JP2006219152A - 運搬用容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バケツ本体12の上部開口部12a周縁にフランジ部21を形成するとともに蓋13にはフランジ部21を包囲するフランジ包囲部34を形成する。蓋13がバケツ本体12の上部開口部12aに嵌合された状態で蓋13側のフランジ包囲部34はバケツ本体12側のフランジ部21を上方から包囲する。この時、フランジ包囲部34の外周に下垂形成された外スカート部38はフランジ部21の内スカート部23外周の連結用溝部24内に挿入される。これによってフランジ包囲部34の端部は保護され蓋13がこじ開けられることがない。
【選択図】 図2
Description
このような目的で使用される運搬用容器として例えば特許文献1や特許文献2が挙げられる。特許文献1には、プラスチック製の容器本体2と蓋体8からなる運搬用容器が開示されている。一旦蓋体8を容器本体2に嵌合すると蓋体8側の凹部係止部10の内側面に形成された係合部がフランジ部6の下端に係合されて容易には開けられないような構造となっている(例えば図2)。特許文献2も同様である。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、蓋体をこじ開けることが困難な運搬用容器を提供することにある。
これによってフランジ包囲部の下端はスカート部の溝部に挿入されて保護されることとなり、フランジ包囲部(蓋体)をこじ開けることができなくなる。
ここに、溝部とはスカート部の下端外周側にフランジ部を周回するように形成されていれば、その形状は問わない。例えば溝部として必ずしもフランジ部の全周囲に及ぶ必要はない。また、第1及び第2の係合部の形状は両者が係合することで蓋体が容器本体に固定されるようになっていればよく、その形状は特に限定されるものではない。
また、請求項2の発明では請求項1に記載の発明の構成に加え、前記蓋体は前記容器本体に嵌合された状態で同容器本体の上部開口部から同容器本体内周面に沿って下垂する同蓋体の全周に渡って形成された隣接壁部を有し、同容器本体内側面に形成された前記第1の係合部と同隣接壁部の外側面に形成された前記第2の係合部とを強制的に係合させるようにしたことをその要旨とする。
このような構成では、容器本体と接する蓋体の面積を大きくすることによって接触面積が大きくなって密閉性がより向上することとなる。
条体とは例えば互いに係合する凹凸形状を有する凹凸条体が考えられる。係合部を条体とすることで剛性自体が極めて向上する。また、条体とする場合には、容器本体及び蓋体の全周に切れ目無く形成されることが好ましい。全周に切れ目無く形成することによって剛性の向上以外に密閉性の向上にも寄与するからである。また、基本的には第1及び第2の係合部は容器本体及び蓋体の周方向に水平に延びるように形成されることが好ましい。第1及び第2の係合部が傾斜しているような場合では容器本体に蓋体を嵌合させる際の位置(つまり位相)等を考慮しなければならず、嵌合動作が面倒だからである。
また、請求項4の発明では請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記フランジ部全周に渡って第1の溝部を形成するとともに、前記フランジ包囲部には同第1の溝部に対応する第2の溝部を形成し、前記蓋体を前記容器本体に固定した状態において同両溝部内に可撓性の密閉部材を嵌入したことをその要旨とする。
これによって容器本体と蓋体との間に密閉部材が介在されることとなるため、密閉性が向上する。
つまり、蓋体と容器本体の密閉性を担保する外周縁を構成するフランジ部とフランジ包囲部が密閉部材を介在させなおかつ両者の対向する面同士が密着することとなるため、密閉性が更に向上する。また、密着することによってフランジ部とフランジ包囲部が一体化し、外力に対する剛性が向上しひずみにくくなる。
また、請求項6の発明では請求項5に記載の発明の構成に加え、前記フランジ部は前記上部開口部から側方に向かって張り出した張り出し部を備え、前記スカート部は同張り出し部前方から下垂され、同張り出し部上部に前記第1の溝部が形成されるようにしたことをその要旨とする。
これによってフランジ包囲部と接するフランジ部の外表面の面積を大きくし、なおかつ面積増大にも関わらずフランジ部自体の軽量化を図ることが可能となる。フランジ部の外表面の面積を大きくすることによってフランジ部と密着するフランジ包囲部との接触面積が大きくなって密閉性がより向上する。
また、請求項7の発明では請求項2〜6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記蓋体の隣接壁部の外側面は容器本体内周面と密着していることをその要旨とする。
これによって蓋体と容器本体が嵌合されて対向する面同士が広く密着することとなるとともに、容器本体と蓋体との間に密閉部材が介在されることとなるため、非常に密閉性が向上する。
図1及び図2に示すように、生分解性プラスチック製の蓋付き運搬用バケツ11(以下、バケツ11とする)はバケツ本体12と蓋13とから構成されている。まずバケツ本体12から説明する。
バケツ本体12は隅丸に面取りされた(いわゆるアールがつけられた)略正方形形状の底部15と底部15外周から上方に立ち上がる胴部16を有している。胴部16は上方側に向かって徐々に拡開された底部15の外郭形状と相似形状の断面略正方形形状の筒形体とされている。胴部16の上端はバケツ本体12内に物を収容する際の収容口となる上部開口部12aとされている。胴部16の内周面16a側であって、開口部12aから若干下がった位置には第1の係合部としての係合溝17が形成されている。係合溝17は胴部16の内周面16aの水平方向全周に渡って形成された凹条とされる。胴部16の係合溝17よりも上方側部分は係合溝17の下方側部分に対してより拡開されて(つまり、開口部12a寄りが外方により大きく傾斜している)構成されている。
フランジ部21は上端縁から全周に渡って外方に水平に張り出し形成された厚肉の張り出し部22と、同張り出し部22の前端全周から下垂する内スカート部23と、同内スカート部23の下端に形成された連結用溝部24とから構成されている。張り出し部22の上面には同張り出し部22の全周囲に渡って第1の溝部25が形成されている。第1の溝部25は断面略半円形状に形成され上方に向かって開口されている。図1及び図3等に示すように、第1の溝部25の底面には裏面に連通する複数の小孔26が形成されている。
図3に示すように、前記第1の溝部25には中空の合成ゴム製の無端ゴムチューブ27がその全長に渡って装着されている。図4(a)及び(b)に示すように、無端ゴムチューブ27は第1の溝部25に装着された状態では第1の溝部25の内部形状に応じて変形する。図4(a)に示すように、無端ゴムチューブ27の上半身は第1の溝部25に嵌合された状態で外方に突出して突出部29を形成している。無端ゴムチューブ27を第1の溝部25に嵌合させる際には無端ゴムチューブ27に押圧された第1の溝部25内部の空気は小孔26から排出される。
内スカート部23は略垂直に下垂されて構成されている。連結用溝部24は同内スカート部23と、同内スカート部23から外方に張り出す水平部30と、同水平部30前端から垂直方向に立ち上がる立設部31とによって包囲されて構成された上方に開口した空間である。連結用溝部24は内スカート部23の下端外周に全周に渡って形成されている。図1及び図2に示すように、内スカート部23には180度対向する両辺の中央位置に下垂するバケツ本体12の運搬用の取っ手部18が突設形成されている。
図2及び図4に示すように水平部30位置よりも上部部分における胴部16はそれ以下の部分と不連続な斜状部とされているため、上面が平らでかつ上方ほど窄まり下方ほど拡開した山型の断面形状をなしている。本実施の形態ではこの水平部30よりも上部部分(フランジ21と胴部16の係合溝17から上部の大きく傾斜した上縁寄り部分)を被嵌合部32とする。
蓋13は平面略正方形形状(図1に示すように4つの各辺はわずかではあるが中央寄りほど外方に膨出している)に形成されている。蓋13はバケツ本体12の上部開口部12aを塞ぐ板部33と同板部33の周囲に一体形成される異形断面のフランジ包囲部34から構成されている。板部33には升形の補強リブ35が上方に向かって低い凸状突起として形成されている。補強リブ35はバケツ11を上下に重ね置きした際の上側のバケツ11の位置決めの役割も果たしている。
図2及び図4に示すように、フランジ包囲部34は蓋板部33を基準として上方に立ち上がる隣接壁部としての立ち上げ部36と、同立ち上げ部36の全周に外方に向かって水平に張り出す肉厚の張り出し部37と、同張り出し部37の前端全周から下垂する外スカート部38とから構成されている。
張り出し部37の下面(裏面)には張り出し部37の全周囲に渡って第2の溝部41が形成されている。第2の溝部41は前記第1の溝部25と同形状に構成された断面半円形状の溝であって下方に向かって開口している。図1及び図4等に示すように、第2の溝部41の天井面には表面に連通する複数の小孔42が形成されている。
蓋13をバケツ本体12の開口部12aに装着させ内部を密封する。具体的には図4(a)に示すように、蓋13周縁に形成されたフランジ包囲部34をバケツ本体12側の被嵌合部32に上方から嵌合させていくこととなる。
蓋13を押圧して下降させていくと立ち上げ部36に形成された係合突起39が徐々に胴部16の内周面16aに強く当接されていくこととなり、胴部16の上方寄り部分は若干ひずむこととなる。
更に、強く蓋13を押圧すると係合突起39は図4(b)に示すように胴部16側の係合溝17に没入し、蓋13はバケツ本体12に固定されることとなる。
また、フランジ包囲部34の下降に伴って張り出し部37の下面に形成された第2の溝部41に張り出し部22の第1の溝部25に嵌合された無端ゴムチューブ27の突出部29が嵌合される。ちょうど上記係合突条31が容器内係合溝39に嵌まり、フランジ側係合突条43がちょうどフランジ側係合溝30に嵌まり、ロック部44が内スカート部23の下側に嵌まった状態で両張り出し部22,37の対向面は密着する。
(2)蓋13をバケツ本体12に被せ、上方から押圧していくだけで外スカート部38はフランジ部21の内スカート部23の外表面に案内されながら下降して連結用溝部24内に速やかに挿入されるため、蓋13をバケツ本体12に嵌合させる際の作業効率が向上する。
(3)無端ゴムチューブ27によって張り出し部22,37同士がしっかりと連結されるとともに、無端ゴムチューブ27は中実のチューブに比べて変形について裕度が大きいので、延出部の密着にしっかり追随して、例えフランジ部21やフランジ包囲部34が外力でひずんでもバケツ11の密封性は維持されることとなる。
(4)フランジ包囲部34外(下)表面と被嵌合部32内(上)表面とがしっかりと密着するため、これらが一体化してバケツ11の封塞に関わる部分の剛性が増すとともに、内部の密封性が向上して万一の液漏れが生じない。
(5)溝部25,40には小孔26,41が形成されているため、溝部25,40に無端ゴムチューブ27が嵌合する際に溝部25,40内部に空気が取り残されることがなく、無端ゴムチューブ27が溝部25,40から浮き上がったり脱落したりすることがなくなる。
(6)バケツ本体12と蓋13とは生分解性プラスチック製であるため、処理場に放棄しても速やかに分解されることとなり処理場における廃棄物の嵩の軽減となる。
・フランジ部21に形成された溝部25の形状は上記に限定されるものではない。例えば図5に示すように、断面隅丸の略方形形状に構成するようにしてもよい。そして、同図のように溝部25の形状に応じて逐次無端ゴムチューブ27の形状を変更することも自由である。この変形例は溝部25形状と無端ゴムチューブ27以外の構成は上記実施の形態と同一の構成とされる。
・第1及び第2の係合部としては上記係合溝17や係合突起39のような具体的な形状に限定されるものではない。もちろん凹凸関係は逆でもよく、その形状や形成位置も変更して実施することは自由である。
・フランジ包囲部34やフランジ部21の形状は上記は一例であって、これらに限定されるものではない。
・バケツ本体12は円筒形形状の胴部16であってもよい。
・バケツ本体12に形成された運搬用の取っ手部18の形状は上記に限定されない。また、取っ手部18は無くとよい。
・密閉部材としては上記のようなチューブ状のものでなくとも中実の紐状の物であってもよい。また、断面形状は円形でなく異形(楕円、ひょうたん型等)であってもよい。また、無端でなくともよい。例えば複数の分割された中実の紐状体であってもよい。隣接する密閉部材間には僅かに隙間があっても構わない。可撓性があれば切れ目や多少隙間があっても塞がれてしまうからである。また材質としては上記のように合成ゴム以外に例えば塩化ビニル樹脂製、ポリエチレン(PE)エチレンー酢酸ビニル(EVA)樹脂製等軟質で可撓性があれば種々の素材を使用することができる。
・その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
Claims (7)
- 筒状の胴部と同胴部下縁に一体形成された底部からなる容器本体と、同容器本体の上部開口部に嵌合されて同容器本体を封塞する蓋体とを有し、同容器本体の上部開口部周縁及び同蓋体周縁にそれぞれフランジ部及びフランジ包囲部を形成し、同蓋体が同容器本体の上部開口部に嵌合された状態で同フランジ包囲部が同フランジ部を外側方から包囲するようにした運搬用容器において、
前記容器本体側に形成された第1の係合部と前記蓋体側に形成された第2の係合部とは同蓋体を同容器本体の前記上部開口部に嵌合させた状態で強制的に係合させられ同蓋体は同容器本体に固定される一方、
前記フランジ部は下垂するスカート部を備え、同スカート部の下端外周側には同フランジ部を周回するとともに上方に開口した連結用溝部が形成され、
前記蓋体が前記容器本体の前記上部開口部に嵌合された状態で前記フランジ包囲部の下端は前記スカート部の前記溝部内に挿入されることを特徴とする運搬用容器。 - 前記蓋体は前記容器本体に嵌合された状態で同容器本体の上部開口部から同容器本体内周面に沿って下垂する同蓋体の全周に渡って形成された隣接壁部を有し、同容器本体内側面に形成された前記第1の係合部と同隣接壁部の外側面に形成された前記第2の係合部とを強制的に係合させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
- 前記第1の係合部は前記容器本体の周方向に延びる条体であるとともに、前記第2の係合部は同隣接壁部の周方向に延びる条体であることを特徴とする請求項2に記載の運搬用容器。
- 前記フランジ部全周に渡って第1の溝部を形成するとともに、前記フランジ包囲部には同第1の溝部に対応する第2の溝部を形成し、前記蓋体を前記容器本体に固定した状態において同両溝部内にはその全長に渡って可撓性の密閉部材が嵌入されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の運搬用容器。
- 前記フランジ部を上方及び外側方から包囲する前記フランジ包囲部の内側面は同フランジ部の外側面と密着していることを特徴とする請求項3に記載の運搬用容器。
- 前記フランジ部は前記上部開口部から側方に向かって張り出した張り出し部を備え、前記スカート部は同張り出し部前方から下垂され、同張り出し部上部に前記第1の溝部が形成されることを特徴とする請求項5に記載の運搬用容器。
- 前記蓋体の隣接壁部の外側面は容器本体内周面と密着していることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の運搬用容器。
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