JP3848566B2 - ヌメリ除去機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、流しのゴミ受けカゴのヌメリを除去するためのヌメリ除去機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流しの排水口に設置されるゴミ受けカゴのヌメリを除去するヌメリ除去部材として、ゴミ受けカゴの上部に設けられる菊割れフタに対し着脱自在に設置できるカセット枠体がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、菊割れフタにはゴミ受けカゴに連通する複数の排水用孔が形成されているが、これら排水用孔を利用してヌメリ除去液を得るタイプのヌメリ除去部材はなかった。
【0004】
この発明は、菊割れフタの排水用孔を利用してヌメリ除去液を得ることができるヌメリ除去機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明のヌメリ除去機構は、流しのゴミ受けカゴの上部に設けられ、前記ゴミ受けカゴに連通する複数の排水用孔を底部に有する菊割れフタと、この菊割れフタに対し着脱自在に設置されるカートリッジと、このカートリッジ内に収容されたヌメリ除去剤とからなり、前記流しを流れる排水が前記カートリッジ内へ流入するための入口とヌメリ除去液が前記カートリッジ内から流出するための出口とを、いずれも前記カートリッジの側面中央部に対向させた状態で設けてあり、さらに、前記カートリッジは、前記排水用孔の直下で、かつ、前記菊割れフタの前記底部の下面側に設置されている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態について説明する。なお、この発明はそれによって限定されるものではない。
【0007】
図1〜図5は、流しを流れる排水がカートリッジ内へ流入するための入口とヌメリ除去液がカートリッジ内から流出するための出口とを、いずれもカートリッジの側面中央部に対向させた状態で設けてあるこの発明の第1の実施形態を示す。
【0008】
図1〜図5において、1は、菊割れフタで、流しの排水口内に嵌め込まれるゴミ受けカゴ2の上部に設けられる。このゴミ受けカゴ2は、上方開口2aを有する有底の筒状で、胴部(側面部)および底面部(図示せず)を有している。
【0009】
菊割れフタ1は、複数の菊割れ舌片3で構成される平面視円形の底部Aと、上方開口4aを形成する縦断面略門型の環状枠部4とより主としてなる。前記舌片3は、下面m側に径方向に形成されたリブ3a,3bを有する。また、前記底部Aは、中心部に丸孔7を有するとともに、ゴミ受けカゴ2の上方開口2aに連通する複数の第1の排水用長孔6aを菊割れ舌片3,3間に有し、更に、ゴミ受けカゴ2に連通する複数の第2の排水用長孔6bを舌片3に形成された前記リブ3bに有する。第2の排水用長孔6bの大きさは第1の排水用長孔6aよりも小さく設定されている。そして、前記第1,第2の排水用長孔6a,6bは、円周方向よりも径方向に長い。
【0010】
以下、この発明の特徴的構成について説明する。
【0011】
10は、ヌメリ除去部材で、菊割れフタ3に対し着脱自在に設置される樹脂製のカートリッジ11と、このカートリッジ11内に収容された複数の粒状(円板状)のヌメリ除去剤12とから主としてなる。この実施形態では前記カートリッジ11を前記下面m側からみて十字の位置に配置している。すなわち、この実施形態では4個のヌメリ除去部材10を菊割れフタ3のリブ3bに設けている。
【0012】
更に、前記カートリッジ11は、前記排水用孔6bの直下で、かつ、前記舌片3の下面m側に設置されている。すなわち、前記リブ3bを有する舌片3の下面m側において、前記リブ3bにカートリッジ嵌め込み用の凹所13を設け、この凹所13にカートリッジ11を設置してある。また、舌片3は、下面m側に凹所13を挟む形でカートリッジ保持用の係合部15を一対有する。
【0013】
前記カートリッジ11は、有底筒状で、ヌメリ除去剤12が収容される嵌め込み式の小容器よりなるカートリッジ本体11aと、側面視略へ字形で、ヌメリ除去液をゴミ受けカゴの側面部2bおよび底面部に案内するためにカートリッジ本体11aの長手方向(両矢印Qで示す方向)に沿って設けられた左右一対の案内部材11bと、前記係合部15に係止可能で縮めることにより復元力を生じる形状に形成された一対の可撓性の係止片11cと、カートリッジ本体11a内に立設されているスペーサ11dとよりなる。前記各案内部材11bは、同一形状をしており、平面視細長の長方形の薄い板体をへ字形に折り曲げたような形をしている。また、カートリッジ本体11aは、複数個のヌメリ除去剤12が収容可能かつ交換可能なように、接着剤Sによって接着されるか、あるいは、図示しない係止部材によって互いに着脱自在に係止する上部材18および下部材19で二分割されている。
【0014】
この実施形態では前記係止片11cは上部材18のQ方向における端面部18a,18aから連設されている。また、前記案内部材11b,11bは、下部材19の胴面N1 の所定高さの位置で、かつ、Q方向に沿う形で設けられている。前記案内部材11b,11bと下部材19とスペーサ11dは一体成形されている。そして、上部材18の胴面N2 の上向き稜線部29を平坦な前記下面mに沿わす形で前記カートリッジ本体11aはヌメリ除去剤12が収容された形で凹所13内に嵌め込まれるとともに、係合部15に設けた嵌め込み孔15aに係止片11cの先端部を挿通させ、この先端部に設けた爪Tを係合部15に係止させることにより、凹所13内に前記カートリッジ本体11aを弾性的に嵌合保持させることができる。
なお、下部材19の胴面N1 と上部材18の胴面N2 は同一円周上にある。そして、胴面N1 と胴面N2 とでカートリッジ本体11aの胴面Nが構成される。
【0015】
また、この実施形態では前記スペーサ11dは、下部材19の内側に設けられている。前記スペーサ11dは、複数のヌメリ除去剤12を縦置き状態で載置するとともに、位置決めするための平坦な載置面20を有する。この載置面20は複数の仕切り部21を所定間隔で有する。この仕切り部21は、縦置き状態で載置面20に載置されたヌメリ除去剤12同士を位置決めするとともに、ヌメリ除去剤12同士を仕切る機能を有する。
【0016】
30は、流しを流れる排水がカートリッジ本体11aに流入するための丸孔形状の入口で、カートリッジ本体11aに複数個形成されている。また、31は、前記入口30からカートリッジ本体11a内に流入した排水にヌメリ除去剤12が溶けてなるヌメリ除去液が、カートリッジ本体11aから案内部材11bを通ってゴミ受けカゴ2の胴部(側面部)2bおよび底部に向かって流出するための丸孔形状の出口である。この出口31もカートリッジ本体11aに複数個形成されている。
【0017】
前記入口30と前記出口31は、いずれも前記カートリッジ本体11aの側面中央部(胴面Nの中央部)に上下に対向させた状態で設けてある。
【0018】
すなわち、前記入口30は、前記出口31の開口面積と同等か、あるいは、前記出口31の開口面積よりも若干大きく設定してある。そして、図5において、33は、カートリッジ本体11aの中心Oと入口30の内側および出口31の内側を通り、載置面20に平行な線(二点鎖線)を示すが、この線33よりも若干下の位置に入口30の最下点40が位置するよう入口30が形成されるとともに、出口31は、前記線33よりも若干上の位置に出口31の最上点41が位置するよう形成されている。
【0019】
また、出口31の最下点42の位置は入口30の最下点40よりも低い位置に設定されている。
【0020】
また、入口30の最上点43の位置は出口31の最上点41よりも高い位置に設定されている。
【0021】
これにより、排水用孔6bからカートリッジ本体11aの上部材18の胴面N2 に至り、この胴面N2 を伝わりながら胴面N2 を下方に移動する前記排水を、出口31よりも入口30に流入し易くできる。
【0022】
また、入口30からカートリッジ本体11a内に流入した前記排水にヌメリ除去剤12が溶けてなるヌメリ除去液を、入口30よりも出口31にカートリッジ本体11a内から流出し易くできる。
【0023】
上述したように、前記各案内部材11bは、下部材19の胴面N1 の所定高さの位置で、かつ、Q方向に沿う形で設けられている。案内部材11bは、ゴミ受けカゴの底面部の直上にヌメリ除去液を案内し前記底面部に向かってヌメリ除去液を落下させるための案内部45、ゴミ受けカゴの胴部(側面部)2bにヌメリ除去液を案内する案内部44とよりなる。更に、案内部44は、ゴミ受けカゴの胴部(側面部)2bに到達する程度に案内部45よりも長手方向に長く設定されるとともに、案内部45の傾斜面45aよりも若干緩やかに傾斜した傾斜面44aを有する。
【0024】
一方、前記複数個の出口31は、前記Q方向に沿って、かつ、適宜の間隔を有して載置面20に平行に配置されている。そして、出口31から流出したヌメリ除去液の流出速度が速くても確実に傾斜面44aを伝わってゴミ受けカゴの胴部(側面部)2bに到達するように、案内部44は、外側に案内突起部50を有する。また、出口31から流出したヌメリ除去液の流出速度が速くても確実に傾斜面45aを伝わってゴミ受けカゴの底部を一様に満たすように、案内部45は、外側に案内突起部51を有する。
【0025】
上記実施形態では、入口30の最上点43の位置を出口31の最上点41よりも高い位置に設定し、入口30の最下点40の位置を出口31の最下点42よりも高い位置に設定したものを示した。
【0026】
図6は、前記入口30と前記出口31を、いずれも前記カートリッジ本体11aの側面中央部(胴面Nの中央部)に対向させた状態で設けた上で、入口30の最下点40と出口31の最下点42の位置を略同一高さとし、かつ、入口30の最上点43の位置を出口31の最上点41よりも高い位置に設定してあるこの発明の第2の実施形態を示す。なお、図6において、図1〜図5に示す符号と同一のものは同一または相当物である。
【0027】
図7は、前記入口30と前記出口31を、いずれも前記カートリッジ本体11aの側面中央部(胴面Nの中央部)に対向させた状態で設けた上で、入口30の最下点40の位置を出口31の最下点42よりも低く設定し、かつ、入口30の最上点43と出口31の最上点41の位置を略同一高さとしてあるこの発明の第3の実施形態を示す。なお、図7において、図1〜図6に示す符号と同一のものは同一または相当物である。
【0028】
この実施形態のカートリッジ本体11aは、最下点40の位置に入口30より外側に突出して形成された舌部60を有する。この舌部60は前記載置面20に平行な受け面61を有する。
【0029】
而して、胴面N2 を伝わりながら胴面N2 を下方に移動する前記排水を、最下点40の位置に設けた舌部60の受け面61で受け止めて、かつ、カートリッジ本体11a内に案内することができ、前記排水を効率よく入口30からカートリッジ本体11a内に流入できる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明では、菊割れフタの排水用孔を利用してヌメリ除去液を得ることができるヌメリ除去機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態を示す構成説明図である。
【図2】 上記実施形態で用いた菊割れフタの底面図である。
【図3】 上記実施形態の要部を示す分解斜視図である。
【図4】 上記実施形態の要部を示す構成説明図である。
【図5】 上記実施形態においてカートリッジの側面中央部に対向させた状態で設けた入口と出口の位置関係を示す構成説明図である。
【図6】 この発明の第2の実施形態においてカートリッジの側面中央部に対向させた状態で設けた入口と出口の位置関係を示す構成説明図である。
【図7】 この発明の第3の実施形態においてカートリッジの側面中央部に対向させた状態で設けた入口と出口の位置関係を示す構成説明図である。
【符号の説明】
1…菊割れフタ、2…ゴミ受けカゴ、6a,6b…排水用孔、11…カートリッジ、12…ヌメリ除去剤、30…入口、31…出口、A…底部、m…下面。
Claims (4)
- 流しのゴミ受けカゴの上部に設けられ、前記ゴミ受けカゴに連通する複数の排水用孔を底部に有する菊割れフタと、この菊割れフタに対し着脱自在に設置されるカートリッジと、このカートリッジ内に収容されたヌメリ除去剤とからなり、前記流しを流れる排水が前記カートリッジ内へ流入するための入口とヌメリ除去液が前記カートリッジ内から流出するための出口とを、いずれも前記カートリッジの側面中央部に対向させた状態で設けてあり、さらに、前記カートリッジは、前記排水用孔の直下で、かつ、前記菊割れフタの前記底部の下面側に設置されていることを特徴とするヌメリ除去機構。
- 前記カートリッジは、有底筒状で、胴部に前記入口および出口を有する嵌め込み式の樹脂製小容器を有し、かつ、この小容器は、上部材および下部材で二分割されている請求項1に記載のヌメリ除去機構。
- 前記排水が前記排水用孔から前記入口を通って前記カートリッジ内に至る流路と、前記ヌメリ除去液が前記出口を経て前記ゴミ受けカゴに至るヌメリ除去液流路とが構成されている請求項1または請求項2に記載のヌメリ除去機構。
- 前記カートリッジは、前記出口から流出したヌメリ除去液を前記ゴミ受けカゴの側面部および底面部に案内するための案内部材を有する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のヌメリ除去機構。
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