JP4657703B2 - 運搬用容器 - Google Patents

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Description

本発明は密封して運搬する必要のある例えば医療廃棄物等に使用することが好適な運搬容器に関するものである。
従来から医療関係において排出される医療廃棄物、例えば注射針、脱脂綿、カテーテル等は密閉性の高い運搬用容器に収容されて運搬される。このような運搬用容器は一旦蓋をすると再度開放することは予定しておらず、そのまま廃棄したり焼却したりする処理がなされている。
このような目的で使用される運搬用容器として例えば特許文献1や特許文献2が挙げられる。特許文献1には、プラスチック製の容器本体2と蓋体8からなる運搬用容器が開示されている。一旦蓋体8を容器本体2に嵌合すると蓋体8側の凹部係止部10の内側面に形成された係合部がフランジ部6の下端に係合されて容易には開けられないような構造となっている。特許文献2も同様である。
特開2003−95294号公報 特開2003−81307号公報
ところで、このような運搬用容器においてより軽量化を図るために肉厚を薄肉に形成するという発想がある。しかし薄肉にすると剛性が低くなり不意の外力によって容器がひずんで本来開放を予定していない蓋体が外れてしまうおそれがある。また、外れないまでも、ひずむことで隙間ができてその隙間から医療廃棄物が落下したり液状の薬剤等が漏れ出すという可能性もある。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、蓋体が外れにくく、なおかつ従来と同じ肉厚で成形するにも関わらず剛性を向上させることができる運搬用容器を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明では、筒状の胴部と同胴部下縁に一体形成された底部からなる容器本体と、同容器本体の上部開口部に嵌合されて同容器本体を封塞する蓋体とを有し、同容器本体の上部開口部周縁及び同蓋体周縁にそれぞれフランジ部及びフランジ包囲部を形成し、同蓋体が同容器本体の上部開口部に嵌合された状態で同フランジ部を同フランジ包囲部によって外側方から包囲させるようにした運搬用容器において、前記フランジ部は前記上部開口部から側方に向かって張り出した張り出し部と、同張り出し部前方から下垂するスカート部を有し、スカート部の下部位置に取っ手用フランジ部を形成するとともに、前記フランジ包囲部の下端位置には内側に屈曲した小フランジ部を形成し、前記蓋体が前記容器本体に嵌合された状態で同小フランジ部が前記スカート部の下端に係合し、係合状態にある同小フランジ部と同取っ手用フランジ部が近接した位置に配置されるようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、容器本体の上部開口部周縁にはフランジ部が形成され、蓋体周縁にフランジ包囲部が形成されているため、容器本体に対して蓋体を嵌合させていくとフランジ部はフランジ包囲部によって外側方から包囲されることとなる。そして、蓋体の嵌合に伴ってフランジ包囲部の下端位置に形成された小フランジ部が蓋体が前記容器本体に嵌合された状態でスカート部の下端に係合する。
これによって小フランジ部が蓋体が前記容器本体に嵌合された状態でスカート部の下端に係合するため、蓋が開きにくくなる。また、小フランジ部と取っ手用フランジ部の隙間には指や道具が入らない構造であるため、こじ開けができない。
また、請求項2の発明では請求項1に記載の発明の構成に加え、前記小フランジ部の先端は肉厚に構成されていることをその要旨とする。
また、請求項3の発明では請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記蓋体は前記容器本体に嵌合した状態で同容器本体の上部開口部から同容器本体内周面に沿って下垂する隣接壁部を有し、前記フランジ部の前記スカート部の外表面に形成された第1のフランジ側係合部と前記フランジ包囲部の内表面に形成された第2のフランジ側係合部とを同蓋体の嵌合に伴って強制的に係合させるとともに、前記容器本体内側面に形成された第1の容器内係合部と前記隣接壁部の外側面に形成された第2の容器内係合部とを強制的に係合させるようにしたことをその要旨とする。
これによって容器本体と蓋体とがフランジ部側(つまり容器本体の外側)の係合作用だけでなく容器本体内側からの係合作用によって内外から蓋体が開かないようにしっかりと固定されることとなり、不意の外力によって容器がひずんだとしても容易に蓋体が容器本体から外れてしまうことがない。また、蓋体の隣接壁部には第1の容器内係合部が、容器本体には第2の容器内係合部が形成される構造となるためこれら係合部の作用で剛性自体が向上する。そのためひずみにくく隙間もできにくくなるため隙間から内容が落下したり漏れ出したりする不具合も生じにくい。
ここに、第1及び第2のフランジ側係合部は互いに係合してフランジ部を包囲したフランジ包囲部が容易に離間できないように接合されるような係合であれば係合手段は問わない。第1及び第2のフランジ側係合部はフランジ部及びフランジ包囲部全周に渡る条体であることが密閉性の点から好ましい。
また、請求項の発明では請求項に記載の発明の構成に加え、前記第1の容器内係合部は前記隣接壁部の周方向に延びる条体であり、前記第2の容器内係合部は前記容器本体の周方向に延びる条体であることをその要旨とする。
条体とは例えば互いに契合する凹凸形状を有する凹凸条体が考えられる。係合部を条体とすることで剛性自体が極めて向上する。また、条体とする場合には、容器本体及び蓋体の全周に切れ目無く形成されることが好ましい。全周に切れ目無く形成することによって剛性の向上以外に密閉性の向上にも寄与するからである。また、基本的には第1及び第2の容器内係合部は容器本体及び蓋体の周方向に水平に延びるように形成されることが好ましい。第1及び第2の容器内係合部が傾斜しているような場合では容器本体に蓋体を嵌合させる際の位置(つまり位相)等を考慮しなければならず、嵌合動作が面倒だからである。
また、請求項5の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記フランジ部全周に渡って第1の溝部を形成するとともに、前記フランジ包囲部には同第1の溝部に対応する第2の溝部を形成し、前記蓋体を前記容器本体に固定した状態において同両溝部内にその全長に渡って可撓性の密閉部材を嵌入したことをその要旨とする。
これによって容器本体と蓋体との間に密閉部材が介在されることとなるため、密閉性が向上する。
また、請求項6の発明では請求項4に記載の発明の構成に加え、前記第1及び第2の溝部の少なくとも一方には空気抜き用の小孔が形成されていることをその要旨とする。
また、請求項の発明では請求項1〜6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記フランジ部を上方及び外側方から包囲する前記フランジ包囲部の内側面は同フランジ部の外側面と密着していることをその要旨とする。
つまり、蓋体と容器本体の密閉性を担保する外周縁を構成するフランジ部とフランジ包囲部が密閉部材を介在させなおかつ両者の対向する面同士が密着することとなるため、密閉性が更に向上する。また、密着することによってフランジ部とフランジ包囲部が一体化し、外力に対する剛性が向上しひずみにくくなる
また、請求項の発明では請求項のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記蓋体の隣接壁部の外側面は容器本体内周面と密着していることをその要旨とする。
これによって蓋体と容器本体が嵌合されて対向する面同士が広く密着することとなるとともに、容器本体と蓋体との間に密閉部材が介在されることとなるため、非常に密閉性が向上する。
上記各請求項の発明では、小フランジ部が蓋体が前記容器本体に嵌合された状態でスカート部の下端に係合するため、蓋が開きにくくなる。また、小フランジ部と取っ手用フランジ部の隙間には指や道具が入らない構造であるため、こじ開けができない。
以下、本発明の容器について蓋付きバケツに応用した具体的実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、生分解性プラスチック製の蓋付き運搬用バケツ11(以下、バケツ11とする)はバケツ本体12と蓋13とにより構成されている。まずバケツ本体12から説明する。
バケツ本体12は隅丸に面取りされた(いわゆるアールがつけられた)略正方形形状の底部15と底部15外周から上方に立ち上がる胴部16を有している。胴部16は上方側に向かって徐々に拡開された底部15の外郭形状と相似形状の断面略正方形形状の筒形体とされている。胴部16の上端はバケツ本体12内に物を収容する際の収容口となる上部開口部12aとされている。
胴部16の上部寄りの全外周に渡ってバケツ本体12の運搬用の取っ手部17がフランジ状の突設形成されている。取っ手部17は外方に水平に延出される水平部18と同水平部18の前端から下方に下垂する補強部19とから構成されている。
図1〜図4に示すように、上部開口部12aを形成する胴部16の上端縁全周に渡って異形断面のフランジ部21が一体形成されている。
フランジ部21は上端縁から外方に水平に張り出す張り出し部22と、同張り出し部22の前端から下方に下垂する内スカート部23とから構成されている。張り出し部22の上面には同張り出し部22の全周囲に渡って第1の溝部25が形成されている。第1の溝部25は断面略半円形状に形成され上方に向かって開口されている。図1及び図3等に示すように、第1の溝部25の底面には裏面に連通する複数の小孔26が形成されている。
図3に示すように、前記第1の溝部25には中空の合成ゴム製の無端ゴムチューブ27が装着されている。図4(a)及び(b)に示すように、無端ゴムチューブ27は第1の溝部25に装着された状態では第1の溝部25の内部形状に応じて変形する。図4(a)に示すように、無端ゴムチューブ27の上半身は第1の溝部25に嵌合された状態で外方に突出して突出部29を形成している。無端ゴムチューブ27を第1の溝部25に嵌合させる際には無端ゴムチューブ27に押圧された第1の溝部25内部の空気は小孔26から排出される。
内スカート部23は下端側ほど胴部16から離間するように斜状に下垂されて構成されている。内スカート部23の外周面には断面鈎状に内側(つまり胴部16側)に向かって屈曲された第1のフランジ側係合部としてのフランジ側係合溝30が同内スカート部23の全周囲に渡って水平に形成されている。フランジ側係合溝30は胴部16側から目視すると胴部16方向に張り出した突条として現れる。
内スカート部23に形成されたフランジ側係合溝30とほぼ同高さであって胴部16の内周面には第1の容器内係合部としての容器内係合突条31が胴部16の全周囲に渡って水平に形成されている。
図2及び図4に示すようにバケツ本体12の取っ手部17よりも上部部分は胴部16及び内スカート部23が斜状に形成されているため、上面が平らでかつ上方ほど窄まり下方ほど拡開した山型の断面形状をなしている。本実施の形態ではこのバケツ本体12の取っ手部17よりも上部部分を被嵌合部32とする。
次に蓋13について説明する。
蓋13は平面略正方形形状(つまりバケツ本体12の底部15と相似形状)に形成されている。蓋13はバケツ本体12の上部開口部12aを塞ぐ板部33と同板部33の周囲に一体形成される異形断面のフランジ包囲部34から構成されている。板部33には升形の補強リブ35が上方に向かって低い凸状突起として形成されている。補強リブ35はバケツ11を上下に重ね置きした際の上側のバケツ11の位置決めの役割も果たしている。
図2及び図4に示すように、フランジ包囲部34は蓋板部33を基準として上方に立ち上がる隣接壁部としての立ち上げ部36と、同立ち上げ部36から外方に水平に張り出す張り出し部37と、同張り出し部37の前端から下方に下垂する外スカート部38とから構成されている。
立ち上げ部36は上方ほど板部33から離間するように斜状に構成されている。立ち上げ部36の外周面(下面側)には第2の容器内係合部としての容器内係合溝39が同立ち上げ部36の全周囲に渡って水平に形成されている。容器内係合溝39は上面側から目視すると板部33方向に張り出した突条として現れる。
張り出し部37の下面(裏面)には張り出し部37の全周囲に渡って第2の溝部40が形成されている。第2の溝部40は前記第1の溝部25と同形状に構成された断面半円形状の溝であって下方に向かって開口している。図1及び図4等に示すように、第2の溝部40の天井面には表面に連通する複数の小孔41が形成されている。
外スカート部38は下端側ほど板部32から離間するように斜状に下垂されて構成されている。外スカート部38の内周面には第2のフランジ側係合部としてのフランジ側係合突条43が同外スカート部38の全周囲に渡って水平に形成されている。外スカート部38の下端縁全周囲には内側に向かって(つまり容器内係合溝39方向)張り出したフランジ状のロック部44が形成されている。ロック部44の先端44aは僅かに盛り上がって肉厚に構成されている。先端44a面位置はフランジ側係合突条43の先端43aと同位置となるように内側に向かって張り出している。
図2及び図4に示すようにフランジ包囲部34は立ち上げ部36及び外スカート部38が斜状に形成されているため、上面が平らでかつ上方ほど窄まり下方ほど拡開した山型の断面形状をなしている。本実施の形態ではフランジ包囲部34の内周面形状(つまり裏面形状)はバケツ本体12側の被嵌合部32の外周面形状(つまり表面形状)と一致する。つまり、フランジ包囲部34を被嵌合部32に被覆すると両対向面はオス型とメス型の関係となってしっかりと密着する。
次に、このようなバケツ11の作用について説明する。
蓋13をバケツ本体12に嵌合させ内部を密封する。具体的には図4(a)に示すように、蓋13周縁に形成されたフランジ包囲部34をバケツ本体12側の被嵌合部32に上方から嵌合させていくこととなる。
フランジ包囲部34は山型の断面形状をなしているため、深く嵌合させていくにつれて徐々に被嵌合部32の外周面の抵抗によって拡開されて、若干ひずみながら(つまり無理嵌め状に)下降していくこととなる。一方、被嵌合部32もフランジ包囲部34の下降に伴いひずむ。
被嵌合部32に被せられたフランジ包囲部34においては立ち上げ部36の外側面36a(フランジ包囲部34としてみると内表面であるが)が胴部16の内側面16aに接触し、外スカート部38のロック部44の先端44aとフランジ側係合突条43の先端43aがバケツ本体12側の内スカート部23の外側面23aに当接する。この状態から蓋13をバケツ本体12方向に押圧して嵌合させていく。
フランジ包囲部34の立ち上げ部36側は下降に伴ってその外側面36aが容器内係合突条31に接触する。係合突条31が突出しているためフランジ包囲部34をそれ以上下方に移動させるためにはより強い力で下降させることとなる。係合突条31の上面31aはテーパ状に形成されているため、フランジ包囲部34の下降に従って立ち上げ部36の外側面36aは係合突条31に対して強く圧着されることとなって立ち上げ部36や胴部16の係合突条31付近は若干ひずむ。
そして、係合突条31が容器内係合溝39に至った段階で押圧力が一気に解放され、ひずんでいた係合突条31付近は原形に復帰する。そして図4(b)に示すように係合突条31は容器内係合溝39に嵌まりこむ。
一方、外スカート部38側ではロック部44の先端44aとフランジ側係合突条43の先端43aが内スカート部23の外側面23aに当接しながら下降する。下降に伴って外スカート部38は内スカート部23の外側面23aの抵抗によってひずみ、外方に撓むこととなる。フランジ側係合突条43がちょうどフランジ側係合溝30に嵌まりこむと同時にロック部44は内スカート部23の下端に至りロック部44は内スカート部23の下側に嵌まりこむ。つまり、外方に撓んで付勢された外スカート部38が原形に復帰する。このようにロック部44は内スカート部23の下端に嵌まりこむと、図4(b)に示すようにロック部44と取っ手部17(水平部18)との隙間は非常に狭くなり(数mm程度)人の指や不正な操作をするための道具(例えばドライバー)をこの隙間に挿入することは不可能になる。
また、フランジ包囲部34の下降に伴って張り出し部37の下面に形成された第2の溝部40に張り出し部22の第1の溝部25に嵌合された無端ゴムチューブ27の突出部29が嵌合される。ちょうど上記係合突条31が容器内係合溝39に嵌まり、フランジ側係合突条43がちょうどフランジ側係合溝30に嵌まり、ロック部44が内スカート部23の下側に嵌まった状態で両張り出し部22,37の対向面は密着する。
このように構成することにより本実施の形態のバケツ11は次のような効果を奏する。(1)フランジ側係合突条43とフランジ側係合溝30とがバケツ本体12の外側で係合するだけでなく、バケツ本体12の内側で係合突条31と容器内係合溝39も係合するので、フランジ包囲部34が被嵌合部32にしっかりと固定されることとなり、不意の外力によって容器がひずんだとしても容易に蓋13がバケツ本体12から外れてしまうことがなく密封性が維持される。
(2)蓋13には容器内係合溝39によるリブ構造が全周囲に形成されるため、剛性が向上する。同様にバケツ本体12にもフランジ側係合溝30によるリブ構造が全周囲に形成されるため、剛性が向上する。これら係合部の作用でバケツ11の剛性自体が向上する。そのためひずみにくく隙間もできにくくなるため隙間から内容が落下したり漏れ出したりする不具合も生じにくい。
(3)バケツ本体12の外側でフランジ側係合突条43とフランジ側係合溝30に加えてロック部44によって二重に係合されることとなり、より蓋が開きにくくなる。しかも、ロック部44下部の隙間には人の指や道具が入らない構造であるので意図的に蓋13をこじ開けようとしても実行することは困難である。
(4)無端ゴムチューブ27によって張り出し部22,37同士がしっかりと連結されるとともに、無端ゴムチューブ27は変形度が大きいので、延出部の密着にしっかり追随して、例え張り出し部22,37付近が外力でひずんでもバケツ11の密封性は維持されることとなる。
(5)フランジ包囲部34外表面と被嵌合部32内表面とがしっかりと密着するため、これらが一体化してバケツ11の封塞に関わる部分の剛性が増すとともに、内部の密封性が向上して万一の液漏れが生じない。
(6)溝部25,40には小孔26,41が形成されているため、溝部25,40に無端ゴムチューブ27が嵌合する際に溝部25,40内部に空気が取り残されることがなく、無端ゴムチューブ27が溝部25,40から浮き上がったり脱落したりすることがなくなる。
(7)バケツ本体12と蓋13とは生分解性プラスチック製であるため、処理場に放棄しても速やかに分解されることとなり処理場における廃棄物の嵩の軽減となる。
尚、この発明は、次のように変更して具体化することも可能である。
・第1及び第2のフランジ側係合部、又は第1及び第2の容器内係合部としては上記実施の形態のような凹凸関係や具体的な形状に限定されるものではない。
例えば、図5に示すように、図4の容器内係合溝39を逆に容器内係合突条45に形成し、容器内係合突条31を逆に容器内係合溝46に形成するように凹凸関係を逆にしてもよい。
・フランジ包囲部34やフランジ部21の形状は上記は一例であって、これらに限定されるものではない。
・バケツ本体12は円筒形形状の胴部16であってもよい。
・生分解性プラスチックの素材としては、例えば合成生分解性プラスチックとしては例えば脂肪族ポリエステル樹脂であるポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート、ポリプチレンサクシネートアジペート、ポリプチレンアジペート、ポリプチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリラクチド酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシブチレート・バリレート共重合体、アセチルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらに植物由来の有機物(例えば、茶由来物質、竹粉や竹棒液等の竹由来物質、熊笹粕、木粉や木搾液等の木由来物質、澱粉粕、米粕、ハーブ由来物質)を混合することも可能である。
・密閉部材としては上記のようなチューブ状のものでなくとも中実の紐状の物であってもよい。また、断面形状は円形でなく異形(楕円、ひょうたん型等)であってもよい。また、無端でなくともよい。例えば複数の分割された中実の紐状体であってもよい。隣接する密閉部材間には僅かに隙間があっても構わない。可撓性があれば切れ目や多少隙間があっても塞がれてしまうからである。また材質としては上記のように合成ゴム以外に例えば塩化ビニル樹脂製、ポリエチレン(PE)エチレンー酢酸ビニル(EVA)樹脂製等軟質で可撓性があれば種々の素材を使用することができる。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
本発明の実施の形態の蓋付き運搬用バケツの一部切り欠き分解斜視図。 同じ蓋付き運搬用バケツの一部切り欠き側面図。 同じ蓋付き運搬用バケツのバケツ本体を説明する一部切り欠き部分斜視図。 (a)はバケツ本体に蓋を嵌合させる前の状態を説明する部分断面図、(b)は嵌合させた後の状態を説明する部分断面図。 他の実施の形態の蓋付き運搬用バケツにおけるバケツ本体に蓋を嵌合させる前の状態を説明する一部切り欠き側面図。
符号の説明
11…運搬用容器としての蓋付き運搬用バケツ、12…容器本体としてのバケツ本体、13…蓋体としての蓋、16…胴部、12a…上部開口部、21…フランジ部、30…第1のフランジ側係合部としてのフランジ側係合溝、31…第1の容器内係合部としての容器内係合突条、34…フランジ包囲部、36…隣接壁部としての立ち上げ部、39…第2の容器内係合部としての容器内係合溝、43…第2のフランジ側係合部としてのフランジ側係合突条。

Claims (8)

  1. 筒状の胴部と同胴部下縁に一体形成された底部からなる容器本体と、同容器本体の上部開口部に嵌合されて同容器本体を封塞する蓋体とを有し、同容器本体の上部開口部周縁及び同蓋体周縁にそれぞれフランジ部及びフランジ包囲部を形成し、同蓋体が同容器本体の上部開口部に嵌合された状態で同フランジ部を同フランジ包囲部によって外側方から包囲させるようにした運搬用容器において、
    前記フランジ部は前記上部開口部から側方に向かって張り出した張り出し部と、同張り出し部前方から下垂するスカート部を有し、
    スカート部の下部位置に取っ手用フランジ部を形成するとともに、前記フランジ包囲部の下端位置には内側に屈曲した小フランジ部を形成し、前記蓋体が前記容器本体に嵌合された状態で同小フランジ部が前記スカート部の下端に係合し、係合状態にある同小フランジ部と同取っ手用フランジ部が近接した位置に配置されるようにしたことを特徴とする運搬用容器。
  2. 前記小フランジ部の先端は肉厚に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
  3. 前記蓋体は前記容器本体に嵌合した状態で同容器本体の上部開口部から同容器本体内周面に沿って下垂する隣接壁部を有し、
    前記フランジ部の前記スカート部の外表面に形成された第1のフランジ側係合部と前記フランジ包囲部の内表面に形成された第2のフランジ側係合部とを同蓋体の嵌合に伴って強制的に係合させるとともに、前記容器本体内側面に形成された第1の容器内係合部と前記隣接壁部の外側面に形成された第2の容器内係合部とを強制的に係合させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の運搬用容器。
  4. 前記隣接壁部は前記蓋体の全周に渡って形成されるとともに、前記第2の容器内係合部は同隣接壁部の周方向に延びる条体であり、前記第1の容器内係合部は前記容器本体の周方向に延びる条体であることを特徴とする請求項3に記載の運搬用容器。
  5. 前記フランジ部全周に渡って第1の溝部を形成するとともに、前記フランジ包囲部には同第1の溝部に対応する第2の溝部を形成し、前記蓋体を前記容器本体に固定した状態において同両溝部内にはその全長に渡って可撓性の密閉部材が嵌入されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の運搬用容器。
  6. 前記第1及び第2の溝部の少なくとも一方には空気抜き用の小孔が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の運搬用容器。
  7. 前記フランジ部を上方及び外側方から包囲する前記フランジ包囲部の内側面は同フランジ部の外側面と密着していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の運搬用容器。
  8. 前記蓋体の隣接壁部の内側面は容器本体内周面と密着していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の運搬用容器。
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