JP4749709B2 - 運搬用容器 - Google Patents
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Description
このような目的で使用される運搬用容器として例えば特許文献1や特許文献2が挙げられる。特許文献1には、プラスチック製の容器本体2と蓋体8からなる運搬用容器が開示されている。一旦蓋体8を容器本体2に嵌合すると蓋体8側の凹部係止部10の内側面に形成された係合部がフランジ部6の下端に係合されて容易には開けられないような構造となっている。特許文献2も同様である。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、一旦容器本体に嵌合させた蓋体が容易に外れない運搬用容器を提供することにある。
また、請求項2の発明では請求項1に記載の発明の構成に加え、前記内スカート部は下端側ほど前記容器本体の外方に離間するように斜状に下垂させられるとともに、前記外スカート部は下端側ほど蓋体の外方に離間するように斜状に下垂させられていることをその要旨とする。
また、請求項4の発明では請求項3に記載の発明の構成に加え、前記溝部には空気抜き用の小孔が形成されていることをその要旨とする。
また、請求項5の発明では請求項1〜4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記容器本体の胴部と同容器本体を封塞する蓋体は平面方形に形成され、対向配置された前記透孔と前記長尺体とは同容器本体及び同蓋体の角部以外の位置に配設されていることをその要旨とする。
つまりこれによって容器本体と蓋体とがフランジ部とフランジ包囲部との係合作用だけでなく突出部にフランジ包囲部がロックされることとなるため、不意の外力によって容器がひずんだとしても容易に蓋体が容器本体から外れてしまうことがなく、いたずらに蓋体をこじ開けようとしてもこじ開けることはできない。
ここに、第1及び第2のフランジ側係合部は互いに係合してフランジ部を包囲したフランジ包囲部が容易に離間できないように接合されるような係合であれば係合手段は問わない。第1及び第2のフランジ側係合部はフランジ部及びフランジ包囲部全周に渡る条体であることが密閉性の点から好ましい。
長尺体と透孔は突出部とフランジ包囲部のいずれにあっても構わない。要は対向する位置に透孔と長尺体とが配置されればよい。突出部は容器本体の全周に形成されても部分的に突出された突出片であっても構わない。突出片として場合には定間隔で配置されることが好ましい。
また、フランジ部の下部位置であって前記容器本体の外周に容器本体に取っ手用フランジ部が形成される場合には突出部をこの取っ手用フランジ部と共有するようにしてもよい。また取っ手用フランジ部に更に突出部を突設させるようにしてもよい。
また、長尺体が蓋体側に形成される場合(つまりフランジ包囲部に形成される)では長尺体は容器本体側に形成された突出部の透孔に貫挿されることとなる。長尺体の係止部はこのような貫挿状態において取っ手用フランジ部のスカート部によって覆われて側面方向からの目視ができないことが好ましい。これによって、むやみにロック部分を外部に露出させないこととなってロック部分を不正に解除しようとする者がいてもあえてその気にさせない等の抑止効果が期待できるからである。また、実際に係止部を操作しようとしても取っ手用フランジ部のスカート部が邪魔となって操作しにくくなる。また、係止部は不正な操作をしにくくするために取っ手用フランジ部のスカート部に近接した位置に配置させることが好ましい。
図1に示すように、生分解性プラスチック製の蓋付き運搬用バケツ11(以下、バケツ11とする)はバケツ本体12と蓋13とにより構成されている。まずバケツ本体12から説明する。
バケツ本体12は隅丸に面取りされた(いわゆるアールがつけられた)略正方形形状の底部15と底部15外周から上方に立ち上がる胴部16を有している。胴部16は上方側に向かって徐々に拡開された底部15の外郭形状と相似形状の断面略正方形形状の筒形体とされている。胴部16の上端はバケツ本体12内に物を収容する際の収容口となる上部開口部12aとされている。
胴部16の上部寄りの全外周に渡ってバケツ本体12の運搬用の取っ手部17がフランジ状の突設形成されている。取っ手部17は外方に水平に延出される水平部18と同水平部18の前端から下方に下垂する補強部19とから構成されている。
図1に示すように、取っ手部17の角部と角部を結ぶ各辺の中央には4つの膨出部20が形成されている。膨出部20は補強部19が部分的に外方に膨出して構成された側面部20aと水平部18から膨出された上部平面部20bから構成されている。上部平面部20bには円形の透孔22が透設されている。図1、図3〜図7に示すように、上部開口部12aを形成する胴部16の上端縁全周に渡って異形断面のフランジ部23が一体形成されている。
図4に示すように、前記第1の溝部26には中空の合成ゴム製の無端ゴムチューブ28が装着されている。図5及び図6に示すように、無端ゴムチューブ28は第1の溝部26に装着された状態では第1の溝部26の内部形状に応じて変形する。図4(a)に示すように、無端ゴムチューブ28の上半身は第1の溝部26に嵌合された状態で外方に突出して突出部29を形成している。無端ゴムチューブ28を第1の溝部26に嵌合させる際には無端ゴムチューブ28に押圧された第1の溝部26内部の空気は小孔27から排出される。
図4〜図7に示すようにバケツ本体12の取っ手部17よりも上部部分は胴部16及び内スカート部25が斜状に形成されているため、上面が平らでかつ上方ほど窄まり下方ほど拡開した山型の断面形状をなしている。本実施の形態ではこのバケツ本体12の取っ手部17よりも上部部分を被嵌合部32とする。
図1及び図2(a)(b)に示すように、蓋13は平面略正方形形状(つまりバケツ本体12の底部15と相似形状)に形成されている。蓋13はバケツ本体12の上部開口部12aを塞ぐ板部33と同板部33の周囲に一体形成される異形断面のフランジ包囲部34から構成されている。板部33には升形の補強リブ35が上方に向かって低い凸状突起として形成されている。補強リブ35はバケツ11を上下に重ね置きした際の上側のバケツ11の位置決めの役割も果たしている。
図2及び図4に示すように、フランジ包囲部34は蓋板部33を基準として上方に立ち上がる立ち上げ部36と、同立ち上げ部36から外方に水平に張り出す張り出し部37と、同張り出し部37の前端から下方に下垂する外スカート部38とから構成されている。
張り出し部37の下面(裏面)には張り出し部37の全周囲に渡って第2の溝部40が形成されている。第2の溝部40は前記第1の溝部26と同形状に構成された断面半円形状の溝であって下方に向かって開口している。図1及び図4等に示すように、第2の溝部40の天井面には表面に連通する複数の小孔41が形成されている。
外スカート部38は下端側ほど板部32から離間するように斜状に下垂されて構成されている。外スカート部38の内周面には第2のフランジ側係合部としてのフランジ側係合突条43が同外スカート部38の全周囲に渡って水平に形成されている。
特に図1及び図2(b)に示されるように、外スカート部38の角部と角部を結ぶ各辺の中央には4つの板状の突出片45が外方に向かって水平に突出形成されている。各突出片45の裏面にはロックピン46が垂直方向に下垂して形成されている。ロックピン46は本体47と同本体47の先端(つまり下端)に一体形成された係止突起48から構成されている。係止突起48は先細りに形成された三角錐の外形を有し、その先端寄りは本体47の外径に対して小径に構成され本体47寄りほど拡径され、本体47寄りは本体47の外径よりも大径とされている。図8に示すように、係止突起48の内部には小空洞49が形成され、係止突起48はわずかに内側にひずませることが可能となっている。係止突起48の最大径部分は前記透孔22の内径よりも若干大きい。
蓋13をバケツ本体12に嵌合させ内部を密封する。具体的には図5に示すように、蓋13周縁に形成されたフランジ包囲部34をバケツ本体12側の被嵌合部32に上方から嵌合させていくこととなる。取っ手部17に形成された膨出部20の上方の対向する位置には突出片45が配置されることとなる。
フランジ包囲部34は山型の断面形状をなしているため、深く嵌合させていくにつれて徐々に被嵌合部32の外周面の抵抗によって拡開されて、若干ひずみながら(つまり無理嵌め状に)下降していくこととなる。一方、被嵌合部32もフランジ包囲部34の下降に伴いひずむ。
一方、フランジ包囲部34の下降に伴って突出片45から下垂されたロックピン46も下降し、図6に示すように係止突起48は膨出部20の上部平面部20bに形成された透孔22に貫挿されていく。この時、係止突起48の最大径部分は透孔22の内径よりも大きいため、係止突起48は無理嵌め状に透孔22に挿入されていくこととなる。係止突起48は先細りのテーパ状に形成されているため挿入当初は抵抗なく進出できるが、進出につれ徐々に抵抗が大きくなっていく。挿入に伴い係止突起48は透孔22の形状に応じて若干ひずむこととなる。
また、フランジ包囲部34の下降に伴って張り出し部37の下面に形成された第2の溝部40に張り出し部24の第1の溝部26に嵌合された無端ゴムチューブ28の突出部29が嵌合される。ちょうど上記係合突条31が容器内係合溝39に嵌まり、フランジ側係合突条43がちょうどフランジ側係合溝30に嵌まり、ロック部44が内スカート部25の下側に嵌まった状態で両張り出し部24,37の対向面は密着する。
(2)ロックピン46の係止突起48は膨出部20の上部平面部20bに係止された状態で取っ手部17の補強部19及び膨出部20によって側方から広く包囲され目視できないようになっている。これによって、ロック部分を不正に解除しようとする気を起こさせないという抑止効果が期待できる。また、例えば図7に示すように係止突起48は上部平面部20bに係止された状態で膨出部20にごく近接した非常に操作しにくい位置に配置されているため、この係止突起48にアクセスするのは面倒で不正解除の防止につながる。
(3)無端ゴムチューブ28によって張り出し部24,37同士がしっかりと連結されるとともに、無端ゴムチューブ28は変形度が大きいので、延出部の密着にしっかり追随して、例え張り出し部24,37付近が外力でひずんでもバケツ11の密封性は維持されることとなる。
(4)フランジ包囲部34外表面と被嵌合部32内表面とがしっかりと密着するため、これらが一体化してバケツ11の封塞に関わる部分の剛性が増すとともに、内部の密封性が向上して万一の液漏れが生じない。
(5)溝部25,40には小孔27,41が形成されているため、溝部25,40に無端ゴムチューブ28が嵌合する際に溝部25,40内部に空気が取り残されることがなく、無端ゴムチューブ28が溝部25,40から浮き上がったり脱落したりすることがなくなる。
(6)バケツ本体12と蓋13とは生分解性プラスチック製であるため、処理場に放棄しても速やかに分解されることとなり処理場における廃棄物の嵩の軽減となる。
・上記ロックピン46の形状は一例であって、これに限定されるものではない。また、ロックピン46の配置位置や配置数も上記は一例である。
・上記実施の形態ではバケツ本体12側に透孔22を設け、蓋13側にロックピン46を形成するようにしていたが、これは逆でもよい。例えば図9及び図10に示すように、ロックピン46を膨出部20の上部平面部20bに立設させ、透孔22を突出片45に透設するごとくである。また、透孔22とロックピン46を交互に配置するように透孔22とロックピン46を混交させてもよい。
・上記実施の形態では取っ手部17に膨出部20を形成し、ここに透孔22を透設させていたが、図11に示すように取っ手部17を大きく張り出させ、直接取っ手部17に透孔22を透設するようにしてもよい。
・第1及び第2のフランジ側係合部としては上記実施の形態のような凹凸関係や具体的な形状に限定されるものではない。
・バケツ本体12は円筒形形状の胴部16であってもよい。
・密閉部材としては上記のようなチューブ状のものでなくとも中実の紐状の物であってもよい。また、断面形状は円形でなく異形(楕円、ひょうたん型等)であってもよい。また、無端でなくともよい。例えば複数の分割された中実の紐状体であってもよい。隣接する密閉部材間には僅かに隙間があっても構わない。可撓性があれば切れ目や多少隙間があっても塞がれてしまうからである。また材質としては上記のように合成ゴム以外に例えば塩化ビニル樹脂製、ポリエチレン(PE)エチレンー酢酸ビニル(EVA)樹脂製等軟質で可撓性があれば種々の素材を使用することができる。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
Claims (5)
- 筒状の胴部と同胴部下縁に一体形成された底部からなる容器本体と、同容器本体の上部開口部に嵌合されて同容器本体を封塞する蓋体とを有し、同容器本体の上部開口部周縁及び同蓋体周縁にそれぞれフランジ部及びフランジ包囲部を形成し、同蓋体が同容器本体の上部開口部に嵌合された状態で同フランジ部を同フランジ包囲部によって外側方から包囲させるとともに、同フランジ部の外表面に形成された第1のフランジ側係合部と同フランジ包囲部の内表面に形成された第2のフランジ側係合部とを同蓋体の嵌合に伴って強制的に係合させることで同蓋体を同容器本体に固定するようにした運搬用容器において、
前記フランジは前記容器本体の上端縁から外方に水平に張り出す第1の張り出し部と、同第1の張り出し部の前端から下方に下垂する内スカート部とを備え、前記第1のフランジ側係合部は同内スカート部に形成され、
前記フランジ包囲部は立ち上げ部と、同立ち上げ部から外方に水平に張り出す第2の張り出し部と、同第2の張り出し部の前端から下方に下垂する外スカート部とを備え、前記第2のフランジ側係合部は同外スカート部に形成され、
前記内スカート部の下部位置であって、前記容器本体の外周に形成された取っ手用フランジ部には外方に突出する突出部を形成するとともに、前記外スカート部には複数の長尺体が前記突出部に形成された複数の透孔と一の透孔と一の長尺体とが一組となって対向するように形成され、
前記蓋体を前記容器本体に嵌合させ、かつ前記第1及び第2のフランジ側係合部を係合させた状態で前記内スカート部と前記外スカート部との対向面を密着させる一方、前記長尺体を先端方向から前記透孔内に貫挿させて、同長尺体に形成された係止部を同透孔周縁に係止させることによって貫挿された同長尺体の同透孔からの引き抜きを不能とするとともに、同長尺体の前記係止部が前記透孔周縁に係止された状態において前記取っ手用フランジ部のスカート部によって覆われて側面方向からの目視が不能となるようにしたことを特徴とする運搬用容器。 - 前記内スカート部は下端側ほど前記容器本体の外方に離間するように斜状に下垂させられるとともに、前記外スカート部は下端側ほど蓋体の外方に離間するように斜状に下垂させられていることを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
- 前記第1及び第2の張り出し部には全周囲に渡ってそれぞれ第1及び第2の溝部が形成され、前記蓋体を前記容器本体に嵌合させた状態で前記両溝部内に収納された密閉部材を介在して前記第1及び第2の張り出し部が連結されることを特徴とする請求項1又は2に記載の運搬用容器。
- 前記溝部には空気抜き用の小孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の運搬用容器。
- 前記容器本体の胴部と同容器本体を封塞する蓋体は平面方形に形成され、対向配置された前記透孔と前記長尺体とは同容器本体及び同蓋体の角部以外の位置に配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の運搬用容器。
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