JP4656705B2 - 斜面の安定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地山等の斜面へ埋設して定着させるロックボルトに関し、特に崩れやすい地山に削孔するロックボルト孔の孔壁を保護して施工するとともに、張力を付与して斜面の安定化を図ったロックボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トンネルや法面の補強等のためにロックボルトが用いられている。従来このロックボルトを地山斜面に設置する場合、地盤を削孔し、その孔にロックボルトを配設するとともにグラウト材を充填してロックボルトの全長を地盤に対し定着していた。したがって、ロックボルトにはグラウンドアンカーのように張力が付与されてなく、地盤表面の支圧板(本明細書ではコンクリートやモルタルの支圧板の他、法枠あるいは座金のみの場合等を含んで支圧板という)は、自重で斜面を押えるだけであって、ロックボルトを介した積極的な張力による地盤が動かないようにするための押圧作用はもっていなかった。
【0003】
また、ロックボルトを用いて法面等を補強する場合、削孔機に装着された穿孔用ロッドで地盤にロックボルト孔を穿孔し、これにロックボルトを挿入してグラウト材を注入し定着する。この場合、地盤が崩壊しやすくロックボルト孔が崩れやすい場所においては、穿孔用ロッドを用いずに、ロックボルト自体にビットを取付けて、このロックボルト自体を削孔機に装着して穿孔する自穿孔型ロックボルトが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような自穿孔型ロックボルトを用いた場合においても、例えば樹木が生い茂るような柔らかい表土の地山では、ロックボルトで穿孔してもその周囲のロックボルト孔が崩れてくり粉が残りグラウト材が確実に注入できない場合がある。例えば地山が粘性土地質の場合、粘着力が強くロックボルトを連結するカプラやビット周辺に粘性土がこびりついて除去できないケースが非常に多い。この場合、水送り等によりくり粉を排出する方法もあるが、粘性土の場合には完全には排出できず、また多量の水を送れば斜面を弛める結果となり好ましくない。
【0005】
また、地質が砂質の場合には、穿孔しながらくり粉を排出しても砂質のロックボルト孔が崩れ孔が埋まってしまう。あるいは、地質が崖錐のような空隙の多い地山においては、崖錐自体が崩れやすいとともに、グラウト材注入時にグラウト材が空隙に沿って逸脱し、所定の範囲に所定量のグラウト材を注入できない場合が生じる。
【0006】
このようにロックボルト孔の崩れ等によりくり粉が排出されなくなるとロックボルトが進まなくなり穿孔できなくなる。また穿孔できたとしても、ロックボルト孔の崩れ等によりグラウト材の注入が妨げられると、定着不良となり、ロックボルトとしての安定した所定の法面補強機能が得られない。
【0007】
このような不具合は、特に大型の削孔機を搬入できないような樹木等が生い茂った軟らかい地山等において問題となる。すなわち、このような場所では、足場や大掛かりな作業台を組むことなく小型で容易に持ち運び可能で簡易に設置可能な削孔機を用いて表層部に削孔することが要求される。
【0008】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、ロックボルトに張力を付与して斜面の安定化を図るとともに、崩壊しやすい表層部を有する地盤に対し、ロックボルト孔の崩れを防止し安定して削孔を可能とする斜面の安定方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、先端にビットを備えた穿孔用ロッドを外管で覆い、前記穿孔用ロッドを削孔機に装着するとともに、前記外管を前記穿孔用ロッドに対して回転可能に保持する外管連行アダプタを介して前記削孔機に取付け、前記ビットが外管の先端から所定の長さだけ突出した状態で該外管を連行させながら掘削を行い、前記外管と穿孔用ロッドとの間に形成される空間部を介して排出されるくり粉を確認しながら前記穿孔用ロッドにより孔壁が自立しない表層部から孔壁が自立する安定地盤に到達するまで斜面を削孔し、その削孔内にロックボルトを配設して、孔壁が自立する前記安定地盤内に埋入した該ロックボルト先端部の所定長さ部分のみをグラウト材で定着し、定着後、このロックボルトを緊張させて張力を付与し、孔壁が自立しない表層部に位置するロックボルトの非定着部分に張力を付与した状態で、このロックボルト頭部を支圧板を介して斜面に固定することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、穿孔用ロッド(自穿孔型のロックボルトを含む)を鋼管等からなる外管で覆った状態でこの鋼管とともにロッド先端のビットを地山内に進入させて削孔するため、鋼管により孔壁の崩れが防止されくり粉が確実に排出されるとともにグラウト材の注入が確実に行われる。これにより、大型の削孔機を用いることなく崩壊しやすい地盤に簡易な削孔機で小径のロックボルト孔を穿孔可能にするとともに、グラウト材を確実に注入してロックボルトの信頼性を高めることができる。
【0011】
このようにロックボルト周囲に確実に空間部を形成してロックボルトを配設した後、先端の所定長さをグラウト材で定着し、このロックボルトを緊張させることにより定着部以外の部分のロックボルトが伸びて張力が付与される。この張力が付与された状態でロックボルトの頭部を地盤表面の支圧板(法枠等を含む)に固定することにより、支圧板がロックボルトの張力により積極的に斜面を押圧して斜面の安定化が図られる。
【0012】
好ましい構成例では、前記ロックボルトの定着部を前記外管で覆い、この定着部を覆う外管に異形加工および複数の孔加工を施すことを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、外管によりロックボルト周囲の地盤が崩れることなく空間部が確保されグラウト材が確実に充填されロックボルトが外管に定着されるとともに、外管に設けた波形やネジ加工等の異形加工により外管の定着力が高まり、さらに孔加工によりグラウト材が外管の外面側に漏出して地盤に対する強い定着力が得られる。このように外管を介してロックボルトを定着することにより、グラウト材の接触面積が大きくなるため、定着力を増加させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態を示し、(A)は分解図、(B)は使用時の組立て状態を示す。
削孔機20は、ドリル本体21とシャンクアダプタ22を介してこのドリル本体に連結されたスイベル23とからなる。ドリル本体21には掘削駆動用のエア(又は水)が送られ、スイベル23には掘削した土や岩盤等のくり粉を排出するためのエア(又は水)が供給される。
【0017】
穿孔用ロッド(またはロックボルト、以下単にロッドという)24の先端に掘削用のビット25が装着される。ロッド24は鋼管からなる外管26内に挿入されほぼ全体が覆われる。このロッド24は、外管連行アダプタ1を介してその後端部がスイベル23の接続口23aに螺合する。ロッド24の外面にはネジが形成され、このネジに対応してスイベル23の接続口23aに雌ネジ(不図示)が形成されている。
【0018】
外管連行アダプタ1は、後述(図2)のように、本体4とナット部材(ロッド結合部)5からなり、ナット部材5の内面に形成された雌ネジ(不図示)にロッド24が螺合するとともにこれを通過してスイベル23の接続口23aにネジ結合される。この外管連行アダプタ1は、ロッド24に対し外管26を相互に回転可能に保持するものである。この場合、ロッド24は、スイベルの接続口23aのネジおよびナット部材のネジの2つのネジによるダブルナット効果により一定位置に固定保持される。さらに、ロッドの回転方向とナット部材の締付け方向を合せておくことにより、削孔中にナット部材が緩むことなく確実にロッドに固定保持され外管連行アダプタを確実に保持する。
【0019】
ロッド24の先端に装着されたビット25としては、この例では拡孔ビットが示されている。この拡孔ビットは、先端に切刃25aを有するとともに側面に切刃25bを突出して有し、側面の切刃25bの回転により外管26の径より太い径の孔を掘削可能とし、かつ削孔後にロッド24を引抜けばロッドの軸が外管の軸とずれて拡孔ビットが外管内に収まりそのまま引抜いてビットを回収することができる。ビット25としては、このような拡孔ビットの他に、外管径より外側に複数の放射方向に切刃を有するビット(この場合には回収はできない)や、先端および側面に外管内に収まる径の切刃を有する2段ビット(この場合には回収および交換可能)等種類を問わずいかなる形式のビットを取付けてもよい。
【0020】
このようなビット25は、外管26の先端部から一定の距離だけ突出させて外管26との干渉を避ける必要がある。特に下向きあるいは斜め下向きに削孔する場合、外管が自重でロッド先端方向に移動するとビット25に接触して回転してしまう。これを避けるため、本発明では外管連行アダプタ1により外管26がロッド24に対し軸方向に移動しないように保持している。
【0021】
図2は上記本発明の実施形態で用いる外管連行アダプタ1を示し、(A)は左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。
この外管連行アダプタ1は、前述のように、削孔機20に取付けられ、ロッド24を覆う外管26を保持して穿孔するための施工部材である。外管連行アダプタ1は、外管26(図1)が接続される外管結合部2と溶接等によりこれと一体結合された連結部3とからなる本体4を有する。この本体4の連結部3にナット部材からなるロッド結合部5が回転可能に連結される。このロッド結合部(ナット部材)5にロッド24が螺合して定着される。
【0023】
外管結合部2は円筒スリーブ状であって、外周面に外管端部が螺合する雄ネジ6が形成される。連結部3は、複数の(この例では4個の)連結片7とその端部に固定された連結板8とからなる。この連結板8をロッド結合部5がこれと一体の座金9で挟むことにより、本体4とロッド結合部5が相互に回転可能に連結される。この連結部3の各連結片7間は大きく開口し、切削したくり粉を排出するためのくり粉排出用開口10を形成する。
【0024】
六角ナット状のロッド結合部5の内面にはロッド24(図1)の外ネジに螺合する雌ネジ11が形成され、ロッド24がこれに螺合して一体的に固定保持される。ロッド結合部5は六角ナット形状に限らずスパナ等が掛けられる形状であればよい。また、このナット部分(スパナ掛け部分)は連結板8の内面側に設けてもよい。
【0025】
このような外管連行アダプタを用いて、外管で覆われたロッドにより、ロッドとともに外管を進行させながら地山斜面を削孔する。これにより、崩れやすい表層部を削孔する場合でも穿孔した孔が崩れることなくロッド全長に沿ってグラウト注入空間を確実に形成することができる。この削孔作業は、ロッドが固い安定地盤(基岩)に達するまで、ロッド24および外管26を連結して継ぎ足しながら繰返して行われる。ロッド24は、接続するロッド端部同士が対向して螺入するカプラを介して連結される。外管26は、接続する一方の端部に形成した雄ネジを相手側の端部の雌ネジに螺合することにより連結される。
【0026】
安定地盤までの距離は削孔前の現場調査により予め分かっているため、それに合せて外管やロッドの長さおよび接続本数等が決められる。この場合、安定地盤に達したことは、表層部との地質の違いによるくり粉により確認できる。
【0027】
安定地盤に達したら、現在削孔中のロッドおよび外管をそのままある程度の長さだけ(あるいは残りの長さすべてを)安定地盤に埋入させる。続いて外管を接続しないでロッドのみを接続して必要な定着長さだけ安定地盤内を掘削する。このとき外管連行アダプタは外しておいてもよい。図3(A)はこのような安定地盤をロッド24のみで削孔している状態を示す。この例では2段ビット25aが示されロッド24同士はカプラ27で接続されている。この場合、最初から2段ビットを用いて穿孔してもよいし、あるいは安定地盤に達するまでは、前述の拡孔ビットを用い、安定地盤に達したらこれを回収して図示した2段ビットに交換して穿孔し、これをそのまま埋設してもよい。
【0028】
安定地盤を削孔したら、ロッド24が穿孔用ロッドである場合にはこれを引抜いてロックボルト24’と入れ替え、またロッド24が自穿孔型ロックボルトの場合にはそのままこれをロックボルト24’とし、図3(B)に示すように、中空のロックボルト24’を通してセメントミルク等のグラウト材を注入する。このとき、外管26の先端部にパッカー(不図示)を詰めて外管内にグラウト材が入らないようにする。これにより、外管26から突出した先端部分のロックボルト24’のみがグラウト材により安定地盤に定着される。
【0029】
他の定着構造例として、安定地盤内のロックボルト24’を外管で覆ってもよい。この場合、外管26の外面にネジ加工や波形あるいは溝その他の凹凸状の異形加工を施すとともに、複数の小孔あるいはスリット等の孔加工を施しておく。
このような外管でロックボルトを覆うことにより、ロックボルト周囲の地盤が崩れることなく空間部が確保されグラウト材が確実に充填されロックボルトが外管に定着されるとともに、外管に設けた波形やネジ加工等の異形加工により外管の定着力が高まり、さらに孔加工によりグラウト材が外管の外面側に漏出して地盤に対する強い定着力が得られる。このように外管を介してロックボルトを定着することにより、グラウト材の接触面積が大きくなるため、定着力を増加させることができる。
【0030】
この場合、所定の定着力を得るために必要な長さだけグラウト材が充填され他の部分にグラウト材が入らないように外管の途中にパッカー(不図示)を詰めておく。
【0031】
定着部以外の外管内にはオイルあるいはグリース等の防錆材を充填しておく。
さらにロックボルト表面に亜鉛メッキ等の防錆処理あるいは樹脂コーティングを施してもよく、また防錆シートで覆ってもよい。防錆材を充填する場合、ロックボルトが外管で覆われているため地盤の崩れがなく防錆材料が確実にロックボルトに作用し防錆機能が高められる。
【0032】
なお、定着部以外の部分を覆う外管は、異形加工や孔加工を施していない外管を用いてもよい。また、グラウト材はロックボルトに沿って設けたグラウト供給用チューブ等を介して注入してもよい。
【0033】
ロックボルトは、前述のように、穿孔用のロッドでロックボルト孔を削孔した後,穿孔用ロッドを引抜いてロックボルト材や異形鋼棒等を挿入してもよいし、あるいはロックボルト自体で穿孔しそのまま埋設する自穿孔型のロックボルトを用いてもよい。自穿孔型のロックボルトとすれば、回収の手間が省ける。穿孔用ロッドを用いれば、ロックボルトの材料の選択の幅が広がりコストの低減等が図られる。
【0034】
前述のようなビットの選択やこれを回収するか埋設するかの選定、あるいは外管に異形加工等を施すかどうか及び削孔後外管を引抜くかどうか、および穿孔用ロッドを用いるかあるいは自穿孔型ロックボルトとするか等については、地盤の地質や周囲の状況およびコスト等を考慮して適宜選定する。
【0035】
以上のようにして、ロックボルトの先端部分を所定長さだけ定着させた後、このロックボルトを引張って緊張させ張力を付与する。この張力を付与した状態でロックボルトの頭部を地盤斜面に支圧板を介して固定する。
【0036】
図4は、ロックボルト頭部の構造例を示す。地盤斜面30上に支圧板31が設置され、この支圧板31上にロックボルト24’の頭部が突出する。支圧板31は、現場打ちのコンクリートでもよいしあるいは工場等で生産したコンクリート二次製品であってもよい。あるいはこの支圧板31は斜面安定用の法枠であってもよい。
【0037】
ロックボルト24’は外管26で覆われる。外管26の内部および地盤との間には防錆材32が充填される。支圧板31上に突出するロックボルト頭部は、角座金33を介してベル型のキャップ34で覆われる。ロックボルト頭部にはナット35が装着されるとともに、地盤斜面に対するロックボルトの傾斜角度に追従できるように、球面ワッシャ36および球面座金37を介して支圧板31上に支持される。ベル型のキャップ34は、球面座金37の側面の雄ネジと、ベル型のキャップ34内側の雌ネジとで結合される。球面座金37の下部のロックボルト頭部はゴムシース38で覆われる。ベル型のキャップ34内はグリース39で充填される。
【0038】
ナット35を締め上げることによりロックボルト24’が引張られて張力が付与される。ロックボルトに張力を付与するための別の方法として、ジャッキ等を用いて引張って緊張させ、引張った状態でくさびあるいはナットでロックボルトを固定してもよい。
【0039】
このように、ロックボルトの先端部側を定着部とし、これに隣接して張力を付与する自由長部を設け、この自由長部を引張った状態で斜面に定着させることにより、支圧板から斜面に対し圧縮力が作用して斜面の安定化が図られる。
【0040】
この場合、定着部のロックボルトは定着力を高めるために全長にわたってネジが形成された鋼材あるいは異形鋼棒とし、自由長部のロックボルトは両端部にのみ接続用のネジが形成された丸棒としてもよい。ロックボルト同士は端部を突き合せてカプラで螺合して連結される。ロックボルトの材料としては例えばPC鋼材を用いることができる。
【0041】
ロックボルトの適当な位置に円筒状あるいは球状のスペーサを装着し、ロックボルトが外管内の中心位置に保持されるように構成してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、穿孔用ロッド(自穿孔型のロックボルトを含む)を鋼管等からなる外管で覆った状態でこの鋼管とともにロッド先端のビットを地山内に進入させて削孔するため、鋼管により孔壁の崩れが防止されくり粉が確実に排出されるとともにグラウト材の注入が確実に行われる。これにより、大型の削孔機を用いることなく崩壊しやすい地盤に簡易な削孔機で小径のロックボルト孔を穿孔可能にするとともに、グラウト材を確実に注入してロックボルトの信頼性を高めることができる。
【0043】
このようにロックボルト周囲に確実に空間部を形成してロックボルトを配設した後、先端の所定長さをグラウト材で定着し、このロックボルトを緊張させることにより定着部以外の部分のロックボルトが伸び、孔壁が自立しない表層部に位置するロックボルトの非定着部分に的確に張力が付与される。この張力が付与された状態でロックボルトの頭部を地盤表面の支圧板(法枠等を含む)に固定することにより、支圧板がロックボルトの張力により積極的に斜面を押圧して斜面の安定化が図られる。
【0044】
また、前記ロックボルトの定着部を前記外管で覆い、この定着部を覆う外管に異形加工および複数の孔加工を施す構成によれば、外管によりロックボルト周囲の地盤が崩れることなく空間部が確保されグラウト材が確実に充填されロックボルトが外管に定着されるとともに、外管に設けた波形やネジ加工等の異形加工により外管の定着力が高まり、さらに孔加工によりグラウト材が外管の外面側に漏出して地盤に対する強い定着力が得られる。このように外管を介してロックボルトを定着することにより、グラウト材の接触面積が大きくなるため、定着力を増加させることができる。
【0045】
また、外管連行アダプタを用いることにより、ロッドは削孔機駆動による回転と打撃により地盤を削孔し、鋼管は回転しないで手元側で掴んでいられるので、穿孔の邪魔にならず、削孔作業が容易に行える。また、穿孔方向にかかわらず鋼管はビットから一定の距離を隔てて保持されビットとの干渉が避けられる。
【0046】
さらに、外管連行アダプタの連結部の開口から削孔地盤のくり粉を排出する構成によれば、くり粉の排出性が向上し、またスイベルを削孔機よりロッド側に取り付けることにより、より多くの水や空気を送れるので、くり粉が排出しやすくなり、結果として削孔性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の構成説明図。
【図2】 図1の実施形態で用いる外管連行アダプタの構成説明図。
【図3】 図1の実施形態による削孔施工後の作業手順の説明図。
【図4】 本発明に係るロックボルトの頭部構成図。
【符号の説明】
1:外管連行アダプタ、2:外管結合部、3:連結部、4:本体、5:ロッド結合部、6:雄ネジ、7:連結片、8:連結板、9:座金、10:くり粉排出用開口、11:雌ネジ、20:削孔機、21:ドリル本体、22:シャンクアダプタ、23:スイベル、23a:接続口、24:穿孔用ロッド(または自穿孔型ロックボルト)、24’:ロックボルト、25:ビット、25a,25b:切刃、26:外管、27:カプラ、30:地盤斜面、31:支圧板、32:防錆材、33:角座金、34:キャップ、35:キャップ、36:球面ワッシャ、37:球面座金、38:ゴムシース、39:グリース。
Claims (2)
- 先端にビットを備えた穿孔用ロッドを外管で覆い、前記穿孔用ロッドを削孔機に装着するとともに、前記外管を前記穿孔用ロッドに対して回転可能に保持する外管連行アダプタを介して前記削孔機に取付け、前記ビットが外管の先端から所定の長さだけ突出した状態で該外管を連行させながら掘削を行い、前記外管と穿孔用ロッドとの間に形成される空間部を介して排出されるくり粉を確認しながら前記穿孔用ロッドにより孔壁が自立しない表層部から孔壁が自立する安定地盤に到達するまで斜面を削孔し、その削孔内にロックボルトを配設して、孔壁が自立する前記安定地盤内に埋入した該ロックボルト先端部の所定長さ部分のみをグラウト材で定着し、定着後、このロックボルトを緊張させて張力を付与し、孔壁が自立しない表層部に位置するロックボルトの非定着部分に張力を付与した状態で、このロックボルト頭部を支圧板を介して斜面に固定することを特徴とする斜面の安定方法。
- 前記ロックボルトの定着部を前記外管で覆い、この定着部を覆う外管に異形加工および複数の孔加工を施したことを特徴とする請求項1に記載の斜面の安定方法。
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JP2002038477A (ja) | 2002-02-06 |
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