JP4658399B2 - ヌメリ除去部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、流しのゴミ受けカゴのヌメリを除去するのみならず、この受けカゴの上部に設けられる菊割れフタのヌメリも除去できる新規なヌメリ除去部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術およぴ発明が解決しようとする課題】
流しの排水口に設置されるゴミ受けカゴのヌメリを除去するヌメリ除去部材として、前記ゴミ受けカゴの上部に設けられる菊割れフタに対し着脱自在に設置できるカセット枠体があるけれども、その菊割れフタは汎用タイプのものではなく特殊な構造をしている。
【0003】
すなわち、その菊割れフタは、外周面部に複数の開口が形成されているという特異な構成を有し、前記カセット枠体に設けられた粒状のヌメリ除去剤を前記開口内に押し込むことによって前記カセット枠体は前記菊割れフタの裏面に装着される。
【0004】
そして、前記カセット枠体は、空間内をヌメリ除去剤が菊割れフタの前記外周面部に沿って移動可能なように構成されており、かつ、前記開口に対応する位置の上下部分にスリットが設けられており、流しの排水流路は、この上スリットからカセット枠体内のヌメリ除去剤に至り下スリットを経て前記ゴミ受けカゴに至るだけで、前記排出孔を通る排水流路は直接前記ゴミ受けカゴに至ることから、前記菊割れフタのヌメリは除去し難くかった。
【0005】
この発明は、流しのゴミ受けカゴのヌメリを除去するのみならず、この受けカゴの上部に設けられる菊割れフタのヌメリも除去できる汎用性のあるヌメリ除去部材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、流しのゴミ受けカゴの上部に設けられる菊割れフタに対し上方から着脱自在に設置されるヌメリ除去部材であって、外周面に前記菊割れフタの環状枠部内周面に係止する係止部を備えた割りリング体と、前記菊割れフタの前記環状枠部内周面に沿って前記割りリング体に保持された複数の粒状のヌメリ除去剤とからなることを特徴としている(請求項1)。
また、この発明は、前記ヌメリ除去剤は、前記割りリング体に一体に設けられている請求項1に記載のヌメリ除去部材を提供する(請求項2)。
また、この発明は、前記ヌメリ除去剤は、前記割りリング体と別体に設けられている請求項1に記載のヌメリ除去部材を提供する(請求項3)。
また、この発明は、前記割りリング体は上部材と下部材とに二分割され、前記上部材と下部材間の空間内で前記ヌメリ除去剤が移動可能なように構成されている請求項1または請求項3に記載のヌメリ除去部材を提供する(請求項4)。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態について説明する。なお、この発明はそれによって限定されるものではない。
【0008】
図1、図2は、ヌメリ除去剤が一体に設けられている割りリング体を菊割れフタの上面部に設置してあるこの発明の第1の実施形態を示す。
【0009】
図2において、1は、菊割れフタで、流しの排水口内にはめ込まれるゴミ受けカゴ(図示せず)の上部に設けられる。2は、流しのシンクに水、湯または混合水を溜めるための溜蓋である。
【0010】
菊割れフタ1は、複数の菊割れ舌片3で構成される平面視円形の底部と、上方開口4aを形成する縦断面略門型の環状枠部4とより主としてなる。前記環状枠部4は、縦の長さ(高さ)がAの内周面5を有する。前記底部は、中心部に丸孔7を有するとともに、ゴミ受けカゴに連通する複数の排水用長孔6を内周面5の側に有する。排水用長孔6は、円周方向よりも径方向に長い。そして、溜蓋2は、上方開口4aを介して環状枠部4内に前記底部まで挿入され、環状枠部4の前記内周面5に形成された環状突条部8に溜蓋2の外周面2aが押圧される形で菊割れフタ1上に固定設置され前記排水用長孔6および丸孔7を覆う。
【0011】
以下、この発明の特徴的構成について説明する。
【0012】
10は、ヌメリ除去部材で、流しのゴミ受けカゴの上部に設けられる菊割れフタ1に対し着脱自在に設置される。
【0013】
前記ヌメリ除去部材10は、樹脂成形された可撓性の割りリング体11と、例えばシリコンの表面にチタン膜をコーティングしてなる複数の粒状のヌメリ除去剤12とからなる。この実施形態では各ヌメリ除去剤12は略球形である。
【0014】
前記ヌメリ除去剤12は、割りリング体11と一体に成形されてなる。
【0015】
更に、前記割りリング体11は切欠部分Kを有するとともに、図1に示すように外周面13に環状枠部4の前記内周面5に係止する係止部14を有する。この係止部14は、例えば複数の連続した突起15より構成される。
【0016】
すなわち、割りリング体11の作用は以下の通りである。
前記切欠部分Kの幅を狭くするように割りリング体11を撓み変形させながら上方開口4aから環状枠部4内に前記底部まで挿入して環状枠部4の前記内周面5に臨ませ、この状態で割りリング体11の変形を解除すると元の姿勢に弾性的に復帰する。同時に環状枠部4の前記内周面5に突起15が食い込み、それによって、前記菊割れフタ1の上方開口4a内に割りリング体11を弾性的に嵌合保持させることができる。
【0017】
そして、前記作用を持つように、前記割りリング体11の径方向の長さDや内径R、あるいは、突起15の突出量B、また、割りリング体11の厚みCが適宜設定される。
【0018】
一方、前記ヌメリ除去剤12は、環状枠部4の前記内周面5に沿った状態で前記割りリング体11に保持されている。すなわち、略球形のヌメリ除去剤12は、割りリング体11の両面a,bから半分ずつ突出した状態で設けられており、割りリング体11が菊割れフタ1内で嵌合保持されている状態では、各ヌメリ除去剤12が、隣接する菊割れ舌片3,3間に形成されている前記排水用長孔6の径方向外方側の部分に位置決めされている。
【0019】
而して、溜蓋2を菊割れフタ1から取り外したときの流しの排水は、各ヌメリ除去剤12から菊割れフタ1の前記底部に至り、排水用長孔6を経てゴミ受けカゴに至るとともに、菊割れ舌片3上に排水の一部が滞留する。そのため、ゴミ受けカゴのヌメリを除去できるとともに、このゴミ受けカゴの上部に設けられる菊割れフタ1のヌメリも除去できる。
【0020】
また、割りリング体11の撓み変形を利用しているので、底部の径が異なるタイプの菊割れフタにも適用できる。つまり、環菊割れフタの内周面に突起15が食い込むことが可能であるので、汎用性のあるヌメリ除去部材10を提供することができる。
【0021】
図3〜図5は、ヌメリ除去剤を割りリング体と別体に設けてあるこの発明の第2の実施形態を示す。なお、図3〜図5において、図1、図2に示す符号と同一のものは同一または相当物である。
【0022】
図3〜図5において、30は、ヌメリ除去部材で、流しのゴミ受けカゴ31の上部に設けられる菊割れフタ1に対し着脱自在に設置される。ヌメリ除去部材30は、樹脂成形された可撓性の割りリング体32と、例えばシリコンの表面にチタン膜をコーティングしてなる複数の粒状のヌメリ除去剤12とからなる。この実施形態では各ヌメリ除去剤12は略球形である。
【0023】
前記割りリング体32は、薄肉の上リング部33およびこの上リング部33と同形の下リング部34を薄肉の繋ぎ部35で繋いでなる構成を有し、両リング部33,34および繋ぎ部35は一体成形されている。Sは、割りリング体32内の空間である。上リング部33は、複数の凸部分33aを有するとともに、外周に菊割れフタ1の環状枠部4の前記内周面5に係止する係止部を有する。この係止部は、複数の突起33bより構成される。同様に、下リング部34は、複数の凹部分34aを有するとともに、外周に菊割れフタ1の環状枠部4の前記内周面5に係止する係止部を有する。この係止部は、複数の突起34bより構成される。突起33bおよび突起34bによって菊割れフタ1の環状枠部4の前記内周面5に係止する係止部39が構成されている。
【0024】
更に、割りリング体32は、前記凸部分33aと凹部分34aによって形成される略球状の空間を有する収容部36を菊割れフタ1の内周面5に沿って複数設けてなる。この略球状の空間は前記空間Sに連通する。そして、各収容部36にはヌメリ除去剤12が収容されている。この実施形態では、前記収容部36は、1個のヌメリ除去剤12が収容できる程度の大きさに設定されている。
【0025】
なお、複数のヌメリ除去剤12が収容できる程度の大きさに収容部の空間を設定してもよい。この場合、空間の大きさとして、各収容部に収容される複数のヌメリ除去剤が移動可能な大きさとしてもよい。
【0026】
また、割りリング体32は、内周の側に径方向に沿って放射状に形成された複数の内スリット40と、外周の側に径方向に沿って放射状に形成された複数の外スリット41とを有する。この外スリット41は、前記係止部39に跨がって形成されている。
【0027】
而して、溜蓋2を菊割れフタ1から取り外したときの流しの排水は、内スリット40と外スリット41からヌメリ除去剤12が収容されている収容部36に至る一方で、内スリット40と外スリット41から排出されて菊割れフタ1の前記底部に至り、排水用長孔6を経てゴミ受けカゴ31に至るとともに、菊割れ舌片3上に排水の一部が滞留する。そのため、ゴミ受けカゴのヌメリを除去できるとともに、このゴミ受けカゴの上部に設けられる菊割れフタ1のヌメリも除去できる。
【0028】
また、割りリング体32の撓み変形を利用しているので、底部の径が異なるタイプの菊割れフタにも適用できる。
【0029】
なお、この発明は、割りリング体を上部材と下部材とに二分割して互いに着脱自在とし、前記上部材と下部材間の空間内で菊割れフタの円周面上をヌメリ除去剤が移動可能なように構成してもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明では、流しのゴミ受けカゴのヌメリを除去するのみならず、この受けカゴの上部に設けられる菊割れフタのヌメリも除去できる汎用性のあるヌメリ除去部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)この発明の第1の実施形態を示す平面図である。
(B)上記実施形態におけるE−E線矢視図である。
【図2】 (A)上記実施形態における使用状態を示す平面図である。
(B)上記実施形態における使用状態を示す構成説明図である。
【図3】 この発明の第2の実施形態における使用状態を示す分解斜視図である。
【図4】 上記第2の実施形態を示す平面図である。
【図5】 上記第2の実施形態を示す正面図である。
【符号の説明】
1…菊割れフタ、4…環状枠部、5…環状枠部内周面、10…ヌメリ除去部材、11…割りリング体、12…ヌメリ除去剤、13…外周面、14…係止部。
Claims (4)
- 流しのゴミ受けカゴの上部に設けられる菊割れフタに対し上方から着脱自在に設置されるヌメリ除去部材であって、外周面に前記菊割れフタの環状枠部内周面に係止する係止部を備えた割りリング体と、前記菊割れフタの前記環状枠部内周面に沿って前記割りリング体に保持された複数の粒状のヌメリ除去剤とからなることを特徴とするヌメリ除去部材。
- 前記ヌメリ除去剤は、前記割りリング体に一体に設けられている請求項1に記載のヌメリ除去部材。
- 前記ヌメリ除去剤は、前記割りリング体と別体に設けられている請求項1に記載のヌメリ除去部材。
- 前記割りリング体は上部材と下部材とに二分割され、前記上部材と下部材間の空間内で前記ヌメリ除去剤が移動可能なように構成されている請求項1または請求項3に記載のヌメリ除去部材。
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