JP3877182B2 - 工作機械の回転工具ホルダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タレット旋盤等の工作機械の回転工具ホルダ関し、特に回転工具の回転軸と回転工具駆動機構とを結合又は解除するようにした場合の、回転軸の角度位置保持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばタレット台のタレット本体にバイト等の固定工具を装着し、さらにドリルやエンドミル等の回転工具を有する回転工具ホルダを装着し、該ホルダの回転軸を回転駆動機構により駆動するようにした複合加工タイプのタレット旋盤がある。
【0003】
このようなタレット旋盤における回転工具駆動機構として、従来例えば実開平3−88612号公報に記載されたものがあり、これは以下の構造を有する。各回転工具ホルダに設けられた個別回転伝達機構の工具回転軸をタレット台の後方(正面から見て右方)に突出するとともに、該突出部の後端に従動側クラッチ部材(例えばキー凸部)を設け、また駆動源により回転駆動される駆動軸のタレット台後方に位置する前端部分に駆動側クラッチ部材(例えばキー凹部)を設ける。この従来装置では、上記タレット本体を所定の回転工具ホルダが加工時位置に位置するように割り出すと、該割り出された回転工具ホルダの従動側クラッチ部材が上記駆動側クラッチ部材に自動的に結合する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来装置では、回転工具ホルダの回転軸と回転工具駆動機構の駆動軸とのクラッチ部材同士の結合が解除された状態でタレット台が所定角度位置に旋回割り出しされるのであるが、この旋回等により上記回転工具ホルダの回転軸の角度位置が所定位置からずれるおそれがあり、該ずれが生じた場合には、上記駆動側,従動側クラッチ部材が結合できない問題が懸念される。
【0005】
また上記回転工具ホルダに装着されている回転工具を別のものに交換する場合、回転軸を回転しないように回り止めする必要があるが、従来の回り止め機構は剛性が低いという問題があり、また回り止め,及びその解除のための操作が必要であるといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、回転工具ホルダの回転軸を所定の角度位置に位置決め保持でき、また回転工具の交換時に要求される回り止め機構の剛性が高くかつ回り止め操作,解除操作が不要であり工具交換作業性が高い工作機械の回転工具ホルダを提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、刃物台に装着されるホルダケーシングと、該ホルダケーシング内に回転自在に挿入支持され回転工具を支持する回転軸とを有し、該回転軸に回転駆動機構からの回転が伝達される工作機械の回転工具ホルダにおいて、上記回転軸と上記回転駆動機構の駆動軸とを回転力伝達可能に結合し又は該結合を解除するクラッチ機構を設け、上記回転軸と上記駆動軸とが結合した状態では該回転軸を上記ホルダケーシングに対して回転自在とし、上記結合が解除された状態では上記回転軸を上記ホルダケーシングに対して所定の相対角度位置を維持するようにロックする回転軸位置保持機構を設け、上記クラッチ機構は、上記回転軸,上記駆動軸の何れか一方,他方に形成されたキー,キー溝を備え、上記回転軸と駆動軸とを相対的に移動させることにより上記キーとキー溝とが結合し又は該結合が解除されるように構成されており、上記回転軸位置保持機構は、上記回転軸方向に進退して該回転軸とホルダケーシングとを係合又は分離するスライダ,該スライダを係合位置に付勢するばね部材,及び該スライダを分離位置に移動させるプランジャを備え、上記回転軸と駆動軸との結合動作に基づいて上記プランジャがスライダを分離位置に移動させ、上記回転軸と駆動軸との結合解除動作に基づいて上記ばね部材がスライダを係合位置に移動させるよう構成されていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図15は本発明の一実施形態によるタレット旋盤(複合加工機)の回転工具ホルダを説明するための図であり、図1はタレット旋盤の斜視図、図2はタレット台の斜視図、図3〜図6は回転駆動機構の動作説明図、図7,8,9は回転工具ホルダの側面図,正面図,背面図、図10は回転工具ホルダと回転工具との分解断面図、図11はスライダ部分の断面正面図、図12は別の回転工具の断面側面図、図13〜図15は回転工具ホルダの動作説明図である。なお、本実施形態における前後左右とは、図1において旋盤の正面に立った状態での前後左右であり、手前側を前,向こう側を後とする。
【0010】
図において、1はタレット旋盤であり、該旋盤1は手前側が低くなるよう約45°に傾斜するスラント型のベッド2の左側に主軸台3を配設し、右側に心押台4を主軸回転軸線A(図5参照)と同軸をなしかつ該軸線方向に移動可能に配設し、両者の間にタレット台5を主軸回転軸線方向(Z軸方向)及び該軸線と直交し約45°に傾斜する方向(X軸方向)に移動可能に配設した概略構造を有する。
【0011】
上記主軸台3は内蔵する主軸モータで回転駆動される主軸3aの先端にワークW(図5参照)を把持するチャック3bを装着したものである。また上記心押台4はスライドボディ4aを上記ベッド2上にZ軸方向にスライド可能に配置し、該スライドボディ4aにセンタ4bを上記チャック3bの軸線に対向するように挿入配置したものである。
【0012】
上記タレット台5は、上記ベッド2上にスライドベース6をZ軸方向に移動可能に配設し、該スライドベース6上にタレットベース7をX軸方向に移動可能に配設し、該タレットベース7によりタレット軸(図示せず)をZ軸回りに回転可能に支持し、該タレット軸によりタレット本体8を支持した概略構造のものである。
【0013】
上記ベッド2の左端部に上記スライドベース6を左右に移動させるZ軸送りモータ6aが配設され、また上記スライドベース6に上記タレットベース7を前後に移動させるX軸送りモータ7aが配設されている。さらにまた上記タレットベース7に上記タレット本体8を所定角度位置に割り出す割り出しモータ12が配設されている。
【0014】
上記タレット本体8は、タレット軸方向に見て多角形をなすドラム状のもので、外周面に多数形成された取り付け座8aにはタレット軸と平行の軸(Z軸)回りに回転するZ軸回転工具9aを有する回転工具ホルダ10a、あるいは内径バイト,端面方向バイト等が着脱可能に取り付けられる。またタレット本体8の左側面の取り付け座8bにはタレット軸と直角の軸(X軸)回りに回転するX軸回転工具9bを有する回転工具ホルダ10bあるいは固定工具11が配設されている。このタレット本体8は、上記割り出しモータ12により、所定の回転工具9a,9b又は固定工具11が加工時位置にくるように回転割り出しされる。
【0015】
上記X軸回転工具9bは、図示していないが、後述の回転工具駆動モータ14の回転が伝達され、タレット軸と直角のX軸回りに回転駆動される。なお、上記回転を伝達するための機構はタレット台5の内部に収容配設されている。
【0016】
上記Z軸回転工具9aは、タレット本体8の外側右方(タレット軸方向に見て後方)に配置された回転工具駆動機構13によりタレット軸と平行の軸回りに回転駆動される。この回転工具駆動機構13は、上記タレットベース7上にX軸方向に向けて配置された回転工具駆動モータ14と、該駆動モータ14の回転軸方向をZ軸方向に転換する傘歯車機構15と、該傘歯車機構15の回転を上記ツールホルダ10aに伝達する回転伝達機構17とを備えている。
【0017】
上記傘歯車機構15は上記タレットベース7に対して固定配置されたギヤケース15a内に一対の傘歯車15b,15cを収容配置したものであり、該傘歯車機構15及び回転工具駆動モータ14は、上記主軸軸線Aから直角方向に遠ざかる位置(待機時位置)側寄りに配置されている。
【0018】
また上記回転伝達機構17は、上記タレットベース7上に主軸軸線Aと直角方向に向けて固定配置されたガイドレール16と、該ガイドレール16上にスライド可能に配置されたギヤケース18と、該ギヤケース18を進退駆動する切換シリンダ23とを備えている。上記ギヤケース18内には外周面に歯が形成された一対のプーリ19,20が内周面に歯が形成された伝達ベルト21で連結して配置されており、該両プーリ間にはベルト張力を確保するためのテンショナプーリ22がベルト面と直角方向に移動可能に配設されている。
【0019】
そして上記ギヤケース18の前端部(下端部)には上記切換シリンダ23のピストンロッド23aが連結されており、該切換シリンダ23のシリンダボディ23bの後端部(上端部)は上記ガイドレール16の上端部にブラケット16aを介して連結されている。この切換シリンダ23の伸長,収縮により上記回転伝達機構17は、上記主軸軸線Aに近接した位置でかつモータ回転力を加工時位置に割り出されたツールホルダ10aに伝達する加工時位置と、上記主軸回転軸線Aから遠ざかる位置でかつ上記モータ回転力を伝達しない待機時位置との間で進退する。なお、図1は上記ギヤケース18がカバー内に配置された状態を示している。
【0020】
上記上側のプーリ19のプーリ軸19aの右端部は上記傘歯車機構15側に、該傘歯車機構15の出力軸15dの左端部は上記ギヤケース18側にそれぞれ突出しており、それぞれの突出端部にはキー溝24aが凹設されたクラッチ部材24、キー25aが凸設されたクラッチ部材25が設けられている。回転伝達機構17が加工時位置,又は待機時位置に移動すると上記キー溝24aと上記キー25aとが嵌合,又は分離し、クラッチ部材同士が結合,又は解除される。
【0021】
また上記下側のプーリ20のプーリ軸20aの左端部は上記タレット本体8側に、上記ツールホルダ10aの回転軸32の右端部は上記ギヤケース18側にそれぞれ突出しており、それぞれの突出端部にはキー溝26aが凹設されたクラッチ部材26、キー27aが凸設されたクラッチ部材27が設けられている。回転力伝達機構17が加工時位置,又は待機時位置に移動すると上記キー溝26aと上記キー27aとが嵌合,又は分離し、クラッチ部材同士が結合,又は解除される。
【0022】
上記Z軸回転工具9a,X軸回転工具9bを備えた回転工具ホルダ10a,10bの構造を詳細に説明する。該回転工具ホルダ10a,10bは、ホルダケーシング31と、該ホルダケーシング31内に挿入配置された回転軸32と、該回転軸32を上記ホルダケーシング31に対して回転自在又は所定の相対角度位置にロックする回転軸位置保持機構33とを備えている。
【0023】
上記ホルダケーシング31は、略直方体状のものでその一側面(図7裏面)には上記タレット本体8の取り付け座8a,又は8bに当接する取り付け面31a及び位置決め凸部31bが形成されており、取り付けボルト34により上記取り付け座8a,又は8bに着脱可能に取り付けられている。
【0024】
また上記ホルダケーシング31内には円形の軸穴31cが貫通形成されており、該軸穴31c内に上記回転軸32が、図7,図10に示すように左,右端部をホルダケーシング31の左,右端面から外側に突出させて挿入され、左,右一対のテーパコロ軸受35,35により軸支されている。なお、35aは軸受固定ナットである。
【0025】
上記回転軸32は、上記ホルダケーシング31から右方に突出する右端部に上記クラッチ機構を構成するキー27aを凸状に形成し、左方に突出する左端部を右端部より大径に形成するとともに左端面に工具取り付け座32aを形成した棒体である。
【0026】
ここで上記回転軸32は、図9に示すように、その軸線に直交し上記キー27aのキー面27a′に平行な直線Bとホルダケーシング31の水平基準線Hとのなす角度が所定角度θとなる角度位置を基準位置としており、上記直線Bの方向は上記回転伝達機構17の進退方向と一致している。
【0027】
また上記工具取り付け座32aには一対の回転力伝達キー32b,32bがボルト締め固定されている。そして上記回転工具9a,9bは、図10に示すように、刃具台36に刃具37をボルト38で結合したものであり、刃具台36の取り付け面36aを上記工具取り付け座32aに当接させるとともに該取り付け面36aに形成された凹部36bに上記回転力伝達キー32bを嵌合させ、4本の取り付けボルト39を上記回転軸32の取り付け座32aのねじ穴32cに螺挿することにより該回転軸32に着脱可能に取り付けられている。なお、図12に示す各種の回転工具9a′,9b′,9a′′,9b′′を上記回転軸32に取り付けることができる。
【0028】
上記回転軸位置保持機構33は、スライダ40の4つの係合爪40aをホルダケーシング31の内面に凹設された係合凹部31dに係脱することにより上記回転軸32をホルダケーシング31に対して回転自在とし又は上記基準位置にロックするものである。
【0029】
上記スライダ40はリング40cに4組の係合爪40a,ガイド爪40bを外方,内方に突出するように形成したものであり、上記回転軸32に軸方向に摺動自在に装着されている。上記ガイド爪40bは上記回転軸32に凹設されたガイド溝32dに摺接し、該スライダ40を軸方向に案内する。
【0030】
ここで、図11に示すように、上記4組の係合爪40a,ガイド爪40bのうち3組は90度間隔で配設され、残り1組は90度間隔の位置からβだけずれた位置に配設されている。これは上記キー27aが上記基準位置に合致した場合にのみスライダ40の係合爪40aをホルダケーシング31の係止凹部31dに係合させるための構造である。
【0031】
また上記スライダ40は付勢ばね43により上記係合爪40aと係合凹部31dとを係合させる方向に付勢されている。そして上記回転軸32の軸心に穿設されたガイド穴32e内にプランジャ41を軸方向に摺動自在に挿入し、上記スライダ40,回転軸32,及び上記プランジャ41を径方向に貫通するようにコネクチングロッド42が挿入されている。なお32fはコネクチングロッド42との干渉を回避するために移動方向に長く設けられた穴である。
【0032】
次に本実施形態における動作及び作用効果を説明する。
Z軸回転工具による加工を行う場合には、所定のZ軸回転工具9aを備えた回転工具ホルダ10aが加工時位置にくるようにタレット本体8が所定角度位置に割り出される。そして回転工具駆動機構13において、切換シリンダ23が伸長して回転伝達機構17を加工時位置に前進させる。すると該回転伝達機構17の上側のクラッチ部材24のキー溝24aが傘歯車機構15のクラッチ部材25のキー25aに嵌合し、該回転伝達機構17の下側のクラッチ部材26のキー溝26aが回転工具ホルダ10aのクラッチ部材27のキー27aに嵌合し、クラッチ部材24,25同士,及びクラッチ部材26,27同士が結合する(図15参照)。
【0033】
上記キー溝26aとキー27aとの嵌合により、上記プランジャ41が回転軸32内に押し込まれ、これに伴ってコネクチングロッド42がスライダ40を付勢ばね43の付勢力に抗して左方に移動させる。これにより該スライダ40の係合爪40aとホルダケーシング31の係合凹部31dとの係合が解除され(図14(b)参照)、回転軸32はホルダケーシング31に対して回転自在となる。
【0034】
これにより回転工具駆動モータ14の回転が傘歯車機構15,回転伝達機構17を介して回転工具ホルダ10aの回転軸32に伝達され、該回転軸32とともにZ軸回転工具9aが回転する。この状態でタレット台5をZ軸方向,及びX軸方向に移動させることにより所望の加工が行われる。
【0035】
次に例えば固定工具11による加工を行う場合には、回転工具駆動機構13において、切換シリンダ23が収縮して回転伝達機構17を待機時位置に後退させる。この後退により回転伝達機構17の上側のクラッチ部材24のキー溝24aが傘歯車機構15のクラッチ部材25のキー25aから分離し、同時に下側のクラッチ部材26のキー溝26aが回転工具ホルダ10aのクラッチ部材27のキー27aから分離し、クラッチ部材24,25同士、クラッチ部材26,27同士の結合が解除される。
【0036】
ここで、上記回転伝達機構17の待機位置への後退に先立って、上記回転工具ホルダ10aの回転軸32は、本タレット旋盤1の有するオリエンテーション機能により図9に示す基準位置に、つまり回転軸32のキー27aの方向と回転伝達機構17の移動方向とが一致するように位置合わせされる。
【0037】
そして上記回転伝達機構17の移動によりキー溝26aがキー27aから分離すると、上記プランジャ41の回転軸32からの突出が可能となり、スライダ40が付勢ばね43により右方に移動し、係止爪40aが係止凹部31dに係合し(図14(a)参照)、該回転軸32の相対角度位置は上述の基準位置に保持され、タレット本体8の旋回等によって角度位置がずれることはない。
【0038】
上記回転伝達機構17が後退した後に、所定のX軸回転工具9b又は固定工具(バイト)11が加工時位置にくるようにタレット本体8が所定角度位置に割り出される。例えば固定工具11により主軸3aのチャック3bに把持されて旋回駆動されるワークWに旋削加工が施される。長尺のワークを加工する場合にはその先端部(右端部)が心押台4のセンタ4bで支持され、従って心押台4がタレット本体8の近傍に位置することとなるが、上述のように回転工具駆動機構13の回転伝達機構17は待機時位置に後退しているので、心押台4に回転伝達機構17が干渉することはない。
【0039】
このように本実施形態装置では、Z軸回転工具9aを、タレット本体8の外側後方(右方)に配置した回転工具駆動機構13により回転駆動するようにしたので、該回転工具9aを保持する回転工具ホルダ10aに回転伝達方向を転換する傘歯車機構等を収容する必要がなく、該回転工具ホルダ10aの剛性確保上有利であり、また回転工具ホルダ10aを小型化,軽量化でき、該回転工具ホルダ10aの交換等の段取り作業が容易である。
【0040】
また回転工具駆動機構13をタレット本体8の外方に配置するに当たり、駆動用モータ14,傘歯車機構15を主軸軸線Aから離れた待機時位置側寄りに配置し、該傘歯車機構15の回転を回転伝達機構17により回転工具ホルダ10aに伝達する構成とするとともに、該回転伝達機構17を上記待機時位置側に後退可能の構成としたので、固定工具11により加工する場合に、タレット本体8の後方に配置された回転工具駆動機構13が心押台4に干渉するのを回避でき、加工可能領域を拡大できる。
【0041】
また、回転伝達機構17を進退可能に構成するに当たり、該回転伝達機構17と傘歯車機構15,及び回転工具ホルダ10aとの結合,解除を行うクラッチ機構として、キー溝とキーとを係脱させる構造を採用したので、クラッチ機構部分の構造を簡素化できる。
【0042】
そして本実施形態では、クラッチ機構を構成するキー溝26aがキー27aに嵌合したときにはプランジャ41によりスライダ40を回転軸とホルダケーシングとの係合解除位置に移動させるようにしたので、回転軸32を自由に回転させることができ、かつキー溝26aがキー27aから分離したときには付勢ばね43によりスライダ40を係合位置に移動させるようにしたので、回転軸32を回転力が伝達されない状態では常に所定の基準角度位置に確実に保持でき、回転軸と駆動軸との結合,結合解除を常に確実に行うことができる。
【0043】
ここで回転工具の交換作業は、上記クラッチ機構の結合が解除された状態で行われるが、この場合は上記スライダ40が回転軸32とホルダケーシング31とに係合して回転軸32を回り止めしているので、上記回転工具の交換作業が容易である。また回転軸32の回り止め,及びその解除は上記クラッチ機構の結合解除,及び結合により自動的に行われ、特別の操作は不要であり、この点からも回転工具交換作業が容易である。
【0044】
なお、上記の実施形態では、回転軸と駆動軸とを相対的に軸直角方向に移動させることによりキーとキー溝とが結合する構成を説明したが、本発明のクラッチ機構はこれに限らず各種の変形例が採用可能である。例えは、回転軸と駆動軸とを相対的に軸方向に移動することにより結合する構成、あるいはこれらに旋回動作を加えることにより結合する構成を採用することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明の工作機械の回転工具ホルダによれば、回転軸と駆動軸とがクラッチ機構により結合した状態では該回転軸をホルダケーシングに対して回転自在とし、上記結合が解除された状態では該回転軸をホルダケーシングに対して所定の相対角度位置を維持するようにロックする回転軸位置保持機構を設けたので、回転軸を、回転が伝達される状態では自由に回転でき、回転が伝達されない状態では所定の相対角度位置に保持でき、タレットの割り出し動作等によって回転工具ホルダが旋回されても回転軸の角度位置が変化することはなく、クラッチ機構による回転軸と駆動軸との結合,及び結合解除を常に確実に行うことができる効果がある。
【0046】
また回転工具の交換作業時においては、回転軸はホルダケーシングに対して高い剛性でもって回り止めされており、また回転軸の回り止め,及びその解除のための特別の操作は不要であり、回転工具の交換作業性を向上できる効果がある。
【0047】
また、回転軸と駆動軸とを相対的に移動させることによりキー,キー溝を有するクラッチ部材同士が結合又は解除されるように構成するとともに、上記回転軸位置保持機構を、上記回転軸と駆動軸との結合動作に基づいてプランジャでスライダを係合解除位置に移動させ、上記回転軸と駆動軸との嵌合解除動作に基づいてばね部材でスライダを係合位置に移動させる構成としたので、上記回転軸と駆動軸との結合,及びその解除動作を確実に実現し、また回転工具の交換作業性を向上できる具体的構成を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る回転工具ホルダが採用されたタレット旋盤の斜視図である。
【図2】上記実施形態旋盤のタレット台の斜視図である。
【図3】上記実施形態の動作を説明するための模式断面平面図である。
【図4】上記実施形態の動作を説明するための模式斜視図である。
【図5】上記実施形態の動作を説明するための模式断面平面図である。
【図6】上記実施形態の動作を説明するための模式斜視図である。
【図7】上記実施形態に係る回転工具ホルダの側面図である。
【図8】上記実施形態回転工具ホルダの正面図である。
【図9】上記実施形態回転工具ホルダの背面図である。
【図10】上記実施形態回転工具ホルダ及び回転工具の分解断面図である。
【図11】上記実施形態回転工具ホルダの図10のXI−XI線断面図である。
【図12】上記実施形態の回転工具の変形例を断面側面図である。
【図13】上記実施形態回転工具ホルダの回転軸位置保持機構の分解斜視図である。
【図14】上記実施形態回転工具ホルダの動作説明図である。
【図15】上記実施形態回転工具ホルダの動作説明図である。
【符号の説明】
1 タレット旋盤(工作機械)
5 タレット台(刃物台)
9a,9b 回転工具
10a,10b 回転工具ホルダ
13 回転駆動機構
20a 駆動軸
26,27 クラッチ部材(クラッチ機構)
26a,27a キー溝,キー
31 ホルダケーシング
32 回転軸
33 回転軸位置保持機構
40 スライダ
41 プランジャ
43 付勢ばね(ばね部材)
Claims (1)
- 刃物台に装着されるホルダケーシングと、該ホルダケーシング内に回転自在に挿入支持され回転工具を支持する回転軸とを有し、該回転軸に回転駆動機構からの回転が伝達される工作機械の回転工具ホルダにおいて、上記回転軸と上記回転駆動機構の駆動軸とを回転力伝達可能に結合し又は該結合を解除するクラッチ機構を設け、上記回転軸と上記駆動軸とが結合した状態では該回転軸を上記ホルダケーシングに対して回転自在とし、上記結合が解除された状態では上記回転軸を上記ホルダケーシングに対して所定の相対角度位置を維持するようにロックする回転軸位置保持機構を設け、上記クラッチ機構は、上記回転軸,上記駆動軸の何れか一方,他方に形成されたキー,キー溝を備え、上記回転軸と駆動軸とを相対的に移動させることにより上記キーとキー溝とが結合し又は該結合が解除されるように構成されており、上記回転軸位置保持機構は、上記回転軸方向に進退して該回転軸とホルダケーシングとを係合又は分離するスライダ,該スライダを係合位置に付勢するばね部材,及び該スライダを分離位置に移動させるプランジャを備え、上記回転軸と駆動軸との結合動作に基づいて上記プランジャがスライダを分離位置に移動させ、上記回転軸と駆動軸との結合解除動作に基づいて上記ばね部材がスライダを係合位置に移動させるよう構成されていることを特徴とする工作機械の回転工具ホルダ。
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