチ歯車50との双方に同時に伝達されることになる。なお言うまでもなく、回転工具22bを駆動する加工作業時と、タレット24を回転する旋回割出し時とで、サーボモータ40の回転数及び回転方向は適宜変更される。
【0029】
図示実施形態では、環状可動カップリング要素58を係合位置と離脱位置との間で移動させる駆動機構は、前述したボールナット部材48から構成される。図3に示すように、ボールナット部材48は、後端(図で左端)に歯車部分を一体に有した中空円筒状部材であり、その中心穴72の内面略全体に、軸部28の中央外周面に設けた雄ねじ74に螺合する雌ねじ76が設けられている。ボールナット部材48は、軸受78を介して支持台20に回転可能かつ軸方向移動不能に支持される。
【0030】
ボールナット部材48は、その歯車部分に噛合する歯車80を介して、支持台20の後端(図で左端)に設置されたサーボモータ82の出力軸に連結される。したがってボールナット部材48は、サーボモータ82の駆動により、タレット受容空洞部46内で回転する。ここで、ボールナット部材48は軸方向へ移動できないので、タレット24が、雄ねじ74と雌ねじ76との螺合の下で、タレット受容空洞部46内で軸方向へ移動する。このようにして、環状可動カップリング要素58の軸方向移動、すなわち前述した係合位置と離脱位置との間での移動が実現される。
【0031】
なお、このような構成によると、前述した旋回割出し時に、タレット24とボールナット部材48との間に相対回転が生じて、タレット24がボールナット部材48に対し軸方向へ移動してしまい、旋回割出しの回転方向によっては環状固定カップリング要素56と環状可動カップリング要素58とが係合してしまう場合がある。そこで、サーボモータ40による旋回割出し時に同時にサーボモータ82を作動して、ボールナット部材48をタレット24との間に相対回転が生じないように回転することにより、タレット24の不要な軸方向移動を防止することが肝要である。
【0032】
このように、タレット刃物台装置10では、支持台20上の割出し位置にタレット24を固定的に保持しかつ固定を解除するための係脱駆動機構を、タレット24を軸方向へ移動させて相互係合機構を係脱させるためのサーボモータ82によって構成すると共に、タレット24の軸方向移動に連動して、回転工具駆動用のサーボモータ40をタレット24の旋回割出し用駆動源に流用できるようにするクラッチ歯車50を採用した。したがって、従来、回転工具駆動用とタレット24の旋回割出し用とにサーボモータが2個使用されていたところを、新たなサーボモータを追加することなく、係脱駆動機構として1個のサーボモータを使用できる。したがってタレット刃物台装置10は、騒音や大気汚染の軽減、応答精度の向上、製造及び運転コストの抑制等の効果を奏するとともに、搭載された工作機械の一層の小型化及び高性能化を促進できる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のタレット刃物台装置によれば、支持台上の割出し位置にタレットを固定的に保持しかつ固定を解除するための係脱駆動機構を、新たな電動機を追加することなく電動化できる。したがって本発明によれば、騒音や大気汚染の軽減、応答精度の向上、製造及び運転コストの抑制等の効果を奏するとともに、搭載された工作機械の一層の小型化及び高性能化を促進できるタレット刃物台装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるタレット刃物台装置を搭載した自動旋削機械の概略斜視図である。
【図2】図1のタレット刃物台装置の断面正面図である。
【図3】図2のタレット刃物台装置の拡大部分断面正面図である。
【符号の説明】
18…工具送り台
20…支持台
22b…回転工具
24…タレット
28…軸部
36…駆動軸
38…駆動歯車
40、82…サーボモータ
48…ボールナット部材
50…クラッチ歯車
56…環状固定カップリング要素
58…環状可動カップリング要素
60、62…歯
64…内歯
68…外歯
74…雄ねじ
76…雌ねじ

Claims (1)

  1. 工作機械上で所与の座標軸に沿って移動可能に設置される支持台と、該支持台に回転可能に支持され、数の工具を回転軸線の周囲に所定間隔で担持する頭部及び該頭部から軸線方向へ同心に延長される軸部を有するタレットと、該支持台上の旋回割出し位置で該タレットを該支持台に対し固定的に保持する係止手段と、該支持台に設置され、該タレットに担持した回転工具を駆動する第1の電動機とを具備したタレット刃物台装置において、
    前記係止手段は、前記支持台に設置された固定側係合要素と、前記タレットに設置された可動側係合要素と、該可動側係合要素を、該固定側係合要素に係合して該タレットの回転を阻止する係合位置と、該固定側係合要素から離脱して該タレットの回転を可能にする離脱位置との間で移動させる駆動機構とを備え、
    前記駆動機構が、前記タレットの前記軸部の外周上に設置されたねじ送り機構と、該ねじ送り機構の回転側要素を回転させて該タレットを前記支持台に対し軸方向へ移動させる第2の電動機とを含み
    前記第2の電動機の駆動による前記タレットの軸方向移動に連動して、前記第1の電動機を該タレットに作用的に連結又は脱離するクラッチ手段であって、前記可動側係合要素が前記離脱位置にあるときに、該第1の電動機を該タレットに作用的に連結して、該第1の電動機がタレットを回転して旋回割出しを行うようにするクラッチ手段を具備し、
    前記クラッチ手段は、前記支持台に軸方向へ固定して回転可能に支持されるクラッチ歯車を備え、該クラッチ歯車が、前記第1の電動機に接続されるとともに、前記タレットの軸方向移動に伴い該タレットの前記軸部の後端領域に選択的に係合及び離脱し、
    前記回転工具が前記タレットの前記頭部の外周面に装着され、前記第1の電動機が、該タレットの前記軸部を軸方向へ貫通する駆動軸と、該駆動軸に同心固定されて該タレットの該頭部に収容される駆動歯車とを介して、該回転工具を駆動すること、
    を特徴とするタレット刃物台装置。
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